尾州ウールのツイルで作るシャツはなぜ他にないのか:MBが語る産地の事情と「パーマネントウールシャツ」
MBチャンネルファッションバイヤー・ブランド運営者のMBが、自身のブランドで長年展開している尾州ウールのシャツ「ULTIMATE 尾州 FABRIC - PERMANENT WOOL SHIRT」(税込3万1000円)を解説した回である。前半では、日本の毛織物産地である尾州がどういう場所で、なぜその名前が一般にはあまり知られていないのかを業界の構造から説明する。後半では、このシャツの生地、今回のシルエット変更の理由、そして「細いものが流行る」という単純なトレンド解釈への反論を語っている。
ブランドが産地名を言わない理由
MBによれば、もともと「尾州のウール」を打ち出すブランドは多くなかった。最近はだいぶ増えてきたが、その流れに自分も多少は貢献できたのではないかと話者は考えており、尾州の産地の人たちも喜んでくれているという。
ブランドが素材の出どころを明かさないのは、真似されるからだとMBは説明する。尾州の機屋(はたや)や整理加工工場の数は多くないため、「尾州のウールを使っている」と言えば、どの生地かはほぼ絞り込めてしまう。MB自身のブランドでいえば、尾州の機屋(字幕では「中伝さん」「中伝さん」と聞こえる)の生地を使い、加工は同じく尾州の整理加工工場(「藤さん」と聞こえる)に依頼しているという。ルートが少ないので、辿ろうと思えばいくらでも辿れる。
MBは、真似すること自体を悪いとは言っていない。業界では大きなトレンドが一つ走り、皆がそれに合わせて商品を開発するのが普通だという。ただ、産地の側は生地をたくさん売りたいので、自分たちの仕事をデザイナーや一般に広く宣伝してほしいと考える。一方でブランドの側は、自分だけがその生地や工場を知っている状態を保ちたい。この利害のずれを、MBは「ジレンマ」と呼んでいる。
世界的な素材産地としての日本と尾州
MBはこのチャンネルでも繰り返し、日本は素材の名産地だと話してきたという。ニットなら和歌山、新潟、山形、カットソーは和歌山、デニムは岡山といった具合である。デニムについては、30年ほど前はイタリアのデニムが主流だったが、イタリアのブランドも岡山に調達を切り替えるケースが増え、今では究極にクオリティの高いデニムは岡山というのが業界の常識だと話者は述べる。ドルチェ&ガッバーナやプラダも岡山のデニムを使っているという。ただしイタリアにも良いデニムは多く、特殊なものが多いとも補足している。
ウールについては、尾州が世界三大産地の一つであり、尾州のウールを使っていないメゾンやハイブランドを探す方が難しいとMBは言う。マルジェラ、ジル・サンダー、ディオールなど、思い浮かぶハイブランドのほぼすべてがどこかで尾州のウールを使っていると「ほぼ断言できる」と話している。
縮小のあとに尾州が選んだ道
尾州はもともと巨大な産地だった。しかし中国の大量生産や、化学繊維の品質向上によって状況が変わったとMBは説明する。かつては天然繊維しかなかったが、ウールより安くウールらしい素材を作れる化学繊維が出てきたことで、ウールの需要が落ち、尾州の規模は縮小していった。
生き残りをかけて尾州が取った方向は、大量生産ではなく、品質にこだわったウールを小ロットでも受けるというものだったと話者は見ている。その結果、メゾンやハイブランドから別注の依頼が来るようになり、今は世界的な高品質ウール産地として回っている、というのがMBの理解である。
さらに尾州は地域のつながりが強い。機屋だけでなく整理加工工場などが周囲にあり、名古屋や大阪には繊維商社もある。横のつながりができているため、特殊な素材や変わった生地を作っても卸し先が見つかりやすく、効率よく高品質なものを提案できる産地になっているとMBは語る。
「近所でルイ・ヴィトンが作られている」ことを誰も知らない
こうした事情は、真似を避けるために表に出されない。そのため、日本に高品質な繊維産業があり、自分たちの近所でルイ・ヴィトンの生地やマルジェラの生地を作る機屋があることを、多くの人は知らないとMBは指摘する。
