浮気調査を23年続ける探偵・岡田真弓が語る「依頼の9割は黒」と、発覚後のやり直し方

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概要

総合探偵社MRの代表・岡田真弓さんは、探偵事務所を立ち上げて23年になる。愛沢えみりさんが聞き手を務めるこの対談では、浮気する男性の特徴や見抜き方、証拠の取り方、慰謝料の相場までが語られた。岡田さんの主張の中心は、浮気が「誰にでも起こり得る」ことを前提にし、疑いを持ったら早めに白黒をつけ、そのうえで焦って離婚せずに時間をかけて判断する、という点にある。

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調査は「プロセス」であり、目的は発覚後の生活

岡田さんは、一般的な探偵の仕事を「人の行動を追いかけること」と説明したうえで、自社の違いは調査で証拠をつかんだ後にあると話す。経験のある相談員が、証拠をどう使うかまでを無料のカウンセリングで扱っている。岡田さんにとって調査はあくまでプロセスで、最終目的は相談者が平穏な生活を取り戻し、幸せになるまでを一緒に考えることだという。

相談件数は年間でおよそ1万5000件にのぼる。費用がかかるため、相談だけで調査に至らないケースもあるが、浮気や不倫に悩む人は非常に多いと岡田さんは述べる。

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相談に来た段階で「ほぼ9割は黒」

愛沢さんが「何か怪しい」というモヤモヤの段階で相談に来るのではないかと尋ねると、岡田さんは、依頼を受けた段階でほぼ9割、あるいはそれ以上が黒だと答えた。相談者自身も黒だとある程度分かっていて、それでも確かめたい、あるいは黒だと思いたくないという気持ちで来ることが多い。岡田さんは、話を聞けば黒か白かは分かるとも語っている。

調査は1回で証拠が取れることもあれば、複数回、時間をかけないと結果が出ないこともある。予算に合わせた調査になるため、岡田さんの見方では、予算がなくて泣き寝入りしている人のほうが世の中には多いはずだという。

探偵になる方法と、調査の難しさ

探偵業は、警備業と同じように警察に届け出をすれば名乗れる。なれない条件もいくつかあるが、届け出をすれば愛沢さんでも探偵を名乗れると岡田さんは言う。ただし調査そのものは、素人が思うほど簡単ではない。テレビドラマのように尾行して覗くだけのものではないため、MRでは探偵学校を運営しており、1か月ほど学べば調査ができるようになるという。

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依頼者の変化——夫からの依頼が1割から4割へ

依頼者の平均年齢は48歳。23年前は妻からの依頼が約9割、夫からが約1割だったが、現在は夫からの依頼が4割に増えたと岡田さんは報告する。

岡田さんはこの変化の背景として、上戸彩さんが不倫をする役を演じたドラマ『昼顔』を挙げた。あの頃から「自分の妻も浮気するのだ」と男性の見方が変わったのではないか、というのが岡田さんの解釈である。以前の夫からの依頼は、浮気されたらすぐ離婚という目的で来る人が多かったが、今はやり直しを選ぶ人もいる。また岡田さんは別の箇所で、女性の社会進出によって主婦でも綺麗にしている人が増え、周囲から寄ってくる人もいるため、女性の浮気も増加していると述べている。

カウンセリングを経ると7〜8割がやり直しを選ぶ

MRでは調査前、調査中、調査後とカウンセリングを行う。岡田さんによれば、きちんとカウンセリングをして話をすると、同社の場合はほぼ7〜8割の人が浮気されてもやり直しを選ぶ。男性の相談者でも、自分自身に改めるところがあったかもしれないという話まで掘り下げていくと、怒りが収まってくるという。子どもの有無も影響し、子どもがいないほうが離婚しやすく、いれば「子どものために」という判断になりやすい。

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証拠は「武器」にも「お守り」にもなる

岡田さんがやり直しを勧められる理由の一つとして挙げたのが、証拠の有効期間である。岡田さんは、不貞の証拠は裁判で3年間有効だと説明する。離婚には理由が必要で、片方が離婚したくないと言えば、不貞のように婚姻関係を継続しがたい事由がなければ離婚できない。証拠を取っておけば、こちらからいつでも離婚を切り出せる。

