緊急地震速報「M9.9」誤発表、700km除外機能が働いていなかった 気象庁第3報会見
日テレNEWS2026年(令和8年)10月16日12時40分、気象庁は北海道から中部地方にかけて緊急地震速報(警報)を発表したが、実際には強い揺れは観測されず、発表は取り消された。同日夜、気象庁はこの件について3回目の記者会見を開いた。会見では、2020年の誤発表を受けて導入した「遠い観測点をマグニチュード計算から除外する機能」が今回は動作していなかったと説明した。この機能を21時30分頃に復旧させる緊急対策をとったことも報告した。一方で、機能がいつから動作していなかったのか、なぜ震源が2つに分かれて推定されたのかといった点は、会見時点では調査中とされた。
第3報の内容:除外機能が動作していなかった
会見の冒頭、気象庁の担当者は誤った緊急地震速報で多大な迷惑と負担をかけたことを謝罪し、第3報の内容を説明した。
今回の速報では、震源から遠い観測点のデータをマグニチュードの計算に使ったため、地震の規模をマグニチュード9.9と過大に推定した。気象庁はこれを過大な速報が出た原因の1つと位置づけた。
過大な緊急地震速報の前例として、気象庁は令和2年(2020年)7月30日の鳥島近海を震源とする地震を挙げた。その改善策として、震源から700km以上離れた観測点をマグニチュードの計算に用いない設定にしていた。ところが今回の地震では、この機能が正常に動作していなかったことが判明した。気象庁は16日21時30分頃に機能が動作するよう緊急対策を実施し、この対策によって今回の地震では緊急地震速報が発表されなくなることを確認したという。
いつから動作していなかったのかは不明
最初の質問は、機能が動作しなかった理由がどこまでわかっているかだった。担当者によれば、判明しているのは12時40分の地震に対して機能が動作していなかったという事実までである。いつから動作していなかったのかは調査中だという。
NHKの記者は、直前にシステム更新があったのか、ヒューマンエラーなのかも不明なのかと重ねて尋ねた。担当者は、対策は令和2年のうちに設けたもので、その後システム更新などもあったが、どの時点から動作しなくなったのかは現時点でわからないと答えた。2020年の運用開始時期について朝日新聞の記者が確認すると、当時報道発表したとおり2020年9月からだと担当者は認めた。
遠方の地震でマグニチュードが過大になる仕組み
NHKの記者は、遠方の地震でマグニチュードが過大に評価される仕組みについて改めて説明を求めた。担当者の説明では、今回マグニチュード推定に使った震源は観測網からおよそ1800km(会見の最後に約1900kmと訂正)離れており、そのような非常に遠い震源を前提にすると、非常に大きなマグニチュードが推定される。令和2年の鳥島近海の地震でも、小笠原の母島で観測した大きな振幅が過大推定につながった。そのため震源から遠い観測点は計算に使わない設定にしていたが、今回はそれが動作せず、1800kmも離れたデータをマグニチュードに取り込んだ結果、過大な推定になったという。
ただし、なぜ震源距離が遠いとマグニチュードが過大に推定されるのかについては、引き続き調査が必要だと担当者は述べた。緊急地震速報のマグニチュード推定式は、地震カタログや津波警報の発表に使う気象庁マグニチュードとは別の式である。遠距離でどのような挙動になるかは、現時点で明確にわかっていないという。
記者は「本来より遠い震源を想定したため、これほど遠くまで地震波が届くならもっと大きな地震のはずだと誤認した」という理解でよいかと確認した。担当者は、同じ振幅でも本来より長い震源距離でマグニチュードを推定すれば値が大きくなるのはそのとおりだと認めた。そのうえで、これまであまり観測したことのない長い震源距離でマグニチュードのデータが適正かどうかも確認する必要があると付け加えた。会見の終盤にNHKの記者が再度確認した際も、遠い青い地点を震源とみなし、そこから根室方面に地震波が届くにはこの程度の規模でなければおかしいとして9.9が算出された、という理解で正しいと担当者は答えた。
震源が2系統に分かれた問題は対策の対象外
第2報の会見では、マグニチュード計算に用いた震源と震度予測に用いた震源が別の位置に推定されたことも説明されていた。NHKの記者がこの原因を尋ねると、担当者は、今回の緊急対策はそちらに関するものではなく、引き続き調査が必要だと答えた。原因はまだわかっていないという。
国内の地震でも同様の現象が起きる可能性はあるのかという質問に対し、担当者は、2つの震源が2系統に分かれる現象は今回初めて認識したものだと説明した。通常緊急地震速報で対処している国内の地震では、今のところ同様の現象は確認していない。震源距離が非常に遠い地震で現れる可能性があると考えているという。
担当者はさらに、本来この2つの震源は同じであるべきだと述べた。今回大きな影響が出た原因の1つは、観測網から非常に遠い地震を処理する際に震源がなかなか安定せず、その中で震源を2つ推定してしまったことだと現時点では考えている。日本に近い地震では震源は時々刻々精査されるものの、大きく移動することは非常に稀である。そのため、仮に同様の現象が起きていたとしても影響は大きくならないとの見方を示した。他で起きているかどうかは、現状では認識していないという。
対策の検証と、ほかの地域への影響
