成田空港「第2の開港」は何を変えるのか 滑走路・物流・ターミナル統合から地域づくりまで

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概要

成田空港は、拡張ではなく「第2の開港」という言葉で大規模な機能強化を進めている。この番組では、成田国際空港株式会社社長の藤井直樹氏と、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏が、なぜ今成田が変わるのか、何がどう変わるのかを語った。藤井氏は計画の中身と狙いを具体的に説明し、入山氏は人流と物流の結節点としての空港の戦略的な意味を強調した。聞き手は柴田彩氏である。

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成田空港を運営する会社と、羽田との違い

議論の前提として、藤井氏は空港の運営形態を説明した。成田空港は、成田国際空港株式会社という1つの会社が空港全体の運営と将来の整備を担っている。これに対して羽田空港には運営を一手に担う会社がない。ビルを運営する会社があり、それも旅客と貨物で別々になっているなど、複数の会社が関わっている。空港全体の面倒を見ているのは国、つまり国土交通省だという。

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なぜ「拡張」ではなく「第2の開港」なのか

成田空港が開港したのは1978年である。当時は4000mのA滑走路が1本と、第1ターミナルだけがあった。そこから段階的に大きくなってきた空港を、今回は大幅に作り変える。C滑走路を新設し、B滑走路を延伸し、第1・第2ターミナルや貨物施設も新しくする。藤井氏は、これは「もう1回開港するような」規模の話だという意味で「第2の開港」と呼んでいると説明した。

入山氏はこのプロジェクトに強い期待を示した。入山氏によれば、空港は国家戦略そのものである。韓国の仁川やシンガポールのチャンギのように国際的なハブ空港が次々と作られるなかで、日本は航空量などの面で劣勢だった時期がある。羽田が強化され、次に成田が強化される今、一気に変えることで、これからの時代に合った国際的な戦略空港になれると入山氏は見る。

入山氏は、その理由をAIの時代と結びつけた。AIが出てきたからこそ、より重要になるのはリアルなビジネスであり、それを動かすのは人流と物流だ。海に囲まれた日本では、その要は港湾か、圧倒的に空港になる、というのが入山氏の主張である。また入山氏は、自身が成田を使う実感として、昔より行くまでの時間が短くなり、かなり便利になったと述べた。羽田とは違う形で差別化された「全く新しい空港」になるという理解を示した。

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急増するインバウンドと、逆転した旅客構成

なぜ今成田が変わるのか。藤井氏がまず挙げたのは訪日客の急増である。10年前はまだ1000万人程度だった訪日客が、昨年1年間で4000万人を超えた。日本は海に囲まれているため、一部の船を除けば飛行機で来るしかない。空港がいっぱいで来られないという事態は絶対に避けなければならない、と藤井氏は述べた。

入山氏は旅客構成の変化も指摘した。成田ができてしばらくは、利用者は日本人3に対して外国人1くらいだったが、今は逆に日本人1、外国人3になっているという。さらに入山氏は、中長期的には年間1億人ほどが訪れる観光大国にならなければならず、その受け皿は当然成田だと主張した。

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世界的な貨物拠点としての成田と滑走路の役割

入山氏は、成田は人流も重要だが、何より物流の拠点だと強調した。これを受けて藤井氏は滑走路の意味を説明した。成田に来ると大きな飛行機が飛んでいるのが分かるが、その多くはフェデックスやUPSといった物流会社が自前で飛ばす貨物専用機である。こうした大型機は長い滑走路でなければ飛べず、現在はA滑走路だけで受けている。B滑走路を2500mから3500mに延ばすことで、AとBの両方で受けられるようになり、物流面での安定につながる。中期的にはC滑走路も3500m級で整備される。

入山氏はさらに、今世界中のIT企業が最も投資している場所は千葉だと述べた。成田近辺にデータセンターなどが作られるようになっており、地盤が安定していることがその理由だという。IT拠点になる地域に空港があり、そこが物流の拠点になるという意味でも重要なプロジェクトだと入山氏は位置づけた。

