卵子凍結は「使わずに済む」ことも目標:グレイス杉山クリニックSHIBUYA岡田有香院長に聞く、受診から採卵・保管・使用まで
lumily働く女性向けYouTubeチャンネル「lumily」が、グレイス杉山クリニックSHIBUYAの岡田有香院長に卵子凍結について聞いた回である。前回の続編として、受診から採卵までの具体的な手順、副作用、費用、保管のリスク、凍結した卵子が実際に使われる場面までを順に尋ねている。岡田院長は、卵子凍結は誰かに勧められてするものではないと話す。自分の体の状態とライフプランを踏まえて、本人がメリットが大きいと思えるなら行うもの、という立場だ。
事前検査から採卵まで、通院は計4〜5回
岡田院長によると、卵子凍結の流れは、まず事前検査で1回受診し、生理が始まってからの約2週間に3〜4回受診するというものだ。事前検査では血液検査で感染症の有無を調べ、卵子の「在庫数」の目安になるAMHを測る。あわせてエコー検査で卵巣や子宮に病気がないかを確認する。
同院では、生理が始まって3日以内に一度来院してもらう。その日にホルモンの採血とエコー検査を行い、その周期に飲み薬などを中心とした治療を始めてよいかを判断する。問題がなければ1週間分の飲み薬と注射を渡し、患者が自分で注射をする。注射を始めて約1週間後から2〜3回受診し、そのあと採卵になる。この時期は2日に1回くらいのペースで通院する感覚になるという。
通院回数は合計4〜5回程度で、生理開始から採卵までは約2週間前後かかる。働く女性にとってはスケジュールの調整が大変だという聞き手の指摘に対し、岡田院長は、不妊治療のクリニックには働く女性の患者が多いため、夜7時ごろまで診療しているところが多いと答えた。
自己注射と飲み薬の役割
注射はほとんどの人が自己注射で行っているという。自分で打つのが難しい場合はクリニックで注射してもらうこともできるが、その場合は通院がほぼ毎日になるため、自分で打つ人が大半だと岡田院長は話す。
薬はホルモン剤で、卵を育てる飲み薬のほかに、排卵を抑える飲み薬を使う。ある程度育った卵は自然に卵巣の外へ出てしまう(排卵してしまう)ため、それを止める必要があるからだ。飲み薬は1〜2種類で、服用期間はおおむね1週間から10日間だという。
副作用:卵巣過剰刺激症候群と採卵時のリスク
副作用について、岡田院長はまず薬を使う目的から説明した。通常の生理周期では卵子は1〜2個しか育たない。卵子凍結では薬を使ってたくさんの卵子を育て、1回でまとめて採ることを目指す。1回に10個以上、多いと20個ほど採れる人の場合、卵巣は親指の先ほどの大きさからピンポン玉ほどまで大きくなる。
その結果、物理的な圧迫感やお腹の張り、便秘が起きることがある。ホルモンの影響でお腹に水がたまりやすくなり、歩くと響くような痛みが出る人もいる。こうした症状を卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼び、岡田院長はこれがもっとも起こりやすい副作用だとする。軽いものを含めると10%弱の人に見られるが、入院が必要になる重いものは1%にも満たないという。
ほかに、採卵では膣の側から卵巣に向けて針を刺すため、卵巣表面からの出血や卵巣の感染がそれぞれ0.1%弱の確率で起こる。岡田院長はこうしたリスクもゼロではないと説明した。
採卵の痛みと麻酔、当日の仕事復帰
採卵は痛いのかという問いに、岡田院長は「痛くなくはない」と答えた。育った卵の数が多いほど、生理痛のような鈍痛が強くなる。そのため10個以上育っている人は、点滴による静脈麻酔を使って採卵することが多い。数が少ない場合は、局所麻酔や座薬だけで済ませる人がほとんどだという。
麻酔の方法はクリニックによって少しずつ違う。そのため、点滴での麻酔を選べるかどうかもクリニック選びで考えるポイントの一つになると岡田院長は話した。採卵後については、ほとんどの人が午後には仕事をしている印象だという。
体外受精と同じ処置であり、日本では年間50万件行われている
岡田院長は、卵子凍結の一連の処置は、日本の不妊治療で体外受精を行う際の手順とまったく同じだと説明する。体外受精では卵子を体外に取り出し、精子と合わせて受精卵にする。その前段階の採卵は日本で年間50万件ほど行われており、1日に何千人もが同じ処置を受けている計算になるという。
岡田院長によれば、日本の不妊治療の件数は直近で中国に抜かれたものの世界第2位で、人口比では群を抜いて1位だ。それだけ多くの人が国内で不妊治療に取り組んでいるのが現状だという。