新潟出身のMBは、新潟にも超有名ハイブランドの製品を作っている工場や、アメリカの有名ブランドのシャツを縫っている縫製工場があり、コム デ ギャルソンも一部を新潟で縫っていると話す。ただ、具体的な名前は出せないという。
MBの立場は、こうした産地の仕事をむしろ前面に出したいというものである。そこで自身のブランドでは、尾州の名前を入れた特別なタグを作り、ハイエンドの尾州ウールシリーズとして展開している。MBを逆さにするとBW、つまり「尾州ウール」に見えるという遊びも込めている。これによって、服に詳しくない人にも尾州という名前が少し浸透し、「うちも尾州のウールを使っている」と言うブランドが増える流れを多少は作れたのではないか、と話者は自負を語っている。
このシャツと同じ生地のシャツがほとんどない理由
尾州ウールを使うブランドは増えたが、このシャツと同じウールのツイル生地でシャツを作っているブランドは、MBの知る限りほとんどないという。海外ブランドで一度見たことがある程度だそうだ。
この生地はジャケットやスーツに使うブランドは多く、MBのブランドでもジャケットを作ったことがある。ジャケットなら芯地や裏地で張りが出るので、この厚みでも十分すぎるほどだという。シャツとしてはそこそこ分厚い生地で、ツイルで厚みがあるからこそ光沢感が出て、海外のメゾンのような風格のある印象になるとMBは評価している。
それでもシャツで他社が出てこないのは、生地のメーター単価が高く、同じように作ると4万円、5万円になってしまい、市場での競争力が下がるからだと話者は説明する。ウールジャージーなら近い価格で出すブランドもあるが、このツイルのシャツはほぼ見かけないという。
MBのブランドが3万1000円で出せる理由として、話者は余計なコストをかけていない点を挙げる。広告宣伝費はゼロで、作るのも宣伝するのもMB自身、物流は地元・新潟のブランド専用の倉庫が担っている。小さな規模で最低限のコストに抑えているからこそできる価格であり、だから生地の出どころを明かしても他社が追随できないのだろう、とMBは見ている。また、定番として何度も作るうちに縫製工場の縫い子が上達し、初期モデルよりかなりきれいな仕上がりになっていると話す。
着丈と袖を長くした理由
今回はマイナーチェンジとして、シルエットを変えている。正確には、以前に超高品質な生地で作った尾州シャツと同じ形で、定番素材でこの形を作るのは初めてではないかとMBは述べる。
これまでは着丈の短いカジュアルシャツだったが、今回は着丈と袖丈を長めにした。オーバーサイズではなく、袖まわりも比較的スリムにしている。理由は「クラシックの流れ」だと話者は説明する。短いシャツはブルゾンやワークシャツに近く、ドレスシャツはタックインを前提にしているため着丈が長いのが正統である。袖もジャケットから少し覗かせるため長めに作るのが一般的だという。
ただし誰もがタックインするわけではないので、長くしすぎるとだらしなくなる。袖も典型的なクラシックの長さだと、今のカジュアルのトレンドでは短すぎる。そこで袖に少したるみを持たせてルーズな印象も加えつつ、身幅や肩幅は過剰に大きくしていない。生地がとろみのある質感なので、大きくしてもオーバーな印象にはなりにくいとMBは話す。
「細ければ今っぽい」は誤解だという主張
MBは、ビッグシルエットが縮小して細身のアイテムが増えていく流れはあると認めつつ、すべてが細く小さいものが正しいわけではないと主張する。パンツにしても、スキニーが本格的に来るまでにはまだ時間がかかるというのが話者の見方である。
シャツについて「今は細めが流行りだから、コンパクトで着丈も短く、肩幅もきっちり」と考えるのは認識として間違っているとMBは言う。トレンドがクラシックに向かっているなら、ジャケットもシャツも着丈が長い方が今っぽくなる。ビジネススーツやドレススーツを考えれば、着丈が短い方がカジュアルなのは分かるはずで、燕尾服などフォーマルになるほど着丈は長くなる。ビッグからコンパクトへという文脈もあるが、ストリートからクラシックへという流れもトレンドの一つの軸であり、シャツならタイトフィットより、長い着丈でクラシック感を出すのが今の流れでは正しい、というのがMBの立場である。
