スマホ育児は子どもの脳に何をもたらすのか 脳科学者・榊浩平氏が語る「見せない」という結論と、その背景にある社会の問題
lumily東北大学で、スマホの使用が子どもの脳や学力に与える影響を研究する榊浩平氏が、子育て中の愛沢えみり氏との対談で「スマホ育児」について語った。愛沢氏は2歳と0歳の子どもを育てている。乳幼児にスマホを見せることはどこまで許されるのか、知育アプリなら問題ないのか、何時間までなら大丈夫なのか。こうした問いに対し、榊氏は「現時点で言えるのは、見せないのが一番だ」という立場をはっきり示した。同時に、親だけに責任を負わせることには強く反対し、問題の根を社会の側に置いている。
研究の土台:MRIと仙台市の7万人データ
榊氏は脳科学を専門とし、最近はその知見をもとに学校現場へ出向き、子どもたちと直接関わりながら実践研究も行っている。著書『スマホはどこまで脳を壊すか』は、所属する研究所で撮影した子どもの脳のMRI画像と、仙台市教育委員会との共同研究で毎年集めている小中学生約7万人分のデータの解析結果をまとめたものだという。タイトルの意味について愛沢氏が「壊れるということか」と尋ねると、榊氏は「読んでいただいてのお楽しみ」とだけ答えた。
研究者のホーム画面は「真っ黒」
対談の最初に、二人は自分のスマホのホーム画面を見せ合った。榊氏のiPhoneは画面全体が黒く、アイコンもモノクロである。画面下部のドックにカレンダー、地図、Safari、設定の4つを置いているだけだ。
ここまで徹底する理由として、榊氏は、スマホは作る側が「いかに触らせるか」という観点で開発しているからだと説明する。アイコンには赤や黄色など、信号機にも使われる人の注意を強く引く色が使われている。そのため、用もないのに無意識にタップしてしまい、そこからSNSやネット動画の終わりのないループが始まる。これは理屈ではなく人間のDNAに刻まれた仕組みなので、意思の力でどうにかできるものではない。だから画面を白黒にしてシステムの側で刺激を下げるのが一番早く確実だ、と榊氏は言う。
ただし、アプリが4つしか入っていないわけではない。アイコンをホーム画面に置いていないだけで、アプリ自体は入っている。使うときはアイコンをタップするのではなく、アプリライブラリの検索窓に名前を入れて起動する。起動するまでに「面倒くさい」と思わせることで、スマホを使いにくくする仕組みである。榊氏の考える理想は「スマホを携帯電話に戻すこと」だ。
愛沢氏も自身を断捨離好きのミニマリストだと言い、ホーム画面はモノクロで、天気アプリくらいしか置いていない。これに対し榊氏は、4つまでとは言わないので、まずホーム画面だけでも片付けてほしいと勧めた。アプリを何ページにもわたって並べている人もいるという。フォルダにまとめて整理すればよいわけではなく、整理しないよりはましだが、消すのが一番だという。
一方で榊氏は、スマホそのものが良いか悪いかという議論はできないとも述べた。仕事にも使うし、決済のように生活に欠かせない機能もある。榊氏自身もこの日、スマホで新幹線に乗って仙台から来ており、スマホがなければ来られなかった。問題は使い方だという。
親のスマホ時間と子のスマホ時間は相関する
愛沢氏が「親がカラフルなスマホを使っていれば子どもも同じようになる」と言うと、榊氏は、親の習慣が子どもに受け継がれるのはあらゆることに当てはまると応じた。データ上でも、親のスマホ使用時間と子どものスマホ使用時間はきれいに相関するという。だからこそ親が背中で見せることが大事だ、というのが榊氏の考えである。
「スマホ育児」とは何を指すのか
榊氏によれば、スマホ育児には学術的な定義はない。一般には、主に未就学児に対して、泣き止ませるためにスマホを見せる、電車やファミレスで静かにさせるために見せる、家で掃除機をかける間に「これ見といて」と渡す、といった使い方を指すことが多い。知育アプリで教育することをスマホ育児と呼ぶことは少ない。愛沢氏が「親が大変なときにスマホに頼るという意味で使われていると思った」と言うと、榊氏は「だいたいその意味で合っている」と答えた。
テレビ育児と何が違うのか
テレビが登場した時代にも「子どもにテレビを見せるのは良くない」という議論は10年、20年前からあった。榊氏は、テレビも良くはなかったが、今のスマホに比べればまだましだったと考えている。違いは三つあるという。
一つ目はハードの違い、つまり携帯性である。リビングに置かれたテレビは持ち運べないが、スマホは寝室にもトイレにも風呂にも持っていける。持ち運べることで使用時間ははるかに延びた。
二つ目はソフトの違いで、榊氏はこちらのほうが怖いと言う。テレビは番組表どおりに流れるので終わりがある。見たい番組が終わればCMを挟んでニュースが始まり、子どもはそのタイミングで「お風呂に入りなさい」と言われた。切れ目があったのだ。ネット動画では、1本見終わるとおすすめ動画が表示される。ユーザーの好みを学習するアルゴリズムが組まれているので、必ず見たくなるものが出てくる。自動で再生されることもあり、終わりがない。気づけば1時間、2時間、3時間、ときには朝まで、ということが起こる。
三つ目は多機能性である。テレビは映像しか出せないが、スマホにはネット動画、ネットゲーム、SNSがすべて入っていて、それを手元で細かく切り替えながら使う。榊氏によれば、この頻繁な注意の切り替えが脳にとってストレスになり、長期化すると一つのことに集中できなくなる、つまり集中力の低下を招くと言われている。榊氏はこれを「多機能性の罠」と呼んだ。
切り替えによって脳が鍛えられるのではないかという問いに、榊氏は「真逆だ」と答えた。脳は原則として一度に一つのことにしか集中できない。一般に言われるマルチタスクは本当は良くないもので、一つ処理したら次に進むのが脳にとって最も効率のよい働き方だという。人口の数%はマルチタスクができる能力を持っているらしいが、榊氏自身を含む大半の人はできない。いろいろなことを同時に進める「スマホ式」ではなく、一つ終わらせて次に行く「テレビ式」が脳に合っている、というのが榊氏の説明である。
脳の発達:3年間の追跡で見えたこと
脳への影響として榊氏が挙げたのは、小中学生の脳の発達を3年間追いかけた研究である。この研究では、スマホを毎日使っていた子どもで、脳の大部分、実に3分の1の領域で発達が止まっていたという結果が出た。本来なら成長期にある子どもの発達が止まることはありえないが、それが実際に起きているのだと榊氏は言う。
「1日3時間の使用なのか」と聞かれると、榊氏は、3時間を境にはっきり分かれるわけではないと答えた。この研究で問題にしているのは使用頻度の高さで、ほぼ毎日使っているという意味だという。1時間でも毎日使っていればそうなる可能性はある。脳は目に見えないので、子ども自身は自分の発達が遅れていることに気づけない。だから親や教師など周りの大人が注意し、支える必要がある。子どもがいきなり自分だけでうまく使いこなすのは難しい、というのが榊氏の見方だ。
大人は影響を受けないのかという質問には、「両方受ける」と答えた。違うのは矢印の向きだという。子どもは本来上向きに発達するはずのものが発達しなくなる。大人は加齢による衰えを食い止めるべきところで、逆に衰えを加速させてしまう。研究で結果が出やすいのは子どものほうだ。大人の場合、たとえば65歳を超えて認知機能がどうなったかを見るには30年の研究が必要になるが、子どもは3年ほどでも発達が大きく進むので、本来発達するはずの部分が発達していないことがわかりやすい。
乳幼児と感情のコントロール
愛沢氏は、忙しいときに0歳の赤ちゃんにアンパンマンやYouTubeの動画を見せることにも影響があるのかと尋ねた。榊氏は、未就学の年齢ではさらに影響が大きくなると答えた。依存性のあるものは触れ始める年齢が若いほど悪影響が大きいので、0歳から見せるのは危険だという。動画がないと泣き止めない状態になり、自分の感情をコントロールする力が育たないことは研究結果でも出ている、と榊氏は述べた。もう見せないほうがいいのかという問いへの答えは「正直、見せないでほしい」だった。
愛沢氏の体験:Blippiから離れるまで
愛沢氏は自身の経験を話した。上の子に海外の子ども向け動画「Blippi」を見せていたところ、カラフルな映像がひたすら流れるその動画にはまってしまった。何かあるたびに「ブリッピー」とせがみ、それがないと泣き止まなくなったという。見せておけば楽だったが、「何か違う」と感じて意識的に一切やめた。うるさくてもかまわないと割り切り、今はまったく見せていない。見せていた期間は半年弱で、完全にやめるまでに2か月ほどかかった。下の子にはまったく見せていない。