また入山氏は、世界の主要空港の役割が変わってきていると語った。人が来る、物が集まるに加えて、人がそこに「とどまる」ことが重要になっている。仁川にはIR施設があり、エンターテインメントの拠点のようになっている。羽田も医療施設を作るなど新しい拠点づくりを進めているが、場所的に物理的な制約があり、拡張余地があまりない。成田にはその点で拡張可能性があり、思い切った施設を作れる可能性がある、というのが入山氏の見方である。

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道路網と新貨物地区、自動化で効率を上げる

藤井氏は、空港周辺の高速道路網から物流の構想を説明した。空港には東関東自動車道から分岐する道路が入り、圏央道と接続している。圏央道は西へ向かえばつくば方面から茨城、栃木、群馬を経て東名まで繋がり、東へ向かえば九十九里方面を経てアクアラインで羽田に繋がる。さらに東北道や中央道など主要な高速道路とも繋がる。藤井氏によれば、日本の航空輸出の7割は成田で扱っている。東関道で東京に繋がるだけでなく、圏央道経由でアクアラインから東京に向かうルートができることは、物流面で大きな意味を持つという。

この道路のすぐ横に貨物ターミナルを作るのが「新貨物地区」の計画である。入山氏は、フォワーダーなどの物流事業者が現在は空港周辺にばらばらに立地しており、ここに集約されれば効率が一気に上がるのではないかと述べた。藤井氏も、空港内の貨物ターミナル施設が現在は東西の2か所に分かれており、その間をトラックが行き来するための輸送ロスが馬鹿にならないと認めた。人手不足で運ぶこと自体も難しくなっているため、新貨物地区には自動物流の仕組みを入れ、人がいなくても効率的に処理できるようにすることを考えているという。

計画では、年間発着容量を50万回、旅客数を7500万人に増やす。空港で働く従業員も現在の約4万人から7万人に増えると見込んでいる。藤井氏は、面積が増えるためこの程度の人員が必要になるという見込みだと説明した。入山氏は、今の時代に3万人も雇用を増やす場所はなかなかないと評価したうえで、成田の強みはマルチモーダル、つまり空路で入ったものを道路へ効率よく回し、日本中に人や物を送れる点にあると述べ、成田が日本のある意味での中心になっていくと個人的に考えていると語った。

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4万人から7万人への増員をどう抑えるか

一方で藤井氏は、従業員を4万人から7万人に増やすのは容易ではなく、なるべく減らさなければならないと述べた。その手段の1つが自動化である。旅客の手続きについても、自分でチェックインし、自分で荷物を預け、検査にはカメラなどを使うことで人手を減らす。人が少なくても同じサービスを提供できるようにするという意味で、空港は先端的な場所になっていくと藤井氏は語った。

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3つのターミナルを1つに統合する

現在、成田には第1、第2、第3の3つのターミナルがある。入山氏によれば、日本の航空会社では第1ターミナルにANA、第2ターミナルにJALが多い。藤井氏は、第1ターミナルは開港時からあり50年近く経っていること、内部は随分改装しているがいつまでも使い続けるわけにはいかないことを説明した。計画では、ステップ1で新ターミナルの一部を作り、そこから徐々に拡張していき、ステップ2で最終的に大きなターミナル1つにまとめる。

入山氏はこれを「めちゃくちゃすごい」と評価し、柴田氏も、第1と第2のどちらかを気にしながら行く必要がなくなるのはうれしいと話した。入山氏は、アメリカの空港などで乗り継ぎの際に突然別のターミナルへ行けと言われて「絶望感に襲われる」経験を挙げ、集約の利点を強調した。

