レジェンド3人が語る2026-27シーズン:八村塁の役割拡大、レブロンの移籍、混戦の東西

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概要

PIVOT BASKETBALLの今回のテーマは「今NBAを見るべき理由」だ。日本時間10月21日の2026-27シーズン開幕を前に、来日中のドワイト・ハワード、デロン・ウィリアムス、ミッチ・リッチモンドの3人が、日本人選手の新シーズン、レブロン・ジェームズの移籍、西の覇権争いについて見解を語った。俳優・タレントでNBAファンの副島淳と、NBAアナリストの佐々木クリス(リモート参加)が聞き手に加わり、Bリーグのトップ選手から寄せられた質問にもレジェンドたちが答えている。

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時代を代表した3人という顔ぶれ

番組の冒頭では3人の実績が紹介された。ハワードは2004年にドラフト全体1位で高卒からNBA入りした。番組の紹介によれば、オールスター8回、最優秀守備選手賞3回、オールNBAファーストチーム6回、リバウンド王5回を記録している。2008年北京五輪の金メダル、ダンクコンテスト優勝、2020年のレイカーズでの優勝を経て、2025年に殿堂入りした。ウィリアムスは2005年のドラフト全体3位で、オールスター3回、2008年と2012年の五輪で金メダルを獲得し、2025年に殿堂入りしたポイントガードだ。リッチモンドは1988年のドラフト全体5位で新人王を獲得した。オールスター6回、1995年にMVP、「ランTMC」の一角として活躍し、1996年アトランタ五輪の金メダル、2002年のレイカーズでの優勝を経て、2014年に殿堂入りしている。

佐々木はこの顔ぶれについて、3人とも金メダリストで五輪メダルは合計4個、オールスター出場は合計17回だと整理した。そのうえで「2000年代にリーグを支配したビッグマン、同世代で最高峰のポイントガード、90年代を代表するスコアラー」がそろっていると表現した。アメリカのポッドキャストでもこの3人が同じテーブルに着くことはまずない、とも述べている。

冒頭の雑談では、レジェンドの一人が、今も世界中でバスケットボールをしていて、プレーできるほど健康なのだから楽しめばいい、と語った。バスケが恋しいかと聞かれると、恋しいのはチームメイトと一緒にいて遠征し、思い出を作ることであり、それがNBAでプレーする一番の醍醐味だったと答えた。「日本のBプレミアでプレーする気はあるか」という問いには前向きな反応があり、スタジオでは群馬のGMに話してみようという冗談も出た。

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八村塁と河村勇輝、同じクリッパーズへ

最初のテーマは、八村塁と河村勇輝がともにロサンゼルス・クリッパーズに所属したことだ。副島はこれを日本のNBA熱が高まる中での最大級のニュースと位置づけた。レイカーズからクリッパーズに移った八村の役割が変わる点にも注目している。佐々木は、日本から輩出されたNBA選手がごく限られている中で、2人が同じユニフォームでレギュラーシーズンの公式戦に出る可能性があることを「日本バスケットボールの歴史の新しい1ページになるチャンス」と表現した。ただし、河村がロスター入りを勝ち取ることが大前提だとも付け加えている。

八村の印象について、ハワードは「素晴らしい選手」と評した。今季はクリッパーズで本当に良いシーズンを送るだろうと予想し、精神的にも落ち着いた良い状態に入るのではないかと述べた。

ウィリアムスは、八村が毎年成長してきた選手だと指摘した。そのうえで、レブロンやルカ・ドンチッチ、オースティン・リーブスと一緒にプレーする中でロールプレイヤーになるのは難しいことだったと語った。今季のクリッパーズでは八村のユーセージレートがかなり上がるはずだと見ている。チームが若いので、よりリーダーやベテランとしての役割を求められ、自分にもっと何ができるかを示す機会を得るはずだという。佐々木はユーセージレートについて、「チームの攻撃100回のうち、その選手がどれだけの攻撃を締めくくるか」を示す指標だと補足した。その数字が増えるとウィリアムスから聞けるのは興奮すると話している。

別の問いに対しては、このリーグでスターになれるかどうかは彼自身にかかっている、という回答もあった。リッチモンドはゴンザガ大学時代に触れ、八村が時間とエネルギーを注いで選手として成長してきた点を評価した。日本では八村がヒーローであることをアメリカ側はどう見ているかと問われると、日本出身でNBAでプレーしているからこそ大きな期待がかかる、という趣旨の答えが返った。

