かずのすけが読み解く「ダヴ パールシャイン クレンジングオイル」:合成油脂で油脂クレンジングに近づけた約1000円のオイル

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概要

美容化学者のかずのすけが、ユニリーバ・ジャパンとのタイアップ動画で、ダヴが今春発売した「ダヴ パールシャイン クレンジングオイル」を取り上げた。話者はこの製品を「隠れ名作」と位置づけ、「次世代型エステルクレンジング」と呼んでいる。根拠として挙げるのは、ベース成分にトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを使っている点だ。高価な天然油脂を使わずに油脂クレンジングに近い使用感を約1000円で実現した、というのが話者の評価である。動画では成分解説に加えて、ファンデーションとアイライナーを使った洗浄テストも行っている。

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洗浄系に強いブランドとしてのダヴ

話者はまずダヴの来歴に触れる。ダヴは1957年にアメリカで生まれたブランドで、当時画期的だったビューティバーは今もシリーズを代表する製品だという。かずのすけはこのビューティバーを高く評価している。見た目は石鹸に似ているが石鹸ではなく、ラウロイルイセチオン酸ナトリウムというマイルドな洗浄成分をベースにした固形洗浄料だからだ。この成分について話者は、最近のシャンプーによく使われるタウリン系洗浄成分と洗浄特性が似た良い成分だと説明する。洗浄剤といえば石鹸一択だった時代に、よりマイルドな洗浄成分を実用化していた点を「本当にすごい」と評している。現在のダヴは多くの商品を展開しているが、話者は全体として洗浄系に長けたプチプラブランドという印象を持っているという。

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パールシャインシリーズの概要

パールシャインシリーズは4月6日に発売されたダヴの最新シリーズで、洗顔料、泡洗顔料、クレンジングオイル(3in1メイク落とし)をラインナップしている。話者が紹介した公式サイトの説明によると、シリーズは真珠のつややかな輝きから発想されている。真珠と肌がどちらもアミノ酸を含む成分で構成されているという共通点に着目し、真珠の構成要素と同種類の12種類のアミノ酸を保湿成分として配合した「パールシャイン処方」を採用した。

クレンジングオイルはダヴとしては7年ぶりの発売で、シリーズの中でも自信作だという。美容情報誌『LDK the Beauty』6月号では、ベースの洗浄成分の組み合わせが専門家にも評価されてA評価を受けたそうだ。話者も同じ感想を持っており、ダヴの価格帯を考えれば納得の評価だと述べる。まだあまり知られていないため「隠れ名作」と呼んでいる。

クレンジングオイルには2種類がある。ピンクの「透明つや肌」と、グリーンの「毛穴すべ肌」だ。洗浄成分の構成や基本の骨格、洗浄力は同じで、違うのは一部の保湿成分だけとのことなので、話者は2つをまとめて解説している。

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成分構成:乳化剤と12種のアミノ酸

全成分のうち、ベース成分はトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである。話者はこれを、クレンジングオイルのベースとしては珍しく、この製品で最も注目している成分だとしている。続くミリスチン酸イソプロピルは、さらりとした使用感のエステルオイルだ。

トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルとテトラオレイン酸ソルベス-30は非イオン界面活性剤の一種で、乳化剤として働く。話者はこの2成分を「地味ではあるがかなりいい」と評価している。どちらもマイルドな使用感で、自身のオリジナルのクレンジングオイルにも採用し、これまで勧めてきたクレンジングオイルでもベースに使われていた成分だという。クレンジングオイルでは乳化が重要だが、この製品はこれらの組み合わせで乳化力がとても高く、「3秒乳化」ができるほどすぐにオフできるとされている。

保湿成分としては、真珠の構成要素と同種類の植物性由来アミノ酸12種が配合されている。アスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、アルギニンの12種で、マイルドに洗いながらスキンケア効果も狙う設計だと話者は説明している。

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トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルとは何か

話者がこの製品を紹介すると決めた最大の理由がこのベース成分である。トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは主にスキンケアクリームなどに使われるオイル成分で、最近では話者が勧める日焼け止めの主成分にもなっていた。ただし、従来はクレンジングオイルのベースに使われることはほとんどなかったという。

