転職の応募書類は「10秒の足切り」と「面接の台本」を意識して書く――履歴書と職務経歴書の書き方

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概要

転職活動では、応募書類が通らなければ面接にも進めない。転職ノウハウを発信するサラタメは、この動画で履歴書と職務経歴書の書き方を全体にわたって解説している。書類をどういう前提で書くべきか、何を避けるべきか、職務経歴書をどんな手順で作るか、が主な内容である。

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話者の立場ははっきりしている。応募書類は「通過すれば終わり」の書類ではない。面接の進み方を自分に有利な方向へ導くための台本として作るべきだ、というものだ。そのうえで話者は、履歴書よりも職務経歴書のほうがはるかに重要であり、職務経歴書の中でも最後に説明するAIを活用した作り方4ステップが最も大事だと述べている。

なお冒頭で、コンサル業界への転職とITエンジニアとしての転職については、応募書類が特殊で、この動画の内容以外にも大事な点があると断っている。この2つに該当する人は、業界・職種別の解説動画もあわせて見るよう勧めている。

大原則1:落ちる人の書類は10秒で落とされる

最初の原則は、セオリー通りに書けていない書類はじっくり読まれることすらなく、5秒から10秒ほど眺められただけで落とされる、というものだ。話者は、この認識が甘い人が多いと指摘する。

応募書類は、良いものに仕上げようとすれば数時間から数日かかる。話者自身、それくらい時間をかけて作るべきだと考えている。だから書き手は「これだけ頑張ったのだから当然読んでもらえる」と思いがちだが、そうはならない。理由は、採用側の人事が非常に忙しいからだという。意地悪で落としているのではなく、膨大な数の書類に目を通さなければならないため、ダメな書類を丁寧に読む余裕がない。特に転職希望者が入りたがる人気企業では、人事が年間1000枚、2000枚といった規模の書類をチェックすると話者は言う。書き手にとっては手間をかけた1枚でも、採用側にとっては1000枚のうちの1枚にすぎない。このギャップを踏まえて、少なくとも10秒で落とされるようなダメな書類だけは避けよう、というのが第一の原則である。能力やポテンシャルが高い人でも、ダメなパターンにはまれば即アウトになりかねないと話者は警告している。

大原則2:ゴールは書類通過ではなく面接をコントロールすること

2つ目の原則は、応募書類の本当の目的は書類通過の先にある、というものだ。話者によれば、特に職務経歴書は、面接に進ませるかどうかの判断材料であるだけでなく、面接のアジェンダ、つまり進行台本や目次として使われる。面接官は職務経歴書を読み込みながら、どんな質問をするか、どこを深掘りするかを考える。面接は職務経歴書を軸に進んでいくことになる。

だから話者は、面接の目次になることを見越して書くよう勧める。自分が話したいことや印象が良くなる話題に面接が傾くように、裏を返せば都合の悪い話には触れられないように書く。面接をコントロールする意識で書け、ということだ。

履歴書のゴールと推奨フォーマット

履歴書について、話者は難しい話ではないとして結論を端的に示す。履歴書のゴールは、無駄に減点されず、変なミスをしないこと。それによって本編である職務経歴書まで見てもらうことだ。

フォーマットは、dodaのサイトに掲載されている履歴書テンプレートのうち、いちばんシンプルなものを推奨している。理由は余計な項目がないことだ。無駄な減点を避けるには、余計な欄に余計なことを書いてしまう事態を避けるのがいちばん大事だからである。個人情報と職歴以外には備考欄があるだけ、という構成で十分だと話者は言う。

逆に、厚生労働省の標準的な履歴書フォーマットを使う人は多いが、話者はこれを「微妙」と評する。志望動機や自己PRを書く欄があるからだ。志望動機は面接で話せばよく、自己PRは職務経歴書に書く欄がある。しかもスペースが中途半端だ。話者は別の動画で志望動機の解説に1時間ほどかけており、それだけ戦略的に練り込むべきものだと考えている。それを中途半端な欄に書けば中途半端な志望動機になり、減点につながりかねない、というのが話者の見方である。

