胡椒と唐辛子はなぜ両方「ペッパー」なのか ゆる言語学ラジオ「うんちくエウレーカクイズ」6問
ゆる言語学ラジオゆる言語学ラジオの企画「うんちくエウレーカクイズ」は、視聴者から寄せられた雑学を問題にし、答えを聞いて「へえ」と思えるうえにクイズとしても楽しめるものを出題するコーナーである。今回もスタッフが出題役を務め、堀元見と水野太貴が回答した。扱われたのは胡椒と唐辛子の名前、使い捨てプリンター、マジック:ザ・ギャザリングの名訳、犬のMRI研究、日本モンキーセンターの所在地、明治時代の犬の名前の6問である。回が進むにつれて堀元が次々に正解し、水野は正解の手前まで行きながら答えにたどり着けない、という構図になった。
胡椒と唐辛子はなぜ同じ「ペッパー」と呼ばれるのか
最初の問題は、コショウ科の胡椒とナス科の唐辛子が、英語ではどちらも「ペッパー」(唐辛子はホットペッパー、チリペッパーなど)と呼ばれる理由を問うものだった。
二人はまず、植物や動物の名前は見た目に引っ張られることが多いと話した。例に挙がったのはシロアリで、アリではなくゴキブリの仲間だが、見た目がアリに似ているからそう名付けられたという。堀元に「一応言っとけ」とけしかけられた水野が「形が似ているから」と答えたが、二人とも認めるとおり胡椒と唐辛子はまったく似ておらず、不正解だった。
続いて水野は、胡椒は大航海時代に非常に貴重で、銀と同じ価格で取引されたと聞いたことがあると述べ、歴史的な経緯に目を向けた。唐辛子の原産地は南米で、トマトやトウモロコシと同じく新大陸の作物だという話になる。出題役が「めちゃくちゃいいルートを行っている」と伝えたところで、堀元が答えにたどり着いた。コロンブスはインドで胡椒を手に入れるつもりで航海したがアメリカ大陸に着き、そこで見つけた唐辛子を胡椒として持ち帰った、という答えで、これが正解だった。
解説によれば、胡椒はインド原産、唐辛子は中南米原産である。コロンブスの航海の目的の一つは高価な胡椒を海路で運ぶことだった。胡椒があるはずのないアメリカ大陸で、胡椒と同じく辛みを持つ唐辛子を見つけ、これをペッパーと呼んで持ち帰ったため、両者が同じ名前で呼ばれるようになったという。
この問題をきっかけに、人間はなぜ栄養のない香辛料を好むのかという話題が出た。片方が臭み消しのためではないかと言うと、もう片方はジョセフ・ヘンリックの『文化がヒトを進化させた』で読んだ説を紹介した。香辛料はもともと食べ物を腐らせないための処理に使われ、香辛料がかかった食べ物は安全だという選択圧がかかった結果、栄養と関係のない香辛料の味を人間が好むようになったのではないか、という説明である。ヘンリックは、人類が地球上でこれほど繁栄したのは文化と遺伝子の進化が相互にサイクルを回したからだと主張しており、香辛料とそれを好む味覚もその共進化の例だとしているという。紹介した側はこの説に説得力を感じたと話す一方で、進化はもっと長いスパンで起きるものという印象があるので本当にそうなのかという疑問は少しあるとも述べた。その点は本の中で詳しく論じられているので、興味があれば読んでほしいと話を締めた。
「使い捨てプリンター」と呼ばれたキヤノンの機種
2問目は、キヤノンが2010年に発売した家庭用インクジェットプリンター「iP2700」が「使い捨てプリンター」と呼ばれた理由を問うものだった。堀元は問題を聞くなり「純正インクが高すぎるから」と答え、ほぼ正解とされた。正式な答えは、プリンター本体よりも別売りのインクを全色揃えるほうが高くなるから、である。
堀元は、液体の値段を比べたネットミームのグラフを知っていたからすぐ解けたと説明した。飲料水は安く、石油はそれより高く、売買時の人間の血液はさらに高いが、それをはるかに上回るのがプリンターのインクだ、というグラフで、堀元はこれが好きでよく引用していたという。
ここから堀元は、エプソンが品川プリンスホテルの中で運営する水族館「アクアパーク品川」の話をした。一等地にあり、ショーなどにもかなりお金がかかっているように見えるのに、入場料は高くない。なぜこの価格で実現できるのかと考えた結果、インクで稼いだお金を注ぎ込んで企業イメージを上げているのだろうという結論に至ったという。家庭用のカラーインクを買うたびに負けた気持ちになっていた堀元は、あの水族館に行くとインク代が無駄ではなかったと報われた気持ちになると話した。出版社勤務の水野は、印刷代の高さは日々感じているが、それは本の印刷の話だと応じた。
堀元は同じ現象として、ブログプラットフォームのnoteに毎月数十万円規模の手数料を払っていることへの苛立ちも挙げた。noteに呼ばれたイベントの楽屋に天むすのような手の込んだおにぎりが用意されていたので、手数料を取り戻すつもりで6個食べた。その結果、本番では満腹でうまく話せなかったというオチがついた。
マジック:ザ・ギャザリングの「一生に一度はしたい翻訳」
3問目はカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」のカードに書かれた英文「The quick onyx goblin jumps over the lazy dwarf」と、その日本語訳(「歴戦経る」で始まり、素早い黒い小鬼がドワーフたちを跳び越える様子を描いた文)を示し、ある翻訳家が一生に一度はこのような翻訳がしたいと言った、この訳の素晴らしさは何かを問うものだった。
二人はまず、原文のリズムを日本語でも再現した訳ではないかと考えた。水野はその種類の名訳の例として、俵万智の短歌「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」の英訳を挙げた。英訳は二つあり、そのうち一つは五七五七七に近いリズムで読めるように訳されているという。水野によれば、この短歌にはサ行の音が多い。もともと俵万智が実際に作った料理はサラダではなかったが、音の心地よさを狙ってサラダに変えたので、英訳でもS音を残す工夫がされているという。堀元は、手料理でサラダをそこまで褒めるのは不自然だと思っていた謎がこれで解けたと話し、実際の料理名をそのまま入れたら台無しになると冗談を言った。