一方で、証拠は離婚を拒否するためにも使える。岡田さんのもとには、パートナーから理由の分からないまま離婚を求められたという相談が来ることがあり、調べると大体は愛人がいるという。その場合、いったん離婚を拒否できる。愛沢さんが「切り札」と表現すると、岡田さんは武器にもなるし、お守りにもなると答えた。

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再発を防ぐための「お仕置き」

修復した後に浮気を繰り返さないためには、きちんと制裁を与える、つまり「お仕置き」をすることがポイントだと岡田さんは言う。具体例として挙げたのは、次に愛人と会ったら何百万円の違約金を払う約束をする、お小遣い制にして自由に使えるお金をなくす、といったルールづくりである。愛人に対してしっかり慰謝料を請求することも重要だとしている。

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言い逃れできない証拠とは

最終的な証拠として重要なのは、ホテルへの「入り」と「出」をしっかり撮影することだ。「休憩していただけ」「お友達です」という言い訳はよくあり、芸能人でも見られると愛沢さんが触れると、岡田さんは、そうした言い逃れができてしまう状況があると認めた。

ラブホテルであれば性交渉をする場に行ったとみなされるが、芸能人がよく使うシティホテルやラグジュアリーホテルは難しい場合がある。そのため、入りと出の時間を記録し、性交渉があったであろう時間を証拠として残す必要がある。さらに岡田さんは、慰謝料請求には「一定期間継続した肉体関係」という不貞の定義があると説明する。1回だけだと「具合が悪くなってたまたまホテルに入った」と言われれば慰謝料の対象外になることもあるため、2回以上の記録が大事だという。自宅や相手の家の場合は、他の友達も来ていたなどと言い逃れができてしまうとも述べた。

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写真を見た妻の反応と、意外な愛人像

撮影した写真は依頼者に見せる。愛沢さんはショックが大きいのではと想像したが、岡田さんによれば、妻の側はそれほど動揺せず「こういう感じね」と受け入れる人が多いという。

また、愛人は自分よりずっと美しい女性ではないかと想像しがちだが、実際は妻より劣っているように見える相手が意外と多いと岡田さんは話す。「こんなに素敵な奥さんなのに」と思うことは正直あるという。岡田さんの見立てでは、そうした女性は相手をとても大事にし、もともとあまりモテなかった人も多いため、不倫にのめり込み、とても尽くす。性的な相性が合う、心まで入ってしまうといった理由もある。

関係の長さも重要だ。1回や2回なら魔が差した、誘われたといった程度だが、長期間になると居心地のよさや、妻より愛人といるほうが幸せだという感覚が生まれ、別れさせるのが非常に難しくなる。MRは別れさせるところまでアドバイスや手伝いをするが、期間が長いと難しいため、「早期発見、早期治療」が重要だと岡田さんは強調した。1年、2年と続いた後に知ると、自分を取り戻すのにも時間がかかるという。

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浮気する男性に共通点はあるか

浮気する男性の特徴として岡田さんが挙げたのは、まずモテる人、自己肯定感が高くナルシストな人。次に極端に自信がなく、過去にモテなかった人。そして、お金を持ってモテるようになり勘違いするパターンである。愛沢さんが「全ジャンルに当てはまってしまう」と指摘すると、岡田さんは、誰にでも事故のようなことが起こり得る、人間はそういうふうにできていると答えた。

職業では、ストレスのかかる仕事に就いている人、たとえば医師が多いという。意外なところでは教師が保護者と関係を持つケースもあり、「硬い」とされる職業の人も少なくないと話す。岡田さんは「うちの夫だけは大丈夫」と思わないほうがいいとし、相手にあまり期待せず、何かあったときも自分にも原因があるのではと考えるほうがいいという姿勢を示した。