備考欄(フォーマットによっては「本人希望記入欄」)については、8割ほどの人は特に書くことがないという。「備考欄」なら「特になし」、「本人希望記入欄」なら「勤務条件などは貴社の規定に従います」という定型文でよい。ただし、後述する「キャリア爆弾」を抱えている人は、この欄を使って事情を説明する必要がある。

履歴書でやってはいけないこと①:シンプル雑ミスの放置

話者が履歴書で絶対にやってはいけないと挙げるのは2つ。「シンプル雑ミスの放置」と「キャリア爆弾の放置」である。

シンプル雑ミスとは、誤字脱字、全角と半角のばらつき、写真の出来の悪さを指す。数字やアルファベット、括弧の全角・半角は、どちらでもよいから統一すべきだという。話者は、これらは今なら確実にゼロにできるミスだから放置するな、と強調する。

誤字脱字や全角半角のばらつきは、AIに添削させれば一発だと話者は言う。凝ったプロンプトでなくても、「履歴書を添付するので、誤字脱字や変なところがないか確認して」と頼むだけで、今のAIならしっかり見てくれるという。ただし個人情報の扱いには注意が必要だとして、2点を挙げている。1つは、ChatGPTの「一時チャット」やClaudeの「シークレットモード」のような機能を使うこと。話者によれば、これらを使うと履歴やメモリーが残らず、モデルの学習にも基本的に使われないと言われている。もう1つは、氏名、会社名、住所、電話番号、メールアドレス、顔写真など、添削に不要で個人を特定できる情報を削除してから渡すことだ。

写真について話者は、採用側は「ルッキズムか」と怒られるので口には出さないが、実はとても見ている、と述べる。やはり印象の良い人と働きたいからだ。悪い例として、顎が上がっている、表情が硬い、髪がぼさぼさ、ネクタイが緩い、スーツがしわしわ、といったものを挙げている。対策としては、スマホの証明写真アプリは使わず、フォトスタジオで撮るのがおすすめだという。話者自身、転職活動のたびにフォトスタジオで撮ってきた。身だしなみを自分でチェックできる人なら、駅などにあるスピード写真でもよい。費用は1000〜2000円ほどで、実物だけでなくデータももらえる機種を選ぶのが注意点だという。フォトスタジオは7000円〜1万円ほどで、肌荒れや髪の質感などのレタッチもしてもらえる。ヘアセットやメイク込みでも1万5000円ほどで済むと話者は見積もる。転職が成功したときのリターンを考えれば、時間もお金もケチる意味はない、というのが話者の考えだ。

履歴書でやってはいけないこと②:キャリア爆弾の放置

2つ目の「キャリア爆弾」とは、短期離職や空白期間のことだ。話者の定義では、短期離職は1〜2年未満での退職で、1〜2年未満でこれから転職しようとしている第二新卒も含む。空白期間は、半年以上正社員として働いていない期間を指す。こうした経歴があると、採用側は「うちもすぐ辞めてしまうのでは」と懸念する可能性が高い。

対策は、備考欄に理由や事情を書くことだ。項目名が「本人希望記入欄」なら「備考欄」に変えてしまう。懸念点になることは理解している、でも心配ない、と先回りして伝えるべきだと話者は言う。これを履歴書の段階でしておかないと、職務経歴書を見てもらう前に落とされるという最悪の事故につながる。

話者は記入例をいくつか示している。

  • 家族の介護で短期離職したが、家族の協力と外部サービスが整い、今は問題ないというもの
  • 入社直後に人員体制の変更があり、想定していた仕事と大きく変わったため、転職を検討しているというもの(退職前の、これから短期離職になるパターン)
  • 家業の手伝いで空白期間ができたが、自分がいなくても大丈夫な状況になったので企業で働きたいというもの

変わり種として、サッカーやボディビルなど、仕事以外で頑張ってきたことを書くパターンもある。入社1年半ほどで転職しようとしている第二新卒が、根気がないのではという懸念を払拭するために使うものだという。業務実績で書けることが少ない場合に有効で、話者によれば、これを書くだけで書類通過率が上がることがある。ただし、業務実績に関係なくポテンシャルで採用されるような、かなり若い層でないと使えない。32歳でこれを書かれても困る、と話者は言う。