聞き手は女性の負担の大きさに触れた。岡田院長も、体外受精では女性が卵子を採るために3〜4回受診しなければならないのに対し、男性は採卵日に精子を提出するだけで済むと話す。体の構造上の問題として、負担の差は大きいと認めている。
受診から凍結までの期間と回数は年代で大きく違う
初診から卵子凍結までの期間は年代によってかなり違うと岡田院長は言う。30代後半で初診に来る人は、受診の時点ですぐに始めたいと考えていることが多く、だいたい1カ月程度で卵子凍結をスタートしている。初診当日に始める人もいるという。
一方で迷う人は、数年単位で迷う。まずAMHなどの検査で自分の状態を知り、パートナー探しを頑張って、2〜3年後に難しければ凍結しようかと考えて来院する人もいる。岡田院長は、卵子の質は30代後半で一気に変わるため、30代後半に入った人は1カ月でも早く始めようとして来院することが多いと話す。
凍結の回数も年代で変わる。30代前半までは1回で終わる人がほとんどだが、30代後半になると平均2回程度になる。1回の採卵で採れる卵子の数は年代とともに減り、30代後半では1回あたり7〜8個ほどになる。そのため2回採卵して、全体で15個、できれば20個ほどの凍結を目指す人が多いという。
採卵ができない人、卵が育たない人もいる
受診しても採卵ができないケースもある。たとえば子宮筋腫で子宮のこぶがかなり大きく、卵巣が膣側から針の届かない位置にある人がそうだ。また、もともと卵巣が腫れている状態で注射を始めると、卵巣がさらに腫れてねじれるリスクが高まるため、注射を始められないこともある。こうした病気がないかを確かめるために、事前検査で必ずエコー検査を行っているという。
さらに、注射を始めても途中で卵が育ちにくい人、育たない人もいる。岡田院長によればまれではあるが1〜2%ほどの確率で起きる。やろうと決めれば必ずできるわけではない、という点も院長は強調した。
凍結した卵子はいつ使われるのか
凍結した人が妊娠を望んでクリニックを訪れるのは、パートナーが見つかったときである。ただし岡田院長によると、その時点で最初から凍結卵子を使う人は少なく、まずは自然妊娠を考える人が多い。自然妊娠が難しく不妊治療に進んだときに凍結卵子を使う人や、不妊治療をしても子どもを授からなかった場合に「最後の砦」として凍結卵子を使う人がもっとも多いという。
使用率について岡田院長は日米のデータを紹介した。日本では、凍結卵子を使った人は10〜13%程度とされる。これまで日本で凍結する年齢は40歳前後が多く、そこからパートナーが見つかる人が多くなかったため、使用率が低かったと言われている。アメリカでは30代半ばでの凍結がもっとも多く、直近のデータでは約38%が使われている。その中にも、自然妊娠したので使わなかったというデータがかなり多いという。
聞き手は「38%しか使われないのか」と率直な印象を口にした。これに対し岡田院長は、医療者の立場からすると使わないことも一つのメリットであり、自然妊娠できるならそれがいいと答えた。実際に卵子凍結をする人の多くも、それを目標にしているという。凍結すれば卵子を使えばいい、という考え方ではない。自然に妊娠したいが、それができなかったり、不妊治療をしても難しかったりする人を身近で見てきた人が、できる限り出産の可能性を高くしたいと考えて凍結を選ぶことが多い。岡田院長は、この点を理解したうえで凍結するかどうかを考えることがいちばん大事だと述べた。
費用と助成金、保管料
費用は、事前検査から卵子の凍結を終えるまでで、同院では40万円だという。一般的にはだいたい30万円台から60〜70万円程度までと幅がある。同院はパッケージ料金で均一価格にしているが、凍結する卵子の個数に応じて費用が変わるクリニックも多いという。
東京都の助成金については、採卵の費用として20万円が出るため、およそ半分がカバーされるイメージだと岡田院長は説明した。これとは別に保管料がかかる。同院では初期費用が5万5000円で、ほかに年単位の保管料が発生する(字幕では金額が正確に聞き取れない)。
取り違えや災害のリスク
保管中の卵子の取り違えを不安に思う人は多いと岡田院長は言う。日本では年間50万件の採卵が行われており、その人の卵子や受精卵を取り違えないよう、技術面を含めさまざまな工夫をしている。現状、そうした事故はほとんど起きておらず、卵子凍結でも同じ体制をとっている。処置や取り違えについては医療全体でダブルチェック、トリプルチェックを行っているが、それでも100%とは言えない、と院長は説明している。
