「ニッチ」を市場に変えるには ハヤカワ五味が語る、小さく始めて会話を重ねる方法
MAKE IT NEXTJ-WAVEとラジオNIKKEIの番組「MAKE IT NEXT」の初回に、メルカリでAI戦略を担当し、ランジェリーブランド「feast」の創業者でもあるハヤカワ五味が出演した。ナビゲーターはSean Kawakami。番組は、キャリアに迷う社会人、セカンドキャリアを考えるシニア、就職前の学生などを「ビジネスアスリート」と呼び、そうした人たちにヒントを届けることを掲げている。
この前編では、大学1年でのブランド立ち上げ、「シンデレラバスト」という言葉、小さく始めて小さく失敗するという考え方、インターネットが可能にしたニッチ市場が主に語られた。ハヤカワの立場は一貫している。キャリアは計画通りに進んだものではなく、その時々の直感を積み重ねた結果である。そしてニッチな需要は、インターネット上で何度も出しては反応を受け止めることで市場になった、というものだ。
プロフィール:feastからメルカリのAI戦略まで
冒頭でKawakamiが経歴を紹介した。ハヤカワは1995年生まれで、多摩美術大学グラフィックデザイン学科の在学中に、胸の小さい女性向けのランジェリーブランドfeastを立ち上げた。20歳で株式会社化し、「シンデレラバスト」という言葉を広め、7年間で累計2.5万という実績を挙げたと紹介された。
2019年にはフェムテック事業のイルミネートを設立し、2022年にユーグレナのグループに入った。2024年7月にメルカリへAI戦略担当として入社し、半年で社内のAI利用率を95%まで引き上げたとされる。この数字についてハヤカワは、全社で達成したものだと前置きした。そのうえで「色々なことがあったので話せることはある」と述べている。
キャリアは計画ではなく、後から意味づけられる
Kawakamiはまず、ここまでの歩みが計画通りだったのか、偶然だったのかを尋ねた。ハヤカワの答えは、後からなら理由はいくらでも説明できるが、当時考えていたのはその時々の直感や「こうじゃないか」という感覚でしかなかった、というものだ。それが結果的に自分を中心とした文脈として整理され、つながって見えるのだという。
Kawakamiは、人材育成や成長戦略では「ゴールを決め、ギャップを分析し、バックキャスティングで今日やるべきことを決める」のが教科書的な正解だと指摘した。そのうえで、J-WAVEで長年およそ1000人に話を聞いてきたが、そのやり方で進んできた人はほとんどいなかったと話した。ハヤカワもこれに同意する。目標や先々のことを語ると、言ったからには最後に辻褄を合わせなければならなくなるが、最初から思い通りに進んだわけではない。実際、10年続けた起業家としての人生をいったん脇に置いてAIの仕事に移っており、キャリアの途中で方向を大きく変えている。Kawakamiはここで、スティーブ・ジョブズの「コネクティング・ザ・ドッツ」を引き、目の前の点をつないでいくのが人生なのだろうと応じた。
出発点はグラフィックデザインと「ものづくり」
最初の点はデザインだった。ハヤカワがグラフィックデザインを志したのは、アートディレクターの佐藤可士和がきっかけだという。もともとはラフォーレ原宿などの広告のグラフィックに関心を持っていた。そこへオープンキャンパスで佐藤の話を聞き、「これがデザインなのか」と気づいて、佐藤の出身学科である多摩美術大学のグラフィックデザイン学科を選んだ。大学では、広告やパッケージを含め、グラフィックを通したコミュニケーションでどう課題を解決するかを学んだ。
Kawakamiは前回のゲストだったインテリアデザイナーの「デザインは顧客のニーズに応えて結果を出すもの、アートは自己表現」という言葉を紹介した。ハヤカワは高校時代からアクセサリーを作るなど自己表現の欲求が強く、アート寄りのものづくりを続けてきた。佐藤の話を聞いてデザインに気づいてからは、何かを提供することで課題を解決するという姿勢が、以前の仕事にも今の仕事にも共通しているという。
大学1年の夏、Twitterへの投稿から始まった
feastは大学に入った年の夏に立ち上がった。「立ち上げるとは具体的に何をしたのか」とよく聞かれるが、ハヤカワによれば、ある意味では勝手に立ち上がったようなところがあるという。
当時はまだ利用者が多くなかったTwitter(現X)に、自分で作った下着の写真を載せ、販売予定だと告知した。フォロワーはごくわずかだったが、投稿は瞬く間に拡散し、注文したいという声が大量に届いた。今でこそSNSでバズって売れるのは当たり前だが、当時はほとんど例がなく、先駆け的だったとハヤカワは振り返る。
Kawakamiは、これは大人たちがアジャイル開発やイテレーションと呼ぶものに近いと指摘した。大企業が市場調査でペルソナを決めて商品を出し、失敗するやり方とは対照的だという。ただしハヤカワは、お金を稼ごうとかビジネスをやろうと考えていたわけではないと話す。作りたいものを作って見てもらうことを、15歳ごろから続けていたブログの延長でやっていただけで、「直販」といった言葉も後から知った。インターネットがあったからこそ可能だったと本人は捉えている。
工場もないまま受注が殺到した
実際の製造は見切り発車だった。ハヤカワは学生時代からコスプレをしており、被服系の大学に通うコスプレイヤーの友人にサンプルを作ってもらった。コスプレのカメラマンに撮影してもらった写真を投稿すると一気に拡散し、当時使っていたBASEで受注した。