ただ、このカードの日本語訳は原文よりも明らかに長く、原文にない要素も加わっている。堀元はその長さの違いに注目した。アルファベットと日本語の文字の数の違いを考えたとき、アルファベットに対して五十音程度の尺だと思いつき、原文がAからZまでを使い切っていて、日本語訳も仮名を全部使っているのだと答えた。実際に文字を数えたわけではなく、長さから推測したと本人は説明している。これが正解だった。二人が確かめると、原文にはquickのQ、onyxのX、lazyのZも含まれていた。
解説によれば、原文はアルファベット全26文字を使ったパングラムであり、日本語訳もそれにならっていろは歌として訳されている。特に後半は原文にない内容だが、全体の雰囲気を保ったまま文字を使い切っている点が素晴らしいという。二人は、それまでは原文に沿って訳しつつ、最後に文字を合わせるために要素を足したのだろうと話し、ドワーフという表記の選び方も字を使い切るための工夫ではないかと推測した。
補足として、カード名は「Now I Know My ABC's」にあたるもので、効果は「あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールするパーマネントのカード名にアルファベット26文字すべてが含まれている場合、あなたはこのゲームに勝利する」だという情報も寄せられていた。二人は、そういう効果のカードなら説明文もABCを全部使いたくなると納得した。
水野は関連する雑学として、ゲームデザイナーのリチャード・ガーフィールドがマジックの対戦中にカードを使ってプロポーズしたという話を紹介した。プロポーズ用のカードがなかなか引けず、3戦目でようやくプロポーズできたという。堀元も一つ足すとして「マジック:ザ・ギャザリングはチューリング完全である」と言ったが、チューリング完全をうまく説明できず、いつもここで失敗する雑学だと自嘲した。この時点で堀元が3点を獲得していた。
犬のfMRI研究で左右の脳を取り違えた理由
4問目は、人間の発する単語を犬に聞かせながらfMRIで脳を調べた研究に関するものだった。犬も人間と同様に単語の意味を左脳で、イントネーションを右脳で処理していることが分かったとして2016年に『サイエンス』誌に掲載され話題になったが、後に右脳と左脳の画像を取り違えていたことが判明した。なぜ取り違えたのかが問われた。
堀元は最初、MRIは上から見るか下から見るかで左右が変わるので、その取り違えではないかと答えたが不正解だった。続いて水野が、動物の脳はMRIで調べればいいと言われるが、動物は機械の中でじっとしてくれないので、しっかりしつけないと動いて画像がずれてしまうという話を聞いたことがあると話した。それを聞いた堀元が、人間は仰向けでMRIに入るが犬はうつ伏せで入るので向きが逆になっていたと答え、正解になった。解説によれば、人間は普通仰向けでfMRIに入るが、犬は座った状態、つまりうつ伏せに近い状態だったという。
水野は、動物実験の話はたくさん読んでおり、鈴木俊貴先生とも「MRIは簡単に撮れると言うが、頭を固定しなければならず難しい」という話をしてきたのにと悔しがった。堀元は競技クイズを題材にした漫画『ナナマルサンバツ』で主人公が記憶の「ページをめくる」場面を引き合いに出し、水野は答えのあるページを飛ばして本を閉じてしまっていると評した。
日本モンキーセンターは「犬山」にある
5問目は、霊長類の飼育展示種数が約60種800頭で世界最多とされる日本モンキーセンターが「よりにもよって」どの市にあるかという問題だった。水野は知識として答えを知っていたが、問題を聞いて初めて面白さに気づいたと話した。堀元は、猿の施設なのに場所がずれていることが面白いのだろうと推測して「犬市のような名前」と答え、ほぼ正解とされた。正解は愛知県犬山市で、「猿山が犬山にある」という犬猿の組み合わせになっている。
水野はさらに、愛知県には猿が投げる山と書く猿投山(さなげやま)という山があり、そこに作れば話が合ったのに、よりによって犬山にあると付け加えた。
水野はアクセントの話も続けた。東京の人と愛知の人では「犬山」のアクセントが違い、愛知では「犬」の部分にアクセントが置かれる。そのため水野には一般的な「犬の山」のように聞こえてしまうことがあるという。水野は記憶が正しければと断ったうえで、NHKのアクセント辞典には東京式のアクセントに加えて現地のアクセントも載っていると紹介した。例として長野県の伊那市を挙げ、全国に放送局があるNHKならではの配慮だと述べた。NHKは言葉を画一化する方向に向かっていると思われがちで、そういう側面がないとは言わないが、地元のアクセントをきちんと載せる方針は素敵だと水野は評価した。
堀元は、沖縄出身の母がテレビでのシーサーの発音にずっと不満を持っていたという話をした。めったに怒らない母が、シーサーとサーターアンダギーの発音にだけは厳しく、堀元の発音も訂正されたという。水野は沖縄のアクセントがどうなっているのか、研究があれば知りたいと話した。
地名の読みはなぜ揺れるのか
地元のこだわりの話から、地名の読みの揺れに話題が移った。堀元によれば、実家の隣の町は「水車町」の読みが二通りに割れていて、行政の中でも統一されておらず、二つの読みの郵便局と役場が同居していた。2年ほど前にようやくどちらかに正式に決まったが、どちらに決まったかは忘れてしまったという。
水野は愛知の鶴舞を例に挙げた。電車の駅は「つるまい」だが、公園は「つるま公園」が正式で、一般にはみな鶴舞(つるまい)公園と呼んでいるという。この公園は上から見るとモンスターボールの形をしているとして、ポケモンGOのプレイヤーが集まる場所として一時有名になったと水野は話した。
