fonfunを「買う側」から立て直す――水口翼が語るTOB後の経営、キャッシュの見方、変化のつくり方
MAKE IT NEXTサイブリッジグループ創業者で、株式会社fonfun代表取締役社長の水口翼が、ナビゲーターのSean Kawakamiと対談した後編である。2023年に上場企業fonfunをTOBで取得し、社長として経営に入った経緯を出発点に、「上場企業を再生する経営者」としての自己認識、他人資本を使わずに成長してきた理由、リスナーからの相談への回答、そして停滞を感じる人や経営者へ向けた「変化は自分でしかつくれない」という考えまでが語られた。
「伸ばす会社」ではなく「潰れない会社」から始まった
水口は、起業の動機を「家族を養って食べていくための手段」だったと説明する。会社を大きくしたい、叶えたいビジョンがある、という出発点ではなかった。重視したのは、どうすれば水口家を安定して食べさせていけるか、どうすれば会社が潰れないかという点だったという。この姿勢は、後半で語られるキャッシュの見方や、他人資本を使わない成長のしかたにもつながっていく。
社外役員からTOBへ:fonfun取得の経緯
公開会社へのTOBは2023年、対象はfonfunである。Kawakamiが比較的スムーズだったのかと尋ねると、水口は、もともと同社の社外役員を務めていた経緯があり、会社側ときちんと対話したうえで自分が経営を担う形になったと答えた。
この話題からKawakamiは、日本と海外で「法人とは何か」「会社は誰のものか」の考え方が異なるという議論に触れた。Kawakamiの整理では、アングロサクソン的な考え方では、会社は10年国債の利回りより多くを稼ぎ出す装置であり、そこに株主が集まってオーナーシップを持ち、経営者が旗を振って実際に経営を回す、という役割分担が経済の参加者に共有されている。一方、日本では法人としての人格のほうが大きく見える、とKawakamiは述べる。それが良いか悪いかは別の議論だとしたうえで、水口はM&Aを通じて、日本における企業のあり方や企業価値が誰のものかを30代後半に肌で感じたという。
時価総額10億円、利益ほぼゼロの会社に社長として入る
水口によれば、TOB当時のfonfunは時価総額10億円、売上6億円で、利益はほとんど出ていない会社だった。
水口は、コンサルタントとして外から入っても会社は話を聞いてくれないし、コンサルタントに言われて良くなる会社なら最初から良くなっている、と考えている。もともとうまくいっている会社なら、外部の良いエッセンスを取り込んでさらに伸びることもできる。だが、そうでない会社では、自分も一緒に働いて背中を見せなければ、会社も組織も顧客も変えられない。水口はこれを学習塾にたとえ、補習塾か進学塾かの違いがあるかもしれないと付け加えた。
そこで水口は社長として会社に入り、朝から晩まで社員と一緒に働いた。ただし既存事業は市場から評価されておらず、売上も横ばいが続いていた。そのため、自身がそれまで取り組んできたM&Aを活用し、fonfunでも3年間で11件のM&Aを実施したという。グループ全体の会社数を問われると、M&A後に合併や統合も行っているため、すぐには数字が出てこないと答えている。
「何屋か」を再定義する:メール/SMSからDXへ
fonfun再生の中身として水口が挙げたのが、会社の定義を変えたことだ。fonfunはもともと「リモートメール」というメールサービスと、ショートメッセージの配信サービスを手がけていた。しかし水口は、買収時点でそのままでは会社が大きくならないと判断し、会社の定義をデジタルトランスフォーメーション(DX)の会社に変えた。そのうえで、DXの領域で付加価値を提供できる事業をM&Aで取り込み、業績と株価を上げたという。
この話は、後で触れるリスナー質問への回答の中で出てきたもので、Kawakamiが番組で繰り返し語っている「自分の会社は何屋なのかを再定義する」という考え方と重なる例として語られた。
自分は「経営者」である:株価、実業、IR
Kawakamiは、今の水口は経営者なのか、投資家なのか、あるいはアクティビストやターンアラウンドマネージャーなのか、と自己認識を尋ねた。水口の答えは「基本的には経営者」である。上場会社は金融商品でもあり、短期的には実業と関係のないところで株価が動くこともある。それでも、会社は実業として売上と利益を出さなければ持続性がない、というのが水口の考えだ。
ただし、いい事業をしていれば株価が正当に評価されるとも限らない。Kawakamiはここで、日本企業はIRが苦手だと指摘する。Kawakamiの見方では、日本では上場が大学の入試合格のように「ゴール」になりがちで、比較的低いところから上場し、その後にIRと事業づくりで伸びていく欧米(Kawakamiが例に挙げたのはNASDAQ)とは逆になっている。水口は、上場は本来スタートラインであり、自分がしているのは、上場後に大きくなるはずがうまくいかなかった会社を、上場会社のまま再生のために買うことだと位置づけた。
他人のお金を預からずに成長してきた理由
ファンドマネージャーとして他人の資金を預かって運用しないか、という話もあるのではないかとKawakamiが尋ねると、水口は「ある」としたうえで、fonfunを買って上場会社の経営に入るまで、他人のお金を預かったことは一度もないと明かした。
Kawakamiはこの点を高く評価する。稼ぐエンジンを自分の中に持ち、レバレッジをかけて借り入れたり他人資本を集めて膨らませたりせず、自分の手元のキャッシュの範囲でM&Aを重ねて成長している、それを43歳の経営者がやっていることが頼もしい、という。
金融技術を駆使したほうがいいのではないか、という問いに対し、水口は次のように説明した。資本主義の中でお金はツールとして最も力が強いものだと思っている。しかし自分はお金を増やすことを目的に起業したわけでも、そこに志向があるわけでもない。他人の大事なお金を預かり、その責任のもとで増やすことは自分がやりたいことではない。水口家を安定させるためには、より多くの自己資金でチャレンジしたほうがいい、という考えである。
人生で本当にやりたいことは「まだ見つかっていない」
