新NISA3年目の「次の一手」として米国大型成長株10銘柄に集中投資する「メガ10」をどう考えるか

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概要

新NISAが始まって3年目に入り、オール・カントリー(オルカン)やS&P500を積み立ててきた投資家の中から「次に何を買えばいいのか」という声が出ている。この番組はニッセイアセットマネジメントの提供で、同社チーフ・ポートフォリオ・マネジャーの桑原淳一さんと営業部長の長谷川真希さんが、同社の集中投資型インデックスファンド「メガ10」を題材に、成長投資枠の使い方を解説した。聞き手は西川さんで、自身のポートフォリオを添削してもらう場面もある。以下は出演者の説明と見解をまとめたものである。

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出演者の立場

桑原さんは、インデックスへの連動を目指すパッシブファンドの運用に携わり、国内株式と外国株式の両方を経験してきた。リーマンショック直後に社会人になり、相場の良い時期も悪い時期も見てきたという。夜も眠れないような局面もあったと振り返った。長谷川さんは投資信託のマーケティングを担当し、インデックスファンドやアクティブファンドの開発、投資信託を分かりやすく伝える情報発信に関わっている。

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アンケートに見る「3年目の悩み」

番組が実施したアンケートでは、つみたて投資枠で何に投資しているかという問いに対し、全世界株式が39%、オルカンとS&P500の両方が38%、米国株式が14%だった。西川さんはこれを、約9割がオルカンかS&P500を積み立てている結果だと紹介した。桑原さんも、知人と話していて全世界株式やS&P500に投資している人は非常に多いと実感していると述べた。

成長投資枠を活用できているかという問いには、82%が「積極的に使っている」、18%が「眠らせている・使いきれていない」と答えた。西川さんはこの82%を意外に多いと感じ、長谷川さんも、成長投資枠はハードルが高いという声を周囲から聞いていたので、もう少し少ないと思っていたと話した。

さらに今のNISA投資で悩んでいることを尋ねると、およそ4割が「オルカンやS&P500の次に何を買えばいいか分からない」と回答した。長谷川さんは、オルカンやS&P500しか持っていない人が何千もある投資信託から自分に合うものを選ぶのは非常に難しいだろうと述べた。寄せられた具体的な声には、「成長投資枠の資産がなかなか増えない」「オルカンは分散しすぎな気がする」「いろいろな銘柄に目移りしてしまう」「成長投資枠に最適な商品を知りたい」といったものがあった。

長谷川さんは、こうした声を最近よく耳にするようになったという。3年目で投資に慣れ、次のステージに進みたいと考える時期に来たものの、情報も選択肢も多すぎて迷い、手が止まってしまうのが実情だと見ている。そのうえで、こうした悩みが出てくるのは投資に真剣に向き合ってきたことの裏返しでもあると述べた。桑原さんも、友人との会話で「米国株だけに投資しているが分散した方がいいのか」といった質問を受けるようになり、ステージが一段上がった感じがあると話した。

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西川さんのポートフォリオへの評価

西川さんは3年前、当時勤めていたメディア企業では個別株を買いにくかったこともあり、「オルカン一択」「S&P一択」といった動画を見て新NISAを始めたという。つみたて投資枠はオルカン100%、成長投資枠はS&P500 100%で、それぞれ月10万円を30カ月積み立ててきた。元本は約600万円で、収録直前に確認した評価額はオルカンが約400万円、S&P500が約410万円、合計約820万円、ざっくりプラス33%程度だった。どちらが伸びるか競わせるつもりだったが、ほとんど差がつかないまま推移しており、結局どちらも中身はほぼ米国なのではないかと感じていたという。

桑原さんはこのポートフォリオを「王道中の王道」と評価した。そのうえで、オルカンもS&P500も運用の仕組みが似ており、多少の違いはあっても同じような値動きをするため、スパイス的なものを加えても面白いのではないかと提案した。長谷川さんは、まず3年間積み立てを続けたこと自体が素晴らしいと述べ、次の一手に進む前にNISAの基礎を確認することを勧めた。

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NISAの基礎と成長投資枠をめぐる3つの誤解

長谷川さんによれば、つみたて投資枠は対象商品が金融庁の基準で絞り込まれているため、初心者でも選びやすい。一方で成長投資枠は幅広い商品から自由に選べるぶん、誤解も多いという。代表例として3つを挙げた。