秋葉原ももとは「あきばはら」だったという話も出た。水野は、語の中の音の位置が入れ替わる「音位転換」(子どもがトウモロコシをトウモコロシと言ってしまうような現象)が起きた可能性もあるとしつつ、明確なきっかけとして「あきはばら」という駅名の駅が設置されたことがあったらしいと説明した。一方で、利用実態がなければ駅名にはしないはずなので、もともとそう呼ぶ人もいたのではないかという見方も示され、駅の登場で読みが決定的になったのかもしれないと話がまとまった。
堀元は自分の会社で起きた例を紹介した。番組を制作する堀元の会社ではNotionを使っており、公式のタスク管理ボードでは個々のタスクを「カード」と呼ぶ。堀元は公式用語どおり「カードを移動させる」と言っていたが、ある一人が「チケットを動かす」「チケットを切る」と言い始め、周囲もそれに倣った結果、今ではチケット派が多数になったという。水野は、それは一人が連呼したからではなく、聞いた人が「カードよりチケットのほうがしっくりくる」と感じたから広まったのだろうと述べ、言語変化は誰かが流行らせようとして起きるものではないと話した。堀元も、ラジオ番組「加藤千恵の信頼できない語り手」で加藤千恵がメールを「カード」と呼ぶと言い続けているのに相方が従わず平行線のままである例を挙げ、説得力がなければ一人が使っても広まらないと同意した。
明治時代、飼い犬が「カメ」と名付けられた理由
最後の問題は、4人から寄せられた定番の雑学で、明治時代には飼い犬の名前としてポチやクロのほか「カメ」が一般的だった理由を問うものだった。
二人のうち一方は、牛鍋屋で残った牛肉をご飯にかけたものを犬が食べたことから、それを「カメチャブ」と呼ぶようになった、という関連する雑学を聞いたことがあると話したが、犬がカメと呼ばれた理由にはなっていないと認めた。回答としては「四足歩行の仲間だから」や、水野の「骨を噛むから(カム)」などが出たがいずれも不正解だった。
続いて堀元が、当時の日本には犬が少なく、外国人が持ち込んだ犬に「come(来い)」と呼びかけていたのが「カメ」に聞こえたのではないかと答え、正解となった。実は水野はこの雑学を知っており、堀元の答えを聞いた瞬間に「それだ」と反応したが、自分では思い出せなかった。堀元は知識なしに雰囲気で当てたという。
解説によれば、西洋人が犬を呼ぶときに「come」や「come here」と言うのが「カメ」に聞こえ、当時の日本人は犬の名前そのものがカメなのだと思い、飼い犬にもカメと名付けるようになった。和犬と区別するために、洋犬にカメと名付けることが多かったという。
結局この回は堀元がほとんどの問題に正解し、水野は知っていた問題でさえ答えを出せずに終わった。水野が「悪問揃いでした」と言うと、堀元は「当てられなかった問題を悪問と呼ぶのはやめなさい」と返した。最後に、問題は概要欄の専用フォームから送ってほしい、お便りフォームに送られたものは普通のお便りとして読むので問題としては採用されない、という案内があって回が締めくくられた。
ゆる言語学ラジオ、うんちくエウレーカクイズ! イエーイ!
うんちくエウレーカクイズって何ですか? 問題が雑学になっていて、答えを聞いてへえと思い、そしてクイズとしても楽しいという例になっております。
じゃあ本日も出題役は越山君にお願いしたいと思います。お願いします。よろしくお願いします。
じゃあ早速第1問いいですか? はい。ネノっけさんからいただきました。ネノっけさん、ありがとうございます。ありがとうございます。
問題。胡椒はコショウ科、唐辛子はナス科の植物であるが、胡椒は英語でペッパー、唐辛子はホットペッパーやチリペッパーなど、同じペッパーと呼ばれるのはなぜでしょう?
科が違うのに同じく呼ばれる。でも植物の名前とかめちゃくちゃだよな。いや、そう。俺もそれをまず思って、科がどうであれ、見た目とかの感じで名前が引きずられるってめっちゃありますよね。動物もあるよね。結構シロアリとかそうじゃないですか?
シロアリってアリと関係ないんだっけ? アリじゃなくてゴキブリとかの仲間だけど、アリに似てますから、見た目が。シロアリって名付けたみたいな感じで。あれ、胡椒ってでも実ね。そう、俺もだからそれで形が似てるからだって言おうと思ったけど、似てなすぎるな。
一応言っとけ、一応言っとけ。胡椒と唐辛子ってほぼ同じ形してるじゃないですか。違います。同じ形してないからね。恥さらした。くそ、はめられた。お前が行けっつったんだろ。マイナス1ポイント。
お前それ、今何か似てるなと思ったら、あれだ。学生時代とかに、「でも何々ちゃんも多分お前のこと好きだ。告白しちゃえよ」って言って、めちゃくちゃ振られて、やーいっていうやつ。あれだ。感じ悪いぞ、お前それ。それ最悪だから。けしかけるだけけしかけて、振られて友達をいじるやつ。
振られるほど魅力がないやつが悪いだろ。すごいなお前、そんなマッチョイズムじゃなかったよ。あなた優しくしてくれよ。そんなやつをそもそも。そんなマッチョじゃなかった。お前、みんなに優しかった。ちょい出して、アイデンティティを。
やっぱり胡椒といえばね、大航海時代。めちゃくちゃ貴重であって、銀と同じ価格で取引されたとか聞いたことあるから、価値の問題っぽい気がする。でもそうするとあれですよね。唐辛子はより取りにくいみたいなふうになって、初めてペッパーって名付けられそうな感じですよね。
でもさ、同じ理屈でいけんじゃない? 胡椒も非常に貴重なものだし、唐辛子も同じように保存などに使える貴重なものということで、同じようなランクだったから、両方とも価値があるものっていうイメージでペッパーになった。ではないですが、ちょっといいワードは出ましたね。歴史的な観点。
唐辛子ってどういう形で西洋に入ってきてんだ? 原産が南米だったような気がする。南米のイメージあるぞ。大体南米だよな。トマトも南米産だし、トウモロコシも南米産だよね。ということで、南米からやってきてるものを全部胡椒と呼んだ。でも違うか。胡椒はアジアか。アジアじゃないですかね。
今ここまでの推論は合っていますかね? めちゃくちゃいいルート行ってますね。ああ、完全に分かったぞ。コロンブスとかがさ、インド行って胡椒買ってくるぞって言って、胡椒を取ってくるつもりがアメリカの方行っちゃって、唐辛子持って帰ってきたけど、でもこれ胡椒ってなった。エウレーカ!
