M&A仲介業界への転職を考える 「超高年収なのに間口が広く、その分ハード」という見立て

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概要

転職をテーマに発信するサラタメ氏が、M&A仲介会社にM&Aコンサルタントとして転職する方法を解説した動画である。もともとはLINE登録者限定の動画で、今回YouTubeに公開されたのはその前半部分にあたる。話者の結論は3点に集約される。年収5000万円を狙えるほど年収が高いこと。大卒で20〜30代なら、会計知識や特殊スキルがなくても内定の可能性がある程度に間口が広いこと。そして、知力・体力・メンタルのすべてで負荷が大きい超実力主義の仕事であること。そのうえで話者は、問われるのは学歴や職歴ではなく「覚悟」だと繰り返す。

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冒頭で示された「年収がバグっている」業界の姿

話者はまず、業界の年収水準の極端さを示す例を挙げる。M&Aロイヤルアドバイザリーでは入社2年目で年収2000万円を超える人が出ている。M&Aキャピタルパートナーズは平均年齢32歳で平均年収が3000〜4000万円規模だという。M&A総合研究所では年収1.8億円の社員が出たとも紹介した。話者はこうした状況を「年収が完全にバグっている」と表現している。

ただし話者は、年収1000万円に届けば十分と考える人には、この業界を勧めていない。そうした人にはSaaS、人材紹介、コンサルといった「もっとマイルドな」業界の解説動画を見るよう促す。年収数千万円が珍しくなく、トップ層は1億円以上も狙える業界で、人生をかけて稼ぎたい人だけが対象だという。勢いのある企業は年間100名ほどを積極的に採用しており、内定を取ること自体は難しくないと話者は見ている。だからこそ、先に覚悟を決めてから見てほしいと念を押した。

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M&A仲介の仕事内容と、1件あたりの報酬

M&Aコンサルタントの仕事は、話者の説明によれば、会社を売りたい人と買いたい人をマッチングし、売買価格などの条件を調整して契約を成立させることである。こう書くと単純だが、ニーズの合う売り手と買い手を見つけるだけでも大変で、その後も情報収集、トップ面談の手配、デューデリジェンス、最終条件交渉と多くの段階が続く。当事者の企業同士だけでこれを進めるのはほぼ不可能なので、仲介会社が間に入って調整する。その対価として大きな報酬を受け取る構造だと話者は説明する。

報酬の相場について話者が示した数字は次の通りである。M&A仲介会社が扱う案件はおおむね5億〜10億円がボリュームゾーンだという。実際には数千万円の案件から30億円、例外的に1000億円以上の案件まで幅がある。仮に7億円の買収を仲介すると、仲介会社は売り手と買い手からそれぞれ約5%、合計で約10%、つまり約7000万円を報酬として受け取る。案件規模によって料率が変わる方式もあるが、話者は細かい話として省いた。

この会社報酬のうち担当者個人に入る割合は、会社のインセンティブ制度によって10〜25%ほどの開きがある。7000万円の例なら700万〜1800万円となり、話者は「ざっくり1件1000万円」を相場感として覚えておけばよいとする。年に1件成約すれば高年収の仲間入りをし、3〜4件以上成約すれば年収5000万円以上も狙えるという計算である。一方で話者は、個人の取り分が低い企業が一概に悪いわけではなく、人によってはあえて料率の低い企業を選んだほうがよい場合もあると述べた。その理由は企業選びのパートで説明するとしていたが、そのパートは今回公開された範囲には含まれていない。

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FASや大手金融機関との違い

面接で勉強不足と見られないための基礎知識として、話者は業界内の他のプレイヤーにも触れた。1つはFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)と呼ばれる業態の会社である。M&A仲介会社が売り手と買い手の両方とやり取りしながら成立を目指すのに対し、FASは売り手か買い手のどちらか一方につく。そして、ついた側が契約で損をしないよう助言する。同じM&A業界のプレイヤーでも、立場と目線が大きく異なるという点を話者は強調した。