備考欄に書く理由の「強い・弱い」

話者は、備考欄に書く理由の種類ごとに、採用側の受け止め方を比較している。最も強いのは「家庭の事情系」、つまり介護、子育て、家業を継ぐといった理由だという。

根拠として話者は2つ挙げる。1つは、大変さの上限が分からないことだ。採用側の想像が及ばないほど大変だった可能性があるため、仕方ないと納得されやすい。もう1つは、確認のしようがないことだ。公開情報ではなく内部の事情なので、面接官も詮索や深掘りがしにくい。話者はこれを、言い方を変えれば「逃げやすい理由」だと表現している。

それ以外の理由には、それぞれ懸念が伴うと話者は見る。

「ミスマッチ系」、つまり入社前の説明と業務内容が違ったという理由は、ありではある。だが慎重に書かないと他責感が出て、「地雷人材」だと思われかねない。話者は自作の例文についても、「もう少し頑張れたのでは」と思われる可能性があると認めている。さらに、残業や休日が説明と違ったといった働き方の話にすると、実際にはブラック企業に入ってしまったというやむを得ない理由であっても、他責的だと懸念されやすくなるという。

「起業・フリーランス系」は、実力がありそうだと見てもらえる面もある。一方で、一度独立するほどのエネルギーを持つ人は、会社員に戻ってもまた独立欲が再燃するのでは、という懸念を生むという。

話者が基本的にやめたほうがよいと考えるのは、「スキルアップ系」と「体調不良系」だ。宅建の取得やプログラミングスクール通学を理由に書く人がいるが、これは家庭の事情系とは逆で、大変さの上限がイメージしやすい。その程度なら仕事と両立できたのでは、と思われてしまう。その感覚が分かっていない時点で地雷っぽい、と受け取られる、と話者は指摘する。爽やかな言い訳に見えて、補足にはならないということだ。体調不良系も、本当に完治したのか、再発しないと言い切れるのか、という懸念を生む。

話者はベストな形として、正直に書いて、しかも納得してもらえることを挙げる。ただ、文章だけで伝えるのは難しい。そのうえで、推奨はしないと前置きしつつ、実際には家庭以外の理由もあったのに、家庭の事情だけを書いたり、家庭の事情を膨らませて書いたりして内定までこぎつける人もいる、と補足している。嘘をつけという話ではない、とも明言している。

職務経歴書の4項目と2つのゴール

職務経歴書について、話者は「見本を真似しながら書けばよい」と結論をシンプルに示す。記入する項目は4つ。職務要約、職務経歴(職務内容)、資格・スキル、自己PRである。職務経歴書は基本的に自由フォーマットで、他の項目を入れてもかまわないが、話者はこの4つを勧めている。志望企業からフォーマットを指定されることはほぼないという。

最も大事なのは職務要約だ。話者はこれを、YouTubeでいうサムネイルに例える。この書類は読むべきだと思わせるフックであり、ここで興味を持ってもらえれば続きを読んでもらえる。

4つの項目を通じて伝えるべきは、業務内容(いつ、どんな仕事をしてきたか)と実績(どんな活躍をしてきたか)である。そして最終的に目指すのは、「再現性を証明する」ことと「良い面接台本にする」ことの2つだ。話者は、転職で内定を取ることは再現性を証明するゲームだと以前から繰り返し述べている。前職で活躍してきたことを示し、自社でも同じように活躍できそうだと思わせるのが職務経歴書の目的である。同時に、面接の目次になる以上、突っ込んでほしいこと、深掘りしてほしいことを濃く書く。

ダメパターン①:解読が面倒すぎる

職務経歴書でやってはいけないパターンとして、話者は3つを挙げる。1つ目は、読む気が失せるほど分かりにくい書類だ。

典型は、社内用語や専門用語だ。悪い例として話者は、「NP」「SS」「A客」「JR」「継続率の改善」といった表記を示す。それぞれ「個人売上目標」「副店長」「顧客」または「優良顧客」、「ジュニア社員」と書くべきだという。「ジュニア社員」ですら分かりにくいかもしれないので、「3年目までの社員」といった説明が必要な場合もある。「継続率の改善」も、誰が何を継続する率なのかが分からない。採用側のリテラシーを疑っているわけではなく、斜め読みされる前提で書け、というのが話者の主張だ。