正解! よっしゃ! 気持ちいい。それそれそれそれ。やべえ。そうか。確かになんかインドって名付けてたね。あいつ東インド諸島とかさ、名前付けてさ、そのインド着いたつもりで唐辛子持ち帰ってきて、胡椒だっつってんだ。やべえ。それだ。よっしゃ。
あれ? なんかちゃんとできるようになってきた、エウレーカクイズ。伊沢拓司さん? 違う、もっと早いよ、伊沢さん多分。でも5、6年やってるから、このコーナーうまくなってきた説ある。よっしゃ。解説、じゃあ聞きましょうか。
正解は、コロンブスがアメリカ大陸をインドだと勘違いしたから。完璧じゃん。胡椒はインド原産であり、唐辛子は中南米原産である。コロンブスはインドを目指して航海をし、アメリカ大陸を発見した。コロンブスの目的の一つとして、高価な胡椒を海路で輸送することがあった。胡椒があるはずのないアメリカ大陸から、胡椒と同じ辛みの香辛料である唐辛子を見つけ、これをペッパーと呼んで持ち帰ったことから、胡椒と唐辛子は同じペッパーと呼ばれるようになった。気持ちいいね。いい問題。
じゃあせっかくなんで、この辛さに関して僕最近なるほどと思ったのがさ、なんでそもそも人が好きなんだと思う? 栄養価考えてみてほしいんですけど、胡椒とか唐辛子って栄養価なさそうですよね。あれでしょ? 臭みを消すからとかじゃない?
それもあるんですけど、もっと本質的な理由として、僕直近で読んだ『文化がヒトを進化させた』っていう本に出てきたのが、もともと胡椒は腐らないようにする処理のために使っていたと。保存のためにね。だからそうすると、胡椒がかかってるということは安全であろうみたいなふうに選択圧が多分かかって、結果的に栄養価に全く関係ないような香辛料、スパイスっていうのが防腐効果っていうのからスタートしていって、人間がその味を選好するようになったんじゃないかというふうに言っていて。なるほど。これ結構説得力あるなって僕は思ったんですけど。
だからこの短いスパンの間に進化が起きてるってことよね。そう。著者のジョセフ・ヘンリックが言ってたのはまさにそういうことで、あらゆる動物は進化をしますけど、人がなんで地球上でこんなに繁栄したかと言ったら、文化と進化が相互にサイクルを回し合って、例えば知能とか、あるいは高度なカルチャーとかが誕生したのだっていう主張をしていて。胡椒とそれを好む人間の味覚っていうのも、まさにその遺伝子と文化の共進化なのだっていうのがヘンリックの説明でしたね。
ただ、進化のスパンってもっと長いスパンのイメージあるからさ、本当にそれそうなのかなっていう懐疑はちょっとありますよね。そうね。その辺りは本の中できっちりと書いているので、興味があったら読んでみてください。
ということで堀元さんが1点先取しましたけれども、次の問題お願いしてもよろしいでしょうか? はい。まもるんさんからいただきました。まもるんさん、ありがとうございます。ありがとうございます。
問題。キヤノンが2010年に発売した家庭用インクジェットプリンター、iP2700は、その特徴から使い捨てプリンターと呼ばれることがありました。その特徴とは何でしょう?
でも多分あれじゃない? 正規品のインクが高すぎて誰も買えないから。エウレーカ。ほぼ正解。よっしゃ、よっしゃ、よっしゃ。瞬殺。瞬殺。早っ。もう解説行っていいですか? 解説行きましょう。
プリンター本体より別売りのインクを全色揃えた方が高くなるから。使い捨てプリンターだな、それ。なるほどね。あのグラフ知ってる? ネットミームのさ、液体の値段ランキングみたいなやつ。ミネラルウォーターの飲料水とかめっちゃ安くて、石油とかははるかに高くて、それよりめちゃくちゃ高いのが人間の血液。取引される時の価格ってめちゃくちゃ高い。で、それをはるかに上回るのがプリンターのインクっていう、世界の基本平均流通価格。知らない? プリンターのインクが一番高いっていうネットミームのグラフがあるんですけど。
じゃあその知識を。僕はそれすごい好きなんで、よく引用してたらすぐ解けましたね。なるほど。ちなみにプリンターといえば、エプソンが水族館を品川でやってまして、アクアパーク品川っていう、品川プリンスホテルの中にある一等地の水族館で。ショーとかも結構気合い入ってて、すごい金かかってんなって僕思うんですよ。入場料も全然高くないのよ。なんでこの価格でこれ実現できてんのかなって考えたら、多分インクが高いからだなっていう結論になりました。
多分。どういうこと? インクで稼いだ金を水族館につぎ込んで、企業のイメージ上げてるんだと思う。なるほど。だから僕はあの水族館行くたびに、インクで高い金取られてるのって無駄じゃなかったんだって気持ちになります。
堀元さんって、そのインク見ると高いって思うんだ。思う、思う。めっちゃ高い。水野さん、あんま買ったことないんじゃない? カラーインク。でも僕ほら、出版社の人間ですから、印刷代の高さとかは日々感じちゃいますけど。そうか。でもそれ、B to Bの印刷代の高さでしょ? そうね。
民間用のカラープリンターのインクって異常に高いから、僕昔っから買うたびに負けた気持ちになってて、血の涙を流しながら買ってたんですけど。そのエプソンの水族館に行った時に、あのインク代がこんな優れた水族館になってるなら本望だっていう気持ちになりましたね。なるほど。なんか楽しめてないですね、あんまりね。いや、逆だね。今までインクに払ってた金の苛立ちを取り返して、報われた気持ちになりました。
じゃあインク高いなって思ってる人は、あの水族館に行った方がいい。品川の水族館、ぜひ行ってください。これと全く同じ現象起きたのが、noteっていうブログプラットフォームで、僕毎月手数料うん十万取られてるんですけど、これ高えなと思ってイライラしてたんですけど。僕らが呼んでもらったイベントの楽屋にあった軽食がめちゃくちゃおいしくてさ、天むすおにぎりみたいな、結構金かかってるおにぎり置いてあってね。あれ6個食ってやりました。取り戻すために。毎月何十万の手数料を取り戻すために6個食いました。本番に。そう。おかげでパフォーマンスが一個も出なかったです。
続いての問題お願いします。はい、ティダさんからいただいた問題です。ありがとうございます。
問題。マジック:ザ・ギャザリングというカードゲームに使用されている以下の英文があります。「The quick onyx goblin jumps over the lazy dwarf.」これに対する日本語訳は以下となっています。「歴戦経る素早い黒こびと、怠けドワーフたちを飛び越え、上下の夢褒めて、四つ世誘う。」この日本語は、ある翻訳家に一生のうちに一度でいいからこのような素晴らしい翻訳がしたいと言わせるほどの翻訳なのですが、この翻訳の素晴らしさが分かるでしょうか?