榊氏はこの判断を評価した。そのうえで、大人から見て意味のわからない「泣き止ませ動画」が増えている背景を指摘した。そうした動画は再生数を稼げて儲かるから作られている。それが子どもの発達を妨げているのなら大人として間違っているし、できればプラットフォーム側で規制してほしい、という。また、やめられたのであればまだ依存の段階ではなかったということで、本当に依存すればやめられなくなるので、間に合ってよかったと述べた。
「学者が正論を言わなくなったら終わり」
愛沢氏は、「大変なのだから助けとして少し使うくらいならいい」という寄り添う意見を信じたい気持ちもあったと打ち明けた。榊氏は、自分もリスクを負って発言していると答えた。こう言えば当然叩かれるし、自分だってスマホを取り上げたいわけではない。親が大変なことも、仕方がないこともわかっている。それでも、学者が正論を言わなくなったら終わりだと思う、という。
知育系のアプリに良い影響があるのではないか、という考えも理解できると榊氏は言う。ただ、差し引きしたときにマイナスとリスクが大きすぎる。安全で期待値が最も高いのは見せないことだ、というのが「今言える限界」だと述べた。見せなければ依存は起きない。
知育アプリと「英語の音楽」の問題
知育系の動画なら良いのではないかという質問に、榊氏はまず「わからない」と答えた。知育アプリは無数にあり、一つひとつ調べて可否を判断していたらきりがない。リスクがあるなら使わないのが理想だ、というのが全体としての意見である。
そのうえで、もう一歩踏み込んだ考え方も示した。影響は子ども一人ひとりで違う。ある知育アプリを我が子に使わせてみて、依存せず、「やめるよ」と言えばやめられ、メリットが大きくデメリットが少ないと判断できるなら、使い続けてもよいのではないかという。言い方は悪いが、我が子を実験台とみなして実際の反応を見ることが、第二段階としてできることだと榊氏は話した。
英語の音楽が流れるだけのアプリならどうかという問いには、それだけで済むなら悪影響は少ないと思う、と答えた。ただ、そこから次のアプリ、また次のアプリへと移っていかないか、と考え始めるときりがない。これがスマホの多機能性の怖さだという。作る側はそうしないと儲からないから、そのように作っている。「それに勝てる自信がありますか」と榊氏は問いかけた。英語の音楽を聞かせたいなら、スマホではなく音楽を流すだけの専用の機器を使うほうがいい、というのが榊氏の提案である。
学力への影響と、広がる格差
学力についても、榊氏らの仙台市での研究では、スマホの使用時間が長いほど成績が低いという結果が出ている。よくある誤解は、スマホを長く使う子は勉強しない、あるいは寝不足だから成績が低いのだろうという解釈だ。しかし、同じ時間勉強している子ども同士で比べても、スマホの長時間使用が学力に悪影響を与えていた。平均すると、1日3時間以上使う子どもの群では、しっかり勉強してきちんと寝ていても成績が平均を下回るというデータがあるという。スマホが学力に直接影響している可能性が高まっている、というのが研究の現状だと榊氏は説明した。
ただし、これはあくまで平均の話である。榊氏が「残酷な現実」と呼んだのは、上位の層の子どもはスマホをうまく使いこなして成績をさらに上げる一方で、下位の層の子どもは使いこなせずに依存へと向かってしまうことだ。この格差の拡大が、デジタル機器や技術がもたらす社会的な課題だという。
うまくコントロールできるかどうかは、思考の中枢を担う前頭前野の働きによると榊氏は言う。いわゆる頭が良い子は前頭前野の機能が高く、自分で使う時間を決めたり、ネットゲームではなく学習目的に活用したりできるので、学力が上がっていく。親の影響かと問われると、榊氏は「親も」だろうと答えた。親は環境の一部であり、乳幼児期は環境がほぼ親そのものだが、保育園や幼稚園、小中学校へと社会が広がるにつれ、友達や先生の影響も受けて人格が形成されていくので、すべてを親のせいにするつもりはないという。愛沢氏は、子どもは環境を選べず、そこには家庭の経済的な事情など子どもにはどうにもできないことも関わると応じた。
「どう生きるか」を考えられるまでは持たせない
榊氏は、自分が述べているのは理想論であり、極論であることも承知していると話した。「とはいえ無理だ」という意見があることも十分わかっている。この話を聞いたうえで、それぞれの現実とどうすり合わせるかを、自分の頭で考えるきっかけにしてほしいという。
榊氏は、これは単にスマホの使い方の問題ではなく「どう生きるか」の問題で、その中に「どう使うか」があると言う。子どもが自分で「どう生きたいか」を考えられるようになるまでは、できるだけ持たせないのがよい。そうでなければ、自分で人生を選び取る前に依存した状態に置かれてしまう。競争にたとえれば、大きなハンディを背負ってスタートするようなものだ。だから自己が形成される幼少期はできるだけ遠ざけるのが理想的だ、と榊氏は考えている。
何時間までなら許容範囲か
1日何時間までなら許容できるかという質問に、榊氏は「人による」としか言えないと答えた。依存かどうかを判断する要件に時間は含まれていないからだ。判断の基準は三つある。自分でコントロールできているか、生活の中での優先度が上がりすぎていないか、そして心身に悪影響が出ていないか、である。
極端に言えば、仕事で1日10時間、12時間使っていても、コントロールできていて、すぐにやめられ、寝る時間には寝られて健康なら問題はない。逆に1時間でも強く依存していたり、心身に悪影響が出ていたりすれば、依存が疑われる。時間にこだわりすぎると、「1時間を過ぎたらだめ」と親子で喧嘩になったりするので、あまりとらわれないほうがいいという。
一方で、学校などの集団でルールを決めるときには、時間はわかりやすい目安になるので、「1時間にしよう」「2時間にしよう」と目標を掲げること自体は否定しない。ただ、個別のケースで「1時間1分ならだめなのか」と言われれば、そんなことはない。プログラマー志望やeスポーツの選手まで制限するのか、という反論がよくあるが、それは仕事であり、コントロールして使いこなしているならかまわない。時間だけにとらわれると議論がおかしくなる。スマホはあくまで道具なので、個別に考えて使うことが大事だと榊氏は述べた。
いつ持たせるか、防犯目的なら
小学生にいつスマホを渡すかについて、榊氏の全体的な目安は「できるだけ遅く」である。ただし防犯・セキュリティの面では必要な場合があり、それは都市部か地方かなど地域によっても違う。セキュリティ目的に限ったスマホを持たせることには、明確な目的がある以上まったく反対しない。使い方を柔軟に切り分けてほしいという。
怒りの矛先を間違えないでほしい
対談で榊氏が繰り返し強調したのは、親を責めるつもりはないという点である。問題の本質は、親に考える余裕や時間がないことにある。それは親が悪いのではなく、社会がそうさせている。そこが介入すべき本丸だと榊氏は言う。だから親に「スマホ育児をやめろ」とは絶対に言いたくない。仕方がないことだからだ。本来は、スマホに頼らなければ子育てできない社会を作った政治や行政に言うべき話だという。
榊氏は、この話を聞いて「自分はできていない」と落ち込まないでほしいと語った。むしろ政治に訴える、投票で意思を示す、場合によっては自ら選挙に出る、子育てにもっと予算を割くよう求める、といった方向に怒りを向けてほしい。すべて親が悪いという話になれば、どんどん悪い方向に進むと榊氏は考えている。
愛沢氏も、都内では頼れる人がいない、昔は親戚など頼れる大人がもっといた、と環境の違いを挙げた。そのうえで、まずスマホの機能とデメリットを理解することが大事だと述べた。榊氏も、知ることがスタートであり、この動画をきっかけに「今日はここに気をつけてみよう」と頭の片隅に入れるだけでも、小さな積み重ねが大きな変化につながると話した。
ママ友の間でも分かれる考え方と、大型タブレット
愛沢氏の周りでは考え方がはっきり分かれているという。絶対に見せないと決め、友達の家で遊ぶときにも「うちは見せていないので見せないで」と頼む親もいれば、まったく気にせず見せる親もいる。榊氏は、見せている側の親も何かを考えたうえでそうしているのかもしれないと述べた。愛沢氏は、考えがあってのことなら使い方の問題になるので一概に悪いとは言えず、一番良くないのは何も考えずに見せることだとまとめた。
子ども向けの大型タブレットについては、持ち運べる分スマホのほうが悪影響は大きいが、本質的には大きく変わらないと榊氏は答えた。購入を迷った経験を語る愛沢氏に、榊氏は、買ってからブレーキをかけられるかも大事だが、まずは買わないのが理想だと述べた。買わなければ、それ以上考えずに済むからだ。
なぜ日本で多いのか:周りへの気遣いと子育て観