生地の仕様と色
素材はウール100%のツイルで、Super120'sの原料を使い、80番手の糸で織られている。光沢感が強く、同じサックスブルーでも、コットンのブロードとこのウールでは風合いがまったく違うとMBは言う。
色は黒、オフホワイト、チャコールグレー、サックスブルーの4色。歴代で一番人気はサックスブルーで、もともと存在しなかった色をMBのブランドが別注で作ったと記憶しているという。今は機屋が通常展開しているのではないかとも話している。サックスブルーは出す回と出さない回があるが、今回はトレンド的にも鮮やかなブルーが増えており、差し色として欲しい人がいるだろうと考えて作ったという。
染めは生地や製品の段階ではなく、糸の段階で染める糸染めである。糸染めは極めて難しいが、深みのある色表現ができるとMBは説明する。
洗濯とシワ
糸に樹脂加工を施してあり、洗えるようになっている。MB自身は洗濯機の手洗いモードで洗っており、ネットに入れて単品で洗えば問題ないという。乾燥機は使わず干して乾かす。そもそもウールは天然の消臭効果があり、形が戻る力もあるので、コットンほど頻繁に洗う必要はないとも話している。
樹脂加工によってシワもつきにくい。まったくつかないわけではないが、日常で困ることはほぼなく、洗ってハンガーに掛ければほとんどのシワは消え、気になる人はスチーマーを当てればほぼ完璧に取れるという。一般的なシャツと比べてケアは圧倒的に楽だとMBは評価している。
サイズ選び
MBは身長175cm・体重69kgでMサイズを着用している。デザイナーとして想定する着こなしはこの体格でMだが、ワンサイズ落としてSにし、ゆとりを減らすのもありだと話す。
ゆとりにこだわる理由は、クラシックなトレンドに加え、生地に余りがあるとウールのドレープ感が強く出て「クワイエットラグジュアリー」的な雰囲気になるからだという。ドレープが崩れないよう、前立てを省略してステッチを際に入れるなど細部も作り込んでいる。ただ、ビジネスシャツやクラシコに慣れた人には大きく感じられる場合もあるので、その場合はサイズを落とせばよい。逆にサイズを上げるのは、生地がやや硬めでオーバーサイズにしてもきれいに出ないと考えられるため、あまり勧めないとしている。
最後にMBは、商品名の「パーマネント」の通り、トレンドに合わせたマイナーチェンジは続けつつも長く使えるシャツだと位置づけ、このクオリティを税込3万1000円で出せるブランドはそうないと締めくくった。イベントでも評価が高く、毎回の発売で色を買い足す人や、届いて驚いたという連絡が多いという。
こんにちは。MBです。今日は10月18日夜9時から10月19日夜11時まで受付、ULTIMATE 尾州 FABRIC - PERMANENT WOOL SHIRT、税込み3万1000円。こちらの商品を解説させていただきますので、ぜひ最後までご覧になってみてください。
もはや説明の必要がないぐらいなんですけれども、尾州ウールですね。僕のブランドが長年愛している素材ですけれども、元々尾州のウールって打ち出してるブランドってそんなに多くなかったんですよね。最近だいぶ増えてきましたけれども、僕、自分のことをよく言うつもりはないんですけど、でも多少は尾州の産地の方々に貢献できてるんじゃないかなというふうにも思うし、尾州の方々もすごく喜んでくださってるんですね。
本来、我々ってどこそこの素材を使ってますみたいなのって、基本言っちゃいけないんですよ。なんで言っちゃいけないかっていうと、言うと真似されるからですね。例えばうちも尾州のウール使ってますって言ったら、大体どこの生地か絞れるんですね。うちでいうと中伝さん、中伝さんっていうところの生地を使わせていただいたりだとか、素材は藤さんっていう整理加工工場の、これも尾州の会社ですね、のところを使わせていただいたりだとか。基本ルートはそんなに多くないので、尾州の機屋さんだったりとか整理工場だったりとか、全然多くないですから、もう辿ろうと思えばいくらでも辿れちゃうんですね。