何その問題? 分かるでしょうか? 分かるでしょうか? そんなスタイルの問題ないだろ。今その英文と日本語文見比べてますけど、なんかは意識してそうだよね。そうですね。何を狙ってんだろうな。分かんないな。
よくあるのはさ、韻を保とうとする、元の英文と同じような気持ちいいリズムで日本語の翻訳もするみたいなやつ、よくあるけど、なんかちょっと違いそうだよね。俵万智さん、歌人の一番有名な歌が、「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日。有名なやつ。これに対する訳が二つあるらしいんですけど、うち一つがまさに堀元さんが言ったような、多分リズムを生かそうとしているものらしくて、それがですね。
「This tastes great, you said. On sixth of July, our salad anniversary.」っていう、これ五七五七七っぽく読める。そうか、韻を保ってるんだ。S音がすごい多いんですよ。サラダからサラダ記念日も、七月六日がSですよね。もともと俵さんが本当に作ったのはサラダではなかったんだけど、音的な気持ちよさを狙ってサラダに切り替えてるんですよね。そういうS音を残すみたいなことも結構やってる。すごい訳。
なるほど。じゃあかなり俵さんの意図に合わせて、いい訳をしてくれてるわけですね。っていうやつで、こういう訳は僕見たら分かるんですけど。てか僕やっと謎解けました。あんまりさ、人に手料理作ってもらってさ、「この味がいいね」ってサラダそんな褒めないよなっていう。肉じゃがとかじゃない? 普通そうやって褒めんのって思ったけど、サラダじゃなかったんだ。
そうですね。本当に作ったのはですね。ややこしい、最悪だ。「この味がいいね」と君が言ったから、カレー味の唐揚げ記念日になっちゃう。最悪だ。七月六日は最悪。七月六日カレー味の唐揚げ記念日ですね。それ最悪ですね。そうしない方が。英断でした。俵さんさすがです。
で、みたいな韻律を残してるわけじゃないじゃん。長くなってるから。そうだね。明らかに長いもんな。「歴戦経る素早い黒こびと、怠けドワーフたちを飛び」、長いね。この「上下の夢」みたいなとこさ、原文になくない? ない。足してるよな、余計な要素も。「夢褒めて、四つ世誘う」。
すいません、分かった気がします。何? 何? 何? これあれだろう。元の英文はABC、DEFGを使い切っていて、同じことをあいうえおでやったのが日本語訳だ。エウレーカ! 正解。よっしゃ! マジ? 俺すごない? うまくなったかもしれん。
ちなみに僕は全然カウントはしてなくて、長さが全然違うなってのがやっぱ気になって。じゃあアルファベットと日本語で長さ全然違うものなんだろうって思った時、アルファベットとあいうえおだなって思って、それぐらいの尺感だなと思って答えました。
Aある、Bある、Cもある。確かに。なんかそんな感じじゃない? クイックとか言ってるから、Q使ってんなとかも珍しい。あとXですよね。そうだね、オニキス。Zはレイジーか。だからちゃんと使ってて。本当だ。それと同じものを日本語でもやってんだね。ヌとか全部本当にある? ありそう。ヌのネ、怠けのナ。ニは黒こびとのビか。そうだね。ノは上下の。あ、本当だ。
あれ? 俺さえてるかも。どうした? お前みたいなドワーフは黙っていなさい。俺が黒こびとだから。お前みたいなドワーフは黙って。ドワーフや。ドワーフだけにドワーフ言うて言うとりますけれど、皆さん。お前最悪だぞ。クイズ解けなくてつまんないっていう。今日いいとこ一個もないぞ。言いすぎ、言いすぎ。サラダ記念日の話はしましたから。じゃあ解説お願いしましょうか。
元の英語文章はパングラムになっており、日本語訳もそれにならっていろは歌として訳してある。特に下句は元の英文にはないが、全体の雰囲気を保ったまま足しているところが素晴らしい。そうだね。確かにね。そっか。最後に帳尻合わせるために。「上下の夢」みたいな要素を入れたんだね。けどそれまではちゃんとね、怠けドワーフとか使ってんだもんね。すごいな。
そしてそう言われてみると、ドワーフの表記とかちょっと不思議だもんね。そうなんですよ。僕もそれは気になって。これアを使いたかったからってことだな。いないもんね、他にアね。
ちなみに補足の文章をいただいてまして、カード名は「I Know My ABC's」というそうです。カードの効果が、あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールするパーマネントのカード名にアルファベット26個全部が含まれている場合、あなたはこのゲームに勝利する。
そういうやつね。面白いね。カードの効果もやっぱABCを生かしたものなんだ。なるほどね。確かにその効果のカードなら、絶対解説文はABC全部使いたくなるね。そうね。面白いわ。これ腕ありますね。
ちなみにマジック:ザ・ギャザリングといえば、ゲームデザイナーのリチャード・ガーフィールドっていう人がいるんですけど、この人、マジック:ザ・ギャザリングのカードを使って対戦中にプロポーズしたんですけど。その奥さんになる人にってこと? はい。ただそのプロポーズするためのカードがなかなか引けなくて、3対戦目でようやくプロポーズできたらしいです。
だから奥さん的には、マジック:ザ・ギャザリングやろうぜって言われて、いいよって言ってやって、はい終わりました。もう1回、もう1回、もう1回。はい終わりました。もう1回、もう1回。何これってなったでしょうね。「結婚してください」ってそこで言ったんでしょうね。1戦目で言えってなるよね。おい、すっと出せや、それをってなる。そこ決まんないのかわいいですね。ガーフィールド惜しいな。1戦目だったらキュンなんですけどね。
ちなみに僕もじゃあマジック:ザ・ギャザリングうんちく一個足しますと、マジック:ザ・ギャザリングってチューリング完全です。はい、じゃあ次行きましょう。チューリング完全ってどういうことですか?