Kawakamiが冗談まじりに「どれだけ大きくなるのか」と聞くと、水口は、人生で本当にやりたいことはまだ見つかっていないと答えた。子どもを育てて幸せにすることはもちろんあるが、熱いビジョンを持って起業したわけではない。19歳前後のころ、妻のお腹に命が宿り、それを守っていくと決めた。その覚悟に比べると、人生で他にやりたいことはなかなか見つからないという。
それでも、本当にやりたいことが見つかったときに挑戦できるよう、人・モノ・金のうちお金がより多くあったほうが挑戦の可能性が高まる。だから今はしっかり事業をしておきたい、と水口は話す。
Kawakamiはこれを、まだ横に広げていく「発散」のステージだと解釈した。40代後半から50代前半あたりで「これだ」と思えるものが見つかれば、そこに全振りすればいい、という読み方である。
これに対して水口は、発散とはいえ今は上場会社の経営者であり、少数株主を含むさまざまな株主の大切な財産を預かっている立場だと述べ、その責任を感じていると付け加えた。ベンチャーなら知り合いからしか資金調達しないが、上場会社の株主は顔も名前も知らない人たちで、株式が売買されることで会社の価値が担保されている。そうした株主に直接会えないのが本当に残念だという。Kawakamiはここから、たまにホテルに株主を集めるのではなく、オンラインで社長に一問一答できるような、もっと近い関係の「新しいIR」があるといいと提案した。決められた原稿を国会の予算委員会のように読むのではなく、もう少し会話の調子があってもいい、というのがKawakamiの意見である。
リスナー質問①:受託中心の製造業はストック型に移れるか
最初のリスナー質問は、静岡で製造業を営む52歳の2代目社長からのものだ。父から継いだ会社で、大口取引先からの受託が売上の7割を占める。人を増やさないと売上が伸びず、利益も薄いままだという。水口の言う「フロー型からストック型へ」とはどういう意味か、そう考えるようになったきっかけは何か、という問いである。
水口はまず、フロー型とストック型をシンプルに「1回しかお金が入ってこない商売」と「継続して入ってくる商売」と説明した。きっかけについては、起業したときから毎月どうやってお金が入ってくるかを考えていたと答える。
ただし水口はこれを「バランス」の問題だとも強調した。ストック型で大きなお金が次々入ってくるビジネスは簡単にはつくれない。一方、たとえば受託開発のようなフロー型は、1回で大きなお金が入る。水口自身も受託開発をずっと手がけてきており、今も続けていて、今でもきちんと利益が取れると考えている。そのうえで、受託開発のメンバーや自分自身が、ストック収入になるインターネットビジネスをつくっては捨て、試行錯誤を重ねた。その中のいくつかがヒットし、20年以上続いている求人サイトや各種メディアになったという。今はゼロからつくるより買うほうが収益手段として早いのでM&Aで増やしているが、要点は「当たるまでやり続けられるか」だと水口はまとめた。
Kawakamiは、ソフトウェアやオンラインの事業ならフローとストックの考え方は比較的なじみやすいが、製造業や建築業では「ストックと言われても」と頭に疑問符が浮かぶだろうと指摘する。考えている間にも受注をこなさなければ食べていけず、価格競争の中でさらに厳しい回転に入っていく。会議で「ストック型をやりましょう」と言われても、どうすればいいのか、という状況である。水口は、できないわけではなく、これも経営の覚悟の問題だと答えた。
Kawakamiは、削りや曲げといった加工を手がけるある製造業の会社の例を紹介した。自社で加工部品をつくるだけでなく、他社の部品と組み合わせて納める場面が多いことに着目し、さまざまな部品メーカーが参加するプラットフォームをつくってストック型に移ったという。企業とのネットワークもでき、短時間での納品サービスも組み合わせている。Kawakamiはこれを見事な発想だと評価した。
水口は、それはもはや製造業ではなくプラットフォームビジネスだと応じ、製造業でストックをつくるなら、上流に入るようなものでなければなかなか厳しいと述べた。強みや知識を持っている業界の中でどんなビジネスができるか、周辺も含めて常にアンテナを張る必要がある、という。
Kawakamiはここで、自分の会社は花札屋なのか総合娯楽産業なのか、カメラのフィルム屋なのか光技術の会社なのか、と問い直すことで、いきなりストック型にはならなくてもストックの芽が見えるかもしれないと話した。前述のfonfunのDXへの再定義は、水口がこの文脈で挙げた自社の例である。Kawakamiはさらに、長く中にいる人には見えないので、こうしたブレストには外部の人を入れたほうがいいと提案し、「御社は製造業だがネットワークを持っている」と外から指摘されるような場面を想定した。
リスナー質問②:初めてのM&Aは何から手をつけるか
2つ目の質問は、IT企業で経営企画を担当する38歳の人物からだ。会社として初めてM&Aを検討しているが、社内に経験者がいない。何を基準に対象を選び、買った後にどう伸ばすのかが見えない。最初に押さえるべきことは何か、という問いである。
水口が一番大事だと答えたのは「お金の流れ」だった。お金が何によって入ってきて、何に出ていくのかを把握する。水口は「入ってくるお金よりも使うお金が少なければ、商売は絶対に潰れない」と言う。支払いサイトや前払いなど、お金にはさまざまな要素があるが、それを分解し、その商売がお金の流れとして本当に儲かっているのかを把握することが重要だという。
Kawakamiはこれを補強し、日本の経営者は損益計算書が好きすぎると話した。営業利益も当期純利益も出ているというが、問題はキャッシュがどれだけ動き、どれだけあるかだ、という。Kawakamiはりんごの例を挙げる。1個100円で10個仕入れ、200円で売る。原価は100円で利益は100円だ、と答える人に対し、「最初に仕入れた分のキャッシュはどこへ行ったのか」と問う。原価も固定費もクリアして利益も出ているのに、なぜキャッシュがないのか、という相談が実際にあり、貸借対照表の固定資産などがあまり見られていない、というのがKawakamiの指摘である。