そうすると、うちがこういう素材でこういうアイテムやってますってなると、当然他のブランドさんは真似をするわけですよ。その真似するのが悪いとかって言ってるわけじゃなくて、基本、業界ってそういうもんなのね。トレンドが当然、一つ大きなトレンドが走っていて、それに合わせてみんな商品を開発していくので。機屋さん側的にはいっぱい生地を当然売りたいと思うし、でもブランド側としては、自分だけがこの生地知ってるとか、この工場を知ってるっていう状態に当然しておきたいわけじゃないですか。
なので産地さんとすると、尾州の産地の方々からすると、なるべく宣伝してほしいと。自分たちがすごいもの作ってるのをなるべく皆さんに宣伝してほしい、デザイナーさんに宣伝してほしいって思う反面、デザイナー側としては、ブランド側としては、ここ、どこそこの生地使ってます、この生地すごいですみたいなこと言っちゃうと、他のブランドさんが結局真似をして、同じ生地を使ってっていうことになってしまうので、なかなかその辺のジレンマが難しいところなんですよね。
このYouTubeでもよく話してることなんですけど、日本は素材の名産地です。あれ? 素材の名産、スイカの名産地が今頭に出てきましたけど、すいません。素材の名産地なんですよ。例えばニットだったら和歌山だったりとか、新潟もそうですし、山形とかもそうですね。カットソーとか和歌山がすごく有名ですけど、デニムは皆さんご存じの通り岡山がすごく有名で、世界的な産地ですね。
ドルチェ&ガッバーナだろうが、プラダだろうが、今、岡山のデニム使ってます。これが30年前ぐらいはイタリアのデニムだったんですけど、逆転してイタリアじゃなくて岡山に生地の調達を切り替えてっていうのが、イタリアのブランド側もすごく増えてきたので、今やデニムの世界的な産地は岡山。究極にクオリティの高いデニムをやってるのはやはり岡山っていうのが業界の常識ではあります。もちろんイタリアのデニムもすごくいいものがたくさんありますけどね。ちょっと特殊なデニムがイタリアは多かったりしますけど。
ウールの産地もよく言ってるんですけど、世界三大ウール産地の一つが尾州地域で、この尾州のウールを使ってないメゾンとかハイブランドは探す方が難しいです。皆さんハイブランドとかメゾンとかって聞いて、頭に思い浮かべるブランド、それぞれ様々だと思いますけど、その全てのブランドが尾州のウールを使ってるってほぼ断言できます。ごくごくごく一部、使ってないブランドがもしかしたらあるかもしれないけど、ほぼほぼ考えられないですね。基本的には尾州のウール、みんな使っています。マルジェラだろうが、ジルサンダーだろうが、ディオールだろうが、みんな尾州のウールをどこかで使っている。そのぐらいすごい産地なのね。
元々中国が大量生産っていうところで、だんだんシェアを伸ばしていって、特にウールに関しては中国もそうなんですけれども、化繊ですね、化学素材を、化学繊維をですね、どんどんレベルアップ、クオリティアップしていって。昔はウールしかなかった、天然繊維しかなかったけど、近代になって化学繊維がどんどん出てきて、それによってウールの需要が落ちてきてしまったと。ウールよりも安く作れて、ウールっぽい素材が作れてしまうっていうところで、だんだんその天然繊維の需要っていうのが下がってきてしまったんですけれども、尾州は元々ものすごい巨大産地だったんですけれども、それがどんどん化学繊維だったりとか中国の工場とかに押されて、規模が縮小し始めていったと。全盛期の今、何なんですか? 相当減ってますけど。
じゃあ残ってる尾州の産地は、生き残りをかけて何をしたかっていうと、クオリティの高いものを小ロットで生産できるように作られてるんですよ。だから中国みたいに大量生産で化学繊維うんたらかんたらでっていうところじゃなくて、あくまでもウールの品質にこだわって、究極にいいウールを小ロットでもいいから仕事を受けるようにしようってやった結果、メゾンだったりとかハイブランドだったりとかから生地の別注依頼が来たりだとかで、結局、世界的な高クオリティウール産地として回ってるのが今の尾州だと思います。