コンピューターの概念でさ、万能みたいなことよ。全部組み合わせると任意の操作できるみたいなやつよ。チューリング完全。そう、そう、そう。だからマジック:ザ・ギャザリングのカードを全部組み合わせると、任意の操作できるみたいなやつです。背伸びしない方がいい。痛い目見るから。
そうなの? マジック:ザ・ギャザリングはチューリング完全だってこと言いたいんだけど、チューリング完全の説明うまくできないから、いっつもここでつまずいて失敗するんですよ。常に披露できないうんちくですよ、これ。
ということで、ちょっと今3タテされている状況ですけれども、こっから捲土重来を期そうと思いますので、次の問題お願いします。はい。龍ヶ崎さんからいただいた問題です。龍ヶ崎さん、ありがとうございます。ありがとうございます。
問題。人間の発する単語を犬に聞かせながらその脳をfMRIで調べたところ、犬も人間のように、論理的と言える単語の意味を脳の左側、感情的と言える単語のイントネーションを脳の右側で処理していることが分かった。すごい。という研究が2016年『サイエンス』誌に載り話題になりましたが、後に右脳の画像と左脳の画像を取り違えていたことが分かりました。逆だったんだ。研究者たちはなぜ右脳と左脳を取り違えたのでしょうか?
でも、なぜって言われても。俺MRIの仕様あんま分かってないけどさ、上から見るか、下から見るかでさ。その『打ち上げ花火』みたいな言い方になっちゃった。くそ、ノイズだ。いや、俺あの映画、社会悪だと思うのよ。普通に喋ろうと思って、Aから見るかBから見るかっていうたびに『打ち上げ花火』がよぎっちゃってノイズになるって、あれ社会悪です。あれもう悪です。
とにかくMRIって、上からか下からかでさ、左右って変わっちゃうじゃん。だからそのせいじゃない? 上から見てるつもりが下から見た映像だった。エウレーカ。違いますね。何だろうな。全く惜しくもない? 観点はいいところ行ってるかも。
よく言うのが、動物の脳ってMRIで調べればいいじゃないって言うけど、MRIの機械の中に収まってくれないんですよね。だから犬もきっちりしつけないと、動いちゃったりして画像がずれちゃったりするっていう話は聞いたことがあって。
僕それで完全に答え分かりましたけど、いいですか? 人間はMRIの機械に入る時、仰向けで入るが、犬はうつ伏せで入るから向きが逆になっていた。エウレーカ。正解! お前そこまで言ってたなら答え出せよ。もう機械に入る時のポーズの話せえよ、お前。うざい。お前、うざい。
こんなん知らん。水野さん、ちょっとノーゲーム。今日クイズ弱いっすね。シンプルな。何? 今の言い方。シンプルな気づきですけど、クイズが弱いな。いや違う、違う。お前いい線行ってんだから、そのまま答え言えばいいのに。奪ったじゃん。喋ってたじゃん。
いや違う、違う。だから答えっぽいこと言ってんだからさ、そのまま答え言ったらいいじゃない。その周囲をうろうろだけして全然ドア入んないのを。結構難しいから、MRIで撮ろうと思うと結構慣れなきゃいけない。そう。だからそれさ、もう答えのための手がかり持ってんだから、そのまま答え行きなさいよ。なんでその手がかりだけ喋ってもちゃもちゃもちゃしてる。
聞いてる愚たちに、MRIってどういうことなのかなとか分かんない愚のために。愚だと思ってるから、そっちの目線を合わせてあげてるわけですね。そうです、そうです。すごい悲しいわけだな。じゃあ解説聞きましょうか。
人間は普通fMRIに入る時、仰向けだが、犬は座った状態、つまりうつ伏せに近い状態だったからでした。それですね。完全に。めっちゃ悔しがってる。これ俺1ポイントですよね? 違います。違います、違います。
愚は何? その公平の判定もできないんで? 違います、違います。愚じゃないから、賢明な皆さんだから。こいつなんか惜しいとこうろうろだけしてるなって思ってます。答えを出さんなって。
俺さ、動物の実験の話めっちゃ読んでるんですよ。生かせよ、それをここで。だってもう鈴木俊貴先生っていうね、シジュウカラ研究してる先生とかと散々そういう話して、MRIって簡単に撮れとか言うけど難しいんですよって、固定しなきゃいけないから、頭、みたいなこと聞いてんの。解くためのパーツだけはあなたの中にありますね。で、全然そのページをめくれない。
『ナナマル サンバツ』っていう、競技クイズを題材にした漫画で、主人公が「そのページをめくるんだ」って、今まで過去にこの本読んだことあるはずだって言ってめくるシーンありますけど。水野さんの場合、「そのページをめくるんだ」って言って、そのまま答えあるページすっ飛ばして終わってますよね。本を閉じてましたよね。
さあ、ちょっと今回悪問続きでかなり苦戦気味ではありますけれども、次はいい良問が来ることを願って行きましょうか。お願いします。じゃあ先ほどの龍ヶ崎さんが、結構水野さん有利なんじゃないかって問題を送ってきてくれてるので。すごい。でもそういうのやりましょう。さすがにそういうのやりましょう。さすがに解けてなさすぎるから。一つもいいとこないから。今日ドワーフだから。
誰がドワーフや。ではそんなドワーフに対して。誰がドワーフだ。行きましょう。強いて言うならドワーフでしょ。言ってあげないと、愚はこうじゃないと笑わないんだから。笑わないし、つまんないし。愚だからこういうこと言わないと。最悪だよ。はい、行きましょう。龍ヶ崎さんからの問題です。
問題。霊長類の飼育展示種数約60種800頭と世界最多であるという、世界のサル類動物園、日本モンキーセンターがあるのは、よりにもよって何市でしょう?
