子どもの言い間違いは何を映すのか:今井むつみ氏と読む「赤ちゃんミステイクアワード」

YouTubeで開く ↗
概要

ゆる言語学ラジオの企画「赤ちゃんミステイクアワード」は、視聴者から寄せられた子どもの言い間違いを紹介し、その背後にある子どもの賢さを読み解くコーナーだ。今回は認知科学者の今井むつみ氏をゲストに迎え、堀元見、水野太貴の両パーソナリティと投稿を読んでいった。今井氏は、子どもは聞いた言葉を分解し、推論(アブダクション)で意味を当てはめ、間違いを恐れずに使ってみる。その過程が語彙を急速に増やす鍵になっていると繰り返し述べた。終盤では、この考え方を大人の英語学習に応用した今井氏の新刊『アブダクション英語学習法』も話題になった。

17分で読めます
0:39

「サンキューございます」と大学生の「お怒らせてしまって」

最初に堀元が読んだのは、4歳の子が丁寧にお礼を言いたいときに「サンキューございます」と言っていたという投稿だ。堀元は、カジュアルな「サンキュー」に「ございます」をつければ丁寧になると類推したのだろうと解釈した。水野は当初、日本語と英語が混ざっただけだと思っていたが、4歳なりに「サンキューだけでは今の場面にふさわしくない」と判断した可能性に納得した。「こちらビールでございます」のように、カタカナ語に「ございます」を続けても日本語としては問題なく成立する、という指摘も出た。

ただし、子どもが「サンキュー」を外来語だと理解していたかどうかは微妙だという見方もあった。表記を知らなければ英語っぽいとは感じないので、「ありがとう」と同じようなものだと思っていれば「サンキューございます」はごく自然な発想になる。一方で、「キュー」という音の並びが日本語らしくないと感じている可能性もある、という意見も出た。

堀元は、大学生のころの自分の似た失敗を明かした。先生を怒らせたことを詫びるのに尊敬語を使おうとしたが、「怒らせてしまって」の敬語が分からない。脳内で探すと「お怒りになる」という表現が見つかり、それを応用した結果「先生をお怒らせてしまって」と口にしてしまったという。ここから「逆鱗に触れる」なら使えるという話になり、堀元が「逆鱗は龍の鱗が由来なので先生を龍に例えるのは失礼」という架空のマナーを持ち出して、「それなら『猫をかぶる』も言えなくなる」と返される脱線もあった。

2:58

タコ大学とドアカちゃん:同じ引き出しの中の言葉

今井氏が選んだのは、2歳の子に親が勤務先を「イカ大学(医科大学)」と答えたところ、子どもが「タコ大学」と言い換えたという投稿だ。「医科」を海の生き物のイカと受け取り、同じ仲間のタコに置き換えたわけである。ここから、意識の研究者の間でタコが注目されていること、『タコの心身問題』という本があること、タコは瓶の蓋を開けられることなどに話が広がった。ただ、閉じ込められた瓶の中からどうやって出るのかは、出演者の誰も覚えておらず笑いになった。

水野が紹介したのは、幼稚園に入った子が「今日ドアカちゃんと友だちになった」と報告した投稿である。家族が聞き覚えのない名前だったので園で聞き取ると、実際は「まどかちゃん」だった。「まど(窓)」が同じカテゴリーの「ドア」に入れ替わったのだ。投稿者は、今井氏とパーソナリティの共著で子どもの言い間違いを集めた『きょう、ゴリラをうえたよ』の話を同僚にしたところ、同僚がこのエピソードを懐かしそうに教えてくれたという。

水野は、自分にも最近「同じ引き出しに入っているものを取り違える」経験があったと話した。好きな建築家イサム・ノグチの話をしたかったのに、日系で活躍する人物として同じ「ポケット」に入っていたカズオ・イシグロの名前を出してしまったという。しかもその前提説明の中で、水野がイシグロを「アメリカの日系人」と説明したところ、今井氏から「元々は日本人で、5歳ごろに研究者の父親とイギリスに渡った人」と訂正され、間違いを説明するための前提がさらに間違っていたと自嘲した。

