30代からの顔の変化に何から投資するか:形成外科出身の藤本裕樹医師が語る「綺麗に年齢を重ねる」ための順番

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概要

30代になると、シミやシワだけでなく、たるみ、目元の変化、フェイスラインのもたつき、顔全体のボリュームの変化といった悩みが増えてくる。美容医療の選択肢は多く、「切る施術はまだ早いのか」「結局何にお金をかけるのが正解なのか」と迷う人も多い。lumilyの動画で、愛沢えみりがV CLINIC新宿院院長の藤本裕樹医師に、顔が変化する原因と、限られた予算の中で美容医療をどの順番で取り入れるべきかを聞いた。

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藤本医師の立場は一貫している。老化は止められないので、無理に抗うのではなく「綺麗に老化していく」ことを目指す。そのためには、良い部分をさらに良くするよりも、マイナスに見えている部分を平均に戻すことを優先する。そして予算が限られているなら、手術ではどうにもならない肌から手をつけるべきだという。

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修正手術を多く手がける形成外科医としての経歴

藤本医師は大学医学部を卒業後、2年間の研修を経て昭和大学の形成外科医局に入った。本人によれば、この医局は日本で最も人数が多く、「形成外科といえば昭和」と言われた時代もあったという。1年ずつさまざまな病院を回って形成外科や美容外科の経験を積み、専門医を取得して部長職を2年務めたあと、V CLINICで勤務を続けている。

手術は年間200〜300件ほどで、半分以上が他院で受けた手術の修正だという。数えたことはないが7割ほどになるかもしれない、と藤本医師は話す。修正手術は初回の手術よりかなり難しい。組織が硬くなっているうえ、解剖が最初の状態と違うので、それを探りながら層を分け、形を作り直す技術が求められる。そのため、たまに初回手術の患者に当たると「あ、こういう感じか」と感じるほどだという。

愛沢は藤本医師にフルフェイス・ネックリフトを受けている。愛沢は以前に糸リフトを受けており、手術の際にはその糸が残っていたが、それでもやりやすかったと藤本医師は振り返る。愛沢は傷跡がきれいで、友人からも自然だと言われたと話している。

藤本医師は学生時代から縫うことが好きだった。他の病院で開かれていた縫合の練習会に毎月通い、1時間ほど他の医師たちと練習していたという。研修医の頃には、循環器内科の医師から傷の縫合を任されるほどになっていた。研修の時点で形成外科に進むことは決めていたが、美容外科は考えておらず、当初は形成外科で外傷を中心に診るつもりだった。転機は、先輩医師に二重の手術を教わったことだ。自分の技術で人を美しく変えられること、患者と喜びを分かち合えることが嬉しく、技術が結果として直接形に表れる点にも魅力を感じた。美容外科は形成外科のサブスペシャリティの一つでもあるため、その道に進むことにしたという。

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老化は20代から始まり、30代で気づく

藤本医師によれば、顔の老化は20代から少しずつ始まっている。ただ、30歳前後になると、昔と比べて頬の位置が下がった、フェイスラインがぼやけてきたと感じるようになる。

相談に来る30代の患者の悩みとして多いのは、フェイスラインのぼやけ、ほうれい線が深くなってきた感覚、クマで疲れた印象に見えること、二重の幅が昔より狭くなったことだという。藤本医師は、フェイスライン、目元、ほうれい線が「三大悩み」と言えるかもしれないと話す。気づくきっかけとして、帰りの電車の窓に映った顔を見て「やらなきゃダメだ」と思う人が多いという話も出た。ただ、疲れている時間帯で光の加減もあるので、実際より老けて見えている面もある。

愛沢は、夕方から一気にくすみがひどくなると感じていて、20代の頃はそこまで気にならなかったと話す。藤本医師は、30代になると皮膚の老化も少しずつ始まるので、その実感は気のせいではないだろうと答えた。

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たるみは皮膚だけの問題ではない

たるみというと皮膚の問題だと思われがちだが、藤本医師は、実際には脂肪、筋肉、骨といった顔を支える組織が少しずつ変化した結果だと説明する。脂肪には垂れるものもあれば減るものもある。骨もこめかみ周辺などがへこんだり、一部が広がったりする。こうした組織が徐々に吸収され、小さくなっていくことで老化として見えてくる。大きくなる組織はあまりないという。

この老化は、今の医学でも止められないと藤本医師は言う。さらに、自分の老化に変に抗おうとすると、かえって不自然になり、年相応に見えなくなるとも話す。だから目指すべきは「老化させない」ことではなく「綺麗に老化していく」ことだという。たとえば40歳になったときに「あの人ちょっと若くない?30代に見えてもおかしくないよね」と思われるくらいが良い、というのが藤本医師の考えだ。愛沢はこれを受けて、20代の自分に戻ることではなく、今より少し綺麗になることが正解だと感じたと述べている。