ああ、はいはい。知らないけど、モンキーセンター変なとこにあんの? 僕は今問題聞いて初めて、確かに面白いわって思いました。普通にただ知っていて。でも知識としては知ってるんだ。じゃあノーカンにして、僕当てていいですか? はい。どういうとこにあったら面白そうでしょうねっていう。
モンキーセンターでしょ。だから猿なのに、猿とかだったらぴったりなのに、そうじゃなくてずれてるってことでしょ。だから犬市みたいなことじゃない? さすが、ほぼ正解です。何ですか、答え? 愛知県犬山市っていうところにあるんですよね。犬猿の仲になっているってことですよね、言いたいのは。そうそう。しかも猿山が犬山にあるという。本当だ。本当だ。いいうんちくっていうこと。ちょっと、龍ヶ崎さんの手柄だから、それ。お前は気づいてなかったよ、それ。さっきまで言われて初めて面白い。
ただ一個足すと、愛知県には猿が投げる山って書いて猿投山っていう山があるんですよ。だからそこに作ってくれたら、猿投山に猿山の施設があるのに、よりによって犬山にあるっていう。ちょっと作るとこミスったな。土地間違えたね、用意する土地。逆におもろいから。そうか。帳尻合わせるよりはおもろい方がいいか。
あと東京の人は結構犬山って言うんですけど、愛知だと犬山。犬にアクセントあんだ。はい。犬山っていうふうに読まれるので、犬山って言われると、一般的な犬の山なんじゃないのって僕思っちゃったりしますね。
だとしたらね、最悪ですよ。犬山の猿山って言われると、犬の山が想起されて犬山が想起されなくなるわけですよね。混乱するわけですね。犬山の猿山っていうふうになりますね。難しいですね。無意味に難しい話でしたね。特に頑張って理解する必要のない難しい話でしたよね。コストだけ大きく、リターンがなかったですよね。
これちょっと僕の記憶が正しければですけど、『NHK日本語発音アクセント新辞典』って東京式のアクセント以外に現地のアクセントが載ってるんですよ。長野県も例えば伊那市ってありますけど、我々は多分伊那って言うけど、現地の人は伊那って確か言うはずだし。この辺、やっぱ全国に放送局があるNHKならではの心遣い。だからアクセント新辞典持ってる方とかだと、地元の引いてみたりすると結構面白いかもしれないですね。
うちの母が沖縄出身なんですけど、めちゃくちゃずっとキレてる問題があって。沖縄にいる狛犬みたいなあいつ。シーサー。もう1回言って。シーサー。シーサーよ、あれは。でもなんか沖縄っぽいね。シーサーか。でも全てのテレビとか見てたら、みんなシーサーって言ってて。高いですよね、頭が。シーサーだけどな、あれは、ってうちの母はもう見るたびに言ってたのよ。
僕がシーサーって言うと、シーサーねってすごい訂正されるから。あのお母さん? いつもニコニコしてる。そう。あのお母さん、一回も俺怒られた記憶ないぐらい怒んないお母さんなんだけど、シーサーの発音だけめっちゃ厳しい。そうなんだ。あとサーターアンダギーの発音にも厳しい。
サーターアンダギーなんだ。じゃあ沖縄のアクセントは1音節目と2音節目の高さが一緒でもいいってことですか? 多分。沖縄のアクセントどうなってるのか気になりますね。それも研究あったら知りたいですけどね。でもうちの母は沖縄系の発音にばかり厳しいから、人ってやっぱ何か許せないことがあるんだなって思いましたね。
でも本当に地元の方って地元のアクセントで読んでるんで。例えば東京でね、犬山の何かがあったとして、「愛知県の犬山で」みたいに言われると、誰も地元の人はそんなふうに読んでないのになって思っちゃうわけですよね。だからNHKアクセント新辞典は、地元のアクセントも同じように載せている配慮だと思うんで。さすがだね、NHK。そうですね。天下のNHKですね。
NHKってむしろ一般的には言葉を画一化する方向に向かっていると思われがちで、そういう側面がないとは言わないんですけど、一方で地元のアクセントは地元のアクセントとしてきっちり載せましょうっていう方針を取ってて、これは素敵だなと思いますね。
ちなみに地元の人ならではのこだわり系で言うと、僕の実家の隣の町が水車町、または水車町なんですよ。これ一個の町なんだけど、全部の看板が揺れまくって、正式名称分からない状態だったの。水車町か水車町で、どうやら行政の中でも割れてるらしくて、本当にないんだって、正式な呼び名が。でもそのままでみんなが運用してたせいで、水車町郵便局と水車町役場とかが同居してて、めちゃくちゃ気持ち悪かったんだけど。それが2年前にやっと正式に決まりましたって言って、どっちかに決まったんですけど、忘れましたね。
やっぱそう、こだわりあるじゃないですか。水車町か水車町か、本当に地元の人にとって大事で、僕も実家その辺なんですごいこだわりあるんですけど、忘れました。なんでやねん。どっちか忘れました。どっちかになりました。水車町になったんじゃなかったかな。水車町だった気もします。分かんないっす。ググってください、皆さん、詳しく。
でもほら、日本も「にほん」って読むのか「にっぽん」って読むのかとか、人によるわけですから、それともあんまり変わらないですし。愛知だとポケモンGOで一時有名になった鶴舞という土地があって、電車の駅は「つるまい」なんです。そこにある公園は「つるま」公園なんですよ。難しいね。そうか、つるまとつるまいで揺れてるとか。同じ字書いてんのに。同じです。鶴が舞うと書いて。難しい。
みんなだから鶴舞公園って言うんですけど、通である僕は鶴舞公園というてのが。正式な方知ってるぞと。ちなみにポケモンGOで有名になった理由は、確か上から見るとモンスターボールの形になってるからっていうので、めっちゃみんなポケモンGOで集まってましたね。ポケストップもいっぱいあったんでしょうね。多分そうだと思います。
確か秋葉原も「あきはばら」と「あきばはら」で揺れてるんじゃないか。そうだった気がするぞ。アキバはでも「あきはばら」のイメージだけどな。多分それだから、もともと「あきばはら」だったのが音位転換したんじゃないかな。へえ。
音位転換っていうのは、語の中の音の位置がまるっと入れ替わっちゃうことで、子供がトウモロコシのことをトウモコロシって言っちゃうみたいなのが音位転換の例ですけど、秋葉原も確か音位転換。でも確かに言われたら「あきばはら」よりは「あきはばら」の方が言いやすいから、そっちになってきそうな気がする。
そうですね。これ音位転換してたのもあるかもしれないですけど、明確なきっかけがあったっぽくって。「あきばはら」という土地に「あきはばら」駅が設置されちゃったみたいなんですよね。難しい。なるほど。駅の名前に引っ張られたパターンね。でも利用実態がないなら駅名にしないわけだから、そう呼んでる人もいたってことなんですかね。そうかもしれないね。その駅の登場によって決定的になったってことなのかな。
うちの会社でもそれに近いことが起きてて、この言語学ラジオを制作してる僕の会社の中では、Notionという便利なデータ整理アプリを使ってるわけですけど。このNotionが公式に提供しているタスク管理ボードみたいなものがあって、それで一個一個タスクを移していく時に、このタスクのことをカードって呼ぶんですよ、公式機能では。
カードを移動させるって僕はNotionの正式な用語を使って喋ってたんですけど、違う用語を導入した人が一人いまして。その人がチケットを動かすとか、チケットを切るとか言ってたんですよ。その人がチケット、チケットって連呼するんで、それを聞いた他の人もチケットなのかと思って、チケットを動かすって言い始めて。その結果、今多数派がチケットになってるから。一人がめちゃくちゃ多用したら、それで動かせるって話かもしれないね。
ただやっぱチケットって聞いて、確かにカードよりチケットっぽいかもしれないって思った人が。説得力がないと無理か。っていうことだと思うので。そう、言語変化ってそんな誰かが流行らせようって思って起きることではないから。
確かに。だってあれだもんね、朝井リョウと加藤千恵の『信頼できない語り手』っていうラジオ番組がありますけど。あれの中でずっと加藤千恵さんが「この番組ではメールのことをカードと呼んでいます」って言ってんのに、朝井さんがそれに従わないで、「こういうメールが来ています」って。二人の間でずっと平行線ですもんね。あれだ。ピンとこなかったら、一人が使っててもみんな移らないんだ。採用されないってことですね。なるほどね。
土屋さん他4名ほどからいただいている問題です。ベタ問ってことですか? じゃあすぐ解こう。これはしましょうよ。皆さんありがとうございます。
問題。明治時代、飼い犬の名前としてポチやクロの他、カメと名付けるのが一般的でした。その理由は何でしょう?
