元駐中国大使・垂秀夫氏が採点する米中首脳会談:米国50点、中国80点弱、日本65点
PIVOT 公式チャンネル今回の米中首脳会談で、米中日それぞれは何を得て何を失ったのか。前駐中国大使で現在は立命館大学教授の垂秀夫氏は、あえて点数をつけるなら米国は50点、中国は80点弱、当事者ではない日本は60〜65点だと見る。垂氏の総括は「トランプ大統領の習近平に対する厚遇ぶり」が目立った会談というものだ。本稿では、その採点の根拠と、背後にある習近平の時間軸を重視した対米戦略、日本外交の成果と課題について、垂氏の分析を整理する。
成果を三つの層で見る
垂氏は、米中首脳会談の成果を三層、あるいは四層に分けて見るべきだと言う。第一は「ノンセンシティブ・イシュー」で、大豆をどれだけ買うか、ボーイング機を何機買ってもらうか、中国の家電やおもちゃがどれだけ売れるかといった、機微性の低い貿易・関税の話である。第二は「センシティブ・イシュー」で、米国にとってはレアアース、中国にとっては半導体を中心とする対中規制下のハイテク技術がこれに当たる。第三が台湾問題で、今回はさらにAIの議題も加わった。
この枠組みで見ると、比較的合意しやすいはずの第一層ですら一部しかまとまらなかったと垂氏は指摘する。これまで続いてきた、互いに極端な高関税をかけるのをやめるという貿易休戦は、2カ月延長されただけだった。最大の成果と言えるのは、いわゆる「30・30」、つまり双方300億ドルずつの品目について特別に関税を下げる枠組みがほぼまとまったことだ。米国側は農産物、水産物、木材、医療器具などを売り込み、中国側は家電などを売る。ただし具体化はこれからである。
新たに決まったものとしては、ほかに石炭を2年間で1000万トン購入することがある。大豆2500万トンを含む約300億ドルの農産物購入は今回特に発表されていないが、これは以前から米中間で決まっていた既存の合意だという。垂氏によれば、新規の成果は「30・30」と石炭くらいで、ほとんどないに等しい。
レアアースは継続協議、台湾で失点はなし
第二層については、米国が強く望んでいたレアアースが継続協議に回され、米国はほとんど点を取れなかったと垂氏は見る。台湾問題については、前回は「オウンゴール」のようなことをしていたが、今回は特段の失点がなかったので良しとできる。AIについては今後協議していくことが決まった。
これまでの見方では、トランプ大統領は中間選挙の前に中国との間で相当の成果を上げるだろうとされ、本人もそれを狙っていたはずだと垂氏は言う。しかし実際には大した成果はなかった。これが米国50点、つまり60点の及第点に届かないという評価の理由である。トランプ大統領が本当に欲しかったのは、レアアースに加え、ボーイング機を何百機、大豆を新たに何千万トンといった目に見える購入の約束だったと垂氏は推測する。ホワイトハウスやトランプ氏自身は農民が非常に喜んでいると語っているが、垂氏は、自身は米国の専門家ではないので本当に喜んでいるかは分からないとしつつ、大した成果でないのは明らかだと述べた。
厚遇の理由:権威主義指導者への憧れと米国社会の対中感情の変化
トランプ大統領が空港まで習近平を出迎えたことについて、垂氏はこれを極めて異例だとする。その理由について垂氏は、トランプ氏の心の中までは分からないと断ったうえで、同氏が習近平、プーチン、金正恩といった権威主義国家の指導者に憧れを持っており、習近平を大事にしようとしているのは明らかに見受けられると語った。
もう一つの背景として垂氏が挙げるのは、米国社会の対中認識の変化だ。反中感情はまだ強いものの、それがかなり緩んできている。さらに、中国を封じ込めるよりも、競争はしつつ安定した関係を持つべきだという考え方が、党派を超えて広がっているという。こうした空気がなければ、中国の指導者を空港で出迎えることは政治的リスクになりかねない。トランプ氏がそのリスクをあまり感じずに済んだという面もあるかもしれない、というのが垂氏の見立てである。
反中感情が和らいだ背景について垂氏は、中国とずっと対抗していてどれだけ得るものがあるのかという問いがあること、また中国自身がここ2〜3年、戦狼外交を弱めていることを挙げた。こうした変化は2024年ごろから少しずつ見られ、どちらかといえば民主党支持者にそうした考えを持つ人が多いという。聞き手が、部品やオープンに提供される安価なAIなど、経済界が中国なしでやっていけず融和的になっている面もあるのではと問うと、垂氏は、それは日本を含めどこの国にも間違いなくあると答えた。
「米中はかつて同盟国だった」というナラティブ
今回、両首脳からは米中が第二次世界大戦で同盟国だったという趣旨の発言が出た。垂氏は、その意味をそれほど大きく受け止める必要はないとしつつも、習近平とトランプ大統領の言葉は「同盟」「肩を並べて」といった表現で互いに共鳴し合っていると指摘する。ただし双方の狙いは違う。中国側には、もはや隠れてもいないアジェンダとして、日本叩きのナラティブが明らかに含まれている。一方の米国は、競争を残しつつ安定が必要だと考えたとき、歴史の短い米国が中国と大きな意味で協力した時代を探すと、どうしてもあの時代に戻ってしまうのだという。