愛沢氏は、海外に行ったとき、大きなタブレットを子どもに見せている家族がとても少ないことに気づいたという。榊氏によれば、研究でも日本を含む東アジアではスマホ依存の傾向が強い。その理由はまだ研究ではわかっていないとしたうえで、榊氏は、何かにはまりやすい性質があるのではないかと推測した。加えて日本では、周りを気にしすぎる傾向があると思うという。子どもが泣いたら迷惑をかけるのではないか、早く泣き止ませなければ、という感覚は、集団の和を重んじる日本人が抱きやすいのだろうと述べた。愛沢氏も、自分が楽をしたいからではなく、周りに迷惑をかけたくなくて見せている親が多い気がすると同意した。
だからこそ子育てを国民全体で捉える必要がある、と榊氏は言う。少子化の中で生まれた子どもは日本の宝であり、「泣くのが仕事なのだから泣いたっていい」と大らかに言える人が増えれば、電車の中で早く泣き止ませなければと焦ることもなくなる。
愛沢氏は旅行先での体験を紹介した。誰も子どもに画面を見せておらず、タクシーの運転手が子どもを抱っこして歌いながらあやしてくれた。その運転手が特別だったのではなく、そういう文化の国だったという。榊氏は、日本では運転手個人の人柄の問題だけでなく、コンプライアンスでがんじがらめの状況があると指摘した。仮に抱っこしようとすれば拒む親もいるだろうし、誘拐を心配する人もいる。親切心があっても言い出しにくい社会になっている。子育てについて、内と外の両方で互いに信頼し合える関係を築いていくことが、全体として求められているのだろうと榊氏は述べた。
TikTokとスロットの共通点
愛沢氏は、自分のスマホの使い方は比較的コントロールできていると思うが、TikTokだけは「敵」だという。目的もなく見てしまい、寝不足になる。
榊氏は、TikTokのようなショート動画は現在かなり問題視されていると述べ、脳の仕組みとしてはスロットに近いと説明した。スロットで777が揃いそうなとき、脳内ではドーパミンが放出される。これは「当たるかもしれない」という予測に対する放出である。同じように、次にスワイプしたら面白い動画や可愛い動画が出てくるかもしれない、という期待がある。スワイプはスロットのボタンを押す行為に似ている。そのため、スマホ依存というよりギャンブル依存に近い脳の反応が起きているのではないか、というのが榊氏の見方である。
しかも、すべての動画が面白いとかえってうまくいかないという。たまに面白いもの、たまにくだらないものが繰り返されることで、脳は次へ次へと進みたくなる。ずっと面白いだけではギャンブル性がない。「次は面白いかもしれない」と思わせることが重要で、提供する側はそれを細かく研究している。私たちはその裏側のアルゴリズムに無意識にコントロールされているので、ショート動画アプリはアンインストールするのがベストだと榊氏は言う。
目的を持って検索するならメリットもあるかもしれないが、という愛沢氏に対し、榊氏は、流し見は時間を溶かしているにすぎないと答えた。10代の若者がダンス動画を投稿して楽しむのはわかるが、無限スクロールで人生が潤った、幸せになったという話は聞いたことがない。一度始めると自分の意思とは関係なく続けさせられてしまうので、最初の1回をしないことが大事だという。愛沢氏は、おすすめではなくフォローしている人の投稿だけを見るのとはまた違う、と付け加えた。
作る側は子どもに使わせない:ジョブズの例と資本の流出
愛沢氏が、スティーブ・ジョブズが自分の子どもには携帯を使わせなかったという話を挙げると、榊氏はそこが恐ろしいところだと応じた。作る側は自分や自分の子どもには使わせず、学校でもデジタル学習よりリアルな自然体験をさせたりしている。作る側はわかっているのだという。榊氏は、資本主義のピラミッドの頂点にいる人々が支配層になり、依存させられてただ消費し続ける市民との格差が広がっていく。それがこれから訪れる、あるいはすでに訪れている現実ではないか、という見方を示した。
さらに榊氏は、多くのサービスはアメリカの巨大テック企業のもので、無料だと思われているが実際には広告費が支払われており、日本の資本がアメリカに、TikTokであれば中国に流れていると指摘した。それに加えて人々の心や脳が不健康になれば、長い目で見て生産性も下がる。国として良いことはない、と榊氏は述べた。理解すれば改善はできるのだから、そうした人々の思うがままになってたまるかと日本人に立ち上がってほしい、という。
今日からできること
最後に、今すぐできることとして榊氏が挙げたのは、まずスマホのホーム画面の片付けである。0歳から3歳の子どもには見せないほうがいい。今見せている家庭は、1日1分ずつでもいいので時間を減らしていくのが現実的な一歩だという。
周りの目が気になって泣いている子を黙らせるために見せてしまう場合はどうすればよいか。榊氏は、本人の性格にもよるとしたうえで、理想は堂々と泣かせておくことだと答えた。一人で戦うのはつらいが、すべての親が「泣かせておけばいい」という姿勢になれば、文句を言う人もだんだん減っていく。逆に、びくびくして早く泣き止ませようとする親が大多数になると、泣き止ませない親が責められるようになってしまう。みんなを助ける意味でも、一人ひとりが少し強い気持ちを持って堂々としておくことが大事だという。榊氏は「この子があなたの年金払うんですよって顔しときゃいい」と話した。
研究はまだ途上にある
榊氏は、本当は「使うな」ではなく、「こうすれば上手に使いこなせる」という具体的な方法を伝えたいと語った。しかしそれは非常に難しく、研究も途上にあるため、現段階で言えるのは「とにかく使わないのが一番」ということになってしまう。理想と現実の間を埋める研究、つまり具体的にどうすれば、どこまでなら大丈夫なのかを示す研究を、現在進めているという。
愛沢氏が、都市部と地方で環境が違う日本の実情に合ったマニュアルがほしいと求めると、榊氏は、まさに地域ごとにさまざまな事例を集め、何年かがかりでマニュアルを作ろうとしているところだと答えた。完成すれば紹介できるという。対談は、デジタルとの向き合い方は「どう生きるか」そのものに関わるテーマであり、続きを改めて聞きたい、という愛沢氏の言葉で締めくくられた。
スティーブ・ジョブズさんって、自分の子供たちには携帯を使わせなかったっていう。
スロットで、例えば777が揃いそうな時に、脳の中ではドーパミンと言われるものが放出される。その放出に対する予測、出るかもしれない。同じように、次スワイプしたら面白い動画が出るんじゃないか、可愛い動画が出るんじゃないかっていうところがあるし、スロットのボタンを押してることと似てるんですよ。なので特徴としては、スマホ依存というよりは、ギャンブル依存に近いような。
例えばスマホを見せて泣きやませるとか、例えば泣いてしまった時に迷惑かけるんじゃないか。脳の大部分、実に1/3に関して、発達が止まってしまっていたっていう結果が出ています。自分の感情制御の力が育たないっていうのは、やっぱり研究結果で出ています。
学力への影響っていうところは、どう関係がありますか? マルチタスクっていうのは、本当は良くないんです、脳にとっては。
これは完全に、親の習慣が子供に繋がるっていうのは、もう全てにおいてそうなんです。子供って、そんなに環境を選べないですから。そうなんですよね。
こんにちは。えみりです。lumilyでは、キャリアや妊娠、出産、お金、美容、育児などの情報を対談形式でお届けするYouTubeチャンネルになっております。専門家の意見や体験談を交えながら、視聴者の皆様と共に学んでいきましょうというチャンネルです。
今回はスマホ育児について伺っていきたいと思います。ゲストは榊浩平さんになります。どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。よろしくお願いいたします。先生、まず簡単にご経歴を教えていただきたいです。
私は、スマホの使用が子供たちの脳や学力に与える影響について研究をしております。主に脳科学が専門なんですけれども、最近は脳科学で得られた知見をもとに学校現場に赴いて、子供たちと実際に触れ合いながら実践研究も行っております。
実際に学校にも行かれてるんですか? 私、今2歳と0歳なので、もっとちょっとちっちゃいと思うんですけど、絶賛子育て中で、もうこのテーマ、スマホ育児、ど真ん中の話題です。
大変ですよね。気になってはいたんですよ。どうなのかなとか、皆さんどういうふうに活用されてるのかなとか。あと多分、視聴者の方もママの方だったり、これから出産を考えられてる方も多いと思うので、そういった視聴者の方にも、本日はスマホ育児ということで、スマホの使い方ですよね、色々伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。
先生の、こちら画像が出てると思うんですけど、『スマホはどこまで脳を壊すか』。この書がもうすごい爆売れ中ということで、すごい人気ですよね。多分、見かけたことがある方、多いと思うんですけれども、この本はどういった経緯で出版されたんですか?