テレビ朝日の記者は、緊急対策によって近い地震ではシステムが正常に動くことを確認したのかと尋ねた。担当者によれば、普段から同様の作業をしているとおり、今回の対策も実際のシステムに適用する前に、今回の地震以外の複数の過去の地震に当てはめて検証した。その結果、今回のような誤った速報は出なくなり、正しく発表されるべきものは阻害されないことを確認したという。
観測点がまばらな沖縄のような地域でも検証するのかという質問には、こう答えた。南西諸島は観測点が島嶼部にあってスパースではあるが、それなりの距離に配置されている。そのため今回と必ずしも同じ状況にはなりにくいと思う。ただ、距離の長い観測点を使う場面は多いと考えられるので、動作が正しく行われるかは引き続き確認していく必要がある。
記者が、遠方で起きる現象は予測しにくいので、まずは遠方の地震に対応する対策をとったという理解でよいかと問うと、担当者は次のように答えた。令和2年の事例も含め、観測網から離れた地域ではそもそも震源の決定が難しく、震源が不安定な中で不適切な震度推定をする目立った事例が時折あった。そのため対策を進めてきたのであり、今回の事例に限らず検証を進めたい。
機能はなぜ外れたのか:人為的なエラーの可能性
フジテレビの記者は、この機能はシステム更新などで勝手に外れるものなのか、人為的にしか外れないものなのかを確認した。担当者は、システムが自動的に機能を外すことはないと答えた。機能を動作させるかどうかはパラメーターの設定で決まり、その設定は気象庁で人が行っている。そのため、どこかのタイミングで外れたことになるが、詳細はまだわからないという。
人為的ミスの可能性が高いと考えてよいかと問われると、担当者は、機能が動作していなかったことに気づけなかった点は人為的なエラーだと考えていると述べた。
同じ記者は、昨年7月のカムチャツカ半島の大地震では緊急地震速報が出なかったと記憶しているとして、その時点では機能が正常に働いていたと考えてよいかを尋ねた。担当者は、昨年の地震で緊急地震速報が出なかったことは確認したが、どのような動作の結果として出なかったのかはまだ確認できていないと答え、それも含めて調査を続けるとした。
本来は「予報は出るが警報は出ない」地震だった
共同通信の記者は、対策後に今回の地震で速報が発表されなくなったということは、裏を返せば今回の地震はもともと発表の対象だったのかと確認した。
担当者の説明はこうだった。緊急地震速報では予報が何度か出たあとに警報が発表される仕組みであり、対策後の再現でも予報が出ることは確認した。予報の最初の段階では震源が観測網に比較的近い位置に推定されていたため、予測を行って予報を出す動作は再現された。しかし、警報が発表された時点のマグニチュード計算用の震源は非常に遠く、すべての観測点が700km以上離れる。そこではマグニチュードがそもそも計算されず、マグニチュードがないので震度予測も行われない。その結果、警報は発表されない動作になるという。記者が「700kmを超えた時点で自動的にマグニチュードが算定されず、警報が出ないシステムであるべきだったのに、そうならなかった」とまとめると、担当者はそのとおりだと認めた。
読売新聞の記者も、この運用は日本から700kmを超える地震では緊急地震速報を発表しないという意味かと確認した。担当者は、マグニチュードが推定されなくなるので警報などの発表はないことになると答えた。
2020年鳥島近海の事例との違い
共同通信の記者は、2020年の鳥島近海の地震でも警報が出ていたが、取り消しはしていなかったのかと尋ねた。担当者は、当時は警報の取り消しをしていなかったと答えた。鳥島の事例を踏まえてキャンセル報を発表することにしたため、今回はそれにのっとって取り消したという。
NHKの記者は、2020年の事例を次のように理解していると確認した。鳥島近海でM5.8の地震が起き、母島で地震波を観測したが、震源を房総沖に誤って設定したため、房総からそこまで地震波が届くならもっと大きな地震のはずだと過大評価された。担当者はこれに補足して、2020年はマグニチュード計算用と震度予測用で別の震源を使った事例ではないと説明した。鳥島近海も観測網から離れた地域であり、震源を誤って房総半島寄りの陸に近い側に推定した。その房総半島の震源を前提に、そこからかなり離れた母島のデータを取り込んだため、本来はもっと震源に近いデータであるにもかかわらず、マグニチュードが大きくなったという認識だという。
TBSの記者は、2020年の対策は緊急的な措置だったのなら、なぜ恒久的な設定にしなかったのかと質問した。担当者は、当時も緊急的な対応として行ったが、2020年9月に設定を開始して以降、現在も続いているのが適正な運用だと認識していたと答えた。緊急措置だったからすでにやめていたわけではなく、続けていたつもりが今回はうまく発動しなかったという認識だという。
テレビ朝日の記者は、2020年以降、機能が実際に作動していたことは確認されているのかと重ねて尋ねた。担当者は、いつから動作していなかったのかは現時点でわからないと答えた。除外の方法については、推定された震源からデータが得られた観測点までの距離を計算し、700kmより短ければマグニチュード計算に使い、それより長いものは使わないと説明した。つまり、使うかどうかは震源と観測点の位置関係で決まる。鳥島以降、700kmを超えるような地震が起きていなかったから問題が表面化しなかったのかという問いには、過去の事例をまだ見切れていないとして、どの時点からかを含めて調査を続けると答えた。
