手作りのいかだで島を脱出できるか:1週間の準備と12時間の航海、残り800メートルでの失敗
MrBeast ミスタービースト太平洋の真ん中の島に取り残された仲間たちが、島にある材料と漂着したゴミだけでいかだを作り、海を越えて向こうの島を目指す。企画の動機について、彼らは「友達と島に残されたら脱出できるか気になったから」と語る。しかし、いかだを作った経験があるのは呼び寄せたヘイズだけで、ジミー、チャンドラー、ノーラン、ダリウスには経験がない。動画は、約1週間の準備と、1日がかりの航海の結果を記録している。
拠点づくりと、経験者ヘイズの模型
最初に取りかかったのは、いかだではなく生活の拠点だった。脱出までの期間が読めないため、植物を使ってシェルターを作った。支給された箱に入っていたのは最低限のサバイバル用品と水で、脱出まで水が持つかどうかは初日から不安材料だった。高い位置で結ぶ作業に苦戦し、メンバーは「これは相当長引くぞ」とこぼしている。
2日目の朝、ヘイズは一人で船の模型を作っていた。船体を2つ並べ、その上に横木を渡し、中央にマストを立てる構造である。帆にはノーランのシャツを使った。模型は水に浮いたが、実際に必要なのはこの約40倍の大きさで、450キロを積んで向こうの島まで行ける船だと説明された。
竹と漂着ゴミという材料
主な素材は竹である。竹は軽く浮力があるため船に最適だとされたが、生えているのはジャングルの奥だった。ヘイズは入る前に、フェルドランス、マツゲハブ、バナナグモといった危険な生き物に注意するよう呼びかけた。メンバーは服にアリが入るなどの目に遭いながら竹を集めた。
もう一つの材料が、大型船から出て海を渡り、島に流れ着いたゴミである。彼らは浜で箱や容器を拾い集め、ヘイズは「密閉容器は金より価値がある」と評価した。浮きとして使えるからだ。ゴミを再利用すれば島もきれいになり、脱出もできるという考え方である。ただし、見つけた青い容器が完全に壊れていたこともあり、使えるものばかりではなかった。
この日は暑さで体力を奪われ、成果は少なかった。メンバーの一人は「これじゃ1カ月かかる」と漏らした。夜にはノーランの寝袋に大きなクモが現れ、騒ぎになっている。
暑さとの戦い、組み上がる船体
翌日は作業場所を日陰に移した。島の暑さは厳しく、日陰でなければ1日に数時間しか作業できないという。移動中にも容器を見つけ、いかだを作れるだけの竹と木材がそろった。
組み立てでは、ダリウスがいかだ作りに、チャンドラーが撮影などの裏方に回った。結び目が一つでも緩めば海に沈む、という緊張感のなかで形ができていった。竹の部分が甲板になり、船尾の「プープデッキ」をめぐる冗談も交わされている。
翌朝、ヘイズは潮の流れから一つの作戦を考えた。潮の満ち引きで海面が低くなるタイミングに乗れば、一気に沖に出られる。一方で、風向きや潮流が悪ければ、モーターを積んでいても向こうの島には着けないという。ヘイズは「みんな俺が頼りだ」と責任を口にし、航海経験のないジミーたちと脱出できれば一生の思い出になると語った。
容器探しで倒れかけたノーラン
作業の途中で、容器が1個足りないことが分かった。1個欠けるとバランスが崩れるため、ノーランとチャンドラー、ダリウスは気温38度前後のなかを探し回った。2時間歩いてようやく見つけたものの、水を持たずに出たため、ノーランは指先のしびれや視界の狭まりを訴えるほど消耗した。ダリウスも容器と舵になるものを持ち帰り、ノーランは仲間に水を飲ませてもらって休んだ。語りでは、脱出には全員の力が必要だと改めて感じたと振り返っている。この時点で水はすでに半分以上使っていた。
別の場面では、見つけた金属の物体の下で火をたき、プラスチックを熱してパドルを作ろうとした。しかしプラスチックは溶けず、失敗に終わった。「水は沸騰していたのだから理屈ではプラスチックも同じはず」と首をかしげるメンバーに、別のメンバーは「だからマーク・ローバーを見るんだ」と返している。
浮力テストと、企画への思い
容器を土台に固定し、17本の横木を同じ結び方で両側とも結んでいった。このロープが海を渡るあいだの頼みの綱になる。ここでヘイズは、このまま完成させるか、いったん作業を止めて海に浮かべて確かめるかを仲間に選ばせた。本番で壊れたら終わりだからだ。一行はテストを選び、いかだは浮いた。メンバーの一人は、ここで初めて島から脱出できるかもしれないと思えたと話している。