1つ目は、つみたて投資枠を上限まで埋めないと成長投資枠に投資できないという思い込みである。実際には両方の枠を同時に使える。2つ目は、つみたて投資枠の対象外の商品はよく分からないから避けておこうという先入観である。3つ目は、積立投資はつみたて投資枠の対象商品でしかできず、成長投資枠の商品は一括で買うしかないという勘違いである。実際には成長投資枠でも積立で購入できる。西川さんが制度の名称が分かりにくいのではないかと問うと、桑原さんも分かりづらい面は正直あるかもしれないと答えた。

成長投資枠の年間投資枠は240万円で、つみたて投資枠の2倍である。個別株も対象になり、金そのものには投資できないが、金を対象にしたETFなどは選べる。長谷川さんは、選択肢が多いことで逆に悩んでしまう人が多いと見ている。

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話題の上場銘柄と「時間がない」という壁

長谷川さんは最近の話題として、SpaceX、OpenAI、Anthropicといった大型テック企業の上場をめぐるニュースを挙げた。西川さんは、自分の保有商品に入っていないかと確認したくなったものの、次々に話題が出てくる中で簡単に手を出すのは難しいと感じたという。買うとしたら個別株か、それを含む投資信託か、という問いに対しては、個別株なら一発当たれば儲かるのではと思ったが、調べるほど時間がなく面倒に感じたと答えた。

長谷川さんは、SpaceXについては抽選に外れて投資したくてもできなかったという声もあると紹介した。そのうえで、あふれる情報の中から何をどう買うかを選び、自分から情報を取りに行くことが大事だが、その時間が取れないことが成長投資枠をうまく使えていない大きな理由の一つだと述べた。

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集中投資型インデックスという選択肢

西川さんが、オルカンやS&P500は広く薄く投資するものだが、伸びているところに特化した商品があればいいと思うと話すと、長谷川さんは、S&P500はよく知られた指数である一方、幅広く分散しているぶん1社あたりの投資割合は小さくなると指摘した。成長企業に厚く投資したい場合は、少数の銘柄に集中する集中投資型のインデックスファンドに目を向けるのも一つの選択肢だとし、その例としてメガ10を紹介した。

桑原さんの説明では、メガ10は米国の超大型成長企業10社を選び、1社10%ずつ、合計100%で均等に投資する指数に連動するファンドである。「卵を一つのかごに盛るな」という格言との関係を問われると、桑原さんは、500銘柄に分散していることの安心感はあると認めたうえで、より高いリターンや成長を求める投資家もおり、優良な10社に絞って投資することはそうしたニーズに合う解決策の一つだと考えていると答えた。

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メガ10の4つの特徴

桑原さんは特徴を4つ挙げた。1つ目は超大型グロース企業への集中投資である。「超大型」は時価総額が非常に大きいこと、「グロース」は売上高や利益がしっかり伸びている成長性を指す。2つ目は年4回の銘柄見直しと入れ替えで、桑原さんはこれを「鮮度管理」と表現した。3つ目は均等配分へのリバランスで、値上がりした銘柄を売り、値下がりした銘柄を買って各10%に近づけるメンテナンスを年4回行う。4つ目は、同社が売りとする市場の変化への適応力で、定期的な入れ替えによって、その時代に合った魅力的な企業を組み入れられるルールになっているという。

収録時点(7月下旬)の構成銘柄として、イーライリリー、ビザ、マスターカード、テスラ、NVIDIA、メタ、マイクロソフト、アルファベット、ブロードコム、アマゾンが挙げられた。西川さんがアップルが入っていないことを指摘すると、桑原さんは、アップルは時価総額が非常に大きく素晴らしい企業だとしたうえで、定量的に見ると利益や売上の成長に限りが見えている部分があり、成長性の高い企業を選ぶメガ10には現時点で入っていないと説明した。

テック企業以外が入っている理由について、桑原さんは、イーライリリーは肥満症薬が世界的に人気で医薬品としての成長性が見られること、ビザやマスターカードは一見地味に見えるが、クレジットカードによる決済の流れは今後も変わらないと考えれば、成長性のある大企業として仲間入りするのに違和感はないことを挙げた。

