最後までスーパーに残れば25万ドル:67日間の籠城で起きたこと
MrBeast ミスタービーストミスタービーストがスーパーマーケットを買い取り、店内に最後まで残った1人に賞金25万ドルを出すという企画である。参加者は彼の知り合いではなく、買い物に来ていた一般客だった。動画は、約100人が数十日にわたって店内で暮らす様子を追う。同盟ができ、妨害や嫌がらせが起こり、家族を理由に去る人が出て、長い退屈が続く。最後には賞金のルールそのものが変わる。
買い物客がそのまま参加者になる
企画のきっかけについて、ミスタービーストは店を買い取った直後に全品半額セールを開いたと説明している。「食料品が半額と聞いて買いに来ただけ」の客が大勢集まり、その場でチャレンジへの参加を持ちかけられた。「年末までいる」「必要なだけ残る」と即答する人もいれば、仕事に戻らなければ解雇されるのに残ると決めた人もいた。上司に電話で説得を試みる女性もいたが、上司の返事は「仕事に来るべき」だった。
参加しない人には、買った商品を無料にするという条件が示された。これを聞いて多くの客が帰っていった。ルールは、店内の赤い線を踏んだら脱落、店内にあるものは何を使ってもよい、というものだ。物資を分け合うか、盗むかは参加者次第とされた。最初の夜を迎えた時点で残っていたのは33人だった。
初日から同盟と砦ができる
参加者たちは初日のうちに生活必需品を確保し、売り場ごとに拠点を築き始めた。4人組の同盟は冷凍庫のそばに陣取り、拠点を「フォート・フリージー」と名付けた。入口をふさぐ物をどかさないと入れない仕組みを「ハイテク警備システム」と呼んでいる。のちにこのグループは精肉コーナーを押さえ、肉を独占しながら「物々交換なら応じる」と話していた。
ほかの拠点もいくつか紹介される。事務所を見つけて冷蔵庫まで運び込み、部屋に閉じこもるチーム(オフィスチーム)。乳製品コーナーのドリームチーム。青果コーナーのイノベーターズチームには、妊娠11週目のメンバーがいた。父親と息子だけの同盟もあり、息子は学校があるので帰るつもりだと言い、父親は休暇を取って残ると答えた。
最初の夜にはスマホの電池が問題になった。店には充電器が売っておらず、「10ドル出すから充電器を貸して」と頼む声も上がった。4日目には全員のスマホの充電が切れた。
寝床、運動、シャワーの工夫
3日目までに、参加者はそれぞれ寝る方法を編み出していた。使えるベッドを2台確保した人、棚の上を自分専用の寝床にした人、ナプキンを詰めて枕を作った人がいる。一方、ベッドを貸してもらえず椅子で寝ている人もいた。寒さで一睡もできず、帰りたいと漏らす人も出た。
長く残るには運動が欠かせないと気づいた参加者たちは、空いたスペースと店内の物を使ってベンチプレスのできるトレーニング場所を作った。「負けるとしても鍛えていく」という声もあった。さらにホースを吊るして湯の出るシャワーも作り、ミスタービーストは湯気の立つ様子を見て「まるで家だ」と驚いている。
4日目には、心配した家族が店の前まで来て、ガラス越しに参加者の姿を見るようになった。恋人に1日おきに会いに来る人もいた。一方で「基地を離れる気はない」と拠点にこもり続ける人もいる。この時点で参加者の半分以上がすでに脱落していた。
ゼイビアンの浮き輪事件から報復の連鎖へ
5日目の夜、ゼイビアンがドリームチームの砦に忍び込み、誰かがベッド代わりにしていた浮き輪をパンクさせた。青果コーナーにいたジョシュがこれを目撃し、犯人をグンナーに伝える。告げ口に気づいたゼイビアンは、今度は青果コーナーを狙って「今夜はオールしよう」と騒ぎ始めた。これに対してゼイビアンの拠点でも仕返しが始まり、ポップタルトが被害に遭うなど、売り場は「無法地帯」と呼ばれる状態になった。
この騒ぎで疲れ果て、「もう無理だ」と去る人が出た。ドリームチームにも、店がめちゃくちゃになったと言って帰ったメンバーがいる。動機を聞かれたゼイビアンは「混乱を狙った」と答えつつ、「全然うまくいかなかった」とも話している。
騒動のあと店内が落ち着いたのは、ハリーとセレスティンの存在が大きかったとナレーションは説明する。2人は若い参加者から親のように慕われていた。ハリーが自作の歌を披露すると皆が集まり、ハリー自身は「ここで一生の友達に出会えた」と語っている。やがてこの年配夫婦は店を去った。同じ頃、妊娠中の参加者も、家に3歳の子どもと夫がいるとして帰っている。
配慮がなくなった夜
オフィスチームはそれまで、妊婦と年配夫婦が静かに眠れるよう気を遣っていた。3人が去ると、配慮はもう必要ないと判断し、夜中の3時や朝4時に大騒ぎを始めた。メンバーは「1週間前からこれを我慢していた」「全員出ていくまで毎晩やる」と宣言している。
騒音で限界に達する人が続き、脱落は1人では済まなかった。ロビーの騒ぎ方に耐えられず、「もう誰とも関わりたくない」と怒って去ったティノもその1人である。ティノが去ったことをきっかけに、フォート・フリージーとドリームチームが手を組んだ。
思わぬ反撃もあった。騒ぎの中でも熟睡していたフアンが早起きし、朝から大声で歌って仕返しをしたのである。それまで問題を起こしてこなかったフアンの行動が戦略なのか退屈のせいなのか、周囲には分からなかったとナレーションは語る。
外の世界と家族への罪悪感
騒音以外に参加者を苦しめたのは、外の世界がどんどん進んでいくという現実だった。ある母親は「大金だけど大事なものを失っている気がする」「時間が経つほど罪悪感が増していく」と話した。子どもと過ごす時間を失うことが、このチャレンジで一番つらいことだったとナレーションは述べる。
フアンは、一緒に参加していた息子エンジェルを学校に行かせるために帰した。「大金だとは分かっているけど、学校に行かさなきゃ」という判断である。その後、一人になったほうがかえって良い戦略かもしれないという見方も示された。ここでの同盟は互いに依存する関係であり、1人の悪者が同盟を壊すこともあるから、という理由だ。
バスケットボール隠しと、真実を言った側への非難
