F-16はなぜ姿を変えながら使われ続けるのか:各国仕様、F-16XL、QF-16、そして日本のF-2

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概要

F-16と聞くと、多くの人はアメリカ空軍が運用する小型の戦闘機を思い浮かべる。しかし世界を見渡すと、同じF-16でも姿や中身がかなり違う機体がある。背中に大きな燃料タンクを載せた機体、レーダーや電子装備を自国製に交換した機体、巨大なデルタ翼を取り付けた機体、さらにはパイロットを乗せずに飛ぶ機体まで存在する。日本ではF-16をベースに、F-2という別の戦闘機も開発された。

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この動画は、通常のF-16と何が違うのかを比べながら、F-16がなぜ世界中で使われ続けているのかを探る。ナレーターの答えは、F-16の強みは特定の性能ではなく、求めに応じて機体そのものを変えられる柔軟さにある、というものだ。

半世紀にわたる発展と「後から変えられる」設計

F-16の原型であるYF-16は、1974年2月に正式な初飛行を行った。その後、空中戦だけでなく地上攻撃などさまざまな任務を担う多用途戦闘機へと発展した。動画によれば、現在およそ2,800機のF-16が29カ国で運用されている。

ナレーターが注目するのは、世界中を飛ぶF-16がすべて同じ仕様ではない点だ。F-16の大きな特徴として、後から新しい装備を追加しやすいことが挙げられている。この「後から変えられる」という性質が、各国でさまざまなF-16を生むことになったと動画は説明する。

UAEのF-16E/F ブロック60「デザートファルコン」

特に大胆に作り替えられた例として紹介されるのが、アラブ首長国連邦(UAE)のF-16E/F ブロック60、通称デザートファルコンである。UAE専用に作られた型だ。

ブロック60はAESAレーダーを搭載した。さらに、通常のF-16では外付けのポッドとして搭載されることが多い赤外線による航法・目標照準装置を、機体内部に組み込んだ。コックピット、電子戦装置、エンジンまで変更されている。動画によれば、ロッキード・マーティンは当時のF-16計画で最も大規模な変更だったと説明しており、通常のF-16から大きく作り替えられた機体だという。

台湾:古い機体をF-16Vへ改修した最初の国

台湾が運用してきたのはF-16A/B ブロック20で、1997年から使われてきた。これらの機体は2012年から2023年にかけて、F-16V(通称バイパー)仕様へ大規模に改修された。

動画が強調するのは、台湾がF-16Vの最初の導入国になったことだ。単に古い機体を新しくしただけでなく、いま各国に広がっているF-16Vという近代化型を最初に実用化した機体の一つになった。30年近く前のF-16をベースに、現在まで続く新しいF-16の形へ発展させた点を、ナレーターは台湾のF-16Vの大きな特徴としている。

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韓国:ライセンス生産したKF-16の中身を入れ替える

韓国はF-16を輸入するだけでなく、国内でライセンス生産し、KF-16として運用してきた。見た目は一般的なF-16C/Dと大きく変わらないが、現在はF-16V仕様への近代化が進められている。

更新の対象はレーダーだけではない。ミッションコンピューター、通信装置、コックピットディスプレイ、電子戦装備なども新しくなる。自国で生産したF-16の機体は生かしたまま中身を大きく入れ替え、最新型に近づけている点が韓国のKF-16の特徴だと動画は説明する。

トルコ:自国開発の装備で中身を置き換える

UAE、台湾、韓国とは違う方向に進んでいるのがトルコである。トルコは新しいアメリカ製装備へ交換するのではなく、F-16の中身そのものを自国開発の装備へ置き換え始めている。その独自近代化型がF-16オズギュルだ。

大きな特徴の一つは、トルコ企業が開発したAESAレーダーである。アメリカ製のF-16にトルコ製のレーダーとトルコ製のミサイルを組み込む。F-16を最新化するだけでなく、自国の技術で中身を作り替えている点がトルコの特徴だとナレーターは述べる。

ここまでの4カ国の例から、動画は一つの見方を示す。F-16は一つの完成した機体というより、さまざまな国が自分たちの装備を組み込める土台として使われている、というものだ。

外見で分かる違い:コンフォーマル・フューエル・タンク

外見を見ただけで違いが分かるF-16もある。機体の背中に大きな膨らみが付いた機体で、この膨らみはコンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)と呼ばれる追加の燃料タンクだ。

通常のF-16で燃料を増やしたい場合は、翼の下や胴体の下に増槽を吊り下げる。これに対しCFTは、胴体上部の左右に沿わせるように取り付ける。左右合わせて450ガロンの燃料を追加でき、航続距離や空中にとどまれる時間を伸ばせる。さらに翼下を燃料タンクに使わずに済むため、その場所を別の装備や兵器に使いやすくなる。動画によれば、CFTを装備したF-16はポーランド、ギリシャ、イスラエルなどで見られる。