このころ、ある出演者はカメラに向かって、巨大なセットを作り何百人も集めて大金を配る企画を数多くやってきたが、たまには仲間と島に放り込まれて一緒に頑張るのもいい、と語った。暑さや虫で楽ではないとしつつも、以前はこういう動画ばかりだったのになぜやめたのだろう、今回は楽しいと振り返っている。
帆・パドル・スケグの完成
残る大きな課題は帆だった。水は減り、ノーランの体調は悪く、ある出演者は腕と手だけで60か所以上虫に刺されていた。明日出られなければどれだけ持つか分からないとして、翌日の出発を目標に作業を続けた。
ヘイズは、船をまっすぐ進ませるための「スケグ」を作った。パドルは板を横向きに固定する形で試作し、「パドルというより旗みたいだ」と言われながらも4本完成させた。帆は、古代ポリネシア人と同じだというクラブセイルを採用し、細くて丈夫な竹で組んだ。帆の穴開けは失敗すれば帆が壊れる工程だったが、全員が役割を持ち、うまく回るチームになっていったと語られる。
最終日の作業が重要だったのは、翌日が新月で潮が強く、満潮から干潮に向かうタイミングなら一気に沖へ流されて島に向かえるからである。残り12時間もないなかで帆を取り付けると風を受けて動き、風向きが悪ければロープを引いてすぐにたためることも確かめた。作業は夜まで続き、チャンドラーは自分が何をしていたか思い出せないほど疲れていた。
出航:潮に乗った序盤
出発の朝、1週間かけて完成したいかだを前に、一行は「疲れたらどうする?」「漕ぎ続ける」と掛け合いで誓った。引き潮に乗って岸を離れ、潮が運んでくれる序盤は順調だった。ただ、数時間後には海峡に入り、そこでは横に引っ張られて外洋に流される恐れがある。それまでにできるだけ島に近づく必要があった。
帆を開いて風に乗ったものの、目的の島は8キロ以上先で、まだ見えなかった。20分後には船酔いを訴える者が出た。ヘイズは漕ぎ方を改め、15分交代で1人ずつ休む体制にし、右側に3人を配置した。出発から45分で進んだのは20%ほどだと見積もられている。
海峡が近づくにつれて状況は悪化した。パドルが壊れ、いかだは横向きになって進路を外れたが、全員で漕いで向きを立て直した。
海峡での消耗と停滞
出発から約2時間。6日間、1日12時間作業を続けてきた疲れに日差しが重なり、チャンドラーは顔色が悪くなり、水も足りなくなった。語りによれば、海峡の潮流は非常に強く、捕まれば数分で外洋へ横向きに流されるという。
海峡に入ると波が高くなり、いかだは横に押し出された。ダリウスは5秒でも漕ぐのをやめれば危ないと漕ぎ続け、そのおかげで南に流されずに横断できていると仲間に評価された。潮流は何時間も左右にいかだを振り回し、やがて一行は、いかだがほとんど進んでいないことに気づく。引き返すには遠すぎ、進むのはさらに絶望的な状況だった。
休みながら6時間漕いだ時点で、ジミーは船酔い、チャンドラーは動けなくなり、語りでは「俺とチャンドラーが使いものにならなくなり」、任務はヘイズ、ノーラン、ダリウスに託されたと説明される。島まで5.6キロ。7時間が過ぎ、漕ぐのをやめた途端に後退するなかで、照明弾を撃つ(救助を求める)かどうかが話し合われた。「こんなに近いのに、すごく遠い」という声も出た。
潮が変わり、再び島へ
限界に近いなか、出航前の「漕ぎ続ける」という約束や、2日前の「たまにはこういうのもいい」という言葉を思い出していたところで、状況が変わった。何もしていないのに島の方へ動いていたのである。潮が満ちてきて陸へ引き寄せられており、一行は気づかないうちに海峡を抜けていた。
残り4.6キロ。もう一度やってみないかという呼びかけに全員が応じた。漕ぎ始めて8時間以上、日焼けと空腹と喉の渇きのなかで距離は4キロ、2.7キロと縮み、1.6キロほどという見積もりを経て、0.9、0.8、0.7、0.6と読み上げていった。
最後の潮の変化と、残り800メートル
しかしゴールの手前で、最後の潮の変化が待っていた。潮が引くまで残り20分。残りは500メートルほどと見積もられたが、流れに任せていてはたどり着けない。乗船から11時間、進捗は95%ほどに達していた。
そこで風向きが変わり、横風が吹き始めた。帆のせいで南に流されていないか、帆がなければ風に勝てない、と意見は割れ、帆を下ろすかどうかも決めきれなかった。残り5分、4分、3分とカウントダウンするなか、パドルのない者は手で漕ぎ、大波にも見舞われた。それでも、後ろから押してくれていた波が今度は前から押し返してくるようになり、なすすべがなかった。