ミスタービーストは店を買い取ったあと、コンロやバスケットゴールなどを置いていた。バスケは参加者にとって唯一の娯楽になっていた。ゼイビアンはそこに目をつけた。当初はボールを全部捨てるつもりだったが、「自分が主役になれる見せ場が欲しい」として、ボールをロビーのゴミ箱に仕込み、ロビーのせいに見せかける計画に変えた。
翌朝、ボールがないことに皆が気づき、互いを疑い始めた。ところがボールを捨てる場面をオータムが見ていて、そのことを話してしまう。問い詰められたゼイビアンは「ずっと寝ていた」と否定した。オータムは「やったのを見たとは言っていない」と発言を弱め、周囲からは「顔が真っ赤だ、嘘がバレたんだろう」と言われる。結果として孤立したのはオータムの側だった。誰も話しかけなくなり、オータムが近づくと皆が離れていった。
ゼイビアンは後に、泣きながら嘘をついたと明かし、「オータムは嘘をついたから嫌われたのではなく、真実を言ったせいで嫌われた」と語っている。ただし仲間の中には「ゼイは好きだけど信用していない」と警戒を促す人もいた。
オータムはその後、仕事も辞めて残っていたこともあって息子に会いたい気持ちが募り、3週間も子どもと離れるのは母親には長すぎるとして店を出た。それを見て、娘と20日間離れていたロビーも辛くなり、赤い線を越えた。ロビーは「100パーセント最後まで残れると思っていた」と話している。
コンロ強奪計画
ファティーマが去って残り10人になったところで、ドリームチームはフリージーボーイズと組み、調理に欠かせないコンロを奪う計画を立てた。狙いは、盗みの罪をゼイビアンに着せることだった。
方法はこうだ。トップ10を祝う式典を開いて全員を一か所に集め、シャワー中を装ったコリンが抜け出して各チームのコンロを盗む。続いて1人ずつ冷凍庫に呼び出してインタビューし、まずゼイビアンを売り場に戻す。こうして、ゼイビアンが盗んだように見える時間差を作る。
コリンはオフィスチームのコンロと自分たちのコンロを回収したが、フアンのコンロだけはどうしても見つけられなかった。それでも疑いは計画どおりゼイビアンに向いた。ゼイビアンは「神に誓って知らない」と否定したが、被害者側は「あいつは嘘がうまいから」と納得しなかった。一方、インタビューでコンロについて問われたゼイビアンは、式典で最後に戻ったのがコリンだったことに気づいていた。自分がはめられたと認めたうえで、「俺が思いつきたかった、いいアイデアだ」と話している。
トップ10に残った時点で、スポンサーのスクエアから新たな条件が加わった。今後脱落した人には、地元の小規模ビジネスの商品セットと現金5000ドルが贈られる。これを受けて、イノベーターズチームの最後の1人と、フリージーボーイズのクリスが脱落を選んだ。クリスは「賄賂をもらって抜けるなら早いほうがいい」と話していた。
食料の搬出とフアンへの圧力
計画がフアンのコンロで中途半端に終わったため、グループはフアンのコンロをめぐって揺さぶりをかけることにした。オフィス側が「明日は調理なしだ」と伝えると、彼らは「それなら道連れだ」として、自分たちの分だけこっそり残し、店の食料をトラックで運び出して寄付に回した。翌日フアンが「食料はみんなのものだろう」と抗議すると、「コンロをシェアしないから」と返した。グンナーはさらにフアンの調理器具をすべて持ち去り、「クラッカーとジャーキーを食べればいい」と言い放っている。
食料がなくなると、彼らは店の棚を壊し始めた。フアンは一日中引きこもった。メンバー自身も「今や俺らがヴィランだ」「完全に悪だ」と口にしている。
ゼイビアンの退場
その後、ゼイビアンが朝から大声で起こして回る嫌がらせを24時間続けた。耐えかねたドリームチームは話し合いを持ちかけ、まず謝ったうえで「お互い惨めになることはない」と和解を提案した。ゼイビアンは約束を拒んだ。
事態が過熱したため、ミスタービーストは「もっとキツい状況にしたいか」と挙手で尋ね、5人が手を挙げた。その結果、家族が面会に来ていた店のガラスがボードでふさがれた。参加者は家族に別れを告げる時間を与えられた。
この日、ゼイビアンは店を去ることを決めた。「自分の良いところも悪いところも最悪なところも全部見せた。残ればもっと最悪な自分がさらされる。こんな自分は嫌だ」と泣きながら語っている。ただし、ただでは出なかった。ドリームチームの基地に侵入して寝袋を盗み、「みんな眠れずに苦しめばいい」と言い残した。相手側は「寝袋なんてどうでもいい、あいつが消えて俺が勝てばいい」と受け流した。同じ夜、1か月店にいたジーフランクも去り、残りは6人になった。コンロは戻され、寝袋も取り返された。
退屈との戦い
平和が戻ったように見えたが、ナレーションは本当の試練がここから始まったとする。退屈である。参加者は寝て過ごし、棚を解体し、掃除をし、ゲームをしたが、「ここ2週間何も起こらない」状態が続いた。40日間外を見ておらず、誰ともハグしていないとこぼす人もいた。それでも「1年でも2年でもいられる」「できればずっといたい」と、全員が続ける意思を示していた。店内はトイレットペーパーで埋め尽くされていた。
5万ドルの買収と赤いボタン
参加者が何があっても残る気でいると見たミスタービーストは、出ていくよう仕向けることにした。まず投票でリーダーを選ばせ、ジャクソンが選ばれた。ジャクソン自身は受け取れない5万ドルを預かり、1人に5万ドル、2人に2万5000ドル、あるいは誰にも渡さない、という形で他の参加者を追い出す役目である。フアンには2万5000ドルが提示されたが応じなかった。3万ドルとスクエアの5000ドルで1人が脱落し、「3万5000ドルもらえたら文句ない、やっと家に帰れる」と話した。100人中、残りは5人となった。
次に、店の中央に赤いボタンが置かれた。ミスタービーストは「この動画をもっとヤバくしたいなら、誰か1人押して」とだけ説明し、時間制限はないとした。多くの参加者はためらったが、コリンは「あいつらはここで一生過ごせるくらい楽しんでいる。自分たちには押すのがベスト」と主張した。ジャクソンもその気になり、ボタンが押された。
結果は、店の中央に新たな赤い線を引き、片側を立ち入り禁止にするというものだった。参加者は5分間で向こう側の物資を運び出した。スペースが半分になり、日光も浴びられず、シャワーやトイレも使えなくなった。仮設トイレは用意された。参加者はコカ・コーラ ゼロで皿を洗い、ダサニの水で歯を磨くと話している。