垂氏はこれが初めてではないとして、約30年前の1997年、江沢民国家主席の国賓訪米を例に挙げる。1989年の天安門事件で共産党の正統性が大きく傷つき、90年代には愛国主義教育が進められた。それは抗日教育であり、そこから反日につながっていく。そうした時期に訪米した江沢民は、まず真珠湾のアリゾナ記念館を訪れ、米中はかつて同盟国だったと訴えた。クリントン大統領もワシントンで同じことを語った。クリントンにしろトランプにしろ、米中で協力できたナラティブを探すとあの時代に戻る、と垂氏は説明する。
習近平の状況も江沢民とよく似ていると垂氏は言う。ゼロコロナの失敗や経済不調によって、民主的な選挙を経ていない共産党がなぜこの広大な中国を統治するのかという正統性への疑問が、都市部の教育水準の高い層などから投げかけられている。そうなると、また反日、日本叩きに向かう。だからこのナラティブには日本叩きの側面がどうしても出てくるという。
ファクトシートに見る米国のバランス
今回、米中間で共同声明は出されず、ホワイトハウスがファクトシートを出した。そこには米中がともに同盟国だったことが書かれている。垂氏は、日本人の立場からすれば書かなければよかったものだとする。ただし、その直後には、戦後米国がインド太平洋、とりわけ東アジアに米軍の前方展開プレゼンスを置き続け、それが大きな貢献をしてきたこと、今後もそうであることを趣旨とする記述がある。垂氏はこれを、バランスを取ろうとしたものであり、行間を読めば中国への牽制になると解釈する。つまり米国は、中国のナラティブに完全に乗ったわけではないというのが垂氏の見方である。
中国が80点弱である理由:枠組みづくり
中国の評価が80点弱と高い理由について、垂氏は、短期的には当面トランプ政権と安定を固めればよいというのが中国の狙いだからだと説明する。5月にも確認された「建設的な戦略的安定関係」に、今回さらにいくつかの修飾語が加わった。中国にとってはまず大きな枠組みを作ることが必要なのだという。
垂氏はここで安倍政権の例を引く。安倍首相が中国との間で当初からうまくやれたのは、「戦略的互恵関係」という枠組みを作ったからだという。中国はこうした枠組みがないと具体的な案件がなかなか動かない。米国との間でもそれを作りたかったし、作れた。垂氏によれば、これだけで中国はもう75点ほど取れている。
台湾問題では、5月のように何かを得ることは、現時点で分かっている範囲では取れていないようだ。しかしトランプ氏が台湾を防衛するといった逆の発言を、少なくとも対外的にはしていないので、マイナスにはなっていない。経済面でも大きな譲歩はなく、レアアースでも譲っていない。対中技術規制については何も得られなかったが、時間軸の観点から安定させ枠組みを作るという目的からすれば十分だ、というのが80点近い評価の理由である。共同声明のような文書が出ていれば80点以上、90点にもなったが、トランプ政権は共同声明を作ることがあまり多くないので、そこまでは行かなかったと垂氏は述べた。
習近平の「二段階対米戦略」と時間軸
垂氏は自著で、習近平の対米戦略を二段階で整理している。短期的には対話を通じて戦術的な安定を演出し、時間を稼ぐ。垂氏は、今回まさにそれが行われたと言う。中国の戦略的思考は孫子にまで遡り、共産党になってからも毛沢東、鄧小平と、時間をどう稼ぎ、どう利用するかが戦略を考える際の習慣、癖になっている。常に時間軸を入れるのだという。
長期戦略を示す例として垂氏が挙げるのは、5月にトランプ大統領の訪中直後、プーチン大統領が訪中した際に出た中露の共同声明の一つ、「世界の多極化と新型国際関係の提唱に関する共同声明」である。日本ではあまり関心を持たれなかったが、国際法重視や国連重視といった綺麗なナラティブが並んでいる。ウクライナに侵攻しておいて国際法重視とは笑わせる、と垂氏は皮肉る。垂氏の「翻訳」によれば、そこで言いたいのは、現在の世界秩序は公正でも合理的でもないので、中国やロシア、そしてグローバルサウスにとって都合の良い世界に再編するということだ。習近平はプーチンとの間でこうした文書をこれまでも何本か出しており、これが彼らの長期的な国家戦略だという。
現在の秩序を主導してきたのは米国をはじめとする西側諸国である。毛沢東的な用語で言えば米国が「主要矛盾」になり、長期的に戦う相手は米国だということになる。2021年1月の重要演説で、習近平は現在を「百年に一度の大変局」と述べ、「時と勢いは我が方にある」と語った。垂氏の解説では、米国の国力は下降線、中国は上昇線にあり、両者がぶつかれば摩擦が生じるが、時間は必ず中国に有利だという見方である。
一方、短期的にはまだ総合国力で米国に及ばないため、時間稼ぎ、いわば「踊り場」が必要になる。それが今だと垂氏は言う。時間を稼いでいる間に、たとえば対中規制下にある半導体関連技術でブレークスルーを起こせれば、5年後、10年後にゲームチェンジが起こり得る。そうすれば米国を超えられるという発想だ。垂氏は、中国が「戦略的」という言葉を使うこの関係を、自らの分析では「戦略的観点から見た戦術的安定」と位置づける。そしてこの展開は、自分がずっと分析・予測してきた通りになったと述べた。
時間稼ぎは正しいのか
では、現状維持が続けば中国にとって問題ないのか。この問いに対し垂氏は、これはあくまで習近平の時間軸であり戦略であって、うまくいくかどうかは分からないと答えた。毛沢東は1937年から45年までの8年間をうまく利用し、国民党と日本軍を戦わせて自らは力を温存し、日本の降伏後に国民党に勝った。しかしその後、10年でイギリスを追い越すと言った大躍進は大失敗している。常に成功するわけではなく、大事なのは彼らがこうした時間軸を入れた考え方をしているという点だという。