次に、箇条書きが下手で階層構造が分かりにくい人も多いという。大見出し、中見出し、小見出し、本文といった階層が一目で分かるべきだ。悪い例では、いろいろな記号で工夫しようとした努力は見えるが、記号のルールが分からない。話者は、見本を横に置いて真似するのがよいと勧める。

3つ目として、実績に自信がないから変わったフォントで個性を出そうとする人がいるが、絶対にやめるよう言う。日本語も数字も読みやすい、Wordを開くとすぐ出てくるような普通のフォントでよく、箇所ごとの使い分けも不要だという。

ダメパターン②:無味無臭すぎる、そして「盛りすぎ」の危険

2つ目は、整理されていて読めるが、すごさや他の候補者との違いが伝わらず、興味を持たれずに落とされるパターンだ。話者によれば、原因は「数字がない」「比較がない」「再現性がない」の3つである。

「売上目標達成」「高い実績」といった抽象的な表現ではなく、「個人目標105%達成」のように数字を入れる。数字があっても、比較がなければすごさが分からない。例えば「2025年下期に4棟の販売に成功」と書いても、不動産業界の外の人にはそれがどれほどすごいのか分からない。目標に対する達成率や、部署の何人中何位かといった比較できる数字を入れるべきだという。そして数字と比較があっても、結果を並べるだけではプロセスが見えない。会社の仕組みや環境のおかげではないか、自社でも活躍できるのか、と疑われる。これが再現性がない状態だ。話者は、業務内容を状況・課題・取り組み・結果に分けて書くSTAR法を使うことで再現性を示せると述べ、詳細は作り方のステップで説明している。

ここで話者は、「盛りすぎ」への注意を付け加える。数字・比較・再現性が大事だと言うと、実績がないからと捏造してしまう人がいるが、それはダメだという。書類の通過率は上がるかもしれないが、面接でばれる。万が一内定が取れても、盛った内容とのギャップに苦しむことになる。

一方で話者は、「個人的には」と断ったうえで、7を10にする程度の演出なら許容範囲だとの見方を示している。前年比101%を105%にする、部署で2位を首都圏で2位にする、といった程度だ。その程度の調整で内定が決まるわけではなく、結局は面接でプロセスを詳しく語れるかどうか、つまり具体的な試行錯誤や工夫を語れるかどうかで決まるから、というのが理由だ。これに対し、0から10を作り出す捏造は、面接でばれるうえに遠回りになることもある。話者が挙げるよくある例は、気合と根性で実績を上げてきた若手営業が、戦略的・スマートに成果を上げたかのように書類を捏造するケースだ。面接では当然その戦略的思考について質問が集中し、得意でない領域を語ることになって落ちてしまう。

ダメパターン③:募集条件とずれている

3つ目は、読みやすく個性もあるのに、採用側の募集条件からずれていて台無しになるパターンだ。話者はSaaS業界のインサイドセールスを例に挙げる。実在企業の募集条件を示し、この職種では新規開拓の経験を求められることが多いと説明している。それなのに、書かれている内容が反響待ちやルート営業といった「守りの営業」の話ばかりで、新規開拓の要素がまったくない書類がある。

話者の提案は、実際の業務の軸が守りの営業だったとしても、少しでも新規開拓的な経験があれば、それを膨らませて職務要約、職務経歴、自己PRの各パートに散りばめることだ。そして「面接でここを聞いてください、答える準備があります」と待ち構える。志望企業が求める人物像に合わせにいくことが大事だという。

これができていない人は、書類が無駄に長くなりがちだという。話者は職務経歴書を基本的に3〜4ページ以内に収めることを勧めている。5〜6ページになる人は、何をアピールすべきか絞りきれていないことが多く、採用側に「こちらが何を求めているか分かっていない」と思われる。例外として長くてもよいのは、転職回数が多く職歴が多い場合や、逆転狙いの場合だ。若手のポテンシャル層では、書類で熱量を見せてほしいという企業がたまにある。スキルや経験では届かない企業に対して、あえて長く書いて熱意を伝える作戦をとるなら、長くてもかまわないという。