分類上は化学合成で作る合成エステルだが、一般的なエステルオイルとは性質が少し違う。名称の「トリ〜グリセリル」が示すとおり、この成分は3つの高級脂肪酸がグリセリンに結合したトリグリセリド構造を持っている。天然に存在する同じ構造の成分は「油脂」と呼ばれる。そのため、この成分は化学合成で作った油脂という意味で「合成油脂」とも呼ばれる、と話者は説明する。トリグリセリド構造は皮脂の主成分でもあるので、これまでは主にスキンケア化粧品に使われてきた。話者は、肌を柔らかく整え、保湿力の高いベース成分として働く可能性が高いと見ている。

これに対し、同じ製品に入っているミリスチン酸イソプロピルは昔からよく使われてきたエステルオイルで、高級脂肪酸を1つしか持たない構造であり、トリグリセリドとは大きく異なる。話者によれば、エステルをベースにしたクレンジングはさっぱりした使用感で洗浄力が高くなる。油脂をベースにするとしっとりして保湿力も高いが、洗浄力はマイルドになる。このため話者は以前から、乾燥肌や敏感肌には油脂ベースの「油脂クレンジング」を勧めてきた。

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油脂クレンジングの弱点は価格

話者は、自身が勧めてきた油脂クレンジングには大きな弱点があり、それが価格だと話す。たとえばパールシャインにも配合されているヒマワリ種子油のような天然の植物オイルは原価がとても高い。油脂クレンジングと呼ばれる製品は、こうした植物オイルをかなりの高濃度で配合しているのが一般的だ。高級クレンジングには高価な油脂をベースにしたものも少なくないが、プチプラの価格で実現するのは極めて難しい。話者の知る限り、2000円かそれを下回る価格帯で油脂ベースのクレンジングはほとんど存在しない。そうした価格で作ろうとすると、ベースオイルの原価だけで売価を上回りかねないとも見積もっている。

パールシャインは、高価な天然植物オイルの代わりに、化学合成で安く作れて油脂に近い使用感を持つトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを採用した。これによって約1000円という価格で、洗浄力を保ちながら油脂クレンジングに近い使用感を実現した、と話者は評価している。

ただし話者は留保もつけている。油脂クレンジングの使用感はベース油脂の脂肪酸組成にも大きく左右されるので、この成分だけで完全に再現できるわけではない。それでも、これまで1000円程度で売られてきた安価なクレンジングオイルとは「一線を画す」と述べる。実際に試した感想としては、さらりとしたエステル系と、しっとりして肌が柔らかくなる油脂系の中間のような使用感だったという。

「使用感を求めるなら妥協せず植物オイルを使うべき」という意見もあるだろう、と話者は認めている。そのうえで、化粧品の原価が上がり景気もよくない今、クレンジングに何千円も出し続けられる人は多くないとして、合成油脂を活用した「疑似油脂クレンジング」は心強い存在だと述べる。成分上はエステル系でありながら油脂クレンジングの特性もあわせ持ち、日常使いに向く。この意味で「次世代型エステルクレンジング」と呼んで差し支えない、というのが話者の結論である。

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毛穴・角栓ケアへの期待

話者はさらに毛穴ケアの観点からも説明している。従来のエステル系クレンジングはメイクとなじみやすく、毛穴に詰まったメイク汚れを落とすのは得意だ。一方、毛穴にできる角栓は主にタンパク質と皮脂の固形物でできていることが研究で分かっており、皮脂に近い構成なのは油脂などのトリグリセリド系オイルのほうだという。

メーカーによれば、パールシャインは皮脂汚れとのなじみが良く、毛穴汚れを残しにくい設計になっている。かずのすけは以前から油脂クレンジングが毛穴ケアに効果的だと勧めてきたので、それに近い使用感のこの製品なら毛穴ケアにも優れた効果があっても「おかしくない」と述べる。これはあくまで話者の見立てである。使い方としては、角栓が詰まりやすい部分を軽くマッサージしながらメイクオフすると角栓が柔らかくなり、落ちやすくなるだろうとしている。別の動画で紹介した油脂クレンジングによる毛穴ケア法にも使える可能性がある、とも付け加えた。

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「透明つや肌」と「毛穴すべ肌」の違い

LDKでA評価を受けたのはピンクの透明つや肌のほうだったという。2種類はベース成分の構成や使用感、洗浄力が基本的に同じで、違いは保湿成分にある。透明つや肌にはビタミンC誘導体のパルミチン酸アスコルビルが多めに入っており、毛穴すべ肌にはレチノールが保湿成分として配合されている。

