ラミット・セティが「ハウス・プア」のTikTok動画に反応し、賃貸を選ぶ理由となる計算を解説

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概要

ライフスタイルや経済的な理由から、家を買うことは良い判断になり得る。この動画の冒頭でラミット・セティはそう語る一方で、それが人を「ハウス・プア(家のせいで貧乏)」にしてしまうこともあると指摘する。彼のチームは、家を購入したり新居に移ったりした後に経済的に苦しくなったと感じている人々のTikTok動画をいくつか集め、セティはその一つひとつに反応していく。動画全体を通じて彼が主張するのは、ほとんどの人が人生最大の買い物をする前にきちんと計算をしていない、ということだ。自らを「賃貸を選んでいる億万長者」と称するセティは、最後に、賃貸と購入のどちらにするかを決める際に使っている計算方法を紹介して締めくくる。

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「26歳で家を買ったら、たちまち貧乏になった」

最初の投稿者は看護師で、フルタイムで働きながら親元で家賃なしで暮らしていたが、家を購入し、最初の住宅ローンの支払額に衝撃を受けたという。セティはこれを機に、彼が「アメリカの一番の宗教」と呼ぶ持ち家信仰について語る。人々は幼い頃から、家を買うことは成功の証であり、賃貸に住む人は貧乏だと教え込まれる。さらに彼は、アメリカ人は貧しい人々と結びつくものすべてを見下すと付け加え、郊外に住む一部の人々がバスに乗るという考えにどう反応するかを例に挙げる。セティに言わせれば、よくある筋書きはこうだ。家を買う、そのあと何か漠然としたことが起こる、そして世代を超えた富を手にする。誰もその途中の部分を説明しない。実際にいくら払うことになるのか、食洗機が壊れたりHVAC(空調設備)に問題が起きたりしたら誰が対処するのか、人々は問わない。だからこそ、最初の支払いが驚きとしてやってくるのだという。30年にわたる義務を負う人は、不意打ちを食らわない程度には懐疑的であるべきだ、というのが彼の考えだ。

その後、この投稿者の問題は次々と重なった。築80年の家ではすぐに配管が壊れ、貯金が吹き飛んだ。家の別の場所でも配管が壊れ、続いて二世帯連結住宅の隣家の配管、さらに給湯器も壊れた。セティはこれを使って、自身がメンテナンス費用をどう予算化しているかを説明する。一般的な目安は、年間で購入価格の1〜3%だ。彼自身は修理を自分でやる気がまったくないため、上限の数字を想定している。業者を雇えば、彼のことを検索して高い料金を請求してくるだろうと見込んでいるのだ。実際の数字が2%や1.5%に収まることを願いつつも、保守的に計画することを勧めている。彼はこの投稿者に同情的で、起きたことの多くは本人のせいではないと言い、1発目のパンチを食らい、2発目を食らい、3発目でノックアウトされるようなものだと例える。計画しようのないこともあるが、少なくとも事前にお金を取っておくことはできる、と彼は言う。

本当に「それだけの価値があった」のか?

投稿者は、家の価値が今では購入価格の約2倍になっているので、結局はそれだけの価値があったと語る。セティはうまくいったことを喜びつつも、その論理には疑問を呈する。彼によれば、ほとんどの持ち家の人は、購入が良い判断だったのかどうかを実はわかっていない。家を所有していてエクイティ(資産価値)があり、周りのみんなから家を買うのは賢いと言われたから、良い判断だったと思い込んでいるだけだという。彼がよく耳にするという例を挙げる。おばあちゃんが1982年にオースティンで5万ドルで家を買い、今では75万ドルの価値がある、だから彼女は70万ドル儲けた、と人々は考える。セティによれば、これは税金、利息、機会費用といった「見えないコスト」を無視している。そのお金を株式市場に投資していれば、2倍から5倍多くの成果を生んでいた可能性があると彼は言う。

インデックスファンドには住めない、という反論が来ることを彼は予想している。それに対する答えは、選択肢はいくつもあるということだ。賃貸に住んで投資する、あるいはどこかの時点で購入する。特に彼が疑わしく思っているのは、最近の値上がりにまつわる話だ。新型コロナによって住宅価格が劇的に押し上げられたが、それが再び起こる可能性は非常に低いと彼は考えている。3年で自宅の価値が2倍になるのを見た人々は、今ではそれが普通だと思い込んでいる。実際の数字を見てみたい、と彼は言う。

