かずのすけが読み解く「ダヴ パールシャイン クレンジングオイル」:合成油脂で油脂クレンジングに近づけた約1000円のオイル
かずのすけ美容化学者のかずのすけが、ユニリーバ・ジャパンとのタイアップ動画で、ダヴが今春発売した「ダヴ パールシャイン クレンジングオイル」を取り上げた。話者はこの製品を「隠れ名作」と位置づけ、「次世代型エステルクレンジング」と呼んでいる。根拠として挙げるのは、ベース成分にトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを使っている点だ。高価な天然油脂を使わずに油脂クレンジングに近い使用感を約1000円で実現した、というのが話者の評価である。動画では成分解説に加えて、ファンデーションとアイライナーを使った洗浄テストも行っている。
洗浄系に強いブランドとしてのダヴ
話者はまずダヴの来歴に触れる。ダヴは1957年にアメリカで生まれたブランドで、当時画期的だったビューティバーは今もシリーズを代表する製品だという。かずのすけはこのビューティバーを高く評価している。見た目は石鹸に似ているが石鹸ではなく、ラウロイルイセチオン酸ナトリウムというマイルドな洗浄成分をベースにした固形洗浄料だからだ。この成分について話者は、最近のシャンプーによく使われるタウリン系洗浄成分と洗浄特性が似た良い成分だと説明する。洗浄剤といえば石鹸一択だった時代に、よりマイルドな洗浄成分を実用化していた点を「本当にすごい」と評している。現在のダヴは多くの商品を展開しているが、話者は全体として洗浄系に長けたプチプラブランドという印象を持っているという。
パールシャインシリーズの概要
パールシャインシリーズは4月6日に発売されたダヴの最新シリーズで、洗顔料、泡洗顔料、クレンジングオイル(3in1メイク落とし)をラインナップしている。話者が紹介した公式サイトの説明によると、シリーズは真珠のつややかな輝きから発想されている。真珠と肌がどちらもアミノ酸を含む成分で構成されているという共通点に着目し、真珠の構成要素と同種類の12種類のアミノ酸を保湿成分として配合した「パールシャイン処方」を採用した。
クレンジングオイルはダヴとしては7年ぶりの発売で、シリーズの中でも自信作だという。美容情報誌『LDK the Beauty』6月号では、ベースの洗浄成分の組み合わせが専門家にも評価されてA評価を受けたそうだ。話者も同じ感想を持っており、ダヴの価格帯を考えれば納得の評価だと述べる。まだあまり知られていないため「隠れ名作」と呼んでいる。
クレンジングオイルには2種類がある。ピンクの「透明つや肌」と、グリーンの「毛穴すべ肌」だ。洗浄成分の構成や基本の骨格、洗浄力は同じで、違うのは一部の保湿成分だけとのことなので、話者は2つをまとめて解説している。
成分構成:乳化剤と12種のアミノ酸
全成分のうち、ベース成分はトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである。話者はこれを、クレンジングオイルのベースとしては珍しく、この製品で最も注目している成分だとしている。続くミリスチン酸イソプロピルは、さらりとした使用感のエステルオイルだ。
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルとテトラオレイン酸ソルベス-30は非イオン界面活性剤の一種で、乳化剤として働く。話者はこの2成分を「地味ではあるがかなりいい」と評価している。どちらもマイルドな使用感で、自身のオリジナルのクレンジングオイルにも採用し、これまで勧めてきたクレンジングオイルでもベースに使われていた成分だという。クレンジングオイルでは乳化が重要だが、この製品はこれらの組み合わせで乳化力がとても高く、「3秒乳化」ができるほどすぐにオフできるとされている。
保湿成分としては、真珠の構成要素と同種類の植物性由来アミノ酸12種が配合されている。アスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、アルギニンの12種で、マイルドに洗いながらスキンケア効果も狙う設計だと話者は説明している。
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルとは何か
話者がこの製品を紹介すると決めた最大の理由がこのベース成分である。トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは主にスキンケアクリームなどに使われるオイル成分で、最近では話者が勧める日焼け止めの主成分にもなっていた。ただし、従来はクレンジングオイルのベースに使われることはほとんどなかったという。
