苦痛の向こう側へ行けるか:「オーディナリー」と「エクセプショナル」を分けるもの

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概要

この動画で話者は、人生を本気で変えたい人に向けて、夢のある話ではなく「もう少し本質的な話」をすると宣言する。中心にあるのは、痛みや苦しみから逃げるか、その向こう側まで自分を押し進めるかという問いだ。話者は前者を「オーディナリー(普通の人)」、後者を何かを成し遂げる「エクセプショナル」と呼び分ける。自身のダンス経験と、9年ぶりに挑むフィジーク大会への減量の実体験を交えながら、変わるための努力のあり方を語っている。

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予定を変えてまで撮った動画

話者によれば、この日に公開する動画は本来別の内容の予定だった。しかしこのテーマをどうしても出したくて、内容を書き起こして撮影したという。話者はこれを「みんなのための動画」ではなく、本気で人生を成功させたい人、自分を変えたい人のためのものだと位置づける。見てハッピーになる話ではなく、むしろその逆の話だという。

きっかけはどんな理由でもよいと話者は言う。今の自分の体型が嫌いだ、人に舐められたくない、一度きりの人生をやり切れずに終わるのは嫌だ、といった強い思いや経験を自分のそばに置きながら聞いてほしい、と視聴者に求める。

苦痛から逃げるのが「オーディナリー」の証拠

話者が繰り返し強調するのは、痛みや苦しみから逃げたいという気持ちこそがオーディナリーの証拠だという点だ。一方で世の中には「苦痛の向こう側」を知っている人たちがいて、その向こう側を知った人間だけが、人生で何かを成し遂げるエクセプショナルになれると話者は考えている。

好きではない会社に勤めていて仕事を早く辞めたい、もっと稼げる人間になりたい、絶対に有名になりたい。どんなきっかけであれ、普通の人ならやらないような日々の努力を積み重ね、人がやらないことを徹底してやる必要がある。ただし普通の人がやらないことをやる以上、それは簡単ではなく、痛みや苦痛を伴う、というのが話者の論理である。

筋トレとボディビルダーのたとえ

話者はこれを筋トレにたとえる。ボディビルダーと聞けば、シュワルツェネッガーのような人間離れした体の持ち主を思い浮かべるだろう。しかし話者は、そうした人たちが全員ステロイドを使ったからといってあの体になれるわけではない、と言う。ステロイドはそんな夢の薬ではない、というのが話者の考えだ。圧倒的な痛みや苦しみを経験しなければ体は変わらず、筋トレをしていない人には想像もできないようなことを彼らは毎日やっている。人並みの努力でなれるわけがないことは、聞いている誰もが分かるはずだと話者は述べる。

3:17

コービー・ブライアントの「もう一人の自分」

話者は最近見つけたという動画を紹介する。生前のコービー・ブライアントがインタビューで、練習の時は自分を全く違う人間に変えていたと語っていたという。コービーは映画『グラディエーター』の主人公マキシマス・デシムス・メリディウスを引き合いに出し、主人公が戦場に出て土の匂いを嗅ぐと「その時が自分のゴータイムだ」となる場面を挙げた。戦場に出るとスイッチが入り、自分を檻の中に入れて一気にモードが変わる。その時の自分はもう自分ではなく、「Don't fucking touch me, don't talk to me」という状態になる、と話者はコービーの言葉を紹介する。

4:15

話者自身のダンス時代:周囲を寄せつけなかった練習

この話を聞いて、話者は自分のことを鮮明に思い出したという。若くしてダンスを始めた当時、練習中は周りが見えなくなるほど集中していた。練習場には他の人もいて挨拶や会話もあったが、話者はそれが本当に苦手だった。自分が練習に行くのはうまくなるためで、会話をしに行っているわけではない。だから話しかけられるのがひどく嫌いで、当時は「話しかけづらい人」とよく言われ、おそらく怖がられていたと振り返る。ある種、自分を凶暴化させて人を近づけないようにしていた、と話者は表現する。