7:42

「ゲゲゲのゲ太郎」とアンパンマンの言いやすさ

堀元が読んだのは、子どもが「パパ、ゲゲゲのゲ太郎の動画見せて」と言ったという投稿だ。水野は、「ゲ」「ゲ」「ゲ」「キ」がいずれも破裂音で、空気の流れを何度も止めては出す動きを繰り返す必要があるため、幼児には言いにくいと説明した。堀元は、子どもにも人気の作品なのに子ども向けの名前になっていないと述べ、冗談で改名の署名運動を始めると言い出した。これに対し、「慶應の人はこれだから」「慶應で教えていた今井先生のせいだ」という掛け合いも生まれた。

子どもが最初に覚える言葉を調べた調査では、トップ10に固有名詞が一つだけ入っており、それが「アンパンマン」だという話も出た。今井氏によれば、アンパンマンは口を開けて閉じる動作を繰り返すだけで発音でき、歯が抜けていても言える。今井氏は、小田急ロマンスカーで乗り合わせた2歳ぐらいの男の子が、新宿から1時間弱ずっと「アンパンマン」と言い続けていた体験を語った。小さい子は言いたくても言えない言葉が多いので、口を開けば言葉になるのが嬉しくてたまらないのだろう、というのが今井氏の見方だ。途中からは正直勘弁してほしいと思ったが、止めずに言わせ続けた母親は偉いと感じたという。

11:13

音の心地よさ:「クリスプ」と調音点の移動

言いたくなる言葉の話は大人にも及んだ。ある芸人が、打ち上げで「この後つるとんたん行く」と言いたがるという話が紹介された。音が気持ちいいので、別に行きたくもないのにそう言ってしまうという愚痴である。

水野は、英語話者にとって気持ちいい発音の言葉をネット上で調べた人がいて、そこで挙がったのが「crisp」だったと紹介した。実際に発音させながら確認すると、kは口の奥(軟口蓋)、rはそれより前、sは歯の付け根あたり、pは唇で作られる。つまり調音点が後ろから前へ順番に移動していく。この流れが気持ちよさの理由ではないかという説があり、順序を崩した「crips」では前へ抜けていく感じがなくなる、と水野は述べた。

堀元は同じ系統の話として、キーボードの上段だけで打てる文字列「エロい父上をペロリ」は指が気持ちいいと持ち出した。関係あるのかと突っ込まれたが、堀元は「言葉の身体的な気持ちよさという点で構造は同じだ」と主張した。

13:06

「みみくさいくさいして」:意味の塊を切り出して転用する力

3歳の子が「みみくさいくさいして」と言った投稿では、出演者はしばらく意味を当てられなかった。正解は「耳をふさいで」である。臭いものに対して鼻をつまむ「くさいくさい」の動作を、この子は「ふさぐ」という意味だと受け取り、耳に応用した。そのあと「おめめくさいくさい」とも言っていたという。

今井氏はこれを、かわいいだけでなく言語の構造の本質を突いている例だと評価した。もともと鼻をつまむ場面の表現を「ふさぐ」に転用し、さらに別の状況に応用する拡張性がある。意味の塊を切り出してメタファー的に使い、すぐ別の場面でも使う。こうしたことをするから子どもの語彙はあっという間に増える、と今井氏は説明した。会話の中では「即時マッピング」という用語も出た。

今井氏は、これを「ガヴァガイ問題」とも結びつけた。水野の説明では、言葉の通じない土地でウサギが横切ったときに現地の人が「ガヴァガイ」と言っても、それがウサギを指すのか、そのウサギの名前なのか、「跳ねる」「白い」「横切る」を意味するのかは分からない、という問題である。子どもはどの側面を切り取るかを推測しながら言葉を学んでおり、今井氏はそれが文法や他の語彙の学習にも当てはまる健全な習得のステップだという。

似た例として今井氏は、「おいしそう」を覚えた子がキティちゃんのフィギュアを見て嬉しそうに「かわいそう」と言った投稿も紹介した。「〜そう」を「〜な見た目をしている」という要素として切り出し、「かわいい」にも付けたと考えられる。子どもは塊を分解して小さな意味の単位を切り出し、新しい言葉を作ってしまう、と今井氏は述べた。

