中丸雄一が聞く「割安株の探し方」:PER・PBR・ROEの読み方と、勝ち続ける投資家の考え方

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概要

新R25の投資番組『どっちで増やしまショー』に、株式投資歴およそ10年のタレント・アーティスト、中丸雄一がゲストとして出演した。中丸が投資のプロに聞いたのは「割安株を探すコツ」と、そのための指標であるPER・PBR・ROEの具体的な使い方だ。回答したのは経済アナリストの馬渕磨理子、個人投資家のテスタ、デイトレ芸人のハニトラ梅木である。後半では「投資で毎年勝ち続けるにはどうすればいいか」という質問も取り上げられた。

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「投資番組に呼んでほしかった」という投稿

出演のきっかけは、中丸が前年にX(旧Twitter)に投稿した内容である。中丸は、趣味の範囲で株式投資を10年ほど続けていること、今後も投資について発信していくことを投稿していた。番組で中丸は、こうした投稿はずっとしてこなかったが、10年続けてきたこともあり、普段よく見ている投資系チャンネルに呼んでもらいたい気持ちで投稿したと明かした。

この投稿にはテスタも反応しており、「株式投資のイメージがいい方向に変わっていることを証明する、何気に歴史的なポストの気がする」と書いていた。番組内でも、所属事務所STARTO ENTERTAINMENTのタレントが株のことをつぶやくことはこれまでなかったのではないか、お金の話は言いにくい世の中だったが空気が少し変わってきている、という趣旨の発言があった。

ハニトラ梅木、資産5億円に

この回の「スペシャルプランナー」として登場したハニトラ梅木は、元手35万円を資産5億円にしたと紹介された。梅木によれば、前年に番組に出演した時点では約2億5000万円で、その後年末にかけて約1億円を積み増し、年明けから1カ月あまりでさらに約1.3億円増えたという。

主な投資先は半導体関連と金・銀だった。梅木は前年の中頃から銀などのETFと投資信託を買っており、レバレッジはかけていないと説明した。空売りはしておらず、先物でもない。先日の下落の前、最初の高値のタイミングで売り抜けたとも話した。梅木は4年前、コロナ禍で仕事がなくなり無一文だった時期があったとも振り返っている。

中丸雄一の芸能人生と投資を始めた理由

番組恒例の「人生チャート」では、中丸のこれまでが振り返られた。2001年にKAT-TUNを結成し、2006年に「Real Face」でCDデビュー。結成からデビューまでは5年かかり、デビュー曲はいきなりミリオンセラーになった。中丸によると、KAT-TUNにはグループとしてのイメージについて事務所からの指示がほとんどなく、自由にやっていいという環境だったという。

2008年には早稲田大学人間科学部(通信課程)に入学し、5年かけて卒業した。中丸は、デビュー後に目上の人との交流が一気に広がった際、自分が大人としての会話をうまくできていないことに気づき、義務教育をきちんとやってこなかったツケが回ってきたと実感したのが入学の理由だと語った。通信課程は入るより卒業が難しいとされ、仕事先にパソコンを持ち込んで課題をこなす日々だった。翌年にはTBS系の連続ドラマの仕事も重なり、中丸は当時を「完全に地獄」と表現し、毎日吐いていたとも明かした。これにテスタも、株を始めて最初の半年ほどは、自分のやり方が正しいのかわからないプレッシャーで毎日吐いてからパソコンに向かっていたと応じている。

投資を始めたのは2015年ごろだ。母親が金融関係の仕事をしており、芸能の世界は収入が不安定なので、稼げるときに稼いだお金を人生のスパンで計画的に考えなさいという教育を受けていたことがきっかけだったという。

その後、2023年には『山田君のざわめく時間』で漫画家デビューし、半年ほど連載した。2024年にはYouTubeチャンネル「中丸銀河ちゃんねる」を開設し、編集も基本的に自分で行っている。中丸は、子どもの頃から死ぬまでにやりたいことを全部やりたいという欲があり、漫画家になりたいという気持ちもそこから出てきたと説明した。漫画と動画編集には、自分が思い描く映像を形にして人に見てもらいたいという共通点があるとも話している。

PERは「人気のバロメーター」

中丸の最初の質問に対し、馬渕はまず3つの指標を簡単に整理した。PERはその株が人気かどうかを見るもので、高すぎると人気が過熱しており、低いとまだ人気がないと読む。PBRは1倍が基準で、1倍を割っていると割安と認識する。ROEは投資家から集めたお金をどれだけうまく回して利益を出しているかを示す数字だ。

馬渕は企業経営の流れを図で説明した。企業は銀行からの借入(負債)と投資家から集めたお金(株主資本)を元手に、工場や建物などの資産を作る。それが回り始めると売上が立ち、人件費などの費用がかかり、1年間の経営の結果として純利益が残る。PERは、このうち損益計算書(PL)側の、1年間という短期の流れの中で出た利益に対して、株がどれだけ買われているかを見る指標だという。

