会社を辞めるべきか迷ったときの2つの基準:「10歳上の先輩」と「レッドカード」

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概要

転職系YouTuberのサラタメは、「今の会社を辞めるべきか、続けるべきか」という視聴者からの相談に答えるため、辞めるべき会社を見分ける基準を2つに絞って示した。1つは「10歳上の先輩を『イケてる』と思えるか、そう思える人が2割いるか」、もう1つは「会社の『レッドカード』の基準に納得できるか」である。どちらか1つでも当てはまれば黄色信号、2つとも当てはまるなら今すぐ辞める準備を始めるべきだという。さらに、辞めるときに損をしないための注意点と、次の会社の選び方についても話している。

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「まあ悪くない」で我慢しないという前提

心身を壊すほどの激務やひどいパワハラが横行する会社なら、今すぐ辞めればよく、判断に迷うことはない。サラタメによれば、相談の大半はそこまで極端ではなく、判断に困るケースだという。

そのうえで、話者は2つの前提を置く。1つ目は、勢いや流れで安易に辞めないことだ。「成長を感じられない」「上司とそりが合わない」「友達より少し給料が低い」といったぼんやりした理由だけで辞めるべきではないとする。

2つ目は、この動画の軸となる考え方で、「まあ悪くないかな」と我慢するのもやめようというものだ。人生は一度きりで、ビジネスパーソンとしての人生を「この程度でいいか」で終わらせるのは悲しすぎると話者は言う。40代、50代のベテランが色々やり切った末にその心境に至ったのなら仕方ない。しかし20代や30代の段階では、本人ですら自分の強みも弱みもまだ分かっていない。37歳の話者は、その時期に妥協モードに入るのは早すぎると断言する。早すぎる理由として話者が挙げるのは、「まあ悪くない」状態にとどまらず、長期的には明らかに悪くしんどい状況まで追い込まれる可能性が高いことだ。

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基準1:10歳上の先輩を「イケてる」と思えるか

1つ目の基準は、今の会社にいる10歳上の先輩を見て、心から「こうなりたい」と思えるかどうかである。25歳なら35歳、30歳なら40歳の先輩が対象だ。

話者は、その先輩の姿が10年後の自分の姿だからだと説明する。「人間は環境の奴隷」という言葉を引き、会社はその典型例だと話者は言う。ほぼ毎日そこに浸るのだから、10年後の自分を形づくるのは当然であり、その環境に浸った結果である先輩を見てほしいという。

3〜4歳上ではなく10歳上を見る理由もある。年の近い若手の先輩は仲の良い人も多く、「イケてると思いたい」という感情がノイズとして入り込むため、会社を評価する指標としてふさわしくないと話者は考えている。

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先輩の「お金・仕事内容・プライベート」を見る

具体的には、10歳上の先輩の「お金」「仕事内容」と、おまけとして「プライベート」の3点を確認するよう勧めている。

お金は最も分かりやすい。多くの会社には独自の給与テーブルがあり、それに沿って昇給していく。だから10歳上の先輩が安月給なら、10年後の自分も安月給になる。話者はこれを覆しようのない確定事項と表現する。

仕事内容は、お金に比べれば自分の努力で改善できる部分がある。それでも基本的には先輩と同じような状態になると話者は見ている。確認すべきなのは、先輩の仕事が今の自分よりも圧倒的にハイレベルで、裁量が大きいと思えるかどうかだ。今の自分とあまり変わらないレベルの仕事をしていたり、課長クラスなのに部長の顔色ばかりうかがい、今の自分以上に窮屈そうに働いていたりするなら、かなりの危険信号だという。

プライベートについては、会社ごとに不思議と似てくると話者は言う。家庭が円満か、趣味を楽しめているか、休日に遊ぶ相手が社内の人中心か社外の人かといった点に、会社ごとの傾向が出る。複数回転職した話者の体験として、1社目に入って耐えられず辞めた会社は、人当たりの良い人ばかりなのに、なぜかみんな家庭が崩壊しているような会社で、不気味だったと振り返っている。