また尾州はですね、地域の繋がりが非常に強くて、機屋さんだけじゃなくて、周りに整理工場だったりとか色々なものが、繊維商社もね、近くの大阪に、名古屋だったりとか大阪にありますし、地域として繊維産業が非常に盛んなので、横の繋がりがすごくできてるんですね。だから色んな特殊な素材を作れたりだとか、特別な変な素材作ったとしても、生地を作ったとしても、ちゃんと卸し先が見つかるだったりとか、あらゆる意味で効率化されていて、ハイクオリティなものを提案できる産地になってるんですね。
こういうことをちゃんと伝えたいんですけど、結局、伝えちゃうと真似されてしまうからっていうところで、皆さん知らないじゃないですか。同じ日本人で、日本が誇る繊維産業、高クオリティな繊維産業があって、自分たちの近所でルイ・ヴィトンが作られてるって、みんな知らないじゃないですか。自分たちの近くに、全然余裕で行ける近くに、マルジェラの生地作ってる機屋さんがあるとかって、みんな知らないじゃない?
僕も新潟生まれなんで、新潟で、名前あんま出すとあれかもしんないから出さないですけど、超有名なハイブランドのあれを作ってるのは新潟のあそこの工場だとか、新潟のあの縫製工場は実はアメリカで有名なあのブランドのあのシャツ縫ってるとか、結構あるんですよ。ギャルソンも新潟で一部縫ってるとかね、あるんですけど、そういうこと言えないんですよね。言ったら真似されちゃうんで。ただ産地としては言ってほしいっていう、このジレンマがあると。
これ僕らは別に言いたいんですね。産地に行って、結局その職人さんと関わって、やっぱすごい仕事してらっしゃる方がすごく多いので、それを全面に出して打ち出していきたいっていうことで、MBウールシリーズということでですね、タグも特別に尾州の名前を入れて作って。たまたまね、MBってひっくり返すとBWになるわけですから、尾州ウールになるわけですよ。だからMB、BWみたいな感じで、特別にハイエンド尾州ウールシリーズっていう、尾州だけのタグをうちは作ってるんですね。
それによって尾州っていう産地が、業界の人じゃなくて、服詳しくない人たちにも少しは浸透してですね、そこから尾州のウール、うちも使ってますって多くのブランドが言うようになってきた流れは、多少は作れてるかなというふうに自負しておるところであります。
ただ今回のシャツの話に戻すと、ウールを使ってますっていうブランドさんはかなり増えたと思うんですけど、うちのこのシャツの生地、ツイルのこのウールのシャツの生地を使ってシャツを作ってるブランドっていうのは、はっきり言って僕はほぼ知らないです。海外ブランドで1回見たことありますけど、ほとんどないんじゃないかなというふうに思いますね。デザイナーズでなかなかないっていうのはなぜかっていうと、あまりにも値段が高すぎるからですね。
うちは3万1000円税込みでこれが作れるのは、毎度言ってることですけれども、基本うちって余計なこと全くしてない。例えば広告宣伝費、完全にゼロですし、作ってるのも僕で、宣伝するのも僕で、届ける物流倉庫もうち専門にやってくれてる物流倉庫、うちの地元の新潟の地元の倉庫がやってくれてるんですね。だから本当に内職業みたいなことをうちはやってるんですよ。全然大きい規模じゃないし、ちっちゃい、本当に零細企業だからこそできると思うんですけど、ちっちゃい規模で、その代わりもう本当に最低限のコストでいいものをリアルな価格で届けるっていうことをやってるので、この値段をくぐることって多分他のブランドさん、なかなか難しいと思うんですね。
ウール100で、これはスーパー120Sを原料にしているウールですけれども、ツイルのウールです。同じような感じで平織りのウールとかもあるんですけれども、僕はこれ、平織りも好きなんですけど、ツイルのウールがすごく好きで。これね、実はジャケットとかスーツの生地で使ってるブランドさんは結構あるんですよ。うちもこの素材を使ってジャケット作ったこともあるんですけれども、ジャケットの場合、薄すぎないって思うかもしれないけど、ジャケットの場合っていうのは中に芯材を入れたりするので、裏地もつくからある程度ハリが出てくれるので、別にこのぐらいの生地感でも十分すぎるぐらい厚さはあるんですね。