結構怖いタイトルだと思うんですけれども。結構パンチがあります。どこまで脳を壊すか。
我々の研究所では、主に子供たちの脳のMRI画像を撮ったりだとか、あるいは仙台市教育委員会との共同研究で、毎年7万人の小中学生のビッグデータを集めてるんですね。その解析から明らかになってきた内容を、ぎゅぎゅっと濃縮してまとめた1冊になっています。
っていうことは、もうタイトルの通り、どこまで脳を壊すかだから、壊れるっていうことなんですか、スマホは?
読んでいただいてのお楽しみです。これはぜひ読んでみてほしいです。ちょっと衝撃的かもしれないですね。
そこで、スマホ育児もそうなんですけれども、まず自分がスマホをどのように使っているかっていうところを、改めて向き合っていきたいなっていうところで。先生の、まずスマホはどういった形ですか? 私もちょっとお見せします。
何もしてないです。この収録のために整理とかもしてないです。スマホのプロフェッショナルとかも、実際のところはどうなんだって、ちょっと気になりますよね。
こんな感じです。これは開いてますよね? 開いてます。ホーム画面です。ホーム画面ですよね。真っ黒です。開いてないです。消えてます。真っ黒の画面に、アイコンも黒いです。アイコンがないです。
iPhoneなんですけど、いわゆるドックと呼ばれる、下の4つアプリを収納できるところに、カレンダーと地図とSafariと設定の4つを置いています。
これが答えなんじゃないでしょうか。何も見えないです。そこまでされるんですね。
ここまで徹底しないと、スマホを作ってる側が、いかに触らせようかという観点で開発を行っているので、とにかくアプリを置かないが最適ですね。
少ないじゃない。しかも黒ですから。刺激なし。
おっしゃる通り、やっぱり色、特に赤とか黄色、信号機にも使われますけれども、人間の注意を強く引きつける色がアイコンに使われていたりするんですね。そうすると、無意識に用もないのにアイコンをタップしてしまって、そこから無限のSNSとかネット動画とかのループが始まるわけですね。きっかけを断ち切るためにも、白黒に刺激を下げるっていうのが最適解ですね。
そう思うと、YouTubeのサムネイルとかも赤とか多いですね。黄色とか。
これはもう理屈ではなくて、人間のDNAに刻まれている仕組みなので、それを人間の意思でどうにかできるわけではないので、システムの側で白黒にしてしまえというのが、一番早い、確実ですね。
これ、スマホ買う時に教えてほしいですね。初期設定ってこれですよっていうの。こっちの発信をもっと届けたいですね。使わないわけではないですもんね、スマホは。
もちろん私も使っていますし、あと誤解していただきたくないのが、アプリが4つしか入ってないわけではないです。ホーム画面にアイコンを4つしか置いていないだけで、アプリはきちっと裏側に入っています。起動する時にはアプリのアイコンではなく、アプリライブラリの検索窓から、起動したいアプリの名前を入れて起動する。
タップじゃないんですね。そうです。起動するまでめんどくせえなと思うようにすることによって、スマホを使いにくくする。これも仕組みですね。
なるほど。便利だから使ってしまうっていうことなんですね。
なので理想は、スマホを携帯電話に戻してあげるというのが最適解かなと思います。あくまで電話。あくまで電話。すごく分かりやすい。便利なものをちょっと不便にしてコントロールするっていうところ。そうです。便利すぎなんですよね。
この白黒ってできるんですね。できますよ。私、ちょっと見てもらっていいですか? 私、割と刺激弱め。私ね、結構ミニマリストだと思うんですよ。自分の中でも断捨離大好きで、常にアプリも消すんですよ。バックは白黒の。天気ですね、お天気になっていて、あとは終わりです。
少ない方だと思いますよね。まず全部じゃなくてもいいので、ホーム画面だけでもお片付けしてもらえるといいのかなと。4つとは言いませんけど、断捨離してもらえるといいんじゃないか。
多い方だと、どれぐらいあるんですか、このアプリの数。
アプリの数も何ページも用意していたり、あるいは、まとめて集約できたりするのを、ばーっと並んでる方もいらっしゃるので、そこは本当に千差万別だと思います。
まとめて綺麗にしてるからいいってわけではないですよね。仕分けの問題ではなくて、あることが良くないって。もちろん、整理しないよりはした方がいいと思いますけれども、消すが一番。消す。どうですか、皆さん? ご自身のスマホを見ていただいて、先生の真っ黒に、下のドックも黒。これが一番刺激がない。
ですね。せめてホーム画面だけでも片付ける。おすすめですね。電話にするっていうところですね。だって一番使いますからね、生きてく。スマホないと結構不安じゃないですか? 取りに帰ったりとか。お仕事でもちろん使ったりだとか、通信だったり。
そうですね。だからスマホがいい悪いって語れないですよね。機能があるから。今おっしゃったように、仕事で使うこともあるし、生活に不可欠な、例えば決済のアプリとかもあるわけじゃないですか。私も今日、仙台から来ましたけれども、新幹線、これでピッてやって乗ってきてるわけで、スマホがなかったらここ来れないわけじゃないですか。使い方次第。
使い方。うまく使って。これ、もう本当にお子さんいらっしゃる方は、そのまま見ていただきたいです。使われてる方、多いですもんね。中学生、早い方だと小学生からばりばり使ってますからね、今。そうです。親がカラフルなスマホだったら、同じようになりますもんね。
これは完全に、親の習慣が子供に繋がるっていうのは、もう全てにおいてそうなんです。実際、データとしても、親のスマホの時間と子供のスマホの時間、綺麗に相関します。
そうなんですか。親子って、そんなところまで似るんですか? はい。怖い。なので、親の背中で見せてくっていうのが大事ですね。
このスマホ育児、育児って結局自分の問題でもあると思うので、まず自分ですね。ご自身のスマホを今どういう感じか、ちょっと向き合っていただいて。今回のテーマなんですけど、スマホ育児、最近よく耳にするんですけど、そもそもどういった状態を指すのでしょうか?
スマホ育児ってざっくりとした名前で、特に学術的な定義があるわけではありません。一般的には、主に未就学児のお子さんに、例えばスマホを見せて泣きやませるとか、あるいは電車の中とかファミレスとかで、待ってる間ちょっとおとなしくさせるために見せるであるとか、あるいはお家で掃除機かける間、これ見といてとかをするために渡すとか。そういったものを包括的にスマホ育児って呼んでるような感じですかね。
スマホで教育をするっていうよりは、お母さんの大変な時間にスマホに頼るみたいな意味で使われてると思った。大体その意味で合ってます。確かに、例えば知育系のアプリでとかいうことを、スマホ育児っていうふうに呼ぶことは少ないかもしれないですね。
そうです。多分それは、皆さん同じ認識なのかなって思いつつも、実際に使われてる方、いらっしゃるんじゃないのかな。私もちょっと悩みますし。スマホ、日常の中で使いがちっていうところだと思うんですけども、昔はテレビがあって、今はスマホが問題視されて、何か違いはあるんですか? テレビ育児みたいなのもあったんですか?