愛沢さんは関連して、結婚式で夫が「幸せにします」と言うのはおかしいのではないかという議論に触れ、女性も「幸せにしてもらう」のではなく、お互いに幸せになろうという時代に変わってきていると話した。

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見抜き方——最初のきっかけは「断然、携帯」

見抜く方法の一番は携帯電話だと岡田さんは言う。携帯を肌身離さずトイレにまで持っていく、ロックをかけ始める、といった変化がサインになる。女性の場合は下着の好みが変わり、派手になることがある。男性の場合は、不貞の後にシャワーを浴びるためソープの匂いで分かったり、愛人の好きな香水をつけ始めたりする。

浮気に気づいた最初のきっかけとして最も多いのも、断然携帯だという。暗証番号は入力する様子を見ていれば何となく分かり、寝ている間に顔認証で解除するという、ドラマで見るような行動も「みんなやっている」と岡田さんは話す。そのほか、聞く音楽が愛人の好みに寄っていく、急に筋トレやダイエットを始める、デートで行くレストランの好みが変わる、といった小さな変化もある。「あれ?」と思ったときに気のせいだと蓋をするとずるずる続くので、早い段階で白黒をつけたほうが精神的にもいいと岡田さんは言う。気になり出したら止まらず、その時期が一番つらいからだ。

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知った後の振る舞いと、直接交渉のすすめ

岡田さんによれば、事実を知った女性は意外と慌てず堂々と受け止めるため、作戦が立てやすい。心の中では思うことがあっても知らないふりをしてやり過ごすことも大事で、「今は泳がせたほうがいい」というタイミングもあるという。

MRのアフターケアでは、愛人の性格、夫の性格、妻の性格をすべて踏まえて、いつどのように愛人と接触するか、夫にどうアプローチするかまでサポートする。弁護士をつけるのも一つの方法だが、岡田さんはまず自分で直接交渉することを勧めている。聞きたいことがたくさんあるのに弁護士を挟むと弁護士同士の話し合いになり、モヤモヤが残って引きずる傾向があるためだ。何を聞くか、どう解決するかをリストアップし、質問も一緒に考えるという。

結婚前の調査と、受ける側の線引き

依頼者は婚姻関係にある人が多く、恋人同士の依頼はあまりない。ただ最近は、結婚したい30代・40代が「本当にこの人と結婚していいのか」「最近様子がおかしい」と結婚前に調べるケースもあるという。一方で岡田さんは、やりすぎるとストーカーのようになってしまうので、依頼を受ける側もきちんと精査しなければならないと述べた。

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やり直しがうまくいく条件と、許せるケース

再構築がうまくいくかどうかは、夫が心から反省しているかどうかだと岡田さんは言う。ただし本当に浮気癖のある人もいて、性欲は三大欲求の一つなので、それが強い人は難しいこともある。岡田さんは、浮気させないためには妻の努力も重要だと考えている。「そういう人だ」と割り切って付き合うケースはあるものの、そこまでできる人は少ない。

比較的すぐ許せるのは、風俗に行っていたケースだという。妻の側が性交渉を受け入れられない事情がある場合、夫がお店で済ませるのは納得できても、そうでない状況で浮気されると許すのは難しい、と岡田さんは説明した。

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冷静になるには2〜3年かかる

離婚かやり直しかについて、岡田さんは焦って決断しなくていいと言う。証拠があればいつでも離婚を切り出せるので、様子を見るのも一つの方法だ。裏切られてから本当に冷静になるには2〜3年かかると岡田さんは考えており、証拠の有効期限が3年なのもそのためではないかと話す。どうしても許せない、信用できないという気持ちが3年以上続くなら難しい。一方で、カウンセリングを重ねるうちに半年から1年で許せて、やり直しがうまくいくケースもある。それは忘れたわけではなく、「仕方がない」「自分にも原因があった」と納得するということだという。

