虫が消えたら人類も危うい:虫プロデューサー・片田陽依が芸能界で虫を語る理由
楽待 RAKUMACHIタレントの井上咲楽が、「虫プロデューサー」を名乗る片田陽依に話を聞く対談の後編である。前編では虫が苦手なスタッフに虫の魅力を伝えたが、後編では対談形式で、片田がなぜ研究者ではなく芸能界を選んだのか、人間は虫からどんな恩恵を受けているのか、そして虫とどう共生していくべきかが語られた。片田の立場ははっきりしている。昆虫の減少は深刻な問題であり、自分のすべての活動はその解決のためにある、というものだ。
中学に上がって虫好きを隠すようになった
井上は最初に、虫好きは大人になるほど少数派になる、苦労はなかったかと尋ねた。片田によると、小学生のころは周りの男の子たちも虫好きだったので問題はなかった。ところが中学生になると、周囲の女の子たちが虫に強い拒否反応を示すようになった。渡り廊下に毛虫が出てくると甲高い悲鳴が上がる。その中で「私はすごく好き」と言って毛虫を触りに行くことはできなかったという。
仲良くなった友人にさりげなく虫好きだと話したところ、嫌な反応をされたこともあった。片田はそれを「仕方ないか」と受け止め、以後は虫の話題が出ても相槌で済ませるようにした。隠した理由として片田は二つ挙げている。自分が虫の話をして相手を不快にさせたくなかったこと。そして「変な子」と思われたり、「変な子だと思われたい子」、つまり虫好きを使って目立とうとしていると見られたりするのが嫌だったことだ。井上が後者の意味を確かめると、片田は思春期にはそういうコミュニケーションがよくあると答えている。
当時は友人と虫を捕りに行くこともまったくなく、「虫が好きな女の子は地球上に自分だけなのでは」という気持ちになっていたという。研究者がいることは知っていても、身近な学校というコミュニティの中には同じ趣味の人がいなかった。井上は、今ならSNSで趣味の仲間とつながれるが、学校の中では難しいだろうと応じた。片田は今いろいろな子どもと関わる機会があり、虫好きの女の子が学校で肩身の狭い思いをしているという話をよく聞くという。そうした子のためにも、虫好きへの偏見がなくなってほしいと話した。
井上は、好きなものを否定されるのはつらいことだと共感した。片田は、自分が「気持ち悪い」と言われるよりも、好きなものをけなされるほうが悲しくなると答えている。
井上咲楽の昆虫食との違い
話題は井上自身の経験にも移った。井上が昆虫食を始めたのは18歳ごろだという。長野県のアンテナショップで昆虫の佃煮を食べて美味しいと感じ、その後コオロギで出汁を取ったラーメンを食べて感動した。そのラーメンの作り手と親しくなったことが、虫が食べ物として美味しいことへの関心につながったと説明した。
井上は昆虫食のことを周囲に普通に話していた。大学に進学せず、学生時代が高校で終わったので、その後は自分の好きなものを好きな人たちと過ごすことが多かったという。大人になればコミュニティを自分で選べるが、学生時代はそうはいかないので大変だっただろうと、井上は片田の話を受け止めた。
車庫での飼育と中学受験での「全部逃がされた」経験
片田は現在一人暮らしで、多くの虫を飼育している。実家にいたころは飼育をずっと止められていたという。両親はどちらも虫好きではなく、特に母親は虫に苦手意識があったため「家の中では飼わないで」と言われ、車庫で飼っていた。井上が、両親が反対していたのは意外だと言うと、片田は自然豊かな環境で育ち、その環境に育ててもらったのであって、親の影響ではないと説明した。
中学受験の際には、飼育をやめるよう言われた。毎日の世話や山での虫探しに追われ、勉強に集中できないほどだったからだ。当時は10〜20種類ほどを飼っていたが、すべて逃がされたという。現在も20数種類を飼っているので、ずっとそういう生活が続いていると片田は話す。
受験が終わってから再び集めたのかと井上が尋ねると、片田は中学に入ってからは周囲の目が気になったと答えた。中学生になっても虫を飼っていると知られるのが怖かった。近所の人の目もあり、「いつまでそんなことをやっているのか」と思われるだろうと感じていた。今は気にならないが、思春期には気にしていたという。
「女の子なのに」という偏見と、都会の子どもたち
片田は小学生のころから「変わった子だね」と言われていた。その前には「女の子なのに」という枕詞がついていたという。田舎ならではの偏見もあったと思う、と片田は振り返る。大人から「女の子なんだから折り紙でもしていなさい」といったことを言われることもあった。虫探しはやんちゃな遊びと見られていたからだ。
井上は、男の子にも虫嫌いはいるし女の子にも虫好きはいるが、世間のイメージとして「男の子のほうが虫好き」という見方があり、それでつらい思いをしたのだろうと述べた。片田は、自分はもういいと言いつつ、今の子どもたちを心配している。社会全体で虫への苦手意識が強まっているので、偏見も増えているのではないかという。自分は自然豊かな場所で育ったため、極端に虫が苦手な人はまだ少なかった。都会で虫好きの子はもっと大変なのではないかと片田は考えている。井上も、マンションでは飼育が難しい子も多いだろうと応じた。
研究者ではなく芸能界を選んだ理由
井上が一番不思議に思っていたのは、なぜ昆虫学者ではなく芸能界に入り、演技の仕事をしているのかという点だった。
片田は、将来的には研究者にもなりたいと前置きしたうえで、理由を説明した。昆虫は今世界中で減少しており、その原因のほとんどは人間のさまざまな活動だと片田は言う。しかし多くの人はその現状を知らない。虫への苦手意識が強いために、知る手前で止まってしまうことが多い。そこで、芸能界という目立つ場所から親しみやすい形で虫の魅力を発信すれば、人々の意識が変わるのではないかと考えた。若いうちから動きたいという思いもあり、14歳ごろからオーディションを受け始めたという。