シャツにしたらそこそこ分厚い生地なんですね。ツイル素材ってこともあるし。ただツイルの分厚い素材だからこそこういう光沢感が出てくれるし、インポートブランドみたいな、海外のメゾンみたいな、本当に風格のある印象が作れる。僕はこれがすごく気に入っていて、うちのスペシャリティとして長年販売し続けてるんですけど、どこの生地かも言ってるし、中伝さんの生地だし、尾州だしって言ってるけど、なかなか同じぐらいの値段でこのシャツを作れてるブランドが全然出てこない。ウールジャージーとかはうちに近しい値段で出してるブランドとかもありますけど、これに関しては本当に見かけないので、誰がどう見てもめちゃくちゃいい生地だと思うんですよ。
めちゃめちゃいい生地で、尾州の方々もすごく自信を持っておすすめしてくださる生地ですけれども、やはりメーター単価がすごく高いのと、同じように作ってもこの価格で出せない。4万、5万とかになってしまうってなると、市場の競争力としては低くなってしまうので、なかなか他のブランドさんが作れないところなんですね。うちとしては定番だからこそ値段もギリまで下げてるし、何回も何回も作ってるからこそ、縫製のクオリティも、縫い子さんがすごく皆さん上手になられてですね、初期のモデルよりもかなり綺麗になってると思います。
なので産地をいくら言っても大丈夫なのは、ここまでローコストで物を作って、この価格で出せるっていう形式自体がそもそもすごく珍しいと思うので、他のブランドさんが出せてないんじゃないかなというふうに思ってます。尾州のウールの中でも特別僕は気に入ってる素材で、もうずっと使っていきたい素材ですね。
長年これ展開してるんですけど、今回からですね、ちょっとマイナーチェンジして、今のトレンド感にも合わせてですね、少しシルエットだったりとか色々なものを変えています。厳密にいうと、前回、超ハイクオリティな生地があって、それを使って作った尾州シャツと同じシルエットにはなってるんですけど、このうちの定番素材を使ってこの形は初めてやるんじゃないかなというふうに思います。
今まではちょっと着丈の短いシャツ、カジュアルシャツということで着丈の短いシャツを作っていたんですけど、今回はですね、ちょっと着丈を長めにしています。オーバーサイズではないんですけど、袖とかもそこまでブカブカではなくて、比較的スリムな袖の周りになってますけど、ちょっと袖と着丈が長めになっています。これはクラシックの流れですね。
基本的にシャツっていうのは着丈が長い方が当然クラシックなわけですよ。短いものっていうのはブルゾンとかワークシャツに近くなるので、基本的にはドレスのシャツっていうのはインすることが前提にあるわけですから、着丈長い方が正当なんですね。袖も基本的にはジャケットからちょっと袖を覗かせるっていうところで、割と長めに作るのが一般的なクラシックのシャツだと思います。
その辺を理解しながらですね、ただみんながみんなインするわけではないから、そこまで長くしちゃうとだらっとしすぎてしまう。袖丈も一般的なクラシックな長さだと、今のカジュアルのトレンド感だとちょっと短すぎるので、少したるみをつけて、ちょっとルーズな印象もつけてると。でも身幅だったりとか肩幅に関しては過剰に大きくしないで。大きくしてもこの生地、すごく優秀でテロっとしてるので、あんまりオーバーな印象にはならないんですけれども、着丈長めにして少しだけ緩めにしてですね、クラシックなシャツっていうことを表現できたかなというふうに思います。
ビッグサイズがだんだんシュリンクしていって、静かになっていって、細身のアイテムっていうのがこれからどんどん増えてくみたいな流れは多分にあると思うんですけれども、全部が全部、細くちっちゃいのが正当だっていうわけでは全くないんですね。例えばパンツも今、細いパンツが流行ってるかと言われると、まだまだスキニーが来るまでには少し時間がかかりますし、特にシャツも、今細めが流行りだからコンパクトなサイズで着丈も短くて、キュッとした肩幅でっていうのは、僕は認識として間違ってると思っていて。
