筋トレは「商品」であってビジネスではない:フィジーク選手兼YouTuberが語る、筋トレで食べていくための視点

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概要

筋トレを仕事にしたいと考える人に向けて、話者は「筋トレだけじゃ一生稼げない」と言い切る。体をどれだけ仕上げても、それだけでは収入につながらない。では、好きな筋トレを仕事に変えるには何が必要なのか。筋トレ系YouTuberとして10年活動し、サプリメントブランドを創業した話者は、序盤はあえて悲観的な現実を並べ、後半で「自分を俯瞰し、自分が生かされる場所を見つける」という考え方を示す。話者は、刺激の強い言葉を投げるが文字どおりに受け取らず、少し引いた視点で考えながら見てほしいとも断っている。

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9年ぶりの復帰戦を1週間後に控えた減量末期

撮影時点の話者は、フィジーク(ボディメイク競技)の大会を1週間後に控えていた。9年ぶりの復帰戦である。減量末期で、頬はこけ、体脂肪が極端に少ない状態だという。大会1週間前は「過酷な1週間」と呼ばれ、この日から4日間炭水化物を抜き、その後2日かけてカーボアップを行う予定だと説明する。並行してウォーターローディングも続けており、普段の倍の水を摂ってきたうえで、この日からは1日6リットル飲まなければならない。飲み切れる自信はないと話している。

減量末期は一般に元気がなくなるが、話者は「めっちゃ元気ある」と言う。疲れやすさは多少あるものの、周囲が言うほどのしんどさは今のところなく、ただし「多分今日からしんどい」と見込んでいる。さらに、体が極限状態にあるなかで「覚醒」のような感覚が連日起きているという。スピリチュアルではないがそれに近い感覚で、言葉にするのは難しいとし、詳しくは別の機会に話すとしている。

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大会で結果を出しても生活が苦しい理由

本題として話者がまず挙げるのは、フィジークの大会で結果を出しているのに生活がカツカツな人がこの業界には非常に多い、という現実である。これは話者が多くの人を見てきた経験と、自身の経験に基づく指摘だ。

理由の一つ目は、大会で良い結果を残しても、その時点ではまだお金が生まれないことだ。むしろ筋トレは出費を増やす。鶏胸肉、ブロッコリー、卵、サプリメント、ジムの会費がかかり、話者は「毎月自分の体重以上に諭吉が消えていく」と表現する。大会に出ればエントリー費がさらにかかる。

それでも話者は、ボディメイクは自分への投資だと位置づける。だから視聴者には、投資した分を回収する程度で終わるのではなく、投資したからこそ生まれる対価をしっかり作ってほしいという。そのうえで、この動画の軸となる言葉を示す。「筋トレは商品であってビジネスではない」。

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自分が動かないと収入が生まれない構造

なぜ筋トレだけでは食べていけないのか。話者はパーソナルトレーナーを例に説明する。トレーナーは自分自身が動かなければ収入が生まれない。怪我や病気をすれば収入は止まるし、属人性の高いトレーナーは代わりの人を立てることも難しい。インフルエンサーも同じである。放っておいてもお金が生まれる仕組みを作りにくいのが筋トレという活動だ、というのが話者の見方である。

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フォロワー数はもはや収入にならない

インフルエンサーになるにはフォロワー数が重要だと考えられがちだが、話者は以前と現在では状況が違うと言う。「フォロワーイコール収入」は幻想になった。数字があっても、売る物と動線がなければ「無料の見物」になってしまう。コンテンツ以外に売るものがあり、そこへ誘導する道筋があって初めて収入になる。コンテンツをただ量産するだけでは、無料で見られるものを増やしているにすぎない。

YouTubeには広告収入があるが、一定の再生回数を維持しなければ、生活費どころかジムの会費すら稼げないと話者は言う。普通に筋トレをしているだけで案件やスポンサーの話が舞い込むこともない。筋トレという活動でも、自分から仕掛けなければ何も始まらないという。

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「なぜこの人なのか」を伝えられないSNS運用

話者は現在、個人と企業を合わせて数名のSNS運用を見ている。そこで感じるのは、頑張って運用しているのに結果につながらない人が本当に多いことだ。たとえば、フィットネスジムを経営しながらコンテンツクリエイターとして発信している人もいる。

SNSはトレーニングの知識や発信頻度など様々な要素で成り立つ。しかし話者が問題視するのは、「なぜこの人なのか」「なぜこの場所なのか」「なぜこのサービスを選ぶのか」をうまく伝えられない人が圧倒的に多い点である。

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話者自身の経緯:Vlogから自重トレーニングへ

話者は自分の経験も振り返る。筋トレにどハマりし、ひたすらトレーニングしていた頃、収益ポイントはゼロだった。YouTubeはすでにVlogとして始めていたが、筋トレで食べていこうという意図はなかった。かっこいいVlogを作るなかで、生活の一部として筋トレが映っている程度だったという。