島までの距離は800メートルで止まった。「泳いで行けたかも」という声も出たが、一行は挑戦の終了を決めた。メンバーは「悔しすぎる」「こんなに頑張ったのに」と口々に漏らした。手作りのいかだで12時間漕ぎ、あと20分早ければ島に着けたという振り返りもあった。
照明弾を撃つ前、ある出演者は、これがこのチャンネルで一番大変なチャレンジで、最後の5%で潮の流れが変わって難しくなったと説明した。負けるのも、こんな気分になるのも嫌だとして視聴者に謝り、次のチャレンジ動画では失敗しない、ヘリコプターに乗るから、と冗談を添えて動画を締めくくっている。
俺たちは太平洋のど真ん中にある島に取り残された。ここから脱出するには、船を作って大海原を越えて、向こうの島までたどり着くしかない。
なんで? 俺らが苦しむの好きだろ? さあ、始めよう。よっしゃ。
何を探すの? 船を作る材料。いかだに乗ったことある? ない。ないよ。
まずはキャンプ地だ。もう汗だくだよ。ここがちょうどよさそうだ。決まりだな。
3Dアニメだから見えないけど、これを作る。こんなの無理だろ。作れなきゃここで詰む。マジでおかしくなっちゃった?
いかだ作りに入る前に、脱出までこの島で生活できるよう、材料を集めて拠点を作ることにした。
この企画をやる理由は、友達と島に残されたら脱出できるか気になったから。ああ、誰もが一度は考える。じいさんになる前に島を出るぞ。
砦はかなり順調だ。箱の中身は最低限のサバイバル用品。水もあるけど、脱出までしのげるかな。船の完成までどれだけかかるか分からない。だって俺たち、何もない場所にゼロから拠点を作ろうとしてるから。
もう少し高く。チャンドラー、こうしよう。よし、いくぞ。よし、いいぞ。
チャンドラー、結べたか? 落とすなよ。よし、できた。降ろして。どうすりゃいい? しゃがんで。
今の感じだと先が思いやられるよな。だな。ヤバい。長引きそうだ。最高。これは相当長引くぞ。
でも、まだ始まりにすぎない。限界をはるかに超える出来事に、俺たちはチームで生き抜く意志を試されることになる。
視界も狭い。漕ぐぞ。デカい波だ。
日が沈む前に、気をつけながら火を起こしたあと、危ない。作戦会議だ。
いかだ、作ったことは? ないよ。チャンドラーは? ない。俺もない。だからヘイズを呼んだ。前に作ったことがあるからね。
明日からはいかだ作りを始めよう。やってやる。作り方は知らないけど、作らなきゃ出られない。
1日目は植物を使ってシェルターを作った。セーリング未経験のみんなと海に出るのが楽しみだ。
何をすべきか分かってるヘイズは、2日目の朝、1人で作業を始めた。
何してんの? ちょっとね。みんなまだ起きたばっかなのに、すごいな。これは何?
船の模型だな。船体は2つ。その上に横木を渡して、ここがマストだ。
帆はどこ? ノーランのシャツだな。なんで俺の? 全部は要らない。シャツ、まるっと渡すって。
試してみよう。浮いた。浮いたぞ。
でも必要なのは、この約40倍の大きさで、450キロ積めて島まで行ける船だ。作れなきゃ帰れない。急がないとな。
まずは材料集めだ。船に最高の素材、竹だ。竹はすごく軽いし浮力がある。かなり役立つぞ。
でも竹が取れるのはジャングルの奥だ。どんな危険が潜んでるかまったく分からない。
ヘイズ、話って何? ジャングルに入る前に気をつけてくれ。フェルドランスにマツゲハブ、それからバナナグモ。マジで? まあ、平気だろ。竹を取りに行こう。
シャツにアリが入った。ハチの巣、つついてみる? ダメダメ、やめろよ。やるわけない。この島、何もかもが危険だ。
何だ? 鳥だよ。
物を入れられそうな箱だ。これも何かに使えそうだ。かもな。ゆっくり運ぶしかない。
集めたな。ああ。こりゃいいぞ。密閉容器は金より価値がある。
大型船から出たゴミが海を渡ってこの島に流れ着いた。それを再利用する。いかだに使おう。きれいになるし、脱出もできる。
向こうにも何かあるかも。島中を探すぞ。もっと集めよう。
これってまさか…。さっきの青い容器だ。でも完全に壊れてる。最悪だ。
ジミー、見てくれ。浮くか試そう。浮いてるか? 浮いてる。よし、いいぞ。
おい、また見つけた。今度は使えそう。びっくりだ。倒れそうだけど、これで報われた。
いかだ作りの材料は集まったけど、暑さに体力を奪われて限界だった。
今日はたいした成果がなかったよな。魚乗せたヤツがなんか言ってる。撤回しろ。日よけ帽子だ。やりすぎだ。
いかだで行こう。1、2、3。いかだ!