聞き手が、プラン通りには進んでいるがプラン自体が中国にとって正しいかは分からないということかと確認すると、垂氏はそれに同意した。経済は悪く、本当に素晴らしく強くなる国であれば、多くの富裕層が国を捨てることはない。今は多くの富裕層が国を出ており、一部は日本に来ている。うまくいっていない部分が大きく、その最大の理由の一つは権力が一人に集中していることだと垂氏は述べた。
日本の65点:日本外交の成果
日本の点数について、垂氏は日本外務省と在米大使館がよく頑張ったと評価する。自身が外務省出身だから言うわけではないと断ったうえで、国連の場でトランプ大統領と高市首相の首脳会談を、たとえ35分とはいえ実現させたことを挙げる。国連の非常に狭いウィンドウの中で会談を設定するのは容易ではなく、しかも米中首脳会談の前に日本側の考えをトランプ大統領に伝えられたことは非常に大きかったという。台湾問題や対中規制について、中国にとってのブレークスルーとなるような米国側の譲歩がなかったことも安心材料だ。
さらに垂氏は、直前に行われた日米韓の外相会談を非常にタイムリーだったと評価する。そこで出た共同声明には、台湾海峡の平和と安定の重要性が明記され、力や威嚇による現状変更に反対することが書き込まれた。垂氏はこれを中国に対して明確に「ノー」を示したものと読む。ルビオ国務長官は台湾問題・中国問題を非常によく理解しており、日本の外相もいい仕事をしたと垂氏は見ている。
米中が同盟国だったという発言についても、事前の首脳会談がなければ、日本は米国から「外された」「軽んじられた」と感じ、相当な感情の揺さぶりがあっただろうと垂氏は言う。実際には事前に首脳会談を行い、事後にも電話会談で説明を受けているため、日本にとってそれほど大きな話にはなっていないという評価である。
それでも日本が満点を取れない理由
ただし垂氏は、米国が本当に日本との同盟を大事にするなら、そもそもファクトシートにああした記述を入れるべきではないと指摘する。そこは日本にとっての減点部分だという。加えて、日本は当事者ではないため、そもそも100点は取れない。中国の対日政策は米中関係の従属変数であり、米中関係が良くなれば、中国から見た日本の相対的重要性が落ちていることがより明確になる。米中は今後さらに2回会うことになっており、これはある程度仕方がないと垂氏は言う。
実際、中国側の地方紙はトランプ氏の「米中は同盟国だった」という発言を捉え、日本はまだ米国と一緒に中国を封じ込めようという幻想を抱いているのか、米国はもうそうではない、とかなりひどい言葉で批判しており、揺さぶりはすでに始まっていると垂氏は紹介した。それでも、日米韓の共同声明も高市首相とトランプ大統領の会談もなければ30点ほどの相当まずい状況だったとし、実際には及第点以上の65点程度は十分取れたと評価した。
トランプの次と、日本の「戦略的自立」
最後に聞き手は、トランプ大統領の後継候補としてルビオ氏やバンス氏の名を挙げ、日米関係や台湾問題を最も深く理解し日本にとって良いシナリオになりやすいのは誰かを問うた。垂氏は、共和党であればルビオ氏は台湾問題を相当よく分かっていると答えた。そして、あえて言えばトランプ氏以外の人はみなよく分かっている、と語る。問題の本質は力による現状変更であり、それは広く理解されているが、トランプ氏だけは習近平に若干持っていかれている、認知工作を受けているような部分もないわけではない、という見方だ。
米国の専門家ではないと断りつつ、垂氏は今後の米国には二つのタイプの指導者が出てくると見る。一つはトランプ氏や、おそらくバンス副大統領のように自国の利益を最重視し、世界秩序よりも力とディールを優先するタイプ。もう一つは民主党的な同盟重視のタイプで、垂氏は、2013年に確かリビアに関する演説だったかとしながら、オバマ大統領が米国はもはや世界の警察官ではないという趣旨を述べたことを挙げる。一国では世界を維持できないから同盟が大事だ、というのが民主党的、オバマ的なやり方だという。
日本にとってやりやすいのはもちろん同盟重視の方だ。しかし垂氏は、同盟重視を掲げる民主党でも、日本製鉄による買収の件では最後にバイデン氏の本性が見えたと指摘する。だからこそ日米同盟はあくまで日本の国益を実現するための手段であり、日本はそうした戦略的自立を持たなければならないと垂氏は強調する。民主党的な大統領であれトランプのような大統領であれ、米国に完全に体を預け、依存し、傾いてしまうことはしてはいけない、というのが垂氏の結論である。
皆さん、こんにちは。PIVOTの佐々木です。今回のPIVOT TALKは米中関係と習近平の戦略をテーマにお話を伺います。ゲストにお迎えしましたのは前駐中国大使の垂秀夫さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
垂さんには前回、戦略的思考、中国的な戦略的思考の話も伺ったんですけれども、今回の米中関係の話の分析と、その根底にある習近平の戦略思想みたいなものを今日はお伺いしたいと思うんですけど、まず最初にズバリですけれども、今回の米中首脳会談の評価。アメリカ側から見て、中国側から見て、日本側から見て、それぞれの国からでちょっと見える光景が違うと思うんですけど、率直にどういうふうに分析されますか?