たとえばPERが15倍なら、1年間の利益に対して15倍、つまり15年かけて回収する程度の評価で株価がついていることになる。100倍の銘柄もあるが、今の利益のままでは回収に100年かかるという計算になる。それが成り立つのは、将来の利益が今よりずっと増えると市場が考えているからで、利益が2倍になればPERは100倍から50倍に下がる。PERの高い企業は、利益が2倍、3倍、4倍と伸びると期待されている伸び盛りの企業だ、というのが馬渕らの説明である。

梅木とテスタはPERをどう使うか

では、実際の投資家はPERを必ずチェックするのか。出演者の一人は、自分はテクニカル分析が中心だったのでPERはそれほど重視していなかったと話した。デイトレード中心のころはあまり見なかったが、最近は中長期の運用もするようになり、その際にはまず見る指標だという。また、短期売買であってもPERを意識する投資家は多いので、株価が上がりにくくなる水準として自分の中でマークしておくこともあるという。

別の出演者も、デイトレードのときは一切見なかったと述べたうえで、使い方の例を挙げた。市場では一般にPER15〜20倍程度が適正と考えられている。今PERが30倍でも、来年の利益が3倍になると予想できれば、来年には10倍になる。みんなが15〜20倍を普通と考えているなら、そこまでは買われる余地があると予想できる。今の数字だけでなく、次にどうなるかを見て判断に使うという考え方だ。証券会社によっては、会社が決算で出す来期予想をもとにした予想PERを載せているところもあり、実績と予想の両方を見ているとも話した。

PBRは株主目線の指標

続いて馬渕はPBRを説明した。貸借対照表(バランスシート)の左側に関わる指標は、1年間の流れではなく企業の歴史の積み上がりを表す。銀行からの借入も株主から集めたお金も1年で消えるわけではないため、長期の目線の指標になるという。

PBRは、株主資本に対して市場が今どれだけの評価をしているかを示す。株主からすれば、お金を預けて応援しているのだから、せめて預けた額より高い時価総額をつけてほしい。それが「1倍を超えてください」という基準の意味だと馬渕は説明した。純資産100億円で時価総額100億円ならPBRは1倍、純資産100億円なのに時価総額が90億円なら0.9倍で、割安ということになる。0.8倍や0.7倍の企業も多くあるという。

日本企業はこれまで1倍割れが多かったが、海外投資家や東京証券取引所が「ちゃんと頑張りなさい」と圧力をかけた結果、1倍を超える企業が増えてきたと馬渕は語った。業種によっては1倍割れが普通だった分野もあり、銀行と自動車は長くその状態だったという。銀行は資本を積み上げなければならないルールがあるため解消が難しいが、自動車業界は解消に向かっていると馬渕は述べた。PERが企業の利益と市場を比べるのに対し、PBRは株主資本と市場を比べるため、より株主目線であり、今はPERよりPBRのほうが重要な指標になっているというのが馬渕の見方だ。

ROEは「一番大事な経営指標」

馬渕がさらに重要だとしたのが、中丸が挙げた3つ目のROEである。ROEは分母に株主資本、分子にPLの純利益を置く指標で、ここまで説明した2つの概念を結びつける。株主から集めたお金を1年間でどれだけうまく使って利益を出したかを示すもので、馬渕は「実はROEが一番大事な経営指標」だと述べた。

これに対してテスタは、自分はROEをいまだに理解していないと告白した。最近ようやく「EPS」が「1株当たり利益」のことだと理解したといい、1株益自体はよく知っていて使っていたが、EPSという呼び方と結びついていなかったという。PERとPBR以外のアルファベット3文字は嫌いだとも話し、スタジオでは、知らなくてもデイトレードはできるという流れになった。

ROEの目安について、馬渕は8%を基準に頑張りましょうと言われてきたと説明した。20%ならかなり良く、トヨタはあの規模で15%を目指しているという。一方でアメリカではROEが30%といった企業もあり、日本とは効率の水準が違うとも話している。

中丸が、数字が高ければ高いほどいいのかと尋ねると、馬渕は、高ければいいわけではなく、むしろこれから高くなっていく期待が持てるほうがいいと答えた。すでに高すぎると改善の余地がなくなるため、伸びるタイミングを狙うということだ。

配当・自社株買いでROEが上がる仕組みと、2026年からの議論

馬渕はここで、株主資本を「使う」ことでROEを押し上げるやり方があると指摘した。配当を出したり自社株買いをしたりすると、企業は株主資本を使うので分母が小さくなり、結果としてROEの数字が上がったように見える。配当や自社株買いのニュースが出ると株価がパンと上がるのは、ここに理由があるという。

