無印良品「植物発酵液 ヘッドスクラブ」を成分から読む:主成分は塩、洗浄成分はマイルド

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概要

美容化学者のかずのすけが、無印良品の「植物発酵液 ヘッドスクラブ」を成分と使用感から解説した。2026年3月に発売され、SNSで「地肌のにおいが消える」と話題になった製品である。発売時には気づいていなかったが、話題になってから成分を確認したところ「かなりいい商品」だと感じたという。動画では、なぜにおいやべたつきに効くと感じられるのか、どんな人に向くのかを、成分構成と人毛エクステンションでの試用をもとに説明している。

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「天然由来成分100%」という表現への疑問

最初に取り上げたのは、2026年2月26日に良品計画が出したリリースだ。それによると本品は、「天然由来成分100%」にこだわったスキンケア発想のヘアケアシリーズの新アイテムである。週に1〜2回、頭皮の状態に合わせてシャンプーの前に使うスクラブタイプで、天然由来のスクラブが頭皮の古い角質や、においのもとになる皮脂汚れを取り除くと説明されている。

かずのすけは、無印良品の植物発酵液ヘアケアシリーズを高く評価している。市販品の中ではかなり上位の品質で、十数年前ならサロン専売品でもおかしくないレベルだという。価格は1,000円以下ではないが、その品質は侮れないと述べた。

一方で「天然由来成分100%」という表現については「言葉遊び」だと指摘する。「天然成分」と書けば化学合成を含まない印象を与えるが、「天然由来成分」は由来さえ天然であればよい。たとえば石油は天然資源なので、石油から化学合成した成分も天然由来成分と呼べてしまう。リリースの注釈にも「天然成分を化学的に反応させた成分を含む」とある。そのため、ヘアケアで天然由来成分100%と書かれていても大した意味はない、というのが話者の見方だ。この表現は胡散臭いのであまり使ってほしくないとしつつ、それを抜きにしてもシリーズの品質は高いと評価している。

保湿成分としては、独自開発のコメヌカ発酵液に加えて、ハトムギ種子発酵液と大麦種子発酵液の3種類の植物発酵液が配合されている。

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ラインナップと話題になった経緯

香りはラベンダー、グレープフルーツ、ミントの3種類で、成分構成は共通だ。さらに、新しく出る「リラクシング」シリーズにもヘッドスクラブが加わるという情報があり、動画公開の頃には実質4種類になっている見込みだと話者は述べた。ただしリラクシング版は成分がまだわからないため、同じ内容かどうかは改めて解説したいとしている。

話題になった経緯として、10月2日のYahoo!ニュースの記事が紹介された。記事は、1,490円のヘッドスクラブで頭皮のにおいをケアするという内容で、公式オンラインストアのレビューが490件を超える人気商品だと伝えていた。かずのすけによれば、レビューは香りごとに分かれていて432件、507件、354件あり、合計すると1,200件を超える。発売から日が浅いにもかかわらず、大人気商品になりつつあるという。

記事で引用されたレビューには、次のような声があった。

  • 使うと午後でもにおわないと気づいた
  • 頭のにおいが気になる小学6年生の息子にも使わせている
  • その後のシャンプーの泡立ちがよくなり、髪が根元からふんわり立ち上がる
  • ドライヤー後の髪がさらさら・ふわふわになる

頭皮だけでなく、髪質の変化を感じたという投稿もある。

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主成分は水より多い塩化ナトリウム

ここから成分の解説に入る。ヘッドスクラブというジャンルは、かずのすけのシャンプー解析の歴史でもほとんど見たことがないものだという。最大の特徴は、全成分表示で水より先に塩化Na、つまり塩が記載されていることだ。ジャリジャリした粒子の正体はこの塩である。

正確な濃度はわからないとしたうえで、話者は次のように推定する。一般的なシャンプーでは洗浄成分が10〜15%程度入る。それと比べると、塩は数十%、おそらく30〜40%程度は入っていそうだという。

スクラブ剤には、砂糖を使うシュガースクラブや、洗顔料に入っているポリエチレンのビーズなどさまざまな種類がある。その中で塩を選んだことを、かずのすけは安全性の面から評価している。理由は3つある。水に溶けやすいこと、排出されても環境に蓄積するリスクがないこと、皮膚に付いてもほとんど刺激がないことだ。