2日目、ヘトヘトだ。今日の成果に満足してる? これじゃ1カ月かかる。しっかり休めよ。明日はいかだ作りだ。おやすみ。
ウソだろ。おい、マジかよ。ノーランの寝袋にクモが出た。どこ、どこ、どこ? そこだ。ほらそこ。デカいぞ。ヤバいやつだろ。
捕まえろよ。こっち来る。無理だって。ヤバい。どっか行け。どっかに飛ばしたぞ。
片づいたな。もう騒がずに寝ろよ。寝れる気しない。おやすみ。まだどっかにいるぞ。
翌朝、溶けるほどの日差しではなかったけど、日陰へ作業場所を移すことにした。この島の暑さは言葉じゃ表せない。日陰に行かないと、1日数時間しか作業できないんだ。
その移動中…。お宝だ。容器を見つけ、いかだが浮く可能性がさらに上がった。
みんなヘトヘトだけど、いかだを作れるだけの竹と木材が揃ったぞ。始めよう。そうだな、やるか。よっしゃ、脱出だ。できるだけ早く。
俺たちが集めた木材とゴミの山がいかだに変わる。手間はかかるけど。
疲れた。貸して。ほら、やって。俺が撮る。マジで? チャンドラーが撮るの? 代わるよ。じゃあ、俺…。チャンドラー? 休憩中。カメラマン交代か?
ほらそこ、手伝って。マジかよ。マジ? やるしかないな。分かった。やるよ。よし、作り方分かる? 俺も知らない。
ダリウスがいかだ担当、チャンドラーが裏方になって、形ができてきた。でも結び目が1つでも緩んでた場合は…。俺たちは海に沈む。
よし、プープデッキを作るぞ。プープ? 船だとそう呼ぶよね。知らん。なんでそんな名前? トイレだから。くだらない。航海中はうんち禁止な。
この竹の部分が甲板になる。だいぶいかだっぽくなってきたぞ。いい感じだ。
いいな。いいぞ、いいぞ。どうだ、見たか。いくぞー!
このまま調整しながら帆を作ってもいいし、夕食でもいい。夕食だ。絶対夕食。了解。
いかだの名前はもう決めたのか? これから? チャンドラー、決めて。よし、それだ。決まり。
翌朝、ヘイズは潮の流れを見て思いついた。潮の満ち引きで海面が低くなるタイミングがある。うまく乗れば、一気に沖に出られる。でも風向きや潮流が悪ければ、モーターを積んだってあの島にはたどり着けない。
みんな俺が頼りだ。だから成功させたい。一度も航海の経験がないジミーたちと島を脱出できたら、一生の思い出になると思う。
みんな、調子は? 疲れた。体中痛い。全身砂まみれでもうイヤだ。俺は余裕。よく寝た。うるさい。
今日やることは明確だ。甲板を固定して、パドルの材料を集める。帆も作る? いや。先に浮くか確かめる。浮いたら帆に取りかかろう。浮かなきゃ泳ごう。
チャンドラーと材料探し中に気づいた。今回の動画は、いかだの材料を探してゴミをあさってばっかりだ。このゴミが島を出る唯一の希望だけど、容器が1個足りなかった。
バランスがおかしなことになる。足りないぞ。だな。ここまで来たら、見つかるまで歩き回るしかないと思う。
今の気温は38度くらい。汗だくだ。マジで過酷だよ。チャンドラー、どうだ? あったか? ご機嫌ななめだ。
得意なことをやろう。結び方を間違えれば壊れるかも。結ぶのは俺が一番うまいから、俺が結んで確認すべきだな。
探し始めてもう2時間、歩き回ってる。バカげてる。待って。あった? まさかな。マジかよ。来たー!