17:20

間違いを恐れないことと、台本の書き方

堀元はこうした子どもの振る舞いを「勇気がある」と表現した。無意識のうちに、ここで使えるだろうと攻撃的に試している、という見方である。出演者からは、親は早く話せるように、勉強ができるようにと色々教え込み、「それは○○じゃなくて○○だよ」と正解の枠にはめようとするのに、「過剰一般化しなさい」とは誰も言っていない、それでも子どもは過剰一般化しながら言語を習得している、という指摘も出た。今井氏は、親が指示していないのに子どもが勝手にやっていることこそが鍵であり、ほとんどの人はそれに気づかないどころか「間違いだからダメ」と思ってしまう、それが大きな間違いだと応じた。

ここでパーソナリティの一人が、番組の台本執筆に最近見つけたコツを話した。以前は書きながら「この数字は合っていたか」とその都度資料を調べていたが、今は自信のない数字を太字にしたまま最後まで書き進め、書き終えてから一つずつ裏を取るようにした。そのほうが圧倒的に効率がいいという。間違ったまま進んで訂正は後からするという点で、言語習得と台本執筆は似ているのかもしれない、という感想だった。今井氏も、子どもが間違いを恐れていないのは確かだと同意した。

19:18

「ん」はどれでもない:鼻から出る音

水野が読んだのは、小学生の娘が五十音表を見て、「あかさ」は「あ」の仲間、「しに」は「い」の仲間だと気づいたうえで、「『ん』はどれでもないんだね」と言ったという投稿だ。水野はここで堀元に、「ん」が他の音とどう違うかをクイズとして出した。

堀元は口の形や、母音は声帯を震わせる音だという過去回の知識を手がかりに考えた。水野は、子音は空気の流れをどこかで妨げて作る音、母音は妨げを作らず舌の形で音質を変える音だと整理したうえで、「ん」には母音がなく子音だけであり、しかも鼻から出る鼻音だと明かした。鼻をつまむと「ん」は言えない。五十音は基本的に最後に母音がつくが、「ん」だけが子音のみで許されている特殊な位置にある、と水野は説明した。

水野は、この子が母音のない特殊さに直感的に気づいたのはすごいと評価した。これに対し堀元は、五十音表で「ん」だけが変な位置にあるのを見て「場所が違う」と言っただけかもしれず、音についての気づきとは限らないと反論した。親は、表の中の位置が特殊だという意味なのか、子音だけで発音するから特殊だという意味なのかを確かめるべきだ、という堀元の主張に、「だから慶應の人は」と先ほどのネタが返され、堀元は「たまたま目についた慶應のサンプルで一般化するのは過剰一般化だ」と切り返した。

22:27

「広告スキップして」と今井家の猫

2歳の子の投稿では、YouTubeの子ども向けアニメを見せていると一定間隔で広告が入り、親が「広告だ」と言いながらスキップするので、子どもが「広告」という言葉を覚えた。その後、同じテレビで地上波のバラエティを流すと、子どもは「広告だ、広告スキップして」と言うようになった。本編中のCMのことではなく、アニメ以外の実写映像をすべて広告だと判断しているらしい。出演者は、ホームビデオをテレビで流しても「広告スキップして」と言われるのではないかと想像した。

今井氏は、これもガヴァガイ問題であり、何を観察してどのレベルで切り取るかによって意味がまったく違ってくると述べた。そして、自分の飼い猫の不思議を語った。その猫はキャットフードとして売られている製品は食べるが、人間の食べ物は決して食べない。余りものだけでなく、一般に猫が好きだとされる鰹節やささみ、刺身も食べない。以前飼っていた猫はそれらが大好きで、ほぼそればかり食べていた。どれもお皿に取って出しているのに、人間用と猫用をどう区別しているのか分からない。すごく抽象的なカテゴリーだ、と今井氏は言う。