作り方STEP1:ざっくり自分を棚卸しする

ここから話者は、職務経歴書の作り方を4ステップで説明する。①ざっくり自分を棚卸しする、②裏情報まで企業をリサーチする、③面接をイメージして項目を埋める、④AIと翌日の自分に見直させる、である。

STEP1は、書類に入れ込む素材、つまり業務経験を吐き出す段階だ。必ず整理すべきなのは、時系列、所属した会社と部署、ざっくりの仕事内容である。できれば実績(結果)と、そのためにした具体的な工夫(プロセス)まで整理できるとよい。

話者は、この段階では職務経歴書のフォーマットを使わず、自由に書くほうがやりやすいと言う。職務経歴書は採用側に見せるためのフォーマットであって、自分の情報を吐き出して整理するためのものではないからだ。話者は、有形商材の営業から人材紹介に転職した人や、アパレル販売スタッフの事例で自分用のメモを作ってみせている。フォーマットにこだわる必要はなく、自分で見て時系列・所属・仕事内容が分かればよいという。吐き出していくと、どの経験を志望企業が評価するのか、どこを強調すべきかが気になってくる。そこで次のリサーチに進む。

作り方STEP2:業界の傾向と、企業の「裏情報」を調べる

リサーチの目的は、採用側が求める人物像に合わせて書類を作ることだ。例えば、個人成果重視でインセンティブでゴリゴリ頑張ってほしい会社なら行動力を、チームワーク重視の会社なら関係者との調整力や巻き込み力を表現すべきだという。

話者はリサーチを2段階に分ける。レベル1は、業界・職種全体でざっくり求められる人物像の把握だ。この全体傾向を掴まないと、個別企業の特徴を掴みきれないという。例えばコンサル業界は、基本的にはスマートさやロジカルさで活躍してきた高学歴を求める傾向がある、と話者は見ている。そのうえで、ある企業を調べていくと、コンサル業界の中ではスマートさよりキャラクターやコミュニケーション力を重視している、という違いに気づけることがある。そうすればそこを狙った書類にできる。

レベル2は、志望企業のピンポイントな理解だ。話者がここで重視するのは「裏情報」である。その企業がいま本当に何に困って採用しているのか。どんな人が活躍し、どんな人が活躍できないのか。そして根本的には、どんな書類が通りやすく、どんな書類が落ちやすいのか。採用しているからには何かに困っているはずだが、表の情報ではなかなか言わない、と話者は言う。

表の情報源として話者が挙げるのは、募集要項、社員インタビュー、AIの3つだ。募集要項は必ず見るべき基礎だが、最も抽象的で、何でも大事だと書かれていて何を強調すべきか分かりにくい。例として話者は、SmartHRのインサイドセールスの募集要項からは個人主義よりチームワーク重視が、Salesforceからは目標数値への強いコミットが読み取れると述べている。表の情報としてより参考になるのは、公式サイトやnote、YouTubeに掲載されている社員インタビューだという。会社が打ち出したい人物だから登場させているのであり、その人に寄せた書類を書くとよい。サイバーエージェント、エムスリー、freeeなどがYouTubeに社員インタビューを出しており、雰囲気が掴みやすいという。AIによるリサーチも手間の削減になる。

ただしこれらは公開情報であり、企業がこう見られたいという情報にとどまる。裏情報の源として話者が挙げるのは、口コミサイトと転職エージェントだ。口コミサイトはOpenWork、転職会議、キャリコネ、Indeedの企業口コミなどがあり参考になる。ただ、書き手は退職者やこれから転職する人が多いため、ミスマッチした人のネガティブな内容に偏りやすい点に注意が必要だという。転職エージェントは、使っている人しか情報を得られないが、志望企業の面接官とも、受かって入社した人とも、落ちた人とも交流がある。だから「どんな書類が通りやすく、落ちやすいか」という最も知りたい情報を持っている。使っているならガンガン聞くべきだと話者は言う。ただしエージェントの質は極端にばらつくため、選び方については別の動画を参照するよう勧めている。