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「イケてる先輩」が1人だけでは意味がない

憧れられる先輩がいたとしても、それで安心してはいけないと話者は続ける。大事なのは、そういう先輩が2割以上いるかどうかだ。対象の先輩が30人なら6人以上、という厳密な計算は必要ない。確かめるべきは、憧れの先輩が1人か2人の例外ではないか、という点である。

この点を重視する理由として、話者は自身の経験を語った。心から辞めてよかったと思っている前の会社にも、こうなりたいと思わせてくれる10歳上の先輩はいた。しかし、それはたった1人だった。大手企業だったので10歳上の世代は優に100人以上いて、話者が直接知っている範囲でも数十人はいた。その中で1人だけだったという。

その先輩はまだ30代で、お金、仕事内容、プライベートのいずれもイケていた。経営陣や役員から一目置かれ、他の先輩より圧倒的に大きな裁量を持って楽しそうに働いていた。ただ、客観的に見ると能力もセンスも話者よりはるかに上で、担当してきた仕事には外部要因が追い風になる幸運まで重なっていた。話者は憧れつつも、再現性が低すぎると感じたという。最終的にその先輩も転職してしまい、憧れられる先輩はゼロになった。そこで話者は会社を離れる判断をした。辞めて5年以上たった今も、あの選択は大正解だったと振り返っている。

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理想の先輩が2割いるなら、辞めずに続ける

逆に、イケてる先輩がポツポツと2割ほどいて、自分もそこに到達できる可能性があると胸を張って言えるなら、転職すべきではないと話者は言う。今の状況が微妙でも、しんどくても、続けるべきだという考えだ。

給料や待遇に不満があっても、10歳上に待遇が改善して十分な給料をもらっている先輩がいるなら、そこから先は自分の頑張り次第になる。成長を感じられない、評価制度に納得できないといった不満があっても、その環境がイケてる先輩たちを育ててきたのなら、きっと意味がある。まだ自分が理解しきれていないだけで、実は良い環境、良い評価制度なのかもしれないと話者は述べる。理想の10歳上がいるかという問いに、辞めるべきかを判断する要点が詰まっているというのが話者の立場である。

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基準2:レッドカードの基準に納得できるか

2つ目の基準は、社風やカルチャーといったふわっとした概念ではなく、会社が「絶対NG」とする「レッドカード」の基準で、自分と会社が合っているかを確かめるというものだ。

日本の会社で即座に解雇されることはあまりないが、会社にはレッドカードが存在すると話者は言う。セクハラ、パワハラ、大損失を出すミスといった問題行為に対して、降格、減給、左遷、出世ルートからの除外といった形で示されるものだ。そのレッドカードに納得できるかどうかが大事だという。

最も分かりやすい例としてパワハラが挙げられた。部下を「ゴミクズ」と人格否定の言葉で詰めまくる「骨川さん」という上司がいて、その詰めるマネジメントで業績は上向いているとする。会社は骨川さんにレッドカードを出さず、人事がイエローカードをちらつかせる程度で済ませてしまう。これをおかしいと感じる人は、会社とレッドカードの基準がずれているので、いずれ必ず辞めた方がいいと話者は言う。

逆の場合も同じだ。自分から見ると骨川さんはギリギリOKで、言い方はきついが本気で仕事をしているだけで、言っていることも正論だからパワハラではないと思っていた。それなのに骨川さんが突然パワハラ問題で降格されたとする。この場合も辞めた方がいいと話者は言う。基準がずれているので、いずれ自分自身がレッドカードを受けるような事態に追い込まれるからだ。

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社風や人間関係で判断しない理由

多くの人は社風や人間関係といった曖昧な基準で会社との相性を判断してしまう。話者はそれを良くないと考えている。

社風が完全に一致することはありえない、と話者は指摘する。自分が創業した会社ではなく、一メンバーとして後から入るのだから、ある程度は会社に合わせたり染まったりする必要がある。ただし、絶対にNGと感じるライン、つまりレッドカードの基準だけは生理的に無理で合わせられない。だから判断基準になるという。

