「正しい努力」とタイミング、そして趣味でつながる関係 島袋直樹がロケ道中で語ったこと

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概要

M&A BANKの島袋直樹と、スタッフでM&A BANK Salon運営事務局長の西村公佑が、遠方ロケに向かう車中とサービスエリアで交わした雑談の記録である。行き先は三重県伊賀市にある「ビークイック」忍者の里店。前半は食事やチャンネルの近況といった軽い話題が中心だが、互いを褒め合う遊びをきっかけに、話は島袋の仕事観へ移っていく。人より少ない努力で結果が出るのはなぜか、起業や事業参入のタイミングをどう見るか、若手は何から始めるべきか、そしてこれからの成功観はどう変わるか。島袋は自分を「普通の中小企業の経営者のおっちゃん」と呼びつつ、これらの問いに自分の経験から答えている。

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サービスエリアでの食べ比べと「西ログ」

二人はロケ前の恒例として、三重県四日市の御在所サービスエリアに立ち寄った。島袋はビークイックのロケがすでに3回目くらいになると振り返り、この動画をきっかけに優良なオーナーとの加盟が2件ほど決まりそうだと聞いていると話した。

注文したのは味噌煮込みうどん(もつ入り)と「金のシャチ」のきしめん。島袋は味噌煮込みうどんの麺を「硬い」と感じ、美味しいが普通のうどんのほうが好きだと言う。醤油ベースのマイルドなきしめんのほうを好んだ。一方の西村は硬めで弾力のある麺が好きで、味噌煮込みうどんの麺を気に入ったが、スープは酸味が強いと感じた。同じ料理でも麺の硬さで評価が分かれた。

島袋は以前のロケで寄ったサービスエリアのそばを「過去一まずかった」と振り返り、食べログ風の5点満点で3.2をつけた。今回は4.15で、きしめんの店員の対応がとても良かったので加点して4.2にした。西村が「店員さんの愛想がいいとポイント追加されるのか」と聞くと、島袋は「絶対そう」と答えている。

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再生数が伸びた理由とライブ配信への関心

車中では、最近チャンネルの再生数が上がっている話になった。島袋の見立てでは、サムネイルをきちんと変えたことと、冒頭にハイライトを入れるようにしたことが効いている。ハイライトは社内のAI専門家がAIで分析して作っており、再生数はおそらく2倍ほどになったという。西村によると、その担当者はかなりこだわって作っている。

最近のロケでは、鹿児島や大阪への遠征が多い。特に伸びたのが大阪の回で、自己資金40億円で商業施設を建てた企業を取材した。島袋は、関西の人たちは話がうまく、企業自体もすごく、社長の話も面白かったので、自分で見てもストレスなく最後まで見られたと評価している。社内にライバーがいることも二人の印象に残った。

そこから話はライブ配信に移る。島袋はやりたい気持ちはあるが腰が重いと認めた。西村は、頻繁に配信している別の経営者の様子を見て、YouTubeのように気を張らず日常を映す感覚なのだと感じたという。島袋は自分について、配信ではテンションが低く、参加者にも人見知りしてしまうタイプだと話した。それでも、ライブで物が売れる点は面白そうだという認識では二人とも一致している。

褒め合う会:キックボクシング、人材、マッチング

ドライブが1時間ほどあるので、島袋は「最近嬉しかったことを言い合って褒め合う会」を提案した。

最初は西村の番で、数日前のキックボクシングの試合で勝ったことを挙げた。島袋は西村のローキックを「天才的」と持ち上げる。演者によく「若くてかっこよくてお金持ちで羨ましい」と言う西村に対して、「お前のローキックの方がすごい」と返した。西村は日常生活では役に立たないと笑っている。

島袋が挙げたのは、マーティという人物がM&Aアドバイザーとして才能を開花させ、楽しそうに生き生きと働いていることだった。西村はまずマーティを褒めてしまい、島袋に「俺を褒めろ」と促されて言い直した。マーティは自分で会社を経営していて、本来なら自分の会社だけで困らない人だ。それでもここで働きたいと思わせる会社や島袋の魅力、そうした人材をつなぎとめられる人間力がある、というのが西村の褒め方である。島袋は「褒め力が上がっている」と喜び、褒める力はとても大事だと言った。

西村の次の話題は、仲の良い友人同士の男女を紹介したら楽しそうにデートしているというものだった。紹介すると意外とうまくいくことが何度かあるが、自分の恋愛はうまくいかないので最後には自分が報われたい、と言う。これを褒めるのは難しく、島袋は「パス」している。