土地、月1万ドルの家賃、そして周囲からの圧力への対処

次の投稿者は、3エーカーの土地と納屋、そして母親の老後の住まいとして購入した家を披露する。それ以前は月1万ドル超の家賃で約2年間賃貸暮らしをしていたという。セティは土地を所有することは自分にとって「最悪の悪夢」だと言い、彼と妻は、土地を所有したがるアメリカ人の「マニフェスト・デスティニー(明白なる使命)」的な衝動を笑い合う。彼が注目するのは、誰もが賃貸に住む人を正気じゃないと扱う、という投稿者の発言だ。

セティが『I Will Teach You to Be Rich』で知られるようになってからは、人々は彼に家を買えと言わなくなった。しかし、ほとんどの賃貸住まいの人は、購入がうまくいったと信じている人々から愚か者扱いされる。セティの見方では、そうした人々は往々にして自分の数字も、なぜうまくいったのかもわかっていない。NIMBY(ニンビー)主義、コロナ禍での価格高騰、賃貸の人がその差額を投資しているかどうか、総所有コスト(TCO)、家賃比率といったことを考慮していないのだ。彼はこれを「子どもじみたアプローチ」と呼ぶ。自分はXで買って、今は2.5Xの価値がある、だから自分は賢くてあなたは賢くない、というわけだ。彼のアドバイスは、笑顔で応じ、決まったセリフを使うことだ。「数字を計算してみたら、私にとっては購入は理にかなわないとわかったんです」。「私にとっては」という言い回しは、反論しにくいので意図的に入れているという。ただし親には通用しないだろう、と彼は冗談を言う。

大家は好きなだけ家賃を取れるわけではない

同じ投稿者は、月3万ドルの住宅ローンがかかる500万ドルの家を借りるのに、1万5000ドルしかかからないこともあると言う。セティはこれを使って、不動産の最も基本的な原則の一つだと彼が考えることを説明する。「大家の住宅ローンを払っているようなものだ」というよくある言い回しは、多くの場合間違っている。家賃は大家のコストではなく市場によって決まるからだ。彼は自分の本を例に掲げる。その価格は製造コストに利幅を上乗せしたものではなく、市場が受け入れる価格だから19.99ドルなのだ。同様に、月8000ドルの経費がかかる大家でも、市場相場が5000ドルならそれしか請求できない。さらに、多くの大家は自分の総コストを把握していないとも付け加える。ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、パロアルト、メンローパーク、サンタモニカ、マリブといった都市では、同じ物件を所有する場合のコストの半分以下で借りられることがよくある、と彼は言う。

投稿者はまた、固定資産税を約1万5000ドル払っていると述べる。セティは視聴者に問いかける。今すぐ1万5000ドルの請求を払えるだろうか? そのために毎月1000ドル程度を取り分けているだろうか? そして、それがこの先30年以上、ほぼ毎年上がっていく可能性が高いことを知っているだろうか? 彼はこれを、人がハウス・プアになる典型例だと言う。計画を飛ばして、いきなり購入に進んでしまうのだ。(このあと彼は自身のマネーコーチング・プログラムを宣伝するが、本記事では省略する。)

「払うことはできるが、その余裕はない」

次の動画は、高級アパートに引っ越した賃貸住まいの人によるものだ。家賃を払えるだけのお金は銀行にあるが、そのせいで望む生活を送る余裕がない、と説明する。旅行は自分にとって大切なのに、しばらく旅行に行けていないという。セティはこの区別に大いに共感する。

彼は、自分の番組に出演した2人のゲストの話をする。彼らは「特別なものじゃない」普通のマットレスを買ったと言った。それは2000ドルだった。どうやってそれを買える余裕があると判断したのかと尋ねると、彼らは「自分の腰に投資」しなければならなかったと答えた。そのとき、人々は何かを買う余裕があるかという質問への答え方をわかっていないのだと気づいた、とセティは言う。彼の判断基準はシンプルだ。答えに数字が含まれていなければ、わかっていないということだ。適切な答えはたとえばこうなる。基本的なマットレスは約500ドル。自分たちにとって腰は大切なので、ギルトフリー支出(罪悪感なく使えるお金)として貯めていた1500ドルを使った。それでもギルトフリー支出は35%未満、固定費は60%未満に収まっている。これらの用語が何を意味するのかわからない視聴者は、彼の本を読むべきだと言う。

彼はまた、この投稿者に対する批判、特に年配の人々からの批判を予想している。自分たちの時代は金利が16%で、旅行なんて夢にも思わなかった、と言うだろうというのだ。これに対する彼の答えは、当時は住宅が劇的に安かったし、若者が旅行したいと思うことには何の問題もない、というものだ。彼らのリッチな人生は単に違う形をしているだけだ。人々がなぜこうした状況に陥るのかについて、彼は何十年にもわたって持ち家こそが富とエクイティを築く唯一の方法だと言われ続けてきたことを原因に挙げる。人々は、自分が何を望んでいるのか、住居にかかる総コストが総収入の28%未満に収まっているのかを、立ち止まって問うことがない。非常に物価の高い都市ではこれが難しいことを彼は認め、負債の状況によっては30〜32%まで広げてもいいかもしれないと言う。