総括的な評価を申し上げればですね、トランプ大統領の習近平に対する媚びぶり。これがまず総括ですね。アメリカ、私、点数であえて取ればですよ。これは私の個人の見方ですが、アメリカ50点ぐらいじゃないですかね。もう及第点、60点の及第点にも乗ってない。
それから中国は一方で、十分満足して帰れる。これだけ厚遇を受けたとかですね、中国が欲しかったものは取れてるし、そんな大きな譲歩もしてないという意味においては、80点にはちょっと足らないぐらいの、80点に近い点数を取ってんじゃないかなと。相当、優に近い点数を取ってんじゃないかなと。あえて日本は当事者じゃないですが、日本からの評価からすればですね、60点ぐらいですかね。60点か65点ぐらいじゃないかなと思います。
これ、なぜアメリカが50かって伺いたいんですけど、今回、いろんな決まったこともありますけれども、そんなに大きな話は決まってないのかなっていうふうには見えますけれども、アメリカから見て50点である理由はどういう背景があるんでしょうか?
米中の首脳会談の成果を見る上においてですね、あえて言えば3層ないし4層で見たらいいと思うんですね。1つはノンセンシティブ・イシュー。いわゆる経済の、それほどセンシティブでない、普通の大豆をいくら買うかとかですね、ボーイングをいくら買ってもらうかとかですね、中国の家電だとかおもちゃだとかがどれだけ売れるかとか、こういう貿易の話、あるいは関税の話。これが1つあって、次にセンシティブ。センシティブというのは、アメリカ側にとって欲しいのはレアアースですね。中国が本当は狙ってるのは、対中規制されている半導体を中心とするハイテクの技術、ここの問題ですね。
それから台湾問題。それから今回はAI、トランプ大統領はSIって言ってますが、これの話もありましたんで、それ以外の問題ということで。この3層で見た時にですね、1番最初のノンセンシティブっていうのは、1番比較的簡単に合意できそうなものですら、一部しか合意に至ってないと。まず、いわゆる今までやってた貿易関税にかかる貿易休戦、関税をお互いにとてつもなく高くやるのはやめようということの休戦を2か月延長しただけと。
それからあと「30・30」っていうのがあるんですよ。「30・30」と言われてるものは何かと言うと、30ビリオン、30ビリオン、要は300億ドル同士ですね。お互いに決めて、そこだけ特別に関税を下げようと、こういう話があって、これはほぼまとまったと。だから、これがある意味において、それなりの大きな、最も大きいって言っていいぐらいの成果がこれでですね。アメリカから何を売りたいかって言ったら、農産物、水産物、それから木材、医療器具とか、こういうものなんですね。中国側からは家電だとか、こういうものなんですが、これが一応決まったということで、具体化するのはこれからなんですが。
もう1つは石炭を2年間、1000万トン購入するということは新規に決まったと。ただ、これまで既に米中の間で決まってるものがあって、2500万トンの大豆を含む、大体約300億ドルの農産物を購入するのは、今回特別に発表してませんが、これはもう元々あるものが、既存のものがあるんです。いずれにしろ、新たなものは30・30と石炭ぐらいで、ほとんどないと。
センシティブの方に至ってはですね、レアアースの方がアメリカはすごく取りたいのを、これは継続協議になっちゃってるんですね。これはもうほとんど点数を取れなかったと、こういう話ですね。それから台湾問題、後でもし時間があれば台湾問題について触れていただければ説明しますが、台湾問題については特段の失点がなかったんで。前回、はっきり言ってオウンゴールみたいなことをやってましたが、失点はなかったんで、ここはいいとしてもですね。AI、SIって言ってるものについて、互いに今後協議していくということは決まったということはありますが、とにかくそんな大きな成果は見えないんですね。
だから中間選挙の前に、トランプ大統領は中国との間で相当成果を上げるんだっていうのが、これまでの見方だったし、トランプ自身もそれを狙ってたはずだと思うんですが、それが大したことはなかったと。それがまずトランプ大統領が50点しか取れなかったという、そういう見方です。
トランプ大統領が1番取りたかった成果っていうのは、やっぱりレアアースのところだったんですかね。
本当はレアアースもありますし、ノンセンシティブ・イシューのところでもっとたくさんいろいろ買ってもらえるっていうね。そういうものは、ボーイング何百とかですね、新たに大豆何千万トンだったら、新しい成果として。今回もホワイトハウス、トランプ自身が「ファーマーの農民は非常に喜んでるんだ」なんて言ってんですが、本当に喜んでるかどうか、私はアメリカの専門家じゃないですから分かりませんが、大した成果じゃないっていうのは非常に明らかですね。
これ、こんだけ厚遇した理由っていうのはあるんですか? やっぱり気持ちよくさせて、いいディールにしようっていう、それぐらいの考えなんですかね?