最後の島袋の「嬉しかったこと」は、キックボクシングで本当に強くなっている実感があることだった。西村は、年齢とともに運動能力が落ちていくなかで、40歳を超えてから力を伸ばすのは20代で伸ばすより難しく、普段から節制して練習しているからできることだと褒めた。島袋はぎこちないが気持ちいいと応じ、人に褒められることは大事かもしれないと話している。

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自己肯定感と負けず嫌い

褒め合いの流れで、西村は一人になるとかなりネガティブになり、試合前は勝てない要素を探してしまうと打ち明けた。島袋は自分を、ベースの自己肯定感が高く、あまりネガティブにはならないタイプだと言う。ただ、ネガティブになる人のほうが色々と対策を立てるので、勝負事では勝ちやすい印象があるとも話した。

さらに島袋は、自分はそれほど負けず嫌いではないと述べた。キックの試合で負けたらショックではないかと聞かれると、悔しいとは思うが、悔しかった経験はあまりない気がすると、はっきりしない答え方をしている。

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「無駄に頑張っても結果は変わらない」という感覚

ここで島袋は褒め合う会をいったん終わらせ、自分の小さな引っかかりについて話し始めた。コンプレックスとまではいかないが、周りの人はみな志が高く、頑張って努力している。自分はそれほど志が高くないし、頑張っているつもりではあっても余裕がある。それなのに、誰と比べるかにもよるが、とても頑張っている人より結果を残せてしまうことがある。そういう人たちから見るとむかつかれてしまうかもしれない、という感覚だ。

西村が、頑張っている人より結果が出せる要因はどこにあるのかと聞くと、島袋は「分からない」と前置きしてから答えた。ポイントを掴んでいるのかもしれないが、どこかで「無駄に頑張っても結果はあまり変わらない」と思っている。だから、そのビジネスで成果を出すために重要なポイントは何かを先に探し、そのうえで努力や行動量を増やすようにしているのかもしれない。正しくない努力は成果につながらないので、効率をかなり求めているのかもしれない、というのが島袋の説明である。

西村は自分の経験を重ねた。前回のキックの試合の相手はキック歴22年で、自分は1年8か月ほど。それでも判定2-0でぎりぎり勝てた。キャリアの差がこれだけあるなかで勝てたことで、ポイントを押さえて練習できているのだと少し自信が持てたという。島袋は「天才だ」と応じ、話を褒め合う会に戻したと笑った。

会社を売るタイミング、事業を始めるタイミング

ポイントの話を受けて、島袋は「ポイントとタイミングを押さえること」が大事だと続けた。特にビジネスはタイミングが重要だという。

会社売却について、島袋は次のように考えている。会社の価値が最大化するのは、これからとても伸びそうで、まだ得体の知れない会社だと見られているタイミングだ。期待値込みで伸びている最中なら、評価にかけるマルチプルが高くつく。上場企業でも、過去最高の売上や利益を更新したタイミングと、時価総額が過去最高になるタイミングは、実体経済の規模で見ればおそらく全然違う。M&Aでも同じで、売るときのタイミングは本当に重要だというのが島袋の主張だ。

事業を始めるときも同様で、タイミングを捉えるのは経営者のセンスの一つだと島袋は言う。どこそこがやっていて儲かっているからと後発で参入するのは、それ自体がその人のセンスにすぎない。西村はこれを「タイミングとセンターピンを押さえること」とまとめた。

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二番煎じか、ファーストペンギンか

島袋によれば、二番煎じを正当化するのはとても簡単だ。X(旧Twitter)では、Facebookはソーシャルメディアの最初ではなかった、Googleも検索事業を最初に始めたわけではない、だから二番煎じがいい、徹底的にパクるのがいい、といった話が回っている。島袋はそうしたやり方もあると認めたうえで、自分の事業では、半年先や1年先に流行りそうなものを前もって仕掛けてきたと語った。

ビジネススクールなどでは「最初は真似しろ」と教えることが多いが、それは間違いなのかと西村が尋ねた。島袋は、誰がどのタイミングで参入するかによると答えた。大企業なら、市場がある程度できたところで資本を使って一気に取っていくのも一つの戦略だ。一方、ベンチャーのような弱者が勝つには、ファーストペンギンになるほうが時流に乗れて事業が加速しやすい、と島袋は考えている。誰もまだ気づいていないところや、気づき始めたタイミングに事業を張るのは面白く、センスも磨ける。ただし、どちらがいいということではないとも添えている。