もう1つは大手銀行や証券会社である。両者の間に入って仲介するという立場は同じだが、扱う規模が違う。大手銀行・証券会社は大きな案件を扱い、M&A仲介会社は5億〜10億円、大きくても30億円程度までの中小企業のM&Aが中心になる。規模が小さいと地味に見えるかもしれないが、話者はむしろ中小企業を主なターゲットにしていることこそが、この業界が伸びている理由だと主張する。

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需要の根拠としての経営者の高齢化

その根拠として話者が挙げたのが、経営者の高齢化と後継者不足である。帝国データバンクのデータとして、2025年時点で60歳以上の経営者が約半数、70歳以上も約25%、つまり4人に1人を占めていると紹介した。今後もこうした経営者は増えていくため、若い世代に事業を引き継ぐための事業承継型M&Aの需要が膨らむ。話者が示したグラフによれば、この需要は2045年までの20年間続き、規模は約9万件と見込まれているという。

これに対し、現状のM&A仲介会社が年間にさばいている件数は4000〜5000件程度だと話者は述べる。ここ数年の盛り上がりといっても4000件が5000件になった程度であり、約9万件という全体から見れば「焼け石に水」だという。だから需要は今も強く、今後も強いというのが話者の見立てである。

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競争の激化と「企業選び」の重要性

ただし話者は、需要が大きいからといって誰でも楽に儲かる市場ではないとも付け加える。明らかにお金になる業界なので新規参入が相次いでいる。グラフで示された登録企業数は2018年から3倍近くに増えたという。その結果、うまくいっている会社とそうでない会社の差ははっきりしており、実態は弱肉強食で「ピンキリ」だと話者は述べる。だから転職では企業選びが非常に重要で、大手だから、上場企業だから良いというわけではない、と先に触れていた。

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メリット1 年収は大手4社に限らず高い

メリットの1つ目は年収の高さである。業界研究をすると必ず目にするのが日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所の大手4社だ。ただ話者は、大手だから年収が高いわけではなく、中堅やベンチャーのほうが高い場合もあると指摘する。

大手の例として話者は、M&Aキャピタルパートナーズの平均年収と、M&A総合研究所の採用サイトに載っている事例を挙げた。3年目で5000万円、3年目で1.3億円、2年目で1.8億円に達した人がいるという。大手以外で情報が公開されていて分かりやすかった例としては、次の3社を紹介した。ベストパートナーズでは、34歳で未経験入社した人が1年半で年収1.5億円を超えたという。fundbookの採用サイトには年収2500万円、3500万円、7000万円といった事例が載っている。インテグループには入社2年目で4000万円、3年目で7000万円という事例が書かれているという。

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年収の注意点 成果報酬と「2年は下積み」

話者は好調な数字だけでなく、2つの注意点も挙げた。1つは成果報酬制であることだ。基本給はどこもおおむね500万円程度で、全員が5000万円をもらえるわけではない。1件1000万円とすれば、年に最低1件は成約しなければならず、飛び抜けた年収に届くには2〜3件の成約が必要になる。

もう1つは、最初の1〜2年は下積みになるという点だ。話者はM&A総合研究所の資料を示し、1.3億円に達した人でも1年目・2年目は伸び悩んでいたと説明する。ただし2年目でも3000万円近く、あるいは2000万円近くはもらっていそうだとも補足した。そのうえで、4000〜5000万円という水準は入社3〜4年続けないとなかなか届かないと述べる。M&Aの成約には時間がかかり、未経験から転職して初成約までに平均7〜8か月かかると言われているという。

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メリット2 意外なほど広い間口

2つ目のメリットは間口の広さだ。話者が挙げる必須条件は、4年制大学卒であること、20〜30代であること、そして覚悟の3つだけである。仕事が営業に近いので営業経験があると有利だが、それは歓迎条件にとどまるという。間口が広い理由として話者は、需要に対して人手がまったく足りていないことを挙げる。さらに、中小企業の経営者に働きかける仕事はアナログで、感情や思いやりといった泥臭いやり取りを伴う。そのためAIによる効率化ではなかなか代替できず、積極採用は今後も変わりにくいと話者は考えている。