もともとは自分で手作りして発送するつもりだったが、注文はその規模を超えてしまった。工場に発注することを想定していなかったため、そこから工場を探し、配送までなんとかこぎつけた。ハヤカワは、工場を押さえていなかった点を「今も反省している」と述べ、当時はやらなければという一心で徹夜もしていたと語った。
その後は個人事業主として続け、法人化した時点で売上はおよそ3000万円あったという。売上が1000万円を超えたら法人化を検討すべきだと言われていたことが、法人化の判断材料になった。
小さく始め、小さく失敗する
Kawakamiは、計画を立ててから調査・製造・品質管理を進めるより、出してみて反応を見てから動くほうが速いのではないかと尋ねた。ハヤカワはこれに同意し、自身の事情も説明した。少しずつ物販をして売上はあったものの資金は限られており、リードタイムを取って先に投資するようなことはできなかった。だから小さく始めて小さく確かめる。いわゆるPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を見るようなやり方を、今も大事にしているという。
ハヤカワは、一発目で当てたように見えるかもしれないが実際は違うとも補足した。高校時代から物販をしていたし、feastの前には大学入学直前にワンピースのブランドも手がけていた。いくつも出したうちの一つがたまたま跳ねたのだという。Kawakamiは「ちゃんと失敗している」点を強調した。悩む人の多くは失敗せずに成功したがるが、小さな失敗なら痛手は少ない。失敗の数が多いほど調整の方法が分かり、成功の確率が上がる。これがリスナーへの一つの助言としてまとめられた。
双極症と、二つの会社の同時経営
feastは2015年にベストデビュタント賞のファッション部門を受賞した。その4年後、ハヤカワはフェムテック事業のイルミネートを設立する。この経緯について本人は、公表しているとおり、双極症(双極性障害)の影響が強く出ていたと今は振り返る。
ハヤカワの説明では、双極症は全能感にあふれる躁の時期と、その後に上がった分だけ落ち込む時期がセットになった病気である。上がった幅が大きいほど、その2〜3倍の期間落ちてしまうという。うつ状態だけの単極性のうつ病とは異なり、起業家に多いとも言われる。全能感の中にいた当時は「絶対にいける」と考えた。しかし会社を一つ経営しながらもう一つ起業するのは常識的ではなく、今なら絶対にやらないという。feastは店舗の展開も経た忙しい時期で、そこにイルミネートが加わった。
大学は卒業していたので多少の余裕はあったが、2社を同時に経営するのは大変だった。とくにイルミネートは資金調達をしていたため、VCなどのステークホルダーを抱えていた。当時24歳だったという。
ユーグレナで初めて「大企業」を知った
その後、イルミネートはM&Aによってユーグレナのグループに入った。ユーグレナが女性向けを含むヘルスケア領域に取り組んでいたことが背景にあったという。2022年のことだ。
ハヤカワはここで初めて大企業を知った。それまでの会社経営を、食べたことのないラーメンをイメージだけで作るような状態だったと表現する。知らないけれど企業とは多分こういうものだろう、と作っていたのが、ここで実際の姿を学んだ。自分のやってきたことが体系立てて整理され、外部からどう評価されるのか、他社ではどうなっているのかが分かり、一気に視野が広がったという。会社を経営した後に簿記を勉強して「あれはこの話だったのか」と気づくような感覚だったとも語った。
Kawakamiは、欧米では働いてから大学に戻るなど、実学と座学を行き来しながら学ぶことが多いと紹介した。ハヤカワの歩みもそれに近く、好きなことをやった後で企業の論理に触れ、答え合わせをしたようなものではないかと述べた。ハヤカワはユーグレナで2年を過ごし、2024年春に退社する。その後、AIの仕事がしたいと考えてメルカリに入社した。
成功要因は、マイノリティに「届く」ようになったこと
メルカリへの転身の話に入る前に、Kawakamiはfeastの成功要因を改めて尋ねた。ハヤカワの分析はこうだ。当時は下着に限らず、マスに受けるもの、あるいは調査で評価されるものが中心で、マイノリティ向けの商品は少なかった。仮に作っても、当事者に届かなかった。インターネットとSNSが広く使われるようになり、マイノリティにも届くようになった。商品を作ったこと自体より、それをインターネットに載せて届いたことが成功の要因だったと今は考えているという。
サイズの問題について、ハヤカワは靴にたとえて説明した。平均から外れたサイズの人は、一般的な店では靴が見つからない。大きい人は海外から取り寄せ、小さい人はレディースを履くといった工夫をする。売れやすいサイズしか製造されず、小さいサイズなら「一つ上のサイズを買って中敷きを」と言われる。下着も同じで、一つ上のサイズを買って詰め物をするよう勧められやすかった。当時は大きいサイズも小さいサイズも、マジョリティ向け以外の展開はほとんどなかった。最近はボディポジティブの文脈もあり、マイノリティの存在が認識されるようになって、下着でも靴でもそうしたサイズの商品が増えてきたという。
ハヤカワは自分自身の最近の気づきも紹介した。日本では足幅2EやEが平均的だが、測ってみると自分はCで、ずっと足が細いことに気づいていなかった。探せばCやB向けの靴はあり、少し高くはなるが、大きいサイズのヒールで足を痛めるよりずっといいという。まだ掘り起こされていないニーズのある領域は、実はたくさんあるのかもしれない、というのがハヤカワの見方だ。