地震や火災などで保管タンクがだめになる可能性についても、ゼロではないと答えた。そうしたリスクもすべて患者に説明しているという。
よくある質問:自然妊娠しにくくならないか、子どもへの影響は
患者からよく聞かれるのは、卵子凍結のあとに自然妊娠しにくくなるのではないかという質問だ。たくさん卵を育てて採るので卵子が減ってしまうのでは、という心配である。これに対して岡田院長は、卵子凍結で採るのは、その生理周期で本来なくなってしまう卵子をできるだけ多く育てたものだと説明する。採ることで卵子の数が大きく減ることはあまりないという。実際に不妊治療のあとで自然妊娠する人も多く、その確率から考えても自然妊娠しにくくはならないと院長は話している。
凍結卵子から生まれる子どもに奇形などが出やすいのではという心配も多いが、奇形率は変わらないという。唯一言われているのは、使用時にパートナーの精子に問題があって男性不妊の要素がある場合だ。そのとき子どもが男の子なら、男性不妊の要素が引き継がれる可能性がある。それ以外はすべて変わらないと岡田院長は説明した。
保管の期限は45歳まで
凍結卵子を使う推奨年齢は45歳までとされている。そのため、45歳までに保管し、それまでに使うというイメージになるという。使わなかったり保管の必要がなくなったりした場合は破棄することになり、だいたい45歳の誕生日で破棄すると案内しているそうだ。
「勧められてやるものではない」
最後に、卵子凍結を勧めるかと聞かれた岡田院長は、誰かに勧められてやるものではないと答えた。まず自分の体を知り、その状況と自分のライフプランを照らし合わせて、卵子凍結をすることのメリットが大きいと思えるならやるべきだという。自分はこれまで「絶対にしたほうがいい」とも「しないほうがいい」とも言ったことはないと話した。
子どもを持つか持たないかについても考え方はさまざまで、どちらも本当にいいと院長は言う。そのうえで、持つ可能性があるかをまず考え、自分の年代や病気の背景がないかといった点も踏まえて最終的に決めていくものだとした。20〜30代の視聴者に向けては、仕事などで忙しいと思うが、自分の体について知り、少し立ち止まって将来のことを考えてほしいと呼びかけた。相談だけで来院してもよく、自分の体を知る目的で来る人がいちばん多いという。婦人科は行きづらいイメージがあるが、まずは来てほしいとも話した。
収録後、聞き手は次のように振り返っている。卵子凍結はなぜ必要なのか、どんな人がやるべきなのかを突き詰めていくと、自分の人生をどう生きたいかにつながる。自分が妊娠・出産を望んでいるのか、その可能性があるのかを改めて考えることが大切だと感じた。若いうちにまず婦人科で検査を受けること、20代前半から考え始めることで、人生の選択肢が広がり、後悔も少なくなるのではないかという。
日本の不妊治療の件数っていうのは、直近でちょっと中国に抜かれたんですけど、世界第2位で、人口比で言うと本当にもうずば抜けて1番になるので、それだけ不妊治療を頑張ってる方がこの日本国内でいるっていうのが現状です。
できる限り出産の可能性を高くしたいと思っていただく方が多いかと思います。できるだけ可能性を高くしたいっていう感じですね。
実際にこの卵子凍結の手順について伺っていきたいです。
卵子凍結までは、基本的に事前の検査で1回来ていただいて、生理が始まってから2週間の間に3回から4回ぐらいの受診が必要になります。最初の事前の検査っていうので、血液検査とか、感染症がないか、先ほどのAMHっていう卵子の在庫数を見る検査だったり、あとはエコー検査で卵巣、子宮のご病気がないかっていうのをチェックさせていただいて、当院では生理が始まって3日以内に1度来ていただくっていうのをお願いしています。
その日にホルモンの採血とエコー検査をして、実際その生理周期で飲み薬とか注射をやって大丈夫かなってチェックをしていきまして、オーケーであれば、そこから1週間分の飲み薬と注射を渡しますので、ご自身で注射とかをやっていただいてるイメージです。
結構、通院だけでも回数ありますね。
そうですね。特にその注射を始めて1週間後から2、3回受診して採卵って形になるので、そこも本当に2日に1回ぐらい受診してるイメージにはなってくるかなとは思います。
これも結構、働いてる女性だと、そこのスケジュールも大変ではありますね。
