起業時に押さえておきたいお金の知識:税理士・小野貴子さんに聞く法人化、融資、補助金、決算書
lumily起業するとき、お金について何を知っておくべきか。株式会社VOYAGE代表の愛沢えみりさんがMCを務め、女性起業家の支援に力を入れる税理士の小野貴子さんに話を聞いた。話題は、法人化を検討する目安、創業期の融資と補助金、税理士との付き合い方、起業後に身につけたい決算書の読み方と資金繰りの考え方に及んだ。小野さんは一貫して、経営で最も大切なのはお金であり、制度を「知らなかった」では済まないという立場をとる。
音楽業界から税理士へ
小野さんは税理士法人小野会計の代表で、ファイナンシャルプランナーでもある。もとは音楽業界でアーティストのマネジメントをしており、そこから税務会計の世界に移って税理士になった。4年前に税理士法人を設立し、それ以前は個人事業主として活動していた。個人事業主として始めるか、最初から法人を設立するかという今回のテーマを、小野さん自身も経験してきたことになる。
税理士の仕事について、小野さんは会社の税務会計を担い、税務申告書を作成して本人に代わって税務署に提出することだと説明した。愛沢さんは、自分も任せている部分が多いと話し、会社になると金額も規模も変わるので税理士に任せないと大変だと応じた。
起業=法人設立ではない
起業前に知っておくべきこととして、小野さんがまず挙げたのは法人化の目安である。起業するなら必ず法人を作らなければならないと考える人もいるが、実際には個人事業主から始める人が圧倒的に多いという。愛沢さん自身も個人事業主として始め、1年後に法人化した。
法人化のメリットについて、小野さんは信用を挙げる。法人は法人格を取得するため、個人とは別の人格になる。その結果、対外的な信用が上がる。融資は法人のほうが受けやすく、株式会社であれば株式を発行できるので、資金調達をより円滑に進められる。取引の場面でも、たとえば不動産で店舗を契約したいときに法人でないと契約できないケースがある。対外的な取引では法人のほうが圧倒的に有利だと小野さんは話した。
税率から見た法人化のライン
税率も法人化で変わる。小野さんは結論として、経費を差し引いて最終的に税金がかかる「課税所得」が500万〜600万円、売上でいえば1,000万円程度がラインになると述べた。
その理由として、小野さんは個人の所得税と法人税の仕組みの違いを説明した。個人事業主にかかる所得税は累進課税で、所得が大きくなるほど税率が上がり、5%から45%の幅がある。一方、法人税はおおむね30%そこそこだという。累進的に上がる所得税の税率が法人税と同じくらいになるのが課税所得500万〜600万円のあたりで、そこで法人化を検討する人が多い。愛沢さんが、個人事業主として始めて売上1,000万円くらいまでは様子を見ればよいのかと確認すると、小野さんは同意した。
法人化にはコストがかかる
小野さんは、税率だけで判断しないよう注意を促した。法人化には「ものすごく」コストがかかるという。
まず設立コストがある。小野さんの説明では、電子定款を使った場合、株式会社で20万円、合同会社で6万円程度の登録免許税などがかかる。次に維持コストである。個人事業主のうちは確定申告書を自分で作れていた人でも、法人税の申告書を知識のない個人が作るのは難しく、税理士と顧問契約を結ぶことになる。その報酬は売上によって変わるが、月2万〜3万円程度かかると小野さんは見ている。
さらに、法人は赤字でも税金がかかる。地方税の「均等割」で、小野さんはその場所でビジネスをする「場所代」のような税金だと表現した。利益が出ていなくても、7万〜8万円ほどは必ずかかるという。
社会保険料の負担も大きい。個人事業主の場合、従業員を5人以上雇用すると社会保険は強制加入になるが、5人未満であれば強制加入ではない。これに対し法人は、社長1人であっても強制加入になる。法人化して従業員が増えるほど社会保険料の負担は大きくなるので、その点も頭に入れてほしいと小野さんは述べた。
加えて小野さんは、2026年から「防衛特別法人税」として法人税が4%増税されることに触れ、意外と知らない人が多いと指摘した。小野さんによれば500万円の基礎があり、それを超える部分に4%がかかる。今支払っている法人税とは別の計算になるという。
最初から法人にするなら「逆算」で
では、最初から法人にするメリットは何か。小野さんの答えは、やはり信用力だった。自分のビジネスをどうしたいかを逆算して考え、事業を大きくしたい、従業員を増やしたいのであれば、早い段階で法人化すれば株式発行による資金調達ができ、融資も受けやすく、店舗の契約もしやすくなる。小野さんは、税率だけで決めるのではなく、どんなビジネスを築きたいかから逆算して法人化を検討するのがよいと話した。