しばらく経ってから、自分にしかできないコンテンツを作りたいと考え、筋トレのなかでも自重トレーニングに絞った。誰でもどこでもできるという点に注目してコンテンツを作り始めると、徐々に収益につながる道が見え始めた。話者が強調するのは、自分の得意なことを開拓し、それを武器に自分の居場所を作ってきたという点だ。それこそが自分の武器であり魅力だからだという。

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筋トレYouTuberという選択肢の現実

インフルエンサーを目指す視聴者も多いだろうとして、話者は筋トレYouTuberとしての活動について率直に語る。InstagramやTikTokなど、プラットフォームを変えるだけで需要も生かされる場所も違う。話者自身はYouTubeを軸にしている。

この世界には向き不向きがあり、始めてみないとわからない。だから、ずっと頭にあるくらいなら絶対にやったほうがいいと話者は勧める。筋トレをしながらインフルエンサーとして活動が成立すれば「完璧」であり、これは自分の経験からの実感だという。好きなことを見せ、支持され、それが仕事になり、スポンサーがつき、さらに事業につながる。YouTubeがなかった時代には、筋トレの仕事といえばパーソナルトレーナー、ジムオーナー、プロボディビルダーくらいで、こうした道はありえなかった。今は誰にでもその可能性があるとして、話者は「間違いなくやった方がいい」と繰り返す。

どの程度稼げて、どれくらいの暮らしができるのかについては、上に行くほど生活は楽になるだろうと話者は言う。筋トレYouTuberの友人が多く、それぞれの事情をある程度知っており、自身も10年活動してきた。その経験から、この市場にもやり方があり、その人に合ったやり方があると考えている。みんなと同じことをしてもなかなかうまくいかないが、ある程度のパターンは存在し、それを積み上げていけば生活はできるという。

話者は、自分が誰かをプロデュースすれば、YouTubeだけで生活できるところまで持っていく自信があると話す。パターンを積み上げ、その人の個性や良さを出せばそこまで行けるはずで、「ちょっと臭く言うと方程式がある」という。一方、自力でやる場合でも、本気で頑張れば、ある程度の人は1か月の生活費の半分くらいを補えるところまでは持っていけるだろうと見積もっている。ただし簡単な話ではなく、気軽に話せる内容でもないため、詳しく生々しい話は、コメントで要望が多ければ別の動画にするとしている。

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自分の付加価値を知る

インフルエンサーでなくても、筋トレを一つの大きなコンテンツとして見たとき、自分の得意なことと自分が生かされることを理解する必要がある、と話者は続ける。例として挙げるのは次のような特徴だ。

  • コミュニケーションが得意
  • 食べ物や体についての知識が豊富
  • NSCA、NESTA、JATIなどの資格を持ち、トレーニングの基礎知識があり、さらに他言語を流暢に話せる
  • 体重100kgから筋トレをきっかけに70kgになった、といったストーリーがある

自分が他人と何が違い、どんな特徴があり、何が商品になるのかを把握しなければならない。組織に属するのではなく、一個人としてお金を作るなら、これはビジネスだからだ。みんなが持っている能力を持っていても、それはお金に変えられない。だから自分の付加価値を知る必要がある、と話者は説明する。

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筋トレで身につく力はビジネスの武器になる

一方で話者は、筋トレを継続することで得られる副産物として、筋トレで身についた力がそのままビジネスの武器になると話す。継続力、忍耐力、自己管理力といった、ビジネスで必要になるマインドとフィジカルが筋トレで養われる。

何年も筋トレを続けていると、仕事で理不尽なトラブルに巻き込まれても妙な粘り強さを発揮できると話者は言う。あと1レップで潰れるか上がるかという極限のスクワットを毎週やっている人にとって、上司の理不尽な説教やクライアントの無茶ぶりは「ただのドロップセットみたいなもん」であり、「メンタルがちぎれて超回復してる途中だ」と笑って耐えられるほどの忍耐力がつく、と冗談めかして語る。話者自身、11年以上筋トレを続けるなかで、こうした粘り強さの多くは筋トレから来ていると感じることがよくあるという。

自己管理も同様だ。高い基準でボディメイクをするには、スケジュールを含めた自己管理が欠かせない。ビジネスも圧倒的な自己管理ができなければ成立しない。真面目に筋トレに取り組むことで、ビジネスの基礎を間接的に身につけられるというのが話者の考えである。

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基礎の上に自分に合ったものを積む:筋トレとビジネスの共通構造

話者はさらに、筋トレとビジネスの構造の似ている点を挙げる。筋トレには「ファンデーション」と呼ばれる、昔からある基礎的なトレーニング方法がある。まずそれを理解して取り組み、基礎を身につけたうえで、自分の骨格を理解し、それに合ったトレーニングを行う。そうすることで一段も二段もレベルを上げられる。

ビジネスも同じで、周りのみんながやっていることを続けても成功しない。だから自分の特徴や得意なことをビジネスにつなげていく。このとき大事なのは、自分の「好きなこと」以上に、自分が「生かされること」を理解する力、つまり自分という人間を俯瞰して理解する力だと話者は強調する。