線を引いてから12時間も経たないうちに、コリンが赤い線に触れて脱落した。理由を聞かれて「その場の勢い」と答え、「50日スーパーにいて、目標は線に触れないことだったのに」と振り返っている。立ち入り禁止側に残った食料は、チーズなども含めて寄付に回され、ミスタービーストは1万人以上を助けられると説明した。
残った4人はすぐに順応した。レイハンの発案で、フアンと2人で青果売り場の設備を分解し、給水ラインからきれいな水を引いてバケツで体を洗うシャワーを作った。その後、2つ目の大きな赤いボタンが置かれたが、今度は全員が押さないことで一致した。「このボタンは呪われている」という声もあった。
穏やかな日々と「100万ドルの決断」
2週間後、残った4人は運動や料理、コーンホールやラジコンで穏やかに過ごしていた。「子どもの頃を思い出す」と話す人もいた。ミスタービーストはサッカーゴールを持ち込み、国内一のゴールキーパーとされるマジドからゴールを奪えば2026年FIFAワールドカップのチケットがもらえるという挑戦を行った。ジャクソンらが成功したが、「ワールドカップ期間中もまだここにいるかも」という冗談も出ていた。
さらに争いを厳しくするかと聞かれた参加者は、今は穏やかに楽しく過ごしているとして断った。そこでミスタービーストは「1週間後に100万ドルの決断がある」と告げる。意味が分からないまま、参加者の間では期待が高まった。「地域に恩返しをしたい」「お金がなくて働きづめの家族を喜ばせたい」と、それぞれが大金の使い道を語っている。その間もフアンの誕生日をケーキやピニャータ、ロバの尻尾つけゲームで祝い、フアンは「すごくいいやつらで、みんな大好きだ」と感謝を述べた。
67日目の提案
67日目、ミスタービーストは100万ドルを運び込み、新たな提案をした。「最後まで店に残った人が勝ち」という勝負をやめ、店の在庫を補充したうえで「店の食料を全部食べたら勝ち」に変えるなら、賞金を4倍の100万ドルにする。太らないよう裏にジムを作り、専属の栄養士とトレーナーをつけ、ベッドとシャワーも用意するという条件だった。
ある参加者は、決めかねている理由を「妻と子どもたち」と答えた。一方で「こんな大金を狙えるチャンスは二度とこない」という声もあった。ミスタービーストは「半年でも1年でも2年でもかかりうる、問題は食べ続けられるかだ」と念を押した。投票の結果、補充する案が選ばれた。こうして参加者は互いに競う相手から協力し合う仲間に変わり、動画は「全部食べたら100万ドルチャレンジ」の始まりと、「では1年後に」という言葉で終わる。
このスーパーを買い取った。すごいサプライズをするぞ。
ミスタービースト! やあ、みんな! ミスタービーストだ!
さあ、よく聞いて。これはミスタービーストの動画撮影だ。このスーパーに最後まで残った人に、こちらの賞金25万ドルをプレゼント。面白くなるぞ。
みんな俺の友達じゃなく、買い物に来た人達。疑問だらけだろうから話しに行く。
今ミスタービーストの動画に出てますよ。ミスター何?
どれくらいここに残るつもり? 最後までいるよ。年末まで。必要なだけ。
ミスタービースト? 大学卒業してヒマなのか? 無職さ! 手強そう。ほかの人には仕事がある。
仕事に戻らなけりゃ俺はクビだ。でも決めた。ここに残る。
私の上司よ。説得しようとしてるの。ここに残らなきゃ! チャンスをあげてください。仕事に来るべきよ。
チャレンジに参加しない、できない人達には…。
帰りますか? それとも参加する? いいえ、参加しないと思うわ。じゃあいっぱい買い物して。タダだから。まあ、うれしいわ! おいしく召し上がれ。
最初の脱落者だ。タダになると知って多くの人が帰った。赤い線を踏んだら脱落だ。彼女は脱落。みんな次々に帰ってく。残った人達は…。
まずはとにかく生活必需品を確保しよう。家を作らなきゃ。それは俺らの。ここが家。ベッドルームは2つ。ゲスト用も作るよ。
初日なのに同盟ができてる。この4人で組んだの? ああ。協力しよう、お互い。チームでならなんでもできる。
あちこちで要塞が築かれていった。ほらあそこ、まさに砦だ。冷凍庫のそばだから、その名もフォート・フリージー。
ハイテク警備システムだ。これをどかさないと侵入できないんだ。ベッドもある。同盟も組んだ。向こうはもう偵察に来たよ。
この動画ができたわけは…。店を買い取った直後に全品半額セールを開催したんだ。食料品が半額っていうから買いに来ただけなのに。だからたくさんの人が集まった。
最初の夜を迎える頃には、スーパーで暮らすという現実が見えてきた。
充電器貸して! 10ドル出す。親友と電話中よ。残り20パー。切れたら終わりだぞ。ここには充電器なんて売ってない。そのとおり。
店内にあるものなら何を使ってもいいルール。寝袋はある? 物資を分け合うかどうかは彼ら次第だ。盗まれる可能性だってある。戦争だな。
さあ、みんな。最初の夜が素晴らしいものになることを祈るよ。現在残るは33人だ。頑張れよ。それじゃぐっすり眠ってくれ。スーパーで寝るなんて初めてだし…。
彼らは数か月に及ぶこのチャレンジの間、互いの砦を壊し合い…。何してるの? 頼む! やめてくれ! 睡眠を妨害する。今夜はとんでもないな。ありとあらゆる手段を尽くし…。今世紀最大の仕返しだ。敵を蹴落とそうとする。この動画は彼らが望む限り続いていく。
フォート・フリージーが進化したな。フォート・フリージー・ボーイズは永遠だ! 肉を独占してもいいのか? 問題ない。物々交換なら応じるよ。
進化したのは彼らだけじゃない。精肉コーナーに拠点ができた一方、別チームも面白い場所を見つけていた。彼らは事務所を見つけ、すっかり作り変えたんだ。
この部屋に閉じこもる。いろんな物資もたっぷりあるし、冷蔵庫も入れた。
その隣にはなんと父親と息子だけの同盟だ。優勝を狙う? 帰る? 帰るかな。学校もあるし。お父さんは? 休暇を取って残ってみるよ。
青果コーナーはイノベーターズチームの拠点だ。なんとメンバーの1人は妊娠中だった。今日で11週目に入るの。初めてのビースト・ベイビーかな?