水口は、会計の仕組みで大枠は見られるが、日々の商売の中で何が起きているかを解像度高く理解することが必要だと述べた。そして次のポイントとして、それを社内の人たちがどこまで理解しているかが重要になると続けた。
会社は「バス」:運転手は誰で、誰が乗っているのか
Kawakamiは、起業は思いのある人がやればいいが、従業員を雇った瞬間に運転免許のようなものが必要ではないかとまで言う。少なくとも財務諸表がどう動いているか、会社にどんなお金が回っているかを把握する責任がある。売上はあるのに月末の支払いができない、という会社が実際にある、とKawakamiは話した。水口は、みんな難しく考えすぎていて、本当は手元の財布にお金が入ってきて出ていくときどうなっているか、というだけの話だと応じた。
Kawakamiは、会社を運転するには従業員が後部座席に乗っていると言い、水口は「バスですもんね」と返した。ここから2人は会社をバスにたとえて話を進める。
水口は、お金の次は「人」だとし、バスの中にどんな人が乗っているのかを把握できていない会社が多いと指摘した。Kawakamiは、社長がハンドルを握って前だけ見ていてもだめで、ときには参謀に運転を任せて後ろの席に行き、皆が何を考えているのか、なぜこちらに向かうのか、それでいいと思うかを話す必要があると述べた。
水口は、M&Aの場合は運転手である社長がいなくなるケースもあると付け加える。社長が残り続けるならいいが、そうでなければ、他のメンバーが運転できるのか、後ろのことも考えながら運転できるのか、お金のことを把握できているのかが非常に重要になるという。
Kawakamiは、社長が運転席に座らなくても回る会社が究極だと述べた。方向性も含めて任せられる運転手がいて、社長は後ろで仲間と次にどこへ行くかを語り合う。逆にリスクが高いのは、運転できる人が1人だけの状態だ。ゴーイングコンサーンとして続いていく中で、社長も年を取り、体もきつくなる。そのときに運転手がいない。そこで水口のような人が「うちから運転手を出しましょう」「一緒になりませんか」と言える会社があることが、中小企業の多い日本の方向性ではないか、とKawakamiは語った。日本の中小企業の多さは、直接金融ではなく間接金融というプラットフォームがあったこととも関係しているのではないか、ともKawakamiは述べている。
「変化は自分でしかつくれない」
終盤、Kawakamiは、今の仕事にそこそこ満足しているが「これじゃない」と10年ほど悶々としているビジネスパーソンへのアドバイスを求めた。水口は、変化をどうつくれるかが大事だと答えた。環境や周りが変わらない、刺激がないなど理由はいろいろあるだろうが、自分はそういう瞬間を感じたら新しいチャレンジをするようにしている、という。それは転職かもしれない。水口自身にとってはM&Aがそれにあたり、別の環境をグループに加えることは、転職はしていないものの実質的に転職したようなものだと説明する。知らない分野や業界を知り、学び、自分の引き出しを増やしてきた。周りを変えに行けるのは自分自身しかいない、というのが水口の考えである。
Kawakamiは、水口が「まだ見つかっていない」とはっきり言ったことを、旅の途中で、まだ見尽くしていないステージにいるという宣言として聞いたと話す。ある人が、未来は今の延長でしかなく、今にフルコミットするのに忙しいので夢を考える暇がない、と言っていたことにも似ている、という。
続いてKawakamiは、大田区の町工場や新潟・燕三条のような産業集積地で長い歴史を持つ会社の経営者に向けたヒントを求めた。水口は、ここでも変化をどうつくるかだと答える。いい仕事をしていて、いいメンバーがいても、産業そのものが少しずつ縮んでいく中では、これまでやってきたことは過去の話でしかない。未来を変えられるのは経営者しかおらず、経営者が意識を変えなければ何も変わらない。世の中が良くなればいいと待っているだけでは何も変わらないので、少しずつでもできることを変えていくことが大事だという。何から変えるかについてKawakamiは、たまたま開いた本や、この番組で水口を知って調べてみることでもいい、小さく「自分は変わる」と宣言して1つ違うことをやってみる程度でいいと付け加え、水口も「できるところから」と同意した。
ダウンサイドをどう処理するか:アドレナリンと8人の子ども
水口は、自分がしてきたことは特別ではないと話す。若くして子どもを持つことは人類の歴史で見れば普通のことで、今の社会では少し早かっただけ。会社をつくることも誰にでもできる、という。これに対しKawakamiは、水口がやってきたことは多くの経営者が考えてきたことでもあり、違いは「やったか、やらないか」だと返した。そのうえで、守るものがあると人は保守的になり、失敗や批判などのダウンサイドが見えてしまうが、それをどう処理しているのかと尋ねた。
水口の答えは、一番アドレナリンが出たのはいつだったかという話だった。お金もなく、これから子どもを食べさせていかなければならなかったときの意思決定とその瞬間に、一番アドレナリンが出た。だから今も、同じくらいアドレナリンが出て「何かのために頑張らなければ」と思える状況をつくり出していきたい、という。
その話の中で、水口に現在8人の子どもがいることが明かされた。長女が23歳、末の子が4歳で、子どもが増えることで自分がさらに奮起して頑張らなければと思ってきたと水口は話した。
アドレナリンは自分で出せるものなのか、というKawakamiの問いに、水口は、変化を出していかなければ出ないと答える。人類には同じ場所にとどまった人たちと新しい大陸を開拓した人たちがいて、開拓してきたのは新しい景色でアドレナリンが出る人たちだった、というたとえである。
最後にKawakamiが、番組と一緒に経営者向けの「アドレナリン塾」をやろうと持ちかけ、水口が「やりましょう」と応じたところで対談は締めくくられた。
本当に家族を養うために、食べていく手段として起業を選択しているんですね。なので、そもそも会社を大きくしたいとか、叶えたいビジョンがあってではなく、どうやったら家族を安定して、水口家を食べさせていけるかということに注力をして。
素晴らしい。伸ばす会社ではなくて、本当にどうやったら会社が潰れないか。