創業期の融資:日本政策金融公庫
資金調達について、小野さんはまず融資から説明した。開業したばかりの時点では実績も信用もないため、一般的な金融機関はなかなかお金を貸してくれない。そこで、国が運営する政府系金融機関の日本政策金融公庫にある、創業者向けの「新規開業・スタートアップ支援資金」で運転資金や設備投資の資金を調達するのが一般的だという。
融資限度額は最大7,200万円で、うち運転資金が4,800万円である。ただし、創業したばかりでこの枠を満額借りられることはまずないと小野さんは注意する。実際には500万〜600万円、多くて1,000万円程度の融資が受けられるだろうとの見立てだった。
返済については、5年間の据え置きがある。この期間は元本を返済しなくてよく、利息の支払いだけで済む。利息や返済額は個別審査で決まり、担保を出せるか、経営者保証をつけられるか、自己資金をいくら持っているかで変わる。愛沢さんが1,000万円借りた場合の目安を尋ねると、小野さんはばらばらだと前置きしたうえで「5万円以内ぐらい」と答え、何年で返済しなければならないかは、財産や、いざというときに賄える自己資金といった信用力によって変わると説明した。
この制度には自己資金要件がなく、自己資金0円でも申し込める。小野さんは「とっても条件のいい」制度だとしつつ、自己資金があるほうが金利や審査で有利になるとして、融資を受けたい金額の3割は自己資金として持っておいてほしいと勧めた。また、35歳未満もしくは55歳以上、女性起業家であれば優遇措置があり、個別審査ではあるが通常より低い金利で融資を受けられると紹介した。
創業期の補助金:小規模事業者持続化補助金
補助金として小野さんが紹介したのは「小規模事業者持続化補助金」である。創業3年以内の小規模事業者が商工会議所で支援を受け、どんなビジネスを構築したいかについて事業計画書作成の指導を受けた場合に利用できる。対象は販路開拓や生産性向上に関する費用で、具体例として機械装置の購入、広告宣伝費、外観のデザインなどが挙がった。
商工会議所は会員になる必要があり、年間1万円ほどかかる。ただ、ビジネスの構築をサポートしてくれるので、その延長で補助金も受けられると小野さんは説明する。補助上限はおおむね200万円、補助率は3分の2である。
この補助金は、先ほどの公庫の融資とワンセットで使う人が多く、小野さんもこの2つを勧めている。融資と補助金で資金を得てから設備投資を行い、広告費や外注費を補填する、という使い方だ。毎年定期的に公募があり、採択率も比較的高いので、創業したばかりの人にはぜひ使ってほしいと話した。
一方で注意点もある。受け取るまでにおおむね半年ほどかかり、補助金はいわば立て替えの形になる。まず自分のお金で機械装置を買ったり広告費を払ったりする必要があるため、資金繰りを考えたうえで申請してほしいという。
なお後半で小野さんは、ここで紹介したのは創業枠であり、この補助金には通常枠もあると補足した。創業直後は創業枠を使い、1年ほど期間を置いてから通常枠を活用するとよいという。
税理士には依頼したほうがよいか
起業時に必ず税理士に依頼すべきかという問いに、小野さんは依頼したほうがよいと答えた。「餅は餅屋」というように税務会計は専門知識なので、専門家に任せて本人はビジネスに集中してほしい。特に創業時は売上を上げることに集中すべきだという。顧問契約が難しい場合でも、いつでも税務相談ができる税理士を見つけておくのがよいと勧めた。
見つけ方は紹介が最も多い。ただ小野さんは、自分で問い合わせて実際に話し、税理士に何を望むかを伝え、納得できる相手に出会うまで問い合わせたり会ったりしてほしいと述べた。税理士ごとに得意分野があるので、ホームページを見たり、補助金の申請サポートをしてもらえるかを問い合わせたりするのがよいという。税制は毎年変わるので、専門的なことは税理士に任せてほしいとも話した。
起業後に必要な力①:決算書を読む
起業後に知っておくべきこととして、小野さんが最初に挙げたのは決算書の読み方だった。決算書を読むのが得意でない経営者はとても多いが、それはもったいないことだという。決算書には、その会社が過去にどんな活動をしてきたか、現在の状況、未来への課題が数字ですべて記されているからだ。
具体例として小野さんは、財務安全性の指標である自己資本比率を紹介した。会社のお金は主に借入金と自分で稼いできたお金の2種類に分かれる。会社全体のお金のうち自己資本がどれくらいあるかを示すのが自己資本比率で、「自己資本÷総資産」で求められる。この比率から、会社の健康状態や潰れにくさがわかる。目安は15%以上が理想で、40%以上になると優良企業といわれる水準だという。