岡田さんは、多くの人はパートナーの浮気にほぼ気づいており、知っていても依頼に来ずに我慢している人のほうがずっと多いと見ている。

離婚理由の上位と、離婚後の請求

離婚理由のトップ3として岡田さんが挙げたのは、1位が性格の不一致、続いて浮気問題、お金の問題である。ただ、性格の不一致の中にはうやむやにされた浮気が多く含まれていると岡田さんは見る。相手から理由も分からず離婚を求められ、「したいならいい」と応じてしまう人もいるからだ。離婚後にモヤモヤして相談に来る人もいて、その場合も慰謝料を請求できることがある。決定的な証拠はホテルの出入りだが、状況証拠は多くの人が持っており、その積み重ねがあって本人が認めれば請求できる。MRでは交渉の仕方や認めさせ方もアドバイスしているという。

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慰謝料の相場とダイヤモンドという選択肢

弁護士を入れた場合、判例に基づく相場は愛人に対して100万〜200万円程度だと岡田さんは言う。夫からも取ることができ、夫からはもう少し高く、離婚になればさらに高く取れる。やり直す場合はそこまで取れないこともあるが、証拠があれば夫が支払いに応じることもあり、離婚して財産分与で半分持っていかれる前の財産から受け取るという方法もある。

やり直すのにお金を受け取るのは抵抗があるという場合は、200万〜300万円のダイヤモンドをプレゼントしてもらう例もある。離婚したら売ればいい、と岡田さんは笑って話した。

弁護士を入れればストレスは減るが、金額は判例の相場になる。当事者同士の示談なら、相手が納得すれば相場以上を受け取れることもある。ただ最近は愛人側も賢く、弁護士に相場を相談し、弁護士から「どのくらい証拠があるのか」と聞かれるため、簡単ではないという。

リスクがあるのになぜ不倫するのかという愛沢さんの問いに、岡田さんは、状況や環境などいろいろなことが揃うと気持ちが動いてしまうことはあり、起きた事実は変わらないので、その後どうするかが大事だと答えた。愛沢さんは、3組に1組が離婚している以上、結婚する時点でこうしたことを知っておきたいと述べている。

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7人の愛人がいた夫

印象に残っている事例として岡田さんが挙げたのは、妻の依頼で夫の行動を調査したところ、7人の愛人がいたケースである。毎日のように違う女性と会っており、続いている女性も、本命のような女性もいた。マッチングアプリで相手を見つけ、ほぼ毎日ホテルに行っていたという。岡田さんは、性癖によるものだろうと見ている。

この場合、相手の女性たちとは一定期間継続した肉体関係ではないため、女性側から慰謝料を取るのは難しい。ただし妻は夫に対して精神的苦痛の損害を請求でき、この夫婦は離婚に至った。相手がころころ変わるのと長く付き合うのとどちらが嫌かは人によると岡田さんは言い、やめてくれるなら許せる場合もあると話した。子どもへの接し方や経済面も判断に大きく関わるという。

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「自分を責めないで」と、まずはやり直しを

岡田さんは、浮気された人の中には自殺を考えるほど苦しむ人もいて、どん底に落ちてから相談に来ることが多いと話す。病院に通い、薬を飲まないと眠れない、食べられないという人も実際にいる。裏切られた事実が人間不信やトラウマにつながることもある。それでも、恥ずかしがる必要はなく誰にでも起こり得ることであり、自分の見る目がなかったと責める必要もないと岡田さんは言う。

感情的になると多くの人が離婚に向かうが、岡田さん自身の見解は「まずはやり直しを頑張ってほしい」というものだ。後悔しないために、今の考えが本当に正解なのか、少し時間を置いたほうがいいと考えている。別れるのはいつでもできる。3年頑張ってもやはり無理だと思ったら、そのときは離婚でいい。そのほうが悔いは残らないはずだ、と岡田さんは語った。

対談の最後、人に期待しすぎないほうがいいのかという話題になり、愛沢さんは、好きだと期待してしまうし、気にならないのは好きではないということだと指摘した。岡田さんは、結局は長い人生の中で自分自身とどう折り合いをつけていくかだと応じた。相談は調査を依頼するまで無料だという。