片田はもともと人前に出るのが得意ではなく、学校では手を挙げないタイプだった。それでも「虫のためなら頑張りたい」と考え、カメラを向けられることにも慣れたという。井上は、自分は純粋に芸能界に入りたい、テレビに出たいという動機で始めたので、入り口がまったく違うと驚いた。演技については、片田は苦手意識があったが、レッスンをこなしてなんとかやってきたと話している。オーディションのときも虫のことしか考えていなかったという。
口止めされ、匿名アカウントでカイコの動画がバズった
井上は、事務所や周囲から「イメージ的に虫を出すのはちょっと」と言われなかったかと尋ねた。片田の答えは「もうそればっかり」だった。
片田は最初から「虫の魅力を伝える人になりたい」と言ってオーディションを受けた。しかし最初からタレントにするのは難しいということで、俳優業から始めることになった。俳優には役や作品のイメージがあり、虫好きは世間に受け入れられにくいという理由で、周囲から止められた。片田は虫について何も言えない状態になったという。
それが悔しすぎて、片田は匿名で虫のアカウントを作り、発信を続けた。虫の写真や動画を毎日投稿していたところ、そのアカウントが世界中で話題になった。きっかけは飼育していたカイコの動画で、あまりに可愛いと評判になったという。片田によると、1本の動画で約1000万回再生され、カイコの動画全体では2000万〜3000万回ほどになっているはずだという。本人のアカウントより注目を集めてしまったと笑い、井上は事務所の人も悔しかっただろうと冗談を返した。
寄せられたコメントは好意的なものばかりだった。そのため周囲も「いいんじゃない」と認めるようになり、片田は虫について話せるようになった。
「虫プロデューサー」という肩書き
片田は、カイコは蛾の仲間で、蛾は嫌われがちな昆虫だと説明する。その可愛さをプロデュースできたような気持ちになり、「虫プロデューサー」を名乗ろうと決めたという。事務所には以前から虫について発信したいと伝えており、今回の反響を受けて発信自体は了承された。ただ「虫プロデューサー」という肩書きは、事務所の許可なく勝手に言い始めたものだという。
井上は、最初は「虫プロデューサーとは何か」と思ったが、話を聞いて納得したと述べた。一匹一匹の可愛さをきちんと観察し、良いところを見つけて伝えるという意味で、まさにプロデューサーだという評価だった。
人間の誤解:ほとんどの昆虫に毒はない
後半は虫そのものの話に移った。人間側の虫への誤解は何かと問われ、片田はたくさんあるとしたうえで、まず「ほとんどの昆虫には毒がない」ことを挙げた。危険なものはごくわずかだという。
例として片田は毛虫を取り上げた。毛虫は触ってはいけないと言われがちだが、片田によると、毛虫の9割ほどには毒がない。ただし、これは見分けられるかどうかにかかっており、多くの人は見分けられないので、一概に「安全」とするものではないと片田自身が留保をつけている。そのうえで、人に危害を加えるものはごくわずかであり、「みんながみんな悪いやつではない」ことを伝えたいと述べた。井上は、わからない人は触る前に警戒したほうがいいが、意外に危害を与えないものが多いと整理した。
受粉と分解:人間が虫から受けている恩恵
人間が虫から受けている恩恵について、片田は「これはたくさんある」と答えた。
一つ目は受粉である。ミツバチやハナアブの仲間は花粉を運ぶ。片田によれば、人が食べている農作物の8〜9割ほどは、昆虫が花粉を媒介することで実をつけたり育ったりしている。この虫たちがいなくなれば食料危機になると片田は言う。
井上は、地元のいちご農家が受粉の時期にハチを放して受粉させている話を見聞きしたことがあると応じた。片田は、いちごではマルハナバチというふわふわした可愛いハチが働いていると説明した。これがいなくなると人が筆で一つずつ受粉させなければならず、人の手で行うといちごの形が悪くなることもあるという。井上は機械でやればいいのではと思っていたが、虫がいるからこそ形が良く美味しいいちごができるのだと受け止めた。
二つ目は分解である。森の中の動物の死骸は勝手に分解されるわけではなく、昆虫が食べて分解している。糞も放置すれば腐敗していくだけだが、昆虫が食べて分解し、土に返している。井上が微生物がやっているのだと思っていたと言うと、片田は微生物も担っているが、昆虫が大部分を占めていると説明した。昆虫がそれをしなくなると森や水が汚染され、人間の生活も大変なことになるという。
こうした役割から、片田は「昆虫が絶滅したら人類も数年で絶滅すると言われている」と紹介した。これは片田が「言われている」として紹介した説である。
益虫と害虫は人間の基準でしかない
井上は、人間が使う「益虫」「害虫」という言葉の分け方について尋ねた。片田によると、農作物に被害を与えるものを害虫と呼ぶ。家に入ってきて何も悪さはしないが、人が嫌だと感じるものは「不快害虫」と呼ばれる。つまり実際に害を与えていなくても、人が嫌だと思えば害虫と呼ばれる。そして、その害虫を食べたり寄生したりするものが益虫とされる。
例としては、ゴキブリが不快害虫・衛生害虫とされる一方、それを食べるアシダカグモは益虫とされる。すべては人間の基準であり、人間目線の分類だと片田は説明した。
ゴキブリが嫌われ、カブトムシが好かれるのはなぜか
井上は続けて、虫にもルッキズムのようなものがあるのではないかと問いかけた。カブトムシはかっこいい、ゴキブリは怖い、というイメージの差はどこから来るのか。