柴田氏が1つにすると混雑しないのかと尋ねると、藤井氏は、施設が大きくなるため端から端まで1km弱になる可能性もあると答えた。そのため、海外の空港にあるような構内シャトルを導入し、ターミナルだけでなく周辺施設まで延ばすことが必要ではないかと考えているという。入口も、現在は3つのターミナルそれぞれにあるものを、まず新ターミナルと第2ターミナルの2か所に集約し、ステップ2では新ターミナル1か所にする。ゲートをまとめることで、どこへ行けばいいか分からなくなる問題と人手不足の両方に対応しようとしている。

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鉄道の分離とスカイライナーの延伸構想

鉄道についても新しい構想がある。現在の線路は京成とJRが共用しており、混雑が生じている。そこで京成の駅を別に作り、既存の線はJRだけにすることで駅を分散させる。スカイライナーの線と在来線を分けることでも混雑を減らせるのではないかと藤井氏は述べた。新しい駅から新ターミナルまでは200mほどの距離でアクセスできるようにすることを考えているという。

都心からの距離は、羽田が15kmであるのに対し成田は60kmある。この差を鉄道のスピードで埋めており、現在はスカイライナーが36分で結んでいると藤井氏は説明した。入山氏も、昔は時間を考えて羽田を選んでいたが、今はスカイライナーの方が早いくらいだと話した。

藤井氏はさらに、将来的な構想を紹介した。現在スカイライナーは上野・日暮里から来ているが、途中の青砥駅から押上(スカイツリーのある場所)へ分岐する線があり、そこから都営地下鉄、品川、京急へと繋がっている。実は今でも普通の電車は成田から羽田空港まで走っている。これを最終的にはスカイライナーで全部走らせたいという構想があり、鉄道会社が協力して一歩一歩実現に向けて動いているという。品川はリニア中央新幹線の始発駅になるため、リニアの始発駅と直結する形ができることにはインパクトがあると藤井氏は期待を示した。

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完成時期の見通し

全体の完成時期について、藤井氏はまだ明確には示せていないと述べた。そのうえで、B滑走路の3500mへの延伸は2030年3月までの予定で、工事は現在進んでいる。成田国際空港会社とは別の事業である道路プロジェクトは、来年には全線開通する予定である。新貨物地区の一連の施設は2030年代初頭の開業を目標としており、柴田氏はこれを6〜7年後くらいと受け止めた。統合ターミナルの全容はその貨物施設の少し後に見えてくる、というのが藤井氏の説明である。

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地域との共生:空港を街づくりの拠点に

2つ目のテーマは地域との共生である。藤井氏は、これまで空港があることで道路が途中で分断されるなど、マイナス面が語られることが多かったと認めた。むしろ空港に人や物が集まることを生かし、街づくりの拠点にしていけるのではないかという。そのためのエアポートシティ構想が「SORATO NRT(ソラトナリタ)」である。藤井氏は、地域と共に歩むことが成田空港の長い歴史の中で大事にしてきたコンセプトであり、空港があって良かったと具体的に思ってもらえることをどれだけできるかが重要だと述べた。

入山氏は、空港で働く人は周辺に住居を持って通勤するため、空港周辺の市町村にとっては人口が増えるチャンスだと指摘した。日本中で人口減少が叫ばれる中、他の地域にはない大きなチャンスであり、そうした人々を念頭に置いた街づくりや住宅計画が進むことを強く期待していると語った。

入山氏は歴史的な例も挙げた。古代から交通のハブには人や物が集積する。中国で黄河文明が生まれたのは、北が寒く南が温暖なため、南の農作物と北の羊毛などを交換する場所が黄河周辺だったからだという。交通のハブは常に産業クラスターの中心であり、人や物が多い場所にはさらに人が集まり、情報も人も物も手に入るからまた集まる。ある閾値を超えると雪だるま式に増えていく。入山氏は、成田周辺はこれまで戦略的に生かしきれていなかった面が正直あったと思うが、この改革で新しい産業都市になると述べた。