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体重が同じなのに顔が大きく見える理由

「20代の頃と体重は変わらないのに顔が大きくなった気がする」という相談は30代に多い。藤本医師によれば、体重が同じでも、30代になると顔の一部の脂肪が落ち、フェイスラインがぼやけてくる。その結果、顔がやや四角く見え、重心が下がるので、顔が大きくなったように感じるという。

これを太ったせいだと思って無理に痩せると、今度は頬などがこけ、かえって老けて見えることがある。藤本医師は、20代とは構造が変わっているので体重という数値で比べるのではなく、なぜ大きく見えるのか原因を探り、それに合わせて美容医療を選ぶべきだと話す。

ただし、原因を自分で判断するのは難しい。藤本医師は、どう変わってきたかを伝えてもらえればよく、「何が変わったかはわからないけど老けた気がする」程度でも構わないと言う。医師の側では老化の変化がパターン化されているので、それに合わせて提案ができるという。

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生活習慣では紫外線とタバコ、そして「触らない」こと

同じ30代でも老けて見える人と若々しく見える人がいる。藤本医師は、もともとの骨格の違いもあるが、生活習慣の影響が大きく、特に紫外線とタバコが老化に大きく関係すると話す。紫外線による「光老化」では、皮膚がダメージを受けてコラーゲンの生成などが悪くなり、シワやシミの原因になる。

その根拠として藤本医師が挙げたのが、一卵性双生児を対象にした論文だ。遺伝的にほぼ同じ双子が集まる集会で、紫外線を多く浴びていた人とそうでない人、喫煙量が多い人とそうでない人を比べたところ、紫外線や喫煙の影響を受けていた側のほうが、皮膚全体が明らかに老けて見えたという。対策としては、タバコを吸わないこと、日焼け止めや帽子、日傘で紫外線を避けることを挙げた。保湿も大切だという。

骨格も関係する。藤本医師によれば、日本人には中顔面の骨が全体的にへこみ気味の人が多く、そうした人はその上に肉が乗りやすいため、ほうれい線が目立ちやすい。顎がもともと小さい人は顎下のたるみが強く見えやすい。こうした骨格や、遺伝的に老化がどれくらい早く進むかといった体質は、どうしようもない部分だという。どの骨格の人が将来老けやすいかまで厳密にはわからない、とも話している。

紫外線、喫煙、保湿のほかに藤本医師が強調したのは、できるだけ顔にダメージを与えないことだ。マッサージや小顔ローラーはかえって皮膚をたるませたり、支える組織を弱くしたりする原因になるので、藤本医師自身は「あまり触らない」のが一番だと考えている。愛沢も、美容皮膚科の医師もおそらく同じことを言うだろうと話し、自分は顔のマッサージを一切していないと明かした。

首についても同様だ。リンパを流すのは、むくんだ日にたまにやる程度ならよいが、毎日やるのは疑問だという。藤本医師は、手術をしていて感じることとして、顔に比べて首を若返らせる治療はあまりないと話す。ネックリフトや肌への注射はあるが限界がある。年齢は首に表れやすいので、マッサージで首をたるませてしまうと、より老けて見えてしまうかもしれないという。

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美容課金の優先順位は「マイナスを平均に戻す」こと

30代の美容課金の優先順位について、藤本医師はまず、自宅での肌ケアは前提として行っているものと考えたうえで、目元、輪郭、たるみのどれを優先するかは人によって違うと答えた。その判断基準として示したのが、「平均的なものをプラスにするのではなく、マイナスに見えるものを平均に持っていくのが大事」という考え方だ。目元のクマが老化として目立つ人ならクマ治療に、フェイスラインのぼやけが目立つ人なら糸リフトなどでたるみ対策に、お金をかけるべきだという。

ただし、本人が気にしている部分と、実際に平均に戻すべき部分がずれていることもある。そこはカウンセリングで擦り合わせる。たとえば目元を気にしている人でも、フェイスラインを直したほうが全体として若返って見える場合がある。中顔面を短く見せたいと人中短縮を希望する人に、鼻を変えたほうが中顔面が短く見えると提案することもあるという。鼻は顔の中心にあり、顔の長さの印象に関わるからだ。人中短縮を先にやってから鼻を手術すると、条件がまた変わってしまう。こうした順番の問題があるので、顔全体の作りを見て手術もできる医師に相談することが大事だと二人は確認している。