すげぇ、やった。やったな。まさかだ。でも来た道を持って戻るのか。行こう。
倒れそう。平気か? 運べない、マジで。やったら倒れる気がする。水持ってくりゃよかった。
金属の物体を見つけた。この下で火をたいて、プラスチックを熱してパドルを作ってみよう。もう少し薪を集めて、どうなるか見てみよう。
絶対、水が必要だった。指先がしびれてきて、視界も狭い。マジでヤバい。暑い。
ダリウス、ダリウス! ダリウス! ダリウス!
もう探しに行かない。持って帰るのはこれが最後だ。
ヘイズ、ヘイズ。人生最高の光景だよ。ダリウスが容器を持ってきた。
ヘイズ、ノーランを助けよう。ヤバそうだ。任せとけ。こっちで休め。倒れるぞ。水をちょうだい。さあ、飲め飲め。しっかり。
容器と舵を見つけてきた。よくやったよ。ノーラン、これいけるかも。ノーラン?
俺たちは改めて思った。脱出には全員の力が必要だって。すでに水は半分以上使っていた。だから、もうこれ以上長くはいられない。必要なものは全部揃った。あとは作るだけだ。
容器を土台に固定した。これでいかだは浮き続ける。絶対外れないはず。たぶんね。まあ、外れたら沈む。そしたらやり直しだ。
よし、できた。次は横木に取りかかる。17本、全部同じ結び方で固定していくぞ。しかも両側やるんだ。
壊したね。海を渡る間、このロープが俺たちの頼みの綱になるんだ。
選択肢は2つだ。選んで。このまま完成させる。でも本番で壊れたら終わり。もしくは手を止めて海に浮かべて、大丈夫か先に確かめる。
確かめよう。ああ、行こう。やろう。いいぞ。フー! 島で過ごした時間がこの瞬間につながってるんだ。
頼むぞ。この結び目を信じろ。これであの島まで行くんだ。壊したね。いかだ職人じゃない。ちょっと知ってるだけ。
浮いた。イエー! 浮いたぞ。イエー! よっしゃー! いかだがちゃんと浮いた。イエー! 浮力テストは合格だ。ヤバいな。
ほら、想像して。床と帆、それに舵とオールだ。かなりいい感じだぞ。あの島へ行ける。ここまでで初めて、島から脱出できるかもって思えてきたよ。
たくさんの企画をやってきた。巨大なセットを作って、何百人も参加者を呼んで、大金を配る企画をね。でも正直、たまにはこういうのもいい。仲間と島に放り込まれて、一緒に頑張る。
暑いし虫もいるし、かなりキツい。言っておくけど楽じゃない。でもみんなでこうして過ごせて楽しいよ。前はこういう動画ばかりだったのに、なんでやめたんだろ。今回は楽しい。
明日の終わりまで本気でやれば
いかだは完成だ。明後日、潮が良ければ出発できる。でも見てのとおり、このいかだにはまだ重要なピースが欠けている。風を受けるための帆がない。要するに風を受けて、海を進めるようにしなきゃいけないんだ。だから今日は帆を作る。ここを出よう。
水も減ってきてるし、ノーランがヤバい。虫刺されも心配だ。見てよ。腕と手だけでも60か所以上刺されてる。明日出られなかったら、どれだけ持つか自分でも分からない。何としても完成させて、明日出るぞ。
失敗だ。プラスチックは溶けない。水は沸騰してた。理屈じゃプラスチックも同じはずだろ。なんでできない? 意味不明だ。だからマーク・ローバーを見るんだな。だね。素人のサバイバルチャンネルじゃなくね。
何それ? スケグってのは、船をまっすぐ進ませるためのものだ。船が嫌がってもね。
よし、次だ。チャンドラー、こうしたらどう? 俺が言いたいこと分かる? ああ。横にするんだ。パドルになるのか。おお。よし、じゃあ固定しよう。大体分かった。
これは試作品だ。どうかな。パドルっていうより旗みたいじゃないか? もうちょい縛ろう。4本も作ったんだ。漕ぎまくれるぞ。もう肩にきてるし、何時間もは無理だよな。
細くて丈夫な竹が要る。いかだの帆だ。クラブセイル。古代ポリネシア人と同じ。なるほど。
ヘイズが帆をマストに固定し終えたら、次は穴開け作業だ。失敗すれば帆は壊れる。面白いね。ああ。こうして全員が役割を持って、うまく回るチームになっていった。
シャツ貸して。どうも。スケグを作ってる。この帆はうまくいってほしい。パドル、ほぼ完成。ロープ、全然動かない。成功するのかな。
この最後の工程が、明日あの島へ行けるかどうかの分かれ目となっていた。なぜなら、新月で潮が強い。満潮から干潮に向かうタイミングだと、一気に沖に流されて島に向かえる。タイミングは完璧。明日は最適。今日完成させなきゃ。
残り12時間もない中、作業を続け、帆を取りつける時が来た。いいね、動いてる。やったぞ。わー! 風が来てる。パドルも完成だ。いい感じ。揃ったね。
風を受けて前に進む。もし風向きが悪くても、ロープを引けば、ほら、すぐたためる。完璧。