いや、まさにですね、空港まで出迎えるっていうのは極めて異例なんですね。トランプ大統領個人の考え方、彼の心の中まで入っていけないですが、あえて入っていくことを許していただければですね、習近平とかプーチンとか金正恩とか、ああいう権威主義の国家のリーダーっていうものに憧れを持ってんですよね。だから非常にそういう意味において、習近平氏を大事にしようとしてるっていうのは、明らかに見受けられますよね。だから彼自身として、そういう形で示すっていうことはあったんだと思うんですね。
もう一方、これはどこまでトランプにまで影響してるかどうか分かりませんが、アメリカの政府自身は十分に、トランプ政権そのものは感じ取ってると思うんですが、実はアメリカ社会の中国に対する認識が相当変わってきてんですね。もちろんまだ非常に反中的な感情は強いんですが、それがすごく緩くなってきてんです。なおかつ少なくとも、中国を封じ込めるよりも、競争はするけども安定した関係を持つべきだっていう考え方が、これはもう過半数を超えてるんですよ。だからそういう大きな環境というか空気感の中で、トランプ氏があえて出迎えるっていうのは、これ政治的なリスクすらあるわけですよ。でも政治的リスクをそんなに感じなくてよかったわけ。そういうこともあるかも分かりません。
反中感情が和らいでるのは、どういう背景があるんですか?
中国との関係でずっと対抗しててもですね、どれだけ得られるものがあるのかっていう話ですね。それからあと、中国自身が戦狼外交をここ2、3年ちょっと弱めてるんですよね。こういう動きは2024年ぐらいからアメリカで少しずつ、本当に2、3年、1、2年ってこんな話ですよ。少しずつ緩くなってて、どちらかというと民主党政権支持者の方が多いのは事実なんですかね、そういう考え方を持ってるのは。
あと経済界にとっても、中国は強大なライバルであると同時に、やっぱり中国なしでやっていけないと言いますか、部品もそうですし、AIなんかも1番安いものを中国がオープンでどんどん提供したりとかですね。経済界も中国に対して融和的になってる面もあると聞くんですけど、そこら辺どうなんですか?
それはもう日本でもそうですし、どこの国でもそれはあると思いますね。間違いなく。
その背景もあるってことですね。そういった中で今回報じられてるところで、米中は第二次世界大戦で同盟国だったというナラティブが両首脳から出てますけど、これの持つ意味っていうのは大きいんですか?
どれだけ意味が大きいかって言うと、私はそんなに大きく感じなくてもいいと思うんですが、一方で習近平氏が発した言葉とトランプ大統領が発した言葉っていうのは、実はとても似寄ってる部分、お互いに「同盟」とか「肩を並べて」っていうね、そういう言い方をしてるんですよ。非常に共鳴し合ってる部分はあるんです。ただ、狙いは実は、あえてトランプ氏がビジネスとしてお客をうまくもてなした部分もないわけではないんですが、狙いは少し違うと思うんですね。
1つは、中国側は隠れたアジェンダというか、もう隠れてないアジェンダとして、日本叩き的なナラティブはそこには明らかに入ってくるわけですね。アメリカは、米中で先ほど言いましたように、競争は残しつつも安定は必要だっていう考え方になった時に、じゃあ歴史を見て、アメリカの歴史はそんなに長くないですから、中国と今までそういう大きな意味での協力関係にあったのはいつかって言ったら、あの時代の方に必ず戻ってくるわけですよ。
これは別にトランプに限らずですね、30年前、1997年に江沢民、当時の国家主席が、まさに国賓でアメリカを訪問した時に、同じことが起きたわけですよ。当時も江沢民はどういう立場かって言うと、1989年に天安門事件が起きて、共産党のレジティマシー、正当性が非常に傷ついたわけですね。90年代、愛国教育を相当やったわけですね。愛国教育イコール抗日教育、そこから反日になってくるわけなんですが、そういうような時に訪米した時に、まずパールハーバーに行って、アリゾナ記念館に行って、そこで米中はかつて同盟だったと、こういうふうにやったわけです。
クリントン大統領もワシントンで出迎えた時、同じことを言ったわけですよ。だからクリントンにしろトランプにしろ、ぱっと過去を見たら、やっぱりあの時代に協力があったというところに、どうしても戻ってしまうわけです。何かナラティブを考えてみたら、米中で協力できる、かつて何かあったかなって、こうなるわけです。だからそういう話なんですが。
ただ、習近平も江沢民もよく似てるんですが、習近平も今、非常に強国ぶりを示してますけれども、国内的に言えばですね、前の時にもお話ししたかも分かりませんが、ゼロコロナの失敗とか今の経済の不調とかで、なぜこの広大な中国を共産党が統治するのかっていう、いわゆる正当性、レジティマシー。民主選挙を経てない共産党が、と。こういうような疑問が投げかけられてるわけですよ。その都市部の教育の水準の高い人たちからですね、あるいはその比較的層から。そうすると結局また反日になるわけですよ。日本叩きになるわけですよ。だからそういう意味において、よく似てるんですね。だから日本叩きの側面がどうしても出てくるわけですよ。
一方で、アメリカは今回ファクトシートっていうものを出してて、終わった後、米中間では共同の、ジョイントのステートメントは出てないんですが、ファクトシートというものをアメリカが、ホワイトハウスが出してるんですが、そこに米中は共に同盟だったということが書いてあるんですね。わざわざ書かなければいいんですが、日本人の私からすれば。書いてはあるんです。ただ、明らかにと私はそう思いますが、バランスを取ろうとして、ファクトシートのその直後に、同盟だったということの直後に、戦後はこのインド太平洋、あえてちょっと焦点を当てれば東アジアに、アメリカは米軍の前方展開、プレゼンス、これをずっと置いて、これが大きな貢献をしてたんだと。これは今後もそうなんだっていう趣旨のことが書いてあるわけですよ。
これはちょっと行間を読めば、中国に対する牽制になるわけですよ。だからそういう意味において、完全に中国のナラティブに引っかかって乗っかってっていうことではないですよね。
分かりました。アメリカが50点ってことでしたけど、逆に中国が80点である理由はどこにあるんでしょうか?
