新型空母「ジョン・F・ケネディ」の完成目前に浮上した蒸気式カタパルトへの回帰案
USA Military Channel 2アメリカ海軍のフォード級原子力空母2番艦「ジョン・F・ケネディ(CVN-79)」が、2026年8月に受領試験を終え、完成の最終段階に入った。この動画は、ケネディの試験内容とフォード級の特徴、アメリカ海軍の空母運用体制を解説している。そのうえで、同じ時期にトランプ大統領がフォード級の後続艦で電磁式カタパルトを従来の蒸気式に戻す検討を命じたことを取り上げ、最新技術を追求するのか、実績ある技術に戻るのかという問いを提示する。
4日間の受領試験と残る工程
2026年8月、ケネディは大西洋で海軍への引き渡しを前にした受領試験に臨んだ。荒れた海での航行、巨大な船体を傾けながらの高速旋回、飛行甲板での航空運用など、実際に海へ出て艦の性能や搭載システムが正常に機能するかを確かめる試験である。動画によれば、アンカーを実際に降ろす試験も行われ、飛行甲板では航空部員がヘリコプターを使った飛行運用を実施した。さらに、化学兵器などで汚染された場合に飛行甲板を洗浄する防護システムもテストされた。
ケネディは2026年8月15日に4日間の受領試験を完了した。アメリカ海軍によると、現時点の完成率は98%である。ただし、試験を終えてもすぐに実戦配備されるわけではない。今後はケネディに配属された海軍兵が自ら艦を動かしながら、海上でさらに試験や訓練を重ねる。海軍への最終的な引き渡しは2027年春の予定だという。
造船所では残りの工事も続いている。その一つが「アドバンスド・ウェポンズ・エレベーター」である。艦内の爆弾やミサイルなどを飛行甲板へ運ぶ新型の武器エレベーターで、動画の時点では7基が完成し、残る4基の工事が進んでいる。
40年以上ぶりの新型空母クラス、フォード級
ケネディは、1番艦「ジェラルド・R・フォード」から始まるフォード級原子力空母の2番艦である。フォード級は、1975年に1番艦が就役したニミッツ級を順次置き換えるために開発された。アメリカ海軍にとっては40年以上ぶりの新しい空母クラスになる。
動画が示す主な諸元は、全長約333m、飛行甲板の最大幅約78m、満載排水量約10万ロングトン、速力30ノット以上である。外見はニミッツ級と似ているが、中身には大きな変更が加えられている。
最も大きな変更は、航空機を発艦させるカタパルトである。ニミッツ級は蒸気の力で航空機を一気に加速させる蒸気式カタパルトを使う。これに対しフォード級は、蒸気ではなく電磁力で航空機を発艦させる電磁式カタパルトを採用した。軽い無人航空機から重い戦闘機まで、現在と将来の艦載機に対応できるよう設計されている。
着艦装置も新しくなった。空母に降りる航空機は、機体後部のフックを飛行甲板に張られたワイヤーに引っ掛け、短い距離で停止する。フォード級ではこのブレーキ部分にAAGと呼ばれる新しい装置を採用した。機体に合わせて止める力を細かく制御し、より幅広い航空機に対応できるよう設計されている。
もう一つの大きな変更は電力である。アメリカ海軍は、フォード級の発電能力をニミッツ級の約3倍と説明している。新しいレーダーや電子機器、現在とは異なる航空機や無人機が登場すれば、必要な電力も増えていく。動画は、フォード級が数十年後の改良まで見据えて造られていると位置づける。
2番艦のケネディには、1番艦フォードの建造や運用で得た経験が反映されている。例として、F-35Cを運用するための改修が建造中の段階から組み込まれたことが挙げられている。
11隻体制とその運用実態
現在のアメリカの法律では、海軍は少なくとも11隻の運用可能な空母を維持するよう定められている。ただし、11隻すべてを同時に海外へ出せるわけではない。空母には任務のほかに整備・修理・訓練が必要で、数年規模の大がかりな整備に入る艦もある。そのため、整備中の艦も含めて11隻を維持する仕組みになっている。