さらに通路側にもいくつかチームが。厳重なバリケードだな。ゾンビゲームの世界みたい。ああ、準備は万端。
グッド・ミシカル・モーニング。皆さん! 25万ドルかかってる。本気じゃないならすぐ帰るんだ。それじゃあな。俺は居座るぞ。
3日目にはみんなスーパーで眠るさまざまな方法を編み出していた。ちゃんと使えるベッドが2台も。賢いな。
棚の上で寝てるのか。そう、俺専用だ。なかなか斬新だろ。かなりいけてるレイアウトだよ。中にはナプキンが詰まってる。いい枕だ。
ベッド貸してもらえなかったのか? 椅子で寝てるの? ああ、そのとおり。マジか。
でも中には限界を迎えた人達も。昨日はかなり寒くて一睡もできなかった。マジで最悪な気分。家に帰りたい。
挑戦者たちは、本気で残るためには運動が欠かせないってことに気付いた。さあやるぞ。始めよう。
トレーニング場所だ。これがベンチ。ベンチプレスもできる。ノーラン、見せてやれ。意外とうまくできてるな。
彼らは空いたスペースや物を最大限活用して運動をした。負けるとしても鍛えてくぜ。だけど運動するならシャワーも浴びないとね。
シャワーを作ったって? ああ、ドアの向こうだ。湯気がすごい。ホースをここに吊るして、ほら、こうやって使うんだ。掛けておけるのか。まるで家だ。すごい。
4日目には全員のスマホの充電が切れ、心配した家族達がガラス越しに姿を見ようと店の前までやってきた。
どれくらい彼氏に会いに来てる? 1日おき。1日おきに眺めてるのか。
あくまで目的に集中する人も。基地を離れる気はない。やりすぎだろうけど…。25万ドルかかってるんだ。これぐらいはしないとね。
4日目で半分以上が脱落した。勝ったら毎晩こうやって寝るんだ。勝利をつかむのは1人だけ。
そこで5日目の夜、ゼイビアンはドリームチームの砦に忍び込み、誰かがベッド代わりに使っていた浮き輪をパンクさせた。
彼らはすぐ異変に気付いた。嘘だろ。かわいいことしてくれたじゃねえか。浮き輪に穴を開けに来るなんて。なんとか修理中だ。俺の大事なナマケモノが…。
青果コーナーにいたジョシュはこの襲撃を目撃していた。そして犯人をグンナーに伝えたんだ。
浮き輪がやられた。緑のジャンプスーツを着たどっかのチビが、なんの理由もなく襲撃してるってそう聞いた。
告げ口に気付いたゼイビアンは青果コーナーを狙った。悪いな。みんなで夜更かしだ。今夜はオールしようぜ。オールしよう。触るな、触るな。離れろ。どうかしてる。何歳だ? 大人だろ! どうなんだ? 答えろよ! どっちが子供だよ?
今度はゼイビアンの拠点で仕返しが始まった。やめてくれ。やり合うわけ? ああ、やってやる。これはまさにカオスだ。ポップタルトが! それはやめてくれ! ダメだ!
大事件が起きた。売り場はもう無法地帯だ。見ろよ、子供のすることだ。
確かに勝負は全力でやるべきだ。だけど正直に言って、俺はもうこれ以上は無理だ。
被害を受けたのは一部だけじゃない。乳製品コーナーのドリームチームには、誰よりもショックを受けたメンバーがいた。
もうここはめちゃくちゃになってきた。そろそろ帰るよ。お疲れさま。じゃあね。
ゼイビアンが浮き輪を破裂させたことがここまで広がるなんて。みんなを混乱させたかったの? 混乱を狙った。とは言っても全然うまくいかなかったけどな。緊張感があった。怖かったし、ストレスもたまってる。
騒動後はゆっくり休んだおかげで静けさが戻った。みんな、おはよう。空気が良くなったのはハリーとセレスティンのおかげ。2人は親のような存在になっていた。
若者とは仲良しさ。カギは筋トレ。俺たちはパパとママだって。マジな話、ここで一生のダチに出会えた。
ハリーの自作の歌を聴くためにみんな集まってきた。古い曲だけどな。アイラービュー。ベイビベビベイビー。ベビベビベイビー、ベビベイブ。アーイ、ラー、ビュー。
やあ、みんな、おはよう。おはよう。子供たちに恩返ししなきゃな、残りの人生で。何から何までみんなに本当に感謝しているよ。とても楽しい時間だった。寂しい。バーイ! 大好きよ。
ここを出ていこうとしてるって聞いたけど。そうね、出ようと思ってる。それ本気なの? どうして? 妊娠3か月なの。家には3歳の子供と夫もいる。赤ちゃんのママが家に帰るよ。じゃあね。
妊婦さんと年配夫婦が静かに眠れるように配慮していたけど、彼らが去った今、オフィスチームはもう配慮は必要ないと判断した。
さあ、みんな。今は夜中の3時だ。楽しもうぜ。ハリーはもういない。マジで寂しいよな。でも1週間前からこれを我慢してた。起きろ、もう朝の4時だぞ。思いっきりここで騒いでやろうぜ。
もう無理だ。俺は降りるよ。脱落者は1人じゃ済まなかった。
全員出てくまで毎晩やらないとな。こんなので今夜眠れないって言うんなら、マジで覚悟しておいたほうがいいぞ。今週はずっと眠れないんだからな。
俺たちは残るから、出てくなら今がチャンスだ。ずっとこの店にいたって時間の無駄だからな。俺は無職だ。
うるさすぎてみんな限界に達していた。ロビーはマジで無理だ。もうここで誰とも関わりたくない。うんざりだよ。ティノは完全にキレた。
ティノが去り、この結果フォート・フリージーとドリームチームの間に結束が生まれた。男子だけのチームだ。フォート・フリージーとドリームチーム、やったぜ。無敵の集団に思えた。
25万ドルを持ってここを出る。勝ちたい。何も持たずに去る気はない。でも、うまくいかなかった。
裏でパーティーだ。ジョシュ、足出てるって。マジでうっかりしてた。もう行くよ。俺の番だ。
日が暮れるとまた騒ぎ出した。今夜もやってやろうぜ。準備はいいか? 寝かさないからな。おい、起きろ。ほらね、悪ガキがまた騒いでる。
本気で全員追い出すつもりだ。もう私、こんなとこにいたくない。行くわ、ごめんなさい。もう無理なの。
でも騒ぎの結果、思いがけないことが。この騒ぎの中でもぐっすり眠っていたフアンが、早起きして仕返しすることにした。
フアンの生活リズムどうなってんの? おい、ダメダメダメダメ! なんで? うるさすぎる。そう? 〈やべえよ〉 アーヤーヤヤーイ。
フアンは特に問題を起こしてこなかったから、誰にも分からなかった。戦略なのか…、退屈のせいか。俺たちをイラつかせたい? そうだろうよ。誰かキレるんじゃないかな。フアン、うるさい。おはよう。
騒音以外でみんなを苦しめていたのは、外の世界はどんどん進んでいるという現実だった。
息子さんのところに帰っても後悔しないか? 大金だけど大事なものを失ってる気がするの。家族が恋しい。時間が経つほど罪悪感がどんどん増していくの。ああ…。
子供と過ごす時間を失うことが、このチャレンジで一番つらいことだった。フアンが息子を帰したときは…
息子はここを出る。もう行かなきゃ。信じられなかったけど、学校がある。それだけ家族に対して本気だって分かった。
大金だってことは分かってるけど、学校に行かさなきゃ。じゃあな、エンジェル。愛してる。寂しいよ。みんなもそうだろ。
ここでは1人の方が、むしろいい戦略なのかもしれない。
お前だろ。お前がそう言った。
というのも、結局ここでの同盟は依存する関係だからだ。いろんな同盟が出来上がるのを見た。
グンナー、チキンサンドいる?