Kawakamiはこれを『ジュラシック・パーク』にたとえた。大きな恐竜が歩き去った足元に、手つかずの草が残っている。大企業は少品種大ロットのほうが経済合理性があるため、小さな市場を「計算が合わない」と判断する。しかしそれは大企業の図体に合わないというだけで、小規模な企業なら十分に損益が成り立つ市場はいくらでもあるのではないか。こうした問いは誰もが持っていい、とKawakamiは述べ、ハヤカワも「本当にそう思っている」と応じた。
言葉の選び方と、会話の量
Kawakamiは、「小さい胸」と言わずに「シンデレラバスト」という前向きな言葉を選んだ点にも注目した。ハヤカワは、ここにはグラフィックデザインのバックグラウンドが関係しているという。どんな話し方や伝え方をすれば、どう受け取られるか。これを常に考えており、AIについても、どうコミュニケーションを取れば皆がストレスなく受け入れられるかを考えている。この点は以前の仕事から共通しているという。
Kawakamiは、言葉を変えて価値を生んだ例をいくつか挙げた。規格外の野菜や果物を愛嬌のある呼び方で売り出して爆発的に売れたフランスのスーパーの事例。「美しさとは何か、そのままでいい」と訴えて売上を伸ばしたユニリーバのキャンペーン。そして、パタゴニアのイヴォン・シュイナードと話した際に聞いた、中古品の呼び方を変えれば違う生態系が生まれるという考え方。ただし、こうした言葉は言うのはたやすくても、自社の商品をどう言い換えるかを実際に考えるのは難しいとKawakamiは述べた。
これに対してハヤカワは、自分ができるようになったのは、インターネットで出して評価されることを繰り返してきたからだと答えた。小さく始めるので、最初は65点や70点の状態で出すこともある。それでも、批判を含めて言われることを怖がらずに受け止め、どう反応されるかを学べたことが大きかったという。「シンデレラバスト」も、最初から思いついて打ち出したわけではない。会話やコミュニケーションの中で響き、メディアに取り上げられたことで「この言い方がいいのだ」と分かり、使っていった部分があるという。
Kawakamiはこれを「今日のラインマーカーの一つ」とした。いい言葉を見つけたように見えても、その裏には大量の会話がある。企業はコピーライターと会議やブレストを重ねて言葉を決めるが、その間にハヤカワは顧客と会話を重ねていた。早く回して早く失敗し、微調整しながらバージョン1.0に向かうほうが結果的に早い。ハヤカワはこの見方に同意したうえで、大企業には別の戦い方もあると思うが、自分のような立場ではこれが一番いいと考えていると付け加えた。
AIに「仕事を奪われる」という言葉をどう受け取るか
前編の終盤で、話題はAIに移った。ハヤカワは、2022年末から2023年初めにChatGPTが登場したとき、「これだ」と強く感じたという。
AIで仕事が奪われるのではないかという議論について、ハヤカワが重要だと考えるのは、その言葉を文字通りに受け取らないことだ。たとえば年末年始は仕事をする機会を奪われているが、嫌ではなく「休みでラッキー」と感じる。本来の業務を奪われること自体は、おそらくストレスではない。不安の正体は、自分のアイデンティティが失われるのではないかという点にあり、その不安はとても理解できる、とハヤカワは述べた。前編はこの問題提起のところで終わっている。
明日を作るビジネスアスリートへ送る、時代の羅針盤。MAKE IT NEXT ― the next compass。ナビゲーターのショーンです。さて、今日のテーマは「AIと共創をする生き方」。共創というのは共に作る。Z世代起業家が見つけた人間にしかできないこと、というテーマを中心に、いろんな風に広がってみようかなと思っています。本日は、株式会社メルカリAI戦略担当であり、ブランドfeastのハヤカワ五味さんです。こんにちは。
こんにちは。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。実はこの番組が始まる前にご挨拶をしていましたら、すれ違ってるんですね、10年前ぐらいに。
はい。実は10年前くらいに共演するかしないかみたいなことだった。
そう、するはずだったんですね、きっとね。
はい、そうですね。ちょっと運命的なものを感じております。楽しみです。
なるほど。これも本当にこういうご縁があって、今日っていうのはまたちょっと感無量ですね。
この番組はいろんなビジネスマンが聞いていたり、ビジネスマンでも結構シニアの方も、あるいは新卒で入ってこれからどうしようかな、あるいは会社に入る前の人たち、この辺りが中心になって聞いていて、これからどうやって自分の未来を切り開いていけたらいいんだろうかとか、悩めるビジネス、一応アスリートって言ってるんですけど、ビジネスアスリート。そういう方を対象にいろんなヒントをいただきたいなと思うんですけど、今日、まずハヤカワ五味さんのプロフィールを、ほとんどの方ご存じだと思うんですけども、改めて紹介させていただきますね。間違いがあったら言ってください。
はい。
現在は先ほどご紹介した通り、株式会社メルカリのAI戦略担当、ランジェリーブランドfeast創業者でいらっしゃいます。95年生まれ、多摩美術大学グラフィックデザイン学科在学中に、もうこのfeastを立ち上げられて。
そうですね。
20歳で株式会社化でね。小胸って言っていいんですかね?