その結果、当時日本で誰もできないような技を中学生の坊主頭の少年が普通にやっている、ということで話者は有名になったという。大会で優勝したわけでもなく、誰かと比べていたわけでもない。どうやればいいか分からないこともとにかく繰り返しやり続け、気づけば誰もできないことを普通にできるレベルになっていた。そうした努力の積み重ねで、チームメイトも含め当時の日本では残せないような成績を次々と出したと話者は語る。

ダンスを始めたきっかけにはいじめの経験があった。当時の話者にはダンスしかなく、ダンスで初めて人に認められる経験をした。だから必死だったし、楽しくて「生きている」と本当に思えたからこそ本気になり、自分を凶暴化させていたのだと話者は振り返っている。

6:28

9年ぶりの大会と減量による不眠

話題は現在に移る。話者は最近、久しぶりに不眠になっているという。もともとは夜12時ごろに寝て朝7時ごろに起き、記憶がないほどよく眠れる生活を続けていた。夜のトレーニングでアドレナリンが出ることもあるが、それだけではなく、ある日から寝つきが悪くなり、目をつぶっても何時間も眠れず、夜中の3〜4時にまたパソコンに向かうことが増えた。

話者は原因を減量だと考えている。9年ぶりに大会に出ることになり、減量の終盤になると眠れなくなることを忘れていたという。睡眠欲や性欲もほとんどなくなっていて、ホルモンバランスが崩れているのだろうと話者は推測する。ボディメイクで大会に出る人はおそらく毎回経験しているはずだとして、対策を知っている人は教えてほしい、今のところ自分には分からない、と視聴者に呼びかけている。

トレーニング後の場面で、話者は本番まで1か月だと明かす。9年ぶりにフィジークに出ると決め、それに向けてトレーニングと減量を続けてきた。その中で改めて、何かを本気で変えたければ自分という人間を別の人間にまで変えていかなければならないと感じたという。それがコービーの言う「もう一人の自分」なのか、話者のように狂気的なまでに周りを寄せつけず打ち込むことなのか。話者はこれが絶対だとは言わないが、そこまでモードを切り替えられれば圧倒的な結果を残せると考えている。

10:46

負の感情が持つ力

多くの視聴者は「自分にはそんなポテンシャルはない」と思っているだろう、と話者は言う。しかし誰にでも、動機やきっかけになる苦しさ、嫌気、怒り、悲しみは今までにあったはずで、それはすごいパワーを秘めている。負のパワーは人の想像を超える力を持っており、それを使うことは自分のスイッチを入れる一つの方法だと話者は述べる。どうしても自分を変えたいという負の力を利用して自分を変えてきた人はたくさんいる、という。

一方で、そうした経験がなく、まだ何もできていないオーディナリーであれば、向こう側に行こうとして手前でいつもやめてしまうかもしれない。痛いし辛いし、自分をプッシュするのは苦しいからだ。ただ話者は、今あなたが辛いと感じている状況は、何もしない、動かないことで自分自身が作り出している苦しみでもあると指摘する。

11:51

向こう側に行った人にしか分からない世界

話者によれば、痛くて苦しくて普通の人が手前で止めてしまうところを押し進められる人には、不思議なことに周りから褒められたり認められたり、成長を実感できたりすることが起こり始める。それは向こう側に行った人しか知らない世界で、言葉で伝えるのは難しいという。

例として話者はスティーブ・ジョブズ、クリスティアーノ・ロナウド、イーロン・マスクを挙げ、彼らがセンスだけで誰もが知る存在になったわけではないと述べる。普通の人にはできない過酷な人生を自ら選び、徹底的にやってきた人たちだという見方だ。そこまでの努力をしろというわけではないが、自分が変わりたいなら様々な努力が必要で、しんどい、どうしていいか分からない、なかなか進まないといったことも苦痛だと話者は言う。大きな成功でなくとも、自分を変えるだけの努力をしなければ何も変わらない。そしてその苦痛は、できるだけ長く、強度を上げながら続けていく。そうすればエクセプショナルな道が開けてくる、と話者は語る。