どう学べばよいかという問いには、本を読む、税理士に聞く、自分の決算書を見ながら本で勉強する、とコツコツ続ければわかるようになると答えた。今はYouTubeもあるので、「財務安全性」や「決算書の読み方」で検索すればたくさん動画が出てくるという。愛沢さんは、毎日の売上ばかり追いがちで会社の状況を見落としやすいが、数字で見ると過去から未来にかけてどうすべきかがわかりやすいと応じた。
起業後に必要な力②:月次決算を組む
次に小野さんが挙げたのは月次決算である。決算は通常年1回だが、毎月決算を組めば、会社の健康状態が悪くなっていることに早く気づける。月12回に年度の決算を加えて、年13回、自社の健康状態と向き合う機会を持てるというのが小野さんの説明だ。
やり方としては、まず利益計画を立てる。小野さんはこれを「いくら稼ぐぞ」という経営者の意思表示だと表現した。毎月の実績を利益計画と比べ、差があればそれを埋めるためにPDCAを徹底的に回して軌道修正する。あわせて前期など過去の自社との比較や、同業他社との比較も行い、自分の事業の立ち位置を毎月把握する必要があるという。愛沢さんは、起業すると日々のトラブルなどに追われがちなので、毎月目標を立てて数字で比べるのは大切だと応じた。
起業後に必要な力③:資金繰りの計画
3つ目は資金繰りの計画である。小野さんは、経営で一番大切なのはお金だと述べ、自分のビジネスにどれくらいのお金が必要かを把握して資金繰りを計画する必要があると話した。
製造業を例にとると、材料を仕入れて製造し、販売してから、ようやくお金が入ってくる。売上が立つ前、入金がない段階でも、人件費や家賃、材料の仕入れ代はかかる。そのため、ビジネスを回すのに必要な資金を把握したうえで、最低でも2ヶ月分のキャッシュを持っておく必要があるという。これは起業後だけでなく起業前にも必要で、売上の見込みや受注数から、自分のビジネスにどれだけ資金が要るかを具体的に把握しておくべきだと小野さんは述べた。
入金のタイミングは取引先によって異なる。小野さんは、取引先ごとに回収期間を管理し、回収が遅い取引先には個別に交渉して回収期間を短くするよう勧めた。そのうえで、入ってくるお金はなるべく早く、出ていくお金はなるべく遅く、というのが資金繰りの鉄則だとまとめた。
起業後に使える補助金:IT導入補助金
起業後に使える補助金として、小野さんは「IT導入補助金」を紹介した。小規模事業者や中小企業のバックオフィスのDX化や業務効率化を進めるため、ITツールの導入を補助するものである。
小野さんが使いやすさの理由として挙げたのは、自分で申請しなくてよい点だ。ソフトウェア会社やITベンダーに、業務効率化のためにIT導入補助金が使えるシステムはないかと相談すれば、システムを紹介し、代わりに申請もしてくれる。利用者はとても多く、毎年公募がある。採択率は時期によって違うが、5割ほどは通るのでぜひ挑戦してほしいと話した。
枠は3つあり、通常枠は最大450万円、インボイスに対応した会計ソフトなどを導入する際に使えるインボイス枠は最大350万円の限度額があるという。決算を1回終えていれば申請できるので、まずはIT導入支援事業者に相談してほしいと小野さんは勧めた。
補助金と助成金の違い、そして「知らなかった」では済まない
最後に小野さんは、補助金と助成金の違いを説明した。補助金は物やことに対して出されるお金で、助成金は人、つまり雇用などに対して出されるお金である。
補助金や助成金はたくさんあるが、積極的に知る機会は少ない。だからこそ自分で情報を取りにいく必要があり、知っているかどうかで起業後のお金の回り方が変わると小野さんは強調した。「知らなかった、聞いてなかった、教えてくれなかった」ではだめだという言葉に、愛沢さんも、まず知識をつけ、そのうえで税理士に頼めばスムーズだと応じた。愛沢さんは、自分は何も知らずに起業したと振り返り、これから起業する人に知っておいてほしいと締めくくった。
起業前に知っておいた方が良いこと。これはズバリ何でしょう? その所得の大きさによって税率が変わってきます。課税所得になるんです。なので、そこで法人化を検討される方が多いです。まだ開業した時って何の実績も信用もないので、金融機関っていうのはお金を貸してくれないんですね。
毎年毎年、定期的に公募がなされてる補助金でして、採択率も結構高いので、まず創業したばっかりの方はぜひ使っていただきたいですね。
なるほど。読み方っていうのは必ず知っておいた方がいいです。経営を行っていく上で一番大切になるのはお金になります。