そうですね。胸が小さい方。
はい。小胸の女性向けのランジェリーという、いわば本当にニッチ市場で、「シンデレラバスト」、いいですね。そういう言葉を生み出して、7年間で2.5万、累計。意外に多いですよね、こう見ると。
本当ですね。
2019年、フェムテック事業。フェムテックっていう言葉もこの辺りから出てきたような気がしますけども、フェムテック事業であるイルミネートを設立されて、22年、ユーグレナグループに入られます。そして24年7月、メルカリにAI戦略担当として入社をされますと。半年で社内AI利用率95%まで引き上げる立役者になられた。この辺りはぜひ伺いたいところです。
はい。皆さんのおかげでというか、全社で達成した数字ではありますけど、結構いろいろなことがあったんで、お話できることはあると思います。
まず、先ほど冒頭で申し上げた通り、悩めるビジネスアスリート、自分の羅針盤と言ったらいいのかな。自分のキャリアをどう積み上げていったらいいのかな。このままの僕でいいのかな。いろんな悩みを抱えて、この番組の再生ボタンをふと押した方がいらっしゃると思うんですけども、その辺り、五味さん、自分の今までのキャリアを振り返ってまず聞きたいのは、すごいじゃないですか。いろんなステップアップをされて、いろんなものを自分で作り出してここまで来てらっしゃるのは、偶発的だったのでしょうか? あるいは、もうそういう風に計画をしてた通りに来たって感じですか?
後から話すにはいくらでも「こういう風に考えて」って言えると思うんですけど、でも正直、その当時何を考えたかっていうと、結構その時々の直感だったりとか、こうじゃないかなって思ってることでしかないなと思って。それが結果的に、自分を中心にしてそのコンテキストとして整理されるというか、いろいろつながってくるって話なのかなと思うんで、本当に全然そこまでめっちゃ考えてるとかっていうよりは、自分的にこっちの方がいいよなみたいな、その時々の感覚はすごく重視してますね。
でも、世の中、人事、人材育成だとか、はたまた企業の成長戦略を描く時って、ゴールを決めなさい。
言います。
ゴールを決めて、そこに何が足りないのかギャップ分析を行って、そして3年後から遡って、バックキャスティングで今日あるべき姿ってやるのが、教科書的には正解じゃないですか。だけどもこの番組、長年J-WAVEで、1000人ぐらいの方に聞いてきて、ほとんどそういう人いないんですよね。
でも本当そうだと思います。結構、最後つじつまを合わせるみたいなことはあると思ってて。それこそ自分も会社を経営して感じたこととして、いろいろメッセージングしたりとか、目標だったりとか先々のことを語ったりしますけど、それも最後、言ったからにはつじつまを合わせなきゃいけないみたいな感じで、最初から全部思い通りに行ってるわけじゃないし。それこそ私のキャリアだけで言えば、途中で10年やってた起業家人生っていうのをある意味横に置いて、AI系に転向してるんで、そういった意味で言うと途中でチェンジしてるというか、その辺りは超最初から順風満帆とか、今の通りだったってわけではないですね。
起業とか、あるいはキャリアアップって、これ日本語ですけど、キャリアをアップしてる、みんながこっちだよねっていう方向に行った人たちのことを、ある特殊な人たち、あるいは幸運な人たちって思いがちなんだけど、スティーブ・ジョブズがね、コネクティング・ドッツ。
はい。
その将来なんかわかんないだろうと。だから目の前にあるドットをいかにつなぎ合わせて、おっしゃった文脈というかコンテキストは後で、どういう絵が描けたのかな、線と線をつなぐとってやっていくのが人生だって。まさにそうな気がするんですけど、一番最初の点はやっぱりグラフィックデザインっていう、デザインですよね、まず。
そうですね。グラフィックですし、もう少し広く言えば、結構ものづくりっていうのは今も昔もずっとすごい自分の根底にあるなって思いますね。
一番最初は、多摩美でグラフィックデザインをやってた時は、デザインって何をっていうのと、どのようにっていうのがあると思うんですけど、何をどのように描こうっていう方向性は何かあったんですか?
元々グラフィックデザインを目指し始めた理由が、佐藤可士和さんっていうアートディレクターの方が、たまたま。元々ラフォーレ原宿とかの、可士和さん以外の人のグラフィックを見て、グラフィックに興味を持ってたんですけど、それでオープンキャンパスに行った時に可士和さんがお話しされてて、それを聞いて、あれがデザインなんだって思って、これをやりたいなっていうのでグラフィックデザインを専攻したい。特に佐藤さんが出られてる、多摩グラ、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科に行きたいなっていうので、決めて入ったので。やっていたことで言うと、グラフィックとか、いわゆるグラフィックを通したコミュニケーションでどうやって課題を解決するかとか、どういう風にコミュニケーションを取っていくかみたいなのが、やってたことですね。だから、いわゆる広告とかのデザインだったりとか、パッケージとか含めてどう課題を解決するかみたいなのが専門ではあります。
ちょうどこの前のゲストが森田恭通さんで、長年の友人でもあるんですけど、インテリアデザインで、アートとデザインは違うものであると。
そうですね。
デザインというのはお客様のニーズにお応えし、結果を出さなきゃいけない。
はい。
しかしアートっていうのは自己表現だから、それを認めてもらえばってことなんですけど、これ高校時代からもうアクセサリーを作ってて、自己表現の欲求はすごいんですね。
そうですね。だから、もうずっとものづくりはやっていたし、そういった意味で言うとアート寄りのことはずっとやっていて。それがやっぱり佐藤可士和さんの話を聞いてデザインってものに気づいて。結構、デザインとか何か提供することによって課題を解決するみたいなものは、今も以前の仕事もずっと共通してやってることだな。
それで大学1年生の時なんですね、このランジェリーブランドを立ち上げてらっしゃるのは。
そうなんですよ。なので本当に4月に入学して、その後の夏のタイミングですね、自分で作って。
これね、こういうプロフィールを読む時に、大学1年生の時に立ち上げてっていうプロフィールって、すっと耳になじんでいくじゃないですか。でも聞いてる人のほとんどは、立ち上げるって何をどのように、どこからどうしたのって、みんなすごく思うんですよね。どうしたんですか?