片田は、家に入ってくる虫は人のテリトリーに侵入してくるため、怖いという感情を抱かれやすいのだろうと述べた。そのうえで、自分はどの虫も対等にみんな可愛いと思っているので、その感覚がよくわからないと率直に話した。片田が大きいと考えるのは「刷り込み」だ。大人がゴキブリに恐怖を示すと、子どもはそれを見て怖いものだと認識してしまう。
国によっても苦手な虫は違うと片田は言う。たとえばカブトムシを苦手とする国も意外と多いという。日本ではカブトムシはかっこいいとされ、高値で取引されることもあるが、それは国のイメージによるところが大きいと片田は話した。井上は、ゴキブリは気づいたときには怖い・気持ち悪いという共通認識になっていると応じた。片田はそれを悔しいと感じている。何も悪さをしていないのに気持ち悪がられている虫がいる。元から苦手な人がいるのは仕方がないが、苦手に思われがちな虫の可愛いところも伝えたいという。
共生は避けられない:物価と生態系の連鎖
では人間は虫とどう共生していけばいいのか。片田は「これはもう大きな課題」で、人生をかけて考えていきたいと述べた。昆虫だけのおかげではないが、昆虫が生態系の中で大事な役割を担っているから人間は生きられている。そのことを少しでも考えてほしいという。昆虫は世界中で減少しており、本当に絶滅すれば人間も生きられないので、共生は必ずしなければならないものだと片田は言う。生活圏を分けでもしない限り避けられないことだとも付け加えた。
井上は、「共生しなければ人間がいなくなる」という言い方なら、ある意味で納得する人もいるのではないかと述べた。片田は、人類の絶滅はまだ想像しにくいかもしれないとしつつ、より身近な例を挙げた。今ハチがとても減っており、このまま減っていくと、さまざまな野菜の価格がどんどん高くなっていくと思う、という見通しだ。物価にも影響するということだ。片田によれば、昆虫の働きを経済効果に換算すると世界的に何億、何兆という規模になる。それを人力や機械で置き換えれば莫大な費用がかかる。今いる虫たちを残しておけばそうはならないのに、と片田は話した。
さらに片田は、「1種類くらいいなくなってもいい」という考えに注意を促した。ある種がいなくなると、それを食べていた昆虫もいなくなり、さらにそれを食べていたものもいなくなる、という連鎖が起き、崩壊が進んでいく。片田はよく使われるたとえとして、生態系を1機の飛行機にたとえた。部品が1個外れても飛行機は普通に飛ぶが、たくさん外れていくといつ墜落するかわからない。今はそういう状況になっていると片田は言う。
井上が「昆虫は人間が思うより繊細なのかもしれない」と言うと、片田は同意した。人間は雑食で、食べられなくなったものがあっても代替品を作ることができる。しかし虫の中には特定のものしか食べられない種もいる。特定の草原や特定の島にしか生息していない種もおり、その場所が何らかの理由で失われれば、すぐに絶滅してしまうという。
目線を下げて、身近な虫を観察する
身近な虫に思いを馳せるにはどうすればいいかと井上が尋ねると、片田は「目線を下げて観察してみる」ことを勧めた。大人の目線では、遠くでちょろちょろ動くシルエットしか見えない。しゃがみ込んで見てみると、たとえばテントウムシが何をしているのかがわかるという。
片田によれば、テントウムシは毎日アブラムシを100匹ほど食べる。その様子を観察できるし、テントウムシがアブラムシを食べようとするとアリがやってきてアブラムシを守ることもある。アブラムシとアリは共生関係にあるからだ。こうした関係を見ていくと、自然は面白いと感じてもらえるだろうと片田は話した。ただしこれは、観察できる程度に虫に抵抗がない人に向けた提案だとしている。井上は、子どものころは虫を触れたという人も多いはずなので、しゃがんで子どものころのように見てみるのもいいと応じた。片田は「大人になっても好奇心を捨てずにいてほしい」と述べた。
すべての活動は昆虫の減少を止めるため
最後に井上は、音楽、女優、虫プロデューサーと幅広く活動する片田に、目指す先を尋ねた。片田は、昆虫の減少は本当に深刻な問題であり、これを解決するためだけにすべての活動をしていると答えた。
片田の考えでは、さまざまな活動はそれぞれが入り口になる。最初から虫の話だけをしていれば、見てくれるのは虫好きの人に限られる。しかし虫と関係のない活動もしていれば、そこで片田を知った人にも虫の魅力を伝えられる。虫の魅力や重要性が伝われば一人ひとりの意識や行動が変わり、昆虫の減少をどうにか止められるのではないか、というのが片田の思いだ。最初は虫のタレントとして活動したかったのに俳優になった、という経緯もそこにはあると片田は認めている。それでも、あらゆる方面から取り組んだほうがより多くの人に届くと考えているという。
井上は対談を振り返り、自分は虫に触れてきたほうで昆虫食にも興味があったが、片田の口から虫の話を聞くと見え方がまったく違ったと述べた。また、虫について今回聞いた「こういうイメージがあるけれど実際はどうか」という考え方は、虫以外のことにも通じる部分があると感じたという。そして、人間は虫に支えられており、共生は避けられないとわかった以上、感謝しながらそれぞれが自分なりの共生の仕方を考えていければいいと締めくくった。
虫が好きな人って、大人になってくるとより少数派になってくるじゃないですか。
そうですね。中学生に上がった途端、周りの女の子が虫に対して強い嫌悪を示されるので、変な子だと思われるとか、変な子だと思われたい子だと思われるとか。それが嫌だなっていうので、隠すようになりましたね。
隠すようになっちゃったんですね。人間側の虫への誤解っていうのはありますか?