その公開会社のTOBをされたのは、それが2023年の。
はい。fonfunのTOB。
それがfonfunですね。
それがfonfunです。
これは比較的スムーズに。
そうですね。元々社外役員だったという経緯があるので、きちんと会社側と対話をした中で、私が経営を変えると。
そこでもいい気づきがあったと思うんですけども、日本と海外っていうのは、やっぱり比べられるところの1つ、法人とは何かっていう、所有と経営っていう議論はずっとされてきて。やっぱり会社は株主のものであるっていう、どちらかというとアングロサクソン的な考え方と言ったらいいんですかね。
会社というものは、いわば10年国債利回りよりもたくさんの利回りを稼ぎ出す装置であるっていう。そこに対して株主が集まってきて、それをオーナーシップ取っていくと。それをマネジメントしていく、その旗振りをし、それを実現、経営を回していく人たちと、しっかり役割が分かれていることが、社会的に、つまり経済に参加してるプレイヤーたちにしっかりと共有されてる。
日本はそれはなかなか、むしろ少し法人としての人格の方が大きそうですよね。
そうですね。
それがいいか悪いかっていう判断は、また別の議論だと思うんですけど。本当にM&Aっていうものを通じて、日本におけるその企業のあり方、あるいは企業の価値、誰のものなのかってことも、本当に肌で感じられたのが、まだ30代の頃ですね。
30代後半ですね。
そうですか。それで、このfonfunにTOBをかけられて、じゃあその第4ステージが上場企業を買う。そこで1つの大きな、ご自身の中で大きなイベントと言ったらいいのかな。事件でも事故でもないので、大きなイベントが入り込んだってのがあって、そして次というか、この流れになるのかな。
そうですね。fonfunが元々時価総額10億円で、それをTOBをして、売上が6億円、利益が本当にほぼないような会社だったんですね。これ、さっきの話じゃない。このコンサルタントで入って、会社って言っても誰も聞いてくれないですし、コンサルタントに言われて会社が良くなるぐらいなら、最初から良くなってるんですよ。
そう。いろんなパターンありますけど。
うまくいってる会社だったら、そういういいエッセンスを取り込んでさらに伸びるっていうのができると思うんですけども、これ、学習塾と一緒かもしれないですね。補習塾なのか進学塾なのかってあるかもしれないですけど。基本的には、本当に一緒になって仕事をして、会社っていう、ちゃんと背中を見せながら仕事をしないと、会社も組織もお客さんも変えられないなと思って。
私はしっかりちゃんと会社に入っていって、社長として本当に朝から晩まで一緒に働いて。とはいえ、やってたビジネスでは市場から評価もされていない、売上もずっと横ばいだったっていうのがあるので、今まで私自身が取り組んできたM&Aを活用して、fonfunの中でも3年間で一応11件、M&Aをさせてもらって。
そうですか。すごいですね。そうすると、ごめんなさい。今のグループの中では、何回も聞いちゃいますけども、もう1度言うと、グループ全体でM&A。
社用も含めて、現在でちょっと会社の数までは分からないですね。瞬時には出てこないですね。
そんなに。
M&Aしても、まさにマージ、合併したりもするので。
なるほどね。
統合とかそういうのをやってるので。
そうですか。これ、今ご自身はまた次のステージに行っておられるような気がしますけども、どうですか。今までのご自身の経営者としてのやり方、それから、経営者でいいのか。それからどっちかっていうと、投資家としての目線もお持ちじゃないですか、もうもはやね。あるいはアクティビストというのか、ターンアラウンドマネージャーみたいな面もありますけど、ご自身、今はどういうアイデンティティだと思ってらっしゃるか。
基本的には経営者です。基本的には本当に経営者で、実業をちゃんとやっぱりやってると思っていて。仮に上場会社が金融商品で、経営と、あの、が分離されてるとしたとして、そことは関係のないところで短期的には株価が動くとかっていうのは当然あると思ってるんですけども、それでもやっぱり会社は実業で、ちゃんと売上を出してなければ、まさに持続性がないと思ってるので。
しっかりと会社をいいものにして。でもこれって、本当にいいものをやってるからって株価がちゃんと評価されるかっていうと、そうではないので。
これはまた、IRをどうしていくか、投資家広報っていうのは、すっごいいい会社なんだけども、IRが苦手。特に日本企業、苦手じゃないですか。どうしても上場するっていうのが、大学で言うと入試合格した、もういいやっていう状態で、あとはっていうのが、よく欧米とは逆だって言われる。比較的ね、NASDAQなんてハードル、最近ちょっと高くなりましたけども、だいぶ低いところからスタートして。
でも中に入ってからしっかりIRをやり、もちろん盤石な事業を作る。その先にきっちりしたIRをやって、やっと伸びていくっていう。日本はどうも上場したらゴールみたいなところを感じますよね。
それはまた1つのスタートラインなわけなので、そこから取り組まなきゃいけない。私の場合は、本来上場して、そこからスタートラインに立って、大きくならなければいけなかったが、それがうまくいかなかった会社を今、上場会社として再生で入って買っているので。
水口さん、いわゆるベンチャーキャピタリストとしてやってくれませんか、つまり他人資本をお預かりして、ファンドマネージャーとしてやってくれませんか、みたいな話もありますよね。
あるんですけど、実は私、fonfunを買うまで、まさに上場会社の経営に入るまで、他人のお金を預かったこと、1度もないんですよ。
それがすごいんだよね。それが私、水口さんすごいなって。ちゃんと稼ぐエンジンを自分の体内に持ちながら、その血液というのかな。そのキャッシュを持って、それ以上回ることをしない。あるいはレバレッジをかけて借り入れをしたり、他人資本をお預かりして、もっと膨らませてレバレッジをかけて買うとかいうことではなくて、自分の血液量っていうのが正しいか分かんないけど、キャッシュ量で、この範囲の中でできるだけのことをやって、M&Aをかけていくなりっていうことで成長するっていうのは、43歳の若手の方がこれをやってらっしゃるっていうのが、すごく頼もしく思うんですよね。
