最後までスーパーに残れば25万ドル:67日間の籠城で起きたこと

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概要

ミスタービーストがスーパーマーケットを買い取り、店内に最後まで残った1人に賞金25万ドルを出すという企画である。参加者は彼の知り合いではなく、買い物に来ていた一般客だった。動画は、約100人が数十日にわたって店内で暮らす様子を追う。同盟ができ、妨害や嫌がらせが起こり、家族を理由に去る人が出て、長い退屈が続く。最後には賞金のルールそのものが変わる。

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買い物客がそのまま参加者になる

企画のきっかけについて、ミスタービーストは店を買い取った直後に全品半額セールを開いたと説明している。「食料品が半額と聞いて買いに来ただけ」の客が大勢集まり、その場でチャレンジへの参加を持ちかけられた。「年末までいる」「必要なだけ残る」と即答する人もいれば、仕事に戻らなければ解雇されるのに残ると決めた人もいた。上司に電話で説得を試みる女性もいたが、上司の返事は「仕事に来るべき」だった。

参加しない人には、買った商品を無料にするという条件が示された。これを聞いて多くの客が帰っていった。ルールは、店内の赤い線を踏んだら脱落、店内にあるものは何を使ってもよい、というものだ。物資を分け合うか、盗むかは参加者次第とされた。最初の夜を迎えた時点で残っていたのは33人だった。

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初日から同盟と砦ができる

参加者たちは初日のうちに生活必需品を確保し、売り場ごとに拠点を築き始めた。4人組の同盟は冷凍庫のそばに陣取り、拠点を「フォート・フリージー」と名付けた。入口をふさぐ物をどかさないと入れない仕組みを「ハイテク警備システム」と呼んでいる。のちにこのグループは精肉コーナーを押さえ、肉を独占しながら「物々交換なら応じる」と話していた。

ほかの拠点もいくつか紹介される。事務所を見つけて冷蔵庫まで運び込み、部屋に閉じこもるチーム(オフィスチーム)。乳製品コーナーのドリームチーム。青果コーナーのイノベーターズチームには、妊娠11週目のメンバーがいた。父親と息子だけの同盟もあり、息子は学校があるので帰るつもりだと言い、父親は休暇を取って残ると答えた。

最初の夜にはスマホの電池が問題になった。店には充電器が売っておらず、「10ドル出すから充電器を貸して」と頼む声も上がった。4日目には全員のスマホの充電が切れた。

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寝床、運動、シャワーの工夫

3日目までに、参加者はそれぞれ寝る方法を編み出していた。使えるベッドを2台確保した人、棚の上を自分専用の寝床にした人、ナプキンを詰めて枕を作った人がいる。一方、ベッドを貸してもらえず椅子で寝ている人もいた。寒さで一睡もできず、帰りたいと漏らす人も出た。

長く残るには運動が欠かせないと気づいた参加者たちは、空いたスペースと店内の物を使ってベンチプレスのできるトレーニング場所を作った。「負けるとしても鍛えていく」という声もあった。さらにホースを吊るして湯の出るシャワーも作り、ミスタービーストは湯気の立つ様子を見て「まるで家だ」と驚いている。

4日目には、心配した家族が店の前まで来て、ガラス越しに参加者の姿を見るようになった。恋人に1日おきに会いに来る人もいた。一方で「基地を離れる気はない」と拠点にこもり続ける人もいる。この時点で参加者の半分以上がすでに脱落していた。

ゼイビアンの浮き輪事件から報復の連鎖へ

5日目の夜、ゼイビアンがドリームチームの砦に忍び込み、誰かがベッド代わりにしていた浮き輪をパンクさせた。青果コーナーにいたジョシュがこれを目撃し、犯人をグンナーに伝える。告げ口に気づいたゼイビアンは、今度は青果コーナーを狙って「今夜はオールしよう」と騒ぎ始めた。これに対してゼイビアンの拠点でも仕返しが始まり、ポップタルトが被害に遭うなど、売り場は「無法地帯」と呼ばれる状態になった。