観光面では、藤井氏によれば成田の周辺にはホテルが多く、インバウンドの旅行者が多数宿泊している。彼らはホテルにいるだけでなくいろいろな場所に行きたいと考えている。最も強い観光資源は成田山新勝寺だが、それ以外にも魅力のある場所が多く、地域の観光とのタイアップが大事だという。入山氏は外房なども挙げた。藤井氏は、来年高速道路が完成すれば、これまで内陸の緑の空港という位置づけだった成田を、海も含めて売り出せるのではないかと期待を示した。

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新たな滞在価値:通過点から目的地へ

3つ目のテーマは滞在価値である。藤井氏は、飛行機に乗る人が搭乗までの時間を楽しく過ごせること、さらに飛行機に乗らない人にとっても楽しい場所にすることが、第2の開港の中で非常に大事な部分だと述べた。成田にはまだないものが多いという。例えば空港内にはまだホテルがなく、店舗はあってもエンターテインメント施設はそれほど整備されていない。これをどう作るかは、これから知恵の絞りどころだと藤井氏は語った。入山氏は、成田空港に行くこと自体が目的になるのが究極の姿だと述べた。

具体例として、第1ターミナルの4階・5階のリニューアルが紹介された。5階の展望デッキの手前には、畳の上で寝転がれる場所や、ゆったり一休みできる空間が作られた。展望デッキには足湯が整備され、子ども連れ向けに滑り台なども使える場所が新たに設けられたという。藤井氏は、ショッピングモールに遊びに行くような感覚で来られる場所にする「第1弾」だと位置づけた。4月のリニューアルオープン後に実際に訪れた柴田氏は、日本らしさが感じられる空間で、畳のスペースで仕事をしたり休んだりする人が多くいたと話した。

入山氏は国内で「行く目的」になっている空港として新千歳空港を挙げた。北海道の物産が非常に多く、何より温泉がある。札幌出張の際には早めに新千歳に行き、温泉に入ってから寿司屋でビールを飲んで帰るという。入山氏は、新千歳が国内でこうした取り組みを最も進めている空港だと評価した。

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地域とのコラボレーションと日本らしさの演出

成田でも地域とのコラボレーションが進んでいる。藤井氏が紹介したのは、銚子の醸造所とタイアップして作った地ビールで、日本のフードグランプリで大手ビールメーカーと並んで最高賞を受賞したという。入山氏は、このビールを飲みたくて行く、という動機が生まれることが大事だと応じた。

ほかにも、成田山新勝寺の周辺で有名なうなぎを、空港では並ばずに食べられることが評判になっているという。和食は外国人にも人気が高く、こうしたものを積極的に取り上げたいと藤井氏は語った。障害のある作家の芸術作品を扱うヘラルボニーとの取り組みやストリートピアノの設置、ポケモンやスーパーマリオといった日本のキャラクターの活用も紹介された。飛行機を降りてすぐにマリオがいると「日本に来た」と感じられる、そうした演出をどう出せるかを工夫していかなければならないと藤井氏は述べた。

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乗り継ぎ需要を巡る競争と、成田の地理的な強み

藤井氏は、成田の利用者には日本を訪れる人だけでなく、アジアとアメリカの間を行き来する人も多いと指摘した。彼らは乗り継ぎの際に、仁川でも台湾の桃園でもよいという選択肢を持っている。航空会社で選ぶことももちろんあるが、途中の空港でどれだけ楽しめるかは大きな要素であり、その点でも負けないようにしたいという。

藤井氏は社長に就任した昨年以来、国内外の空港を見て回っており、自社も頑張らなければならないと感じることが多々あると語った。シンガポールには本物ではないが滝のような映像を使った空間があり、映像の力は大きい。一方でヨーロッパには、施設がそれほど新しくなくても魅力的な空間を作れている空港もあるという。