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S&P500と重なるのになぜ買うのか

西川さんは、メガ10の構成銘柄はオルカンやS&P500とかなり重なっていると指摘した。桑原さんもその点は認め、それでも投資する理由は集中投資による高いリターンへの期待だと述べた。S&P500の約500社の中には成長している企業もあれば、成長がうまくいっていない企業もある。過去も将来も成長が期待できる企業に集中することで、より高いリターンが期待できると桑原さんは考えている。西川さんがこれを「薄いカルピスではなく凝縮されたカルピス」とたとえると、桑原さんは「濃いカルピスをぜひ飲んでいただきたい」と応じた。

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時価総額上位10社の変遷が示すこと

桑原さんは、S&P500の時価総額上位10銘柄の変遷を示した。1995年12月末に1位だったゼネラル・エレクトリック(GE)は、2005年12月末も1位だったが、2015年12月末には4位に下がり、2025年12月末には上位10社から姿を消している。西川さんは、当初は石油、通信、製造業などのいわゆるオールドエコノミーが並び、2005年から2015年にかけてITやインターネットのプラットフォーム企業が現れ、2025年にはAI、半導体、クラウドの企業が並ぶと読み取り、10年でここまで変わることは誰も想像できないと述べた。桑原さんも、これを当てにいくのは難しいだろうと応じた。

現在時価総額1位のNVIDIAについては、2015年は251位、2005年は361位で、1995年にはS&P500に入ってもいなかったという。桑原さんは、こうした急上昇する企業もルールに基づいて自動的に指数に入ってくる点を強調した。一方、2025年12月末に時価総額2位のアップルがメガ10に入っていないことにも触れ、時価総額も売上高成長も時代とともに変わるため、銘柄の鮮度管理の仕組みが重要だと考えてこの指数を作ったと述べた。

21:44

FANG+やマグニフィセント・セブンとの違い

西川さんが、名前を聞いたことのあるFANG+やマグニフィセント・セブン(MAG7)との違いを尋ねると、桑原さんは最大の違いは銘柄が固定されているかどうかだと答えた。メガ10には固定銘柄がなく、極端な場合は10銘柄すべてが入れ替わる可能性もある。一方、FANG+指数は6銘柄が原則固定で、4銘柄が入れ替え対象だと説明した。MAG7もNVIDIAやアルファベットなど銘柄が固定されており、これまで米国市場をけん引してきた代表的な7銘柄だという。

西川さんが、今伸びている企業を後から追いかけることにならないかと問うと、桑原さんはその考えもあり得ると認めつつ、メガ10は選んだ銘柄が今後も伸びるだろうという前提で運用されていると答えた。

22:54

パフォーマンスの比較と下落局面

桑原さんは、リターンは起点をどこに取るかで変わると断ったうえで、2021年6月30日から2026年6月30日までの期間で、メガ10指数がS&P500やFANG+指数を上回ったとする推移を示した。西川さんは、下落局面でメガ10の下げ幅が小さいことに注目した。

桑原さんはその要因の一つとして、銘柄の固定の有無を挙げた。FANG+が大きく下がった時期はテクノロジー系企業が軟調だった局面で、メガ10にはテクノロジー以外の銘柄も入っていたため、それがクッションになって下落を抑えられたと見ている。

銘柄を固定しないことのメリットとして、桑原さんは勝ち組、つまり大きく成長している企業に多く投資できる点を挙げた。デメリットとしては、年4回入れ替えの機会があるため、たとえばNVIDIAを持ち続けていればより高いリターンを得られた可能性がある、という点を認めた。

24:34

10銘柄なら自分で買えばいいのではないか

株に詳しい人なら個別株で買えばいいと考えるのではないか、という問いに対し、桑原さんは、自身も指数を開発する際、10銘柄なら自分で買えるのではないかと一瞬思ったと明かした。そのうえで、個人で運用する場合の難しさを3点挙げた。1つ目は、入れ替えのたびに売買手数料がかさむこと。2つ目は、成長性の高い銘柄を見極めるには、米国企業の英語の財務諸表を読んで自分で分析する必要があり、非常に難しいこと。3つ目は、個人が最も身近に感じるであろうNISA枠の消費である。個別株で銘柄を入れ替えるには売って買い直す必要があり、そのたびに枠を使う。売却した分の枠は翌年に持ち越される。ファンドであれば中で運用会社が入れ替えるため、NISA枠を無駄に消費しないと桑原さんは説明した。