この騒ぎで疲れ果て、「もう無理だ」と去る人が出た。ドリームチームにも、店がめちゃくちゃになったと言って帰ったメンバーがいる。動機を聞かれたゼイビアンは「混乱を狙った」と答えつつ、「全然うまくいかなかった」とも話している。

騒動のあと店内が落ち着いたのは、ハリーとセレスティンの存在が大きかったとナレーションは説明する。2人は若い参加者から親のように慕われていた。ハリーが自作の歌を披露すると皆が集まり、ハリー自身は「ここで一生の友達に出会えた」と語っている。やがてこの年配夫婦は店を去った。同じ頃、妊娠中の参加者も、家に3歳の子どもと夫がいるとして帰っている。

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配慮がなくなった夜

オフィスチームはそれまで、妊婦と年配夫婦が静かに眠れるよう気を遣っていた。3人が去ると、配慮はもう必要ないと判断し、夜中の3時や朝4時に大騒ぎを始めた。メンバーは「1週間前からこれを我慢していた」「全員出ていくまで毎晩やる」と宣言している。

騒音で限界に達する人が続き、脱落は1人では済まなかった。ロビーの騒ぎ方に耐えられず、「もう誰とも関わりたくない」と怒って去ったティノもその1人である。ティノが去ったことをきっかけに、フォート・フリージーとドリームチームが手を組んだ。

思わぬ反撃もあった。騒ぎの中でも熟睡していたフアンが早起きし、朝から大声で歌って仕返しをしたのである。それまで問題を起こしてこなかったフアンの行動が戦略なのか退屈のせいなのか、周囲には分からなかったとナレーションは語る。

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外の世界と家族への罪悪感

騒音以外に参加者を苦しめたのは、外の世界がどんどん進んでいくという現実だった。ある母親は「大金だけど大事なものを失っている気がする」「時間が経つほど罪悪感が増していく」と話した。子どもと過ごす時間を失うことが、このチャレンジで一番つらいことだったとナレーションは述べる。

フアンは、一緒に参加していた息子エンジェルを学校に行かせるために帰した。「大金だとは分かっているけど、学校に行かさなきゃ」という判断である。その後、一人になったほうがかえって良い戦略かもしれないという見方も示された。ここでの同盟は互いに依存する関係であり、1人の悪者が同盟を壊すこともあるから、という理由だ。

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バスケットボール隠しと、真実を言った側への非難

ミスタービーストは店を買い取ったあと、コンロやバスケットゴールなどを置いていた。バスケは参加者にとって唯一の娯楽になっていた。ゼイビアンはそこに目をつけた。当初はボールを全部捨てるつもりだったが、「自分が主役になれる見せ場が欲しい」として、ボールをロビーのゴミ箱に仕込み、ロビーのせいに見せかける計画に変えた。

翌朝、ボールがないことに皆が気づき、互いを疑い始めた。ところがボールを捨てる場面をオータムが見ていて、そのことを話してしまう。問い詰められたゼイビアンは「ずっと寝ていた」と否定した。オータムは「やったのを見たとは言っていない」と発言を弱め、周囲からは「顔が真っ赤だ、嘘がバレたんだろう」と言われる。結果として孤立したのはオータムの側だった。誰も話しかけなくなり、オータムが近づくと皆が離れていった。

ゼイビアンは後に、泣きながら嘘をついたと明かし、「オータムは嘘をついたから嫌われたのではなく、真実を言ったせいで嫌われた」と語っている。ただし仲間の中には「ゼイは好きだけど信用していない」と警戒を促す人もいた。

オータムはその後、仕事も辞めて残っていたこともあって息子に会いたい気持ちが募り、3週間も子どもと離れるのは母親には長すぎるとして店を出た。それを見て、娘と20日間離れていたロビーも辛くなり、赤い線を越えた。ロビーは「100パーセント最後まで残れると思っていた」と話している。