条件を詳しく見ると、年齢は未経験でも20〜30代、経験者なら40代でも問題ないという。話者が特に強調するのは、30代後半でも未経験転職が可能な点だ。他の成長業界や高年収業界では、未経験採用はふつう32〜34歳くらいまでだという。30代前半までの若手より難易度は確実に上がるものの、可能性はあると話者は言う。

学歴はほとんど見られないという。高卒の内定者はあまり見たことがないとしつつ、4年制大学を出ていれば、いわゆる「Fラン」と呼ばれる大学の卒業者でも内定を得ているそうだ。職歴では営業経験が有利で、法人営業がベストだが、個人向け・法人向け、有形・無形商材のいずれでも内定実績があるという。

特に内定を取りやすいタイプとして、話者は3つの系統を挙げた。1つ目はメガバンク、地銀、証券、生保などの金融系で、知識面で業界と重なる部分がある。2つ目は不動産仲介や人材紹介などの仲介系で、利害が一致しない2者の間に立つという共通点がある。3つ目はハイスペック系で、商社、コンサル、MR、医療機器といった高単価の営業経験者が含まれる。営業力に定評のあるキーエンス、リクルート、楽天の出身者や、就職難易度の高いトヨタ、ソニー、電通、サントリーの出身者も、ポテンシャルを評価されやすいという。

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話者が調べた内定事例

話者は自分が調べた内定事例も紹介した。ボリュームゾーンの例は2つある。1つは日東駒専卒の28歳で、HISで法人営業をしていた人。もう1つはGMARCH卒の31歳で、大手SaaS企業でインサイドセールスと新規開拓をしていた人である。こうした人は、話者によれば「ガンガン」内定を取れるという。

一方で話者は、学歴も業務内容も強くない人の内定事例も紹介した。Fラン大学卒の2人は、シビアに数字を求められた経験も高い成果を出した経験もなかったが、これから稼ぎたい、そのためならやり抜くという覚悟があって内定を得たという。法人営業の経験がない人の内定例もある。不動産の個人向け営業の人に加え、市役所職員、中小企業の社内SE、陸上自衛隊員といった、M&Aコンサルタントの仕事とほぼ関係のない職歴の人も内定を得たと話者は述べる。30代後半の内定事例もあるが、その場合は大手企業出身か、中小企業出身でも上位2〜3割に入る優秀な営業担当者であるケースが多いという。コンサル業界なら36〜37歳での内定には相当華やかなキャリアが必要になるはずだと話者は比較している。

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メリット3 キャリアの選択肢が広がる

3つ目のメリットは、転職後のキャリアの選択肢が広がることだ。日々さまざまな会社の決算書を読み込み、難しいタスクを回し続けるので「ビジネス戦闘力」が上がり、転職市場での価値も高まると話者は言う。その後の進路は大きく3つに分けられる。

最も多いのはM&A仲介業界内での転職だ。会社ごとに社風や成果報酬制度が大きく違うため、より稼げる会社へ移る人もいる。逆に、報酬は控えめでも分業制や仕組みが整った働きやすい会社へ移る人もいる。話者によれば、業界内で「ゴリゴリ型」か「ワークライフバランス型」かを調整していく人は非常に多いという。

2つ目は別業界への転職で、特に人気なのが事業会社のM&A担当や経営企画だという。話者は、挙げた選択肢の中ではこれが最もワークライフバランスが整う道だと見ており、30代は仲介会社でしっかり稼ぎ、その後に落ち着くために移る人もいるという。さらに上を目指して投資銀行、コンサル、ファンドへ移る人もいる。この道なら成果報酬ではなく固定で高年収を得られるが、難易度が高く学歴も見られやすいという。

3つ目は数は多くないが独立や起業である。M&A事業はネットワークさえできれば個人でも手がけられるため、仲介会社で得た経験と人脈をもとに独立し、報酬を丸ごと得る人がいるという。決算書やビジネスモデルを数多く見る中でヒントを得て、別の分野で起業する人もいる。さらに話者は、ほぼ引退に近い道を選ぶ人にも触れた。30代で生活に必要な分を稼ぎ切り、スポーツ、エンタメ、農業のように稼げないが関心の強い仕事に移るという。数は少ないものの、そうした選択が視野に入る点もこの業界の魅力だと話者は語る。