ありがとうございます。
もっと金融技術っていうものがあるわけじゃないですか、世の中には。いろんなテクニックってものが。テクニックを駆使するんじゃないのかなって思うし、した方がいいのかなと思う。
資本主義の中で、やっぱりお金って1番ツールとして力が強いものだと思っていて。私自身はそもそもお金を増やすことを目的として別に起業したわけでもないですし、そこに志向があるわけじゃないんですね。だからそこを、他人のお金、他人の大事なお金を預かって、その責を背にこれを増やすことは、別に私がやりたいことではなく。
水口家を安定させるためには、より多くの自己資金で、多分チャレンジをした方がいい。
どんだけでっかくなるんですか。
私自身、モラトリアムと言ったらあれなんですけど、本当に人生でやりたいこととか、まだ見つかってないんですね。子供を育てて幸せにするっていうのはもちろんあるんですけど、何か熱いビジョンを持って元々起業したわけじゃないので。
いやいや、十分熱いでしょう。
家族を養うのはそうかもしれない。
それは熱いと思うけれども。今もちょっと衝撃なのは、見つかってない、今も。
今も見つかってないです。
でもそれは、常に成長してらっしゃる方、もう本当に指数関数的にぐーって成長してる方っていうのは、成長のスピード、加速が早すぎちゃって、今自分がどこにいるのか、その高さとかスピードとかがよく分からなくて、次にどこに行ったらいいのかっていうのが、ちょっと分かんなくなってる。
ということもあるのかもしれないですけど、やっぱり19とか10代の時に、妻のお腹に赤ちゃんができて命が宿って、これをちゃんと守っていくっていう意思決定に勝る、孫さんとかが言う登る山。家族をちゃんと守っていくっていう、あの時決めたその覚悟に比べたら、人生で他にやりたいことなんてあんまり見つからないなと思ってて。
いやあ、そうですか。
でも、もし本当にやりたいことが見つかった時にチャレンジするためには、やっぱり人・物・金という意味で言うと、お金とかがより多くあった方が、そのチャレンジができる可能性が高まるので。だからしっかりちゃんと事業をやって、もし本当にやりたいことが見つかった時にチャレンジできるようにはしたいなと思ってます。
だから、そのやることが見つかってないというか、まだまだ分かんないんですとおっしゃる意味は、私なりに咀嚼、解釈をすると、まだ横に広げていきますっていう意味かなと思ってるんですよね。つまり、自分が本当に命をかけていくって、家族はとりあえず置いておいてね、こっちは命の源泉とかですから。そういう文脈を事業の中に置いて、これにもう全神経をかけていくんだっていうのを見つけるまで徹底的に広げていって、やがてそれが、分かんない、40後半、50前半になった時に、これだとなったらば、そこに全振りでいくっていう。そこまではずっと発散していくっていうのかな。そして収束していく。まだ発散のステージなんですね。
発散、でもとはいえ上場会社なんで、人のお金を預かってない、今までは預かってなかったんですけど、今はその他の投資家さん、少数株主というか、いろんな株主の大切な財産を預かってる状況なので、そこの責任っていうのをちゃんと感じながら。直接は会えないのが本当に残念だと思っていて。ベンチャーだったら。
面白いこと言う。
本当にベンチャーだったら、知り合いからしか資金調達しないじゃないですか。上場会社って、買ってくれた方、会社には直接お金は返ってこないですけど、売買されることによってその価値が担保されるんで、その顔も知らない、名前も知らない、そんな方たちがうちの会社に何かしらの。
そうですね。そうですよね。もうちょっと、たまに帝国ホテルに集めるんじゃなくて、もうちょっとじゃなくて、もうちょっと近い関係で、社長に一問一答とかね。今オンラインを使ってできると思うんで、新しいIRがあるといいですね。
そうですね。
そこで決められた原稿を、国会の予算委員会みたいに読むんじゃなくて、もうちょっとこう、調があってもいいですよね。
そうですね。ちょっとメールが来てるんで、ご紹介というか、いいですか。52歳さん、製造業2代目の社長、静岡の方。受注、受託中心の事業から抜け出せません。父から継いだ会社、大口取引先からの受託が売上の7割。人を増やさないと売上が伸びず、利益も薄いままですと。薄利多売ってことなんでしょうかね。
水口さんが考えてらっしゃる、フロー型からストック型へってことをおっしゃっていると聞きましたと。これはどういう意味でしょうかってことが1つと、そういう考え方に振っていった何かきっかけはありますか。
きっかけというか、本当に最初からそのストック。
そうですね。ここちょっとあれしときましょうね。フロー型、ストック型って、なんとなく皆さんの目を通り過ぎたことがある言葉かもしれませんが、ちょっと水口さんなりに、まずそのフロー型の事業とストック型の事業の違いって。
そうですか。そうですね。シンプルに言うと、1回のお金しか入ってこないものと、継続をして入ってくる商売の2つだと思っていて。
積み上がっていくやつ、どんどんね。不動産の賃貸料でね、どんどん。一方で右から左に流れていく。
その瞬間だけ入って。
瞬間だけ入ってくるものって、この2つの事業があった時に、水口さんがフロー型の事業からストック型に変えていかなきゃねっていうのを、どのタイミングで何をきっかけに思ったんですか。
最初から。
おっしゃってましたね。起業の時にね。
起業の時から、毎月ちゃんとどうやったらお金が入ってくるかの方を考えてたので。そういう意味で言うと、でもこれバランスだと思っていて。ストックはストックで、大きなお金がポンポン入ってくるビジネスって、そんな簡単には作れないので。フロー型はそれでも、例えば受託開発だったら、多分大きなお金が1回で入ってくると思うんですね。
そうですよね。
そういうビジネスをやりながら、ストックでも入ってくる。受託開発、私もずっとやってましたし、実は今でもやってます。今でもちゃんと利益が取れると思ってますし、この受託開発をやってるメンバーとか私自身が、息抜きになる、ストック収入になるようなインターネットのビジネスっていうのを、作っては捨て、作っては捨て、トライアンドエラーをたくさんやって。