80点近い、80点弱と言います。いずれにしろ、中国は、これは今日後に、習近平の戦略も、大きな戦略、特に時間軸っていう観点から後ほどまた説明させていただければと思うんですが、そういう観点から見れば、この短期の関係で言えば、戦術的に安定をトランプ政権とは固めればいいんだということなんですね。
5月にも確認されたいわゆる建設的な戦略的安定関係というものが、さらに尊重、公平、互恵の戦略的安定関係っていうふうに、ちょっといろいろ修飾語がついたんですが、中国は大きな枠組みをまず作る必要があるんです。作りたいと思うんです。かつてなぜ安倍政権、安倍総理が中国との間で当初非常にうまくやったのか、政権にいる時はずっとうまくやられたのかっていうものは、やっぱり戦略的互恵関係という枠組みを作った。日中の関係は戦略的互恵関係だと。中国はこれが必要なんです。これがないと具体的な案件とか、なかなか動かないんです。今回、米中の間でも作りたかったんです。それで建設的戦略的安定関係っていう枠組みを作れた。もうこれで75点ぐらい取れてんですよ。はっきり言って。
確かに台湾問題で、5月のようにいろいろ言質は、どうも今分かってる範囲で言えば取れてないようなんですけれども、だからと言ってトランプが逆を言い出したわけでもないんで。逆なことというのは、台湾を防衛するんだとか、台湾供与をすぐにやるっていうようなことは、少なくとも対外的には出てないんですね。そういうことを言ったわけではないんで、それはマイナスにはなってないと。それから経済的にもそんな大きな譲歩もしてないですし、先ほど言いましたセンシティブ・イシューのところのレアアースでも譲歩してないと。
もちろんハイテクの対中技術規制は何も取れてないんですけれども、でも先ほど言いました時間軸の観点から、ここを安定させると、いわゆる枠組みを作るんだという観点から見れば、十分だという意味において80点に近い。ここで双方がジョイントのステートメントのような、共同声明のようなものが出てたら、もうこれ80点以上、90点になってたんですが、そこまではいかなかったということですね。トランプ政権っていうのは、ジョイント、共同声明とか作るのを、作ったことがないわけじゃないんですが、あまり多くないんで、そこまではいかなかったということですね。
こちら習近平の2段階の対米戦略ってことで、こちらの方にも書かれてるものを抜粋してるんですけど、今まさにおっしゃったように、短期的には対話を通じて戦術的安定を演出し、時間を稼ぐ。まさにこれを今回やりましたね。
そうですね。前もご説明させていただいたんですが、中国の戦略的思考というものは孫子に遡って、その後、共産党になって毛沢東、鄧小平と、ずっと時間軸、時間をどう稼ぐかと、時間をどう利用するかと。ここが最も彼らの戦略的な考えを行う時の1つの習慣とか癖になってるわけです。常に時間軸を入れるわけです。
習近平の時間軸っていうのはどういうことかって言うと、ちょっと米中首脳会談から離れますけれども、5月にトランプ大統領が訪中した直後に、プーチン大統領が訪中しているわけですね。あまり多くの方、それほど関心を日本では持たれなかったんですが、あの時に2つの共同声明が出て、そのうちの1つが「世界の多極化と新型国際関係の提唱に関する共同声明」。なんじゃこれっていう、そういう声明が出てるんですよ。これ何が書いてあるのかって、ぱっと読んでも、なんじゃこれと思うわけですよ。簡単に言えば、きれいな言葉、きれいなナラティブ、中国とロシアのナラティブが書いてあるわけですよ。国際法重視とか国連重視とか、いろんなことが書いてあるんですが、ウクライナに侵攻してて国際法重視とかね、ほとんど笑わせるんですが、いずれにしろそういうことがいろいろ書いてあるんですが。