そうですね。やはりそういったクリニックは働いてる女性が多いというのはありますので、夜、長めに7時とかぐらいまではやってるクリニックっていうのは多いかなとは思います。
そうですよね。そうじゃないと通うだけでも結構ハードルは高いと思ってしまうんですけど、まずそこで通院をして、あとこのご自身で自己注射。
そうですね。自己注射がありますね。ほとんどの方は自己注射でやっている印象です。どうしても注射をご自身では難しいですっていう方は、通っていただければ注射はクリニックでできるんですけど、やっぱり通院が毎日とかになっちゃうので、ご自身でやってる方がほとんどかなと思います。
自己注射と飲み薬っていうのは、ホルモンの薬とかですか。
そうですね。卵を育てる飲み薬とか、ある程度育ってきた卵って勝手に自分から外に出る排卵っていうのをしてしまうので、排卵を抑えるための飲み薬を使ったりしていきますので、1、2種類は飲んでるっていう感じですね。
それを2週間でしたっけ、続ける。
薬を飲んでるのは大体1週間から10日間ぐらいです。それを続けていただいて、最終的に採卵まで行くのは、生理が始まってから大体2週間前後ですね。
それは副作用とかはないんですか。お薬とか注射っていうのは。
やはりたくさん卵子を育てて、1回でたくさん取ろうっていうのが、卵子凍結でやっていることになります。通常の生理だと1個か2個しか卵子って育たないんですね。その薬がないと育たないって形になるので薬をやってるんですけど、1回で10個以上、20個とか卵子が取れるっていう方に関しては、やっぱり卵巣自体が親指の先ぐらいからピンポン玉まで大きくなるので、お腹が張る。
こんなに大きくしてるっていうことですか。
そうですね。なので、それによる物理的な圧迫感とかも出ますし、便秘になったり、ホルモンの影響でお腹に水が溜まりやすくなったりとかで、歩くと響くような痛みが出たりっていう方が、軽いものを含めて10%弱いらっしゃるかなと思います。入院レベルの重いものっていうのは1%にも満たないんですけれども、今のこの症状を卵巣過剰刺激症候群、OHSSって呼んでおりまして、それが1番可能性として高い副作用にはなるかなと思います。
それ以外には、採卵の処置っていうのは膣の方から卵巣に向かって針を刺すことになるので、卵巣の表面の出血だったりとか、卵巣の感染っていうのが、それぞれ0.1%弱ぐらいあるので、そういったこともゼロじゃないんです。
採卵っていうのは痛くないんですか。
痛くなくはないです。やっぱり数が多ければ多いほど、生理痛のような鈍痛っていうのがどんどん強くなりますので、10個以上とかの数が育ってますっていう方ですと、点滴での麻酔、いわゆる静脈麻酔とかを使って採卵をされたりっていう方が多いかなと思います。数が少ないと、局所麻酔だったり座薬だけで処置をされる方がほとんどにはなってくるかなと思います。
その麻酔をしたら寝てるって、それもクリニックさんによって違うってことですよね。
そうですね。麻酔方法もクリニックによって若干違いますので、点滴での麻酔の選択肢があるかっていうのも1つ考えていただく部分にはなるかなと思います。
採卵が終わった後は普通にお仕事復帰できるんですか。
ほとんどの方はもう午後、お仕事されてるような印象です。やっぱりこの卵子凍結でやる一連の処置っていうのは、全て日本の不妊治療における体外受精っていって、卵子を外に取り出して精子と合わせて受精卵にする時にやってることと全く同じことになるので、それは年間で言うと50万件、1年間に採卵ってやってるので、もう本当に1日でも何千人の人が同じこの処置を受けてるみたいな感じにはなります。
日本の不妊治療の件数っていうのは、直近でちょっと中国に抜かれたんですけど、やっぱり世界第2位で、人口比で言うと本当にもうずば抜けて1番になるので、それだけ不妊治療を頑張ってる方がこの日本国内でいるっていうのが現状です。
結構その女性の負担っていうのは計り知れないですね。
そうですね。どうしても体の構造上、この卵子を取りに行くのに受診する回数って、女性がもうその3、4回は必要で、男性はその採卵って卵子を取りに行った日に精子を提出すればいいだけっていう形になるので、もう構造上の問題でそこの負担が全然違う。
全然違いますね。卵子凍結だけでも、じゃあトータル何回通うっていうことですか。
トータル4回から5回ぐらい。
4回から5回で、自己注射は1週間ぐらい、飲み薬も1週間ぐらい。通ってから採卵するまでで大体2週間。これ、最初に受診して卵子凍結をしたいっていうまで、最短でやったとした場合、その生理が来てから行うってことですか。