こんにちは。愛沢えみりです。本日は起業する時に知っておいた方が良いお金のことを専門家に聞いていきたいと思います。早速、本日のゲストをご紹介します。税理士の小野貴子さんになります。よろしくお願いいたします。まずは簡単に経歴を教えていただきたいです。
税理士法人小野会計代表、税理士、ファイナンシャルプランナーの小野貴子です。元々音楽業界におりまして、アーティストのマネジメント業務などを行っておりました。そこから税務会計の世界に転向して、税理士となりました。
全く別のジャンルのところから勉強し直して、税理士の今お仕事されてる。はい。すごい素敵ですね。税理士になるのって、またちょっと話がずれるんですけど、大変ですよね。
そうですね。勉強は必要にはなります。
そうですよね。ただ、4年前に会計事務所を設立した。そうですね。税理士法人は設立いたしまして、代表を務めております。その前は個人事業主でされていた。そうですね。
じゃあ、まさに今回の起業する時に知っておきたいお金のこと。個人事業主から始めるのか、最初から法人を設立するのか、その辺りも人によっては選択が違うと思いますので、色々伺っていきたいなと思います。まず税理士というお仕事ですね。視聴者の方の中には馴染みがない方もいらっしゃると思いますし、私も正直任せてしまってる部分が多くて、どういうお仕事なのかっていうのを簡単に教えていただければ嬉しいです。
税理士の仕事というのは、会社の税務会計を担って、税務申告書を作成して、代わりに税務署に提出をするのが税理士の仕事となっています。
簡単に言うと、税金のいろんなやり取りだとかお願いできる。特に会社ってなると、金額も規模も変わってくるので結構大変ですもんね。税理士さんにお任せしないと。
今は女性、男性に限らずだと思うんですけれども、起業するっていうことが割と一般的になって、これから起業したい方っていうのも視聴者の方の中にも多いとは思うんですけど、まずこれですね、起業前に知っておいた方が良いこと。これはズバリ何でしょう?
個人事業主として事業を始める方が多いと思うんですけれども、法人化をする場合の目安というのも知っておいた方がいいと思います。
起業したいですっていう中で、法人を必ず作らなきゃいけないわけじゃないじゃないですか。起業イコール法人設立をしなければいけないと思ってる方もいるのかなと思うんですけれども、まずは個人事業主で始めてみるということでもいいってことですね。
はい。個人から始める方が圧倒的に多いですね。私もそうでしたね。1年後にしたので。法人にするのって、それメリット、デメリットで何がある?
やはり個人と法人で全く形態が異なりますので、まず法人っていうと法人格を取得するので、個人事業の人とは別人格になります。そのため、法人化をすると対外的な信用っていうのが上がるっていうのが大きなメリットになります。融資を受ける場合だったりとか、法人の方が信用力が高いので、融資が受けられやすいっていう点と、株式会社の場合は株式を発行することができるので、資金調達がより円滑にできるという点ですね。
個人事業主だと資金調達っていうのはしにくいってことですかね。
法人の方が信用力があるので、融資も受けられやすいですね。あと取引場面で、例えば不動産で店舗を契約したいっていう時でも、法人じゃないと契約ができないっていうこともあるんですよね。個人だと契約ができない。そういった対外的な取引では圧倒的に法人化をした方が有利になります。
税率とかも変わるんですか?
変わります。結論から言うと、課税所得と言って、経費を差し引いて最終的に税金がかけられる所得ですね。500万から600万。なので売上で言うと、1000万ぐらいがラインになると思います。
なるほど。わかりやすい。売上1000万ぐらいいくと税率が変わってくるから、法人に切り替える方が多いってことです。
そうなんです。個人事業主に課税される所得税と、法人に課税される法人税率に着目をしてお話をさせていただきたいんですけれども、個人事業主に課される所得税というのは超過累進課税と言って、その所得の大きさによって税率が変わってきます。所得が大きくなればなるほど税率が上がっていきまして、5%から45%の幅がございます。所得によって税率が変わっていく所得税と、法人税っていうのは大体30%。そこと同じぐらいのラインになるのが課税所得500万から600万円になるんです。なので、そこで法人化を検討される方が多いです。
そしたらまず起業して個人事業主から始めてみて、1000万ぐらい売上がいくまでは様子を見るっていうのでいい感じ。
はい。そうですね。今、結構その税率に着目をしてお話をさせていただいたんですけれども、法人化するのってとてもお金がかかるんです。コストがものすごくかかります。
大体どれぐらいですか?