分類上は化学合成で作る合成エステルだが、一般的なエステルオイルとは性質が少し違う。名称の「トリ〜グリセリル」が示すとおり、この成分は3つの高級脂肪酸がグリセリンに結合したトリグリセリド構造を持っている。天然に存在する同じ構造の成分は「油脂」と呼ばれる。そのため、この成分は化学合成で作った油脂という意味で「合成油脂」とも呼ばれる、と話者は説明する。トリグリセリド構造は皮脂の主成分でもあるので、これまでは主にスキンケア化粧品に使われてきた。話者は、肌を柔らかく整え、保湿力の高いベース成分として働く可能性が高いと見ている。
これに対し、同じ製品に入っているミリスチン酸イソプロピルは昔からよく使われてきたエステルオイルで、高級脂肪酸を1つしか持たない構造であり、トリグリセリドとは大きく異なる。話者によれば、エステルをベースにしたクレンジングはさっぱりした使用感で洗浄力が高くなる。油脂をベースにするとしっとりして保湿力も高いが、洗浄力はマイルドになる。このため話者は以前から、乾燥肌や敏感肌には油脂ベースの「油脂クレンジング」を勧めてきた。
油脂クレンジングの弱点は価格
話者は、自身が勧めてきた油脂クレンジングには大きな弱点があり、それが価格だと話す。たとえばパールシャインにも配合されているヒマワリ種子油のような天然の植物オイルは原価がとても高い。油脂クレンジングと呼ばれる製品は、こうした植物オイルをかなりの高濃度で配合しているのが一般的だ。高級クレンジングには高価な油脂をベースにしたものも少なくないが、プチプラの価格で実現するのは極めて難しい。話者の知る限り、2000円かそれを下回る価格帯で油脂ベースのクレンジングはほとんど存在しない。そうした価格で作ろうとすると、ベースオイルの原価だけで売価を上回りかねないとも見積もっている。
パールシャインは、高価な天然植物オイルの代わりに、化学合成で安く作れて油脂に近い使用感を持つトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを採用した。これによって約1000円という価格で、洗浄力を保ちながら油脂クレンジングに近い使用感を実現した、と話者は評価している。
ただし話者は留保もつけている。油脂クレンジングの使用感はベース油脂の脂肪酸組成にも大きく左右されるので、この成分だけで完全に再現できるわけではない。それでも、これまで1000円程度で売られてきた安価なクレンジングオイルとは「一線を画す」と述べる。実際に試した感想としては、さらりとしたエステル系と、しっとりして肌が柔らかくなる油脂系の中間のような使用感だったという。
「使用感を求めるなら妥協せず植物オイルを使うべき」という意見もあるだろう、と話者は認めている。そのうえで、化粧品の原価が上がり景気もよくない今、クレンジングに何千円も出し続けられる人は多くないとして、合成油脂を活用した「疑似油脂クレンジング」は心強い存在だと述べる。成分上はエステル系でありながら油脂クレンジングの特性もあわせ持ち、日常使いに向く。この意味で「次世代型エステルクレンジング」と呼んで差し支えない、というのが話者の結論である。
毛穴・角栓ケアへの期待
話者はさらに毛穴ケアの観点からも説明している。従来のエステル系クレンジングはメイクとなじみやすく、毛穴に詰まったメイク汚れを落とすのは得意だ。一方、毛穴にできる角栓は主にタンパク質と皮脂の固形物でできていることが研究で分かっており、皮脂に近い構成なのは油脂などのトリグリセリド系オイルのほうだという。
メーカーによれば、パールシャインは皮脂汚れとのなじみが良く、毛穴汚れを残しにくい設計になっている。かずのすけは以前から油脂クレンジングが毛穴ケアに効果的だと勧めてきたので、それに近い使用感のこの製品なら毛穴ケアにも優れた効果があっても「おかしくない」と述べる。これはあくまで話者の見立てである。使い方としては、角栓が詰まりやすい部分を軽くマッサージしながらメイクオフすると角栓が柔らかくなり、落ちやすくなるだろうとしている。別の動画で紹介した油脂クレンジングによる毛穴ケア法にも使える可能性がある、とも付け加えた。
「透明つや肌」と「毛穴すべ肌」の違い
LDKでA評価を受けたのはピンクの透明つや肌のほうだったという。2種類はベース成分の構成や使用感、洗浄力が基本的に同じで、違いは保湿成分にある。透明つや肌にはビタミンC誘導体のパルミチン酸アスコルビルが多めに入っており、毛穴すべ肌にはレチノールが保湿成分として配合されている。