ありました。実際、テレビが出てきた時代にも同じ議論がやっぱりあって、テレビを見させるのは良くないっていう話が、もう10年、20年前から議論されているんですね。確かにテレビも良くなかったではあるんですけれども、今のスマホに比べたら、まだましだったかなと正直思ってしまいます。
どこが違うのと言うと、まずハードから見ていくと、サイズが全然違うじゃないですか。テレビは、例えばリビングに置いてあったら持ち運べないけれども、スマホであればどこにでも持ち運べる。例えば家の中だけでも寝室にも持っていけるし、お手洗いにも持っていける。お風呂にも持っていける。やっぱり持ち運べることによって、使用時間は明らかに伸びましたよね。
時間が伸びてしまうっていうところが、スマホとテレビのまず違い。まずハードとしての違いですね。まとめると、携帯性が上がったということです。
より怖いのは中身ですよね。ソフト面。ここが大きく変わりました。テレビの場合には、番組表の通りに流れてきます。つまり終わりがあるんですね。1本、目当ての番組が終わったら、例えばCM挟んでニュース番組が始まったりする。子供たち、私もそうでしたけれども、大体そのタイミングで、お風呂入ってきなさいとか言われて、ちゃんと切れ目があったんですよね。
確かに。それがネット動画になると、1本見終わった先にはおすすめ動画が提示される。このおすすめ動画っていうのは、ユーザーの好みを学習するアルゴリズム、計算式というのが組まれていて、必ず見たがるものが出てくる。なんなら自動で再生されて、終わりがないんですね。次も見たい、次も見たい。気づいたら1時間、2時間、3時間、朝になったなんてことが起こってしまうのが、ネット動画の特徴ですね。ここだけでもテレビとスマホっていうのは明らかに違いますよね。
確かに、そうすると全然違いますね。極めつけは機能ですよね。テレビだったら映像しか出せないけれども、スマホには今のネット動画も入るし、ネットゲームも入るし、SNSも入るし。その機能がたくさんあるものを、実は手元で細かく切り替えながら使う。この頻繁な注意の切り替えというのが脳にとってはストレスになり、習慣化すると今度は1つのことに集中できなくなる、集中力の低下を招くことが言われています。これが機能性の罠ですね。ここも違うポイントです。
切り替えると脳はストレス。それで脳が発達するとかはないんですね。真逆です。脳は原則として、一度に1つのことにしか集中できないという性質があるんですね。なので一般的に言われるマルチタスクっていうのは、本当は良くないんです、脳にとっては。1個の仕事を処理したら次の仕事、1個処理したら次の仕事といくのが、実は脳にとっては一番効率がいい働き方なんですね。
マルチタスクができるって、かっこいい、すごいみたいなイメージがあるんですけど、脳にとっては良くないんですね。良くないです。実は厳密に言うと、人口の数%はマルチタスクができる脳を持っているらしいんですけれども、大半の、私含め凡人たちはできません。
マルチタスクしない方がいいんじゃない? しない方がいいです。1つ終わらせてまた次、テレビ式に行った方がいいですね。スマホ式にいろんなものを同時進行でしていくのは、脳に合ってない。合ってないです。
分かりやすい。そうなんですね。もう聞きたいことがありすぎる。怖くないですか? だって一番身近なことですからね。実際に、その脳への影響ってどういったものがあるんですか? スマホ育児での影響っていうのは。
まず脳の発達への悪影響として、小中学生の脳の発達を3年間追いかける研究っていうのがあるんですね。この研究で分かってきたのは、スマホを毎日使っていた子では、脳の大部分、実に1/3に関して、発達が止まってしまっていたっていう結果が出ています。
発達が止まってるんですか? はい。本来、成長期にある子供たちで、発達が止まるってあり得ないんですけれども、そういうことが実際起きているんですね。
3時間ですか? 1日3時間の使用ですか? 時間に関しては、3時間だからとか、ぱっとはっきり分かれるわけではありません。今回、使用頻度が高くて、ほぼ毎日使ってるっていう意味で申し上げてます。1時間でも毎日使ってたら、そんな可能性があるっていうこと。そう、可能性があります。恐ろしい。
やっぱり脳っていうのは、目で見えないじゃないですか。自分の発達が遅れてるなとか、そういったところは自分で見えない分、親がまずは注意をして、先生たちも含めてですけれど、周りの大人たちがサポートしていかないと、子供がいきなり自分だけでうまく使いこなすっていうのは、正直難しいんじゃないかなと思いますね。
影響受けないのかなと思ってしまったんですけど。両方受けます。当然受けますけれども、発達の矢印の向きが違うんですよね。子供たちは発達する上向きの矢印が発達しなくなって、今度、大人にとって必要なのは、衰えていくわけじゃないですか、衰えていく方を戻さなきゃいけないのに、どんどん衰える方に下げていくっていう方向で、矢印の向きが変わるだけで、両方とも影響はあります。
そうなると、確かに子供の方が分かりやすいかもしれないですね。発達してる中で、発達してない部分が出てくる。短期間で結果が得やすいのは、やっぱり子供たちだと思います。大人はこれから30年先の、例えば65歳を超えたあたりで認知症がどうなったかって、30年研究が必要じゃないですか。でも子供だったら3年間ぐらいで結構発達が進むので、普通発達する部分がしてないよねとか、分かりやすいですね。
分かりやすいですね。絶対見せたくないとかって思っちゃったんですけれども、今のは小学生の場合ですよね。逆にスマホ育児って、ママが自分が忙しくて、もう本当、0歳の赤ちゃんとか、うるさいからとりあえずアンパンマン見せるとか、YouTubeで気がついてくれそうな動画を見せるみたいな、そういうのも影響あるんですか?
特に未就学の方に入っていくと、より影響が大きくなりますよね。そういった依存物っていうのは、基本的に触れ始める年齢が若ければ若いほど悪影響が大きくなるわけなので、例えば0歳とかからもう見せていたら、危険だと思いますね。感情をコントロールする力が、自分でコントロールできなくなってしまうと、そのアンパンマンがないと泣きやむことができないっていう状態になってしまうんですよね。自分の感情制御の力が育たないっていうのは、やっぱり研究結果で出ています。
それは出てるんですね。ってなると、もう極力見せない方がいいんですか? 正直、見せないでほしいです。これ聞けて良かったです。まだ見せてないですか?
見せてたんですけど、やっぱり違う気がして見せなくしたんですよ。そしたらやっぱり見なくなったんですね。素晴らしい。ただ見せてた時期があって、依存しちゃったんですよ、その時。ブリッピーとか分かりますか? 海外の、何をやってるか分からないんですけど、ずっと海外のワクワクさん。
面白いカラフルな映像が、ただただひたすらずっと流れるっていうのにはまっちゃって、子供がそれがないと泣きやまない。何かあったら、ブリッピー、ブリッピーって言われて、楽だったんですよ。ブリッピーね、オッケー、見といて、で、私、何かできたりとか。ただ何か違うかもしれないと思って、一切やめたんですよ、意識的に。うるさくても、もうだったらうるさいままでいいやとか。今、全く見せてないです。
それは素晴らしいですね。まずそういった泣きやませるような、意味の分からない動画っていうのが、今どんどん増えてきてるんです。大人から見ると、これは何なんだみたいな動画をどんどん増やしてきてるのは、やっぱりそれを作ることによってビューが稼げるわけじゃないですか。それで儲かる。それが本当、大人としてどうなのかなと。それによって子供たちの発達を阻害してるとしたら、やってることは違ってるんじゃないかな。できればプラットフォームが規制してほしいなって問題としてはあります。やめられたんであれば、まだ依存してなかったってことだ。
半年弱ぐらいは。戦いがあったってことですか? 使ってました。使ってた期間。上の子ですね。下は全く見せてなくて、上はそうですね、半年弱で、全く見せないまでに2ヶ月ぐらいか。
やめられたのであれば、まだ良かったなと思います。本当に依存してしまうと、もうやめられない状態になってしまうので、まだ間に合うところだったのかなと。
良かったです。いろんな意見あるじゃないですか。やっぱりママ大変だから、ちょっとでもお助けグッズとして使うぐらいだったらいいですよみたいな、使い方ですよみたいな、寄り添い系の柔らかく言ってくださる方もいて、そっちを信じたい気持ちもあったりとかして。やっぱりはっきりおっしゃってくださる先生の思い、これはもう受け取りたいと思いました。
私もやっぱりリスクを負って今言ってます。やっぱりこう言ったら叩かれることも当然あるし、私だって取り上げたくないですよ。親御さんが大変なことは分かっているし、しょうがないことも分かるけれども、学者が正論を言わなくなったら終わりだなと思うので、リスクを負って言ってるわけですけれども。確かに知育系の何たらとか、こういういい影響もあるんじゃないか、分かりますよ。ただ足し引きした時に、マイナスが大きすぎる。リスクが大きすぎるので、やっぱり安全なのは、期待値が一番高まるのは、見せないことなのかなというのが、今言える限界ですね。
もう見せない。正直、見せない。見せなかったら依存ないですから。そうなんですよ。一番確実は見せない。あるから見せる。
この意見をはっきり言ってくださる方って、本当に素晴らしいと思いますし、母親の立場からすると、やっぱりしょうがないよって言ってもらえる方が心の支えになったりもするんですけれども、本当に子供のことを思ってるのってどっちなんだっていうのを考えた時に、やっぱりすごく貴重な意見というか、大切なことだと思うので、これも本当に皆さんに見ていただいて。そこから何を選択するかっていうのは、ご自身のいろんな考えがあると思うんですけれども、脳を研究されている先生からの意見だと、とっても分かりやすいです、シンプルに。
ちょっと質問なんですけれども、さっきお話があった中で、知育系の動画だったらいいんじゃないかとか思ってしまうんですけど、それも結局一緒っていうことですか?