過去の過大な速報と、各震源までの距離
共同通信の記者は、鳥島以外にも警報を出したのに実際には大きな揺れが観測されなかった事例があるかを尋ねた。担当者はいくつかあると答え、大きなものとして2013年8月の事例を挙げた。奈良県を震源として大きな震度を予測したが、実際には揺れが観測されなかったという。
朝日新聞の記者は、第2報で示された図の黄色・赤・青の各地点が、日本の観測点からそれぞれ何km離れているかを質問した。会見中には、黄色も700km以上離れており、およそ800kmだという回答があった。会見の最後に担当者が根室からの距離として補足し、黄色が約800km、赤が約1200km、青が約1900kmだと説明した。
同じ記者は、2020年9月4日のお知らせでは「震源からの距離が700km以下の観測データを使用する」となっているのに、今回は「700km以上の観測点を用いない」となっており、700kmちょうどの扱いが異なるのではないかと指摘した。これについても会見の最後に、700kmを超えるものを使わない設定だと回答があった。
マグニチュード9.9は計算式どおりの値
NHKの記者は、M9.9という数字が計算式から正規に出た値なのか、エラー値のようなものなのかを尋ねた。担当者は、正確な動作は調査中としつつ、こう説明した。緊急地震速報のマグニチュードは観測点ごとの値を平均して決める。約1800km離れた震源距離で今回の観測データの振幅を入れると、個々の観測点では10を超える値も見られた。したがって、現在の式に従って計算すればこの程度のマグニチュードになると考えている。速報の計算でマグニチュードが9を超えないような上限が設けられているわけではなく、9や10を超えることもあり得るという。
震源をかなり遠くに求めたこと自体はやむを得ないのか、それもエラーなのかという質問には、担当者はまず一般論として答えた。国内だけの観測網で、非常に離れたカムチャツカ付近の地震を、緊急地震速報に求められる非常に短い時間で決めようとすると、大きな誤差が伴うことはある程度やむを得ない。ただし、今回これほど震源が変動したことが適正だったかどうかは、今後も調査していくという。
再発防止の範囲と、市民への呼びかけ
読売新聞の記者は、緊急対策とは具体的に何を指すのかを尋ねた。担当者は、21時30分に行った、震源から700kmを超える観測点を計算に使わない設定を動作させる対応がそれにあたると答えた。マグニチュード計算用と震度予測用で異なる震源を使った問題などは調査中であり、段階的に対策を進めたいという。
第2報の会見では、同じ場所で同様の地震が起きた場合に誤発表が起きないとは言い切れないという説明があった。この点が改善されたのかと問われると、担当者は、自身もその点を非常に気にかけていたと述べ、今回の対策によって少なくとも同じような事例で同じような誤発表をすることはなくなると考えていると答えた。
市民がどう受け止めればよいかを問われると、担当者は、今回の誤った速報で多大な迷惑と負担をかけたとしつつ、緊急地震速報は適正に働いているとして、見聞きした際にはこれまでどおりまず身を守る行動をとってほしいと呼びかけた。
一方で、機能がいつから働いていなかったのか、なぜ震源が2系統に分かれて推定されたのか、遠距離でマグニチュード推定式がどう振る舞うのかは、いずれも会見の時点では答えが出ていない。気象庁はこれらを今後の調査課題として挙げた。
では、時間になりましたので、よろしくお願いします。
この誤った緊急地震速報の発表により、国民の皆様には多大なご迷惑、ご負担をおかけしたことをお詫び申し上げます。どうも申し訳ございませんでした。
それでは説明をさせていただきます。令和8年10月16日12時40分に発表した緊急地震速報について、第3報という形でご報告をさせていただきます。令和8年10月16日12時40分に北海道から中部地方に対して発表した緊急地震速報での過大予測に対処するため、緊急的な対策を講じましたので、お知らせいたします。
今回の緊急地震速報においては、震源から遠い観測点をマグニチュードの計算に用いたことにより、地震の規模をマグニチュード9.9と過大に推定したことが、過大な緊急地震速報を発表した原因の1つとなりました。
過去に過大な緊急地震速報を発表した事例といたしまして、令和2年7月30日の鳥島近海を震源とする地震があります。このような事例の改善策として、震源から700km以上の観測点をマグニチュードの計算に用いないこととしておりましたけれども、今回の地震においては、この機能が正常に動作していなかったことが判明いたしました。
このため、本日21時30分頃、この機能が動作するように緊急的な対策を実施しました。この対策により、今回の地震に対しては緊急地震速報が発表されなくなることを確認しました。
この度の誤った緊急地震速報の発表により、国民の皆様には多大なご迷惑とご負担をおかけしたことについて、お詫びいたします。気象庁では、今回の事案について引き続き調査を進め、必要な対策を実施してまいります。以上になります。
ありがとうございます。では、幹事社から。なぜ今回、その機能が正常に動作しなかった理由というのは、現時点ではある程度は判明しているんでしょうか?