話者は、どちらも洗い流すクレンジングオイルなので高濃度ではないだろうとしたうえで、成分で選ぶなら透明つや肌を勧めている。理由は、パルミチン酸アスコルビルはレチノールと比べて、オイルの安定性を高める抗酸化成分として役立つからだ。また、毛穴すべ肌にはエタノールが入っているが、メーカーによれば製品全体で0.001%以下のごく微量で、使用感には影響しないという。それでも、よりシンプルな構成という点からも透明つや肌のほうがおすすめだと話者は述べている。
実験1:3種類のファンデーション
洗浄テストでは、白い皮膚モデルに3種類のファンデーションを塗り、それぞれ1分間ドライヤーで乾かしたものを用意した。マイルドなリキッドタイプ、クリームタイプ、崩れ防止のリキッドタイプの3種類である。洗浄力は2種類とも同じなので、ここでは透明つや肌を使い、それぞれ約1プッシュずつ垂らした。
マイルドなリキッドとクリームは軽く触る程度で落ち始め、摩擦が少なくて済むので肌にも優しく、日常使いにちょうどいいと話者は評価した。落ちにくい崩れ防止タイプも、少しこするだけで簡単に落ちた。ぬるま湯で流すと、すぐに乳化してさらりと流れ、洗い上がりにメイクの残りは見られなかった。
一方で話者は、オイルが水のようにさらりとした軽いテクスチャーなので好みが分かれるだろうと指摘している。本人としては、もう少しとろみがあるほうが使いやすいかもしれないと感じたという。
実験2:2種類のアイライナー
次に、2種類のアイライナーで試した。左はお湯で落とせるウォータープルーフタイプで、ポリマーなどの皮膜を作る成分をベースにした「フィルムタイプ」である。右はスーパーウォータープルーフタイプで、イソドデカンや水添ポリイソブテンなどの油性成分で落ちにくくしている。どちらも約30秒ドライヤーで乾かし、今回は毛穴すべ肌を1プッシュずつ使った。
お湯落ちタイプは、綿棒で軽くなぞるだけでポロポロと簡単に落ちた。話者によれば、クレンジングによってはかなり落としにくいアイライナーなので、とても優秀な結果だという。スーパーウォータープルーフタイプも、なぞった時点では落ちているように見えた。しかし水で流すと、指で軽くなぞった程度ではわずかに色が残った。
このことから話者は、イソドデカンや水添ポリイソブテンのような強い被膜を作るアイライナーはやや苦手としているようだとし、組み合わせには注意してほしいと述べた。ただ、もう少ししっかりこすればきれいに落ちるだろうとも話している。また、最近売れているアイライナーの多くはお湯落ちのフィルムタイプなので、大半の製品は問題なく使えるだろうという見方を示した。
香りと価格
香りはどちらもしっかりついており、透明つや肌はフローラルフルーティ、毛穴すべ肌はシトラスフルーツの香りである。話者は、透明つや肌はかなり甘い系なので、シンプルなシトラス系の毛穴すべ肌のほうが個人的には扱いやすいと感じたという。微量成分の違いは無視してよいと考えているので、好きな香りで選ぶのもよいとしている。
価格はオープン価格で、販売店によって異なる。話者が調べた範囲では、Amazonでは2種類とも1000円程度で売られていた。
結論:プチプラの合成油脂クレンジングは記憶する限り初めて
最後に話者は、ダヴには手頃なプチプラボディケアブランドというイメージを持っていたので、これほどの製品があるとは思っておらず、成分を確認したときはとても驚いたと振り返った。トリグリセリド系の合成油脂を使ったエステル系クレンジングオイルは、探せばほかにもあるかもしれない。それでも、誰もが手に取りやすい価格で手に入る製品は、話者の記憶では初めてだという。
ダヴは1950年代から新しい形の洗浄料を開発してきた。話者はこれを、洗浄系アイテムの開発力に昔から定評がある証拠と見ている。効果の高い化粧品をより安く手に入れられるようになるのは歓迎すべきことだとして、こうした製品が今後もっと増えることへの期待を述べて動画を締めくくった。
皆さんこんにちは。かずのすけです。本日はユニリーバ・ジャパンのタイアップで、今年の春に新発売していた次世代型エステルクレンジング、ダヴ パールシャイン クレンジングについてご紹介します。
今日はユニリーバのプチプラスキンケアブランドであるダヴから掘り出し物の名作を見つけたので、詳しくお話ししていきたいと思います。まずダヴというブランドについて簡単にまとめたいと思います。ダヴは元々1957年にアメリカで生まれたブランドで、特に当時革新的な発明だったビューティバーは、現代でもダヴシリーズの象徴的存在として高い人気を博しています。
