MBが今季本当に着ているファストファッション6点:GU・無印良品・ユニクロから選んだ理由

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概要

ファッションバイヤー兼YouTuberのMBは、動画の冒頭でまず視聴者が抱きそうな疑いを取り上げる。インフルエンサーは庶民にユニクロを勧めておきながら、自分ではマルジェラやルイ・ヴィトンを着ているのではないか、という疑いだ。MBの答えはこうだ。紹介したアイテムはどれも良いと思って勧めているが、体は1つなので全部を着るわけにはいかない。そこで今回は、自分の好みと生活スタイルに合い、実際に今季よく着ているファストアイテムを6つに絞って公開する。本音では「被るから隠しておきたい」ものだとも前置きしている。

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紹介されたのは、GUのスムーススウェット上下、無印良品のスムースジャージー長袖プルオーバー、ユニクロCのニットジャケット、ユニクロUのダブルフェイスクルーネックセーター、無印良品の両面起毛フランネルジップブルゾンである。各アイテムの解説には、MBが繰り返し使う「実用品か装飾品か」という見方が通っている。

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GU スムーススウェット上下:シワにならないスウェットとトレンドのシルエット

1点目と2点目は、GUの「スムーススウェットフルジップパーカ MN」(3,990円)と「スムーススウェット3DバレルパンツMN(丈長め)」(2,990円)だ。MBはどちらもLサイズを上下で着ている。

MBはまずポンチ素材の利点を説明する。ポンチ素材は通常のスウェットよりシワがつきにくく、光沢がある。洗濯機に入れて乾燥機にかけても、取り出したときにはシワが完全に取れているという。ユニクロの定番スウェットのような普通のスウェットは、洗うとシワになり、穿いていてもシワがつく。そのためルームウェアの印象が強くなる。ファッションの上手な人ならそれを古着のような感覚で楽しめるが、MBは打ち合わせ、デート、洋服屋めぐり、伊勢丹、コンビニとさまざまな場所に行くので、どこでも「ちゃんとしている」と見られたい。同時に楽でもいたい。

MBはここで、実はシャツやジャケットなどのきちんとした服が苦手だと話す。最近はそうでもないが、若い頃は特に苦手だった。若い頃にスーツの販売員をしていて、スーツを着なければならなかった反動で楽な服を好むようになったのかもしれない、と自己分析している。スウェットは好きだが、普通のスウェットはシワや汚れがつき、洗うと目が詰まって「土臭い雰囲気」になる。それはそれで格好いいが、誰にでも褒められるのはきれいな格好だ。だからポンチ素材のスウェットは助かる、というのがMBの考えである。

シルエットについては、ユニクロCのスウェットを名作と認めたうえで、上から下までずどんと太い形なので、今のトレンドからするともう少し変化が欲しいと言う。MBの見立てでは、今のボトムスはウエスト周りが細く裾に向かって広がるワイドフレアや、脚の形を拾わないバレルパンツのように、シルエットに変化のあるものが好まれている。そうした変化があれば、シンプルな黒のパーカーとスウェットパンツの組み合わせでもおしゃれに見える。この3Dバレルパンツはそのトレンドを取り入れつつ、やりすぎていない。素材もユニクロCのやや厚めの生地より軽く、それでいて安っぽくなく、さらっとした高級感がある。パーカーはジップに金属パーツを使い、丈感もトレンドに合わせている。MBはこれを「さすがフランチェスコ・リッソ」と評する。マルニのデザインを手がけていた人物がGUのディレクターに加わった、という文脈での発言だ。

着方の例として、MBは中にタンクトップを着てパーカーを羽織り、パンツにブーツを合わせ、シルバーアクセサリーを足すスタイリングを挙げる。これでGUだと思われたことはないという。GUのデニムのバレルパンツは風合いでばれやすいが、このスムーススウェットはシンプルな素材感なのでGUだとばれない、とも話している。上下黒にすれば艶があるぶんドレス感も出るし、コーディネートにも迷わない。

使う場面の具体例も多い。神楽坂でMBが経営する焼き鳥屋へ飲みに行くときはこれを着ていて、「いつもおしゃれですね」と言われ、「GUです」と答えると相手が買うと言い出す、という会話がよくあるそうだ。名古屋の松坂屋で自身のブランドのポップアップを開いた際には、楽だからとルームウェアとして持参し、そのままコンビニへ行ったところ「それどこのですか」と話しかけられたという。最初は「伊勢丹に行くときは別のブランドを着る」と言っていたが、後で「伊勢丹に行くときでも全然大丈夫」と言い直している。上下で6,000〜7,000円ほどだが、MBは上下で3万円くらいまでなら出すと言う。