堀元は、キャットフードの袋からささみを出したらどうなるかを試したいと提案し、出す側の表情で答えが伝わらないよう二重盲検にすべきだ(いわゆる「賢馬ハンス効果」の排除)と冗談めかして付け加えた。今井氏によれば、刺身やささみは猫の体にはあまり良くないらしいが、猫がそれを分かって避けているのかは不明だという。堀元は、旅館の刺身に添えられた花のうち食べられそうな黄色い花を食べて苦い思いをした一方、水野は花に一切手をつけなかったという体験を重ね、今井家の猫は水野のように賢く食べ分けているのではないかと話した。今井氏は、動物も人間も、何をしてよく何を食べてよいかをどう判別しているのかは、考え出すと分からなくなると述べた。

28:04

ザーサイは料理名か植物名か、そして餅菜

堀元は、自分が最近まで勘違いしていた例としてザーサイを挙げた。キムチや柴漬けは調理名なので、ザーサイも調理法の名前だと思っていた。食感がメンマに似ているので、たけのこのようなものを細かく削いで塩漬けにしたものだと想像していたという。今井氏は植物名だと思っていた。調べると、ザーサイという植物が実在し、根元のあたりにコリコリした部分の塊がボコボコとついた姿をしていた。出演者はその見た目を「マンドラゴラのようだ」と評した。

関連して、子どものころ、たくあんが大根だと受け入れられなかったという話も出た。黄色くて細いので、白くて太い大根とは思えなかったというのだ。さらに奈良漬けも大根だと言った出演者が、「奈良漬けといえば瓜だ」と訂正される場面もあった。

また、愛知で雑煮に入れる青菜「餅菜」の話も出た。正月以外に見たことがないという発言を受けて検索すると、別名「正月菜」とも呼ばれ、雑煮に欠かせない野菜と説明されていた。1年に1日しか出番がないと笑いになったが、家庭菜園でも育てられるらしく、なぜ普段の味噌汁などに入れないのかという疑問も出た。

32:37

「お雑煮」の「に」は数字の2

正月つながりで、9歳の甥の投稿が紹介された。各自が焼いた餅を雑煮に入れる家庭で、甥が「俺はおいち」と言った。餅1個だから「おいち」、2個なら「お雑煮(おぞうに)」だというのである。水野は、「に」は煮込むという調理法を指しているので数字の2とは関係ないと9歳に言えばいい、と冗談を言った。また、2個が「おぞうに」なら対応させるべきは「おぞういち」だが、それだと5拍になるので4拍を守って「おいち」にしたのではないか、と早口で分析した。

『きょう、ゴリラをうえたよ』にも、喘息にかかった子が、言葉の中の「に」を数字と解釈して言い換えた例が載っていることが紹介された。今井氏は、子どもはただ言葉を受け取るのではなく、聞いた言葉を必ず分解して取り出そうとしていると述べた。水野も、「お雑煮」を分けるなら「お+雑煮」が妥当なところを「おぞう+に」に分けた、クリエイティブな分け方だと評した。

35:32

アブダクション大賞:「いっちゃんがイチャッとやるの」

最後に、今井氏が選んだ「アブダクション大賞」が発表された。受賞は、自分を「いっちゃん」と呼ぶ2歳の娘の投稿である。仕上げ磨きをしようとした父親が「パパがパパッと磨くからね」と言うと、娘は「やだ、いっちゃんがイチャッとやるの」と返した。「パパ」と「パパッと」の対応を、自分の名前に置き換えたのだ。

今井氏は、これを芸人のような頭の回転だと評価した。面白いのは、「パパッと」の素早い感じ、つまりリズムを保存している点だという。「いっちゃん」から作っても「イチャッと」という音象徴的に速い形にし、そのうえで「パパにやらせず自分がやる」という意図を表している、と今井氏は説明した。

水野は、お雑煮の「おいち」と同じく、子どもは拍を大事にしていると述べた。子どものあだ名は2拍や4拍のまとまりになることが多い。「たく」なら「たっくん」と呼ばれるように、決まった箱があって、足りなければ促音や長音を入れてバランスを取っているという話もある。オノマトペでも、「サク」を重ねた「サクサク」の強調形は「サックサク」とは言えても、「サクサック」はより言いづらい。研究者は促音がどこに入るかを整理しているが、子どもはその法則を知らなくても「気持ち悪い」という感覚でうまくできてしまう、と水野は述べた。実際に「だいちゃんがダイッとやる」「けんちゃんがケンッとやる」と試すと座りが悪く、「いっちゃん」はちょうどよかったということで意見が一致した。