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コンロ強奪計画

ファティーマが去って残り10人になったところで、ドリームチームはフリージーボーイズと組み、調理に欠かせないコンロを奪う計画を立てた。狙いは、盗みの罪をゼイビアンに着せることだった。

方法はこうだ。トップ10を祝う式典を開いて全員を一か所に集め、シャワー中を装ったコリンが抜け出して各チームのコンロを盗む。続いて1人ずつ冷凍庫に呼び出してインタビューし、まずゼイビアンを売り場に戻す。こうして、ゼイビアンが盗んだように見える時間差を作る。

コリンはオフィスチームのコンロと自分たちのコンロを回収したが、フアンのコンロだけはどうしても見つけられなかった。それでも疑いは計画どおりゼイビアンに向いた。ゼイビアンは「神に誓って知らない」と否定したが、被害者側は「あいつは嘘がうまいから」と納得しなかった。一方、インタビューでコンロについて問われたゼイビアンは、式典で最後に戻ったのがコリンだったことに気づいていた。自分がはめられたと認めたうえで、「俺が思いつきたかった、いいアイデアだ」と話している。

トップ10に残った時点で、スポンサーのスクエアから新たな条件が加わった。今後脱落した人には、地元の小規模ビジネスの商品セットと現金5000ドルが贈られる。これを受けて、イノベーターズチームの最後の1人と、フリージーボーイズのクリスが脱落を選んだ。クリスは「賄賂をもらって抜けるなら早いほうがいい」と話していた。

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食料の搬出とフアンへの圧力

計画がフアンのコンロで中途半端に終わったため、グループはフアンのコンロをめぐって揺さぶりをかけることにした。オフィス側が「明日は調理なしだ」と伝えると、彼らは「それなら道連れだ」として、自分たちの分だけこっそり残し、店の食料をトラックで運び出して寄付に回した。翌日フアンが「食料はみんなのものだろう」と抗議すると、「コンロをシェアしないから」と返した。グンナーはさらにフアンの調理器具をすべて持ち去り、「クラッカーとジャーキーを食べればいい」と言い放っている。

食料がなくなると、彼らは店の棚を壊し始めた。フアンは一日中引きこもった。メンバー自身も「今や俺らがヴィランだ」「完全に悪だ」と口にしている。

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ゼイビアンの退場

その後、ゼイビアンが朝から大声で起こして回る嫌がらせを24時間続けた。耐えかねたドリームチームは話し合いを持ちかけ、まず謝ったうえで「お互い惨めになることはない」と和解を提案した。ゼイビアンは約束を拒んだ。

事態が過熱したため、ミスタービーストは「もっとキツい状況にしたいか」と挙手で尋ね、5人が手を挙げた。その結果、家族が面会に来ていた店のガラスがボードでふさがれた。参加者は家族に別れを告げる時間を与えられた。

この日、ゼイビアンは店を去ることを決めた。「自分の良いところも悪いところも最悪なところも全部見せた。残ればもっと最悪な自分がさらされる。こんな自分は嫌だ」と泣きながら語っている。ただし、ただでは出なかった。ドリームチームの基地に侵入して寝袋を盗み、「みんな眠れずに苦しめばいい」と言い残した。相手側は「寝袋なんてどうでもいい、あいつが消えて俺が勝てばいい」と受け流した。同じ夜、1か月店にいたジーフランクも去り、残りは6人になった。コンロは戻され、寝袋も取り返された。

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退屈との戦い

平和が戻ったように見えたが、ナレーションは本当の試練がここから始まったとする。退屈である。参加者は寝て過ごし、棚を解体し、掃除をし、ゲームをしたが、「ここ2週間何も起こらない」状態が続いた。40日間外を見ておらず、誰ともハグしていないとこぼす人もいた。それでも「1年でも2年でもいられる」「できればずっといたい」と、全員が続ける意思を示していた。店内はトイレットペーパーで埋め尽くされていた。