でも1人の悪者が同盟を壊すことも。スーパーを買い取った後、便利なものをたくさん置いた。例えばコンロとか遊ぶもの、バスケのゴールとか。これらが唯一の娯楽になっていたようで。
バスケができなかったら、多くの人が帰りそう。
ゼイビアンは何を狙うべきか理解してた。
しばらく手を汚してなかったな。元の計画だと、バスケットボールを全部捨ててしまうつもりだった。そうすりゃ誰もストレスを感じない。平和だ。でも自分の見せ場が欲しいんだ。俺が主役になれるようなやつがな。だから、これからボールをロビーのゴミ箱に仕込む。捜してるボールがゴミ箱にあれば、ロビーのせいになる。バイ。
珍しくこの日の朝は静まり返っていたが、みんな異変が起きているとすぐに気づいた。
ねえ、ボール見なかった?
いや、見てないな。
誰かがボールを盗んだ。どこかにある。絶対に見つけてやるからな。
皮肉だね。朝、叩き起こされた原因が、昼間、心の支えになってる唯一の娯楽だなんて。今のところ全員怪しい。
ボールがなくて、みんなイラついてた。
マジで最悪。君が盗んだんじゃないよな?
ずっと寝てたわ。
ボール持ってる?
いいえ。
あんたが持ってるのか?
持ってるわけない。
じゃあ、誰?
ゼイビアンは、ただ同盟が壊れるのを見ていた。ボールのありかを知る唯一の人物だから安全…のはずだった。
隠した人知ってる。
マジで? 誰?
ゼイビアン。ゴミ箱に捨ててた。
ゼイビアンがボールを捨てたとき、オータムが全部見ていたけど、彼は気づいてなかった。
そんなのヤバすぎだろ。毎日遊んでるの見たろ。バスケがここでの唯一の娯楽なのに。
みんなに言う?
今すぐにな。
ボールが消えた。ゴミ箱も。
ゼイビアンが捨てた。
は? あいつは? ゼイビアン、来い。
ゼイビアン。お前がボール捨てたんだって。
俺がやったって言うのか? ずっと寝てたんだぞ。
お前がボールを捨てたから、ゴミ収集の人がボールも持ってったんだろ。
ゴミ収集? ゴミ出ししてるやつなんて見たことない。
あなたがやったのを見たとは言ってないよ。やったかもだし、やってないかも。
いや、「かも」なんて言ってなかった。ゼイビアンがゴミ箱に捨てたと言ってた。
じゃあ寝ぼけてたかも。
そもそもなんで俺の名前が挙がったのか意味不明だよ。
お前バカなことしたな。
なんでよ? 勝負でしょ?
顔が真っ赤だ。嘘がバレたんだろ。ここにいる全員、ゼイビアンも、お前の敵だ。
何も言わなきゃよかった。
悪者は俺?
そのとおり。
ゼイビアンはロビーをハメるつもりだったけど、結果的に新たな標的が生まれた。
彼女に矛先が向いた。誰もオータムに話しかけないから、彼女、すみっこに隠れてるよ。ゼイビアンすらね。
オータムとは話してない。彼女が近づくたびに離れてるのに、気づいてないみたい。
ねえ、まさかほんとに怒ってるの?
話したくない。距離を置きたい。
この先もどんどん過酷になっていくよ。食べ物は30日以内に食べられなくなっちゃう。ちょうど今日、パンもダメになったみたい。
案内して。
これが一番お気に入りの場所なんだ。俺の寝床だよ。
眠れてる?
ああ、軍隊にいたからどこでも寝れるよ。塹壕とか何もないテント、金属フレームのベッドでも。
勝負したくないな。
エンジェルが恋しい?
ああ。結局は個人戦だけど、一緒に乗り越える仲間がいてうれしいよ。
お金じゃ時間は取り戻せない。ここまで残るのに仕事も辞めたから余計につらくて、もう息子に会いたくてたまらないの。出る覚悟はできてる。子供には私が要る。3週間も子供と離れるなんて、母親には長すぎる。
オータムが店を出て息子のもとに帰っていくのを見て、ロビーは娘と20日間も離れているのが辛くなった。
正直100パーセント最後まで残れると思ってた。でも3週間も子供を見守れないのはイヤだ。
赤いライン。25万ドルが消えた。嘘みたいだ。
言っただろ。この店に入ったときから「全部計算ずくだ」って。ロビーへの悪口とか全部ひっくるめて、自分の身体の中に取り込んで、別の人間に生まれ変わった感じだ。だから…そういうわけで…バイバイ。
ボール事件でオータムに非難を集めたあと、ゼイビアンは無敵気分だった。
非難轟々だぜ。オータムは嘘ついたから嫌われたんじゃないんだ。真実を言ったせいで嫌われたってわけ。邪悪な曲を。
ゼイビアンこそがこのスーパーの悪役だ。それをみんなに知らせたいらしい。
泣きながら嘘ついてやったよ。俺は嘘泣きも得意だって知らない方が悪い。
怖いね。
ゼイは好きだけど信用してない。男子組にも警戒しろって言ったよ。
嫌われてるでしょ。
ああ。
そしてドリームチームは反撃に出た。食料を制圧することにした。ここはスーパーだから食料はたっぷりある。フリージーボーイズと一緒に、調理に欠かせないあるアイテムを狙うことにした。
あいつらのコンロを奪おう。
俺たちのも狙われるぞ。必需品だろ。
ゼイビアンのせいにする。
それしかないな。ゼイビアンがやったことにする。
ファティーマが店を去り、残り10人になったところで、彼らはコンロをすべて奪う計画を練り上げた。
明日はみんなで式典をする。トップ10を祝う式典中にコンロを盗み出すんだ。式典のためにみんなをここへ連れてくる。暗くなったら…
暗くなったぞ。トップ10!
売り場から人がいなくなり。
みんな、こっちだ。
コリン以外がみんな集まったとき。
おい、準備は?
今行くよ。
よし。コリンは着替え中だ。みんな、並んでくれ。背の順にゼイビアンからな。
コリンにチャンス到来。シャワーからダッシュで出て、4つのコンロを盗む。誰かに怪しまれたらおしまいだ。オフィスチームが放置していたコンロを確保。でも時間がない。
これで全員?
いや、コリン、コリンが…
コリンはすぐ来るよ。急げ、コリン。
今行く。
2つ確保したコリンはフアンのコンロを狙う。ところがどうしても見つけることができなかった。
コリン、どこだ? まだ? いないの?