例えば、ほとんどの昆虫には毒はないですよね。
昆虫が絶滅したら、人類も数年で絶滅すると言われて。
そうなんですか。
そうなんです。このまま、例えばハチが今すごい減っていて、ハチの数が減っていくと、いろんな野菜とかの価格がどんどん高くなっていくと思います。
そんなにですか? 物価にも影響してくるんです。
物価に影響しますね。
なんで昆虫学者とかじゃなくて芸能界に?
私はこれを解決するためだけに、全ての活動をしてるんですけど。
不動産投資を学ぶなら楽待。
楽待チャンネルをご覧の皆さん、こんにちは、井上咲楽です。さて、ここからは後編です。引き続き、虫プロデューサーの片田陽依さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前編では、虫が苦手な楽待スタッフさんに向けて、虫をお伝えしていただいたんですけれども、ここからは対談で陽依さんのお話を伺いたいと思います。
お願いします。
いきなりなんですけど、虫が好きな人って、割と大人になってくるとより少数派になってくるじゃないですか。これまで、少数派になっていくにつれて、ちょっと苦労するようなこともあったんじゃないかなって思うんですけど、いかがですか? 学生時代とか振り返って。
小学生の頃は、男の子たちもみんな虫が好きだから、まだ大丈夫だったんですけど、中学生に上がった途端、周りの女の子があまりにも虫に対して強い嫌悪を示されるので。
中学生になってくると、だんだんそうなりますよね。
そうですね。だから、渡り廊下に出てきた毛虫とかに対して、すごい黄色い悲鳴が上がってくるというか、甲高い声が。それを見て、「私はすごい好きで」って言って毛虫を触りに行くなんてできないなっていう。隠すようになりましたね。
隠すようになっちゃったんですね。
仲良くなった子に、すごい虫が好きっていう話をさりげなくしたら、結構嫌な反応されて。「そっか、仕方ないか」っていうことで。私が虫の話をして不快にさせてしまうのが嫌だったっていうのと、変な子だと思われるとか、変な子だと思われたい子だと思われるとか。それが嫌だなっていうので、隠してるのが無難かなっていうんで。
「あの子、虫を好きっていうことで目立とうとしてるんじゃない」みたいなことですか?
そうですね。そういうふうに、中学生って結構そういうコミュニケーションあると思うので。
そっか。ちょっと多感な時期だから、周りの人とのコミュニケーションも考えつつ。
そうですね。虫は好きだけど、虫の話題になっても「ふんふん」で終わらせるっていうことをしました。
じゃあ、仲いい子たちと一緒に虫を採りに行くみたいなことはなかったですか?
もう絶対なくて。もうその頃になると周りもないし、虫が好きな人、もしかして地球に私だけ、みたいな気持ちになって。研究者の方はいらっしゃることは分かるんですけど、例えば女性、女の子とかで虫が好きな人って実際いるのかなっていう、思ってました。その小さなコミュニティの中で、学校の中では本当にいなかったので。
確かに今でこそSNSとかで、虫が好きとか、趣味でつながれたりとかできますけど、なかなか学校でってなると難しいかもしれないですよね。
今、結構いろんなお子さんと関わる機会があって、虫が好きな女の子とかが学校で肩身の狭い思いをするっていうことは、よく伺うので。こういう子たちのためにも、虫が好きっていうことに偏見がなくなればいいなと思いますね。
心から好きだから、好きなものを否定されるのもちょっと嫌じゃないですか。たまたま陽依さんは虫っていう趣味だったけども、自分の好きなものを嫌いとか、けなされるのってすごい辛いことですね。
そうですね。自分に気持ち悪いって言われるよりも、悲しくなっちゃいますね。
でも、その気持ちはすごい分かるというか。
井上さんは昆虫食とかで、何歳から昆虫食は?
昆虫食は18ぐらいからなんです。
18ぐらいから。何がきっかけで始めるんですか?
昆虫食は、長野県のアンテナショップで昆虫の佃煮を食べて、おいしくって。そこからコオロギラーメンを食べた時に、コオロギで出汁を取ってるラーメンがすっごいおいしくって。そのラーメンを作ってる方とすごい仲良くなって、それがきっかけで。虫なのにおいしいっていうか、それ自体がすごく食べ物としておいしいっていうことからも、すごい興味を持ってですね。
それは、例えば食べてることを周りの人には普通にお話ししてたんですか?
私は喋ってましたね。私、大学に行ってなくて、高校までで学生時代終わりだったので、そうなってくると、自分の好きなものを好きな人と一緒にいることも多いじゃないですか。大人になれば、自分の好きなものが好きな人と、自分の好きなコミュニティを選んでいける。なかなか学生時代ってそうなれないから、大変だろうなと思いながら聞いてました。
そうですね。そういうサークルとかがあるような……けれど。
そうですよね。周りの女の子に、虫とか飼ってることもあんまり喋ってなかったですか?