現時点で判明していることとしましては、今日の10月16日の12時40分の地震に対しては、その機能が動作していなかったということは判明しました。それがなぜ、この時点で、どのタイミングからそういう動作をしていなかったのかというのは、現在調査中でございます。
では、各社さんどうぞ。NHKさん。
すみません。NHK、大橋です。まず、現時点で、どのタイミングから動作していなかったのかは不明だということなんですけれども、そうなってくると、何かしらシステムの更新がこのちょっと前に行われていたとか、何かしらヒューマンエラーなのかみたいなところについても、まだ分からないという感じになりますでしょうか。
そういう意味では、どのタイミングからこのような動作をしていなかったのかというのは、現時点では分かっておりません。令和2年7月の際の対策としては、令和2年のうちにこういう対策を設けたんですけれども、その後、システムの更新等もございましたが、どのタイミングからかというのは、現在も分かっておりません。
分かりました。この遠方の地震でマグニチュードが過大に評価されるということのメカニズムについて、もう一度改めて教えていただけますでしょうか?
そうですね。今回の例に関しましては、先ほどの会見でもご説明いたしましたように、マグニチュードの推定に用いた震源としましては、本邦から大体1800kmであるとか、非常に遠い観測点を用いたことになってございまして、そういう場合、非常に大きいマグニチュードが推定されるということでございました。
実は令和2年の際にも、この鳥島近海の地震に対しては、小笠原の母島でそういう大きな振幅を観測して、それが過大につながったということがございました。そういう対策から、震源から遠い部分に関してはマグニチュードの計算には用いないという設定をしていたんですけれども、今回それが動作していなかったために、1800kmも離れているようなデータもマグニチュードに取り込んだことによって、過大に推定されたということになります。
となりますと、遠地の、遠いところの地震に関しては、震源の位置を誤りやすいからというような認識でしょうか?
そもそもなぜ震源距離でマグニチュードが過大に推定されるかというのは、引き続き調査が必要かとは思っておりますけれども、この緊急地震速報のマグニチュードを推定している式というのは、先ほど、例えばカタログであるとか、津波警報を発表する際に用いている気象庁マグニチュードの式ともまた違う式を使っておりますので、その辺りについて、遠い部分はどのような動作になるのかというのは、現時点では明確に何か分かっているということはございません。引き続き調査をさせていただきたいと思っております。
その前回の7月30日の地震でも、要するに鳥島で地震があって、それの地震波を小笠原の母島で観測したんだけれども、地震の発生位置を誤って房総半島ですかね、に設定してしまったので、この震源が房総半島であるならば、もっと大きな地震が起きているはずだというふうに勘違いをしたということだと、合っていますでしょうか。
はい。1つの要因はそのように、振幅としては同じものを、本来の震源より長いものでマグニチュードを推定すると、マグニチュードが大きくなるというのは、その通りでございますし、そもそも震源距離が長い、あまり今まで観測したことのないようなところが、マグニチュードのデータが適正かというところも確認する必要があると思ってございます。
分かりました。その上で、今回は先ほどの会見にあった丸1の部分に対しての原因として、この本来は弾かれるはずの地震を観測してしまったというところがあるというふうに思うんですけれども、震度を観測する観測点、観測する際、すみません、震度を推定する際の震源がまた異なった位置に設定されたというものに関しての原因というのは、どうなんでしょうか?