クソ、どこだよ。
コリンが必死にコンロを探す中、仲間たちは必死にごまかしていた。
どうするの? ここで待つだけ?
言うことあったけど忘れちゃった。
コリンはパン売り場へ急ぎ、自分たちのコンロを回収。最後にコンロをすべて隠し、みんなのところへ戻った。
何やるの?
ちょっと休憩。
コリンどこ? まだなの? 来たか。
ああ。
コリンが戻ってきて、次はコンロ泥棒を仕立てる段取りだ。
ゼイビアンから。
そこで1人1人を冷凍庫に呼び出し、インタビューした。
最後の1人になるまで耐えられるか?
カギはゼイビアンを最初に呼ぶこと。
どうも。
彼を最初に売り場に戻すことで、コンロを盗む時間を作るためだ。フアン以外のね。
1つ取り損ねた。
マジかよ? 探したか?
そこら中探したよ。
完璧だったのに。4つ隠せたかと。ややこしくなるな。何か考えないと。
式典の後、コンロがないとエルディンが気づいた。
コンロどこだ? 片づけた?
いや。
グンナーが取った?
グンナーかもな。
俺らのは? フアン、コンロあるか?
ああ。
本当に?
あるよ。
俺らの、とられた。
ない。マジかよ。ヤバいな。
計画どおり、ゼイビアンが疑われた。
とったな?
何の話?
消えたものがある。
何?
コンロ。
神に誓って俺は知らない。ずっとここにいたぞ。
消えたんだ。フアンのコンロ以外。
誰のもとってないぞ。
計画は成功に向かっていた。
言ったろ? 完璧だって。
被害者が疑わなかったからだ。
ありかを知ってるはず。怖いよ。あいつ嘘がうまいから。
彼のしわざ?
ああ、間違いない。
見てきたとおり、トップ10に残るまで本当に大変だった。そこで動画スポンサーのSquareから、みんなにサプライズだ。Squareは世界中で小規模ビジネスをサポートしている。トップ10に残った報酬として、今後誰かが脱落するたびに、Squareと俺がサポートしている小規模ビジネスからのスペシャルギフトボックスと、現金5000ドルをプレゼント。Squareのおかげでおみやげがあるよ。
ありがとう。
というわけで、今すぐここを出てギフトを受け取りたい人は?
脱落する。
ほんとに?
はい。
イノベーターズチームの最後の1人だ。他にもいる? 彼女だけ?
25万ドル手に入れるぞ。フリージーボーイズを絶対に裏切らない。
勝ちたいよ。でもワイロをもらって抜けるなら、遅いより早い方がいい。
ああ、俺も抜けようかな。
マジで? 君も抜けるの?
ああ。
クリス! そんな! クリス!
ここまでだ。
じゃあ、運搬頼むよ。ここからはSquareより、脱落者全員に地元ビジネスの商品セットと5000ドルのプレゼントが贈られる。
2人ともアウト! なんてこった。家族が来てるよ。会いに行って。
再会できてどう?
最高よ。
かわいいね。参加ありがとう。元気で。元気でね。外の世界を楽しんで。
よし、ここだけの話、コンロは?
違う、俺じゃないよ。
じゃあ、誰が?
式典のとき最後に戻ったのはコリンだった。
つまり君はハメられたって言いたいのかな?
そう! 俺が思いつきたかったよ。
そうなの?
ああ、だっていいアイディアだもん。
フアンのコンロが残ってしまい、ブライスとコリンの計画は中途半端に。
ややこしくなるな。何か考えないと。
彼らはフアンのコンロを使い、困らせることにした。
明日はなしだ。伝えとけ。こっちも限界だ。
よし、それなら道連れだ。トラックを準備しろ。食料を今夜全部店から出す。議論の余地はない。確定だ。
でも自分たちのぶんはこっそり取っておいた。
もうオイルサーディン見たくねえ。
そして店から食料を出し始めた。翌日、フアンはひどく怒っていた。
全部取っていったな。食料はみんなのものだろ。
全部取っていったな。食料はみんなのものだろ。
なあ、もう調理はできないって言ったのは誰だったよ? 明日はなしだ。伝えとけ。
責めるのか? 誰かが他のコンロを盗った。俺じゃない。
あんたがコンロをシェアしないから、こっちも食料を店から出して寄付する。
そうか、どうぞ。
ああ、そう。じゃあな。
グンナーはもう一手打つため、フアンの調理器具をすべて盗んだ。
バイバイ。
何してる?
鍋は消えた。
何すんだ。
脱落しちまえ。
やめてくれよ。
コンロを使わせないからだぞ。
ダメなものはダメだ。
もう鍋はないぞ。分かるか? 俺が言いたいのは……
別にいい。クラッカー食えばいい。ジャーキー食えばいい。
互いに敬意を払おう。
敬意なんかねえよ。
そうか。
食料がなくなると、彼らは店を破壊し始めた。そしてフアンは一日中引きこもってしまった。
今や俺らがヴィランだな。
スーパー全体が無法状態に陥ろうとしていた。
ハンナがコンロくれるって言ってた。だから俺は壊しても盗んでもない。理由なんてないからな。
俺らが完全に悪だ。
これが彼の限界だった。
おっはよー。起きようぜ。いい朝だぞ。前の元気はどこ行った? やり返してこいよ。うるさいお前らの方が好きだ。
これが24時間続き、ドリームチームは決心した。
ゼイビアン、来てくれ。話がある。
話してもいいぜ。
まずは謝らせてほしい。お互い惨めになることはない。仲良くしよう。
ああ、俺は別にリラックスしたいだけだし?
じゃあ、ひとつ約束できるか?
いや、無理だな。
分かってくれよ。夜、寝ててさ……
俺もひどい目に遭った。お互い様だろ。
なあ、待てよ。最初にあれこれやったのはあいつだ。
そっちの戦略だったろ。ゼイビアンのがうわてだ。
過熱してきたし、選択肢を与えよう。事態はもっとキツくなるかも。彼ら次第だ。尋ねてみよう。
よく考えて手を挙げて。もっとキツい状況にしたい? 1、2、3、4、5。OK。ボードを頼む。
了解。
チャレンジの参加者はガラス越しに家族と会うことで励まされていたけど、外に大事な人がいるなら、今のうちにお別れを言うんだ。ガラスを塞いで。
ごめんな。君らが選んだことだ。これがその結果だ。ごめん、ごめんよ、ごめん。かわいいなあ。罪悪感だ。
俺とエルディンの家族はここに毎日来てる。だからつらいよ。すぐに終わるからな。
その言葉は一部真実になった。
もう出ていくよ。だけど……やつらの寝袋を持っていく。
泣きそうだ。
おい、泣くなって。
俺の全部を見せた気がするよ。いいも悪いも最悪も。ここに残ってたら、もっと最悪な俺がさらされちまう。こんな俺はイヤだよ。イヤだ、イヤなんだ。
ゼイビアンは決心したけど、ただでは出なかった。
復讐はするさ。本気だ。みんな眠れずに苦しんだらいい。もっと派手に終わりたいな。
そこでドリームチームの基地に侵入し、寝袋を盗んだ。
やった! お前は俺に勝てない!