テスタは、理屈の上では自社株買いは自分のお金で自分の株を買っているだけで企業の価値は変わらず、配当も会社の貯金を渡しているだけなので、本来は株価が変わらなくていいはずだと補足した。それでも株価が上がるのは、市場がこれを手法として見ているからで、テクニカルな話だという。

中丸が、その場合の指標の上がり方はあまり良くないように感じると言うと、馬渕も同意した。馬渕によれば、2026年から東京証券取引所が、ROEを改善するために自社株買いと配当ばかりしていてはいけない、手元のお金を成長分野に投資して未来につなげなければ食いつぶしているだけだ、という趣旨の指摘をしており、表面的な対応ではなく本質的な議論が始まっているという。

テスタの答え:不確定要素を排除するデイトレードから出発

2つ目の質問は「投資で毎年勝ち続けるにはどうすればいいか」だった。テスタは、自分は性格的に1円も減らしたくないタイプだったので、まず減らさないためにはどうすればいいかを考えたと答えた。

そこで排除したいと考えたのが不確定要素だった。当時の取引時間は15時までで、引け後に決算などの発表があると翌日に株価が大きく上下する。夜間にアメリカ市場が大きく動いて日本市場に影響することも多い。これらを避けるため、9時から15時の間に売買を完結させ、15時の時点ではすべて現金にしておくデイトレードにたどり着いたという。テスタは、この方法でライブドアショックやリーマンショックを無傷で乗り切れたと話す。基本的に株を持っていないので、どれだけ暴落しても影響がなく、むしろ暴落した銘柄をチャンスと見て買い、すぐに売る。持ち越さないことを徹底すれば、ショックもあまり怖くないという。

その後、資金が増えるにつれて時間軸を徐々に伸ばしてきたが、今も基本はまずリスクを考えることだとテスタは言う。この株を買うならどこにリスクがあり、最悪どこまで下がるかを先に考える。大きく下がるかもしれないが大きく上がる銘柄よりも、下落を限定できて少し上がる銘柄を選び、それを複数持てば全体で大けがはしない。自分はそういう「小さくコツコツ派」だと説明した。

馬渕の答え:指数への長期投資

馬渕は指数に投資しているという立場から答えた。S&P500の年間パフォーマンスの資料を示し、基本的にはプラスの年が多いが、2018年や2022年のように大きくマイナスの年もあると説明した。自分も指数に投資しているので同じようなパフォーマンスになり、毎年緩やかに増えていくイメージだという。日経平均にも投資しており、こちらもマイナスの年とプラスの年がある。

資料で目を引いたのが2013年で、アベノミクスにより56%上昇していた。テスタは、2005年に投資を始め、2012年までは下げ相場だったと振り返った。その間に生き残っていたのは相当うまい人だけだったので、2013年はみんなが大きく勝ったという。テスタ自身もこの年、1億円が5億円になり、500%のリターンだったと話している。

一方でテスタは、2014年は指数としては少しプラスだったのに、多くの人が大きく負けたとも指摘した。2012年後半から2013年があまりに強かったため、下がったら買って放置するのが正解という感覚に体が慣れてしまったからだという。

中丸はこの話を受けて、自分がルーティンとして意識していることを語った。下げ相場で何年もやっているとそれに合った投資スタイルになり、全体のパフォーマンスが高い時期に同じスタイルでいるとチャンスを逃す。だから自分の固定観念に縛られないよう、考え方のアップデートを細かく行うことが、中丸にとっての負けないための考え方だという。

馬渕はS&P500が好きで安定しているとしつつ、良い年でも30%程度で、1年で2倍、3倍になるものではなく、テスタの世界とは違うと述べた。中丸も指数投資をしており、ベースを指数で押さえつつ、資産を大きく増やしたいなら個別株への挑戦が必要になる、という整理がなされた。馬渕自身は指数でじわじわ増やしているという。

株の話ができる仲間がいない

終盤、中丸は株の難しさについて語った。長期で持てば勝率はほぼ100%に近いと思っているが、リスクのあるものなので、人に「やったほうがいい」とは言い切れない。そのため周囲とのコミュニティが広がらないという。テスタも、理屈で考えれば現金で持っておくより有利だとわかっていても100%ではなく、アメリカが崩壊する、資本主義社会が終わるといった話になれば全部吹き飛ぶので、責任は持てないと応じた。

株の話をできる仲間はいるのかと聞かれ、中丸は「いないんですよ」と答え、話したいという気持ちを明かした。テスタが今後話をしようと応じる場面もあった。番組の感想として中丸は、出演者それぞれ角度の違う助言がもらえて参考になったと述べている。

番組の最後には次回予告として、中丸の「2年以内にゲームをプロデュースするために3000万円欲しい」という目標が紹介され、それに対するマネープランとして「国策トライアングル戦略」や「テーマ株食べ尽くし」といった手法が予告された。