これはもう分からないんですね。現時点でスマホが出てきて、いろんな知育アプリがあります。1つ1つ全部の知育アプリを調べて、これはオッケー、これがダメって、もう切りがないわけですよ。考えると、ダメなもの、リスクがあるんであれば、使わないのが理想なのかなと思いますっていうのが、まず全体の意見ですね。
そこからもう1歩進めていくと、1人1人影響って違うわけです。子供たちは違うので。なので、その1つの知育アプリを実際、我が子が使って、楽しそうにしてるな、依存せず、やめるよって言ったらやめられるねって言って、メリットはあってデメリットが少ないっていうふうに見れるんだったら、使い続けてもいいかなと思います。自分自身のお子さんを、ある種、言い方悪いけれども実験台と見なして、実際使わせてみてどうかなっていう反応を見るっていうことが、2段目としてできることかなと思いますね。
特に英語の音楽が流れてくるだけだったら、耳にいいんじゃないかとか思ったりもするんですけど、それもじゃあ使い方っていうことですか?
単に英語の音楽が流れてくるっていうだけであれば、それは確かに悪影響は少ないとは思うんですけど、それだけで済むのかなとか、そこから次のアプリ、次のアプリってなっていかないかなとか考え出すと、やっぱり切りがない。これがスマホの多機能性の怖いところですよね。止められるんだったら確かに悪影響は少ないけれども、じゃあ次、もっともっともっとってなるのがスマホの仕掛け。これは作ってる側が、そうしないと儲かんないから作ってるわけなんで、それに勝てる自信あるんですかってことですね。
だったら、そういう専門の英語の音楽しか流れないものを聞かせてる方がいいですね。スマホじゃなくて。腑に落ちました。確かにそれがきっかけで、スマホっていろんなところに飛べますもんね。そうなんです。そこが怖いですよね。
これ、確かにスマホの性質上すごいでしょ、仕掛けが。そうなんです。それだけ使うって意外と難しいかもしれない。だったら確かに遮断した方がいいかもしれない。すごく理解できました。次なんですけど、学力への影響っていうところは、どう関係がありますか?
やはりスマホの使用時間が長ければ長いほど成績は低いっていう結果が、我々も仙台市の研究で出ています。これが誤解されがちなのが、割とスマホをたくさん使ってる子っていうのは、勉強しないとか寝不足になっちゃってるせいで成績は低いんじゃないかなって思われがちなんですけれども、これも実は違うっていう研究結果が、もう出ているんですね。
実際、同じ時間勉強してる子たち同士を比べてみても、やはりスマホの長時間使用が学力に悪影響を与えている。平均してみると、スマホを3時間以上使ってる子たちの群においては、勉強時間が最大でも、ちゃんと寝ても、成績が平均を下回ってくるっていうデータも今出ています。それぐらいに直接影響を与えてる可能性が今高まっているっていうのが、研究の状況ですね。
脳もそうだし、学力にも出てくる。いいところが今のところないんですけど、やっぱり学力にも出るんですね。それこそ勉強の仕方では、スマホを使って勉強した方が学力が上がりそうとか思っちゃったりするんですけれども、そんなうまく使えないってことなんですかね?
あくまで平均しての話なので、先ほどの話と同じように、子供たち1人1人によって合ってる使い方は違うわけです。平均すると、やっぱりマイナスが勝ってしまうんですけれども、これ残酷な現実で、上の層、エリート層の子たちっていうのは、それこそうまく使いこなすことによって成績をどんどん上げていく。逆に残念ながら下の層の子たちっていうのは、うまく使いこなすことができないで、どんどん依存の方に行ってしまう。この格差の拡大っていうのが、実はこういったデジタル機器とか技術の課題、社会的な課題なんですよね。
これ、あんまり知らなかった。使い方の格差っていうのは、どういったところから生まれるんですか?
やはり上手にコントロールするっていうのは、まさに脳の前頭前野と言われる思考の中枢が行ってるものですね。いわゆる頭がいいっていうのは、そういった前頭前野が発達してる、機能が高いって意味だと思うんですけれども、そういったことが上手にコントロールできるっていう子たちは、自分で時間を決めて使っていたりとか、ネットゲームとかではなくて学習目的の方に上手に活用して使うっていうことができると、当然、学力っていうのは上がっていくわけですよね。
親が影響してるっていうことですか? 親がというか、親もでしょうね。親っていうのはあくまで環境の一部なので、ちっちゃいうちは環境イコール親みたいなところあるじゃないですか。そこから、例えば保育園に入ればお友達もいるし、保育園、幼稚園の先生たちも。そこから小学校、中学校、どんどん社会が広がっていくわけですよね。なので一概に全部親のせいとは言わないんですけど、そういった層も親の影響も受けつつ、お友達の影響も受けつつ、人格というのが形成されてくるかなとは思いますね。
環境っていうことですね。残酷って言ってる意味が分かります。子供って、そんなに環境を選べないですからね。そこには多分、ご両親の経済的なことだったり、子供が何か改善できることではなかったりしますからね。
理想と現実の折り合いは、やっぱり必要だなと思っています。あくまで今、私は理想論を極論として申し上げてはいますけれども、とはいえ無理じゃんっていう意見があることも重々承知なんですね。だから、こっち側の意見を聞いて、皆さんの現実とどうすり合わせてくれるのかっていうことを、この動画を通して、ぜひ自らの脳を使って考えてもらえるようなきっかけになればいいかなと思って、今申し上げてます。
環境、大事です。その中に確かに親もいて、スマホの使い方があって、そこが学力だったり脳に影響を与える。深いですね。そうなんですよ。深いんですよ。もう単純にスマホの使い方とかではないです。どう生きるかみたいな。まさにそう。どう生きるかなんです。どう生きるかの中に、どう使うかですね。
そうなんですよね。だから、どう生きるか、どうありたいかっていうことを、まず子供たちが自分で考えられるようになるまでは、できるだけ持たせないのがいいんじゃないかなと思うんです。そうでないと、自分で人生を選び取る前に、もうそういう状態に置かれてしまうわけじゃない。支配されてるかもしれないですね。
これは、徒競走で言えば、ものすごいハンディを背負ったところからスタートするみたいな状況になってしまうので、やっぱり自分っていうものが形成される幼少期は、できるだけ遠ざけるっていうのが、私は理想的な解なんじゃないかなと思いますね。
1日どれぐらいの時間であれば許容範囲と考えて良いのでしょうかっていうテーマがあるんですけれども、もうこれに関してはいかがでしょうか?