また、十分なエビデンスがあるかはわからないと断ったうえで、高濃度の塩で頭皮をもみ込むとにおいが取れるという「おばあちゃんの知恵」的なケア法が昔からあることにも触れた。高濃度の塩を含むことで、地肌への効果があるのかもしれないと考えている。

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洗浄成分の構成:マイルドでそれなりの洗浄力

次に評価したのが洗浄成分の組み合わせだ。マイルドでありながら、それなりの洗浄力も出せる構成になっているという。

  • ココイルメチルタウリンNa:タウリン系の洗浄成分。洗浄力は比較的高めだが、マイルドに使える万能性の高い成分で、かずのすけが以前から勧めてきたもの。無印良品の過去のシリーズでも、洗浄力が高めの製品に使われていたという。
  • ココイルグリシンNa:アミノ酸系の洗浄成分。アミノ酸系の中では洗浄力が比較的高い。
  • ジステアリン酸PEG-150:非イオン系界面活性剤。洗浄力もわずかにあるが、主に増粘剤として働く。
  • トリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコース:同じく非イオン系で、ほぼ水溶性の増粘成分として使われている。

話者が注目したのは、非イオン系成分が2つ入っている点だ。非イオン系成分はワックスなどの油性成分を乳化しやすくする。そのため、使用後にシャンプーの泡立ちがよくなるというレビューの声を、これらが助けている可能性は十分あると見ている。

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香り・保湿成分・補修成分

香料は天然の香りという印象で、作り物っぽさが少なく、気持ちよく使えるという。ただ、ラベンダーとグレープフルーツは香りがしっかりしていると感じたので、個人的にはミントが使いやすそうだと話している。メントールも入っているため、ややスースーする仕様だと思われる。

その他の成分は次のとおりだ。

  • プロパンジオール、グリセリン、ペンチレングリコール:保湿
  • クエン酸:pH調整
  • カプリロヒドロキサム酸:防腐・防腐補助成分で、キレート剤としても働く
  • コメヌカ発酵液、ハトムギ種子発酵液、大麦種子発酵液:無印良品独自の発酵成分。ただし、水より多く入っている製品もある無印のスキンケアと違い、このヘアケアではそこまで高濃度ではないようだ
  • 加水分解大豆タンパク:ダメージ補修
  • コメ胚芽油、アルガニアスピノサ核油、ブドウ種子油、メドウフォーム油:頭皮の保湿や髪のしっとり感を演出する油性成分
  • セラミドNP(ヒト型セラミド)
  • アラニン、アルギニン、グルタミン酸Na、セリン、プロリンの5種類のアミノ酸
  • (ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク:ドライヤーの熱に反応して髪を保護し、ダメージを補修するヒートアクティブ成分。植物発酵液ヘアケアシリーズにも配合されている
  • ポリクオタニウム-51:リピジュアと呼ばれる保湿成分
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防腐剤をほとんど使わない設計

かずのすけが改めて全成分を見て気づいたのは、防腐剤らしい成分がカプリロヒドロキサム酸くらいしかないことだ。塩化Naがここまで高濃度だと、雑菌が繁殖できなくなる。醤油に防腐剤が入っていないのと同じ理屈で、防腐剤をほぼ配合せずに設計できている。この点も魅力の一つだという。

無添加の表示は、合成香料、着色料、鉱物油、パラベン、アルコールの不使用で、アレルギーテストも済んでいる(すべての人にアレルギーが起きないわけではない、という注記付き)。合成香料不使用なので、香料はすべて天然の精油などを使っているようだ。ベース成分も丁寧に組まれており、幅広い肌質の人が使えるだろうと話者は見る。香りが苦手な人には厳しいかもしれないが、その場合もミントなら比較的使いやすいのではないかとしている。

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価格と使用頻度

価格はいずれも200gで税込1,490円。普通のヘアケア製品としてはやや高めだが、使用は週に1〜2回でよく、メーカーの目安も週2回までなので、かなり長持ちするとかずのすけは述べた。

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人毛エクステンションでの試用

本来は頭皮ケアの製品なので頭皮で試したかったが、今回はいつもの人毛100%のエクステンションで試用した。そのため地肌への効果はわからないが、製品のイメージは伝えられるとしている。使ったのはミントの香りだ。

使い方として、最初に予洗いをしっかり行い、地肌もよく洗っておくことを勧めている。中身を出すと粒々・ザラザラがしっかり入っていて、半分くらい塩なのではと感じたという。

