プライベートジェットで100日間暮らせたら機体をもらえる:パイロットのアルマンドは何を選んだか

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概要

MrBeast(ジミー)は250万ドルで購入したプライベートジェットを用意し、パイロットのアルマンドに「この飛行機の中で100日間過ごせたら機体をあげる」という挑戦を持ちかけた。体の一部でも飛行機の外に出て地面に触れたら、その時点で挑戦は終わる。10日ごとにジミーが生活を楽にする物と賞金のどちらかを選ばせる「提案」を出し、アルマンドはそのたびに快適さ、お金、飛行機を維持する費用のあいだで判断を迫られる。動画はその100日間の経過を追っている。

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住むためには作られていない機体

挑戦はテスト飛行から始まった。アルマンドは着陸までこなし、「この飛行機で100日だろ、余裕だよ」と話す。機内を案内すると、操縦席、ダイニング、ベッドルームがあるが、キッチンはなく、電子レンジとミールカート、肉の缶詰が置いてあるだけだった。シャワーもない。ジミーは、この飛行機は世界トップクラスだが人間が生活するようには作られていないので、100日間で徐々に厳しくなるはずだと説明する。

最初の夜、アルマンドはベッドよりイスで寝るほうがましだと判断した。数日のうちに寝場所の問題ははっきりし、「ベッドは最悪だ」「ソファで首を痛めた」とこぼす。機内でカニ歩きなどの運動をし、電子レンジでミックスベジタブルの朝食を作り、シャワーの代わりにボディシートで体を拭く生活が続いた。

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「動画のために飛行機を使う」

2日目、ジミーは「俺たちの動画だから、飛行機も俺たちのために使うのがベスト」と考え、ニューヨークへホッケーの試合を見に行くためにアルマンドに操縦を頼んだ。ジミーはアルマンドも誘ったが、降りれば負けなので行けない。アルマンドは機内でヨガをして待った。翌日にはマイアミへ送ってもらっている。

アルマンドのほうも、壁を見ているだけでは耐えられないと言い、自分で飛ぶことを選んだ。ナイアガラの滝の上空1200メートルを飛び、「あれ以上にすごいものは見たことない」と話す。ただし、機体(ホーカー)はパイロット2名体制なので副操縦士が同乗しており、その副操縦士は飛行後に降りて帰れる。アルマンドは「俺の世界はここまでだ」と語った。この時点で彼は、妻と娘に話せないことがつらいとも口にしている。

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10日目:シャワーか5万ドルか

10日目の最初の提案は、指定された座標の滑走路に置かれた現金5万ドルを取りに行くか、機体に接続するシャワールームを付けるかの二択だった。シャワールームは飛行機の延長として扱われ、入っても脱落にはならない。立っていられる広さがあり、シャンプーも用意されていた。

アルマンドは「シャワーを浴びられたら最高だ。でもお金だな」と5万ドルを選んだ。現金を機内に置く場所に困り、スペースを取らないようにケースを詰め替えて、その上で寝たいと冗談を言う。

この選択の背景には維持費の心配があった。アルマンドは、挑戦後に3か月飛行機を所有するだけで、格納庫代8千ドル、保険料1万ドル、メンテナンス3万ドルがかかると計算していた。ジミーは、だからこの動画では機体に加えて最大100万ドルの賞金を獲得するチャンスを用意したと説明する。アルマンドは家族や友人とこの飛行機で好きな場所へ行く様子が想像できると言い、「ジミーからもっとお金を勝ち取らなきゃ」と話した。

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20日目:エアベッドかランボルギーニか

2週間が過ぎると、アルマンドは前向きに過ごそうとしつつも体調を崩していた。家事を「未完了」と「完了」に分けて管理する工夫をしていたが、どう寝ても体のどこかが痛み、運動もできず、胃の調子も悪いと訴えた。22年の軍隊経験のおかげで対応できているとしながらも、最初はワクワクしても、調子が出てくると人生や選択すべてが嫌になってくる、と自分の心理を説明している。

ジミーは100万食をプレゼントする動画の撮影中だったため、アルマンドにフィラデルフィアまで来てもらい、ノースカロライナまで(48分)送ってもらった。お礼にフィリーチーズステーキを渡している。そして本来20日目に出す提案を前倒しし、良さを知ってもらうために特注のエアベッドで一晩寝てもらった。アルマンドは初めて快適に眠れたと言い、「雲の上で寝てるようだった」と答えた。