実はこのダヴのビューティバーについては、かずのすけはとても高く評価しているもので、一見石鹸のように見える製品なんですが、これは実は石鹸ではなく、ラウロイルイセチオン酸ナトリウムというマイルドな洗浄成分がベース成分になっている固形洗浄剤だったんですよね。このラウロイルイセチオン酸ナトリウムは、昨今、今ではシャンプーなどによく配合されているタウリン系洗浄成分と似た洗浄特性の成分なので、かなりいい成分だったと思います。当時といえば洗浄剤イコール石鹸一強の時代でしたからね。この時からよりマイルドな洗浄成分を実用化していたのは、本当にすごいことでした。
それ以外にも現在ではスキンケアやボディケアなど多くの商品がありますが、全般的に洗浄系に長けたプチプラブランドだと感じています。今日ご紹介するパールシャインシリーズは、今年の春、4月6日に新発売したダヴの最新シリーズで、他にも洗顔料や泡メイク落としなど複数のラインナップがあったのですが、その中でもこのダヴ パールシャイン クレンジングオイルは洗浄科学のプロとしても注目の製品になっており、皆さんにご紹介したく思っていました。
まず最初に簡単にダヴ パールシャインシリーズについての解説です。こちらについて公式サイトを参考にすると、ダヴは真珠のような艶やかな輝きに発想を得て、真珠の構成要素と同種類の12種類のアミノ酸を保湿成分として配合した新商品、ダヴ パールシャインシリーズを発売。洗顔料、泡洗顔料、クレンジングオイル、3 in 1泡メイク落としを展開し、肌ニーズや肌の悩みに合わせて選べるシリーズとして、2026年4月6日より全国で発売開始します。ということで、ダヴシリーズでも完全新規のブランドが今年春に新発売となっています。
内容としては、真珠と肌が共にアミノ酸を含む成分から構成された相似点に着目したもので、真珠の構成要素と同種類の12種類のアミノ酸を配合した独自のパールシャイン処方を採用しているとのこと。さらに他にも多様な保湿成分を配合した洗浄アイテムが揃っており、なりたい肌印象や悩みに合わせて複数のラインナップの展開を用意しています。
また今回新発売したダヴ パールシャイン クレンジングオイルは、ダヴからは7年ぶりのクレンジングオイルとなるらしく、同シリーズ内でも自信ありの完成度とのこと。実際に美容マニアも参考にする美容情報誌のLDK the Beauty 6月号では、「ベースの洗浄成分に専門家も唸る」とその成分の組み合わせが評価され、A評価も受賞していたそうです。これは僕も同じ感想で、ダヴはかなり高コスパのシリーズですから、その価格を考慮すると納得のA評価だと思いますね。まだあまり知られていない新商品だと思いますが、このクレンジングはまさしく隠れ名作だと思います。
というわけで実際に成分をチェックしてみましょう。ダヴ パールシャイン 透明つや肌クレンジングオイルと、ダヴ パールシャイン 毛穴ケアすべ肌クレンジングオイルです。ピンクの方が透明つや肌、グリーンの方が毛穴ケアすべ肌タイプですね。この2つのクレンジングは洗浄成分の構成や基本の骨格、洗浄力などは同一で、一部の保湿成分のみ異なっているとのことなので、同時に解説していきます。
パールシャイン クレンジングオイルの成分はこのようになっていて、まずベース成分がトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルという成分になっています。この成分はクレンジングオイルのベース成分としては珍しいもので、このクレンジングで特に注目している成分とも言えるものなので、後で詳しく解説しますね。次にミリスチン酸イソプロピルが、さらりとした使用感のエステルオイルです。
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルとテトラオレイン酸ソルベス-30が非イオン界面活性剤の一種で、クレンジングの乳化剤の働きをしてくれます。この2つの成分は地味ではありますが、かなりいいチョイスだと思います。いずれもマイルドな使用感ですし、僕もオリジナルのクレンジングオイルに採用したり、これまでおすすめしてきたクレンジングオイルでもベースに採用されていた成分ですね。
特にクレンジングオイルで重要な乳化について、以前動画でも解説したことがありますが、本品はこれらの成分の組み合わせによって乳化力がとても高くなっているため、なんと3秒乳化が可能というほど瞬時にオフができるとのことです。真珠の構成要素と同種類の12種の非動物性由来のアミノ酸、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、アルギニンが配合された処方で、マイルドにクレンジングしつつスキンケア効果も狙えるように設計されています。