もう一切話してなくて。
今は一人暮らしで、虫を飼われてらっしゃるじゃないですか。ご家族と一緒に住まれた時は、虫の飼育を止められたりとかしなかったですか?
ずっと止められてました。両親どっちも虫が好きではなくて、特にお母さんは虫に結構苦手意識を持っていたので、家の中では飼わないでということで、車庫の中で飼ってました。
車庫の中で虫飼ってたんですか?
はい、飼ってました。
でも、ご両親が虫飼うこと反対っていうのは意外でした。
そうですね。自然豊かなところで育ったので、それに育ててもらったという感じで。親御さんの影響ではないですね。
そうなんですね。中学受験の時に、飼育をやめるように言われたって聞いたんですけど、これどういうことですか?
そうですね。勉強とかに集中できないくらい、毎日飼育に追われていて。
そんなに、勉強が手につかないぐらい。
つかないくらい、飼育したり、山に虫探しに行ったりしてたので、ちょっと勉強に集中してほしいということで、全て逃がされ。
全て逃がされて。もうちょっと頑張らないと。何匹ぐらい飼ってた、何種類ぐらい飼ってたんですか、その時は?
多分10から20は飼ってたと思うんですけど。
10から20? そんな、もうお世話大変じゃないですか?
でも今も20何種類は飼ってるので、ずっとその生活。
すごい。20何種類? 当時はもう勉強も手につかないぐらいに飼っていて。
そうですね。
で、受験が終わったらもう一回集めて、みたいな。
いや、中学に入ると、周りの環境でどうしても、中学生になっても虫飼ってるっていうのを周りに知られるとちょっと怖いなっていうのがあって。近所の人の目もありますし、いつまでそんなことやってるんだって絶対思われるじゃないですか。今でこそ気にならないですけど、思春期はそういうことは気にしてましたね。
女の子がする遊びじゃないよねっていうのは、特に田舎ならではの偏見とかも多分あると思うんですけど。小学生の頃から、「変わった子だね」っていうのは結構「女の子なのに」っていうのが枕言葉について。「変な子だね」。だから、「女の子なんだから、例えば折り紙とかだけやってなさい」っていうことを、大人の人に言われるようなこともあったりとか。虫探しって、ちょっとやんちゃな遊びだと思うので。言われることありましたね、いろいろ。
男の子でも虫嫌いな人もいるし、好きな人もいるし、女の子の中でも好きな人、嫌いな人いて、たまたまその割合だったり、世間的なイメージが、今どっちかというと男の子の方が虫とかそういうの好きだよねっていうイメージがあって。そういう辛い思いをすることっていうのは、きっとあったんじゃないかなと思います。
そうですね。私はいいんですけど、今の子供たちって、より社会的に虫への苦手意識が強まっていると思うので、よりそういう偏見みたいなものは徐々に増えていく。
そっか。じゃあ、同じ思いをしてほしくないっていう。
そうですね。まだ自然豊かなところで育ったので、その環境だと虫が苦手すぎる人は少なかったんですけど、都会の子で虫が好きな子って、もっと大変なんじゃないかなと思います。
そうですよね。なかなかマンションとかで飼うの難しいとかって子も多いですよね。
そうですね。
あと、本当に不思議なんですけど、陽依さんに聞きたいんですけど、なんで昆虫学者とかじゃなくて芸能界に入って、それこそ演技のお仕事とかをしたいと思ったんですか?
私もゆくゆくは研究者になりたいなと思っているんですけど、昆虫が今、世界中で減少していて、これはほとんど人のあらゆる活動によって減っているんですけど。この現状も多くの人は知らないし、苦手意識が強いから知る手前で止まってしまうことが多いなっていう中で、親しみやすいというか、虫の魅力があるよっていうところを、芸能界みたいな目立つところで発信していけば、ちょっと人々の意識とかが変わってくれたらいいなっていう思いで。若いうちから動きたいっていうので、14ぐらいからオーディション受けて。
じゃあ、虫のために発信力をつけたいっていうことでの芸能界だったんですね。
そうですね。だから、元々本当は人前に出るのも全然得意じゃなくて、学校で手を挙げない感じの子だったんですよね。でも、虫のためだったらちょっと頑張りたいっていうことで。
虫のためだったら、こんなにカメラ向けられても大丈夫。
はい、慣れました。
慣れました。その虫のために演技はできるんですか? 演技もすごいいろんな作品に出られてるじゃないですか。私は純粋に芸能界に入りたい、テレビに出たいみたいなところからスタートしてるんで、そこが目標であり、目的だったんですけど、そうじゃないところに、またちょっと違うじゃないですか、入りたいって思うきっかけが。そこで、芸能界で演技とかいろいろやっていくのは大変じゃなかったですか?
そうですね。お芝居に対しては苦手意識はあったんですけど、レッスンをこなし、なんとかっていう感じですね。
虫のためにって。
全部もう虫のことしか考えてなかったので、その時も。
そうなんですか。それでも、芸能界に入って、こんなにおきれいで、演技の仕事もされて、周りの人のイメージとかもあると思うんですよ。このお仕事、一人でやってるわけじゃないと思うんで、いろんな「こうなってほしい」とか、人の思いがあると思うんですけど、イメージ的に「ちょっと虫を出すのは」って言われることはなかったですか?