結構まさに「立ち上げるってどうしたらいいんですか?」ってすごい聞かれるんですけど、でも、ある意味もう言ったら立ち上がってるようなところはありますから。
でも具体的に何から始めました?
自分がやっていたのは、それこそ当時はまだ全然ユーザー数がなかったんですけど、今のX、当時Twitterですね。自分の作ったものの写真を上げて、「こういったものを作りました」「販売予定です」ってアナウンスしたら、当時フォロワーは多分3、4人とかしかいなかったんですけど、すごい瞬く間に拡散されて、それでいっぱいの人から注文したいって話が来てっていう感じで立ち上がったので。だから今でこそ結構、そういうバズって売れるみたいなのって当たり前だと思うんですけど、当時で言うとほとんどなくて、ある意味ちょっとそういう先駆け的な感じであったかなと思いますね。
もう後で大人の方たちが、大人ですけども、それをアジャイル開発と言ったり、イテレーションと言ったり、ビルド・トゥ・オーダー、オーダーがあったら作るよっていうことになったりするんですけど、もうそれを、なんとなくこういう風にしてみようかなっていう感じで始めた。
そうですね。だから本当に当時、別にそれでお金を稼ごうとかビジネスをやろうとか考えたわけではなくて、自分が作りたいものを作って、それを見てもらう。それこそ高校生時代とかも自分で作ったものをブログに上げるとかしてたんで、ずっと何か作って投稿して見てもらうみたいなのをやってて、そういうのの延長線でって感じです。
大企業がしっかりとした市場調査を行ってペルソナを確定して、この人たちの趣味嗜好っていうのをやって、それに合うであろうという商品を出して、うわ、失敗したっていうやり方と、一方で一回見てもらおうと。「どう思う?」「これ、こうした方がいいよ」「なるほど」ってやりながら、バージョンの0.5をやがて0.6、0.7、1にして出していくってやり方って、比較的、大企業、企業にとっては新しい試みなんですよね。それを大学生の時にもう肌でやってるっていう感じは、時代かなっていうのもあるし、賢いなっていうのもあるし。でもそれは別にアジャイル開発をやってみようと思ったわけじゃないですもんね。
そうですね。それこそそういう単語で言うと、そうやって直接物販をやることみたいな言い方をしますけど、それも後から出てきたので、当時は別にそういったことも知らずにやっていたので。だから本当に自分が作りたいものをお届けする。以前からブログはずっと5、6年くらい、15歳くらいからやってたんで、結構もう長い間やってて。だからそういった意味で言うと、もうインターネットがあったからこそみたいなところはありますね。
これがfeastを立ち上げて、株式会社化、もう法人にされるってことですよね。
そうですね。売り上げがある程度あったので。
どのぐらい、その法人化する時。それまで個人事業主?
そうですね。それまで個人事業主でやっていて、法人化するタイミングで売り上げが3000万とかかな、あったので。半年くらい、最初の半年とかで3000万くらいあって、1000万超えると法人化を検討した方がいいみたいな話なんですけど。
大学1年生ですよね。大学1年生ですよね。分かります、デザインをみんなに共有して、「この方がいいよ」と、「いいね」っていうのの数がついて、「なるほど」って言って、それはそこまでいいじゃないですか。
はい。
その後ですね。その後は物に、商品化していかなきゃいけないじゃないですか。パターンをデザインする、パタンナーにお願いする、製造する。これは。
それが、それこそ最初に結構見切り発車的に。特に自分の場合、コスプレをずっと学生時代からしてたんで、コスプレイヤーの友達とかに結構被服系の大学とかに行ってる子がいて、そういった子にサンプルを作ってもらって、写真を上げて。それこそコスプレカメラマンに撮ってもらって、コスプレイヤーの子を撮って、写真を上げてみたいな感じで投稿して、一気にバズっちゃって。受注を、当時使ってたBASEっていうシステムで取って、それで結局いっぱい注文が入って、最初は自分で作って配送する予定だったんですね。なので手作りしてお届けする想定だったんですけど、もうそういう量じゃなくなっちゃって。本当に自分も今それは反省してるんですけど、その時は別に工場をつかまえてなかったというか、工場で発注する想定じゃなかったんで。
そこまで来ると思ってないからね。
ここまで来ると思ってなかったんで、どうしようっていうので、そこから工場を探して、なんとか配送までという形でやったんで、結構もうその時は、もうやらなきゃみたいな感じで、割とてんやわんやしてましたね。
でも、このぐらいの売り上げを何年後に立てる、従ってこういうリサーチをやり、そして販売計画を立てて、製造計画を立てて、クオリティコントロールってこうやっていくっていうやり方と、出してみたらものすごい反応があって、うわ、探さなきゃ、うわ、ちゃんとパタンナーも探さなきゃ、いろんなことをやっていく方が、スピード感というか、早くないですか?