話者は、どちらも洗い流すクレンジングオイルなので高濃度ではないだろうとしたうえで、成分で選ぶなら透明つや肌を勧めている。理由は、パルミチン酸アスコルビルはレチノールと比べて、オイルの安定性を高める抗酸化成分として役立つからだ。また、毛穴すべ肌にはエタノールが入っているが、メーカーによれば製品全体で0.001%以下のごく微量で、使用感には影響しないという。それでも、よりシンプルな構成という点からも透明つや肌のほうがおすすめだと話者は述べている。

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実験1:3種類のファンデーション

洗浄テストでは、白い皮膚モデルに3種類のファンデーションを塗り、それぞれ1分間ドライヤーで乾かしたものを用意した。マイルドなリキッドタイプ、クリームタイプ、崩れ防止のリキッドタイプの3種類である。洗浄力は2種類とも同じなので、ここでは透明つや肌を使い、それぞれ約1プッシュずつ垂らした。

マイルドなリキッドとクリームは軽く触る程度で落ち始め、摩擦が少なくて済むので肌にも優しく、日常使いにちょうどいいと話者は評価した。落ちにくい崩れ防止タイプも、少しこするだけで簡単に落ちた。ぬるま湯で流すと、すぐに乳化してさらりと流れ、洗い上がりにメイクの残りは見られなかった。

一方で話者は、オイルが水のようにさらりとした軽いテクスチャーなので好みが分かれるだろうと指摘している。本人としては、もう少しとろみがあるほうが使いやすいかもしれないと感じたという。

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実験2:2種類のアイライナー

次に、2種類のアイライナーで試した。左はお湯で落とせるウォータープルーフタイプで、ポリマーなどの皮膜を作る成分をベースにした「フィルムタイプ」である。右はスーパーウォータープルーフタイプで、イソドデカンや水添ポリイソブテンなどの油性成分で落ちにくくしている。どちらも約30秒ドライヤーで乾かし、今回は毛穴すべ肌を1プッシュずつ使った。

お湯落ちタイプは、綿棒で軽くなぞるだけでポロポロと簡単に落ちた。話者によれば、クレンジングによってはかなり落としにくいアイライナーなので、とても優秀な結果だという。スーパーウォータープルーフタイプも、なぞった時点では落ちているように見えた。しかし水で流すと、指で軽くなぞった程度ではわずかに色が残った。

このことから話者は、イソドデカンや水添ポリイソブテンのような強い被膜を作るアイライナーはやや苦手としているようだとし、組み合わせには注意してほしいと述べた。ただ、もう少ししっかりこすればきれいに落ちるだろうとも話している。また、最近売れているアイライナーの多くはお湯落ちのフィルムタイプなので、大半の製品は問題なく使えるだろうという見方を示した。

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香りと価格

香りはどちらもしっかりついており、透明つや肌はフローラルフルーティ、毛穴すべ肌はシトラスフルーツの香りである。話者は、透明つや肌はかなり甘い系なので、シンプルなシトラス系の毛穴すべ肌のほうが個人的には扱いやすいと感じたという。微量成分の違いは無視してよいと考えているので、好きな香りで選ぶのもよいとしている。

価格はオープン価格で、販売店によって異なる。話者が調べた範囲では、Amazonでは2種類とも1000円程度で売られていた。

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結論:プチプラの合成油脂クレンジングは記憶する限り初めて

最後に話者は、ダヴには手頃なプチプラボディケアブランドというイメージを持っていたので、これほどの製品があるとは思っておらず、成分を確認したときはとても驚いたと振り返った。トリグリセリド系の合成油脂を使ったエステル系クレンジングオイルは、探せばほかにもあるかもしれない。それでも、誰もが手に取りやすい価格で手に入る製品は、話者の記憶では初めてだという。

ダヴは1950年代から新しい形の洗浄料を開発してきた。話者はこれを、洗浄系アイテムの開発力に昔から定評がある証拠と見ている。効果の高い化粧品をより安く手に入れられるようになるのは歓迎すべきことだとして、こうした製品が今後もっと増えることへの期待を述べて動画を締めくくった。