作り方STEP3:職務要約から書き、職務経歴はSTAR法で

STEP3では、「再現性を証明する」「良い面接台本にする」という目的を意識しながら4項目を埋めていく。

最初に着手すべきは職務要約だ。在籍企業名、配属、職種、具体的な業務内容を書き、実績は書類全体でいちばん見てほしい数字を入れる。話者は箇条書きで3〜5行にまとめる形が最も見やすいとしている。YouTube動画をサムネイルから作るのと同じで、最初に要約を固めれば、何をアピールすべきかが整理され、職務経歴でも強調点を厚く書ける。要約がふわふわしていると、書類が長くなり強調点がぼやける、と話者は言う。

職務経歴欄は、いつ、どこで、何を、どうやって仕事してきたかが分かればよい。基本は現在から過去へさかのぼる逆時系列を勧める。採用担当者が最も知りたいのは直近の仕事だからだ。ただし過去の経験を強調したい場合は、古い順の時系列で書く手もある。例えば1社目が法人営業、2社目がWebマーケターで、再び法人営業を狙う場合、1社目を上に置いて濃く書けばよい。どちらが正しいというルールはなく、見せたいものを前に置け、というのが話者の主張だ。

話者が特に強調するのは「取り組みと成果」の書き方である。話者は、状況(Situation)、課題(Task)、行動(Action)、結果(Result)の頭文字をとったSTAR法に沿って項目を立てている。全体のサマリーを置いたあと、元々どんな状況だったか、何を課題と捉えたか、どう取り組んだか、どんな結果になったかを書く。みんながやる書き方ではなく自分のこだわりだと断りつつ、結果とプロセスが分かりやすく伝わり、面接官も質問しやすくなると話者は言う。話者によれば、STAR法は面接で業務経験を聞く・答える際の定番の形になっている。話者が見せてもらった採用企業の面接官マニュアルにも、この形で質問するよう書かれていることがあるという。書類もこれに沿えば、聞く側も答える側も円滑になる。

実績が書きにくいときの4つの悩み

実績欄(数字や表彰)について、話者はよくある4つの悩みに答えている。

1つ目は、ずっと目標未達で達成率が70%といった場合だ。話者は、比較対象を変えることを提案する。部署全体が未達で他の人が50%なら、平均より高い、部署で何位、と見せられるかもしれない。同期の中での順位、前任者との比較、自分自身の前年比など、人や時間と比べて数字をひねり出す方法だ。それでも無理なら、盛りすぎは避け、プロセスでの工夫で勝負する。

2つ目は、経理や総務のように数字で書ける実績がない場合だ。話者によれば、こういう人は会社から課されたKPIがないことに悩んでいることが多い。だが目標として課されていなくても、大事だとされている他の指標を持ってくればよい。例として、マーケターならWebページのPV数やアンケートの顧客満足度、テレアポの架電回数を挙げる。品出し担当なら欠品率や声かけ数を挙げている。誇れる数字ではないかもしれないが、切り出せば意外と出てくるという。どうしても無理なら、やはりプロセスで勝負するしかない。

3つ目は守秘義務だ。クライアント名はぼかすべきだと話者は言う。例えば「ドコモ」ではなく「大手通信キャリア企業」と書く。面接でニュアンスから分かってしまうのは仕方ない面もあるが、書類に社外秘らしき情報を書くと、マナーがないと捉えられて落とされることがある。書類ではすごさをアピールするより、社外秘を守る意識を強く持つべきだという。

4つ目は、個人ではなくチームの実績なら大きな数字を書けるが書いてよいか、という悩みだ。話者の答えは、書いてよい、である。ただし面接では、自分の成果と他の人の成果を切り分けて話すべきだという。全部自分の手柄のように見えると、欲深い、面の皮が厚い、と逆効果になるし、だいたいばれるからだ。話者は、自分のチャンネルを見ているような若手の成果には、たいてい上司やサポート部署の協力がある、と述べる。個人の成績であっても「周りのおかげ」というスタンスは崩さないほうがよい、というのが話者の考えだ。