真似して失敗した事業、先を読んで失敗した事業

自身の最初の起業がどちらのタイプだったかを聞かれ、島袋は性格的に真似はあまり好きではないと答えた。それでも、フランチャイズのマッチングサイト(比較サイト)は真似をして作ったことがある。その結果、真似で1位になるのは難しいという結論が出て、考えが確信に変わったという。

最初の起業は広告代理店で、その傍ら動画広告のアフィリエイトASPを作ろうとして1500万円ほどかけた。しかし自分のディレクション力やスキル、知識が足りず、サービスを出せないまま終わった。それでも、少し先の未来を予想して事業を仕掛けるのは昔から好きだったと振り返る。

西村が、性格による好き嫌いもあるのかと聞くと、島袋は、人がこう思うだろう、こう動いていくだろうと心理を予測して、そこに事業を載せていくのが好きなのかもしれないと答えた。あくまで自分の個人的な考えだ、とも断っている。

若手は今、何から始めるべきか

西村は、最近の若い世代は欲がなくなってきているように感じると切り出した。少し前のように「何千万稼ぐ」「何億でM&Aする」という人は減っている。環境的な制約があってあまり得られないと思っている人が多いのではないか。そのなかで成功するのはどんな人なのか、と問いかけた。

島袋はまず、成功の大きさは人による、と答えた。今の給料の2〜3倍稼げればいい人にとってはそれが成功だし、上場や2桁億円での売却を目指す人もいる。「今起業するのは難しいか」という問いには、起業は誰でもいつでもどんな時代でもできる、登記すればいいだけで、問題は何をやるかだと答えた。ただ若手は経験がない。しかもAIがすごすぎて、全員のそばに優秀な参謀がいるような状態なので、全体のレベルが高く、だから難しいのだろうとも述べている。

そのうえで、経営者志望の若手へのアドバイスとして島袋が描いたのは、次のような段階的な道筋だった。

まず、仕入れが発生しない事業、つまりコンサルやAI関連などで自分のリソースを切り売りする事業から始め、1000万〜3000万円ほど貯める。そこから店舗ビジネスなどの独自のビジネスに挑戦していく。最初の事業はお金を貯めるためと割り切り、次にグロースさせるための事業に移る。事業をどんどん変えていく力が大事だと島袋は言う。

自分が今の若手なら、とまず挙げたのはAIに詳しくなることだ。お金をかけずにできるので、これは絶対にやる。次に、経営者と仲良くなれるコミュニティに入る、営業する、バーに行く、趣味を持つといった方法で身近な先輩や経営者から仕事をもらい、少しずつ大きくしていく。ある程度貯まった次の段階としては、採用代行や広告を挙げた。企業は採用と集客に必ず困っているので、何者でもない人間でも仕事を受けやすいのではないか、というのが理由である。

「今ならポケカ」と、嗅覚の差

500万〜1000万円ほど貯めてフランチャイズを始めるのはどうかと西村が聞くと、島袋は何をやるかによるとしたうえで、自分が今ならポケモンカード(ポケカ)一択の店舗を1000万円かけて秋葉原に出すと答えた。仕入れは発生するが、商売が回れば個人でも貸してくれる人はいるだろうと見ている。ちょっと怪しい業界ではあるが、どこもめちゃくちゃ儲かっている。儲かっている事業にいち早く参入し、危なくなるタイミングで撤退できるかどうかもセンスだという。

島袋は、人によって差が出るのは情報に触れたあとの動き方だと話した。有料級の情報に触れただけですぐその事業を再現しに動く人もいれば、お金を払ってこんこんと説明を受け、100%理解してからでないと動かない人もいる。本当に飢えていて稼ごうと思っているなら、「匂っただけで」行動しに行く。儲かっている情報に触れた瞬間に、自分ならどうするか、いくらかかるか、いつまでに何が必要かを自問自答して行動に落とし込めるかどうか。島袋はそこが大事だと考えている。

島袋自身も20代の頃、小さなメモ帳を常に持ち歩き、休日も含めて気づいたことを書き留め、仕事が終わったら整理してどう行動に落とすかを考えていた。経営者になってからも、事業アイデアが浮かぶたびに同じことをしていたという。それは成功したいという飢えからかと聞かれると、それもあると認めつつ、模倣ではなくプロダクトアウト型の事業を自分で作りたいという願望があったのではないかと答えた。読みが当たったときは「ほら、俺の読みは正しかっただろう」という気持ちになる。マーケットインのほうが簡単で、どちらが良い悪いとは思っていない、単なる自己満足だとも付け加えている。