では、親はどう応じるべきか。水野が「このパパッとはパパのパパじゃないから、イチャッとは変だよ」と正すべきかと尋ねると、今井氏は放っておくのがよく、「面白いね」と言ってあげるのが一番だと答えた。子どもは受けを狙ったわけではないので褒められても戸惑うのでは、という疑問に対しては、褒められればなんとなくいい気持ちになるだろうし、「じゃあイチャッとやろうね」と乗って歯ブラシを渡してあげればいい、と今井氏は応じた。間違ったまま覚えて将来恥をかくのではないかという心配にも、今井氏は大丈夫だと答え、生きていくうちに自然に修正されていくという見方が示された。

40:18

AIを使ったアブダクション英語学習法

番組の終盤では、今井氏の新刊『アブダクション英語学習法』が紹介された。以前の著書『英語独習法』の方法にAIを取り入れたものだが、今井氏自身は個人的にAIがあまり好きではないという。そのうえで、好きではないなりにどう使うかを考えた本だと説明した。

方法はこうだ。生成AIに英文を作らせるが、指示はすべて日本語でよい。作った英文には翻訳もつけさせる。学習者は英文と翻訳を見比べて英語のスキーマについて自分で仮説を立て、その検証のためにAIを使う。普通なら答えを教えてもらったり説明してもらったりするが、今井氏はあえてプロンプトに「私がお願いするまで意味の解説や文法的な説明をしないでください」と入れている。

本の例では、listenとhearの違いを学ぶ。答えは言わせず、それぞれを使った例文を10個ずつ出させて見比べる。対話形式で、学習者が「よく分からない」と迷いながら、「むつみ先生」が介入して少しずつ理解していく過程がそのまま載っている。たとえば、listenにはcarefullyのような副詞がつき、hearにはsuddenlyがつく傾向が見える。そこから「hearのほうが受け身で、聞こえてくるという意味ではないか」と仮説を立て、受け身的な文脈でlistenとhearの例文を作らせて検証する。同じやり方でtellとspeakなどの違いも探っていく。水野はこれを「赤ちゃんの言語習得と同じですね」と要約し、今井氏も同意した。

パーソナリティの一人は、この本をパチンコにたとえて紹介した。YouTuberはブラックボックスのアルゴリズムと戦いながら「こういうタイトルならうまくいきそうだ」と学んでいく。ギャンブルと同じく、ブラックボックスに立ち向かうことはゲームとして面白く、やめられなくなる。英語学習もそのように楽しめる本だ、という趣旨である。営業妨害だと止められたが、ゲームのように取り組めるという点には今井氏も同意した。

今井氏は最近推しているコンセプトとして、アブダクション、記号接地、プレイフル・ラーニングの三つを挙げた。人は楽しみながら没入するときに最もよく学べる。それは子どもでも大人でも同じで、この本の対象は中高生以上だが、大人になってもプレイフルであることは大事だという。英語も苦手だと思いながらやるといつまでも伸びない。人間は赤ちゃんのころから、分からないことを分かりたいという気持ちが強く、分かったときの感動は誰にでもある。本ではChatGPTを使ったが、CopilotでもGeminiでも手軽なAIなら何でもよく、どのAIが一番いいかを探求することもプレイフル・ラーニングになる、と今井氏は述べた。

出演者からは、AIによって色々なことがコモディティ化するのは気の毒だと思いつつも、似た意味の動詞の違いを知りたくても、かつてはすぐにアクセスできる手段がなく、先生に聞きに行くのもハードルがあった、今はAIで一人でできるのが羨ましい、という感想も出た。子どもの言い間違いから始まった回は、仮説を立てて試し、間違えながら修正していくという子どもの学び方を、大人がAIを相手に再現できるのではないかという話で締めくくられた。