もう一方の選択肢は、世界のどこかに隠されたミステリーボックスの座標だった。中身は開けるまで分からず、25万ドルかもしれないし、テスラかもしれない、飛行機より価値があるかもしれないと示された。アルマンドは「ぐっすり眠らないと飛行機を操縦できない」「長期戦になる」としてベッドを選ぶ。箱の中身はランボルギーニで、価値は25万ドルだったと明かされた。

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飛ぶことを止められる

ベッドのおかげで集中力が上がったと言うアルマンドは、2千ページある機体のマニュアルを読み始めた。しかしジミーはここで、残りの期間は自分が許可しない限りどこにも飛べないと告げる。ただし、動画の後半で「パイロット人生最大の挑戦」をしてもらうので練習は続けるように求めた。アルマンドは操縦席でルート、離陸速度、緊急時の速度などを入力する訓練を始める。

同じころ、アルマンドは食べ物のことばかり考えていた。ニューオリンズのクレオール料理やベニエ、チャールストンのシーフード、ニューヨークのピザ、キーウェストのキューバ風サンドイッチを思い浮かべる。1か月同じ缶詰を食べ続けた結果、その匂いを「キャットフードの臭い」と表現している。

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30日目:DoorDashと「生き物」入りの箱

30日目、ジミーはこれまでと同じ食料が入ったカートを持ってきた。残りは24時間分しかなく、今後70日分を補充するという。その代わりの提案は、DoorDashアプリだけが入ったスマホ(通話・メール不可)を受け取り、いつでも好きな物を注文できるようにすること。ただしその場合、中に「生き物」が入ったミステリーボックスの中身と24時間一緒に過ごさなければならない。

アルマンドは軍隊に22年いたから自力でどうにかなるとしてDoorDashを選ぶ。箱から出てきたのはスタッフのノーランだった。アルマンドは30日間ほとんど人と交流していなかったので「すごく楽しみだ」と歓迎した。ノーランは操縦席でボタンを押そうとして騒ぎ、2人はタコスを注文し、さらにジミーに知らせないまま飛行機を飾るための雑多な品をDoorDashで大量に注文していた。

翌日、ジミーは機内を片付けさせて別の目的地へ向かい、撮影で物を爆破していたが、そのあいだにアルマンドとノーランはフロリダまで飛んでいた。ジミーは後で映像を見て知ったという。24時間の期限が来るとノーランはフロリダで降ろされた。

1人になったアルマンドはまず食べ物を注文し、バオバンやパスタを食べ、新鮮な果物や野菜がいつでも手に入るようになった。やがて掃除機などの掃除道具やエクササイズバンドも頼むようになり、「巣にこもってる気分、ここが俺の家って感じ」と話している。

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残ったのは孤独だった

それでもアルマンドは、DoorDashでは解決できないものがあると気づく。彼は70か国を訪れ、キリマンジャロに登り、バイクレースに出て、さまざまな飛行機を操縦してきたと語り、このジェットで妻と娘を連れて世界を旅したいと話した。ベッドとDoorDashは大きかったが「でも独りだ」と言い、本当に楽しいのはジミーたちが来るときか、どこかに出かけるときだけだと打ち明ける。

ジミーは、出場者が長期間挑戦する動画ではみな孤独と戦うことになると述べ、40日目に仲間を送った。自身はジャングルで古代寺院を探検していたため、カールとチャンドラーが向かった。2人は「俺たちの休暇に5万ドルで付き合って」と持ちかけ、アルマンドが断ると2万5千ドル、1万ドルと金額を下げ、最後に1ドルで合意した。休暇の中身はフルーツの盛り合わせとプロジェクターでの映画鑑賞で、アルマンドは「この夜は5万ドルの価値があった」と話した。

一方で、人が来た翌日が一番つらいことが多いとも語っている。その日は人に会い、たくさん話すからだ。この時期のアルマンドは、心を忙しくするために毎日操縦席で飛行訓練をするルーティンを作った。操縦席には娘の小さな人形を置いていて、乱気流でも踊っているそれを見ながら、娘は自分がいなくて寂しいだろうかと考える。「俺の弱点は家族だ」とも言っている。

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50日目:家族との再会

50日目、アルマンドは外の世界のことが全く分からず、ジミーたち以外の誰にも会っていないと話し、こんなに長く家族に会わなかったのは初めてだと語った。ジミーが電話をつなぐと妻と話すことができ、近くの空港まで飛んでそこで一緒に過ごすことになった。

アルマンドは「姿が見えても飛行機から飛び降りないようにしないと」と言いながら飛び、着陸後、機内で妻と娘のマディと再会した。家族は機内でピクニックをした。ただ、格納庫に戻ってくると現実感がなく、残りの50日間は家族のことばかり浮かぶだろうと不安を口にする。さらに機内が「ものすごく窮屈」に感じ始め、閉所恐怖症かもしれない、刑務所のようだとも話した。