これからは「幸福論」の時代

雑談が真面目な話になったところで、西村は、島袋自身が語る形の動画を増やしてもいいのではないかと提案した。島袋は、自分は普通の中小企業の経営者でそんなにすごいことをしているわけではなく、恐れ多いと返す。ただ、大きく成功した人の考え方は世の中に多くあるが、少し成功している程度の中小企業経営者の話はあまりないかもしれない、とも認めた。西村は、大成功しすぎた人を見ると自分には無理だと感じるし、それが幸せかと考えるとそう思わない人も多いと応じた。

これを受けて島袋は、これからはおそらく「幸福論」だと述べた。会社をいくらで売ろうが、上場させようが、売上規模が大きかろうが、それぞれすごいことではある。しかしソーシャルメディアで簡単に覗ける時代なので、大きな金額で売却したのに幸せそうではない、上場して時価総額があるのに大変そうだ、と見えてしまうかもしれない。それよりも、仲間と楽しくワイワイやり、自分のサイズで生き生きしている大人や経営者のほうが共感されやすいのではないか、と島袋は見ている。

さらに島袋は、スタートアップと言っても結局はみんな中小企業であり、中小企業なりの成長をすればいい、背伸びしすぎないことだと語った。

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シンガポールの友人関係と、お金持ちと仲良くなる方法

天気の話から、島袋が住むシンガポールに話題が移った。シンガポールでの過ごし方を聞かれた島袋は、仕事をして、食事をして、友人と飲み、運動している、と日本と大差ない日常を挙げた。ただ違うのは、大人の集まりでほとんど事業の話をしない点だという。島袋の周りには、たまたま100億円や200億円で会社を売った人、数億円規模の人、暗号資産を何十億、何百億と持つ人、大企業を経営する人が多い。そのため、仕事で誰がすごいとか売上がどうとかには誰も興味がなく、一緒にピックルボールやキックボクシングをして過ごしている。

西村が「むしろピックルボールがうまいほうが尊敬されるのでは」と言うと、島袋は「間違いない」と同意した。少年のように遊ぶ空間が楽しい。お金持ちと聞くと普通は近寄りがたいが、実際は普通のおっちゃんで、普通の友達として接する関係がとても心地いいという。

若手がそうした人たちと仲良くなるにはどうすればいいかという問いには、島袋は「趣味一択」と即答した。ピックルボールやテニスがとてもうまい、といったことだ。

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「何者か」より、一緒に楽しめるか

伊賀の道の駅に立ち寄ったものの撮れ高はなく、移動を再開したところで、西村は島袋が仲良くしたいと思う若手の特徴を尋ねた。島袋は「特にないかも」と答える。会社がすごい、利益を出しているといった理由で誰かと仲良くなりたいとは本当に思わない、思えない性格だという。西村も、島袋は興味がないときは本当に反応が薄いと証言している。

それでも挙げるなら、格闘技に詳しい人、海外旅行が好きな人、スキーが好きな人など、やはり趣味だという。島袋はさらに、この日ヨーロッパのサッカーリーグを「推し活」したいと思っていたと明かした。2年ほど前にパリオリンピックを見に行った際、イタリアのミラノに寄ってACミランの試合をサン・シーロ・スタジアムで観戦した。本人の記憶ではチャンピオンズリーグの予選で、日本人がほとんどいないなかでの観戦にかなり感動したという。年齢に関係なく、毎年ミラノに行ってACミランの試合を見る推し活を一緒にできる人がいたらいい、と島袋は話した。

西村が、趣味を一緒に楽しめる仲間がいると楽しさが2倍、3倍になると言うと、島袋は同意した。趣味を楽しめなくなるような経営になっていくなら、それはずっとは続かない気がするという。経営は楽しむための手段か、と西村が確認すると、島袋は仕事が趣味の人もいるが自分はそうではない、と答えた。

西村が「飽き性ですもんね」と茶化すと、島袋は、自分は飽き性だと思われているが意外とそうではない、やっている事業が意外と長いことに今日気づいた、と返した。

到着間際、二人は運転しながらの撮影を楽しんだと振り返り、このロケ道中シリーズを続けてみることにした。再生数が伸びなければ西村の回し力の責任だ、と島袋は冗談めかして言い、西村は自分が意外と話せるようになってきたと手応えを口にした。