トレンド的には今クラシックに向いてるので、クラシックに向いてるってことは、ジャケットも丈が長い方が今っぽくなるし、シャツも着丈が長い方が今っぽくなるんですね。ビッグシルエットが終わって細いものが流行るみたいな、単純化してトレンドを解説しちゃうと、そういう齟齬が生まれると思うんですけど、基本的には皆さんスーツのこと考えれば、ドレススーツだったりとかビジネススーツとかのこと考えれば分かると思うんですけど、着丈短い方が基本的にはカジュアルなんですね。
だからクラシックな流れになってるからこそ、ビッグシルエットからコンパクトなシルエットっていう文脈ももちろんあるんだけど、今ストリートからクラシックに流れてるっていう流れがトレンドの一つの軸としてあるわけなので、丈の長いものを好むクラシックなアイテムに関してはね、シャツだったら丈の長くて少しクラシックな装いのもの。だって燕尾服とか、フォーマルになればなるほど基本的に着丈って長くなるじゃないですか。その辺を考えれば分かることだと思うんですけど、タイトフィットが全てではなくて、シャツだったらむしろタイトフィットにするのではなくて、こういう長い丈でクラシック感を出すっていうのが、僕は今の流れでは正しいと思っています。
素材の話もうちょっとすると、これウール100のツイル素材ですね。なのでかなり光沢感が強くて、このサックスブルーの色味もですね、例えばコットンのブロードでこういう色ってよく見かけると思うんですけど、コットンの風合いとウール100のこのブルーの風合いって全然違います。歴代このシャツ出してきて、一番人気の色って実はこのサックスブルーなんですね。
ただこのサックスブルー、元々素材として存在してなくて、うちが別注で作らせてもらって、今は多分別注じゃなくて普通に中伝さん展開されてんじゃないかなと思うんですけど、元々最初はうち別注で作った色だったと記憶しています。それ以外はベーシックですね。黒とオフホワイトと、あとはチャコールグレーのカラーリング。この4色ですね。本当に男性が着るシャツで絶対に外せない4色みたいなところで作りました。
サックスブルーはたまにやったりやらなかったりするんですけれども、今回もね、トレンド的に増えてきているので、多分ちょっと差し色としてこういう鮮やかなブルーって欲しいだろうなと思って、今回制作いたしました。
スーパー120Sを原料にしている80番手双糸使いのツイル素材なんですけれども、加工をかけてあって、糸に樹脂加工をすることで洗えるようにしてあります。手洗いモードで洗濯機で僕は全然洗っちゃってます。本当に手洗いでやればもちろんいいと思うんですけど、皆さんめんどくさくてやらないと思うので、ネットに入れて単品で手洗いモードで洗濯機で洗えば、全然ケアが可能です。
ウールってそもそもそんなに洗わなくていいんですけど、天然の消臭効果があるし、元に戻る力もあるので、コットンとかと比べても基本的にはそこまで洗濯の頻度って高くなくていいんですが、シャツなんでね、中になんか着るだろうし、そこまで汚れがつくわけでもないし、匂いがするわけでもないので、洗濯の頻度は高くなくていいんですけど。ただケア自体もですね、手洗いモードで洗濯機でできるということで、もちろん乾燥機はかけないで、干して乾かしていただければというふうに思うし。
あとは樹脂加工してることでですね、シワがつきにくい素材になってます。全くつかないわけではないんですけど、日常着てて困ることはほぼないと思います。水通しして洗ってあげて、ハンギングしてあげれば、基本的にほとんどシワは消えてくれます。どうしても気になるという方、多少は残るので気になるという方は、スチーマー当ててあげればほとんど完璧に消えると思うので、そのぐらいなので、一般的なシャツと比べると圧倒的にケアとしては楽です。