動画が紹介する現在の配備状況では、海外で活動しているのは「ジョージ・H・W・ブッシュ」と「ジョージ・ワシントン」である。一方、「フォード」と「ロナルド・レーガン」は整備中で、「ジョン・C・ステニス」は原子炉の燃料交換を含む大規模改修を行っている。最古の「ニミッツ」は退役に向けた準備段階にある。世界情勢に合わせて一部の空母を動かし、その後ろで次の任務に備えて訓練する艦があり、さらに別の艦が整備や改修に入っている。動画はこの構図を、11隻体制の実態として説明している。
ケネディに続いて、3番艦「エンタープライズ」と4番艦「ドリス・ミラー」の建造も進んでいる。
トランプ大統領の覚書:蒸気式カタパルトと油圧式エレベーターへの変更案
ケネディが完成目前に迫った2026年8月、フォード級をめぐって意外な動きが起きた。ケネディが受領試験を行っていた8月13日、トランプ大統領はアメリカ海軍の造船政策に関する新たな大統領覚書を発表した。
動画によれば、トランプ大統領は、海軍の艦艇建造において複雑すぎる設計や度重なる設計変更がコストの増加と建造の遅れにつながっていると指摘した。そのうえで、すでに建造が進んでいる4番艦ドリス・ミラーについて、次世代空母の象徴だった電磁式カタパルトを従来の蒸気式に戻す可能性を検討させている。さらに、新型の武器エレベーターについても、従来型の油圧方式へ変更する計画の作成を指示した。変更に必要な工期や費用を含む計画を、60日以内に提出するよう求めている。
この判断の背景にあるのは、新しく複雑な技術よりも、実績があり信頼でき、安価な技術を使うべきだという考え方である。一方でアメリカ海軍自身は、現在も電磁式のほうが優れていると説明している。動画はこの両者の立場の違いを示している。
完成した今も定まらない空母の行方
動画は、この状況の皮肉を強調する。ケネディが完成率98%に達したまさにその時、わずか2隻後ろの空母では一部のシステムを従来方式に戻す検討が始まった。ニミッツ級からフォード級へ、蒸気式カタパルトから電磁式カタパルトへ、そしてより高度な自動化へと進んできた流れの中で、数十年先を見据えて設計された最新空母が、完成目前の段階でその先の姿を見直されている。
アメリカ海軍は最先端技術を追求するのか、それとも実績ある技術へ戻るのか。フォード級がこれからどのような姿になるのか、その方向は完成を迎えた今もまだ決まっていない、というのが動画の結びである。
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2026年8月、大西洋で巨大な体を傾けながら高速旋回するアメリカ海軍の新しい原子力空母、フォード級2番艦ジョン・F・ケネディ。この時行われていたのは、海軍への引き渡しを前にした重要な試験、受領試験です。
荒れた海での航行や高速旋回、飛行甲板での航空運用など、実際に海へ出て艦の性能や搭載システムが正常に機能するかを確認しました。
そして2026年8月15日、ケネディは4日間にわたる受領試験を完了しました。アメリカ海軍によると、現在の完成率は98%。長く続いてきた建造はいよいよ最終段階に入っています。
受領試験ではかなり幅広いテストが行われました。高速旋回のほか、艦首では実際にアンカーを落とし、飛行甲板では航空部員がヘリコプターを使った飛行運用を実施。さらに化学兵器などで汚染された場合に飛行甲板を洗浄する防護システムもテストされました。
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で
セ
ただし、試験が終わってもすぐに実戦配備されるわけではありません。この後は実際にケネディへ配属された海軍兵が艦を動かしながら、海上でさらに試験や訓練を重ねていきます。最終的な海軍への引き渡しは2027年春の予定です。
その一方で、造船所では残された工事が続きます。その1つがアドバンスド・ウェポンズ・エレベーター。艦内にある爆弾やミサイルなどを飛行甲板へ運ぶ新型の武器エレベーターです。7基は完成しており、残る4基の工事が続いています。
ケネディはジェラルド・R・フォードを1番艦とするフォード級原子力空母の2番艦です。フォード級は1975年に1番艦が就役したニミッツ級を順次置き換えていくために開発されました。アメリカ海軍にとっては40年以上ぶりに登場した新しい空母のクラスです。