そこで言いたいことを、私がちょっと翻訳すると、言いたいのは何かと言うと、現在の世界秩序、これは公正でも合理的でもないんだと。フェアでも合理的でもないと。だからこれを再編しないといけないと。中国にとって、あるいはロシアにとって、彼らはあえてグローバルサウスとも入れてるんですが、いずれにしろ中国にとって都合の良い世界に再編するんだということが書いてあるわけですよ。これは中露の間で、プーチンとの間で習近平はこれまでも何本か出してきてんです。そういうものが出てるんです。これが彼らの戦略なんです。国家戦略って言いますか、長期戦略で。
今の世界はじゃあ誰が主導したのかって言うと、アメリカをはじめとする西側諸国で、アメリカなんですよ。だから毛沢東的な用語で説明すると、アメリカが主要矛盾になるんです。だから長期的には、この闘争の相手、戦う相手はアメリカだということになるわけです。だからアメリカと本当は争うということなんです。長期的には、戦略的に。
2021年1月に習近平は大事な講話をやってて、ここでこういうことを言ってんです。現在は100年に未曾有の大変革が起きていると。「時と勢いは我にあり」と、こう言ってるんですよ。また時間が出てくるんです。時と勢いは我にあると。これを具体的に解説すると、アメリカの国力は下降にあるんだと。自分たちの国力は上昇流だと。下降と上昇流がぶつかれば摩擦が生じる。これ、乱流、摩擦が生じると。だから必ずや時間は我が方に有利なんだと、時間が必要だと。彼らの見方なんですよ。一方、短期的に見たらまだアメリカに総合国力が足りないわけです。だから時間稼ぎが必要なんです。踊り場が必要なんです。
これが今なんです。だから長期的にアメリカを凌いで、自らが中心となる世界を作りたいということを考えてるけれども、今はすぐにそれができない。時間は稼いでいかないといけないし、この時間を稼いでいるところで、例えば先ほど言ったセンシティブのところ、対中規制になってる半導体関連の技術なんかをブレイクするのであれば、ぐっと5年後、10年後にゲームチェンジが起きうるわけです。だからアメリカを超えられると、こういう発想なんですね。だからこの時間が必要なんだと。今ここの部分なので戦略的という言葉を使ってんですが、私の分析で言えば、戦略的観点から見た戦術的安定なんですが、いずれにしろ戦略的安定関係、建設的な戦略的安定関係っていうことを合意できたことでも、これでも十分、もうほとんど75点取れたってこういう話なんですよね。
ここに書かれてるとおりですね。
まさに私がずっと分析、予測してたとおりですが、そのとおりになります。
その意味では外交交渉においても、当分、現状維持が続けば中国側にとってはもうオーケーってことなんですか?
いやいや、これは習近平氏の時間軸で、習近平氏の戦略で、それはただうまくいくかどうか分からないです。かつて毛沢東は戦中、彼の時間軸で1937年から45年まで、この7、8年間をうまく利用して国民党を倒したわけですね。国民党と日本軍をうまく戦わせるような状況を作って、自分は力を温存して、力を蓄えて。45年に日本が投降した後、台湾の国民党に勝ったわけですね。こういうふうに時間を利用したんですが、その後も時間軸を使いながらいろいろ試してみた。例えば10年間でイギリスを乗り越えるんだという大躍進、大失敗してますから。
確かにそうですね。
だから常に成功するわけじゃないんですよ。ただ、彼らはこういう時間軸を入れた物の考え方を行ってるっていうのが大事なんですね。
時間を稼ぐという自分のプランどおりにはいってるけれども、そのプラン自体が中国にとって正しいかどうか分からないって。
おっしゃるとおりです。今もう経済はあれだけ悪いとかですね。そういう意味において、なおかつ本当に素晴らしい国で、すごいこれから強くなる、もう皆が住みたい国であれば、あんなに国を捨てるね、中国人、今どんどん多くの富裕層は国を捨てていってるわけですよね。一部は日本に来てるわけですよ。それはやっぱりうまくいってない部分が大きいわけですよ。ちょっとそれますけど、その1番大きな理由の1つは、権力が1人に集中してるということなんですね。
そうですよね。最後に日本の60点。これはどう解釈すればいいんでしょうか?