色味がこれすごく綺麗なんですけど、糸染め、後染めじゃなくて、生地じゃなくて糸染めをしてるんですね。染めるって、糸の段階で染めるのか、生地の段階で染めるのか、それともこういう製品になってから染めるのかっていう段階によって、色々染め方って違うんですけど、糸染めの方が染めるのが極めて難しいんですけれども、ただその分、深みのある色表現とかができたりするんですね。
だからウールの原料的にもスーパー120Sのとっておきのウールを使ってますと。それを糸染めして色の表現力を高めていますと。さらに80番双糸のツイル織りになっているので、光沢感もあって、しかも樹脂加工していて洗えるようになっていると。考えられる完璧なシャツじゃないかなと僕は思っています。僕のアイテムの中でもとびきりおすすめしやすいアイテムだし、イベントやると、やっぱりこれがすごく良くて毎回集めてますと、毎回発売のたびに色増やしてますっていう方も非常に多いです。
サイズなんですけれども、僕が175cm、69kgでMサイズを着てこのぐらいになっています。ちょっと細めがいいなと思ったら、ワンサイズ落とすのもおすすめです。この辺は結構柔軟に考えていただいて、デザイナーである僕が想定する着こなしとしては、僕の身長体重でMだと思ってるんですけど、正直Sで僕、ワンサイズ落として、ちょっとこの辺のゆとりを少し減らすのもありだなというふうには思っています。
ただ緩めにこだわるのは、やっぱこの生地のドレープ感を強めたいっていうのもあるんです。そのクラシックなトレンドっていうのもそうなんですけれども、生地に余りがあると、こういう布のドレープ感っていうのが強く出るので、せっかくウール100のすごくいい生地なので、ちょっとゆとりを持たせた方がクワイエットラグジュアリー的な雰囲気になるので、僕的にはおすすめでございます。
そういうドレープが崩れないようにですね、前立ても省略してキワキワでステッチを縫っていたりだとか、細かいところまで表現を突き詰められるように作り込んでいるので、この辺はですね、個人的にはMサイズぐらいで多少ゆとりを持たせて着た方がいいかなとは思うんですけど。ただそれでもやっぱりスタイリッシュな細い方が好きっていう方もいらっしゃるので、例えばビジネススーツとかビジネスシャツに慣れてらっしゃる方とかだと、クラシコとかに慣れてらっしゃる方だと、これだとちょっと大きいって思われる方もいるので、その辺はですね、サイズ落として着るのもありだと思います。
逆に上げて着るのはそんなにしなくていいんじゃないかなというふうに思いますね。あんまりオーバーサイズに着ても、生地ちょっと硬めなので、そこまで綺麗に出ないんじゃないかなと思うから、少しルーズか、もしくはちょっとワンサイズ落としてやや細めに着るかっていうのは、好みに応じてやってもらえればいいかなというふうに思っています。
名前にもある通りパーマネントって書かれていますけど、もう本当、永遠に使えるぐらいのいいシャツであると僕は思っています。もちろんトレンドに合わせてマイナーチェンジは繰り返していくんですけれども、うちのブランドが誇るすごくいいアイテムだと思うし、コストパフォーマンスもめちゃくちゃ優れてると思います。このクオリティで税込みで3万1000円で出せるブランドっていうのは、そうそうないと思うので、中伝さんのね、この生地、めちゃくちゃいい生地です。
ぜひよかったらですね、手に取っていただければそのすごさが分かると思うので。これはもう本当にお届けすると、すごくご連絡いただける方が多くて、届いてびっくりしましたという声がすごく多いです。なのでぜひですね、1枚でも2枚でもいっていただければなというふうに思っております。よければチェックしてみてください。
というわけで、10月18日夜9時から10月19日夜11時まで受け付けます。ULTIMATE 尾州 FABRIC - PERMANENT WOOL SHIRT、税込み3万1000円でございます。4色展開、おすすめでございます。よかったらチェックしてみてください。概要欄の方にURL載せてありますので、そちらからチェックよろしくお願いします。またお会いしましょう。MBでした。バイバイ。
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