泡立ちはあまりよくない印象だった。塩分の濃いシャンプーは泡立ちが弱くなる性質がある。塩化Naはある程度加えると泡立ちがよくなるが、一定量を超えると逆に泡立ちにくくなるので、これは仕方ないと話者は説明する。泡で洗う代わりに、塩のスクラブで物理的に洗う製品という位置づけになる。頭皮に残った皮脂や、においのもとになる成分を落とせるという。

殺菌効果については慎重な言い方をしている。高濃度の塩分は雑菌が繁殖できない環境をつくるが、頭皮を滅菌するようなことはできないと個人的には考えている。それでもにおいがかなり軽くなるという声があるので、何らかの効果はあるかもしれない。成分を見る限り、殺菌成分やにおいを吸着する成分は他に入っていないため、効果があるとすれば高濃度の塩化Naによるものだろう、というのが話者の推測だ。

仕上がりについては、ダメージのあるエクステのサンプルでも、きしみはそれほど出なかった。海外製のスクラブシャンプーはきしみが出やすいものがあるが、それと比べると柔らかい仕上がりだったという。ただし、レビューには強いダメージヘアできしみが出たという人もいた。そのためダメージが気になる人は、毛先まで洗わずに地肌をもむだけでもよいと助言している。多少のダメージ程度なら、普通に洗ってもダメージが加速することはないだろうとの見立てだ。

ドライヤーで乾かした後も髪はガサガサにならなかった。指通りに多少しっかり感は出たものの、シリコーンなどの皮膜成分が残ってべたつく製品に比べると自然な風合いで、「これだけでもいい」という人もいそうなほど、さらっとふんわりまとまったという。なお、本来はこの後にシャンプーやトリートメントを使う製品なので、多くの場合は仕上がりがさらによくなるだろうとしている。

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なぜ泡立ちや仕上がりがよくなると感じられるのか

かずのすけは、レビューにある効果の理由を複数の可能性に分けて説明した。

  1. 高濃度の塩化Naによる地肌への作用と、においの軽減。
  2. 香料がすっきりしていて爽やかに感じられること。
  3. 非イオン系界面活性剤によって、蓄積したシリコーンなどが落ちやすくなっている可能性。
  4. 単純な予洗い効果。シャンプー前に皮脂をある程度落とすと、泡立ちは当然よくなる。普段プレシャンプーをしていない人が、ヘッドスクラブの後にシャンプーすれば、それだけで泡立ちが増すことも見込めるという。
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最大の推しポイントはベース成分の穏やかさ

それでも話者がこの製品で最もいいと考えるのは、ベース成分の構成がよくまとまっている点だ。国産のヘアケアでヘッドスクラブは多くなく、海外ブランドのものが多い印象だという。そうした製品は洗浄力が高く、敏感肌の人や地肌が弱っている人には使いにくいものが多い可能性が高い。本品はマイルドな成分で構成されているので、さまざまな人が試しやすい。

タウリン系の洗浄成分は高級なサロン専売品にも使われているもので、ある程度ダメージのある人でも使えると話者は見ている。ただし、ダメージが蓄積した髪をスクラブでこすると、ダメージが増える可能性がある。髪は泡を伸ばす程度にとどめ、地肌をスクラブでもみ込むのが基本的によい使い方だという。また、パッケージがシンプルで浴室に置いても違和感がない点も、個人的なおすすめポイントとして挙げた。

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ビルドアップ対策としての位置づけ

最後にかずのすけは、以前から話しているヘアケアの問題に触れた。最近はシャンプーの洗浄力がマイルドになりすぎ、トリートメントなどの皮膜成分が蓄積する「ビルドアップ」が起こって、髪の質感が落ちている人が増えているという。そうした髪に対しても、このヘッドスクラブで蓄積した皮膜成分を除去すれば、コンディションを高められる可能性があると話者は考えている。

シャンプー前に使うプレシャンプー的な製品として、地肌のケアと髪のケアを同時にできる「一石二鳥」のアイテムだ、というのがかずのすけの評価である。無印良品の中でもおすすめ度の高いヘア製品だとし、頭皮のにおいや、髪がべったり重くなるのが気になる人に試してほしいと締めくくった。リラクシングシリーズの新しいヘッドスクラブについては、機会があれば改めて成分を解説したいとしている。