寝袋なんてどうでもいい。あいつが消えて、俺が勝てばいいんだ。マジでホッとしたよ。とにかく俺が勝ったってことだ。
この夜去ったのはゼイビアンだけじゃない。
ここに来て1か月経った。そろそろ出て行くよ。ジーフランク退場。
お疲れ。
どうも。思い出を作って楽しんだ。もう出てくよ。
トップ6だ!
結局ドリームチームの計画は成功した。彼らはコンロを戻し……
回収。
寝袋も無事に取り返すことができた。
ゼイビアン、警告しとく。お前は結局負け犬なんだよ。
平和が戻ったように見えたけど、すぐ本当の試練が始まった。
マジで退屈。退屈すぎた。なんかやることないのかよ。クソッ。
退屈を紛らわすため、いろんなことをした。例えば眠ったり……
4時に目が覚めた。寝るしかやることない。眠れなくなるまで寝るしかないな。そうするしかない。解体でもしに行くか。
棚を壊したり、掃除したり、ゲームをしたり。しかし努力も虚しく……
俺、得意なんだ。
その退屈さに耐えられなくなってきた。
ここ2週間、何も起こらない。
この状況は今後も続くだろう。失った全てのものへの思いとともに。
40日間もスーパーにいるなんて。ずっと外を見てない。誰ともハグしてない。40日間一緒にいるけど、一度もハグしてくれないよな。
今してほしい?
イヤだ。
どんなに厳しくても、みんなチャレンジを続ける決意を固めているようだ。
1年でも2年でもいられる。
どのくらいいるかは決めてない。できればずっといたい。
ミスタービーストが戻るのを待つだけ。早く戻ってこないかな。
全部トイレットペーパーで埋める?
みんな、とことんやる気だ。そろそろみんなに提案しに行こう。
久しぶりだね、みんな!
ジミー!
トイレットペーパーがすごいな。
ヒマつぶし。
リーダーを選びたい。決まったら詳しく説明する。立候補する人は前に。よし。投票で決める。他には?
俺もするよ。
フアンもやりたい? さあ、各自1票ずつ。
ジャクソンに。
ジャクソンだ。
2人ともジャクソン? 君は?
兄貴に。
自分以外の人だ。
フアン。
フアンかな。
フアンは誰にする? ジャクソン?
ああ。
君に決定。入って!
みんな何があってもスーパーに残る気だね。だから出て行くように仕向けないと。ここに5万ドルある。君は受け取れない。お金を渡して出て行ってもらうんだ。1人に5万ドル払うもよし、2人に2万5000ドルでも。誰にも渡さないのもアリ。とにかく追い出す。出てかなきゃ誰ももらえない。
簡単だ。5万ドルなら今すぐ出てくよ。
待って、お金を渡す前に2人くらい追い出せるかも。他に出て行きたい人は? フアン、いくらならいい? 2万5000ドルならどう?
実際25万ドル獲得できるのは1人だけ。断ったら、何も手にせず帰ることになるかも。
ヤバいよ。この動画はまだまだ終わらない。
3万ドルならどう?
運ぼうか。
運んで。
さあ、みんな。次に離脱した人には3万ドルだ。さらにスクエア社から5000ドルも。現金だぞ。
ここでの時間はいい経験になった。サイコーなときもサイテーなときもあった。もう出てくよ。
ガチで出て行く?
楽しんで。
3つとも持って帰って。気をつけて。これで残り5人。
人生最高の日だ。3万5000ドルももらえたら文句ないよ。スクエアからももらえた。やっと家に帰れる。
君たちは断ったから、この話はナシだ。100人中5人しか残ってないなんてな。
残り5人になって、仲間との結束が試されるときだ。
コリンとはこのまま組むけど、いざというときは他のやつと組むかも。
もう誰も信用できない。一番近いと思ってた人だって違うかも。裏切りはあり得る。
挑戦者のみんな注目。お店の真ん中に赤いボタンがあるよね。
彼が運んでた。
この動画をもっとヤバくしたいなら、誰か1人そのボタンを押して。言えるのはそれだけ。
時間制限は?
ボタンは消えない。
マジか。
俺たちはやらない。だからあとは任せる。
分かった。じゃあ、考えよう。
みんなボタンを押すのをためらっていた。
怖いな。1日か2日は欲しいよな。俺は迷惑をかけたくない。
コリンは違うみたい。
ボタン押したほうがいいと思う。あいつら、ここで一生過ごせるくらい楽しんでる。俺たちにとっては押すのがベストだ。
ああ。
そしてジャクソンもその気になり……
さあ押して。
俺? よし。
待って、待って。待って。
君たちは難易度を上げたいんだね。中間地点がだいたいどのあたりになるか教えてもらえる?
マジか。トイレはどうすればいい?
仮設トイレを持ってきたよ。
この柱が真ん中あたりかな。
いやいや、あっちじゃない?
いやいや、そこじゃないよ。
じゃあ……ここに線を引いてくぞ。よーし、俺が赤い線を引いてる間に、5分間で店のあっち側にあるもの取ってきて。楽しんで。
魚は取った。こっちだ。
ペンキチーム、作業にかかれ! 始め!
カート持ってこい。カート。
いらないよ。
来たぞ。
使えるものを集めろ。
ああ、いいね。
今しかないぞ。全員分の椅子を運ぼう。みんなの分。
残り60秒。
ああ!
あそこ、チーズを山ほど取ってる。もうすぐなくなるな。
3、2、1。店のあっち側は立ち入り禁止だ。よし、じゃあ……あとはペンキチームに任せよう。よし。
じゃあな、ジミー。
スペースが半分になっただけじゃなく、日光も浴びれず、シャワーやトイレも使えなくなった。
おい、マジか。コカ・コーラゼロがある。それで皿を洗おう。
シンクがなくてどうやって歯を磨く?
水もあるし、歯ブラシもダサニ水もある。
ストレスたまりそう。
消えちゃった。
ヤバい、ジミーだ。
コリンがどこにいるか知ってる?
昨夜、境界線を引いてから12時間も経たないうちに、コリンがうっかりミスをした。
コリン、まさか。ジミーだよ。コンコン。なあ、コリン。あそこの赤い線に触ったの覚えてるか? 触ったらアウトって言ったよね?