生理が来て、実際3日目までの間に来ていただくっていう形で進められます。
最初に受診してから卵子凍結するまで、どれぐらいの期間の方が多いんですか。
年代によってこれはかなり違います。30代後半の方で初診をされる方は、大体1ヶ月程度で卵子凍結をスタートされてるイメージ。
もう受診する時から、もうすぐやりたいっていう思いを持って受診されてるってことですか。
はい。そういう方が30代後半だと多いかなと思います。
そしたら終わるまででも1ヶ月ちょっとっていうことですか。
そうですね。受診から卵子凍結まで1ヶ月ちょっと。早い方はもうその日にスタートすることもありますので。
そうなんですね。悩まれる方だとどれぐらい悩まれますか。
もう本当に数年単位ですね。なので、まずはご自身のAMHとかエコーをして、ご自身の状態を知って、パートナーさん探しを頑張るんだけど、2、3年後に難しかったら卵子凍結しようかなとか、そういう感じで来られる方もいらっしゃいます。
検査が終わった後でも、ご自身の相談ベースに来られるって方も多いですか。
そうですね。もうある程度決めて来られてる方とか、年齢的に卵子の質っていうのが30代後半で一気に変わりますので、30代後半に入ってる方は、1ヶ月でも早くやろうと思って来てる方は多いかなとは思います。
卵子凍結、1回で終わる方が多いんですか。
それもやっぱり年代によって違いまして、30代前半までの方はほとんど1回で終わる方が多くて、30代後半になってくると、平均2回ぐらい卵子凍結をされるイメージにはなってきますね。
その2回する理由っていうのは、やっぱり1回の採卵で取れる数が少ないっていうことなんですか。
そうですね。1回で取れる卵子の数が年代によってだんだん減ってくるんですけれども、30代後半になると1回大体7、8個ぐらいっていう形になってきますので、そこを2回採卵して、全体では15個から、できれば20個ぐらいの凍結を目指すっていう方が多いかなとは思います。
受診してから採卵ができない方っていうのもいらっしゃいますか。
特に子宮筋腫とかで、子宮のこぶがかなり大きくて、卵巣がもう膣からは針が届かない位置にあるっていう方だったり、あとは卵巣の腫れがあって、その状態から注射をスタートしてさらに卵巣が腫れてしまうと、ねじれるリスクが高くなって、ちょっとそこでは注射が開始できませんっていう方もいらっしゃるので、事前の検査の時に必ずエコー検査をして、そういうご病気がないかっていうのをチェックさせていただいております。
あとはやっぱり注射をしても、途中段階で卵が育ちにくいとか、育たないっていう方も中にはいらっしゃるんですね。稀ではありますけれども、1、2%の確率でそういった方もいらっしゃいますので、必ずやろうと思ったからできるっていうわけではないっていうところになります。
この卵子凍結をされた方が妊娠したいってなったら、クリニックに来られるじゃないですか。そういった時って、パートナーを見つけた時っていうことですよね。
はい。パートナーさんを見つけて、実際その方とのお子さんを考えられるっていうので、まず最初は凍結卵子を使う、保管してたものを使うっていうよりは、自然妊娠を考えられるっていう方が多いかなと思います。
アメリカの方でも38%ぐらいは使ってはいるんですけど、その中でやっぱり自然妊娠をしたから使わなかったみたいなデータがかなり多くてですね。基本的に自然妊娠できればそれで。ただやっぱりそれが難しくて、不妊治療に行った時に、この凍結しといた卵子とかを使うとか、あとは不妊治療に行ったんだけど、それでもお子さんが難しかったっていう場合に、最終的に最後の砦として卵子を使うみたいな方が1番多いかなって思います。
じゃあ卵子凍結しても使わないっていう方もいらっしゃるってことですか。
そうですね。日本はまだ使ってる方っていうのは多くなくて、実際データとしてやはり10%から13%ぐらいと言われております。今までは凍結するご年齢が40歳前後であったので、そこからパートナーさんが見つかる方が多くはないっていうところで、使う確率って少なかったかなと言われてるんですけど、今アメリカの方だと30代半ばでの凍結が1番多くて、直近のデータだと38%が使われてるっていうようなイメージです。
でも逆に言うと、38%しかってちょっと思ってしまったんですけど。
私たちとしては使わないことも1つメリットで、それで自然妊娠ができるのであればそれがいいと思いますし、やっぱりそれを目標にされてる方が、実際卵子凍結されてる方でも多いです。