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「何でも八村のせいにされていた」――レイカーズ時代の重圧

副島はリッチモンドに踏み込んだ質問をした。プレーオフでドンチッチが欠場する中、八村はオープンの3ポイントで一定の評価を得た。しかしドンチッチもレブロンもリーブスもいないクリッパーズで、NBAという過酷な場所を生き抜いていくためには、クリエイト力とペイントアタックのどちらを伸ばすべきか、という問いだ。

リッチモンドは、その力は八村にすでに備わっていると答えた。そのうえで、支配的な選手たちと一緒だった状況は難しかったと話を広げた。ディフェンスで何か起きると誰もが「ルイ」を指さし、ベテランやすごい選手がたくさんいる中で「ルイ、お前が責任をかぶれ」となり、コーチからも余計に批判を受けていたのではないか。今はそうした重荷を下ろせるはずだ、という見方である。この答えにハワードは大笑いしていた。

番組は八村の3ポイント成功率として、シーズン44.3%、プレーオフ56.9%という数字を紹介し、NBA歴代3位にあたると説明した。ハワードは、今季はボールを持つ時間が増えるので、キャッチ&シュートだけでなく自分でシュートを作り出さなければならなくなると指摘した。ガードからパスをもらえれば決めるだろうし、プレーオフで高確率のシュートを見せたことで選手としての価値を証明した、とも語った。さらに、八村は大きくプレーの幅を広げるだろうと予想した。日本のファンに対しては、期待が高いのは当然だが八村を応援し続けてほしいと呼びかけた。日本からゴンザガへ行き、NBAでプレーし、一国の人々を代表するのは大変なことだ、というのがその理由である。

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172cmの河村勇輝に必要なもの

河村勇輝は身長172cmのポイントガードだ。サイズの小さいガードがNBAで生き残るには何が必要かと問われ、ウィリアムスはまずタフさを挙げた。そのサイズでNBAにいること自体が、選手としても人としても彼がどういう人間かを十分に物語っている、という言い方だった。同じ言語を話す親しい顔、つまり八村がチームにいることも助けになるだろうと述べている。

ウィリアムスは自身の経験も語った。小柄な相手と対戦するとき自分にとって問題だったのはクイックネスで、彼らは自分よりずっと速く俊敏だったので、そうした速いポイントガードを守るのは大変だったという。司会はこれを「スピードとタフネスが生命線」とまとめた。

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安藤誓哉の問い:ピュアなポイントガードは今後も必要か

昨季の日本人得点ランキングで3位に入ったスコアリングガード、安藤誓哉からウィリアムスに質問が寄せられた。現代のバスケットボールではピュアなポイントガードがコートにいない時間帯が出てきている。今後もポイントガードは本当に必要なのか、その概念をどう考えるか。そして、スコアリングポイントガードの必要性についてどう考えるか、という内容だ。

ウィリアムスは、ゲームが明らかに変わり、それに伴ってポイントガードも変わったと答えた。もともとポイントガードは伝統的にパスファーストの選手で、得点もできれば良いという存在だった。大量得点する選手もいたが、それが主流ではなかった。今はシュートを打てること、得点できることが「ある種の必須条件」になっているという。一方で、ほかの選手を高い頻度でゲームに関わらせ、チームメイトを満足させられる選手がいることは「贅沢」だとも述べた。ミッチのようなスコアラーやドワイトのようなビッグマンはボールを必要としているし、ボールを受けるに値する。そうした選手を関わらせて得点や数字を残させることも重要だ、というのがウィリアムスの考えだ。

続いてハワードに、一緒にプレーしやすかったポイントガードを尋ねた。ハワードはスティーブ・ナッシュ、五輪で組んだデロン(ウィリアムス)とクリス(・ポール)、ジェイソン・キッドの名を挙げた。ボールが来ると思っていない場面でも、彼らは正しい位置にボールを届ける方法を知っていたという。本当に良いポイントガードは味方を見つけて簡単な得点をさせてくれる。ハワード自身も良いスクリーンをかけてポイントガードをフリーにすることを心がけていた。そうすればマークマンや誰かがヘルプに出ざるを得ず、自分が簡単な得点を得られたからだ。リッチモンドも、シュートを打ちやすいパスをくれたポイントガードとして何人かの名前を挙げた。佐々木はロッド・ストリックランドらの名前を聞いて、彼らは自分でも得点できることを示しながら周りも引き立てていたのだと振り返った。