自己PRと資格・スキル

自己PR欄は、書類上は資格・スキル欄より下にあることが多い。だが話者は、重要度の高い自己PRを先に書くよう勧める。応募するポジションで活かせる強みを、「〇〇力」という形で2〜3つ書く。その際、「傾聴力」「推進力」「巻き込み力」とだけ書くのではなく、「潜在ニーズを引き出す傾聴力」「徹底した事前準備による推進力」「成果から逆算した巻き込み力」のように、見出しだけで何を言いたいかが分かるタイトルにするのが好みだという。斜め読みでも理解しやすく、完成度が高く見えるからだ。

本文は、「結論→理由となるエピソード→御社でも」の流れが最もきれいだと話者は言う。まず、志望企業で活かせる強みを結論として述べる。次に、それを裏付ける仕事内容や成果をエピソードとして挟む。最後におまけ程度に、御社でこう活かせる、こう貢献したい、と締める。

資格・スキル欄については特に言うことはないとしつつ、応募ポジションに関係なければ欄ごと省いてもよいと補足している。

作り方STEP4:AIと「翌日の自分」に見直させる

最後のステップは見直しだ。まずAIにチェックさせる。話者によれば、ポイントは動画で話した内容すべて、つまり読みやすさ、実績と再現性、応募先企業・ポジションとの一致である。プロンプトと職務経歴書に加え、応募先の求める人物像の情報も一緒に渡すと、かなり精度の高いチェックをしてくれるという。個人情報については、履歴書と同様、一時チャットやシークレットモードを使い、個人を特定できる情報を削除してから使うよう注意している。

話者はAIのチェックを「本当にあってよかった」と感じるほど高く評価している。誤字脱字だけでなく、文章の改善まで的確にアドバイスしてくれるという。だからこそ、最初からAIに作らせればいいのでは、と思いたくなる。しかし話者はそれを止める。AIに0から、あるいは1から書かせると書類が崩壊しやすい、というのが話者の見方だ。理由の1つは「謎の嘘」が入ることである。AIはそれらしい文章を作るのが得意すぎて、流れを自然にしようとするあまり、経験していない業務を入れてしまうことがある。しかも文章が上手すぎて、自分でチェックしても目が滑り、そのまま提出してしまえば面接で終わる。もう1つの理由は、自分の言葉にならないことだ。書類が無味無臭になるうえ、面接台本としても機能しない。話者は「優秀すぎて自分が騙される」と表現している。

同じ理由で、AIが出す修正点をすべて鵜呑みにする必要はないという。致命的なミスだけ反映し、合理的でないと指摘されても面接官に絶対伝えたいポイントは残してよい。話者自身、YouTubeの台本をAIにチェックさせることがある。AIは厳密に正しくチェックしてくれるが、そのとおりにすると無味でつまらないものになるので、あえて無視する判断もしているという。

話者がAI以上に重要だと考えるのは、「翌日の自分」によるチェックだ。前日に書いた文章を読むと「全然ダメじゃん」と思うことがある。話者も、昨日書いた台本を読んでつまらないと感じることがあるという。話者はこれを人間の脳の仕組み上そうなるものだと説明し、一晩寝かせることで、採用側、つまり初見の読み手に近いフラットな視点でチェックできると述べる。話者自身、応募書類でもYouTube動画でも必ずこれをやっている。一晩寝かせてチェックすることを2〜3回繰り返せば、一言一句に納得した自分の言葉になり、それが面接を非常に強くする、というのが話者の結論である。

結び

話者は最後に全体を振り返る。落ちる書類は10秒で落とされる。書類通過は本当のゴールではない。この2つの大原則のもと、10秒で落とされる事故を防ぎ、さらに面接をコントロールして内定に直結する書類を作ることがこの動画の狙いだったと述べている。履歴書では「シンプル雑ミス」と「キャリア爆弾」を放置しないこと。職務経歴書は、棚卸し、リサーチ、面接を意識した記入、AIと翌日の自分による見直しの4ステップで作ること。話者はこれで応募書類について言い残したことはないとして、動画を締めくくっている。