色は全色買ったうえで、黒がいちばん良いと結論づけている。黒だとシルバーパーツがちょうどいいアクセントになり、コーディネートにも迷わない。グレーやダークグレーも悪くないが、合わせ方によってはルームウェア感が出る。ただし他のスウェットに比べれば「全然マシ」だという。

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無印良品 スムースジャージー長袖プルオーバー:耐久性と引き換えの風合い

3点目は無印良品の「男女兼用 スムースジャージー長袖プルオーバー」(4,990円)である。MBはまず風合いを褒める。カシミヤタッチと言えるほど柔らかい。超長綿を使っているのではないかと推測しつつ、繊維長の長い綿で柔らかく光沢のある仕上がりになっていると説明する。

ファストファッションには同じような謳い文句の商品がたくさんある。それでもこの商品が違うことは値段に表れている、とMBは言う。ユニクロやGUの長袖Tシャツはだいたい2,000円以内に収まるので、これは倍ほどの価格だ。「無印のロンTに5,000円出すならZOZOで買う」と多くの人が思うだろうが、そこが服好きにしか気づけない点で、店で触れば一発でわかるという。MBは5倍の値段でも買うと言い、光沢とドレープの広がりのきれいさも挙げている。

他のブランドが同じものを作らない理由について、MBはまず、これが無印の中でも実験的なラインであるMUJI Laboの商品だと指摘する。通常の無印では受け入れられにくい、服好きに向けたドレープ感のあるマニアックな素材だからこそ出せた、という見方だ。そのうえで、より大きな理由として「実用品と装飾品」の話に移る。

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「実用品か装飾品か」という見方

MBによれば、洋服は装飾品であると同時に実用品でもあり、この2つはしばしばぶつかる。実用品の立場の人は、マルジェラの服を見て「布と糸で10万円も取るなんておかしい」と言う。丈夫なTシャツならユニクロで900円で買えるからだ。一方、装飾品の立場の人は、パターンの工夫や素材の希少性に価値を感じて10万円でも払う。ここまで来るとアートの世界に近い。論争は、どちらの前提で見ているかが食い違っているから起きる、というのがMBの整理である。

MBはこの見方でブランドごとの立ち位置も説明する。ZARAはある程度割り切って「ファストの中でもトップクラスにおしゃれ」を打ち出し、おしゃれ好きを相手に難しいデザインもどんどん出す。それがZARAの強みだという。一方、ユニクロやGUはまだ実用品として買う客が多い。特にユニクロは半分以上がそうだろうとMBは見ており、実用品としても装飾品としても納得できる商品を作らなければならない。そこがブランド運営の難しさだという。

この条件では、このプルオーバーのようなTシャツは作れない。耐久性が高くないからだ。MBは「良い素材は耐久性が高くない」と言い切る。シルク、梳毛ウール、カシミヤなどの希少素材にタフな印象はない。ポリエステルや厚手のアメリカンコットンのほうが頑丈だ。ワークマンのTシャツがなかなかダメにならないと褒める人がいるが、MBに言わせれば当たり前で、安い素材のほうがダメになりにくい。高級素材ほど扱いの知識やケアが必要で、耐久性は低い。

スーツも例に挙がる。イオンで買った安いスーツや学生服は3年間着続けられる。ドーメルやレダの生地でオーダーした良いスーツは、ケアしなければすぐテカテカになる。「良い素材なら長持ちする」というのは日本人の幻想だ、とMBは言う。ヨーロッパの人たちは、高い服は普段使いの服とは別物で、大事に扱いケアを考えるものだと認識している。おしゃれをする人にとって、丈夫な実用品とおしゃれのための装飾品ははっきり別物だ、というのがMBの説明である。

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失敗談と着方:縮んで「パジャマ」になった1枚

MBは実際に、このプルオーバーを誤って乾燥機にかけ、ひどく縮ませてしまったという。その1枚は今パジャマにしている。何枚も買っていたので「まあいいや」と思えたが、ユニクロのTシャツなら乾燥機にかけてもあまり縮まず、形も変わらない。実用品として考えると、こうしたシルキーな手触りでドレープのきれいなTシャツは作れない、とMBは話をつなげる。化学繊維を混ぜてそれらしい光沢を出すことはできても、長い綿を使い、ドレープをつけ、起毛させるような作りは実用品の発想では難しい。高級ブランドのような素材感が4,990円で手に入る点を、MBは高く評価している。