21:52

レブロンの76ers移籍をどう見るか

2つ目の大きな話題は、レブロン・ジェームズがレイカーズを離れ、フィラデルフィア・76ersと契約したことだ。佐々木は、八村がレイカーズで活躍していた間ずっとレブロンも在籍し、多くの人がレイカーズに注目していただけに、世界が固唾をのんで行方を待った末のフィラデルフィアという決断は衝撃だったと語った。76ersは開幕戦でニックスの本拠地に乗り込む。

41歳のレブロンがキャリア4度目のフリーエージェントで東に戻ったことについて、ハワードは、攻撃の負担を担える選手がいる点を挙げた。名前を挙げたのは、ファイナルMVPの経験があり、トップクラスと渡り合える得点力を持つジェイレン・ブラウンらである。自分がチームを背負う必要がないチームへ行ったことは、もう一度優勝を狙ううえで最善の決断だったとハワードは見ている。点を取れる選手、リバウンドを取れる選手、フィニッシュできる選手がいるので、レブロンは「ただレブロンでいればいい」。パワーフォワードもポイントガードもシューティングガードもスモールフォワードもこなせるからだ。ただし健康が大きな鍵になり、レブロンが健康を保てれば、このチームは優勝争いができるとハワードは述べた。

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レブロンなきレイカーズはドンチッチのチームに

副島はハワードに、レブロンが去った後のレイカーズはドンチッチがスーパーパワーを発揮しなければ勝てないのではないかと尋ねた。ハワードは、ドンチッチはシュートが打ててコート上でほぼ何でもできる選手だと評した。今季は支配的なメンタリティで臨んでくると見ている。チームメイトを母国に呼んで一緒にトレーニングしたことはチームケミストリーにとても良く、シーズン前に全員をまとめるという点でリーダーとして正しいことをしている、と評価した。さらに、ドンチッチは14歳からプロとしてプレーしているので大舞台での経験があり、その瞬間を恐れず、チームを引き受けることを楽しみにしているとも語った。リーグ屈指の選手であることを今年示すだろう、というのがハワードの見立てだ。

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原修太の問い:主役からロールプレイヤーへ

PIVOT BASKETBALLのファミリーでもある原修太からは、ハワードへの質問があった。ハワードは1度目のレイカーズ在籍時にはメインの選手として、2度目にはロールプレイヤーとして優勝を経験している。役割が変わる中での気持ちの変化や、結果を残すためのマインドを聞きたいという内容だ。

ハワードは、自分の役割を受け入れることを学ばなければならないと答えた。チームのメインの選手からロールプレイヤーになるのは多くの選手にとって難しいかもしれないが、勝つためには犠牲を払わなければならない、という趣旨だ。司会は、これほどのスーパースターでも年齢とともに犠牲を受け入れるのだと受け止めていた。

27:15

ウェンバンヤマとSGA、西の覇権争い

3つ目のテーマは、昨季の激戦カードでもあり今季の開幕戦でもぶつかるスパーズ対サンダーだ。同じセンターとして22歳のビクター・ウェンバンヤマをどう見るかと聞かれ、ハワードはディフェンスと自信、そしてガゼルのように走れる点を挙げた。良い組織にいるので正しい道を外れないだろうとも述べている。彼を止められるものがあるとすれば健康とメンタリティだけで、ただしマインドセットが変わることはないだろうとハワードは見る。根拠として挙げたのは、僧侶と一緒にトレーニングをし、心と体を整えるために世界中を旅していることだ。ゲームに非常に真剣に向き合っているという。ハワードは、3年目にチームを率いてファイナルに到達するのは非常に難しいことだと述べた。そのうえで、今は負ける悔しさを知ったので、より強い切迫感を持って戻ってくるだろうと予想し、史上最高の一人になる才能を全て持っていると語った。