そうですね。これも人によるとしか言いようがないです。実際、依存の要件の中に時間っていうのは入ってないんですね。時間よりも、3つあるんですけれども、自分でコントロールができるかと。生活の中の優先度が上がりすぎてないか。3つ目が、実際に心身に悪影響が出てないか。この3点で判断されるんですけれども。
だから極論を言えば、1日10時間とか12時間、めっちゃ使ってるけれどもコントロールして使ってるよとか、仕事で使ってる方とか、まさにそうだと思うんですけれども、別に依存せずにぱっとやめられるよとか、ちゃんと寝る時間になったら寝られるよとか、健康ですよっていうんだったら、別に問題はないし。1時間であっても、すっごい依存してますとか、実際に心身に悪影響が出てます、だったら依存が疑われるってことになるので。
時間をあんまり気にしすぎると、もうそればっかりになっちゃって、1時間過ぎたらダメとか喧嘩になったりするんで、あんまりそこは囚われすぎない方がいいかなと思いますね。
本質的じゃないのかもしれないですね、時間で区切るって。なんで時間が大切なのかっていうところを考えたりとか、話し合う方がよっぽど大切かもしれないです。そうですね。
ただ1つ、学校とか集団で何かルールを決めてやろうね、そういった時間っていうのは分かりやすい目安になるので、それ自体を否定するわけではないです。あくまで目安として、じゃあ1時間にしようねとか、2時間にしようねとか、そういったことを目標として掲げる分には構わないと思うんですけれども、個別で捉えていった時に、じゃあ1時間1分ならダメなのかとか言われると、そんなわけないじゃないですか。なのでそこは、臨機応変に柔軟にやっていくことが大事かなと思いますね。
確かに。じゃあ10時間使って、それをプラスにできる方であったら、うまく使ってるっていうことですね。
よく言われるのが、例えばプログラマーになりたい人まで制限するのかとか、eスポーツプレイヤーはどうなんだっていう人いますけど、それは仕事ですから、別にコントロールして使いこなしてるんだったら、いいんじゃないですかというわけじゃないですか。時間だけで囚われると、そうやって変な意見になっていってしまうので、そこは本当に個別のケースによってちゃんと考えて使う。あくまで道具なので、ここはやっぱり考えて使うのが大事かなと思います。
となると、育児に関しては親が気をつければいいですけれども、小学生のスマホは結構危ないですね。そこまで考えられるのか。難易度高いなって思いました。難易度高いです。いつスマホを渡すのかって悩まれてる方も多くて、防犯面で役に立つとか、いろんないい面もあると思うんですけれども、難しいですね。
難しいですね。その持たせる時期は、まず全体の目安としてはできるだけ。今おっしゃったセキュリティの面に関しては、やっぱりどうしても必要だと思うんです。特にこれは地域によっても違いますよね。都内だったりとか、あるいは地方だったりとかで考えると、そのセキュリティ目的だけのスマホを持たせることは、全然私は反対しないです。明確な目的を持っているわけなので、そこは柔軟に使い方として切り分けてもらえればいいのかなと思いますね。
確かに、本当に難しい。でも、自分で考えられるって、結構大人でも難しいですからね。
結局、問題の本質のところにあるのって、親にそういう考える余裕だとか時間がないってことだと思うんです。これは親御さんが悪いわけじゃなくて、社会がそうさせているっていう状況が、私は介入すべき本丸だと思うんですね。って考えると、親御さんにスマホ育児をやめろっていうのは、私は絶対言いたくない。だってしょうがないから。
そうではなくて、スマホに頼らないと子育てができないような社会を作ってしまった政治や行政に、本来は言うべき話なんですね。なので親御さんも、今のこの話を聞いて、私できてないわとか落ち込まないでほしい。そこで一念発起して、例えば政治の方にアピールしていくとか、投票行動もそうだろうし、なんなら自分で選挙に出るでもいいかもしれないし。やっぱり子育てにもうちょっと予算をちゃんと割いてくれっていう方に怒りの矛先を向けていかないと、全部親が悪い、親が悪いってなっちゃうと、私はどんどん悪い方向に行くと思うんですよね。そこはやっぱり、怒りの矛先は間違えないでいてもらいたいですね。
確かに、この環境がそうさせてるのもありますし、なかなか都内だと頼る人がいないとか、昔だったら親戚、家族とか、頼れる大人がもう少しいたからスマホに頼らなくても済んだ。スマホなかったですし、そもそも大人いっぱいいたでしょうって。少子化の問題も昔とは違いますからね。確かに一概には言えないと思うんですけれども、スマホのデメリットだったり機能面ですね、理解するってことがまず大事な気がしました。
当たり前にあるので、当たり前に、今後生まれてくる子供にも見せちゃったりとかしてると思うので。見せちゃってるっていう感覚はあると思うんですよね。もうどうぞ自由に見てくださいみたいな親は、まだ少ないと思うんですよ、やっぱり。何かモヤモヤを抱えながら、しょうがなく使ってる方が多いと思うので、なかなか全てを解決するって難しいと思うんですけれども、話を伺うだけでも、ちょっと考えて行動を変えるっていうことはできそうな気がするので。
ほんのちょこっと毎日変わるだけで、特に発達過程のお子さんの状態、すごく変わってくると思うので、意識の問題と言いますか、理解するっていうところは、ちょっと伝えたいですね。
まさにおっしゃる通りで、まずは知るところからがスタートだと思うので、この動画がきっかけになって、できる範囲で、今日はここ気をつけてみようかなとか、ちょっと頭の片隅に入れてもらうだけでも、その小さな積み重ねが大きな変化に繋がっていくと思うので、あまり気負わずに。
そうですね。まずできるところから。環境も違いますね、家庭によって。でもそれで言うと、私のママ友も結構分かれますね。もう絶対に見せないっていうママもいます。絶対見せたくないから、友達の中で遊んでると見せてるママがいると、見せない子供もちょっと興味があって見ようとするから、うち見せてないから見せないでっていう会話があったりとか。うちはもう全然気にせず見せちゃってるっていうママもいたりとか、いろんな考えがあると思うんですけれども、見せないでいるママ、すごいなと思いました、今。すごい考えてるなと思いました。そんなにするって思った時もあったんですけど。
ただ、今登場してきた見せてる側のお母さんも、何かを考えてそうしてるのかもしれないです。そうですね。考えを持ってだったら、先ほど先生の話で、使い方の部分になると思うので、一概に悪いわけではない。一番悪いのは何も考えず、ただ見させてる。そう。まずそういう人たちに考えるきっかけになって。
ちなみに、そしたら大きいタブレットとかも一緒っていうことですよね。よく子供用の、こういう大きめのタブレットとかあるんですよね。一緒っていうことです、ほぼ。持ち運べる分、スマホの方が悪影響は大きくなりますけれども、本質的には大きくは変わらないですね。
それ買うか悩んだんですよ。でも悩むっていうことが大事だったんだなって思いました。まさに、生物学的な何か第六感が働きましたね。多分これ、ずっとこれに頼るんじゃないか、私は、みたいな。しかも大画面だし。
買ってみた後にブレーキを踏めるかどうかも大事だとは思うんですけれども、まずはやっぱり買わないのが理想ではありますよね。考えなくて済むので、それ以上。
これ、もう私の実感なんですけれども、日本だと、この大きいタブレットを持ち込んでるママ、結構多いなって思って、私もいいなと思ったんですけど、海外に行った時に、大きいタブレットとか見せてるご家族、すごい少ないなと思って。それが一番考えるきっかけになって。国によっても違うんですか?
そうですね。やっぱり文化差はあって、特に東アジア、日本を含む東アジアは、スマホ依存とかの傾向は多いかなと思いますね、研究としても。
どういった理由があるんですか? ここはまだ研究で分かってはいないんですけれども、やっぱり何かにはまりやすい性質があるんだろうなとは思うんですよね。あと日本で言うと、やっぱり周りを気にしすぎるっていうのがあると思うんです。例えば泣いてしまった時に、迷惑かけるんじゃないか、早く泣きやませなきゃみたいな感覚っていうのは、そういった集団の和を重んじる日本人は抱きやすいんだろうなっていうところは感じますよね。
結構これ、納得しちゃいます。それある気がします。必ずしも自分が楽になりたいとかではなくて、周りに迷惑かけるから見せてるみたいなママも多い気がします。
そうなんですよ。だからこそ、子育てということを日本国民全体で捉えていかなければならない。少子化の世の中において、生まれてきた子供って、親だけではなくて日本にとって宝なわけだから。泣いたっていいじゃん、泣くの仕事じゃんって、大らかに、にこやかに言えるような国民が増えていけば、電車の中で早く泣きやませなきゃなんてことは起こらないわけじゃないですか。親だけの責任じゃないんですよ、やっぱり。
やっぱりそうですね。じゃあ、あながち海外で見せてなかったのは、合ってたんですね。そうなれたら理想ですよね。別に泣いたっていいじゃんって、元気だねって。
タイに行った時とか、全然誰も見せてなくて、もうみんな抱っこしてくれるんですよ。その辺のタクシーの運転手さんとかも。タクシーの運転手さんだったらベビーカーを下ろしてくれるとか、日本でもあると思うんですけど、タクシーの運転手さんとかも普通に抱っこまでしてくれて、あやしてくれてて、歌いながらこんな揺れて、一周回ってくるみたいな。
それ素敵ですね。そのタクシーが特別とかではなくて、そういう文化とか、そういう国でした。これ日本じゃ絶対無理ですよね。早く降りろみたいに言われますからね。
多分、タクシーの運転手さん自身のそういったパーソナリティだけではなくて、今、コンプライアンスでがんじがらめじゃないですか。だから仮に抱っこでもしようものなら、やめてくださいみたいな親だっていると思うんですよね。そういった面で、なかなか親切心がある人でも、代わりに抱っこしてあげようかなんてことが言いにくい社会になってしまってる。