知らないかも。知ってる? 俺、類似うんちくは聞いたことあって、昔犬のことをカメってよく呼んでたから、カメ、猫まんまみたいなやつ。牛鍋屋でいらなくなった牛肉をご飯にかけたやつを犬が食べて、そっからそれをカメチャブと言うようになった。だから牛丼は昔カメチャブと呼ばれてたみたいなうんちく、聞いたことある気がする。でもそれ全然犬がカメの理由にはなってないから。
でもありそうなのは、四足歩行仲間。そこで亀が歩いてる様子と犬が歩いてる様子を合わせて。四足だから。エウレーカ。違います。まあそうだよな。あれかな? 飯とかで骨与えて、食いたがらないから、「いや、噛め」って。噛むってこと? バイトの噛め。はい、噛め。エウレーカ。違います。まあそうだよな。
俺初めて今日回答提出したかも。確かに、あれ、回答提出すらしてなかったのか。すごい、それがよりによって噛め。最悪、知性のかけらもない回答。噛めだから、そんなわけもないし。食えって言うだろうしね、それならね。しかも4人から送られてきてるってことは、有名だったり納得感があって面白いクイズっぽいってことですね。ってことでしょうね。
あんまり日本に犬いなくて、外国人が飼うのを持ち込んだんだけど、その外国人が犬に対してカムって、来いっていうことを言っていたから、そっからカメ。エウレーカ。それ、それだ。正解! それだ、それだ。それ知ってる。それ。
知ってんの? 知ってんのかい? 俺知らんかったけど。雰囲気で当てたけど。そうなの? 知ってたじゃん。聞いたことあった、それ。知ってんの? お前に言われた瞬間に今もう、それだ、それだってなった。じゃあ答えろよ、知ってんなら。
なんで分かんの? なんか分かんないけど、カムとカメ似てるなと思って。なんかもう気悪いわ。調子悪いね、水野さん。うわ、マジか。でもそうなんだ。じゃあ解説聞きましょうか。
西洋人が犬を呼ぶ時にカムと言ったり、カムヒアと言っているのがカメに聞こえた。なるほどね。当時の日本人は犬の名前そのものがカメなのだと思い、飼い犬にもカメと名付けるようになった。へえ。補足としては、和犬と区別するために西洋犬にカメと名付けることが多かったみたいです。
そうか、そうか。海外の人が呼んでるのを見て、じゃあうちのやつは海外の犬だからカメだなってことか。落ち込んじゃった。違いますよ、水野さん、盛り上げないと。違う、違う。当てるのが本題じゃなくて、これ皆さんに楽しんでいただくためのものだから。
水野さん、本当にページめくれてないね。確かに知ってんのに、「あのページをめくるんだ」っつって全部スルーしてますよね、該当のページを。僕がここにいる必要ないよ、そしたらね。ちょっと楽しくやろうぜ、もっと。違う、違う。俺らが楽しんでるのを見せて、リスナーさんにも一緒に楽しんでもらう番組だから。当てるのが主目的じゃないんですよ。当てなくても楽しくやろう。
当ててなくても、別にリスナーさんからこいつは愚かだなとかバカだなとか思われないのか。思われないですよ。ただ回答として、「食べてほしいから噛め」だったはバカだと思われてます。それに関しては別で、別に答えられなかったことは問題ないんです。
今日の唯一の。ちょっとお前面白いな。今日の唯一、しかも知ってる問題に対して、知ってんのにそれを忘れて、「噛め」の方やな。だめだ、もう。ちょっと調子悪すぎるな、今日。
そんなわけで本日はエウレーカクイズやってまいりました。悪問揃いでしたね。よかった、よかった。全部面白かった。あなたが当てられなかっただけですけどね。当てられなかった問題は悪問っていうのやめなさい。もっといい問題を。いい問題だったって。あとお前知ってたやつだし、カメに関しては。知ってたんだから。がっつり知ってた。がっつり知ってたなら当てろよ。すごいね。
今日は水野さん調子悪いですけど、調子いい時もありますんで、引き続き問題どんどん解いていきたいと思っておりますので。概要欄、固定コメントに問題募集フォームございます。こちらから皆さん、いいなと思った問題ぜひ送っていただければと思います。間違えてお便りフォームに送ってる方いますけど、それ僕ら普通に見るんで、問題として採用されないです。専用のフォームからぜひお送りください。以上にしましょう。ありがとうございました。ありがとうございました。
堀元さん、うまく話せなくて悩むことってありません? よくあります。そんな悩みを抱える方にぴったりな本を書きました。タイトルは『会話の0.2秒を言語学する』。会話のわずかな間にフォーカスした一冊です。ぜひ皆さん買ってください。うん。
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