そちらにつきましては、今回の対策はそちらに関する対策ではございませんので、引き続き調査が必要だと思っております。
こちらについては、まだ分からないというような認識ですか?
はい。その通りです。
そうなってきますと、今回、もう対策をして、こういった事態が起きないようにしたというふうなご説明だと思うんですけれども、その震度を求める際の、バグなのか分からないんですけれども、そういったものが他の国内の地震でも起きる可能性というのは、どうなんでしょうか?
今回も、そういう意味では、マグニチュードを求める震源と震度予測に用いる震源というのが2系統に分かれたということは、今回初めて認識している現象でございまして、国内で通常我々が緊急地震速報で対処しているようなところでは、今のところ、同じような現象は認めてございませんので、こういう非常に震源距離が遠い地震に対して現れる可能性があるのかなと考えてはいるところでございますけれども、そこにつきましては、引き続きどのような原因かというのは探究して、対処していく必要があると考えております。
国内で同様の、震源を推定する際に、震度を推定する際にまた別のところにするバグのようなことが起きる可能性はゼロではないというようなことになるんでしょうか? それとも基本的にはこれは遠地のことなので、もうそこは起きないと考えていいのかというところを教えてください。
今回、マグニチュードを求める震源と震度の推定に用いる震源、これは本来は当然一致、同じものであるべきなんですけれども、それが結果として大きな影響を及ぼしたという原因の1つは、やはり非常に遠方、観測網から非常に遠いところの地震に対しての処理の際に、非常に震源がなかなか安定しないというようなことが今回も起きているわけですけれども、そういう中での震源を2つ推定してしまっているということが起きていると、今考えております。
通常、日本に近いようなところですと、そもそも時々刻々精査していくんですけれども、それが大きく移動するようなことは非常にまれな現象でございますので、このような状況が起きても、それについて現状で他で起きているかどうかというところは、我々は認識しておりませんけれども、例えばそういうことが起きていたとしても、影響は大きくはないということになると考えてはおります。
ありがとうございます。
では、テレ朝さん。
すみません。テレビ朝日の山内です。今回、緊急の対策を実施して発表されなくなったということですけれども、逆に言うと、周辺では、もう少し近い位置ではしっかりと作動するという、システムとしては正常に稼働するということを確認されたということになるんでしょうか?
はい。我々、今回のこういう対策を施す前に、これはいつも同様の作業はしておるところではあるんですけれども、過去の事例に、今回の地震以外にもいろいろな複数の地震に対して今回の対策を適用して、問題なく発表できるというのを確認した上で、この実際のシステムに適用するということをしております。今まで発表したものの中で、今回の動作変更によって影響を受けるというものは、今回の地震のような誤ったものは出なくなるというのは確認しておりますし、正しく出るものが阻害されないということも確認しております。
ありがとうございます。会見の中では、例えば沖縄とか、観測点が遠い場所というのは他にもあるということでしたけれども、そうした地震で想定されるような場所とか、今回のケース以外でも弱点とされる場所については、700km以上が対象かみたいな検証は行われているんでしょうか。
すみません。もう一度お願いできますか。
地震が想定される、観測点が少ないような沖縄みたいな場所を挙げられたところです。そういう場所で、以上のフィルターがかかっているかという検証などは、もし今していないとしたら、今後行うなどの予定はあるのでしょうか?
若干、沖縄と今回の場所の違いは、沖縄、南西諸島に関しては、観測点が島しょ部なので非常にスパースではございますけれども、例えばそれなりの距離のところには配置されていると思いますので、必ずしも同じような状況にはなりにくいのかなとは思いますけれども、やはり距離が長い観測点を使うことは多いと思いますので、引き続き、そういう動作が正しく行われるかというのは確認をしていく必要があると考えております。
ありがとうございます。最後に、今回、挙動としてその2か所に分かれたのが初めて起きたわけで、前回の鳥島近海だと、もう離れた場所が震源というふうになったりと、遠地で起きる現象というのは、なかなか予期できないというのが、やはり現状としてある。それがいずれにせよ起きるから、とにかくまずは遠地には対応しようということを今回、対策としてされたという認識でよろしいでしょうか?
はい。やはり令和2年の事例もそうですけれども、本邦から離れた部分、震源、観測網から離れた部分につきましては、そもそも震源の決定が難しいというような状況もございますので、そういう中で、震源が不安定な中で、こういう不適切な震度推定等を行う事例というのが、非常に目立つ例が時折あったということで、対策を進めてまいりました。引き続き、その部分については検証を進めて、今回の事例だけでなく、検証の方を進めたいと思います。
ありがとうございます。
では、どうぞ。
すみません。フジテレビの粕尾です。今回、ちょっと確認をしたいんですが、この機能が正常に動作していなかったという部分で、この機能の取り外しというのは、人為的にもできるし、システム内で、例えばシステムの更新とかで勝手に外れる可能性があるものなんでしょうか?