それこそ誘拐されるんじゃないかとか、やっぱりそういったところも含めて、子育てに対しての視点が、外野もそうだけれども内野も、両方の面でお互い信頼し合えるような関係性を育んでいくっていうことが、全体としては求められてるんだろうなと思いますよね。
大きな問題の中にスマホ育児っていうものがあるんだなっていうのを聞くと、本当にちょっと大きな問題が、深いですね。
考えると大きいですけど、日常の中で理解をするっていうところを改めて感じました。すごい神回並みに色々伺えたと、全てが納得してしまったんですけれども、都市伝説みたいになってると思います。ママの中では、「スマホ見せてる?」みたいな結構話。「どう見せて、どれぐらい?」とか、「いいよね」とか、「あのママ全く見せてないらしいよ。すごくない?」とか。「でもやっぱ見せない方がいいよね」みたいな。都市伝説のような感じで。
まだ話題になってること自体はとても望ましいかなとは思います。本当に数年前だったら、全く何も考えないよっていう人は、もしかしたら多数だったかもしれない。それがやっぱりこういう情報発信も増えていった中で、話すっていうことがもう日常になってるっていう傾向自体はいいことだと思いますね。
確かに今の方が話しますね。上の子、3歳になるんですけど、質問も多いです。「お子さんにスマホ見せてますか?」とか。気になってる方が、本当は良くないんじゃないか、多分頭のどこかでは感じてる方がやっぱり多いんじゃないのかなとも思いましたし、あとは付き合い方ですね。難しいですね、これは。
そうなんですよね。理想は「使うな」じゃなくて、「上手に使いこなすにはこうこうこうしたらいいですよ」っていうことを色々言いたいんです、私だって。でもそこはやっぱりあまりに難しいので、研究も途上でもありますんで、まず現段階で言えることは、とにかく使わないのが一番ですよっていうふうになっちゃってるんで。ここは私もこれから具体的に、じゃあどうやったら、どこまでだったらオッケーなのかみたいな、理想と現実の合間を埋めていく研究っていうのを、今現在進行形で頑張って。
先生、頑張ってください。そのマニュアルが欲しいです。
ですよね。それを。
しかも日本版ですよね。この今の日本に、都内だったり地方によっても違うと思うので、そこの環境によってまた使い方変わってくるので、ピンポイントであるとすごく助かる気がする。
おっしゃる通りです。本当、地域ごとにいろんな事例を集めて、マニュアルをまさに今、何年かがかりで作ろうとしているので、そこが成立した暁には紹介できるかなと。
待ってます。その頃にはもしかしたら、私の子供はもうど真ん中の小学生とかになってるかもしれないので、もっとちゃんと私も向き合う必要があるなと思いましたし。でもとはいえ、まずは自分ですよね。自分がどう使ってるかっていうところを、結構これ考えますね。私、少ない方だと思ってたんですけれども、でもちゃんとコントロールできて、仕事で使えてるなっていうのはあるの。あと、もう心身にそんなにストレスもなく、よく使えてるなって思うので、いい使い方かなと思うんですけど、やっぱTikTokですね。私、一番ストレスに感じるのは。私の中の敵です。寝不足になるんですよ。しかも何を見たいとか目的がないです。
このTikTokのようなショート動画っていうのは、今相当問題視されています。脳の仕組みとしては、近いのはスロットですね。スロットで例えば777が揃いそうな時に、脳の中ではドーパミンと言われるものが放出される。その放出に対する予測です。当たるかもしれない。同じように、次スワイプしたら面白い動画出るんじゃないか、可愛い動画出るんじゃないかっていうところがあるし、スロットのボタンを押してることと似てるんですよね。なので特徴としては、スマホ依存というよりは、ギャンブル依存に近いような脳の反応が起こってるんじゃないかっていうのが私の見方ですね。
ギャンブルの方の依存だったんですね。
はい。これは上手にできてるのが、全部面白いとダメなんですよ。たまに面白いの、たまにしょうもないのみたいのが繰り返されることによって、脳っていうのは次へ次へってやりたくなるんですよ。
ずっと面白いだけだと飽きちゃうんですか?
ギャンブル要素がないじゃないですか。次は面白いかも、次は面白いかもって思うことが実は大事で、そういったことをものすごい事細かく彼らは研究しているわけですよね。そういった裏側のアルゴリズムによって我々、無意識にコントロールされているわけなので、怒られるかもしれないけれども、ショート動画のアプリはアンインストールがベストですね。
目的を持って検索するとかになったら、分かりやすいですよね。動画も短いですし、端的に映像で伝わってくるので、メリットもあるかもしれないですけど、流し見しちゃったらもうギャンブルと一緒ってことですね。
はい。まさに時間を溶かしてるに過ぎないんで。TikTokのおかげで人生潤いましたって、あんまり私、会った中で聞いたことがなくて。例えば若い10代の子たちがダンス上げたりとかして楽しんでるとかっていうのは分かるんです。だから、この無限スクロールによって幸せになったって話って聞いたことがないですよね。だったらやっぱやめた方がいいよねってなるんです。
確かに無限スクロールで幸せになった、私も聞いたことないですね。
一回やっちゃうと、もう自分の意思とか関係なくさせられちゃうので、まず一回目をしないことが大事ですね。
おすすめ行かない方がいいですね。フォローしてる人を見るとまた違いますからね。一個思い出したのが、スティーブ・ジョブズさんって自分の子供たちには携帯使わせなかったって、多分有名だと思うんですけれども。そういうことですか?
はい。そうなんですよね。これが恐ろしいところで、作ってる側は、自分とか自分の子供でそういうのを使わせないで、例えば学校とかでもそういったデジタルの学習よりもリアルな自然体験をさせてあげたりとか。やっぱり作ってる側は分かってるんですよね。だからそういった、ある種社会の構造的に言うとピラミッドの頂点にいるような、資本主義における頂点にいるような人たちが支配層になり、これから依存させられて、もうただただ消費し続けるだけの市民、その間の格差が拡大していくのが、おそらくこれから訪れる、すでに訪れているような現実なんじゃないかというふうに思いますね。
現実ですね。残酷とも言えるかもしれないですし、ただ理解すると改善はできますからね。
そうですね。だからそういう人たちの思うがままになってたまるかと、日本人立ち上がってほしいですよね。
たまるかと。
はい。基本的にアメリカのビッグテック企業が多いわけですね。そういったものを使うことによって、みんな無料だと思ってますけど違いますからね。これ広告費が支払われているわけなので、日本の資本がアメリカに流れてます。TikTokだったら中国に流れているわけですから、海外に日本の大切な富が流れている。加えて皆さんの心や脳が不健康になっていくって考えると、自分自身の生産性も長い目で見たら低下するわけじゃないですか。いいことないっすよね、国として。
確かに。
それぐらい大きいことだと思うんですよね、私は。
そうですね。でも便利は便利ですからね。
活用はしてもらって構わないと思うんですけど。
いや、すごいな。考えてる人ってすごいんですね。当たり前ですけど。
一応専門でやってますんで。
すごくモヤモヤがすっきりしましたし、多分皆さん一回整理するんじゃないですか。
ですね。まずそれを今すぐできますからね。この動画終わった瞬間から。
一番やることは、まずスマホだけでいいですか? 手軽なスマホのホーム画面の片付けから。
そうです。片付けからもそうですし、特に0歳、1歳、2歳、3歳だと、もう見せない方がいいですね。分かりやすく言うと。今現時点で見せてらっしゃる方は、もうちょっとずつでも、一日一分ずつでもいいから時間を減らしていくっていうところが。
いや、分かりやすいです。なくてもなんとかなりますから。周りを気にしてっていうのもあるので、そういった場合どうしたらいいんですか? 先生に聞く話じゃないかもしれないんですけど、周りがやっぱり気になって、泣いてるのを黙らせようと思って見せるみたいな、そういうシーンの時は。
その場合、まずその方のパーソナリティにもよるとは思うんですけれども、理想は別に堂々と泣かしとくだと思うんですね。これが一人で戦ってると辛いじゃないですか。でも全てのお父さんお母さんが同じ思いで、別に泣かせとけばいいじゃないってなれば、もうだんだん言ってくる人も逆に減ってくると思うんですよね。そこでビクビクして、早く泣きやませなってやってる人が大多数になると、逆に泣きやませない奴らが、なんで泣きやませんんだってなっちゃうわけです。やっぱそこはみんなを助ける意味でも、一人一人がちょっと強い気持ちを持って堂々としておく。親が堂々としておくのが大事。
親が堂々としておく。子供、宝ですからね。
そう。「この子があなたの年金払うんですよ」って顔しときゃいい。
目的が周りってなってしまうの、一番もったいないなと思ったので。堂々とする。先生からのお言葉ですごい勇気もらえますね、これ。また。ありがとうございました。
実践編からスマホの性質だったり、脳にどう影響を与えるか、発達にどう影響を与えるかっていうところも、ちゃんとしっかりとお話しいただけたので、めちゃくちゃ勉強になりました。使い方改めようと皆さんも思われたと思うので、まずこのきっかけが大事だと思うので、本当に。そして本日はありがとうございました。
忙しい。ちょっとまた第二弾で、今回ちょっとスマホ育児、色々スマホの使い方にもお話伺ったんですけど、もうちょっと色々伺いたいですね。このデジタルとの向き合い方。
はい。結構大きい話ですからね、これ。
切っても切り離せないですからね。
はい。教育そのものって感じがしますね。
そうですね。本当どう生きるかっていう、今の現代社会には切り離せないので、ちょっとまたお時間ある際、ご失礼します。ありがとうございました。
ありがとうございました。
本日のゲストの榊浩平さんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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