これは、私は今回いくつか、よく日本は頑張ったかなと思うのは、日本の外務省、私が外務省出身だから言うわけじゃないんですが、外務省、それから在アメリカの大使館、よく頑張ったと思うんですけれども、国連でトランプ大統領と高市首相の首脳会談を、たとえ35分とはいえ、よくやったなと。これはそんな簡単じゃないんです。国連のあそこの本当に狭いウィンドウの中でアレンジするっていうのは、すごい大変なんですが、それをうまくアレンジできて、なおかつ事前に日本側の考え方をトランプ大統領に伝えることができたと。これは非常に大きかったと。
それから台湾問題にしろ、先ほどのセンシティブ・イシューの部分のところ、対中規制のところ。ここで大きな、えっと思うようなアメリカ側の譲歩って言いますか、中国にとってのブレイクスルーみたいなものはなかった。これは安心材料でありますよね。あと、その直前に日米韓の3か国の外相会談、これは私は非常にタイムリーだったと思うんです。そこの共同声明が出てですね。
これはマルコ・ルビオっていう国務長官は、むちゃくちゃ台湾問題、中国問題をよく理解しててですね、外務大臣もいい仕事をされたんだと私は思いますが、そこで共同声明の中に台湾海峡の平和と安定の重要性がちゃんと書かれてて、力と威嚇によって現状変更することに反対するという、もう明らかに中国に対してノーっていうことがしっかり書き込まれてんです。これが米中首脳会談の直前に外相レベルで出てるんですね。もちろんマルコ・ルビオ氏自身はもう同じだと思いますが、日本としても非常にいい仕事をしたんだと思うんですね。
それから先ほどの米中で共に同盟だったっていうね、ああいうものが、もし高市さんが事前に会ってなくてこういうのが起きてたら、これは相当、感情の揺さぶりがあったと思いますよ。だからアメリカに疎外されたっていうね、軽んじられたみたいなのがですね。ところがちゃんと事前に首脳会談をやってるということと、事後にも電話会談を受けてて、ブリーフも受けてるっていうことで、そういうところの対応はしっかりできてるんで、そういう意味においても日本にとってそんなに大きな話にはなってないんで、それほど悪くはなかったのかなと思います。
ただ、アメリカが本当に日本との同盟を大事にするんであれば、そもそもファクトシートにああいうことを入れるべきじゃないんですよね。だからそこは正直言って、日本にとっての減点の部分があるのと、それからこれはもう日本は当事者じゃないから、日本はそんなに100点なんか取れないんですよ、元々。自分は当事者じゃないんで。どうしても米中関係が良くなると、明らかに相対的にも、中国側から見ればですよ、中国の対日政策は米中関係の変数になってるわけですね。従属変数になってるわけですよ。だから米中は比較的良好な関係になって、今後もあと2回会うことになってるわけですね。そうすると日本の相対的重要性が相当落ちてるということが、より明確に見えてくるっていうことはしょうがないと。
もう既に中国側の時評は、トランプ氏も米中は同盟だったと言ったことを捉えて、明らかに昨日か何かの新聞でも、日本は一体まだイリュージョン、幻想を抱いてるのかと。アメリカと一緒に中国を封じ込めようなんて思ってる。もうアメリカはそうじゃないですよっていうことを、相当ひどい言葉で批判してるんですね。もう揺さぶりはすごく始まってます。
そういう意味においても、これはしょうがない部分もあるんですが、日本の、先ほど私65点ぐらいのことを言いましたが、私はもし日本が先ほど申し上げました日米韓の共同声明もなくて、高市さんのトランプとの首脳会談もなければ、もう30点ぐらいですよ。もう相当まずい状況だったと思いますが、でも及第点以上の点数は十分取れたんじゃないかなと、そういうふうに思いますね。
ちょっと気が早いんですけれども、トランプ大統領の次期大統領を考える時に、先ほど話にあったルビオ、バンスもいますけれども、誰になった時に、この日米関係も含めて、台湾問題も含めて1番深く理解していて、日本にとっていいシナリオにいきやすいんでしょうかね。ルビオなんでしょうかね。
共和党であれば、マルコ・ルビオ氏はもう台湾問題を相当よく分かってますね。簡単に申し上げれば、あえて言えば、トランプ氏以外の人はもうみんなよく分かってんですよ。今の問題はどこにあるかって言うと、力による現状変更っていう話なんですよね。だからそれはよく分かってるんですが、トランプ氏だけちょっと若干、習近平氏の思う形として持っていかれてるような、認知工作されてるような部分はないわけでもないんですが、マルコ・ルビオなんかいいんじゃないですかね。
今後のアメリカを見る上に、私はアメリカの専門家じゃないですが、こういうトランプ氏のように、自国の利益が最も重要だっていう、そういう大統領と、今の副大統領のバンスもそうでしょうし、そういうような人と、民主党的な同盟重視っていうね、前のバイデン大統領のような、この世界はとにかく1か国ではもう維持できないと。これ前も申し上げたんですが、2013年に、確かリビアだったかなの演説で、オバマ大統領がもう世界の警察官ではないという趣旨のことを言って、一国で維持できないと。そうすると同盟は大事なんだっていうのが、いわゆる民主党的な、あるいはオバマのやり方ですね。トランプ氏は、それだったらもう自国の利益でいいんだと。そんな世界秩序なんかどうでもいいと。ルールより力とディールだと。こういう人が両方、今後出てくるんじゃないかなと思いますね。
どちらかが。どちらにも対応できるようにしておくってことですね、日本としては。
やりやすいのはもちろん同盟重視の方なんですけれども、ただ同盟重視の民主党も、同盟重視と言って、でも日鉄の買収の時も最後は、このバイデンの本性は見えたりもするんでですね。常に日米同盟っていうのは、本来、日本の国益に資するための手段だっていう、そういう戦略的自立を日本は持たないといけないですね。
手段の目的化はいけないってことですね。
そこはそういうふうに見ないと、アメリカに、民主党的な大統領であれ、トランプのような大統領であれ、常に完全に体を預けて依存してしまう、傾くっていうようなことは、もうしちゃいけないんだと私は思いますよね。
大国から製造国ってことで、やっぱり製造×AIの分野でいくと、中国って世界一なんじゃないかっていうふうに見えるんですけど。
個別のところの発展というよりも、社会全体、経済全体をAI化する、こういう発想なんですね。
AIによって経済を強化していくと。結局、AIも電気で決まるじゃないですか。電力も中国が優位になっていくんですかね。
結局、原発なんですよ。
原発ですね。
今、建設中のものを入れると超えてんです。
習近平としては国家の安全が1番大事なのに、なぜ社会を不安定化しかねないAIにここまで投資をさせるんですかね。
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