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予算が限られているなら、まず肌

予算が限られている場合に何から始めるべきかと聞かれ、藤本医師は肌だと答えた。日頃のケアに加えて、肌への注射や、HIFU、RF(ラジオ波)といった機械系の施術は比較的費用がかからず、ちょっとしたたるみ予防や肌の老化対策になる。手術を多く手がける自分が言うのも何だが、と前置きしたうえで、肌は手術ではどうにもならない部分なので、肌管理が一番大事だと話した。

肌は1回で劇的に良くなるものではない。月1回程度、レーザーや光治療などを続けると徐々に変わっていく。藤本医師は、やらなかった自分と比べることはできないのでわからないとしつつ、1年後にはおそらくかなり違うだろうと見ている。

愛沢は、通い続けて本当に変わるのか不安になり、それなら思い切って手術で一度に変えようと考える人も多いのではないかと話した。藤本医師は、そこは逆だと思っていると答えた。手術前の写真を見て、もう少し手を加えたほうがいいと思う人でも、実際に会って肌がきれいだと「全然やらなくても可愛いじゃん」と感じることがあるという。肌がきれいになるだけで若々しく、垢抜けた印象になる人がいると藤本医師は話す。

肌の治療も種類が多いが、藤本医師は「レーザーをしたい」と施術名を決めて来るのではなく、悩みを伝えてほしいと言う。何をすべきかを考えるのは医師の仕事だからだ。最近はSNSの影響で、施術を指定して来院する人が多くなっているという。悩みは「老けた気がする」のような抽象的なものでもまったく問題ない。最近は複数の治療を組み合わせる「カスタマイズ治療」を掲げるクリニックもあり、そうしたところは悩みから解決していくスタンスなのだろうと藤本医師は述べた。

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失敗しないクリニックの選び方

藤本医師がまず伝えたいのは、SNSに左右されないことだ。TikTokやInstagramで「ここでやったらこれだけ綺麗になった」という投稿を見ても、人によって合う施術と合わない施術がある。誰かが切開リフトで綺麗になったからといって、自分にも合うとは限らない。施術を指名するのではなく、悩みから治療を相談に乗ってくれるクリニックを選ぶことが一番大事だという。

次に、価格の安さだけで選ばないこと。広告の安さに惹かれて行くと、実際に施術するのが入ったばかりの医師だったということもあるという。カウンセリングで医師と相談し、信頼できると思えるかどうかが大事で、3つほどクリニックを回って比較するのもよい。藤本医師は、自分が比較対象の一つになってもまったく構わないと話した。愛沢が「今すぐ決めてください」と急かすのは怪しいと述べると、藤本医師も同意している。

信頼できる医師を見分けるポイントとして、藤本医師は次のような点を挙げた。施術の良い点だけでなく、合併症やリスクといった悪い点もきちんと伝えてくれるか。術後の経過観察が定期的にあるか。経歴はどうか。さらに、聞きにくいかもしれないが、医師が説明した重い合併症について「そうなったらどう対処してもらえるか」と尋ねるのもよいという。具体的な対処法を答えられる医師は修正ができるということであり、修正ができるということは手術の基礎がしっかりしているということだからだ。

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美容皮膚科と美容外科の使い分け

美容皮膚科と美容外科の使い分けについて、藤本医師は大きく二つに分けて考えるとよいと話す。美容皮膚科は肌管理が中心なので、日頃のメンテナンスとして少しの変化を求めるときに向いている。美容外科は解剖的・構造的なものを大きく変える手術の領域だ。

たるみの場合、30代でまだ軽度なら、まず美容皮膚科で機械系の施術を相談するのもよい。年齢で決めるものではないとしつつ、40代・50代になってたるみが強くなり、機械系では限界があると感じたら美容外科に相談するのがよいという。両方に行くのもありで、どの程度のダウンタイムを取れるか、予算はどれくらいかによっても選択は変わる。

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30代で切る施術は早いのか

SNSでは「30代で切る施術は早い」という意見も見かける。藤本医師の答えは「人による」だ。30代後半でもたるみが強い人はいて、その場合は切開リフトを行うことも十分ある。一般的には30代はやや早い。今をベストな状態にしたい人が切る施術を選ぶのはありだと思うが、切開リフトは大きな手術なので、生涯設計を考えると1回くらいに留めたい。そう考えると40代後半あたりで行うのもよい、というのが藤本医師の見方だ。

30代なら美容皮膚科の治療や糸リフトでもよい。糸リフトは半年ほどで効果がゼロに戻ってしまうので、効果を長持ちさせたい人や、糸リフトより少し強い効果がほしい人には、藤本医師は耳の前だけを切開する「ミニ切開」も行っている。藤本医師自身は、たるみ治療をHIFUやRFなどの機械系、糸リフト、ミニ切開、フル切開の大きく4パターンで考えているという。