ああ。
なんで触った?
その場の勢いって感じかな。
線を引いたばっかりなのに。
ああ。
行こうか。君は脱落だ。
分かった。
コリン、楽しかったよ。じゃあな。お疲れ。
みんな頑張って。バイバイ。
最後に何かある?
50日スーパーにいて、目標は線に触れないことだったのに。
残り4人だ。もうすぐここから出られそうだな。
おはようございます。皆さん調子はどう? すごい楽しい企画だ。食料を寄付してもらう。赤い線上のものは全部持って帰る。チーズとかね。素晴らしい活動だよ。人助けだ。1万人以上を助けられる。
食料を失っても、みんなすぐに順応し始めた。
赤い線を引かれてシャワーがなくなった。でもレイハンの案がすごくて、野菜売り場から水を運ぶっていうんだ。フアンを呼んで2人で分解した。これできれいな水が出る。ラインから出てきた。シャワーを浴びれるよ。バケツに水を入れて体を洗うんだ。これをスライドさせて。
どこ行った? 何も見えない。
サッパリだ。いい感じ。今日は幸せだ。
新しいシャワーの喜びも長くは続かず……
誰か来た。マジかよ。最悪だ。
さあ、みんなも見えるよな。大きな赤いボタンが置いてあるみたいだね。
これを押せば楽になるってこと?
ボタンを押して確かめたいなら、ご自由にどうぞ。
押しはしないよ。
ボタンを押すべきじゃないと意見は一致しているようだ。
俺はボタンを押すつもりはない。
誰も押さないよ。このボタンは呪われてる。
みんな不思議だろ? 50日以上もスーパーにいるなんて。
運動したり 料理したり 友達を作ったりしてた。バーン! よっしゃ! そういうこと。見て トップ4だ。マジか。これがいい。
のんびり仲良く競争したり サイコーに楽しいよ。子供の頃を思いだす。
やあ 2週間経ったぞ。やあ ジミー! 寂しかった? ああ だな。ここにサッカーゴールを置くとしたら どこがいい? その辺? あっち? じゃあ持ってきて! よし。
チャレンジの準備はできてる? コカ・コーラ社が2026年FIFAワールドカップの⸺チケットのチャンスをくれたんだ。勝つためには マジドからゴールを奪うだけ。国内一のゴールキーパーだ。子供たちに会わせないようにしたよね? ごめん。ごめんよ ごめん。おい マジか⋯
コカ・コーラのラベルをはがすと⋯世界トップクラスのサッカー選手がそろう パニーニのワールドカップ限定ステッカーが手に入る。
誰が最初に蹴る? 俺が行く。よし ジャクソンからだ。これを頼む。ああ いいよ。チケット ゲットなるか? 止められたと思ったのに。ジャクソンがワールドカップ行き決定だ!
君もコカ・コーラを買って 限定ステッカーを集めよう。
力みすぎたんだ。それ俺にちょうだい。俺が車に積んでくるから。だから⋯これでよしと。チケットをゲットしても ワールドカップ期間中 まだここにいるかも。あり得るね。
さあ どうだ? ゴール。やったー。はい どうぞ。ワールドカップに行けるぞ。君は留守番だけど。
さあ次はフアンの番だ。フアン フアン フアン フアン フアン。ナイスだ フアン。ワールドカップに行けるぞ。まあ 見る側だけどね。
視聴者のみんな コカ・コーラを飲むときは ラベルをはがすのを忘れずに。世界トップクラスのサッカー選手12人の⸺限定ステッカーが集められる。
ボタンを押せば争いを厳しくできるけど このままでいい? 今は穏やかに楽しく過ごしてるんだ。みんなで一緒にコーンホールしたり⸺ラジコンしたりしてね。過酷な争いは? いや ごめんだ。じゃあ1週間後だな。100万ドルの決断は。
どういう意味? 分からない。ヤバいな。ワクワクする。楽しみだな。来週 100万ドルの決断をするってさ。何? どーゆー意味? 知らん。俺にとって100万ドルは大金だよ。
1週間後に⸺人生が変わるほどの大金を手にできるかもという期待が 彼らの中で高まっていった。
100万ドルのためなら誰だって必死になる。俺もなりふり構ってられないよ。手に入れたら地域に恩返しをしたいんだ。家族のために手に入れたい。カネがなくて働きづめだから。100万ドルの決断か。とにかく家族に喜んでもらいたい。
どんな決断か気にしつつも 彼らはフアンの誕生日を祝うことを忘れなかった。
ケーキに ロバの尻尾つけゲームに ピニャータもある。最高の誕生日にするぜ。呼んできて。フアン来いよ 見てくれ。こっちだ。
ハッピーバースデー トゥーユー。ハッピーバースデー ディア フアン。ハッピーバースデー トゥーユー。
食べるのはあとで。サプライズもあるんだ。そう ピニャータだぜ。割っちまえ。ピニャータを割ったあとは ロバの尻尾つけゲームに挑戦だ。おしかった。
ステキな会をありがとう。俺は幸せだ。すごくいいやつらで みんな大好きだよ。俺も好きだぜ。俺もだ。
誕生日会で気分転換しても 100万ドルのことが頭から離れることはない。100万ドルか。100万ドルだと。とにかく勝って終わりたいよな。
67日目。ついに100万ドルについて明らかにする。
みんな。ジミー。どうしたんだ? ここまでずっと⸺25万ドルのために競い合ってきたけど 25万ドルの代わりに 100万ドルを懸けて戦うのはどう? 持ってきてくれ。できればもうちょっと急いで。多いよ。
君たちの目の前に100万ドルがある。もし この⸺“最後まで店に残った人が勝ち”って挑戦をやめて 在庫を補充し “店の食料を全部食べたら勝ち”ってのに変更するなら 賞金は100万ドルだ。
ジャクソンもレイハンも太りたくないだろ? やっぱそうだよな。だから裏にジムも作るし 君たちに専属の栄養士とトレーナーをつける。そりゃスゲー。あと それと⸺ベッドとシャワーも用意するって言ったら もっと楽しくなるかな?
決めかねてる理由は何? 妻と子供たち。なるほど。そりゃ悩むな。こんな大金を狙えるチャンスは もう二度とこないだろうな。でも簡単にはいかないぞ。半年でも1年でも2年でもいい。問題は ずっと食べ続けられるかってこと。それは心配しなくていいって。助けるしジムもある。
店の商品を補充し 賞金額を4倍にして 君らを敵から味方に変えてもいいかな? ジャクソン 君の答えは? 補充して。補充するに 1票。店に残る。補充だ。補充? どんどんやって。なんてこった。
これでこの動画はおしまい。賞金額は100万ドルになった。じゃあ補充しよう。全部食べたら100万ドルチャレンジ。では1年後に。
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