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デメリット1 超実力主義

デメリットの1つ目は超実力主義であることだ。どの会社も成果報酬の比重が大きく、固定でもらえるのはおおむね500万円程度で、この点は伝統ある大手もベンチャーも大差ないと話者は言う。成果を出し続ければ固定給も上がり、1000万円以上の固定給を得る人もいる。しかし、この動画を見ている人のほとんどは未経験者のはずなので、500万円程度からのスタートを覚悟するよう話者は求めた。

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デメリット2 体力・メンタル・知力のすべてがハード

成果報酬は成果を出せば済む話だと考える人に向けて、話者はもう1つのデメリットとして仕事のハードさを挙げる。

まず体力面である。コンプライアンスが厳しくなり、ホワイト化を打ち出す会社や、実際にホワイト化している会社もあるという。それでも未経験者は仕事に慣れず時間がかかるため、結局は忙しくなると話者は言う。夜8時や10時まで働くのはよくあることで、平日は帰宅したら食事をして寝るだけになる覚悟が必要だという。移動時間が長いことも一因だ。事業承継型M&Aの相手は後継者のいない高齢の経営者で、その多くは地方にいるため、直接出向くことになる。

ただし話者は、ここは好みが分かれる点だと補足する。取材の中で、この業界に転職して幸せになるのは、地方への外出や出張が気分転換になる人だったという。オフィスでのデスクワークがストレスになる人には向いているとも言う。話者の知人に、外出の多いM&A仲介会社からオフィス中心のコンサル会社に移った人がいた。その人は残業は減ったものの、M&A時代のほうが楽しかったと話していたという。成果報酬なので管理されることが少なく、外出の合間に私用を済ませられる自由度もあったというのがその理由である。

次にメンタル面である。仲介ではとにかく新規開拓が欠かせない。未経験者にはピンとこないかもしれないが、重要なのは買い手より売り手の開拓で、買い手はどうとでもなるが、売り手が見つからなければ始まらないと話者は説明する。しかも売り手候補の高齢経営者は、普段から会社を売ろうとは考えておらず、「まだ現役だ」と先延ばしにしてきた人たちだ。そのため、事業承継でもっと会社が成長する可能性があるといった形で、こちらからきっかけを作って働きかけ続ける必要がある。売り手を開拓する仕組みが整っている会社もあるが、話者はそれを当てにしないよう勧める。新規開拓がつらいと感じるメンタルの人は、結局この業界に合わないからだという。

最後に知力面である。財務、税務、法務、ビジネスモデルについて最低限の知識は求められる。ただし話者は、体力やメンタルに比べれば楽な部類だと言う。各分野で専門家レベルになる必要はなく、そもそもなれるものでもない。税理士、会計士、弁護士といった専門家に的確に質問できる程度に要点を押さえておけばよいという。多くの仲介会社には社内外に提携する専門家がおり、最近はAIにもかなり質問できる。こうした知識は内定後に勉強しても間に合うというのが話者の考えである。

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向いている人と、公開部分の終わり

以上を踏まえ、話者はこの業界に向いている人を「覚悟がある人」とまとめる。年収5000万円を目指し、そのためなら体力やメンタルのハードさも乗り越えるという覚悟である。必須条件は4年制大学卒(Fランでも可)、20〜30代、そして覚悟で、歓迎条件は営業経験だという。覚悟が決まっていれば内定はそれほど難しくなく、あとは良い企業を選ぶこと、そして覚悟を伝える選考対策が重要だと話者は述べた。

続いて「選ぶべきM&A企業の特徴」の解説に入る。話者は前提として、M&A業界は企業選びが特に難しいと説明した。大手4社のほかに中堅、急成長ベンチャー、業界特化型、地域特化型などがあり、数百社が存在する。大手4社同士でさえ特徴がまったく違うという。そのうえで、まずは失敗しないために「こういう基準で企業を選んではいけない」という2点を挙げると述べたところで、YouTubeでの公開部分は終わる。避けるべき企業の基準、選ぶべき企業の特徴、面接でアピールすべき点、推奨する転職エージェントといった内容は、LINE限定の後半部分で扱うとされ、この動画の中では語られていない。