その中のいくつかがやっぱりヒットをして、本当に20年以上やってる、実は求人サイトをやってたりとか、いろんなメディアを作ったものっていう。これは本当にM&Aをするので、自分自身がゼロから作ることよりも買うことの方を、収益手段として早くするので増やしちゃいましたけど。当たるまでやっぱりやり続けられるか。
そうですよね。
そこなんじゃないかなと思います。
これ、やっぱりインターネットというかソフトウェアというか、オンラインの事業では、このフロー型とストック型って比較的考えやすいというか。ただ世に点とある中小零細企業、たくさんありますけども、製造業であるとか建築業とか、ストックと言われてもなあって、頭にクエスチョンマークが浮かぶ。考えてる間にも、また受注をさばかなきゃいけない。さばかないと食えないから。
結局フローの方の仕事に追われて、ずっと、しかも価格競争に入っていく。もっと下げなきゃ、もっと下げなきゃ。フロー型でも相当厳しい回転の中に入っていって、社長、ストック型やりましょうよって、きっと経営会議で出てくるんですけど、いや、どうするのよ。これ結構難しいところですが、どうですかね。できないわけじゃないですかね。
できないわけじゃないですし、経営会議なのか現場なのか分からないです。これも経営の覚悟の問題なので。
これ、製造業とかでストックを作っていくって、例えばどういうやり方があるのかな。
そうですね。製造業もいろんなジャンルがあると思うんですけども。
私ね、ちょっと水口さんが考えている間に。私っていう、あの種族の会社、製造で、本当に削りとか曲げの、本当に製造業。あそこは自分たちが作れる部品、加工部品というもの、もちろん製造業なんですけども、自分たちが大体納める時は、他の業者さんの何かを合わせて、1つのまた部品、部品の部品、AとBを、う、という部品にしたりする。そうこうしてるうち、いろんなグループがあるでしょうということで、企業からの、システムプラットフォームを使って、様々な製造部品メーカーが参加するっていうストック型に行ったっていうのは、非常に見事だな。
そうですね。
ここまで発想ができるって、製造業ですごいなと思って。もうもはや、あのプラットフォームにみんな参加をすると、企業とのネットワークもできるし、しかもその中で何時間以内にデバリストとか、そのエクスプレスなんとかっていうのを使いながらやるって、1つの形ですけど。なかなかそこまで発想できると難しそうですね。
そうですね。製造業、それってもう、私も今考えてたんですけど、プラットフォームビジネスじゃないですか。製造業ではなくて。
そうですよ。そう。
なんで結局、製造業でストックってなると、そうじゃなくて、やっぱり商流に入るようなものじゃないと、なかなか厳しいですね。
自分のところが何屋さんかっていうのを、もう1度再定義する。
そうですね。強みを持って、知識を持ってる業界の中で、どういうビジネスができるかっていうところは、やっぱり常にその周辺も含めてアンテナを張らないと。
本当にいつもこの番組で言ってるんですけど、うちは花札屋なのか。いや、総合娯楽産業創出企業だというのか。あるいはカメラのフィルム屋って言っちゃうのか。いやいや、抗酸化技術、光技術。自分の会社は何屋さんなんだっていうのを、もう1回再定義していくと、新しい、いきなりストックにはならなくても、ストックの芽が見えるかもしれないですね、何か。
そうですね。実はfonfunも、元々リモートメールっていうメールのサービス、それからショートメッセージの配信サービス。
そうなんですか。そうなんですね。
M&Aで買った時点では。でもこれだとまさに会社は大きくならないので、その時点でデジタルトランスフォーメーション、DXの会社であるという定義にまさに変えて。その中で付加価値提供できるビジネスっていうのをM&Aをして、それで業績と株価を上げたっていうので、まさに同じかもしれないですね。
そうですね。放送用語としては「何屋」っていうのは、あまり好ましくないということはちょっと承知で申し上げますけども、自分の会社が何だっていうことをもう1度再定義してみる。何屋さんなんだと。ずっとやってると。
Web屋って言ったりね。Webマーケティング屋。何かを売ってる小売業ってあるんですけど、よくよくもっと引いてみると、それが強みなんだっけとか。
たまたまカテゴリーの中に分類するとそうだけど、そうなんだっけなっていうのは、1つ大きなヒント。それを皆さんでもう1回。こういうの、外部を入れた方がよくないですか、こういうブレストの時って。
そうですね。
見えないじゃないですか、中にずっといる人が。だから水口さんみたいな人が入ってきて、いや、外から見てると、御社は製造業だけどネットワーク持ってるじゃないですかと。つながったらどうですかって言うかもしれないですよね。
次の質問です。38歳、健太さん、IT企業、経営企画。初めてのM&A、何から手をつければいいんでしょうか。会社として初めてM&Aを検討しています。ただ社内に経験者がいません。何を基準に対象を選び、買った後はどう伸ばすのか、全く見えていません。最初に押さえるべきことは何でしょうか。これも前半で水口さんが全部しゃべってるところかもしれませんが、もう1度、ラインマーク感じで。
そうですね。人と、お金ですね。実は1番大事なのって、お金の流れのところで。お金が何で入ってくるのか、何に出ていくのか、ここを本当にしっかり把握する。商売って基本的に、入ってくるお金よりも使うお金が少なければ、絶対に潰れないじゃないですか。
そうですね。
なんでここをしっかり見る。もちろん支払いサイトとか、先払いをするとか、いろんなお金の要素があるんですけど、それをしっかり分解して、その商売はお金の流れとしてもちゃんと儲かってるのかどうか、ここをしっかり把握する。
これはもう本当に、水口さんの今のあれにちょっと補強させて、あえてね、同じことを言ってるんですけど。日本の経営者は計算が好きすぎる。あれ、なんであんなに好きなのかなっていう。よく言うんですけど、儲かってるんですもんって言うんですよね。営業利益も出てるし、当期純利益も出てるし。もうよく言うんですけど、キャッシュがどれだけ動いてる、あるかじゃないですか。