まず設立コストっていうのがかかりまして、大体今、電子定款で株式会社で20万円、合同会社で6万円程度、登録免許税というものがかかります。あとは個人事業主の時はなんとなく確定申告書を自分で作れていたとは思うんですけれども、法人税の申告書っていうのは、全く知識がない個人で作るっていうのは難しいので、必ず税理士の顧問をつけるということになります。なので法人化をすると税理士報酬というのがかかるので、とても維持コストがかかって。
毎月どれぐらいですかね?
売上によって変わるんですけれども、2万から3万ぐらい、法人化するとかかってくると思います。あとは法人にすると赤字でも税金がかかります。これは地方税で均等割って言うんですけれども、その場所でビジネスをする場所代みたいな税金が、利益が出てなくても必ず7から8万ぐらいかかります。社会保険料っていうのが、負担っていうのが重いですね。個人事業主でも5人雇用すると社会保険料、強制加入にはなるんですけれども、法人化してどんどん従業員が増えていくと、社会保険料の負担っていうのもとても大きくなるので、その辺も頭に入れていただければなと思いますね。
個人事業主の場合は5人未満だと社会保険料払わなくてもいいんですか?
はい。強制加入ではないですね。なので個人事業主だと、5人以上になると強制加入になります。
法人だと1人の場合でもスタッフを雇用すると社会保険料払わなければいけない。
もう社長1人でも強制加入になりますので、社会保険料っていうのは今、大きなコストになりますので、その辺も検討していただければと思いますね。色々違いがあるってことですね。
2026年から防衛特別法人税と言って、4%、法人税が増税されます。これ意外と知らない方が多いんですね。基礎控除っていうのが500万円あるんですけれども、500万円以上の部分に4%がかかります。今の法人税、支払ってる法人税とまた別の計算。知ってよかったです。
そしたら最初から法人にするのって、メリットとしては何があるんですか?
やはり信用力ですね。自分のビジネスをどのようにしていきたいかっていうのを逆算して考えて、どんどん大きくしていきたい、スケールしたい、従業員を増やしていきたいのであれば、早期に法人化をさせて、資金調達も株式発行できるので、融資も受けやすくなりますし、先ほどおっしゃっていた店舗の契約もしやすくなるので、税金、税率っていう部分ではなくて、どういったビジネスを築き上げていきたいのかっていうのを逆算して法人化を検討していただくのがいいと思います。
税金、難しくて、細かいところで言うとお任せしてる部分が多くて、改めてメリットだったり、個人事業主と法人の違いっていうのを聞くと、知っておきたかったなと思いました。さっきもお話にあった通り、起業するにあたり資金調達をどのようにするかっていうところ。もちろん資金調達されないで、ご自身の資金でと思うんですけれども、この辺りはどういう流れが一般的ですか?
まず融資の面からお話をさせていただきます。まだ開業した時って何の実績も信用もないので、金融機関っていうのはお金を貸してくれないんですね。
実績がないとお金借りられないんですか?
信用がないので、一般的な金融機関ではなかなかお金は貸してはくれないんです。なので政府系の金融機関、国が運営する日本政策金融公庫で、新規開業・スタートアップ支援資金という創業者向きの融資枠があります。こちらでまずは運転資金や設備投資の資金を調達していただきます。
どれぐらいの資金調達できるんですか?
最大融資限度額7200万、うち運転資金が4800万なんですが、なかなか創業したてでこの枠フルで借りられることっていうのはまずないので、そこだけちょっと注意は必要にはなります。大体今、創業して500万から600万、多くて1000万円ぐらいの融資を受けられると思います。
すごい初歩的な質問なんですけど、融資っていうことは返さなきゃいけないと思うんですけど、それの返し方っていうのも。
この日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金っていうのは、5年間据え置きなんです。5年間は元本は返済はしなくていい。あ、そうなんですね。利息の支払いだけでいいっていうので。
利息どれぐらいなんですか?
この利息の金額や、その返済金額っていうのは個別審査になります。
人によるんですか?
そうなんです。その方が担保を出せるかだったりとか、経営者保証をつけられるか、自己資金いくら持っているのかっていうので個別審査にはなります。この新規開業・スタートアップ支援というのは、なんと自己資金要件っていうのはないんです。0円でも融資の申し込みができるという、とっても条件のいいものにはなるんですけれども、やはり自己資金を持ってた方が金利だったりとか、個別の審査で有利になりますので、目安としては融資を受けたい金額の3割、自己資金は持っていていただきたいですね。
人によって変わると思うんですけど、1000万借りたとしたら、大体平均でどれぐらいなんです?