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ジムで周りを観察する

ジムに行って歯を食いしばってダンベルを持ち上げ、得意げにプロテインを飲んで帰るだけでは一円も生まれない。話者は、その情熱を少し周りの観察にも使ってほしいと言う。

例として挙げるのは、売れっ子トレーナーの会話だ。耳を澄ませてみると、難しい解剖学の話は少しもしておらず、昨日のテレビや天気の話で盛り上がっている。そこから「人気トレーナーを目指すなら、ガチガチの知識よりも、お客さんとの他愛もない会話や表情のほうが大切なのかもしれない」と気づける。ジムでは、自分ならこうする、ああするといった、他の人が見ていない視点で物事を見る。様々な人が来ているなかで、どういう人が何を求めてジムに来ているのかを俯瞰すると、そこに需要が見えてくる。そうすると物事の見え方が変わり、自分が生かされるべき場所が見えてくるという。ただし、何度も繰り返すように、自分への理解がなければそれを生かすことはできない。

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予想していなかった場所にたどり着いた経緯

話者は、トレーニングを始めた頃、自分がサプリメントブランドを創業するとは思っていなかったと振り返る。YouTubeを始めたときも、筋トレを主題にしたチャンネルを運営するとは考えていなかった。試行錯誤を繰り返すなかで自分が生かされる需要が見え、それが認知され評価された結果、当初は考えもしなかった場所に今いるという。

もし当時ただ筋トレをしていたら、「ただただ筋トレをしている人」で終わっていた。その時の自分の状況やバックグラウンドを使うことも含め、自分を俯瞰することがこの動画の重要なポイントだと話者は述べる。

今筋トレで稼いでいる人も、始める前から筋トレで食べていこうと考えていた人はほぼいない、と話者は言う。普通は特に何も考えず、いろいろなことをやっている延長で道が見えてくる。運や素質に恵まれた人が何かにつながることはあるが、大抵は趣味で終わる。「いつかこれでご飯を食べられたらいいな」というふわっとしたイメージだけを持っている人がほぼ全員だという。だからこそ、筋トレを始めてからどれだけ早くこの大切さに気づけるかで将来は大きく変わる、と話者は主張する。

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視点を変えることがビジネスであり、筋トレでもある

話者は、この動画の中身は「ズバリ、ビジネス」だと言う。筋トレでのビジネスがそこまでテクニカルな話かと思われるかもしれないが、それを誰もやらないから筋トレでは稼げないのだという。

物事はすべて視点であり、どう見て、どう考えるかで決まる。筋トレという商品を持っていても、その使い方や売り方について常にアンテナを張っているだけで、趣味の筋トレが趣味でなくなる日が近づいているかもしれない。みんなと同じ角度で物を見ていては売れる商品は作れない。筋トレも同じで、同じように鍛えていたら同じようにしか筋肉はつかない。だからこそ、自分の骨格を理解して自分に合ったトレーニングを見つけるという、角度を変えた筋トレが必要になる。「真の筋トレはいかに効かせられるか」であり、それはビジネスでも同じで、表面だけを見ていても構造は見えてこない。だから、気づきがあればAIやインターネットですぐに調べ、何かできないか、自分が生かされる場所はないかを探すべきだと話者は言う。

これはパーソナルトレーナー、インフルエンサー、プロダクト開発、パーソナルブランドのいずれにも当てはまる。フィジークのプロ選手として活躍しながら仕事にするならなおさらで、人と見方や立ち回りを変え、人がやらない動きをすることで大きく成功できるというのが話者の見解である。

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フィットネス市場はまだブルーオーシャン

最後に話者は市場の見通しを語る。この業界はまだ成長過程で成熟しきっていない。市場が伸びれば人口が増え、その分競合も増えるが、それでもまだブルーオーシャンだと話者は考えている。人が目をつけていないことがこれほどあるのかと、日常的に感じることが多いという。

話者は、日常の9割はビジネスのことを考えているという。その視点で見ると、この業界には広く見ればビジネスを生む余地がたくさんあると確信している。まだ誰もやっていないこともあれば、筋トレとの掛け合わせでできることも多く、どれも現実的だという。多くの人は好きでジムに行っているため、そういう目で見ていない。だから空いているスポットはまだ多く、チャンスは非常に大きい。話者は「感覚的な話」と断ったうえで、この状況は当分続くと見ている。ビジネスを作れる場所がこれだけあることに気づいている人は少ないからだ。

ただし、それに気づけるかどうかも、物事をどう見るか次第である。ジムでただ無心に重りを上げ下げし、いい汗をかいたと満足してシャワーを浴びて帰るだけなら、それは単なる重量物のボランティアにすぎない。せっかくジムに行くなら、大胸筋や上腕二頭筋だけでなく、たまには「頭の筋肉」、つまり脳にもパンプアップするほどの刺激を与えてほしい。考え抜いた先に次のビジネスのアイデアが見えてくる、と話者は締めくくった。