これは、それを動作させるかどうかというのは、勝手に自動的にシステムが外すということはございませんので、そういうパラメーターを設定する、それは人が気象庁ではやっておりますので、そういう際のどこかのタイミングで外れたということになるとは思いますが、詳細はまだ分かっておりません。
となりますと、調査中という話でしたが、比較的ヒューマンエラーの可能性が高いと考えてよいんでしょうか?
そうですね。この機能が動作しなかったのに気づけなかったというところは、人為的なエラーかなと考えているところでございます。
分かりました。また、もう1点なんですけれども、少なくともこのカムチャツカ半島のエリアにおいての動作が、いつから正常に動いていたかどうか分からないということでしたが、少なくとも去年の7月のカムチャツカ半島の地震の際には、緊急地震速報は発表されなかったと記憶はしていますが、あの辺りのエリアでの巨大地震という部分では、そこまでは少なくとも正常に動作していたと考えてよいんでしょうか?
昨年のカムチャツカの大きな地震の際に、緊急地震速報が出なかったのは確認しましたけれども、どのような動作で出なかったのかというのは、今の現時点でまだ確認ができておりませんので、それも含めて引き続き調査させていただきたいと思います。
分かりました。ありがとうございます。
はい。では。
すみません。共同通信の熊木と申します。まず確認でお伺いをしたいんですけれども、今回、この緊急地震速報のマグニチュード算定の機能が動作するように対策をしたことで、今回の地震に対しては緊急地震速報が発表されなくなったことを確認したということで、これはすなわち裏返すと、今回の地震に関しては、いわゆる緊急地震速報の発表の対象の地震であったという理解でよろしいのでしょうか?
はい。そういう意味では、今回の動作を先ほど確認していたんですけれども、それを見ると、今回の地震もそうなんですけれども、予報が何報か出てから警報が発表されるということになります。今回も予報が出ることは確認をしております。予報の最初の段階では、比較的本邦から震源が近いところに推定されていたこともございまして、そういう部分では予測を行って、緊急地震速報の予報を発表するという動作が再現されておりました。
けれども、実際この警報が発表された、先ほどのマグニチュード計算に用いた震源というのが非常に遠くなりますけれども、あそこで推定されるようになると、もう700km以上のものになりますので、そもそもあそこに対してマグニチュードは計算されなくなって、マグニチュードがないので震度予測も行われないというような動作になって、警報が発表されなくなるということになります。
予報に関しては、発表されてしかるべきというところだったけれども、マグニチュードだったり、その地震の規模、もしくは震源を算定していくに当たって、先ほど、前回の青い星で示した丸1の部分が、いわゆる日本の観測網から大体1800kmぐらい離れているというお話もありましたけれども、そういった時点で当然700kmを超えているので、700kmを超えた時点で自動的にマグニチュードは算定されなくなるため、緊急地震速報の警報は発表されないというシステムになるべきだったところが、そうならなかったというところですかね。
はい。その通りでございます。
ありがとうございます。もうちょっと令和2年の方の鳥島の事例についてなんですけれども、こちらに関しても、当時、緊急地震速報の警報は発表されていたかなというふうに資料を拝見したんですが、ただ、これまでの会見で、今回の地震では警報の取り消しというふうにしていますけれども、鳥島の際は警報の取り消しというのはしていないという理解でよろしいでしょうか?
はい。その際は警報の取り消しはしておりませんでした。今回、警報の取り消しをしたのは、その鳥島の事例も踏まえて、あの際にキャンセル報を発表するということにしましたので、それにのっとって対応させていただいたことになります。
ありがとうございます。この鳥島の事例以外に、これまでに緊急地震速報の警報を発表したけれども、実際に震度を観測しなかった、最大震度2以上を観測しなかったという事例は他にありますでしょうか?
いくつかあると思いますが、すみません。後ほどバックネットから回答させます。
ありがとうございます。
はい。大きなところでは、2013年8月、かなり昔の話になりますけれども、奈良県を震源として、震度7を予測したけれども、ゼロだったというような事例がございます。
ありがとうございます。では、朝日さん。
朝日の熱と申します。先ほど、青い星の地点から観測網が約1800km離れているというお話でございましたけれども、改めて黄色い地点、赤い地点、青い地点、それぞれ日本の最短の観測地点から約何km離れているのか、教えていただけますでしょうか?
バックネット、分かりますか?