皆さん、だいぶ勘違いしてらっしゃる方がいると思うんですけど、これ水口さんの前でも変なんですけど、原価って言うじゃないですか。10個のリンゴを、1つ100円で仕入れましたと。これを200円で売りましたと。原価はいくらですか。いや、1個100円ですから、100円で利益は100円です。ちょっと待てと。最初に仕入れた分のキャッシュ、どこ行った。会社にお金がないっていう、こういうシンプルなことが、意外と会社で、つまりキャッシュフローを見てなかったりするんですよ。
さっきおっしゃったように、どのお金が何に出ていって、どう使われて。いや、だってちゃんと原価もクリアしてるし、固定費もクリアしてるし、利益出てるじゃないですかって、多分、水口さんに持ってくる人がいて。でもなんでキャッシュないんですか、みたいな。それ、貸借対照表に固定資産として出てるわけじゃないですか。あんまり見ないですよね。
そうですね。そういうのを大きな括りで言うと、会社はいろんな会計の仕組みとかでもちろん見れるんですけど、そうじゃなくて、やっぱり日々の商売の中で何が行われてるかを、ちゃんと解像度高く理解できないと。
現金の話です、これね。
本当そうですね。
意外と弱いんだよね。
弱いですし、これ次のポイントになるんですけど、これをちゃんと中にいる人たちがどこまで理解できてるかっていうのが、次、重要で。
それ。私はちょっと思うんですけど、起業は、やりたい人がやったらいいですよ、思いでね。ただ従業員を雇うって言った瞬間に、私、ちょっと運転免許みたいなのをやった方がいいなって気がする。
責任が伴いますね。
そうなんですよ。あるいは上場する時もそうなんですけども、少なくとも財務諸表がどうやって動いてるのか、会社にはどんなお金が回ってるのか。だって責任が発生するじゃないですか。気づいたら金がなくて、ごめんなさい、払えませんでしたと。今月末30日、払えないと。ごめんなさいと。いやいや、そうじゃないでしょ。だって売上はあるんだけどって。いや、社長、キャッシュ見ないと。
そうですね。
実際にあるんですよ、そういう会社が。本当に基礎の基礎的なものなんですけど、ちょっと免許制にしてほしいなって思う時は、たまにあったりするんですけど。
みんな小難しく考えすぎだなと思ってて、本当に手元の財布にお金が入ってきて、出る時どうなってるっていうだけの話なんで。
そうです。そこを経営者の皆さんはもう1回、見てみましょう。やっぱり少なくとも従業員を抱えてらっしゃる経営者の皆さんは、税理士の先生とか金融機関に出す時だけ見るんじゃなくて、日頃からお金の動きっていうのを見ていって、うちの会社って、なるほど、こうやってお金が回ってるんだなっていうことを、もう1回把握することっていうのは、本当に会社という非常に大事な車を運転する時の免許みたいなものだと思うんですよね。
そうですね。
だって後ろの座席に乗ってるじゃないですか、従業員が。
バスですもんね。
そうですね。バスです。
ですよね。
バスです。
本当ですよね。
次、やっぱり人の話で言うと、まさにバスで言えば、バスの中にどんな人が乗ってるのか。この辺をちゃんと把握できてない会社、多いんですよね。
だから社長がハンドル持って前だけ見てても駄目なんだからね。たまに自分の参謀に運転させて、自分は後ろに行って、みんなとしっかり、何を考えてるのか、なぜこっちに向かおうとしてるのか、こっちでいいと君は思うかどうか。そういう会話を、やっぱり座席に行って話さなきゃいけないの。
ですし、M&Aするパターンだと、運転手である社長さんがいなくなるケースもあるので。
そうですよね。
運転手さんがずっと居続けるならいいんですよ。でもそうじゃないケースは、やっぱりその他のメンバーが運転手できるのか。そうなった時にちゃんと後ろのことも考えながらできる人なのか、さっきのお金のこともちゃんと把握できてるかとかは、すごく大事なことだと思ってますね。
本当に究極、社長が運転席に座らないっていうのが究極の会社じゃないですか。
そうですね。
社長の運転技術、あるいはここに行くべきだっていう方向性も含めて任せられる運転手がいる。自分は後ろに行き、仲間と一緒に話をし、次、一緒にどこ行こうかと、何しようかと。一緒に語り合えて、次なるビジョンを出せるっていう。
どんどん運転手が、運転をできる人を育てていかなきゃいけないです。
そうですね。結構リスクが高いのは、運転できる人1人だけ。これ、結構会社って存続って言いますけど、ゴーイングコンサーンってことは、ずっと未来永劫続いていくって意味では、だんだん社長も目が悪くなってくるし、体もちょっとなかなかきつくもなってくるしって言った時に、誰か運転してよって言うと、いないと。
こういうシーンもあるので、その時に水口さんみたいな人が、じゃあうちから運転手を出しましょう。なんなら僕らも一緒になりませんかという会社があったりすると、日本は多分この方向だと思うんですよね。
そうですね。
これだけ中小企業が多いので、世界にちょっと例を見ない多さだったって。これはもう間接金融とともに、どっちがどっちなんですけども、間接金融っていう、いわゆる金融のプラットフォームがあったがゆえにこうなったっていうのもあると思うんですけど、直接金融ではなくてね。
これ、ちょっとエンディングになってくるんですけども、まずいくつか。水口さん、ポケットが多いんで。まずあれですね。1人の経営者じゃなくて、ビジネスパーソンとして、今悶々としてて、一応満足してますと。なんとなく今の仕事は、いろいろ日頃の問題もあるし文句もあるけど、まあまあやってますと。でも、これじゃないよねっていうことを、もうだいぶ10年ぐらいやってますと。あるいはそれ以上かもしれないですけど。
こういう人たちにアドバイスと言いますか、次なる一手を踏み出すための何かっていうのがあると、何ですかね。
変化をどう作れるかっていうのは、すごく大事だと思っています。そういう悶々としてるって、やっぱり環境だったり、周りが変わらないとか刺激がなかったりとか、いろんな要素があると思うんですけど、私はむしろそういう瞬間を感じたら、やっぱり新しいチャレンジをするようにしてます。チャレンジの方法になると、別に転職かもしれないし。