個別審査になるので結構バラバラなんですよね。5万円以内ぐらいだと思うんですけれども、大体その返済計画で、何年で返済しなければいけないっていうのが信用力によって変わってくるんですよね。その方がどれだけ財産持ってるかとか、いざっていう時に賄える資産、自己資金があるのかっていう信用で変わってくるので、これはバラバラにはなりますね。
この新規開業・スタートアップ支援融資っていうのは、35歳未満もしくは55歳以上の女性起業家であれば、優遇で融資を受けることができます。個別審査にはなるんですけれども、通常よりも低い金利で融資を受けることができます。
女性に特化されてるんですね。そうなんです。国も女性に対して色々選択肢だったり、チャンスを増やすっていう意味なんですね。ぜひ今の情報を聞いた方は、日本政策金融公庫に行ってみて相談するっていうのが資金調達で一番多いってことですかね。
はい。続いて補助金についてお話をさせていただきます。小規模事業者持続化補助金という補助金がございます。こちらの補助金は、創業して3年以内の小規模事業者が商工会議所で自分自身のビジネスの支援を受ける、どんなビジネスを構築していきたいか、事業計画書の作成の指導を受ける必要があるんですね。そういった場合に受けることができる補助金になっています。販路開拓や生産性向上に関する費用が対象になっています。商工会議所って、会員になる必要があるんですけれども。
会員になるのは有料なんですか?
そうです。年間1万円ぐらいはかかってしまうんですけれども、どんなビジネスを構築していきたいのかっていうのをサポートしてくれるので、そのサポートの延長でこういった補助金も受けることができます。
どれぐらい受けることができるんですか?
補助上限が大体200万円。補助率が3分の2ですね。機械装置の購入だったりとか、宣伝広告費だったりとか、外のデザインだったりとかの費用の補填のための補助金をもらいます。
結構使われてる方多いんですか? 先ほどの日本政策金融公庫の融資と小規模事業者持続化補助金っていうのは、ワンセットで使われる方が多いです。
利用されることが多いんですか?
そうですね。私もお勧めしておりますし、まずはこの2つで、資金調達、補助金で資金を獲得してから設備投資を行ったり、広告費とか外注費っていうのをこれで補填していただければと思います。
大体マックス200万ってことですね。そう。それ期間的にどれぐらいかかるんですか?
大体半年ぐらいは結構かかりますね。補助金って立て替えみたいな感じにはなるんですね。まずは自分のお金で機械装置を購入したりとか、広告費を支払う必要があって、きちんと資金繰りも考えた上で申請していただければなと思います。毎年毎年、定期的に公募がなされてる補助金でして、率も結構高いので、補助金が通る確率も結構高めなので、まず創業したばっかりの方はぜひ使っていただきたいですね。
補助金だから結構世の中にたくさんあるんですよね、実は。多分知らないということが一番もったいないですよね。
そうですね。ぜひ活用していただければと思います。完全にもらえるまでちょっと時間はかかるので、きちんと資金繰りっていうのを考える必要があります。
一緒に事業計画も考えていただけるなら勉強になりますしね。ですね。
起業するにあたり、必ず税理士さんに依頼した方がいいのでしょうかっていうのは、これはどうお考えですか?
税理士には依頼はした方がいいと思います。餅は餅屋という言葉があるように、税務の会計って結構専門知識になるので、専門家に任せて、ご自身はビジネスに集中をしていただきたいんですね。特に創業時っていうのは、売上を上げることにとにかく集中していただきたいです。税理士を顧問としてつけるのが難しいっていう場合でも、税務相談をいつでもすることができるような税理士さんっていうのは、見つけておくのがいいかと思います。
これどういうふうに見つけることが多いんですか?
紹介が一番多いですね。なんですけれども、自分自身で色々問い合わせをして、実際に話をしてみて、税理士に対してこういう希望がある、こういうことを望むっていうのを伝えて、納得のいくような税理士に出会うまで色々問い合わせをして、実際に会ったりとかしていただければなと思います。
出会いっていうところが大切ですね。じゃあ、個人事業主になっても税理士さんには依頼した方がいいって。確かにこれ結構自分1人でやるの大変ですからね。その労力と時間を考えると、他にやるべきことあるでしょうっていうことです。そうなんです。
来年4%課税されると色々変わってきますもんね。毎年変わっていくので、専門的なことは税理士にお任せいただければと思います。税理士さんによって特色と言いますか、これが強いとか、ここに詳しい、それが自分と合う、合わないみたいなのって、もちろんあると思うんで。
おっしゃる通りで、その税理士さんのホームページを見たりとか、問い合わせをして、補助金、申請サポートしていただけますかとか、問い合わせていただくのが一番いいかと思います。
起業前に知っておいた方がいいこと、色々伺ったんですけれども、起業後に知っておいた方がいいことっていうのはありますか?