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メガ10のリスク

西川さんが「おいしい話だけに聞こえるが、リスクはあるのではないか」と尋ねると、桑原さんは当然リスクはあると答えた。最大のリスクは10社への集中投資で、1銘柄あたり約10%を占めるため、各銘柄の値動きの影響が大きくなる。S&P500でのNVIDIAの比率は7〜8%程度だったと思うとし、それと比べてもウェイトは大きいと述べた。次に、米国株に投資するため、米国市場が大きく下落する局面では元本が大きく目減りするリスクがある。最後に、円高が進むと基準価額にマイナスに作用する。

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今後の米国株をどう見るか

NVIDIAやAI関連の熱狂が続く中で米国株は大丈夫かという声について、桑原さんは、引き続き世界経済の中心は米国だろうと考えていると述べた。AIや半導体の需要拡大という中長期的なトレンドは続くと見ている。地政学リスクも非常に重要なポイントで、それに伴う金利や為替の不安要素も十分あると認めた。5年後、10年後の成長セクターを当てるのは非常に難しいとも述べた。

そのうえで桑原さんが強調したのは、短期で上がりそうだから買うのではなく、腰を据えて成長を取りにいく視点である。短期で値動きがあると投資している実感が湧き、底値で買えば一攫千金を狙えるかもしれないと考えがちだが、目先の動きに一喜一憂せず、10年、20年、30年先の資産形成という投資の目的に立ち返ってほしいと話した。

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コアとスパイスという組み合わせ方

オルカンやS&P500を持っている人は追加で買うべきか、乗り換えるべきかという問いに対し、桑原さんは、つみたて投資枠では定番のオルカンやS&P500をコアに据え、メガ10は成長投資枠でスパイスとしてポートフォリオに加えるのが一つの方法だと答えた。メガ10は成長投資枠でのみ購入できる商品で、つみたて投資枠はコアとして堅いものにしておき、成長投資枠でより高いリターンを求める人が挑戦するのは「あり」だと西川さんが確認した。長谷川さんは、コアの商品だからといってリスクがないわけではない点には注意してほしいという趣旨の補足を加えた。

西川さんは、米国が倒れたら終わりだとSNSで言われることもあるが、米国が倒れたら世界も終わりだと考えているので今のままでいいと思っていると話した。長谷川さんは、それは西川さんが長期で投資を考えているからだろうと応じつつ、不透明感がくすぶり短期的には不安定な動きもあり得るため、いつ買うかというタイミングの悩みが生じると指摘した。冒頭のアンケートでも追加投資について分からないという回答が30%台あったことに触れ、だからこそ長期の積立投資で時間を分散してしまえば「買い時」はないのだと述べた。

29:54

西川さんのポートフォリオにどう加えるか

西川さんが、自分がメガ10を入れるならどうすればよいかと尋ねると、桑原さんは、使えるのは成長投資枠であり、何%入れるべきかがまさに知りたい点だろうと受け止めた。ただし割合は、どれだけリスクを取れるか、どれだけの期間投資できるか、資産のうちどれだけを投資に回せるかと照らし合わせて決めるべきだと答えた。西川さんが、今の職場にいる間は多めにし、転職したら下げるといった調整をしてよいかと確認すると、桑原さんはそれが非常に重要だと応じた。

西川さんが、今はもう少しリスクを取ってもいいと考えていると話すと、桑原さんは、最適な割合を示すのは難しいとしながら、現在S&P500が100%の成長投資枠に、さらに上乗せしてメガ10を加えるのはよいのではないかと述べた。

最後に長谷川さんは、米国の成長性に期待し、少し攻めた投資をしたい人や、成長企業への投資の厚みを増やしたい人に、新NISA3年目の次の一手として検討してほしいと語った。桑原さんは、資産運用がここまで広まった今だからこそ、投資の目的に立ち返ってほしいと述べ、定期的に銘柄を入れ替えてその時々の米国企業の成長を取るという仕組みに共感する人には、よく調べたうえで検討してほしいと締めくくった。