もうそればっかり。最初から私は虫の魅力を伝える人になりたいっていうのでオーディション受けたんですけど、最初からタレントにするのもちょっと難しいからっていうので、俳優業をさせていただいて。俳優業をやってたら、役とか作品とかのイメージがあるので、虫が好きっていうのは世間から受け入れられづらいからっていうので周りの人から止められて。もう口封じ、何も言えない状況になって。
私はそれが悔しすぎて、匿名の虫のアカウントを作って、虫をずっと発信していたんですよね。そうすると、そのアカウントが世界中でバズって。それで結構好意的なコメントばっかりだったので、周りの人から「いいんじゃない」っていうことで、虫のことを話せるようになりました。
すごい、何が何でも発信してやろうと。ちなみにそれはどういうアカウントで、どんな投稿がバズったんですか?
ずっと虫の写真とか撮ったり、動画とか撮ったりしてるのを、毎日毎日上げ続けてたんですけど、バズった動画っていうのは、このカイコちゃんの動画で。飼育してたこのカイコちゃんを動画で撮って、それがあまりにも可愛すぎるということで、すごいバズりました。
それ、具体的に何万ツイートとか、そういう具体的なものありますか?
同じ一本の動画で1000万再生ぐらいされて。
すごい、1000万再生?
そうなんです。だからカイコの動画だけでも、2000万、3000万ぐらいは多分いってると思います。
すごい。じゃあ、もう自分のアカウントよりバズっちゃったってことですか?
そうなんです。そうなんですよ。
それはちょっと、事務所の皆さんも悔しいって思ったでしょうね。
そうかもしれないですね。
じゃあ、趣味でやってたアカウントがバズって、好意的な意見があって、「いいんじゃない」っていうふうに。
はい、そうですね。蛾の仲間なので、蛾って嫌われがちな昆虫の仲間なんですけど、その可愛さをプロデュースできた気持ちになって、そこから虫プロデューサーにしようと思いました。
そこで虫プロデューサーに。それ、事務所に何て言うんですか? 「私、虫プロデューサーになります」みたいな。
そうですね。事務所には以前から、虫のことを発信したいっていうのは言っていて。そういうことがあって、OKしてもらって。虫プロデューサーって言い始めたのは、もう事務所の許可なく勝手に。
勝手に。なるほど。別に、これが好きっていうのは全然悪いことじゃないですしね。
そうですね。もう肩書き。
プロデューサー。でも本当、お話聞いてると、最初その虫プロデューサーって何だって思ったんですけど、虫プロデューサーですね、本当に。
ありがとうございます。
一匹一匹の可愛さを、ちゃんとプロデューサーとして観察して、いいところを発信してあげるとか、いいところを伝えてあげるみたいな、特性を。
光栄です。ありがとうございます。
すごい。
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それでも、いろんな虫に対しての世間的なイメージってあると思うんですけども、人間側の虫への誤解っていうのはありますか?
たくさんあると思うんですけど、例えば、ほとんどの昆虫には毒はないですね。
そうなんですか。
危険なものって本当にごくわずかで、ほとんどはないんですよ。例えば毛虫とかって触っちゃいけないって言われがちですけど、もちろん、それをちゃんと見分けられるかどうかにかかってはいるんですけど、9割ぐらいは毒はないんですよね、毛虫にも。
そうなんだ。毛虫って聞くと、触ったらかぶれそうとか。
そうですよね。だから、人に危害を加えるものは本当にごくわずかですね。
それは意外ですね。じゃあ、虫イコールそんなに悪くないよ、みたいなイメージは陽依さんの中ではあるんですかね。
そうですね。もちろん、多くの方はそれを見分けられないと思うので、一概に危険ってするものではないとは思うんですけど、みんながみんな悪いやつではないよっていうことは、お伝えしたいなと思います。
そっか。確かに、分かんない人からしたら触る前に一回警戒した方がいいけども、意外と危害を与えないものが多い。
そうですね。もうほとんどの昆虫は。
そうなんですね。じゃあ逆に、私たち人間が虫から受けている恩恵って、何かあったりしますか?
もうこれはたくさんあります。
たくさんある。
たくさんあります。
教えてください。
まず、ミツバチとかハナバチとかハナアブの仲間は、花粉を運ぶんですね。人が食べてる農作物の8割から9割ぐらいは、昆虫が花粉を媒介して、実がなったり、育ったり、花がついたり。
8割ぐらい、かなりやってくれてる。
そうです。ハチとか昆虫が花粉を運んでいることで、私たちは食べ物、いろんなものを食べられているので、この子たちがいなくなると、もう食料危機、大変なことになります。
確かに、私、近所に結構イチゴ農家がいるところ出身なんですけど、ハチを受粉の時期には放してあげて、受粉させてあげてるみたいな話も、見たりとかしたことあります。
そうです。だからイチゴとかも、マルハナバチとかいう、ふわふわした可愛いハチが働いてくれてるんですけど、あれがいなくなっちゃうと、人が筆で一個一個やっていかなきゃいけなくて。人の手でやっていくと、イチゴの形も悪くなっちゃったりっていうこともあるんです。
そういうのもあるんですね。そっか。今ちょっと、てっきり機械とかでやればいいんじゃないかなって思ったんですけど、でも虫だからこそ、あんなに可愛く、おいしく。
そうなんですよね。だから、この子たちが頑張ってくれてるっていうのは、とても大きいですね。
そうか。じゃあ、そもそも食卓を支えてもらってるんですね。
はい。もう他にもたくさんの役割があって。あとは森の中で、例えば動物とかの死骸とかって、勝手に分解されるわけじゃないんですよね。
そうなんですか。
昆虫がそれを食べて分解してくれたり、あと糞とかも、そのまま放置してたらそのまま腐敗していくだけなんですけど、これを昆虫たちが食べて分解して土に返すっていう役割も担っています。
てっきり、土が勝手に、微生物とかがやってくれるのかなと思ったんです。
微生物もやってくれるんですけど、昆虫は結構その大部分を占めて。それをやらなくなると、森がどんどん汚染されて、水も汚染されてってなると、私たちの生活も大変なことになりますね。
じゃあ、その虫たちは自分たちでサイクルを回してるっていう感じなんですかね。
そうですね。だから昆虫が絶滅したら、人類も数年で絶滅すると言われてます。
そうなんですか。めちゃめちゃ大事じゃないですか?