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5万ドルの買収と赤いボタン

参加者が何があっても残る気でいると見たミスタービーストは、出ていくよう仕向けることにした。まず投票でリーダーを選ばせ、ジャクソンが選ばれた。ジャクソン自身は受け取れない5万ドルを預かり、1人に5万ドル、2人に2万5000ドル、あるいは誰にも渡さない、という形で他の参加者を追い出す役目である。フアンには2万5000ドルが提示されたが応じなかった。3万ドルとスクエアの5000ドルで1人が脱落し、「3万5000ドルもらえたら文句ない、やっと家に帰れる」と話した。100人中、残りは5人となった。

次に、店の中央に赤いボタンが置かれた。ミスタービーストは「この動画をもっとヤバくしたいなら、誰か1人押して」とだけ説明し、時間制限はないとした。多くの参加者はためらったが、コリンは「あいつらはここで一生過ごせるくらい楽しんでいる。自分たちには押すのがベスト」と主張した。ジャクソンもその気になり、ボタンが押された。

結果は、店の中央に新たな赤い線を引き、片側を立ち入り禁止にするというものだった。参加者は5分間で向こう側の物資を運び出した。スペースが半分になり、日光も浴びられず、シャワーやトイレも使えなくなった。仮設トイレは用意された。参加者はコカ・コーラ ゼロで皿を洗い、ダサニの水で歯を磨くと話している。

線を引いてから12時間も経たないうちに、コリンが赤い線に触れて脱落した。理由を聞かれて「その場の勢い」と答え、「50日スーパーにいて、目標は線に触れないことだったのに」と振り返っている。立ち入り禁止側に残った食料は、チーズなども含めて寄付に回され、ミスタービーストは1万人以上を助けられると説明した。

残った4人はすぐに順応した。レイハンの発案で、フアンと2人で青果売り場の設備を分解し、給水ラインからきれいな水を引いてバケツで体を洗うシャワーを作った。その後、2つ目の大きな赤いボタンが置かれたが、今度は全員が押さないことで一致した。「このボタンは呪われている」という声もあった。

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穏やかな日々と「100万ドルの決断」

2週間後、残った4人は運動や料理、コーンホールやラジコンで穏やかに過ごしていた。「子どもの頃を思い出す」と話す人もいた。ミスタービーストはサッカーゴールを持ち込み、国内一のゴールキーパーとされるマジドからゴールを奪えば2026年FIFAワールドカップのチケットがもらえるという挑戦を行った。ジャクソンらが成功したが、「ワールドカップ期間中もまだここにいるかも」という冗談も出ていた。

さらに争いを厳しくするかと聞かれた参加者は、今は穏やかに楽しく過ごしているとして断った。そこでミスタービーストは「1週間後に100万ドルの決断がある」と告げる。意味が分からないまま、参加者の間では期待が高まった。「地域に恩返しをしたい」「お金がなくて働きづめの家族を喜ばせたい」と、それぞれが大金の使い道を語っている。その間もフアンの誕生日をケーキやピニャータ、ロバの尻尾つけゲームで祝い、フアンは「すごくいいやつらで、みんな大好きだ」と感謝を述べた。

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67日目の提案

67日目、ミスタービーストは100万ドルを運び込み、新たな提案をした。「最後まで店に残った人が勝ち」という勝負をやめ、店の在庫を補充したうえで「店の食料を全部食べたら勝ち」に変えるなら、賞金を4倍の100万ドルにする。太らないよう裏にジムを作り、専属の栄養士とトレーナーをつけ、ベッドとシャワーも用意するという条件だった。

ある参加者は、決めかねている理由を「妻と子どもたち」と答えた。一方で「こんな大金を狙えるチャンスは二度とこない」という声もあった。ミスタービーストは「半年でも1年でも2年でもかかりうる、問題は食べ続けられるかだ」と念を押した。投票の結果、補充する案が選ばれた。こうして参加者は互いに競う相手から協力し合う仲間に変わり、動画は「全部食べたら100万ドルチャレンジ」の始まりと、「では1年後に」という言葉で終わる。