そして今回僕がこのパールシャイン クレンジングオイルをご紹介しようと決めた最大の要因が、このベース成分、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルです。この成分はかずのすけの動画でも実はこの前何度か出てきたことがある成分なのですが、基本的にはスキンケアのクリームなどに用いられているオイル成分なんですよね。最近では僕のおすすめの日焼け止めの主成分に採用されたりもしていましたが、従来ではクレンジングオイルにベース成分として採用されていることはほぼありませんでした。
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは、分類としては合成エステルと呼ばれるオイルの一種で、化学合成して作るオイルではあるのですが、一般的なエステルオイルとは少し異なった特徴を持つ成分です。というのも、この成分はトリ何々グリセリルという名称が示すように、トリグリセリドという構造を持っており、これは3つの高級脂肪酸がグリセリンにくっついた化学構造をしています。そしてこのような成分は天然に存在する場合は慣用的に油脂とも呼ばれており、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは化学合成して作る油脂という意味で、通称として合成油脂とも呼ばれている成分なんです。
このようなトリグリセリド構造を持つ成分は、肌に元々存在する皮脂の主成分でもあることから、主にスキンケア化粧品として活用されてきました。お肌を柔らかに整え、保湿力も高いベース成分として機能する可能性が高いと思います。ちなみにベース成分に入っていたミリスチン酸イソプロピルは、古くから一般的に用いられてきた汎用的なエステルオイルですが、この成分は化学的な構造としては1つの高級脂肪酸からなるオイル成分なので、トリグリセリドとは大きく異なる構造をしています。
このようなエステルベースでクレンジングを作ると、よりさっぱりした使用感のクレンジングとなり、より洗浄力が高くなります。一方で油脂ベースでクレンジングを作ると、しっとりした使用感のクレンジングになり、保湿力も高いですが、洗浄力がマイルドになるという特徴があります。なので以前から乾燥肌や敏感肌には、油脂をベース成分にした油脂クレンジングがおすすめとご紹介していたんですよね。
しかし僕がおすすめしている油脂クレンジングには1つの大きな弱点があり、それが価格なんですよね。例えば今回パールシャイン クレンジングでも配合されているヒマワリ油脂は、ヒマワリの種子から得られる代表的な成分の1つなのですが、こういった天然の植物オイルは何としても原価がとても高いのです。油脂クレンジングと言われるクレンジングオイルは、このような天然の植物オイルをベース成分として配合しており、かなり高濃度で配合しているものが一般的です。
高級クレンジングオイルなどでは、こういった高級油脂類をベース成分に配合したものは少なくありませんが、プチプラの価格でこれを実現するというのは極めて困難です。全体で2000円か、それを下回るような価格帯のクレンジングでは、油脂ベースのクレンジングは僕の知る限りはほぼ存在していません。それをすると、ベース成分のオイルの価格だけでも売価を上回ってしまう可能性もあるほど、実現可能性が極めて低いと考えられます。
その点、ダヴ パールシャイン クレンジングオイルでは、高価な天然の植物オイルではなく、化学合成して作れる安価な合成エステルオイルで、その使用感に近い成分であるトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを採用しています。これにより本品は約1000円程度という驚きのコスパでありながら、洗浄力にも長けつつ、高価な油脂クレンジングに近い使用感の実現に成功しているんです。
無論、油脂クレンジングの使用感は、そのベース配合をしている油脂の脂肪酸組成などもとても重要になってくるので、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルでその使用感を完全に再現することはできませんが、今まで1000円程度の価格で販売されてきた安価なクレンジングオイルの使用感としては、一線を画すものがありました。僕も実際に試してみたところ、さらりとした感触のエステル系クレンジングと、しっとりしつつ柔らかな肌になる油脂系クレンジングの中間的とも言える絶妙な使用感となっており、ハイコスパなダヴの価格帯を考慮すると、これは本当に素晴らしい発明になっていると思います。