スピード感ありますし、特に自分とかの場合だと、当時ちょっとずつ物販とかしてたんで、それの売り上げとかあったものの、お金も限られてるじゃないですか。だからあんまり悠長にやってられないというか、リードタイムを取って投資してとかができないんで、それよりは小さく始めて小さく確認するみたいな、いわゆるPMFを見るじゃないですけど、結構小さく始めるっていうのはずっと大事にしてます。
皆さん、PMFって言葉が出てきましたけども、ビジネスパーソンの皆さんは知ってるかな。でもビジネスからちょっとずれてる方は、これプロダクト・マーケット・フィットって言うんですよね。
はい。
商品自体がちゃんと市場に受け入れられて、こうすればもっと市場に受け入れられるよっていう、つまみ、チューニングが分かった状態ですよね。
はい、そうですね。
これがPMF、フィットしてるかどうかっていうのを早く見つけることが大事。もう見つかったんですよね、そこでね。
はい。しかも、今の話の流れだと一発目ですぐ当てたみたいな感じに見えてしまいますけど、結構それ以前から、高校生時代から物販したりとか、それこそこのfeastっていうのを始める前にワンピースのブランドを大学入学直前くらいにやったりするので。そういった意味で言うと、いくつか実は出してて、その中の一つがたまたま跳ねたっていうところはあります。
ちゃんと失敗してるってことですよね。
失敗してますね。
悩める人たち、失敗しないで成功したいと思ってる都合のいい人たちが多いんですけど、これ、ちゃんと失敗してるんですよね。
はい。だから、ちっちゃく失敗する分にはそんな痛手でもないので、やっぱりちっちゃく始めるっていうのはすごくいいのかな。
そうですね。小さく始めて小さく失敗して、その失敗の数が多ければ多いほど、そのチューニングの方法が分かるわけですから、成功の確率が高くなるよっていうのは、一つの皆さんへのアドバイスですかね。この会社が設立をされて、2015年にベストデビュタント賞、ファッション部門を受賞されて。
はい。
そして19年、4年後に、株式会社イルミネート、フェムテック事業を立ち上げられると。ここの経緯は。
はい。これはですね、振り返ると正直、それこそ公表してる話ではあるんですけど、双極症っていう、いわゆる躁うつ病とか双極性障害とかいう言い方をする病気の影響は結構強く出ていたなと、今振り返ると。
どうなってしまった?
双極症っていうものがそもそも何かと言うと、すごい強い全能感にあふれる躁転している時期っていうのと、それを超えた後に上がった分だけ落ちてしまう。なので上がった幅が大きければ大きいほど、それの2、3倍くらいの期間落ちてしまうっていうので。
期間。
そうですね。一般的なうつ病っていうのは単極性って言って、うつの方だけなんですけど、双極性っていうのは両方ある。その上がってしまって下がるっていうのがセットになっていて、結構起業家に多いと言われてる病気の一つでもあるんですけど。今振り返ると、結構その全能感にあふれてる時に、普通に今考えたら企業一個やってんのにもう一個起業するって、あんまり合理的ではないし、今だったら絶対やらないですけど、当時は、いや、もう絶対にやるんだ、いけるっていうので。元々feastも継続してる状態だったんですけど、しかも店舗とかもやった後とかなので、結構忙しい時期にこのイルミネートっていうブランドも始めてというのが、そこでバタバタって感じですね。
相当アドレナリンが出てる状態。
結構、そうですね。出てる状態だったんで、それで2社並行して。一応大学卒業後なので、大学がない分、余裕があったと言えばあったんですけど、とはいえ二つの会社を同時にやるっていうのは結構大変だったし。特にフェムテックのイルミネートっていう方に関しては、資金調達をしてやっていたものでもあるので、VCの方とか、そのステークホルダーがいる中でやるっていうのは結構。
何歳の時ですか、これ?
2019年なので24とかですね。
VCと話をずっとしてたわけですか?