入山氏は、乗り継ぎがシームレスになってきたことで、空港という空間をいかに楽しめるかに価値が移っていると述べ、シンガポールのチャンギや、自身が「すごい」と感じたトルコのイスタンブール空港を例に挙げた。イスタンブール空港は、トルコをヨーロッパとアジアの間の乗り継ぎハブにするための国家プロジェクトだという。

藤井氏は、成田も同じようなメリットを持っていると語った。成田はアメリカから見てアジアで最も近い空港であり、隣の仁川まで飛ぶと1時間余計にかかる。手前にあるということは、例えば貨物便なら燃料を少なく積んで済み、その分貨物を多く積める。そこから乗り継いでいけるため、アジアの最も東にあることは乗り継ぎ需要に対して大きな強みになる。藤井氏によれば、かつて成田は世界一だったこともある。現在は成田も羽田もまずは大きなインバウンド需要に応えることが先だが、将来的にはアジアとアメリカの発展に伴う需要も取り込んでいく空間にする必要があると述べた。

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企業・大学との共創:空飛ぶクルマとインキュベーション

柴田氏が、多くの外国人が訪れる場所として自社商品やブランドを世界に見せる場にもなりうるのではないかと尋ねると、藤井氏はそれがこれからの大きな課題だと答えた。

成田にまだないものの1つとして、藤井氏は空飛ぶクルマを挙げた。日本の多くの企業が本格的な取り組みを始めており、使い道はこれからだという。成田は都心から60km離れ、車では空いていても1時間かかるが、空飛ぶクルマが実用化されれば15分ほどで都心のビルの上から成田まで来られるかもしれない。その可能性が現実に近づいているため、成田のどこで受け入れるのかといったことも含めて検討しているという。

アカデミアとの連携も進んでいる。東京大学や東京科学大学などと連携協定を結び、空港にインキュベーションセンターのようなものを大学とのコラボレーションの中で作れないかと考えていると藤井氏は語った。

入山氏は、これを経営学の観点から説明した。イノベーションとは新しいものを生み出すことであり、ゼロからではなく、離れた何かと何かの組み合わせで生まれる。これまでは人間の知識の組み合わせが中心だったため、都心で良かった。スタートアップの集積地が渋谷なのはそのためだ。しかし入山氏によれば、これからは頭脳の部分をAIが担うようになり、物理的なもの、フィジカルの方が重要になる。高市政権の方針でも注目されているフィジカルAIの時代には、物理的なものを集められない東京の都心には限界がある。東京から少し離れた場所に集まることが重要になり、その最有力地は空港であって、成田周辺にはまだそれだけの余裕がある、と入山氏は主張した。加えて、空港の利用は人にとって特別な体験であり、マリオやポケモンが出迎え、イノベーションも生まれる場所になる可能性が最も高いのが成田だと述べた。

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今後の展望:久々の大型プロジェクトと若い世代への期待

最後に藤井氏は、第2の開港は非常に大きなプロジェクトであり、多くの関係者と連携して進めなければならないと語った。日本は長年にわたり交通をはじめとする基幹インフラを整備してきたが、空港の分野ではそれがかなり進んできた中で、成田のプロジェクトは久々の大型案件になるという。これだけの面積でこれだけのことをやる機会はなかなかなく、大変だがチャレンジングな部分があると述べた。

さらに、旅客機だけでなくビジネスジェットの需要も高まっており、さまざまな点に目を配りながら、今の感性で素敵なものをどう取り入れていくかが必要だと藤井氏は強調した。そのためには若い人にぜひ参加してほしいと語り、社内でも社員が盛り上がってきていると紹介した。多くの人に関心を持ってもらい、このプロジェクトをみんなで盛り上げていきたいというのが、藤井氏の締めくくりの言葉だった。全体の完成時期はまだ明確に示されておらず、空港内のホテルやエンターテインメント施設、空飛ぶクルマの受け入れ方などは、これから検討を詰めていく段階にある。