もうすぐ暗くなる。あと1時間半くらいで作業を終わらせないと。夜中まで何時間も作業を続け、ヘトヘトになるまで自分たちを追い込んだ。
進捗を聞こう。チャンドラー、何やってる? 分からない。何だっけ? もうみんな頭が回ってないんだ。舵作ってたっけ? 普段なら寝てる時間。たぶん舵作ってた。
ノコギリ使おう。大丈夫? できた。完成だ。この時点で、島を脱出するために俺たちがやれることは、やり切ったと思う。
その夜は、ずっとこの島を出て、家に帰り、家族に会うこと、それだけ考えた。しかし家に戻るためには、手作りのいかだに乗って、危険だらけの海を渡っていくしかない。
今日、俺たちの運命は自然の手に委ねられる。今日中にあの島に着くぞ。自然の脅威から守ってくれるのは、この船と仲間だけ。
行くぞー! 海を見ろ。ついに始まるんだな。信じられない。1週間必死に作業して、ついに完成したのがこのいかだ。いよいよだ。ここを出発して、あの島に着くか、タイタニックみたいに太平洋のど真ん中に沈むか。タイタニックは大西洋だ。台無しだ。
Typelessの紹介をさせてくれ。Typelessは音声を完璧な文章に変えてくれる音声キーボードだ。これから海で溺れる可能性もあるから、タレクにメッセージを送ろう。タレク、今から出発する。戻れなかったら君は……嫌いだ。以上。
音声がテキストに変換されて、つなぎ言葉は消されて、文章も整えてくれる。いいね。つなぎ言葉多いから。そうかも。
こちらチャンドラー。どこにいる? 助けて。ほら見て。「えー」とか全部消えてる。うわ、ほんとだ。句読点も入ってる。タレク、Typelessで送ってるよ。
iOSとAndroidで使える。MacとWindowsでも。余分な言葉を消して、文章を整えて、タイピングも4倍速になる。QRコードをスキャンして、タイピングとおさらばだ。
よーし、この島を出る準備はいいか? 疲れたらどうする? 漕ぎ続ける。もっと疲れたらどうする? 漕ぎ続ける。漕ぐのをやめたくなったらどうするんだ? 漕ぎ続ける! 手を出して。1、2、3。漕ぐぞ。俺、パドルない。
いよいよだ。うわっ、マジか。おー! 行くぞ。もう引き返せないぞ。うわ。今しかない。潮は完璧だ。うわ、流されてる。パドルを構えて。全力で漕ぐんだ。漕いで漕いで漕いで、ここを抜けるぞ。
右側、もっと漕いで。やってるよ。ノーランは? ダメだ。うまくいかない。漕ぎ続けろ。せーの。せーの。いくぞ、せーの。せーの。最悪だ。人生で一番長い日になるぞ。無事に着くか沈むかだ。
潮が味方してる。リズムをつかめ。潮が運んでくれて進んでるんだ。でもこの流れも長くは続かない。あと数時間で、いかだはこの海峡に入る。ここでは横へ引っぱられ、外へ流される可能性が。だから今のうちに全力で、できるだけ島に近づかないといけない。
帆を開いて。気をつけろ。フー! よし。これで風に乗って島を目指すぞ。いいぞ。風が吹いてきてる。いい感じ。やった。ナマケモノより速い。このまま着けるかも。実感はないけど、進んでるんだな。
出発した島からこれだけ離れたけど、まだ目的の島が見えない。というのも、まだ8キロ以上距離がある。どれくらいかかるかもまったく分からない。
20分経過。みんなどう? もうかなり参ってる。最悪。酔ってきた。悪いけど漕ぎ続けるしかない。
力を合わせて何時間も休まずに漕ぎ続けたけど、腕が限界だ。マジで同情するよ。海峡にたどり着く前に力尽きそうだった。ほぼ向かい風に突っ込んでる。ヤバいな。
船長のお言葉は……右側、もっと漕いで。やってる。漕ぎ続けて。腰がキツくて寝ながら漕いでる。
ヘイズが作戦を考えた。この漕ぎ方がよくないんだ。15分交代にして休憩しよう。右側に3人だ。ノーラン、こっち。ああ。交代制で1人ずつ休憩する。今は俺が休憩。
肩がすげぇ痛い。ジミー、代わって。俺が前線で頑張る番だ。行くぞ。いい感じ。正念場だ。
出発してから45分経って、20%くらいは進んだかな。しかし海峡が近づくにつれ、状況は悪化していった。
ウソだろ。パドルが壊れた。ヤバ、壊れたぞ。これマジでヤバくない? ヤバいよ。とりあえず押し込んでみるよ。無理そうだけど、とにかく漕がなきゃ。
パドルだけじゃなく……ヤバい。待って。ちょっと壊れたけど、漕ぎ続けなきゃ。みんな、ごめん。これはイタい。
しかも正しい方向を向いてなかった。確実に横向きだ。進路を外れた。みんな漕いで。よし、やるぞ。全力で漕ぐんだ。風強くなってきた。全力だぞ。強く引くほど回転する。いいぞ、その調子。回り始めた。軌道に戻った。正しい方向に向いたぞ。やったぞ。フォー!