より良い使用感を目指すなら妥協なく植物オイルを使うべきという声もあるかなと思いますが、現在は時勢もあり化粧品の原価がどんどん上がっていたり、景気も決して良くはありませんから、クレンジングオイルに何千円もポンと出し続けられる人も多くはないと思っております。コスパと使用感のバランスを考慮した時、このような合成油脂を活用した疑似油脂クレンジングの存在は、とても心強いものがあるのではないでしょうか。
ゆえにこのパールシャイン クレンジングオイルは、成分的にはエステル系クレンジングでありながら、油脂クレンジングの特性を併せ持つことで日常使いに適した使用感となる、次世代型エステルクレンジングと言って差し支えないのではないかと僕は感じました。
また従来のエステル系クレンジングはメイクとの馴染みは良く、毛穴に詰まったメイク汚れを落とすのは得意なのですが、毛穴で形成されている角栓の主成分は、主にタンパク質と皮脂の固形物が多く含まれているということが研究で分かっています。なので皮脂により近い構成なのは、油脂などのトリグリセリド系のオイルです。パールシャイン クレンジングは皮脂汚れとの馴染みが良いとのことで、毛穴汚れを残しにくい設計にもなっています。
元々かずのすけも油脂クレンジングは毛穴ケアに効果的と長くおすすめしてきたものですので、それに似せた使用感のパールシャイン クレンジングであれば、毛穴ケアに優れた効果があってもおかしくありません。またエステル系オイルのクレンジングでもあるので、油脂クレンジングの使用感を持ちながらも、メイクとの馴染みが良く、クレンジング力にも優れています。メイクオフする際に毛穴の詰まりやすい部位には軽くマッサージしつつ使用することで、角栓が柔らかくなり落ちやすくなると思います。別の動画で紹介している油脂クレンジングを使ったケア法にも活用できる可能性があると思います。
ということで、ベース成分のオイルとマイルドな乳化剤の構成だけでも、とても優秀な組み合わせのクレンジングになっていると思います。冒頭でもお話ししたように、LDKのA評価も納得の完成度です。ちなみにLDKで評価されていたのは、こちらのピンクの透明つや肌の方だったそうなのですが、もう1つの毛穴ケアすべ肌との違いについても詳しく解説したいです。
先ほども言ったように、この2つはベース成分の構成と使用感などは根本的に全く同じとなっているそうで、洗浄力なども同様とのことです。異なっているのは成分の構成で、透明つや肌ではパルミチン酸アスコルビルというビタミンC誘導体がより多く配合されているのに対して、毛穴ケアすべ肌はレチノールが保湿成分として配合されています。ただ、いずれも洗い流しのクレンジングオイルですので、高濃度ということはないと思います。
その点でレチノールに比べてビタミンC誘導体は、オイルの安定性を高める製品の抗酸化成分として有用なので、成分で選ぶとどちらかといえば透明つや肌タイプがおすすめだと思っております。なお毛穴ケアすべ肌タイプにはエタノールが配合されているのですが、これは製品全体でも0.1ppm、つまり0.001%以下であり、使用感には全く影響しない微量配合とのことです。とはいえ、よりシンプルな構成の方がいいかなという点でも、透明つや肌がよりおすすめです。
というわけで実際の使用についてです。こちらにファンデーション3種類、左から優しいリキッドタイプ、クリームタイプ、崩れ防止のリキッドタイプのメイク汚れをつけた皮膚モデルを用意しています。いずれもファンデーションを塗布して、1分ずつドライヤーで乾かしています。皮膚モデルについては分かりやすいように白いタイプを使っております。洗浄力については2タイプどちらも同じなので、今回は透明つや肌タイプを使用します。それぞれに約ワンプッシュのオイルを垂らしています。
優しいリキッドタイプとクリームタイプ、いずれもこんな感じですね。軽く触る程度でするっと落ちていきますね。とても優秀です。低摩擦で簡単に落とすことができますので、お肌にも優しいですね。日常使いにちょうどいいと思います。また落としにくい崩れ防止タイプのリキッドファンデも、パールシャイン クレンジングオイルでしたら、少し擦るだけで簡単に落とすことができました。