なので、この卵子を使えばいいやっていう考えではないってことですね。ここ、大きいポイントですね。
妊娠はしたいし、自然妊娠したいんだけれども、それができなかったり、実際、不妊治療もやっても難しいっていう方を間近で見てらっしゃるっていう方も多くて、そういった時にこの卵子があることによって、できる限り出産の可能性を高くしたいと思っていただく方が多いかと思います。
できるだけ可能性を高くしたいという感じですね。これがすごく重要なところですね。
そうですね。やっぱりそこをご理解いただいて、卵子凍結をするかどうか考えていただくのが1番大事かなと。
費用に関して先ほどお聞きしたんですけど、もう一度伺ってもいいですか。
実際、事前の検査から卵子凍結を終えるまで40万円っていうのが当院の金額でして、大体30万円ぐらいから60、70万円ぐらいです。結構幅があるのが採卵の費用です。当院ではパッケージ料金にしてますので、均一な価格ではあるんですけど、個数に応じて卵子凍結の費用が違いますっていうクリニックもかなり多いかなと思います。
じゃあ大体30万円からぐらいか。結構高額ですよね。
そうですね。やはりその費用において、東京都のこの助成金っていうのは20万円が採卵の費用で出ますので、イメージとしては約半分ぐらい、半分ぐらいのイメージがカバーされるかなというところになってきます。
保管料っていうのが年でかかってくるってところですね。
そうですね。当院では初期費用として5万5000円の金額と、あとは年間単位で3万8617円。
そこを1番不安に思われる方も多いんですけれども、先ほどお伝えしました、日本では50万件、今この同じことをやっておりまして、その方の卵子、その方の受精卵とかっていうのを間違えないように、もうこの人のですっていうのを、ある程度取り違いがないように技術とか色々な工夫をしてやってるっていうのが現状にはなりまして、ほとんどそういった事件っていうのは現状で起きてるっていうのはあまりないので、そこを卵子凍結でも同じようにやってるっていうのが現状です。ただ100%とは言えないっていうところはあるかなと思います。
自然災害だったり、そういったものは大丈夫ですか。
地震とかそういったもの、火災とかでタンクが駄目になってしまうみたいなことっていうのはゼロではないと思いますので、そういったリスクっていうのも全てお伝えしております。
そこが結構不安な方も多いんじゃないのかなと思っていて、やっぱり取り間違えられてしまう可能性があるんじゃないかみたいな。
医療においては、全てその取り違えとか、処置の間違えとか、そういう卵子のところとかも全てダブルチェック、トリプルチェックしながら、その方のものを間違えないようにっていうのをやってるので、基本的にほとんどないことではありますけども、ゼロではないのかなっていうところをご説明してます。
患者様からいただく質問で多いものって、どういったものがありますか。
まず卵子凍結をした後に、自然妊娠とかしにくくなるんじゃないかなって思われる方が結構多くいらっしゃって、卵子凍結でいっぱい卵を増やして取るから卵子が減っちゃうとか、そういう意味で自然妊娠もできにくくなるんじゃないかって思われると思うんですけど、卵子凍結で取る卵子っていうのは、その生理周期で本来はなくなってしまう卵子をできるだけ多く育てるっていう形になるので、取ることによって卵子の数がすごい減っちゃうとか、そういうことはあんまりないですよっていうのをご説明しておりまして。実際、不妊治療をされた後とかでも自然妊娠される方って結構いらっしゃるので、その確率から考えると自然妊娠はできにくくはならないです。
凍結した卵子から生まれるお子さんに奇形が出たりしやすいのかなとか、そういうのを心配される方も多いんですけれども、奇形率とかっていうのは変わらなくて。もし使う時、パートナーさんにちょっと精子に問題があって、男性不妊の要素があるよっていう場合、お子さんが男性だったら、もしかしたらその男性不妊の要素っていうのが引き継がれる可能性があるよとだけ言われてます。それ以外は全部変わらないです。
気になってました、その辺り。
そうですね。かなりその質問も多いかなと思います。
卵子凍結の期限みたいなところってありますか。
基本的に使うのは45歳までというのが推奨年齢になっておりますので、ご自身の妊娠の年齢を考えると、45歳まで保管をして、そこまでに使うっていうイメージになってくるかなと思います。