私は少なくともM&Aというのが、別の環境を自分たちのグループに加えるというので、常にそこで新しい、自分は転職してるわけじゃないですけど、実質転職したようなものなので。そういうふうにして自分自身が環境を変えて、知らない分野を知り、その業界のことを知り、学び、そうやって自分自身の引き出しを増やせるようにやってきたので。周りが変わること基、変えに行くのは自分自身でしかないのかなって。
私、さっき水口さんが「僕、まだ見つかってないですよ」って、しっかりした声でおっしゃったのが、私、すごく爽快ですごいよかったのは、「僕、まだ旅の途中なんで、まだ見尽くしてないので、一旦見尽くすっていうステージにいる」って聞こえたんですよ。だから今は、いろんなものを試してみて、まだまだやり尽くして、やがてその中でも、ここちゃうかっていうのができてくるフェーズは、おそらくまだ見ていない次のフェーズですよっていうことを宣言するっていうのは。
そうですね。
すごくあるなと。夢がないっていう人がいるんですけど、「僕、夢がないです」って、元気を食った人がいるんですよ。目標がないです、夢がないです。なぜかっていうと、未来っていうのは自分は作れないと思ってますと。結局、今の延長でしかないので、今に忙しくフルコミットするので忙しいので、夢を考えてる暇ないですって言った人がいて。ちょっとこれに似た感じがするんですけど。
経営者で、どうですかね。斜陽産業って言ってしまって、くくりまとめて言っちゃっていいかどうか分かりませんが、製造業でもいいです。それは大田にあるような町工場でもいいかもしれない。新潟の燕やの周り、いろんな産業集積地に、優秀な長い歴史の会社、たくさんあるじゃないですか。
ありますね。
でも事業を守っていかなきゃいけないっていうね。そういう方々でも、何かしなきゃいけないと思っている会社経営者の方に、ちょっと明日へのヒントみたいなことをいただけるとしたら、何でしょうね。
そうですね。ちょっと同じかもしれないですけど、やっぱりどう変化を作るかということだと思うんですよね。確かにいい仕事をしていて、いいメンバーが。でもその産業そのものが少しずつシュリンクしていく中で、今までやってきたことっていうのは結局、過去の話でしかなくて。これから先の未来を見た時に、やっぱり変えるのは経営者しか変えられないと思っていて。
確かに。
その人が意識を変えていかないと何も変わらないので、そのまま世の中が良くなったらいいなって思ってても、待ってるだけじゃ何も変わらないので。
本当ですね。
その日に、やっぱりこれからできることっていうのを、少しずつでもいいから変えていくっていうことが、大事なんじゃないかなと。
何から変えたらいいんですかね。何らかの1つのきっかけなんでしょうね。
そうですね。
それはちょっと開いてみた本だったり、たまたま聞いてみた、さんっていう人がいて、43歳ですげえな、この人って言って、水口さんのことを調べてみて、よし俺もって思うことでもいいじゃないですか。
そうですね。
本当に小さい、「僕は変えるのだ」って、自分の中で内に宣言し、1個変わったことをやってみるぐらい。
そうですね。できるところ。私も別に何もすごいことはなくて、本当に。
いや、すごいけどね。すごい。
若くて子供を産むって、別に人類の歴史で見ればとても普通なことですし、ただ今の社会で見るとちょっと早かった。会社を作るも、これも別に誰でもできるし。
すごいしつこいおじさんみたいになって恐縮なんですけど、水口さんのやってこられてることっていうのは、いろんな企業の経営者は考えてきてることなんですよ、おそらく。その大きな違いは、やったかやらないか。やろうとしてやったのか、やらないか。
ここっていうのは、逆に言うと、大事で守るべきものがあった時に、人間、保守的になったりするじゃないですか。失敗したらどうしようとか、何か言われたらどうしようとか。要するに、ほら、だったらどうしよう。ダウンサイドを見ちゃって、そこの自分の頭の処理っていうのはどうしてるんですか。だって失敗する可能性も当然見えてるわけでしょ。
1番やっぱりこれは、1番アドレナリンが出たのはいつだったかっていうと、本当にお金もなくて、これから子供も食べさせていかなきゃいけない、お金も稼がなきゃいけない。あの時の意思決定とその瞬間っていうのが、1番アドレナリンが出たんですね。
なるほど。
今でもそういう意味で言うと、同じぐらい自分がアドレナリンが出て、何かのために頑張らなきゃっていう状況を、やっぱり作り出していきたいと思っていて。これは子供が今8人いるっていうのも。
ちょっと待って。8人いるんですか、今。
今8人います。
後半になってすごい。そうですか。もうちょっとでチームできますね。今でもチームはできるかもしれませんが。
そうですよね。9人ですもんね。今、長女が23歳で、下の子が4歳なんですけども。やっぱり子供たちが増えることで、もっと自分が奮起して頑張らなければっていうのは当然ありましたし。
日本の厚生労働省は、水口さんに何か褒章をね。必要ですね。
でも子供手当とか、いろいろもらえてるんですけど。
さらにそれで経済に貢献をしてらっしゃるとね。そっか、アドレナリンね。アドレナリンって、自分で出せるものですか。
でもやっぱり変化を出していかないと。その瞬間、人類って同じところにとどまってた人たちと、新しい大陸を開拓する人たちがいるじゃないですか。あれってやっぱり、新しい景色でアドレナリンが出る人たちが開拓してきたわけで。それだと思っていて、自分自身のホルモン分泌は。
水口さん、うちの番組と一緒に、経営者向けのアドレナリン塾やりましょうよ。
やりましょう。
ぜひぜひ、次なる養成塾みたいなのを、ぜひ水口さんとやれたらなと、ふっと浮かびましたので。ぜひ今後とも、これをきっかけに、ぜひお力を貸していただきたいと思います。
本日のゲストは、サイブリッジグループファウンダー、株式会社fonfun代表取締役社長、水口翼さんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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