はい。決算書の読み方っていうのは必ず知っておいた方がいいです。決算書を読めないというか、読むのがあまり得意ではない経営者の方がとても多いですね。これはとてももったいないことで、決算書っていうのは、その会社の今までの過去の軌跡、過去にどんな活動をしてきたか、現在、未来への課題っていうのが全部記されているんです、数字で。なので、この決算書の読み方っていうのは知っておいた方がいいですね。
ちょっとご紹介したい財務安全性の指標というものがあります。自己資本比率というものがあります。自己資本比率っていうのは、その会社の潰れにくさを表す指標になっています。主に会社のお金というのは、借入金と自分自身で稼いできたお金のこの2種類があります。この会社全体のお金のうちに自己資本がどのくらいあるのかというのを示した指標が、自己資本比率と言います。この比率を見ると、会社の健康状態、潰れにくさというのがわかります。会社の総資産分の自己資本っていう算式で表すことができます。自己資本比率の目安なんですけれども、大体15%以上が理想になっています。これが40%以上になると、優良企業と言われる水準になってきます。
それは勉強したらわかるようになるんですか?
本を読んだりとか税理士さんに聞いたりすると、わかるようにはなってきます。自分自身の決算書を見て、本とかで勉強しながら見ていくとわかるようになっていきます。
コツコツですね。コツコツ少しずつ勉強していくとわかるようになってきます。確かにこれは知らないと、会社の状況わからないっていうことになってしまうので。YouTubeとかでもいいですか? 勉強するの。
今YouTubeがあるので、すごく勉強しやすいと思いますので、財務安全性とか決算書の読み方で検索をすると、たくさん動画が出てきますので。
今どういった状況なのかっていうところ、見落としがちで、毎日売上ばっかり追いがちなんですけれども。そうなんですよね。これがちゃんと数字で見ると、過去から今まで、未来に向けてどうした方がいいかっていうのが数字で出てるのが、わかりやすいかも。他にありますか?
はい。月次決算を組むということですね。通常決算っていうのは1年に1回やることだと思うんですけれども、毎月毎月、月次決算を組むということが必要になってきます。なんで月次決算を組む必要があるのかって言うと、毎月決算を行うことによって、先ほどもお話をした会社の健康状態が良くなってないなっていうことに早く気づくことができるんですね。なので1年間で毎月12回、プラス決算で合計13回、自分の会社の健康状態と向き合う機会を設けることができるので、毎月決算を組んでいただくことが必要になります。
具体的にはどういった形?
月次決算のやり方としては、まずは利益計画っていうものを立てていただきます。この利益計画っていうのは経営者の意思表示ですね。いくら稼ぐぞ、みたいな。毎月毎月の月次決算をしていただいた実績ですね。その利益計画と実績を比較をして、差があるなって思ったらここを埋めていく。この埋めていくためにPDCAを徹底的に回していくということで、軌道修正をしていただきます。あとは過去の自分との比較、前期だったりとか過去の自分と比較をしていただく。あとは同業他社と比較をしていただく。そういうふうに比較をすることで、自分の事業の立ち位置っていうのを毎月把握していただく必要があります。
これ大事ですよね。数字で比較するっていうところは、過去の自分もそうですし、同業他社だったり、あと目標に対して今どれぐらいなのか。その原因と改善を毎月考えるっていう。確かにこれをしっかり毎月やれていれば、追われるっていうことがなくなりますよね。起業して事業を進めていくと、日々のトラブルだったりだとか、いろんなものに追われてしまいがちなので、きちんと目標を毎月毎月設定するっていうのは、これは本当大切ですね。
続いて、資金繰りの計画を立てるということですね。経営を行っていく上で一番大切になるのはお金になります。なので、きちんと自分のビジネスにどのくらいのお金が必要なのかっていうのを把握して、資金繰りの計画を立てていく必要があります。例えば、いろんなビジネスモデルがあると思うんですけれども、製造業を例に出すと、まず材料を仕入れて、製造をして、販売をする。お金が入ってくるのって後ですよね。売上が立ってもいない、お金が入ってこないにも関わらず、人件費もかかりますし、家賃もかかりますし、材料の仕入れのお金もかかりますので、自分のビジネスを回すにはどのくらいの資金が必要なのかっていうのを把握をして、最低でも月の2ヶ月分、キャッシュを持っていただくっていうのが必要になってきます。
これ逆に起業後でいいんですか? そうですね。起業前にでも必要ですね。
