スターシップ飛行試験14回目、初の地球周回軌道飛行とスターリンクV3の展開

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概要

SpaceXのスターシップが飛行試験14回目で地球周回軌道に到達し、太平洋への着水まで成功させた。話者はこの飛行を「ほぼほぼサクセス」と評価し、機体の仕組み、今回の飛行の経過、初めて放出されたスターリンクV3衛星の意味、そして次回以降に期待される完全再利用への展望を解説している。

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2段式の完全再利用ロケットとラプターエンジン

スターシップは、完全再利用を目指した2段式のロケットである。1段目は「スーパーヘビー」と呼ばれるブースターで、話者によれば「ラプター3」エンジンを33基搭載している。2段目のスターシップには、真空中(宇宙空間)で動くエンジンが3基と、それ以外のエンジンが6基あると話者は説明したが、「逆だったかもしれない」とも述べており、内訳には自信がない様子だった。いずれにせよ、多数のラプターエンジンが使われている点が強調された。

話者はラプターエンジンの特徴として「フルフロー二段燃焼サイクル」を挙げる。これは推進剤のほとんどを燃焼室に送り、ポンプを回すのに使ったガスもエンジン内の燃焼室に入れて完全に燃やしてしまう方式だと説明する。従来の二段燃焼サイクルでは液体酸素側と液化メタン側が「ごっちゃになっていた」のに対し、フルフロー方式では酸素とメタンそれぞれにポンプを回すサイクルが付いている。特に酸素リッチな状態でターボポンプを回すことが非常に難しいとされ、話者はラプターを、その難しさを乗り越えた、シンプルで高性能なエンジンだと位置づけている。

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打ち上げから軌道到達まで

今回の機体はテキサス州ボカチカのスターベースから打ち上げられた。1段目は燃焼終了後、メキシコ湾に制御しながら着水する「スプラッシュダウン」を実施した。話者によれば1基ほどエンジンに不具合があったらしく完全ではなかったものの、ほぼ制御された着水に成功したという。

2段目のスターシップにもエンジン1基に不具合があったが、軌道には投入された。秒速7.8km、つまり第1宇宙速度に達し、地球周回軌道に到達したと話者は述べている。

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初のスターリンクV3衛星26機を放出

軌道到達後、スターシップはスターリンク衛星26機を放出した。これはスターリンクV3衛星で、今回がV3の初めてのデプロイだという。話者が挙げた性能は、下り1Tbps、上り180Gbpsである。すでに全ての衛星がスターリンクのネットワークに接続され、実際にサービスが始まっていると話者は伝えている。

話者は、現在1万5,000機ほど打ち上げられているスターリンク衛星が、今後このV3に次々と置き換えられていくと見ている。その前提として触れたのが、ルイジアナ州に建設が決まった次世代のスターベースである。こちらもメキシコ湾に面した場所にあり、燃料のメタンをガス田から供給し、精製して直接パイプラインで接続することまで構想されているという。話者は、この施設が毎日大量の打ち上げを行うことを念頭に作られていると説明し、毎日のように何機も打ち上げることが狙いだと述べた。

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スマホで150Mbps、専用アンテナなら光ファイバー並み

それが実現してV3衛星で空が埋め尽くされれば、モバイル通信の下りでも150Mbps程度が出るようになる、と話者は見込む。スマホを何も改造せずにスターリンクとつながり、少なくとも下りについてはブロードバンドで動画なども見られるようになるという。

一方、上りがブロードバンドになるにはもう少し時間がかかると話者は考えている。理由として挙げたのは、スマホの送信電力が小さいという物理的な限界である。ただし、スターリンク専用のアンテナとルーターがあれば、V3によって超高速通信が可能になり、光ファイバーを引くのとそれほど変わらなくなるだろうと話者は予想している。

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エンジン不具合による予定変更と太平洋への着水

スターシップのエンジン1基に問題があったため、飛行計画は変更された。本来は地球を6周したあと、チリ沖の南太平洋に着水する予定だったが、時間を早めて打ち上げから約3時間後に、北太平洋のアメリカ沖に着水することになった。話者は場所について「多分カリフォルニアとかの沖」と推測している。

打ち上げは9時ごろ、着水は12時過ぎごろで、その間の全シーケンスがスターリンク経由で世界中にネット配信された。機体は大気圏に無事再突入し、耐熱タイルなどにもそれほど大きな損傷はなく、太平洋への着水に成功した。話者はこれを「ほぼほぼサクセスと言っていい」と評価している。

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次回はメカジラによるキャッチの可能性

今回は約3時間で地球に戻ってきたが、話者は次回について、エンジンがうまく止まらずに動作すれば、スターシップがメキシコ湾に面したテキサスのスターベースに戻り、発射塔「メカジラ」の「チョップスティック」でキャッチされる場面が見られるかもしれないと期待を述べた。話者はこれによって完全再利用への道が開けたとし、今回の成果を「異次元」と表現して締めくくっている。