サンダーバーズのパイロットが選ぶ「好きな技」:鏡合わせのパスから低空スローロールまで

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概要

F-16ファイティングファルコンを運用するアメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」の演技は、速すぎて気づいたら終わっていたり、どういう機動だったのか分からなかったりする。この動画が扱う問いは「サンダーバーズのパイロットがいちばん好きな技は何か」の一つだけだ。見て気持ちいい技、飛んで気持ちいい技、そしてチームの努力が一気に形になる技について、現役パイロットへのインタビューと映像を交えながら、ナレーターが一つずつ解説していく。

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サンダーバーズとは何か

サンダーバーズはアメリカ空軍の公式アクロバットチームで、1953年にアリゾナ州のルーク空軍基地で空軍のデモチームとして発足した。最初の機体はF-84Gで、その後さまざまな機種を経て、現在はF-16ファイティングファルコンを運用している。現在の本拠地はネリス空軍基地である。

動画は、チームの役割を「曲技飛行を見せること」だけではないと説明する。空軍の戦闘機が持つ高い性能と、それを操るパイロットの技量を、言葉ではなくデモ飛行によって目に見える形で伝えることが役割だという。サンダーバーズは時代に合わせて機体を変えながら、広報として航空ショーで見せる役割を担ってきた、と動画はまとめている。

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ダイヤモンドとソロ:二つのチーム構成

演技は大きく二つのチームで構成される。一つは4機で飛ぶ「ダイヤモンド」で、1番機から4番機が極限まで近く密集し、編隊の精密さを見せる。もう一つが「ソロ」で、5番機と6番機の2機が高速パスやロールなど、F-16の運動性能を派手に見せる担当である。

ソロの中心になるのが5番機で、これを「リードソロ」と呼ぶ。6番機はその相手役として、対抗したり並走したりして見せ場を作る。動画によれば、ダイヤモンドは精密な編隊の美しさを、ソロは戦闘機の性能と迫力を担い、その両方を組み合わせることでサンダーバーズのショーが完成している。

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カリプソパス:触れそうで触れない鏡合わせ

最初に紹介されるのはカリプソパスである。2機で見せる鏡合わせのようなパスで、観客からは2機がぴったり重なって飛んでいるように見える。

動画はこの技の面白さを、触れそうな距離に見えるのに実際には触れていない点に置いている。ほんの少しのずれでも鏡のような見え方が崩れるため、感覚と姿勢を揃える精密さが際立つ技だという。また、地上から望遠で見ると奥行き方向の距離が圧縮され、実際より機体が近く見えるため、触れているような錯覚が起きると説明している。

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ハイボムバースト:一斉に散る瞬間の形

次はハイボムバーストである。ボムバーストは、一点に集めた隊形を爆発のように散らす技だ。同じ場所から一斉に散るからこそ、タイミングが重要になる。スモークが空に線を引くので、散った瞬間の形がそのまま空に残り、花が咲いたように見えると動画は描写する。

ハイボムバーストには、ソロ機が絡むバージョンもある。編隊が散っていくその中心線を、ソロの1機がスモークを出しながらまっすぐ上に抜け、外側で螺旋のような煙を作る。これはショー終盤の見せ場として登場するという。

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デルタバップ:6機が初めて合流する場面

字幕で「デルタバップ」と呼ばれている演目は、6機全体がそろう場面として紹介される。ショーの序盤では通常、ダイヤモンドとソロが別々に演技を行っているが、この演目で初めて6機が合流し、巨大な三角形の「デルタ隊形」を組む。

多くの場合、観客席の後方や側面から比較的低い高度で一気に進入し、6機のエンジン音が重なった凄まじい轟音とともに観客の頭上や前方を駆け抜ける、と動画は説明している。

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スローロール:リードソロが「見るのも飛ぶのも好き」な技

動画の中心となるのが、インタビューに答えたパイロットが挙げたスローロールである。ナレーションは、速い戦闘機が信じられないほどゆっくり回るというギャップで見せる技だと紹介する。

答えたのはリードソロとして飛ぶパイロットで、スローロールはリードソロとして自分が担当できる好きな機動の一つだと話す。地上からデモを見ているときにいちばん好きな機動であり、同時に自分で飛ぶのもいちばん好きな機動だという。

パイロットはその様子を次のように描写する。左から右へラインを取って進入すると、F-16が地上150フィートの高さに浮かんでいるように見え、翼がゆっくりと傾き始める。それは時速500マイルで飛びながら行われる、非常にゆっくりとした制御されたロールだという。パイロットは、これほど高出力の機械が、これほどの制御の下で優雅に、ゆっくりと、滑らかに動くのを見られるのは信じがたいことだと語り、それが機体の能力だけでなく、パイロットや彼らを訓練する人々の力も示していると述べる。

一方で、飛ぶ側から見るとこれは最も難しい機動の一つだという。パイロットによれば、操縦桿とラダーなど機体のあらゆる種類の操作を入力しながら、地上を猛スピードで駆け抜けつつ100フィートを維持しなければならない(冒頭では150フィートと述べており、動画内で高度の数字は統一されていない)。それだけのことが必要だと分かっていながら、見た目はとても簡単で優雅に見える、その点が素晴らしいとパイロットは話す。さらに、音楽が盛り上がるタイミングで行うのは実に格好いい、とも付け加えている。

8:06

デルタバースト:星形に広がる最後の散開

最後に紹介されるのはデルタバーストである。6機のデルタ編隊が観客側に向かって突っ込んでくるように接近し、合図と同時に6機が外側へ一斉に散開する機動だ。スモークが放射状に広がり、空に星形の軌跡が残るのが魅力だと動画は説明している。

8:42

技を成立させる積み重ね

動画は締めくくりとして、紹介した「好きな技」の本当の主役は、技そのものよりも、その一瞬を成立させる積み重ねだったと振り返る。数値の感覚や1秒単位のタイミングを空で揃えるには、パイロットの技量だけでは足りず、整備、運用、支援まで含めたチーム全体の連携があって初めて実現する、というのが動画の結論である。その後、サンダーバーズのデモフライトの映像で動画は終わる。