大事です。地球にとって、この生態系にとっても。この子たちのおかげで私たちも生きられてるっていうところですね。
それはもう感謝ですね、虫に。人間目線だと益虫とか害虫って言い方するじゃないですか。その違いとか分け方って、どういうふうに分けるんですか?
例えば、農作物に被害を与える子たちを害虫と呼んだりとか、家の中に入ってきて、別に何も悪さしないけど、人が苦手に思う子を不快害虫と呼んだりとか。もう全て人基準なので。何か危害を加えられてなくても、人が嫌だなと思うものを害虫と呼んで。例えば、その害虫を食べたりとか、それに寄生したりする子を益虫と呼んだりですね。
なるほど。
だから、ゴキブリは不快害虫、衛生害虫だったりしますけど、それを食べるアシダカグモは益虫とされたり、みたいなことですね。
なるほど。じゃあ、人間目線で益虫、害虫っていうふうに分けるんですね。
はい、そうですね。人目線にはなってますね。
なるほど、人間の目線で。虫の中にも、ルッキズムというか、この子は可愛い、この子はちょっと怖いとかっていうのがあるじゃないですか。テントウムシ可愛いよねとか、カブトムシかっこいいとか、さっき言ってたゴキブリはちょっと怖いみたいなイメージがあると思うんですけど、これは何でだと思いますか?
例えば家の中に入ってくる子たちは、人のテリトリーに侵入してくるから怖いとか、そういった感情を抱かれると思うんですけど。私はどの虫も対等にみんな可愛いと思ってるので、その感覚がよく分からないんですよね。刷り込みとかも大きいと思いますね。ゴキブリっていうものに対して、本当にみんなお嫌いじゃないですか。大人の人がゴキブリに対して恐怖を示されると、お子さんもそれを見て怖いものだと認識してしまってっていう。
なるほど。
国によって、多分苦手な虫とかも全然違ってくると思います。
そうか。確かに日本だとこれは怖いとされてるけど、違う国に行ったら全然違うイメージ。
そうですね。
そういうのもいるんだ。
意外とカブトムシとかも、苦手だと思ってる国は多いとかはあります。
結構日本だと、かっこいいとか、それこそカブトムシ、ものによってはすごい高く買われることもあるじゃないですか。国のイメージもあるんですかね。
そうですね。国のイメージ、すごい強いと思います。
それは確かに、気づいた時からゴキブリは怖いとか気持ち悪いみたいな、共通認識ですよね。
そうですね。私はもう悔しいなと思ってます。みんな可愛いし。何も悪さしてない子なのに気持ち悪がられてるのは、もちろん、元々苦手な人にはしょうがないことだと思うんですけど、そういう苦手だと思われがちな子たちの可愛いところも、お伝えしたいなと思ってます。
そっか。そしたらどうやって共生していきましょうね、人間と。
これはもう大きな課題ですね。私もそれを人生かけて考えていきたいと思ってるんですけど、やはり昆虫たちのおかげで我々が生きられているっていうことを。もちろん昆虫たちだけのおかげではないですけど、この子たちが生態系の中で大事な役割があるから、私たちもそれで生きられてるっていうことを、ちょっとでも考えてもらえたら。今すごい、世界中で昆虫が減少していて、本当に絶滅してしまったら私たちも生きられないので、共生は必ずしていかなきゃいけないものですね。
なるほど。共生は必ずしていかないといけない、人類は。
そうですね。生活圏を分けるとかしない限りは、もうしょうがないことだなと思いますね。
でも今の言葉、虫がなくなっちゃったら人間がいなくなるから、共生していかないといけないものだっていうのは、ある種いい意味で諦めがつく人もいるんじゃないかなと思うんですよ。
そうだとありがたいですね。本当にすごい勢いで減ってて、人類が絶滅するとかっていうのは、まだ考えにくいかもしれないですけど、このまま、例えばハチが今すごい減っていて、ハチの数が減っていくと、いろんな野菜とかの価格がどんどん高くなっていくと思う。
そんなにですか。物価にも影響してくるんです。
物価に影響しますね。
そうなんだ。じゃあ、結構その経済を握ってるのも。
そうですね。昆虫たちがやってることを経済効果に換算したら、世界的には何億、何兆みたいな、そういうレベルになってくるので。それを全部人力でとか機械でってなると、そこにも莫大なお金がかかってしまうので、今いる子たちを残しておけば、そんなふうにはならないのになっていうのは思います。
そっか。確かにな。ちっちゃいけど、本当は自分たちの食卓だったり、経済だったりとか、そもそも根本のところを支えてもらっている。共生というか、むしろ助けてもらってるみたいな感覚も大事ですね。
そうですね。この一種類くらいなくなってもいいだろうって思ってるかもしれないんですけど、その一種類がいなくなると、それを食べてた昆虫たちもいなくなって、それを食べてた昆虫たちがいなくなるとって、どんどん連鎖していって、どんどん崩壊していくので。よく言われるのが、生態系って一個の飛行機みたいなもので、部品一個ぐらい外れても飛行機は普通に飛ぶけれども、たくさん外れていくと、いつ崩壊するか分からないみたいな。そういう状況になってます。
昆虫って、人間が思ってるよりも繊細なのかもと思って。
繊細ですね。
人間だったら、人間って雑食じゃないですか。いろんなもの食べられるし、食べられなくなっちゃったものがあっても、代わりのものを作ったりとか、代替食品みたいなのがあるけど。
虫の中には、これしか食べられない子もいたりとかして。だから、ここの草原にしか今もういないよっていう子とか、ここの域にしかいないっていう子もいるので、その草原が何かで失われることがあったら、もうすぐに絶滅しちゃうっていう。
そうなんだ。ある意味、すごい儚い命というか。
そうですね。
虫の壮大さを感じるようなお話というか。でも普段、私たちが接する虫、例えばテントウムシとか、そういうちょっとしたイモムシみたいなものもいると思うんですけども、そういう身近な虫に思いを馳せるみたいなことって、どうしたらいいですかね?