そうですね。
会社の企業価値をずっと計算をし、Excel回してたわけですか、24で。
やってました。
すごいな。それで、その後ユーグレナのグループに参画をして、ユーグレナのグループになるってことですね。
そうですね。いわゆるM&Aと言われる形で入らせていただいて。当時フェムテックをやっていて、ユーグレナもヘルスケアの領域で結構女性向けも含めてやっていくというところで、グループにさせていただいて。このタイミングで初めて大企業っていうものを知ることになるんですけど、結構これまでは、ある意味例えば食べたことのないラーメンをなんとなくイメージで作るみたいな状態だったというか、知らないし食べたことないけど、多分こういう感じだよな、企業って、という感じで作ってたんですけど。このタイミングで、企業ってこんな感じなんだって学ばせていただいてっていうのが、ちょうど2022年です。
なるほどね。自分が作ってきた会社をベンチャーキャピタル、やがて大企業がグループ化するなんていう話の時に、彼らがどのように会社っていうものを見るのかとか、何が大事なのかっていうのが、もしかすると作ってきた側からすると、そこ大事なんだっていうことがたくさんあったのかもしれないってことですよね。
結構そういった意味で、自分がやってきたことってこうだったんだって振り返りもありますし、それこそ例えば自分で会社をやった後に日商簿記の勉強とかすると、あ、この話をしてたんだみたいになったりするんですけど。結構そういう感じで、自分がやってきたことが体系立ってまとまったりとか、こういう風に評価されるんだっていうのとか、他社だとこういう感じなんだみたいなのを含めて、結構自分の中ではそこで一気に視野が広がった感じはしますね。
学びって、日本はずっと下から大学まで行っちゃいますけど、特にアメリカ、特にヨーロッパは、高校まで行って一旦仕事して、好きなことをやってみて、下手をすると世界中を旅行してみたりして、自分の好きを見つけて、その後、これ好きかもって言うと大学に戻って勉強して、また1、2年行って、また仕事してって。だんだんその経験と学び、座学と実学を交換しながら、やがて自分の好き、一生大学に行き続けるっていうかね。60になっても、じゃあ博士行こうかなとか。だから、好きなことをやってきて、やがてそういう企業のロジックというか、当たった時に、なるほどね、自分がやってきたことは当たってたよなとか、そうだったんだっていうことと、そっちもあるんだみたいな。
ありますね。
逆に学びがしっかり自分の中に入って、やがて本当にメルカリに。ユーグレナは退社されるんですよね。
そうですね。はい。2年間ユーグレナにお世話になって、それで2024年春に辞めて、その後どうしようかなって考えてる中で、AIのことをやりたいなっていうのでメルカリに入社したのが、2024年の7月ですね。
これ、メルカリへのジャンプってちょっと大きなジャンプだなと思うんですが、そこの話を伺う前に、起業の時の話なんですけど。やっぱり聞いてる方の中でも起業家予備軍というか、いつかは僕もって思ってると思うんですけど、そのシンデレラバストっていう、自分で作ったというか気づきみたいなものが成功。多分ベンチャーキャピタルの人にも聞かれたんでしょうけど、成功要因は何だったって、今振り返ると思いますか?
はい。今考えると、今でこそ変わってきてると思うんですけど、当時って結構マジョリティ向けの商品が全体的に多かった。それは下着だけじゃなくて様々なものが、よりマスに対して受けるものとか、場合によっては調査上で評価されるものっていうので、マイノリティに対してのアプローチっていうのはなかったし、それこそ作ったとしても、そのマイノリティに到達しなかったっていうのがあったと思うんですけど。インターネットがこれだけいろんな人が使うようになって、SNSを見るようになって、そのマイノリティに対しても届くようになったっていうところで、このマイノリティに向けた商品が、ただこれを作っただけっていうよりは、インターネットに載せたことで届いたっていうのが、今考えると成功の要因だったんだろうなって思います。
手垢がついた単語かもしれないけど、そのニッチっていうような市場の中でしっかり勝負をしてる会社がなかったのかもしれないと。ここで言うと、男性が故に、はばかられる単語かもしれませんけども、お胸が小さい方向けに、それはネガティブじゃないんだ。小さいとかいうネガティブじゃないんだということで、シンデレラバストっていうポジティブな表現をつけられて。これ、男性なのでちょっと分かんないですけど、AAとかAカップっていうのがあるんですか、そのサイズが。
はい、そうですね。イメージとしては靴のサイズでイメージしていただくとすごい分かりやすいと思ってて。例えば男性でも、この平均的な靴のサイズから外れてる方、例えば大きすぎる方とか小さすぎる方って、一般的な靴屋さんで販売がなかったりするじゃないですか。例えば大きい方であれば海外から輸入して買ってるとか、小さい方であればレディースのやつを履いてるとかあると思うんですけど、そんな感じで、この売れやすいサイズしかそもそも製造がされない。なぜなら、小さいサイズであれば特に、一個上のサイズを買って中敷きを入れてくださいみたいに言われるのって想像できると思うんですけど、そんな感じで下着も、一個上のサイズを買って中に詰め物をしてくださいみたいに結構なりやすいんですね。だからそういった意味でも、当時本当にサイズ展開が、マジョリティのもの以外っていうのはほとんどなかった。それは大きい方もなかったし、小さい方もなかったんですけど。でも最近は結構ボディポジティブ的な文脈もあるし、しっかりマイノリティもいるんだっていう存在が認識されて、最近は下着であろうと靴であろうと、そういったちょっとニッチなサイズ感のものっていうのは増えてはきましたね。
大企業のロジックからすると、商品を大ロットでやる方が経済合理性はあるので、どうしても小さいところの市場っていうのは計算が合わないよねっていうことを必ず言ってくると。そうすると、それは何が合わないかっていうと、その企業の図体に対して合わないって言ってるだけであって、もしかすると小さい企業、小企業、小規模企業だったら、十分やっていけますよっていう市場が他にもいっぱいあるんでしょうね。