始めて、どのくらいの売上の見込みだったりとか、受注数があるかとか、そこで具体的にこれぐらい私のビジネスには資金が必要だっていうのをわかった上で、月の2ヶ月ですね、っていうのはキャッシュとして持っていただくっていうのが必要に。
確かにこれ大事ですよね。売上があっても、その金額が入ってくるのは後のこと。その期間キャッシュがないと結局潰れてしまうっていう、資金ショートしてしまうのって。
取引先によっても回収できる期間が異なるので、取引先ごとに回収の期間を管理して、ここのA取引先は回収が遅いなってなったら、個別に交渉をしたりとかして、資金の回収の期間を短くしていただく。
ここら辺の調節、見通しは大切ですね。資金ショートしてしまうと、何もなくなってしまうので。
はい。なので、入ってくるお金はなるべく早く、出ていくお金はなるべく遅くっていうのが資金繰りの鉄則になってきます。
起業前も知識としてあった方がいいと思いますし、起業後はより具体的にだんだんわかってくると思うんで。でもこれはずっと考えなきゃいけないことですよね。
お金が一番大切なので、いかに蓄えておくかっていうことが必要になります。
これちなみに、起業後に使える補助金とか助成金っていうのもありますか?
IT導入補助金というものがあります。小規模事業者や中小企業のバックオフィスのDX化だったりとか、業務効率化を推進するためのITツール導入補助金となっています。
ITツールを何か使いたいなって考えた際に、その補助金を申請すれば通る可能性がある。
はい。しかも自分で申請する必要はなくって、例えばソフトウェアの会社だったりとか、ITベンダーの会社に、業務効率化をしたいので、このIT導入補助金を使えるシステムはありませんかって相談をすると、システムの紹介をしてくれて、代わりに申請もやってくれるので。
紹介もしてくれて、そこでITツールでお願いできると。
間に入って申請をしてくれるので、とても使いやすいので、ぜひ活用していただきたいなと思います。
使われてる方、やはり多いんですか?
とっても多いです。このIT導入補助金っていうのは毎年公募があるので、こちらの方もぜひ活用していただければと思います。
割と通りやすいんですか?
そうですね。採択率はその時によって違うんですけれども、5割ぐらいは通るので、ぜひチャレンジはしていただきたいなと思います。
どれぐらいの金額なんですか?
このIT導入補助金っていうのは枠が3つありまして、通常枠というのが最大で450万円、限度額がございます。あとはインボイス枠というものがございまして、インボイスに対応した会計ソフトだったり導入する時に使える枠なんですけれども、最大で350万円の限度枠がございます。
確かにITツール導入するの、お金かかりますから。
決算1回終えていれば申請することができるので、一度IT導入支援事業者に相談をして、代わりに申請をしていただければなと思います。
この辺りは実用的と言いますか、この知識があれば補助金を使えるっていう。
そうですね。先ほどお話をした小規模事業者持続化補助金。先ほどのは創業枠というものになりまして、こちらの補助金は通常枠っていうのもあるので、起業後は通常枠の方も活用していただければと思います。なので、まず創業したばかりの時は創業枠を活用していただいて、1年ぐらい期間を置いてから通常枠を活用していただければと思います。補助金っていうのは物だったりとか、ことに対して出されるお金なんです。助成金っていうのは人ですね。雇用とかに対して出されるお金になります。
補助金と助成金って、本当にたくさんあるんでしょうね。積極的にはなかなか知る機会ってないかもしれないですよね。
なので自分で情報を取っていって、知るか知らないかで起業後のお金の回り方っていうのも変わってくるので、こういった補助金だったりとかをフルに活用していただければと思います。
確かに自分で調べるっていうところが大切ですね。知らなかった、聞いてなかった、教えてくれなかった。もうだめですね。そうなんです。知識をつけるっていうことが大切ですね。確かにその上で税理士さんだったりにお願いするとスムーズだと思いますし。
本当に私は何も知らずに起業したなっていうので、お恥ずかしかったんですけれども、ぜひこのチャンネルをご視聴いただいた方は、これから起業する方だったり、興味がある方も多いと思いますので、知っていただけたら嬉しいなと思いました。では、本日のゲストの貴子さんでした。私も知らないことが多くて、すごく質問ばかりしてしまったんですけれども、知っておくって大事だなっていうのを感じました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
記事公開 · 更新