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F-16XL:巨大なデルタ翼を持つ試作機

F-16の外見をさらに大胆に変えたのがF-16XLである。通常のF-16との最も目立つ違いは主翼だ。一般的なF-16の主翼を取り払い、胴体後方まで大きく広がる巨大なデルタ翼に変更した。

動画によれば、この翼の面積は標準型のF-16Aより115%大きい。翼が大きくなったことで内部に搭載できる燃料も増えた。F-16XLは、より多くの兵器を搭載しながら、より長い距離を飛べる攻撃戦闘機を目指していた。

F-16XLは2機が製造され、アメリカ空軍の攻撃戦闘機選定にも参加した。しかし採用されたのはF-15Eで、F-16XLは量産されなかった。

QF-16:退役機を無人標的機に

姿ではなく、使い方そのものが変わったF-16もある。QF-16は、退役したF-16を改造した無人標的機だ。

目的は、新しいミサイルや兵器を、実際の戦闘機に近い相手に対して試験することにある。小さな無人機ではなくF-16そのものを飛ばすことで、高速で飛び、急旋回する戦闘機を相手にした、より実戦に近い試験ができると動画は説明する。

QF-16は地上から遠隔操作でき、パイロットを乗せない完全無人飛行が可能だ。一方で、必要に応じてパイロットを乗せて飛ぶこともできる。戦闘機として退役したF-16を、今度は新しい兵器を試すための相手役として使っているわけだ。

最新型ブロック70/72と電子戦システム「バイパーシールド」

F-16は現在も新たに製造されている。最新型のブロック70/72では、レーダーやコンピューターなども現代仕様に進化しているが、動画が特に取り上げるのは最新の電子戦システム「バイパーシールド」である。

バイパーシールドは、敵のレーダーなどの電波を捉え、どこから狙われているのかを探知・識別する。さらに電子妨害によって、敵のレーダーによる追尾や攻撃も防げるとされる。メーカーが「電子的な装甲」と表現しているように、ミサイルを撃つ能力ではなく、敵の防空網の中で生き残る能力を高める装備だと動画は位置づける。現在はブロック70/72への搭載に向けて飛行試験が進められている段階だという。

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日本のF-2:F-16を大きく作り変えた機体

F-16をさらに大きく変えたのが日本のF-2である。F-2は「日本向けのF-16」と簡単に説明されることがあるが、動画は、F-16をそのまま日本仕様にしただけの機体ではないと強調する。

まず大きさが違う。F-2の全長は15.5m、全幅は11.1mである。特に大きく変わったのが主翼で、旋回性能を高めるために主翼面積を拡大した。さらに軽量化のため先進材料や先進的な機体構造を採用し、離陸性能を高めるためにエンジンも高推力のものに変更した。電子装備もF-16とは異なり、日本の運用に合わせたレーダーや電子戦装備を採用している。

F-2の武装の進化:空対空ミサイルからASM-3改まで

F-2の武装も現在まで進化を続けている。空中戦では、中距離空対空ミサイルの99式空対空誘導弾を搭載する。離れた位置にいる戦闘機や巡航ミサイルに対処するための国産ミサイルである。

動画によれば、F-2が特に重視しているのは海上の艦艇を攻撃する能力だ。まず開発されたのが国産の超音速空対艦ミサイルASM-3で、超音速で敵へ向かう。しかしその後、艦艇の防空能力が向上したことで、より遠くから攻撃できる能力が求められるようになった。

そこで2020年度から、射程をさらに伸ばしたASM-3改の開発が始まった。その開発を進める中で先に実用化されたのが、射程を伸ばした型のASM-3Aである。現在F-2向けにはASM-3Aの整備が進められ、ASM-3改についても開発が続いている。ASM-3改の射程は400kmを超えるとされ、F-2が敵の防空圏へ近づかずに攻撃できる能力を目指していると動画は説明する。

F-2のさらなる能力向上

ナレーターは、F-2の進化はここで終わらないと述べる。現在、防衛省はF-2のさらなる能力向上を進めている。目的の一つは、地対艦誘導弾能力向上型をF-2から発射できるようにすることだ。相手の脅威圏外から艦艇などに対処するスタンドオフ能力をF-2に加える計画だという。

結論:突出した性能ではなく変化できる柔軟さ

動画は最後に、F-16の強みは何か一つの性能が突出していることではないとまとめる。国が変わっても、時代が変わっても、求められる任務が変わっても、その要求に合わせて機体そのものを変化させることができる。ナレーターは、この柔軟さこそがF-16が半世紀以上にわたって世界中で使われ続けている大きな理由の一つだと結論づけている。