どうなるかと思ったけど、調子出てきた。海の真ん中で一緒に漕ぎ続けられるのは、お前らだけだ。同感。出発した島からかなり離れたね。もう砂浜も見えない。大変だったけど、あとは順調かも。大変だったなんて言葉じゃ足りない。
進歩はあったけど、疲れも増している。分かるよ。水が足りない。チャンドラー、大丈夫か? 顔色が悪いぞ。具合悪い。あとどれくらいだ? もう何時間も。2時間は経ったか。6日間ぶっ通しで、1日12時間作り続けて、みんな疲れてる。
なんか肩が痛い。チャンドラー、代わってくれないか。すげぇつらくて、目がチカチカする。ビーフスティック。
日差しが強すぎるよ。太陽で焼かれてるロブスターみたい。もう耐えらんない。このままじゃ無事に着けるか分かんない。
さっきも言ったように、この海峡で直面する潮流はものすごく強くて、俺たちを危険な外洋へ横向きに押し流そうとする。つかまれば、ほんの数分で流される。
うわっ、波が高い。海峡だ。横に流されてるんだ。押し出されてる。ダリウス、今すぐ止まれ。やめろ、もう漕ぐな。分かってないな。俺が5秒でも漕ぐのやめたら、ヤバいことになる。分かってるけど、風に向かって進路を変えなきゃいけない。できそうなのに。よし、みんな行こう。
この海峡を抜けないと。ここは流れが速くて風も強い。君のおかげで南に流されずに済んでるから、なんとか横断できる。やめなかった。そうだな。でも勢いが落ちてきてる。マジで勢いがない。
元気出して行くぞ。後ろに漕げ。後ろだ、後ろ、後ろ。やってるよ、やってる。ありったけの力で漕いでる。ありがとな。せーの。みんなヘトヘトだ。でも諦めないぞ。
吐きそうだ。諦めないぞ。ここまで頑張ってきたんだ。100%やり遂げる。絶対だ。腕が麺状態だ。もともとじゃね。おい、ここまでさせんなよ。いかだの向き変えるぞ。ほら。
何時間も、潮流は左へ引っ張ったり……息を合わせろ。右へ引っ張ったり……漕げ。コースに戻すぞ。俺たちを振り回した。めまいがする。さあ、一緒に。合わせて。
俺たちは進んでないことに気づいた。立ち往生してないか。動いてない。海のど真ん中で、俺たちは打ちのめされそうだった。足元にサメいると思う? 100%いる。
この時点で、引き返すには遠すぎた。進むのはもっと絶望的だ。ジミーは吐きそうだな。チャンドラーは寝てるのか。休みながら6時間漕いでる。ダリウスはずっとだ。ヘイズは舵を取って帆を支えてる。ジミーは船酔い。みんな限界だよ。もう無理だ。
俺とチャンドラーが使いものにならなくなり、この任務はヘイズとノーラン、ダリウスに託された。ダリウス、いいぞ。どうも。島まで5.6キロだ。
いい感じの風向きに乗れたら、潮の流れと風に乗って進める。問題は、最初に後れを取ったから、まず坂を登ってから降りるみたいな感じってこと。彼らだけじゃなく、全員が協力しなければ成功はあり得なかった。
動いてないみたいだ。揺れてる。揺れてるよ。もう7時間ここにいる。これは思ったようには動かないな。行けると思ってた。俺も思ってた。順調だったし。漕ぐのをやめた瞬間、後退し始めてる。
このまま太平洋に飲み込まれてくんだ。そろそろ照明弾を使う時かな。反対はしない。
もう無理だよ。ここで7時間、ほとんど休まずにパドルを漕ぎ続けてきた。もう無理、限界だ。最悪なのは、すぐそこまで来てること。こんなに近いのに、すごく遠い。
出航する前に、みんなで約束した。漕ぐのをやめたくなったら、どうするんだ? 漕ぎ続ける!