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60日目:5万ドルを返してジムを手に入れる

アルマンドは残り4回の提案について、追加のスペースか追加の賞金だろうと予想していた。スペースは魅力的だが、今後の飛行と保管だけで10万ドル以上かかることも考えなければならないと言う。

実際の60日目の提案は、トランポリンを含む運動器具一式がそろったスペースを機体に接続するものだった。機体に接しているので飛行機の一部として扱われ、ドアを開けて外の空気も吸える。条件は、10日目に獲得した5万ドルを返すことだった。ジミーは、これはアルマンド自身が機体の維持費になると言っていた金額だと念を押し、カウントダウンで答えを迫った。アルマンドはスペースを選んだ。

使う前に、ジミーはアルマンドに頼んで自分と婚約者のテアをアメリカ最大の屋内スキー場へ、さらにフロリダでのゴードン・ラムゼイとのディナーへ送ってもらった。戻ったアルマンドはこのスペースを「庭」「俺の王国」と呼び、そこでコーヒーを飲むようになった。それまで1日1マイルも歩けなかったのが1時間で3.5マイル歩けるようになり、100マイルを目標にしていると話す。

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70日目の空白と80日目の全米ツアー

アルマンドが順調すぎて挑戦を簡単にしすぎたと考えたジミーは、70日目に行かなかった。連絡もないまま71日目から74日目が過ぎ、アルマンドは「俺のこと忘れたかな」とつぶやく。全国を飛び回るものだと思っていたが実際は違った、庭で暮らしは良くなったが最大の試練は孤独だ、と振り返っている。80日目に現れたジミーは、70日目はデートに行っていたと謝った。

80日目の提案は10枚のカードだった。それぞれにアメリカ各地の空港の座標が書かれていて、90日目までに全都市へ飛び、着いた先でDoorDashで何かを注文して10個すべて集めれば、ジミーとDoorDashから5万ドルが出る。アルマンドは維持費が不安だったと認め、10日の期限を8日でクリアすると宣言した。

クリーブランドでモバイルバッテリーを受け取り、故郷のシャーロット、プロビデンスと順調に進んだが、途中で機体にトラブルが起き、デンバーで一晩過ごすことになった。原因はメインギアのストラットで、整備士が来て修理した。その後ジャクソンホール(イエローストーン国立公園)へ向かったが、今度はポートランド行きの天候が悪く、アイダホのドリッグスに迂回した。7個目まで集めた時点で残り3日、「ここからはどんなミスも許されない」状況になる。最後はタンパでブルートゥーススピーカーを受け取り、10都市を回り終えて格納庫に戻り、5万ドルを獲得した。

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90日目:さらに100日で50万ドル

90日目、ジミーは最後の選択肢を示した。100日目に250万ドルの機体と賞金を受け取って終えるか、さらに100日間挑戦を続けて50万ドルを追加で獲得するかだ。考える時間は10日間与えられた。

アルマンドは、考えるほど難しくなったと話す。ベッドもあり飾り付けもあり、DoorDashがすべてを変えたので、家族は恋しいがサポートがあるから心配はいらない。これまでの提案をすべて受けていれば10万ドルとランボルギーニと飛行機が手に入ったが、50万ドルあればそれらを全部買える。機体を売れば250万ドルになるが、続けて50万ドルを得れば数か月は維持でき、世界一周もできる。そう語りながら、クロアチア、タンザニア、ポーランド、マーサズ・ヴィニヤード島、メキシコシティ、ブエノスアイレス、サンティアゴ、日本と行き先を挙げる一方で、家族とあと100日会えないことも口にし、100日目の朝になっても答えは出ていなかった。

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100日目の決断

終了10分前、ジミーはアルマンドと操縦席に入り、答えを聞く前に家族を連れてこさせた。家族は延長の提案について何も聞かされていなかったが、「50万ドル」という言葉を聞いた妻は「何を言われてもノーって言って」「もう十分でしょ」と叫んだ。ジミーはアルマンドを機内の後方へ連れていき、あと100日続けるかどうかを改めて尋ねる。

映像はアルマンドの答えの言葉を映さないまま、次の場面へ移る。ジミーは家族の前で「プライベートジェット機の権利証書だ。正式に君たちのものだよ」と証書を渡し、アルマンドは「ついに俺たちのものだ」と喜んだ。どこへ行こうかという問いに家族が「オーランド」と答えたところで、動画は終わる。