ママ投資家ちょる子と堀江貴文が語る「数を打つ」投資・AI・コンテンツIP論

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概要

資産4億円超と紹介されたママ投資家のちょる子さんをゲストに迎え、堀江貴文氏が投資の始め方やAI時代の働き方、今後注目する業界について語り合った対談である。ちょる子さんは「大型優良株を暴落時に買う」というシンプルな方針を語った。堀江氏は、ヒットは試行の数、つまり投入したエネルギー量に比例するという持論を軸に、AIの本格活用、エネルギー需要、日本のメディア企業が持つコンテンツIPの可能性まで話を広げた。

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「何でもいいから引っかかれば」から始まったメディア露出

ちょる子さんは元々、製薬会社で営業を務め、その後マーケティングに移った。転職先の上場企業ではPR部門の立ち上げを担当したという。PRではメディアに連絡しても返事が来ないのが前提なので、「何でもいいから引っかからないか」と考えた。株のメディアであるダイヤモンド・ザイに連絡する際、追伸のように「私も投資家で」と書き添えたところ、それがきっかけでメディアに呼ばれるようになった。

堀江氏も上場企業のPRをゼロから立ち上げた経験があり、この姿勢を「大事なこと」と評価した。ただし堀江氏の場合は事情が少し違った。学生アルバイト時代から、デザイナーやミュージシャンなどクリエイター向けにMac用グラフィックボードを作る会社で働き、アップルコンピュータジャパンの仕事にも関わっていた。そのため最初から出版社などメディアとのつながりがあった。そこからウェブサイト制作の仕事を始め、当時人気絶頂だった小室哲哉さんのサイトも手がけていたという。初めての本は起業2年目に出している。

それでも、爆発的に知名度を上げるために「何十個」もの施策を試したと堀江氏は振り返る。ADSLやYahoo! BBの登場でインターネットが一般消費者に広がりそうだと見て、BtoCサービスへの転換を決めた。その際、たまたま買収していた会社の名前「ライブドア」に社名を変えた。すると株価欄やYahoo!の株式掲示板で話題になった。「ホリエモン」というあだ名も、掲示板で匿名の誰かが付けたものだという。

ただ、これにも仕掛けた部分があったと堀江氏は明かす。当時会社のアドバイザーだった秋元氏が掲示板をずっと見ていて、「ホリエモンっていいじゃないか、これを有名にしよう」と言い出したのだという。プロ野球球団の買収騒動で一気に有名になった背景には、こうした仕掛けもあったと堀江氏は語った。

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「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」とAI

この経験から堀江氏が得た教訓は、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という格言は正しかったということだ。逆に言えば、いろいろ試さないと正解は分からない。結果を後から解釈することはできても、それは後付けにすぎない。堀江氏は、AI時代になってこのことをより強く感じるようになったという。

AIはエネルギーさえ与えれば無限に働ける。堀江氏はその例として囲碁のAlphaGoを挙げた。人間のプロには勝てないと言われていた囲碁ソフトが一気にプロを抜き去った。人間の何百万倍も試行してエネルギーを使って正解を見つけ、さらにAI同士の対戦による強化学習で人間が絶対に勝てない領域に行ってしまった。堀江氏は、クリエイティブの分野も同じだと気づいたという。

多くのクリエイターは認めたくないだろうが、秋元氏はそれを自ら認めている、と堀江氏は語る。堀江氏はかなりの数の本を出しているのに、秋元氏からは「全然足りない、もっと出せ」と言われるそうだ。当たりは数でしか担保できない、というのがその理由である。

秋元氏は、ピカソが世界的な画家になれたのは作品の点数が他の画家より2桁多かったからだ、とも話していたという。ピカソ美術館に行くと、彼が彫刻などさまざまなことを試し、青の時代などを経た試行錯誤の過程が分かる。最終的にたどり着いた作風が「正解」だとは、最初の段階では誰にも分からない。なぜあれが当たったのかは言葉で説明できない、というのが堀江氏の見方だ。

秋元氏が曲を作り続けるのも、いつ当たるか分からないからだという。最近は配信があるため、7〜8年前の曲が動画を通じて突然ヒットすることもある。FRUITS ZIPPERや新しい学校のリーダーズなどのヒットも、こうした現象の表れだと堀江氏は見ている。

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ちょる子さんが投資を始めた2つのきっかけ

ちょる子さんが投資に触れたタイミングは2回ある。1回目は、株主優待が好きな父親に対面証券へ連れて行かれたときだ。東京ディズニーランド・ディズニーシーを運営するオリエンタルランドの優待を家族の頭数分もらうため、1回だけ購入した。2回目は結婚式の後でお金がなくなったときだ。お金のことをきちんと考えなければと思ったのが2018年1月で、ちょうどつみたてNISAが始まった時期だった。そこから投資信託や株式投資を本格的に始めたという。

堀江氏は、NISAが投資のきっかけになっていることに反応した。新NISA開始から3年で投資人口は大きく増えたと話す。SBI証券の新NISA解説の案件動画が、案件なのに大きく伸びたというエピソードも紹介した。自分には関係ないと思っていたため、当初は年間の上限額にも「それしかダメなのか」と驚いたという。

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堀江氏が上場株取引を再開し、選んだ銘柄

その新NISA動画をきっかけに、堀江氏は上場株の取引を再開した。後藤達也さんとの共著で銘柄に言及したため「言った銘柄は買わなきゃ」と思い、実際に購入した。本人によれば「一応全部当たった」という。