人間関係も完璧にはならない。どんなホワイト企業にも「やばいやつ」は事故的に紛れ込むと話者は断言する。ブラック企業には多く、優良ホワイト企業には少ないという程度の差はあるが、ゼロにはできない。だから重要なのは、そういう人物にきちんとレッドカードが出されるかどうかだ。その基準に自分が納得できていれば、やばい人と仕事をすることになっても、上司や人事に通報すれば処分や異動で対応してもらえる。自分が理不尽に辞めさせられることにもならない。

本当の社風やカルチャーは、公式サイトに並ぶ綺麗事では分からず、レッドカードにこそ現れると話者は言う。その基準に納得できるなら続け、納得できないならいつか事故るので辞める。話者はこれを非常にシンプルな話だとまとめている。

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辞めるときの注意:次の会社では必ず3年以上

イケてる先輩がゼロで、レッドカードも存在しない「世紀末」のような会社なら、即脱出でいいと話者は言う。どちらかの基準でもやばそうなら、辞めることを検討してよいという。ただし、人生全体で大損しかねない注意点が1つあるとして、「次の会社では必ず3年以上続けること」を挙げた。

これは20代から30代前半の若手に限った話で、社会人20年目のベテランや、すでに強い専門スキルを持つ人は例外だと話者は断っている。若手が今の会社をすぐ辞めること自体は問題ない。投資の損切りと同じで、早い方がいいケースは多いという。しかし次の会社選びは命がけで取り組み、最低3年、なるべく5年以上は続けるべきだとする。

理由は、採用企業がそこを見て応募書類を機械的に落とすからだと話者は説明する。新卒の就活で失敗して1社目を1年ほどで辞めても、2社目を3年以上続けていれば、次の転職で書類を雑に落とされることはない。面接まで進めて詳しく話を聞いてもらえる。一方、1社目も2社目も1年で辞めるなど短期離職が2回続くと、履歴書の経歴欄を見ただけで「何か問題がありそうだ」と雑に評価され、書類がどんどん落とされるようになるという。より具体的には、35歳までに3年以上、できれば5年以上勤め続けた経歴を残せないと、その後のキャリアがかなりしんどくなると話者は述べる。

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次の会社選び:儲かっている成長業界を狙う

では次の会社をどう選べばよいか。話者のアドバイスは「儲かっている成長業界を狙う」というシンプルなものだ。企業選びより、その企業が属する業界選びの方が大事で、その時点で幸せな転職になるかどうかはほぼ決まるという。

じり貧で衰退し、儲かっていない業界を選ぶと、ほぼそこで試合終了だと話者は言う。お金、仕事内容、プライベートのすべてが業界に引きずられてボロボロになっていくからだ。数は多くないが、日本にも勢いがあって儲かっている業界はある。しかも一時的なブームではなく、マクロ・ミクロの環境を踏まえて今後10年は間違いなく伸びると見込める業界に転職すべきだという。具体的な業界名についてはこの動画では語らず、別の「おすすめ業界ベスト4」の動画に譲っている。

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結論:「まあ悪くない」で後悔しないために

最後に話者は、一番伝えたかったのは「まあ悪くない」と我慢して後悔しないでほしいということだと繰り返した。忙しさで若いうちはごまかせても、死ぬ直前や年を取ってから「もっとチャレンジしておけばよかった」と強く後悔するだろうと話者は推測する。大成功者や大金持ちになる必要はない。それでも「周りも諦めているし自分もこれくらいでいいか」ではなく、「自分が選んだ、これでよかった」と胸を張れるように生きてほしいという。

ただし、今すぐ急に会社を辞める必要はないとも話者は言う。10歳上の先輩とレッドカードという2つのポイントで気になる点があるなら、その気持ちを無視せず、今日から少しずつ準備を始めてほしい。そう呼びかけて、話者は動画を締めくくっている。