ライフスタイル・クリープと「それが自然な流れだから」

投稿者は、収入が増えたので生活費を上げなければならないと感じたと言う。セティは、パーソナルファイナンス業界ではこれをライフスタイル・クリープ(生活水準のなし崩し的な上昇)と呼ぶが、自分自身についてはそれを信じていないと言う。彼は「なし崩しにこのセーターを着るようになった」わけでも、「つまずいて転んで」今のアパートや旅行にたどり着いたわけでもない。意図的に選んだのだ。収入が増えればもっとお金を使うべきだが、同時にもっと貯蓄し投資もすべきだと彼は考えている。

彼は「それが自然な流れだから」という言葉を、計算せずに何となく決断してしまった警告サインとして取り上げる。彼が挙げる例はこうだ。2人とも家賃を払っているから一緒に住むのが自然な流れだ。6年付き合っているから結婚するのが自然な流れだ。家を買うのが自然な流れだ。投稿者が「これくらい稼ぐ人はこういうところに住むものだ」と思っていたと認めると、セティはその正直さを称賛する。彼のアパートを訪れた人々が、お金持ちが賃貸に住んでいることに目に見えて困惑していたことにも触れる。

彼が提案する代わりの方法は、贅沢にお金を使う「マネーダイヤル」を1つか2つ選び、それ以外では容赦なくコストを削ることだ。彼自身は、自分にとって重要ではないので19年落ちの車に乗る一方、旅行、高級ホテル、服、フィットネスには大金を使っていた。すべてに贅沢にお金を使うことはできない、と彼は言う。

一度の悪い出来事に備えて堀を築く

投稿者はまた、何か大きなことが起きたら対応できる余裕があるかわからないとも言う。セティは、一つの金銭的な問題で自分が倒れてしまうような状況には決して陥りたくないと言う。彼は、自身も出席したオマハでのバークシャーの株主総会で、ウォーレン・バフェットが、バークシャーは決して資金が尽きないように設計されていると語ったことを思い出す。セティはそれに感銘を受け、その目標を「財務的な堀」と表現する。それを築く方法については別の動画があると彼は言う。

33万ドルの頭金と機会のコスト

セティが最も気に入っているように見える投稿者は、2021年に家を買ったことを人生最大の金銭的後悔だと言う。年収約10万〜11万ドルで、91万ドルの2ベッドルーム・3バスルームのタウンハウスに、30%にあたる約33万ドルの頭金を入れたという。

セティはこの頭金を自分の計算ツールにかける。33万ドルを追加の積立なしで30年間、7%のリターンで投資したと仮定する。この7%はすでにインフレを考慮した数字だという。結果は今日の価値で約260万ドル、名目では約650万ドルになる。これは、インデックスファンドは年約10%、インフレ調整後で7%のリターンを合理的に期待できるという彼の前提に基づいている。そのリターンだけで住居費を永遠にまかなえる可能性が高いと彼は言う。あるいは、20年間投資してから現金で家を買うこともできる。「この計算に衝撃を受けたなら、あなたはまだ家を買う準備ができていません」と彼は言う。

彼は、年収約10万ドルで90万ドルの家を買うことに批判的だ。かつて人々は年収の約2.5倍で家を買っていたが、今では3倍、4倍、5倍まで行く人もいると言う。ほかの人がそうしているからといってそれが正しいわけではないと彼は主張し、購入を勧めてくる親に対して、親がよく使う「友達が橋から飛び降りたら、あなたも飛び降りるの?」というセリフを使えばいい、と冗談を言う。

この投稿者の月々のコストは、利息、税金、HOA(管理組合費)を含めて約4200ドルで、同等の良い賃貸物件なら約3500ドルだという。セティは合計を出す。数百万ドルに育ち得た33万ドルの一時金に加え、毎月およそ700〜1000ドルの追加負担だ。賃貸に住んで差額を投資する、あるいはもっと良い物件に住むことも、現実的な選択肢だった。購入にこだわることで、人々は自分の選択肢を狭く見てしまう、というのが彼の考えだ。投稿者自身の見積もりはもっと控えめで、代わりに頭金を投資していれば、特に2022年に市場が底を打ったことを考えると、少なくとも数十万ドルは多く手元にあっただろうという。

投稿者はまた、自分の住む市場では購入より賃貸のほうが安いと指摘する。セティは、市場によって違いがあることを認識しているとしてこれを称賛する。オマハはトライベッカではないのだ。そのうえで彼は、現時点で全米上位50の都市圏の100%で、所有より賃貸のほうが安いと主張する。