副島が「もし現役のハワードがウェンバンヤマと対戦したらどう守るか」と尋ねると、ハワードはペイントから遠ざけ、タフなショットを打たせることだと答えた。

サンダーとシェイ・ギルジャス=アレクサンダーについての回答もあった。ここ数年、各チームはオクラホマシティを研究し尽くしており、誰を止めなければならないかを知っている。だから今年は少し難しくなるだろう、という見方だ。それでも昨季プレーオフの終わり方を踏まえて強いメンタリティで戻ってくるはずで、高いレベルで健康なら再び上位に戻ってくるとも述べた。西のプレーオフはヒューストンやデンバーなどがいて厳しく、1試合も気を抜けない。それでもサンダーはここ数年、選手育成によって良い成績を残してきた、とこの回答者は評価した。

33:07

スランプとの向き合い方

Bリーガーからは、試合中にうまくいかないときのマインドセットや、自分に言い聞かせていたことについての質問もあった。シューティングガードだったリッチモンドはこう答えた。シュートを外すと自信は揺らぐが、次にやるべきことは打ち続けることだ。次のシュートが入るかどうかは分からないからである。自分はシューティングガードだから打ち続けた、と振り返っている。ただし悪いシュートは打たないことが大事で、それをするとスランプから抜け出せなくなるという。調子が悪いときにはフリースローラインに行くようにしていたとも語った。そこで気持ちを落ち着け、リズムを取り戻してから立て直すためだ。どの選手にもシュートスランプはあり、抜け出すには打ち続け、片手で打とうとせず、ジャンプの頂点で打つといった、シュートを始めた頃の基本に立ち返ることだ、というのがリッチモンドの助言である。

34:34

東は混戦か、ニックス連覇はあるか

佐々木は、東が強くなったと感じているので、ニックスの連覇の可能性が最も高いのか、東のトップコンテンダーはどこかと尋ねた。最初に答えたレジェンドは、ニックスは優勝したばかりで、ここ3〜4年プレースタイルが一貫していると評価した。ジェイレン・ブランソンはリーダーとして全員を関わらせつつ、必要なときには試合を支配している。そのため東のカンファレンスファイナルかそれに近いところまで戻ってくるだろうと見ている。ただし東には強いチームが多いとも指摘した。トロントは中心選手の復帰がありタレントがそろっている。スコッティ・バーンズは、レブロンにフィジカルでついていける数少ない選手の一人で、守れるうえに攻撃でもやり返せ、接触も大舞台も恐れないという。セルティックスもポール・ジョージが加わって優勝争いに戻ってくる。東は層が厚く、76ersがプレーオフを楽に勝ち上がることはないだろうと述べた。さらに西のチームとも戦わなければならないとも付け加えた。

次の回答者は、今年は本当に「ワイドオープン」だと語った。各カンファレンスに優勝の可能性があるチームが4、5チームはあるという。デトロイト、クリーブランドを挙げたうえで、ウィザーズも噛み合ってADが健康を保てれば、トレイ・ヤングやADらを擁して手強くなると見ている。

司会が「おそらく分からないという答えになるのでは」と前置きして聞いたリッチモンドは、どのチームも自分たちの立ち位置を確立しようとしているので、シーズンを流して戦うことはできないと答えた。若くハングリーなチームが準備して勝ちに来るので、エキサイティングな年になる一方、楽な試合は一つもないだろうという。

37:58

辻直人の問い:シュートフォームは変えたのか

最後のBリーガーからの質問は、日本を代表するピュアシューター、辻直人からのものだった。現役最後のシュートフォームになるまでにフォームを変えた時期と理由を知りたい、という内容だ。答えたハワードは、フォームは変えていないと述べた。早い段階からかなり良いフォームだったといい、レイカーズでのあるシーズンには、シーズンの一部で75%ほどの成功率を記録したと話した。一方で、シュートは自分の強みではなかったとも認めている。司会はハワードのダンクの印象の強さに触れ、フィジカルの強さを改めて話題にした。

39:03

日本のファンへのメッセージ

締めくくりに、ハワードが日本のファンへメッセージを送った。これまで長年NBA選手に寄せてくれた支援と愛情に感謝し、海外からNBAにたどり着く選手がどんどん増えていると語った。そのうえで、今NBAにいる2人の日本出身選手にエールを送り、素晴らしいシーズンになるよう願っていると述べて番組は終わった。