全長はおよそ333m。飛行甲板の最大幅はおよそ78m。満載時の排水量はおよそ10万ロングトン、速力は30ノット以上です。外見はニミッツ級と似ていますが、中身ではかなり大きな変更が行われています。
まず航空機を飛ばすカタパルト。ニミッツ級は蒸気式カタパルト。蒸気の力で航空機を一気に加速させます。これに対してフォード級が採用したのが電磁式カタパルト。蒸気ではなく電磁力を利用して航空機を発艦させます。軽い無人航空機から重い戦闘機まで、現在と将来の空母艦載機に対応できるよう設計しました。
着艦する側も新しくなりました。空母へ降りる航空機は機体後部のフックを飛行甲板に張られたワイヤーへ引っ掛け、短い距離で一気に停止します。フォード級ではこのブレーキの部分も新しくなりました。AAGと呼ばれる新しい装置で機体に合わせて止める力を細かく制御。より幅広い航空機に対応できるよう設計されました。
もう1つ大きく変わったのが電力です。アメリカ海軍はフォード級の発電能力について、ニミッツ級のおよそ3倍と説明しています。今後、新しいレーダーや電子機器、さらに現在とは違う航空機や無人機が登場すれば、必要になる電力も増えていきます。フォード級は数十年後の改良まで考えて作られています。
2番艦ケネディには1番艦フォードの建造や運用で得られた経験が反映されています。例えばF-35Cを運用するための改修も建造中の段階から組み込まれました。
現在のアメリカの法律では、海軍は少なくとも11隻の運用可能な空母を維持することが定められています。ただし11隻全てを同時に海外へ出せるわけではありません。空母は任務のほかに整備や修理、訓練も必要で、数年規模の大掛かりな整備に入る艦もあります。そのため整備中の空母も含めて11隻を維持する仕組みになっています。
現在の配備状況はこちら。11隻を保有しているうち、現在海外で活動しているのはジョージ・H・W・ブッシュとジョージ・ワシントン。一方でフォードやロナルド・レーガンは整備中。ジョン・C・ステニスは原子炉の燃料交換を含む大規模改修を行っています。さらに最古のニミッツは退役に向けた準備段階にあります。
このように世界情勢に合わせて空母を動かしながら、その後ろでは次の任務に向けた訓練を行う艦があり、さらに別の艦は整備や大規模改修に入っています。
ケネディに続き3番艦のエンタープライズ、4番艦のドリス・ミラー。この2隻も現在建造が進められています。ところが2026年8月。ケネディが完成目前まで来たその時、フォード級を巡って非常に意外な動きが起きました。
8月13日、ケネディが受領試験を行っている最中、トランプ大統領はアメリカ海軍の造船政策について新たな大統領覚書を発表しました。
トランプ大統領はアメリカ海軍の造船について、複雑すぎる設計や度重なる設計変更がコストの増加や建造の遅れにつながっていると指摘。なんと次世代空母の象徴だった電磁式カタパルトを従来の蒸気式へ変更するという異例の事態に。
すでに建造が進んでいるフォード級4番艦ドリス・ミラーについて、蒸気式カタパルトへ戻す可能性が。それだけではなく、新型の武器エレベーターについても従来型の油圧方式へ変更するための計画を作るよう指示されています。
トランプ大統領は変更に必要な工期や費用などを含めた計画を60日以内に提出するよう求めました。新しく複雑な技術より実績があって信頼でき、安価な技術を使うべきだとの判断ですが、アメリカ海軍自身は現在も電磁式の方が優れていると説明しています。
完成率98%まで到達したまさにその時、わずか2隻後ろの空母では一部のシステムを再び従来方式へ戻す検討が始まっています。
フォード級2番艦ジョン・F・ケネディ。50年以上続いてきたニミッツ級から次の世代のフォード級へ。蒸気式カタパルトから電磁式カタパルトへ。そしてより高度な自動化へ。
しかし皮肉なことに、数十年先を見据えて設計された最新空母が完成目前の段階で、さらにその先の姿を見直されることに。果たしてアメリカ海軍は最先端技術を追求するのか、それとも実績ある技術へ戻るのか。フォード級はこれからどのような姿になっていくのか。その進む先は完成した今もなお決まっていません。
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