正確な数字はすぐには分かりませんので、後ほど調べて回答いたします。
いずれも700km以上離れている。黄色いところも700km以上離れているのか、あるいは少なくとも赤い地点は700km以上離れていると言えるか。
黄色も700kmは離れております。黄色は大体800kmぐらいですね。正確には後ほど回答いたします。
承知しました。あと、これは確認ですけれども、2020年のこの運用は、2020年9月からという理解でよろしいでしょうか?
そうですね。はい。その当時、報道発表させていただいた。
ありがとうございました。
はい、次。どうぞ。
読売新聞の塚本と申します。先ほどの質問と被るかもしれないんですけれども、震源から700km以上の観測点をマグニチュードの計算に用いない運用というのは、これは言い換えると、日本からの距離が700kmを超える場合は緊急地震速報を発表しないという運用と言い換えてもよろしいものでしょうか。
はい。マグニチュードは推定されなくなりますので、警報等の発表はないということになります。
分かりました。あと、この緊急的な対策というのは、具体的にどんなことをするのかというのを、もう少し具体的に教えてもらえますか?
緊急的な対策は、今回21時30分に行った対策が緊急的な対策でございます。それ以外、先ほども言った、第2報の会見でご説明しましたような、マグニチュードを求める震源と震度予測をする震源が異なった震源を用いたなどという対策については、これは引き続き調査をまだ現在している最中でございますので、そういうものも含めて、対策を段階的にさせていただきたいと考えているところでございます。
では、その緊急的な対策というのは、震源から700km以上の観測点を計算に用いない設定にするということを指しているということでよろしいですか?
そこのことを指しております。
先ほどの会見だと、同じような場所で地震が同じように起きた場合は、同じように誤発表が起きないとは言い切れないというような話だったと思うんですけれども、そこは改善されたという理解でよろしいですか?
はい。そこの部分が、私も非常に気にかかっていたというところでございまして、今回の対策をすることによって、少なくとも同じような事例で同じような誤発表を行うということはなくなると考えております。
分かりました。あと、改めてなんですけれども、他の地震では緊急地震速報はしっかり運用されているというお話もありましたけれども、改めて緊急地震速報が発表された時に、一般市民としてどんなことに気をつけた方がいいかというところを教えてもらってもいいですか?
はい。今回の誤った緊急地震速報では、多大なご迷惑、ご負担をおかけしたところはございますけれども、緊急地震速報はやはり適正に働いておりますので、この発表を見聞きした際には、身を守る行動を取って、今まで通り身を守る行動をまず取っていただくことを、引き続き実施していただくよう、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
他、いかがでしょうか?
すみません。TBSテレビの山下と申します。その緊急の設定として、震源から700km以上遠い観測点を計算に用いない設定にするというお話なんですけれども、前回の鳥島近海を震源とする地震の時にも、1回こういう事例があったと思うんですけれども、その時に恒久的にこういう設定にしなかったのかなというのは、ちょっと疑問に思ったんですけれども、その辺りいかがでしょうか?
鳥島の事例の時も、緊急的な対応ということでさせていただきましたが、その設定は、少なくとも令和2年の9月に設定を開始して以降は、我々の認識としては、現在も続いているのが適正な運用だと思ってございました。けれども、今回確認をしたところ、今回の地震については、その運用が動作していなかったということが分かったというところで、それを緊急的なものだから既にやめていたということではございません。
続けていたけれども、今回はうまく発動しなかったという、そういう認識ですかね。
その通りでございます。
ありがとうございます。
他、いかがでしょうか?
すみません。今の質問に関連するんですけれども、テレビ朝日、山内です。続いていた、動作していたということは確認されているんでしょうか? 鳥島で、2020年から稼働して、それが今までちゃんと作動はしているということは、事実として確認されているんでしょうか?
すみません。今回のがいつから動作していなかったのかというのは、現時点では分かっておりません。
今回のというのは、日本の周辺に700kmの線があって、そこから出たものみたいなイメージなのか、たまたま穴が開いているという、ゼロか100かみたいな、そういう話なんです。
これの除外の方法というのは、推定された震源から、観測点でデータが得られますけれども、そこまでの距離を計算して、それが700kmより短ければマグニチュード計算に使いますし、それより長いものは使わないということでございますので、その震源と場所の位置関係で、使う、使わないが決まるということになります。
ということは、この鳥島以降で700kmを超えるようなのが今まで起きていなかったから、明るみに出ていなかったということなんでしょうか?