じゃあ、それで使わなかったりとか、もう保管する必要がないってなった場合は、それを破棄するっていうことになるんですか。
そうですね。大体その45歳のお誕生日で破棄になりますっていうのはご案内してっていうイメージになります。
最後に、先生からこの卵子凍結っていうものはお勧めしますか。
誰かに勧められてやるものではないと思っております。卵子凍結をするかしないかっていうのは、その方のご自身の体をまずは知っていただいて、その状況と、あとご自身のライフプランにおいて、この卵子凍結をすることがメリットが大きいと思えるようであればやるべきだなと思いますので、私は卵子凍結した方がいいよ、絶対しなよ、みたいなことを言ったことはないんです。
これ、すごく素敵な意見。この卵子凍結をずっとされてる先生からのこのご意見。人によってどう生きたいかによって違うっていうところですよね。
そうですね。もちろんお子さんを持つか持たないかも色々お考えがおありだと思いますし、それ両方、本当にいいと思うので、そこをまずは考えていただいて、もしかしたら持つ可能性があるかな。その中でご自身のご年代とか、その方のご病気、背景がないかとか、そういうところも踏まえて、最終的には決めていくものかなと思っています。
視聴者の方、20代、30代の方がとても多いんですけど、20代のうちから自分の人生、女性は子供を持ちたいのかってなると、ちょっと決めきれない部分があるので、持つ可能性はあるのかっていうところも踏まえて人生プランを考えていくと、より良い人生が歩めそうですね。
そうですね。まずはご自身、今お仕事とか色々忙しいと思いますけれども、自分の体について知っていただいて、少し立ち止まって将来のことを考えていただけると嬉しいなと思います。
本当に若い方、全て見ていただきたい内容なので、立ち止まって自分の人生と自分の体を知る。そして気になったらチェックに行ってみるっていうところですね。
はい。ぜひそこをお願いしたいと思います。
もう本当にためになるお話、色々聞いてしまって、ありがとうございました。
こちらこそありがとうございます。
本当に丁寧に説明していただいて分かりやすかったですし、ありがとうございます。実際に不妊のクリニックでも働かれてたということで、今回、卵子凍結のお話だったんですけど、不妊治療のお話もちょっと今後伺えたらなって。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
本当に貴重なお話、ありがとうございました。もし悩んでる方、ちょっと検査に行ってみようって思った方、先生はこのグレイス杉山クリニックSHIBUYAにいらっしゃるんですか。
はい。グレイス杉山クリニックSHIBUYAの院長をしておりまして、週に4回ぐらいはおりますので、ぜひ。
ちょっと先生に診ていただけたら。ありがとうございます。相談だけでもいいんですか。
そうですね。まずはご自身の体を知るっていう目的で来られる方も1番多いので、そこでハードルなく、婦人科ってちょっと行きづらいイメージありますけど、とにかく来ていただければと思います。
ちょっと悩んでる方のきっかけになれば嬉しいです。ありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。とても有益なお話を分かりやすく説明していただけて、卵子凍結って言葉では耳にすることが多くなったんですけど、そもそも何で必要なのか、じゃあどういった方がやるべきなのかっていうところを突き詰めていくと、やっぱり自分の人生をどう生きたいかっていうところにつながってくるので、妊娠、出産を考えてる女性だったり、その可能性があるのか、自分はそれを望んでいるのかっていうところを改めて大切だなと感じました。
気になったら、まず自分の体を知るっていう意味で婦人科に行って検査を受けるってところがすごく分かりやすかったので、若いうちに受けた方がいいよっていうことはすごく感じましたし、20代前半のうちから考えていくと人生の選択も広がりますし、後悔っていうところも少なくなっていくんじゃないのかなと感じました。
本当に今回の回は、1人でも多くの女性に見ていただけて、何か考えるきっかけになっていただけたらなと感じました。最後までご視聴ありがとうございました。また次回お会いしましょう。ありがとうございました。
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