結構あると思います。それこそ自分の場合で言えば、下着だけじゃなくて、これ最近気づいたんですけど、私、足の幅がめっちゃ狭いんですよ。なので、ちょっと大きいサイズを履いてるんですけど、2EとかEとかが多分日本だと平均的なんですけど、私、幅がCなんですね。もうなくて。そうなってくると、ないじゃんっていうのも最近気づいた。私って足が細いんだってずっと気づかなくて、最近測って気づいて。でも、そこに向けた商品っていうのは探せばありますね。CサイズとかBサイズの方向けのっていうので、ちょっと高くはなるんですけど、それでもやっぱり大きいサイズで、特にヒールとかで足が痛くなるよりは、もう全然いいですね。だからそういう感じで、まだまだニーズが発掘されきってない領域っていうのは、実はあるのかもしれないですね。
ジュラシック・パークで大きな恐竜がドスンドスンドスンと歩いて、実は足元で全然食べられてない草がいっぱいあって、それは小さな恐竜たちが食べたり虫が食べたりって、こういう状態だと思うんですけど。大企業が見過ごしていってる後ろには、もっともっと小規模企業、零細企業でも十分にやっていけるぐらいの、PLが成り立つくらいの市場はなんぼでもあるよねっていう問いは、みんな持っていいかもしれないですよね。
はい、本当にそう思ってます。
だったら、そのぐらいって僕にもできそうだなっていうこと。あとはマーケティングには強いと思うんですけど、やっぱりそういう小さなお胸の方を、小さなお胸って言わないっていうのもいいですね。
そうですね。それは多分グラフィックデザインとかのバックグラウンドは結構あると思ってて、それは今の仕事にもつながってるんですけど。結構こういった話し方とか、こういった伝え方をしたら、どうやって受け取られるかっていうのはすごく考えてますね。だからAIとかに関しても、どういうコミュニケーションを取ったらみんながストレスなく受け入れられるかとか、そこは以前から多分共通してやってることですね。
この辺りって、大きなスーパー、インターマルシェかな、フランスにある。ここが、日本では最近よくやってますけど、規格外の野菜だとかね、ベジタブルとかフルーツって言って、日本語で言うと「愛嬌のある」っていう言い方をして、爆発的に売れていくんですよね。
はい。
あと、私がアンテナに引っかかってたところで言うと、2014年ぐらいかな、ユニリーバがね、女性の「美しくなるって何、それ?」っていう。
ありますね。
そのままでいいじゃないっていうキャンペーンを張っていくと、どんどん売り上げが上がっていくんですね。いわゆるそういう啓蒙活動に対して。あと、イヴォン・シュイナードさんって、パタゴニアの社長。私もお電話だったんですけど、お話をさせていただいた時に、やっぱりあの会社ってそういうことにすごく意識の高い、下手をするとGoogleよりもAmazonよりもAppleよりも、あの会社に行きたいっていう人が多いような会社で。そこではやっぱり中古って言うなっていう。ユーズドじゃないと、プリラブドだという。言葉を変えていくと、全く違う、そのものの生態系みたいなものができていくんだよっていう話をまさにされていて。なるほどねって言ってるけど、これを言うは易しで、なかなか、じゃあうちの商品をどういう風に別に言うかなとか、お客様に問いかける言葉として何かいいかなって言うと、なかなかこれはまた難しいものですよね。
確かに難しいですけど、やっぱりそれができるようになってきたのを振り返ると、やっぱりインターネットで出して評価されるってことを繰り返してたからかなと思いますね。
そうか。その反復がたくさんあったわけで、会話の量が多いってことですね。
量が多かったですし、それこそ最初に出した状態って、小さく始めてるので、本当に65点とか70点くらいの時もありますけど、それであっても言われることに怯えないというか。言ったら批判も含まれたりとかしますけど、それを受け取って、こういう風に反応されるんだっていうのをいろいろ学べたっていうのは大きいですね。
これ、大事なところですね。今日のラインマーカーの一つな気がしますけど、そういうシンデレラサイズって、なるほど、いいワードを見つけましたねっていう風に思われるかもしれないですけど、その分会話の量が多いですからってことですね。さっきの失敗の量が多いですからってことと一緒で、会話してないのかな、もしかすると企業って。
意外に怖いですよね、出して批判されたり失敗することが。
そうですね。結局コピーライターさんと一緒に話をしてね、いろんな会議を経て、ブレストがいろいろ行われて、会議が行われて行われて行われて、これで行こうってなるわけですよ。
はい。
でもその間に五味さんは会話してますもんね。
そうですね。その間はずっと。それこそシンデレラバストっていう単語も、最初から「よし、思いついたぞ」っていう感じで出したっていうよりは、たまたま会話とかコミュニケーションの中で響いて、媒体さんに扱ってもらったっていうところから、これがいいんだっていうので、やっていった部分はあります。
なるほどね。早く回して、早く会話して、早く失敗して、たくさん失敗して、微調整しながらバージョン1.0に行った方が、結果早いんですよね。
結果早いと私は思ってますね。特に大企業であればまた違う戦い方もあると思うんですけど、自分みたいに中でやってる立場で言うと、それが一番いいのかなと思ってます。
うん。そもそも2022年の末から2023年の頭にChatGPTが出たんですね。
もうこれなんだなってすごく思って。仕事を奪われるんじゃないかみたいな話はすごく出てきやすいと思うんですけど、私が重要だと思うのが、この言葉をそのまま意味通りに受け取らないってことですね。別に例えば年末年始とかって仕事する機会を奪われてるけど、別に嫌じゃないじゃないですか。休みだね、年末年始ラッキーみたいな感じで。だから別に本来的な業務を奪われるってことは、おそらく別にストレスではないんですよね。自分のアイデンティティが失われるんじゃないかみたいな、そういう不安をされるのはすごく理解できます。
うん。
記事公開 · 更新