すみませんが、過去の事例について、まだ我々も見切れていない部分がございますので、どの時点からかということについては、引き続き調査をさせていただきたいと思っております。
ありがとうございます。
あと、一応一旦緊急的に動作を始めたということですけれども、今後もその2か所に分かれてしまう挙動が起きたことについては、検証を続ける。
その通りでございます。
ありがとうございます。
はい。何度もごめんなさい。朝日の熱と申します。ちょっと確認なんですけれども、令和2年9月4日のお知らせを見ますと、「震源からの距離が700km以下の観測データを使用することとし」というふうにございまして、今日の発表を見ると、「700km以上の観測点をマグニチュードの計算に用いないこととしていました」と。厳密に言うと、これは700km超、700kmを超えた観測点を用いないという理解でよろしいですか? 以上と以下の、細かい日本語の話でよろしくないんですけれども。
700kmが入るかどうかということですかね、厳密に言うと。それは確認の上、回答させます。
そうですね。すぐには分からないですけれども、700.0kmぎりぎりというのは、なかなか事例としてはないかなと思います。
事例としてはないと思うんですが、日本語の問題ですみません。
プログラムを見ればおそらく分かると思いますので、確認の上、お答えさせていただきたいと思います。
他、いかがでしょう。NHKさん。
すみません。NHK、大橋です。マグニチュード9.9という数字についてなんですけれども、こちらについて、これは実際にマグニチュードの計算式を用いて、きちんと計算から結果として出てきた9.9という数字なのか、結構エラーみたいな、そういうような数値になるのかというようなところを教えていただけますでしょうか?
そこの正確な動作についても、現在調査中ではございますけれども、少なくとも1800kmぐらい離れた震源距離で、今回の観測データの振幅の値を入れますと、マグニチュード、それぞれ観測点ごとの平均を取ってマグニチュードを決めるんですけれども、その1つ1つの観測点のデータを見ると、10を超えるようなものも見られるということは確認しておりますので、計算式に従って計算すると、今の式だと、この程度のマグニチュードにはなると考えています。
なるほど。つまり、緊急地震速報の計算方法で、例えばマグニチュードが9を超えられないようになっているとか、そういうようなことはなくて、9を超えたりとか10を超えたりみたいなことは、あり得るというようなことですかね。
そうですね。はい。
分かりました。すみません。認識の確認をさせてもらいたいんですけれども、今回のケースに関して言いますと、基本的に根室の国内の観測点で地震を観測して、それは本来で言えば、地震の後にその地震を観測したと。ただ、その地震波から震源を求める時に、かなり遠くの、青い星で表現していただいていましたけれども、かなり遠くの地点を震源としてまず求めたと。かなり遠くに求めたということ自体は、もうこれは致し方ないんでしょうか。それとも、これ自体もエラーになるんでしょうか。
一般論として先に申し上げますと、やはり非常に離れた、国内だけの観測網で、こういうカムチャツカの赤い星のような地震を決めようと思うと、非常に大きな誤差を、特に緊急地震速報で発表するような非常に短い時間の間でそれをやろうとすると、非常に大きな誤差が伴うことは、ある程度は致し方ないと思っております。けれども、今回のこの程度変わることが適正だったのかどうかということは、今後も調査をしていきたいと思っております。
分かりました。このかなり遠くの地点を、青い地点を震源として考えたため、まずそこから根室の方とかにこの地震波が伝わってくるためには、これくらいのマグニチュードじゃないとおかしいということで、9.9が算出されたという認識で間違いないでしょうか?
はい。その通りです。
その上での丸2のことについては、先ほどご説明があったと思うんですけれども、同様なことが令和2年7月30日も起きたというふうな認識でおりまして、こちらも合っているかどうか確認させていただきたいんですけれども、元々鳥島でマグニチュード5.8の地震が発生をし、それによって母島で地震波を観測したと。ただ、その時にも震源地を求めるのを間違って、千葉の沖、房総沖の方に設定をしたため、房総から母島までここまで地震波が届いているのであれば、房総近海の地点ではかなり大きなマグニチュードになっているはずだというふうに過大に評価された。そういうような認識で合っておりますでしょうか?
この際には、そういう意味では、鳥島ではマグニチュードを計算する震源と震度予測をする震源で別のものを使ったという事例ではございません。鳥島近海の震源を、あそこも同様に観測網から離れた部分ですので、誤って房総半島、より陸に近い方に今度は推定をしたというところでございます。
けれども、その際に母島、それは房総半島からするとかなり距離があるところのデータも入れたために、本来はもうちょっと震源の距離は近いところのデータなんですけれども、房総半島の震源だと思って母島のデータを見ると、マグニチュードが大きくなったということで、この当時の過大はそのような原因で過大になったと認識しています。
分かりました。ありがとうございます。
他、いかがでしょうか? よろしいでしょうか?
先ほどご質問のありました件ですけれども、まず700kmの境界については、700kmを超えるものを使わないようにしたということになります。それから、日本からそれぞれの色の星までの距離ですけれども、これは根室からの距離ですけれども、黄色が約800km、赤が約1200km、青が約1900kmとなります。
よろしいでしょうか? よろしいですね。ありがとうございました。
すみません。
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