デザインでは、ネックが少し開いていること、中央に縫い合わせのシームが走っていることを挙げ、モード系ブランドのようで格好いいと言う。リック・オウエンスのような服が好きな人には特に刺さるだろう、とも述べている。MBは身長175cm・体重69kgでXLを着ている。黒を愛用しているが、白も下着のようで色っぽいと話す。ただし実用品ではないので脆く、生地も薄い。それでも「そうしないとこの色気は出ない」とし、「勝負ロンT」として勧めている。

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ユニクロC ニットジャケット:縮絨ウールと割り切った作り

4点目はユニクロCの「ニットジャケット」(7,990円)だ。MBは黒のLを買い、すでに着始めている。東京はまだ暑い日もあるが、地元の新潟へイベントで帰った際に着たという。MBは新潟で講演会をしたり、昨年はFM新潟で1年間ラジオ番組を持ったりしており、地元からの仕事は基本的に断らないことにしているそうだ。

素材はウールを縮絨したもので、圧縮してウールを潰したような独特の風合いがある。スーツのウールのようなつるっとした光沢ではなく、表面に凹凸があり、モード系らしい表情が出る。MBはコム デ ギャルソンやヨウジヤマモトが使う縮絨素材を引き合いに、そうしたブランドの服のような風合いがあると言う。

一方でMBは、ユニクロらしからぬ点として内ポケットがないことを挙げる。ニットジャケットに内ポケットをつけるには裏地が必要になり、裏地をつけると表に縫製の糸が出るなど、ハードルが多いのは理解できるという。それでも「ライフウェア」を掲げるユニクロなら、本来は許されない仕様だろうと話す。ユニクロCという特別なラインだからこそ、実用より装飾に強く寄せた。多少の使いにくさはあるが、そのぶん安く風合いが良い、というのがこのアイテムだとMBは位置づける。使えるのはフロントの2つのポケットだけで、スマホや財布を入れるのには向かない。裏地がないため、縮絨のニットなどを合わせると静電気が起きることもある。それでも風合いの良さは群を抜いている、というのがMBの評価だ。

スタイリング面では、今のクラシック寄りのトレンドにはまり、色も良いという。MBは黒を買ったが、ダークブラウンも良い色だと話す。デニムを合わせてもいい。上下黒でスーツ風にしても、梳毛のビジネススーツのような艶がなく、ナチュラルでオーガニックな風合いがあるので決めすぎにならない。ラペルはもう少し太いほうが嬉しかったが、ユニクロでは「太いと親父臭い」と嫌がる客もいるはずで、その中ではかなり攻めているとMBは見る。丈もやや長めにしていて、本当はもっと長いほうがいいが、ユニクロとしては攻めているという。MBはこれをカーディガン感覚で着て、この値段なら汚れてもいいと割り切って愛用している。

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服は内側から外側へ硬くなる:ニットジャケットの弱点と、この一着の違い

MBはニットジャケット全般の弱点も説明する。服は基本的に、内側から外側に向かって生地が硬くなる。肌着よりシャツ、シャツよりニット、ニットよりジャケット、ジャケットよりコートが硬い。硬いほうが構築的なシルエットをきれいに出せるので、アウターは硬く作る必要がある。ニットジャケットは、カーディガンのようにラフに羽織るジャケットなので柔らかくなる。着やすい反面、シルエットが頼りなくなり、安っぽく見えがちだ。

このユニクロCのジャケットは、柔らかいウールを縮絨でぎゅっと圧縮して硬さを出している。そのため、ニットジャケットの着やすさを保ちつつ、アウターらしい構築的な形がある、とMBは評価する。ただ、あまり売れていないようだとも話す。先行発売で早くから出ていたのに、ずっと全サイズ・全色が残っているという。地味なアイテムだとは認めつつ、ぜひ手に取ってほしいと勧めている。サイズは175cm・69kgでLを選んでいる。

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ユニクロU ダブルフェイスクルーネックセーター:赤は素材で担保する

5点目はユニクロUの「ダブルフェイスクルーネックセーター」(4,990円)で、MBは赤のXLを愛用している。MBは、このニット自体を特別に良いニットだとは思っていないと率直に言う。デザインも「普通」だという。評価しているのは、赤という色だ。