セティの賃貸の仕方

投稿者は、もしやり直せるなら、もっと良い物件を借りて差額を投資すると言う。セティは、20年以上にわたってより良い地域のより良い物件を借りてきたが、メンテナンス費用は事実上ゼロだったと言う。大家にメッセージを送れば直してもらえるのだ。大家が何も直してくれないと返されると、彼は、もう少し多く払ってより良い大家を選ぶことを考えたかと尋ねるが、たいてい相手はきょとんとするという。賃貸住まいの人には力がある、と彼は主張する。大家が彼を面接するのと同じくらい、彼も大家を面接する。前の入居者がどれくらい住んでいたかを尋ね、自分は数年住むつもりだと伝え、売却する予定があるかを尋ねる。これで何かが保証されるわけではないと認めつつも、確率を自分に有利にしてくれると言う。

エスクローの不意打ちと不動産業界

別の投稿者は、住宅ローンの支払いが月に500ドル近く上がった。固定金利なのだが、エスクロー口座に含まれる住宅保険と固定資産税が跳ね上がり、3200ドル不足するまで誰も教えてくれなかったという。セティは、これは非常によくあることだと言う。彼の主なアドバイスは、住宅購入に関わるすべての人に対して非常に懐疑的であれ、ということだ。彼の見方では、不動産業界が巨大で儲かっているのは、業界の全員が買い手から取り分を得ようとしているからだ。それには検査費用、メンテナンス、そして何よりも30年の住宅ローンで払う利息が含まれる。ローン担当者や不動産業者にアドバイスを求めるのは、牛が肉屋にどっちへ行けばいいか尋ねるようなものだと彼は言う。

彼はまた、家賃が上がり続ける一方で、購入すれば住居費を「固定」できるという考えも否定する。住宅ローンは固定かもしれないが、総所有コストは固定ではない。人々は固定資産税が年に1000ドル、2000ドル、あるいは1万ドルも上がって頻繁に衝撃を受けており、それは今後も続くと彼は予想している。

決済を目前に控えた28歳

最後の投稿者は28歳、未婚で子どももおらず、7日後に決済を控えているが、怖くてたまらず、手を引きたいと思っている。セティは、購入はリッチな人生の一部になり得ると言う。しかし、20代で家を買った人で、なぜ購入が自分の人生の中心なのかを明確に説明でき、そのトレードオフを受け入れている人にはほとんど会ったことがないという。むしろ理由として多いのは、後になったら二度と買えなくなるのではという恐れと、賃貸は悪いものだという思い込みだ。興味深いことに、彼はその恐れを間違いの証拠としては扱わない。新たに家を買った人の28%とか37%が購入を後悔しているという統計に触れつつも、それはでたらめだと思うので決して紹介しないと言う。人生を大きく変える決断はどれも怖いものなのだ。

計算方法:所有の総コスト vs. 賃貸の総コスト

セティの締めくくりの主張は、ほとんどの人は月々の住宅ローンだけを見て家を買う余裕があるかどうかを判断している、というものだ。重要なのは総所有コストだと彼は言う。彼の方法は、2つの月額を比較することから始まる。学区、リフォーム、あるいは単に所有したいという気持ちといった金銭以外の要素は後から考慮するが、常に数字が先だ。

所有の月々の総コストには、住宅ローン、税金、保険、所有する年数で按分した諸費用(クロージングコスト)、メンテナンス(ほとんど誰もきちんと考慮していないと彼は言い、年間で購入価格の1〜3%を使う)、アップグレード費用、HOA費用、そして彼が最も見落とされている項目と呼ぶ、頭金の機会費用が含まれる。賃貸の月々の総コストには通常、家賃、光熱費、賃貸保険、そして引っ越しの頻度によっては引っ越し費用が含まれる。

この2つの数字を手にしたうえで、彼は、この家を買うことが自分のリッチな人生につながるのか、自由が増えるのか減るのかを問う。今買わなければ二度と買えなくなるという恐れのような、欠乏感から家を買うことには警鐘を鳴らす。また、「家賃にお金を捨てている」という考えも一蹴する。寿司やメキシコでの休暇にお金を捨てているとは誰も言わない、と彼は指摘し、この言い回しは不動産業者が広めたものだとしている。

セティがこの計算をするたびに、購入は賃貸よりはるかに高くつき、彼の経済的・精神的な自由を減らす結果になった。彼と妻は、人生の今の段階では家を買うことに興味はないということで合意しているが、いつかは買うかもしれない。彼らが賃貸に住んでいるのは「賃貸が誰にとっても良いからではなく、私たちにとって良いから」なのだ。