13:43

「なにくそ」と自分に言い聞かせる

話者が「これだけ伝えたくて」と強調するのが、テンションが下がった日の心構えだ。人生にはいろいろ重なって気分が落ちる日がある。やっていることがうまくいかない、人に振り向いてもらえない。そういう時は「なにくそ」と、言葉を汚くしてもいいから自分に言い聞かせてほしいと話者は言う。それがどうした、自分が今やろうとしていることは間違いない、誰が何を言おうと絶対に成功するんだ、という強い気持ちを持っておく必要があるという。

ある日、やっていることが馬鹿らしく思えたり、熱くなっていた自分が他人のように感じられたりする瞬間が来るかもしれない。その時こそ「なにくそ」と思ってほしいと話者は語る。誰かの人生を保証するものではないとしつつ、話者は「あなたができないなんて疑うことは絶対しない」と述べ、できるから絶対に、と繰り返している。

14:59

強度は少しずつ上げる

ただし話者は、いきなり限界を超えることには警鐘を鳴らす。まだ鍛えられていない自分に耐えられない痛みを与え続ければ、肉体的にもメンタル的にも壊れる。だから苦痛というトレーニングを繰り返しながら強度を上げていく、まさに筋トレのようなものだと話者は言う。テストをしていない車を急発進させればほぼ確実に事故を起こす、というたとえも挙げている。

こうした動画を見て「今から自分は変わる」と思い立つ人もいるだろう。しかし慣れていないことを急にやれば体もメンタルも壊れる。思い立ってやったことのないことを始め、仮に苦痛を突破できたとしても、間違った方向に進んだり、やりすぎてしんどくなってやめてしまったりする。話者によれば、人間は経験の生き物で、良いことであれ悪いことであれ、経験のないことには驚いて止まってしまう。だから少しずつ強度を上げていくことがとても大事だという。お金持ちになりたい、成功したい、ビッグになりたい、自分を変えたいと思うなら、人並み以上の努力をするしかない。そうした努力を続けられるようになると、オーディナリーがなぜオーディナリーなのかが分かってくる、と話者は述べる。

16:27

ヘイターについて

話者は、他人のことをあれこれ言ってくる人、いわゆるヘイターにも触れる。多くのヘイターは痛みの向こう側に行ったことがない人だと話者は見ている。苦しみの向こう側を走り、その努力の重さが分かる人間は、人のことを悪く言う暇がなく、そもそもそういう考えにならないはずだという。もし視聴者自身が他人の愚痴を言っているなら、それは痛みの向こう側に行ったことがないと自分で手を挙げているのと同じだ、と話者は指摘する。

16:52

最も大切なのはモチベーションがない時

話者が「一番大切なこと」として挙げるのは、モチベーションがない時こそ自分という人間が最も試される、という点だ。こうした動画を見ればモチベーションは上がり、「よし、やるぞ」と思える。しかし3日、1週間、2週間、1か月と経つうちに、高い確率でモチベーションはどんどん下がり、いずれなくなる。

その時にこの言葉を思い出し、「今、あの時のモチベーションがない」と自分の状態に気づいてほしいと話者は言う。そこで「やるぞ」と決めた思いを思い出さなければ、面倒になってやめてしまい、「別にそこまで本気にならなくてもいいか」となるだろう。もう一度腰を上げるのはしんどくて面倒で、それこそが苦痛であり忍耐が求められる場面だという。この一番動けない時に自分の尻を叩いて進められる人間なら、あなたはエクセプショナルだ、と話者は語る。

17:56

苦痛が快感に変わる「覚醒」

最後に話者は一つだけ付け加える。痛みや苦しみの向こう側で生きられる人、つまり忍耐力がついてきた人は、どんどん「覚醒」に入っていくという。辛いことがむしろ楽しくなったり、気持ちよく感じられたりする状態のことだ。最初はあれほどしんどく、一生やりたくないと思っていたのに、その領域に入るとそれが快感に変わってくる。話者によれば、それは向こう側に行くことで自分の成長を肌で感じられ、多くの人がそこへ行けないことに気づき、さらにやればやるほど結果や成果として残せると分かってくるからだという。

話者はこれには中毒性があると述べ、その中毒性を手に入れることができれば、もうオーディナリーどころではなく完全なエクセプショナルだ、という言葉で動画を締めくくっている。