愛沢自身は段階を追ってきた。20代後半にはHIFU、30代前半には糸リフトをしていて、その時点では満足していた。しかし長い目で見ると、ほうれい線のあたりからもっと引き上げたいという悩みに変わり、ミニ切開を経てフル切開に至った。藤本医師によれば、切開を受ける人の多くはHIFUや糸リフトを経験済みで、最初から切開を選ぶ人はたまにしかいない。将来切開リフトをするために糸リフトをせずに取っておいたという人もいる。どちらから始めるべきかはたるみの程度による。一気にたるみを改善したい人には切開を提案し、ダウンタイムが取れないので徐々に進めたい人には糸リフトから提案する。30代前半の人には、藤本医師は基本的に切開系はまだ提案しておらず、HIFUか糸リフトくらいだという。

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糸リフトを繰り返すと将来の手術がしにくくなるか

視聴者からの質問として多かったのが、糸リフトを繰り返すと将来手術がしにくくなるのかという点だ。藤本医師は「それはある」と認めた。体内に物を入れると炎症が起きて組織が硬くなり、手術の際に剥がしにくくなるので、多少やりにくくなる。糸リフトを何度も行っていると、手術中に糸が出てくることもある。ただ、手術ができなくなるわけではないので、将来切開リフトをするから糸リフトはやらない、と決めつける必要はないという。

回数の制限も特にない。藤本医師のクリニックでは基本的にPDOという溶ける糸を使っており、6〜8ヶ月ほどで溶けるので、年1回程度なら問題ないと考えている。10年間毎年やってもよいし、糸リフトだけで一生続けるという考え方もありだという。ダウンタイムがほとんどないことが最大の利点だ。皮膚が伸びるといった心配もしなくてよいだろうと話した。

SNSでは糸リフトで劇的に変わったという投稿も見られるが、藤本医師は、劇的な引き上げではなくメンテナンスとして考えるのがよいと言う。切開と違って老化そのものを止めることはできず、年齢に応じてたるみは進んでいくが、そのスピードを遅らせる意味で糸リフトは良い。愛沢は、これが冒頭の「綺麗に年齢を重ねる」という考え方に通じると受け止めた。

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ヒアルロン酸は「足りないところに少し足す」

ヒアルロン酸は手軽に若返る施術というイメージがあるが、入れすぎると顔が不自然になることはあると藤本医師は言う。藤本医師にとってのヒアルロン酸は、足りないところに少し足すものだ。涙袋のように可愛く見せるために足す使い方もあるが、老化対策としては、骨が萎縮し、脂肪が吸収されて減ったところにボリュームを足すのがとても良い。頬の高い位置を上げたり、こめかみをふっくらさせたりする使い方だ。

問題は、何度も入れすぎるとどんどんパンパンになることだ。ヒアルロン酸は1年〜1年半で溶けると言われるが、実際には完全には溶けきらず、少し残っていることがある。さらに心理的に「1年経ったら入れなきゃ」という衝動に駆られる人が多い。吸収されてなくなった気がすると次々に足していった結果、「オーバーフィルドシンドローム」と呼ばれる、顔がパンパンに張ったような状態になってしまうという。

愛沢は唇で同じ経験をしたと明かした。入れすぎた結果、最終的に手術で取ってもらうことになり、客観的に見ても変だったと思って溶かしもした。振り返ると、見た目の悩みというより、吸収されていくから一定の期間が過ぎたら行かなければ、という気持ちがあったという。藤本医師は、ほうれい線でも同じように感じる人が多いと話す。

体への害について、藤本医師は正直それほどないとしたうえで、ヒアルロン酸を多く入れている人の中には、体調を崩したときに注入部位が赤く腫れる人もいると述べた。体質に合わない場合もある。

対策としては、たとえば3回程度入れたら一度溶かしてリセットする方法を挙げた。鼻筋のヒアルロン酸は横に広がりやすく、入れ続けると鼻筋が太くなったように見えることがあるので、一度溶かして入れ直すのもよいという。根本的に鼻を高くしたいなら手術に切り替える人もいる。

また藤本医師は、美容皮膚科も美容外科も「主治医」のような医師を一人見つけることを勧めた。自分の施術履歴を把握してもらえれば、「前回ここに入れたから、今回もそこに入れるのはさすがに入れすぎ」といった相談ができる。いろいろなクリニックを転々とすると、そうした判断ができなくなってしまうという。愛沢は、肌はここ、手術はここと分けず、V CLINICの医師たちに相談していると話し、藤本医師もそれは良いやり方だと答えた。