いかだの上で死にそうになりながら、2日前に言ったことを思い出していた。たまにはこういうのもいい。仲間と島に放り込まれて、一緒に頑張る。1週間、すごく楽しかった。
再び希望を持ち始めたその時、奇跡的に自然が後押ししてくれた。
気づいてるか。何もしてないのに俺たち、島のほうに向かってるぞ。潮が満ちてきて、陸へ引き寄せられてる。
俺たちは気づかないうちに海峡を抜け出していた。
ダリウス、近づいてる? あと4.6キロだって。みんな、もう1回やってみないか? その価値はある。全力を尽くす。諦めるって言うかもしれないけど、それまでやるよ。
手を出して。1、2、3。漕ぐぞ! できそうな気がする。
漕ぎ始めて8時間以上経った。みんな日焼けして、腹が減って、喉もカラカラ。でも諦めない。
みんな、あと4キロだぞ。きっとたどり着ける。無理ってまだ思ってるヤツいる? 2.7キロ。ざっくり見積もって、あと1.6キロくらい。ワクワクしてきたな。おー! 漕げ、漕げ。
4キロって出てたの覚えてる? もちろん。もう1キロ台。島がこんなに近くに見えるぞ。
0.9の次は? 0.8。0.8の次は? 0.7。0.7の次は? 0.6。もうすぐだ。マジでめっちゃうれしい。島だぞ。フォー!
でも、そう簡単にはいかなかった。すぐ目の前に、最後の潮の変化が待っていたんだ。
潮が引くまであと20分。もう時間がない。風向きや潮流が悪ければ、モーターを積んだってあの島にはたどり着けない。
さあ、みんな、全力を出し切ろう。よーし。ゴールは目前。正念場だ。たぶんあと500メートルくらいだけど、流れに身を任せていたらたどり着けずに、この動画はおじゃんだ。
右に寄りすぎだ。このままじゃ着けない。面白い? 力を合わせよう。これが最後だ。残り15分。さあ、行け行け行け。よーし。
この船で11時間。今さら負けるわけにはいかない。よーし。ここが見せ場だ。島が見える。島にたどり着けるぞ。力を合わせよう。チームワークだ。あと10分だけ。マジで吐きそう。
95%くらい進み、あと少しというところで、まったくうまくいかなくなった。
風向きが完全に変わった。横風が吹いてきたぞ。帆を下ろす? 帆のせいで南に流されてないか。帆がないと風に勝てないよ。でも風向きを感じないと。今は向かい風だ。帆を上げたほうがいいんじゃない? 俺には理解できない。遠ざかってる。
5分だ。ここで頑張らなきゃ。右側、右側、右側、行くぞ。4分。海ってなんでこんなに難しい? 3分。頑張れ。引け。2分。漕ぐんだ。俺、手で漕いでる。大波、大波! 大波だ。
行くぞ。とにかく全力で漕ぐんだ。よーし。頑張ってるぞ。引けー! 引けー! 引けー! 引けー!
ヤバい気がする。これ以上進めないんじゃないか。順調だったのに、一気に流された。後ろから押してくれていた波が、今は前から押してくる。どうすることもできなかった。もうちょっとだった。
進んだの? 800メートル。泳いで行けたかも。なあ、もう遅い?
ここまでだ。ごめん、みんな。信じらんない。島までもうちょっとだったのに。遠ざかってる。見て、あと少しだったのに。ダメだった。悔しすぎるよ。マジで泣きそう。こんなに頑張ったのに。ダメだった。最悪だ。悔しい。
手作りのいかだで12時間漕いで、帆を張って進んできた。あと20分早かったら、島に着けた。目の前なのにごめん。もっとうまくやれたな。照明弾を撃とう。すげぇイヤだ。
このチャンネルでやってきた中で一番大変なチャレンジだ。あとちょっとで成功しそうだったのに、最後の5%で潮の流れが変わってしまい、難しくなってしまった。何て言えばいいか。負けるのはイヤだし、こんな気分もイヤだ。みんなをガッカリさせてしまって、本当にすまない。
約束する。次のチャレンジ動画では失敗しない。ヘリコプターに乗るから、またね。
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