実際に水で流しています。いずれも3秒乳化できるということで、すぐに乳化反応が起こりまして、ぬるま湯で流すだけでこんな風にさらりさらりと汚れが綺麗に落ちていきます。実際の洗い上がりもこんな感じで、全くメイク汚れの残りがありません。いろんなタイプのファンデーションに対しても、ばっちりの洗い上がりです。ただオイルがかなり軽めで、水のようにさらりとしたテクスチャーなので、ここは好き嫌いがあるかなと思いました。僕はもう少しとろみ感があった方が使いやすいかもなとは感じましたね。
次にもう1パターンの実験もやっています。こちらは2種類のアイライナーを用意しております。左側がお湯落ちのウォータープルーフタイプのアイライナーです。そして右側がスーパーウォータープルーフタイプのアイライナーを用意しております。どういう違いがあるかというと、左側はフィルムタイプという風に言われているような、ポリマーなどが主体に配合されているもの。右側はイソドデカンや水添ポリイソブテンなどの油成分で落ちにくさを作っているタイプという違いがあります。
こちらの汚れについても、いずれも約30秒間ドライヤーで乾かしております。今回は毛穴ケアすべ肌タイプのオイルクレンジングを使用していきます。というわけでやってみます。いずれもワンプッシュ使っております。まずはお湯落ちのウォータープルーフタイプのアイライナーですが、ご覧の通り指で軽くなぞると、とても簡単にポロポロと汚れが落ちていくのが分かります。実はクレンジングによってはかなり落としにくいアイライナーなので、非常に優秀な働きだと思います。
次にイソドデカンなどをベース成分に配合しているスーパーウォータープルーフのアイライナーも、優しくなぞった程度でこんな感じで落ちてはくれたのですが、実際に水で流してみると、こんな感じでお湯落ちの方は汚れ残りなく落ちたのですが、スーパーウォータープルーフタイプは指で軽くなぞった程度だと若干色が残っちゃったんですよ。なのでスーパーウォータープルーフタイプのアイライナーはやや苦手としているのかなと思いましたので、イソドデカンとか水添ポリイソブテンみたいな強力な被膜を作るタイプのアイライナーとの組み合わせは、よく注意してほしいかなと思いました。
ただ、もう少ししっかり擦れば綺麗に落ちると思いますし、あとは最近の売れ筋のアイライナーは、ほとんどがお湯落ちのフィルムタイプのウォータープルーフアイライナーだと思いますので、大体のものが問題なくご利用いただけると思います。
ちなみに、いずれも香料がしっかり入っているタイプのクレンジングで、透明つや肌がフローラルフルーティの香り、毛穴ケアすべ肌がシトラスフルーツの香りということで、香りには違いがあります。正直、香りについては透明つや肌がかなり甘い系なので、シンプルなシトラス系の毛穴ケアすべ肌の方が個人的には扱いやすく感じました。微量成分は無視してもいいと思うので、ぶっちゃけお好きな香りで選んでいただくのも良いかなと思いました。
というわけで、本日はダヴ パールシャイン クレンジングオイルについてご紹介しました。本作はすでに発売済みで、価格はオープン価格となっているので販売店によって異なると思いますが、一応かずのすけ調べによると、Amazonでは両方とも1000円程度の価格で販売されています。ちなみに現在Amazonでは、先着3000個相当が15%オフになるキャンペーンも実施しているということですので、ぜひ概要欄の詳細もチェックしてみてくださいね。
先ほどもお話ししたように、元々ダヴというと高コスパのプチプラスキンケアというイメージのブランドだったので、これほどすごい商品が隠れているとは全く思っていなかったため、今回本作の成分をチェックした時はとても驚きました。トリグリセリド系の合成油脂を使った次世代型エステル系クレンジングオイルは、もしかしたら他にも探せばあるのかもしれませんが、誰もが手に取りやすく安価で入手できる製品というのは、僕の記憶では初めてのことです。
ダヴは1950年代から進化型の石鹸を開発したり、洗浄系アイテムの開発能力には、はるか昔から定評があると感じております。効果の高い化粧品がよりコスパよく入手できるようになることは、とても歓迎されるべきことだと思いますので、今後こういった製品がもっとたくさんできたらいいなと期待値が高まる隠れ名作になっていました。まさか約1000円の次世代型エステルクレンジング、ダヴ パールシャイン クレンジングオイル。気になった方はぜひ試してみてくださいね。
ということで今日の動画は以上になります。こちらの動画がいいと思いましたら、チャンネル登録と高評価、ぜひよろしくお願いいたします。それでは次回の動画でまたお会いしましょう。バイバイ。
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