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もっと早く相談してほしかったケース:二重とクマ

藤本医師が「もっと早く相談してくれればよかったのに」と思うことが多いのは、二重とクマだという。

二重については、アイプチやアイテープで二重を作り続けた結果、皮膚がだんだん伸びてしまうケースだ。皮膚がそれほど伸びていなければ埋没法で簡単に二重を作れたのに、皮膚がたるんで切除しないと綺麗な二重が作れなくなり、ダウンタイムのかかる施術になってしまうことがある。

クマについては、アイクリームや化粧品で頑張ってきた人が、手術をしたら一発で解決してしまい、それまでたくさんお金を使っていたのに、ということがあるという。アイクリームには1万円ほどするものも多い。脂肪が前に出て影ができ、クマとして見えている人は、手術で一度に解決できるので、そちらを選んだほうがよいと藤本医師は話す。

ただし、青クマは手術で治すのが難しいこともあると藤本医師は補足した。皮膚を厚くする施術や、脂肪を細かく砕いた「ナノファット」である程度改善はできるが、色の問題は手術に加えて化粧品系のケアも必要になるという。愛沢は、手術は高く感じても、長い年月で考えれば結局コスパが良かったということがあると受け止めた。

40:38

修正相談で最も多いのは「やりすぎ」

修正手術の相談で最も多いのは「やりすぎた」ケースだと藤本医師は言う。二重の幅を広げすぎた、鼻を尖らせすぎた、といったものだ。藤本医師は、SNSが流行し、写真映えを気にするようになったことが背景にあると考えている。自然な状態に逆らって大きく変えすぎると、写真では良くても、実際に会ったときにやりすぎに見える。そこで元の自分や自然な状態に戻したいと相談に来る人が多いという。

修正を受ける人に共通しているのは、SNSで流行っている施術や、インフルエンサーが綺麗になった施術を「自分にもやってください」と求めたことだ。愛沢が「ほぼそれではないか」と聞くと、藤本医師は「今の時代はほぼそれかもしれない」と答えた。目をやったら次は鼻を、と誰かを真似してどんどん手術を重ねていくと、やりすぎになりかねない。自分の顔に合った、悩みに沿って悪いものを良くするという考えがベースにあれば、結果はだいぶ違うという。

その意味で、ストップをかけてくれる医師は良い医師だと藤本医師は言う。骨格は人それぞれ違い、SNSに出てくる人とは条件が異なるので、自分に合った自然な綺麗さを相談できることが大事だという。症例写真がきれいだという理由だけで選ぶのも危険だ。

一方で、調べすぎも良くないと藤本医師は話す。ネットには怖いことも多く書かれているし、藤本医師が見ても間違っていると思う情報がよくある。ネットの情報を鵜呑みにせず、何に悩んでいるか、どこが気になるかを持って専門の医師に相談すればよい、というのが二人の結論だった。

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年間予算10万・30万・50万円の使い方

最後に、年間予算別の考え方が示された。

年間10万円なら、月にかけられるのは1万円以内になる。藤本医師は、この場合は肌に「全振り」するのがよいと考えている。それだけで予算はほぼ使い切るからだ。

年間30万円まで出せるなら、肌ケアに加えて肌のレーザー系の施術や、表情ジワを将来出にくくするためのボトックス注射など、老化させないための予防の段階に入ってよいという。

年間50万円まで出せるなら選択肢はかなり広がり、外科手術も視野に入る。マイナスを平均、あるいはそれ以上に良くしていくことを考え始めてよいという。目の施術もできる。鼻やフェイスリフトは高額になるが、年間50万円を必ず使う必要はない。たとえば年間20万円に抑えて差額を30万円ずつ3年間貯めれば90万円になるので、それを手術に充てるという使い方もあると藤本医師は話した。

まとめると、まず肌、次に予防、最後に自分に合った外科施術でマイナスを平均に戻す。この3段階で、はしごを上るように考えるのがよいというのが藤本医師の提案だ。逆に、予算が限られているのにいきなり外科手術に飛び込むのは危険だとも述べた。

愛沢は、手術を多く手がける藤本医師が「肌が大事」と言うことに説得力を感じたと振り返った。まず予算を決め、日々のケアと肌治療をこつこつ続け、課金していくなら予防、次に悪いところを少し良くする。そして悩みがはっきりしないままでも、信頼できる医師に相談する。友人同士で推測を交わすより、専門の医師に聞くのが良いと改めて思った、というのが愛沢の結びだった。