ちょっと目線を下げて観察してみるといいんじゃないかなと思ってて。例えば大人の目線だと、遠くでちょろちょろ動いてるシルエットしか見えないと思うんですけど、目線を下げてしゃがみ込んで見てみると、テントウムシが何をしているのかっていうのが、多分そこで見えると思うんですよね。
テントウムシは毎日毎日アブラムシをたくさん食べてて、100匹ぐらい食べるんですよ、毎日。その様子とかを観察できると思いますし、逆にテントウムシがアブラムシを食べようとしたら、アリがやってきて、アリがそのアブラムシを守ったりするんですよ。アブラムシとアリは結構共生的な関係にあって、そういう関係を見ていくと、どんどん自然って面白いなって思ってもらえると思うので。見られるくらい虫に抵抗がない方だったら、ちょっと目線を下げて見てみるといいんじゃないかなと思います。
めちゃめちゃ、その関係性というか、虫同士の関係性、面白いですね。
そうなんですよね。
小さい時は触れたって人も、前編のスタッフさんみたいに多いと思うんで、ちょっと目線を下げて、しゃがんで小さい時みたいに見てみるっていうのも。
そうですね。童心に帰れる。大人になっても好奇心を捨てずにいけたらなと思います。
陽依さんの目標というか、行き着く先。今いろんなことやられてるじゃないですか。音楽もやってるし、女優もやってるし、虫プロデューサーとしてもやってますし。何を想像してますか?
やっぱり、今昆虫が減少してるのが、本当に大きな深刻な問題だなと思っていて、私はこれを解決するためだけに全ての活動をしてるんですけど。その入り口として、いろんな活動をしていくと、それぞれで私のことを知ってくださった方が虫につながるんじゃないかなと思っていて。
最初から虫の話してても、虫が好きな人が見てくださるっていうことになると思うんですけど、関係ないことをいろいろやってたら、関係ない人たちにも虫の魅力を伝えられるんじゃないかと思っていて。そうやって虫の魅力とか、こういう虫の重要性とかが伝われば、一人一人の意識、行動が変わって、昆虫の減少をどうにか止められるんじゃないかなっていうのが私の思いです。
じゃあ、その入り口を広げて、自分の虫っていう側面じゃないところからも入ってきてくれて、それがいずれ虫につながったら嬉しいんですね。
そうですね。最初に虫のタレントとしてやりたいと思ってたけど、俳優になってしまったがゆえにっていうのも一つあるんですけど、本当にあらゆる方面からやっていった方が、より人に届くことができるんじゃないかなと思ってます。
前編、後編と陽依さんにお話を伺いましたけれども、私も虫は結構触れてる方だったし、昆虫食とかもすごい興味あったけど、また陽依さんの口から虫のことを聞くと全然見え方が違って。「こういうフィルターで、目線で物を見たら、こんなにも虫のイメージが変わるんだな」っていうことが学べた、今回の動画だったかなと思います。
ありがとうございます。
虫に対しての今回聞いた考え方とか、「こういうふうなイメージがあるけどどうですか」とかって話って、虫以外にもすごく通じるところがあるなっていうことは、視聴者の皆さんも思うことがあったんじゃないかなと思いました。
あとは、虫にすごく支えられてるっていうことが分かったので、ちゃんと感謝して共生していけたら。どうしても、共生するってことは絶対っていうことが分かったので、自分なりに、皆さんなりに、共生の仕方を考えていけたらいいんじゃないかなと思いました。
はい、ぜひよろしくお願いします。
陽依さん、今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
楽待チャンネル、IRニュースコーナー。このコーナーでは、楽待チャンネルを運営する楽待株式会社の投資家、株主の皆様向けの情報を1分でお伝えします。
今回は、東証スタンダード市場に上場する楽待株式会社の2026年7月期通期の決算発表についてお知らせします。売上は36億1700万円で前期比14.5%増。営業利益は18億9900万円で23%増となり、通期の業績予想を売上、利益ともに上回りました。
営業利益率は52.5%と高い水準を保ちながら、売上はこの5年で2倍になっています。27年7月期は売上40億円と5期連続の2桁成長を見込み、年間配当は13円から16円へを予定しています。詳しくは概要欄、コメント欄のIR情報のリンクからご覧ください。
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