MBによれば今年は赤が人気で、着るならTシャツやスウェットの赤ではなく、高級感のある素材の赤が良い。Tシャツやスウェットで赤を選ぶと少年っぽくなるが、ニットやハイゲージニットなど上質な素材の赤なら子どもっぽくならず、色で遊んでも説得力が出るからだ。MBはこれを一般化して、色でもデザインでも、遊ぶときは素材で担保しなければならないと言う。楽天やZOZOの安いブランドがデザインで遊ぶと安っぽく見える。それ以上に遊んでいるグッチやコム デ ギャルソンが安っぽく見えないのはそのためだ、という説明である。

取り入れ方の例として、ジャケットのインナーに入れたり、上下黒のスタイリングの中に赤のニットを差し込んだりするだけで今年らしさが出るという。MB自身はタンクトップの上にこのニットを着て、ワイドパンツを合わせている。既存のラインではこうした赤は出さないので、トレンドカラーを4,990円で手に入れられる点が良く、シルエットも普段のユニクロと違ってボクシーで今っぽいと話す。サイズはLでもよかったが、少しゆったり着たいのでXLにしたという。

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無印良品 両面起毛フランネルジップブルゾン:70年代古着のようなチェック

最後の6点目は無印良品の「紳士 両面起毛フランネルジップブルゾン」(5,990円)だ。MBはこれを70年代の古着に近いイメージだと説明する。襟がやや大きく、ジップ仕様で、スラッシュポケットがあり、丈が短く、大判のグラデーションチェックになっている。70年代のヒッピームーブメントの中で出てきたような古着のアイテムだという。

起毛加工を表だけでなく裏にも施した両面フランネルなので、薄い生地でもふわっとしていて、ブルゾンらしい厚みがある。とはいえシャツ地なので、それほど分厚くはない。その加減がちょうどいいとMBは言う。古着の分厚いネルシャツを洗濯機と乾燥機に何度もかけて生地を痩せさせたような風合いが再現できている、という評価で、古着屋に並んでいたら2万5,000円くらいまでなら買うとしている。着丈はコンパクトなのに、腕まわりはやや緩めに作られていて、そのバランスも古着っぽいという。

着方は、リーバイスの646にウエスタンブーツを合わせるスタイルだ。中にタンクトップを着てさっと羽織るだけなので、夜によく着ている。新潟など寒い地域へ行くときは、1点目のGUのスムーススウェット上下の上にこのブルゾンを重ねることもある。少しカジュアルだが、足元を黒系のブーツにすれば問題ないという。

チェックの大きさも重要なポイントとして挙げる。普通のチェックはもっと小さいが、これは大きなグラデーションチェックで、そこが古着っぽい。古着屋でもこうしたスーパーオーバーチェックはたまにしか見かけず、ファストファッションではまず見つからない。そこに踏み込んだ点を「さすが」と評し、ペンドルトンのチェックシャツのようだと述べている。

欠点も挙げている。両面起毛なので、着ていると毛玉というか細かい毛が飛ぶ。MBはこれを、実用品か装飾品かで考えれば我慢すべき範囲だとする。中に黒のコットン100%のTシャツなどを合わせると毛が付くこともあるが、そこまで気にならないという。色はグレーの無地、ブルーチェック、ブラウンチェックがあり、MBのおすすめはチェックだ。普段よく着ているのはブルーチェックのXLで、ブラウンチェックも買ったという。

「着ていること」を前提にした評価

6点を通してMBが示しているのは、価格の安さそのものではない。それぞれのアイテムが実用と装飾のどちらに寄っていて、何を引き換えにしているかという評価軸だ。GUの上下は、洗ってもシワにならない実用性とトレンドのシルエットを両立している点が評価されている。無印のプルオーバーとユニクロCのニットジャケットは、耐久性や内ポケットといった実用面をあえて手放し、そのぶん素材の良さを手頃な価格で実現している点が評価されている。ユニクロUのセーターは、デザインは普通だと認めつつ、上質な素材で赤を出したこと自体に価値があるとされた。無印のブルゾンは、毛が飛ぶという弱点を装飾品として許容できる範囲だと判断している。

どのアイテムについても、MBは自分のサイズ、色の選び方、実際に着た場面を添えて語っている。そうすることで、冒頭の「インフルエンサーは紹介した服を本当に着ているのか」という疑いに答える構成になっている。