1つ目はKADOKAWAだ。ハッカーの攻撃を受けて株価が大きく下がったが、堀江氏は絶対に復活すると考えた。同じグループのドワンゴは技術系の会社でエンジニアのレベルが高いので、すぐに復旧させるだろうと見たからだ。ちょる子さんが「会社に対する解像度と信頼感が違う」と応じると、堀江氏はインサイダーには当たらないとしつつ、注目されている立場なので念には念を入れていると話した。

2つ目はモデルナである。mRNAワクチンは元々がん治療のための技術で、コロナワクチン特需が終わった後、株価はずっと低迷していた。堀江氏は、がん関連の第三相試験がうまくいったというニュースで急騰するタイミングが必ず来ると考えて保有していたという。大した額ではないので売っていないそうだ。

3つ目は楽天で、こちらはすでに売却した。モバイル事業が失敗してもしなくても株価は上がる、という見立てで買ったという。

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大型優良株を暴落時に買う

ちょる子さんの資産について堀江氏が「4億円超と書いてある」と尋ねると、ちょる子さんは、AIバブルと日経平均の上昇に乗って増えたと答えた。保有は東京エレクトロンやキーエンスなどの大型株が中心で、日経平均が上がる局面で恩恵を受けるタイプだという。

投資の法則を聞かれると、ちょる子さんは「大型の優良株を暴落したときに買う」のが、みんなが負けない一番の方法だと答えた。著書ではチャートの読み方なども書いているが、人前で話すときには受け取り方がさまざまなので、怪我をしない方法として「暴落時にいい株を買えば負けない」と伝えているという。

最近の半導体株の調整についても話題になった。ちょる子さんは、来年には息を吹き返すと思うとしつつ、目先はハイテク企業全般が金利上昇を警戒している状況だと見る。中央銀行の金融政策の行方がはっきりしない限り、安心して買いが入ってこないのではないかという見方を示した。

「AI活用は天井」説と、堀江氏の反論

堀江氏が「みんなまだAIの進化を実感していないのでは」と問うと、ちょる子さんはレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんから聞いた話を紹介した。パスポートを持つ人、株式投資をしている人、AIを活用している人の割合はおおむね相関しており、しかも同じ層が重なっているという。AI活用層は30%程度、株式投資は25%程度で、そろそろAI活用は天井ではないか、という見立てを以前聞いたという。

堀江氏はこれに「僕は全然違う」と反論した。現状のAI活用の多くは、ChatGPTを「チャッピー」と呼んで話し相手にしている程度で、それは本来の意味の活用とは違うという。業務効率化とも別物だ。元プログラマーの堀江氏自身はコーディングに使っており、支援というよりほとんど勝手にコードを書いてくれることに驚いていると語った。

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「アストラ」によるコンピューター操作の衝撃

ちょる子さんがOpenAIの新しいAI「アストラ」について聞くと、堀江氏は「やばい」と即答した。OS上のアプリケーションをAIが操作する機能があり、マニュアルも読んだうえで、人間が使うように普通に使いこなすという。事前に人間が用意したAPIがなくてもコンピューターを操作できる点を、堀江氏は強調した。

よく話題になる例として、堀江氏は「スーパーマリオブラザーズを作って」と指示したら完全に再現したという事例を挙げた。オープンソースの3DCG制作ツールBlenderをAIが動かし、Pythonでプログラムを書き、3DCGを作ってゲームとして完成させるところまで全自動でやったという。

人が不要になるかと問われると、堀江氏は、なくならないと思われていたデザイナーやクリエイター系の人たちがかなり悲鳴を上げていると答えた。

18:26

自分の本を書かない堀江氏と「カルピスの原液」

堀江氏は、以前から「自分の本は自分で書いていない」と公言している。最初の2冊ほどは自分で書いたが、面倒になってゴーストライターと編集者に任せ、ヒアリングを受けて本を作るようになった。やがてそれも面倒になり、YouTubeで話している内容を文字起こししてもらい、好きなところを拾って編集者が本にする形に変えたという。『多動力』は編集者の箕輪厚介さんが書いたと堀江氏は明かした。

今はその作業すらAIエージェントに任せられる、と堀江氏は語る。自分は「カルピスの原液」だけを作っていれば、AIの編集者エージェントが良い具合に薄めてくれる。こうすると生産性が爆発的に上がり、パソコンでできることはすべてAIができるようになっている、というのが堀江氏の認識だ。

冒頭の「ヒットには数を打つ必要がある」という話につなげると、AIによって大量のコンテンツが雪崩のように生まれることになる。ピカソが人力で膨大な試行錯誤をしてあの作風にたどり着いたように、ヒットの数はエネルギー量に比例するはずだ、と堀江氏は秋元氏の言葉を借りて述べた。

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バスケットボール動画という「壮大な実験」

堀江氏がこの法則を実感したのは、SNSで拡散した「堀江氏のバスケットボール動画」だという。スーパーのレジでドリブルをしながら棚に突っ込んで泣く動画である。その派生として、街で女の子だと思ってナンパしたら男だった、といったさまざまなバリエーションが作られた。

堀江氏は、自分のキャラクターを誰でも使えるようにしただけだという。最初はAI動画のテスト用に始めたが、終了後も「続けますか」と聞かれ、そのまま置いておいたら、いつの間にかあの動画ができていた。堀江氏は、あのような作品にクリエイターが単独でたどり着くことはできないと考えている。日本中の人が寄ってたかって自分をいじり倒した結果だ、というわけだ。それを壮大な無駄と馬鹿にすることもできる。だが堀江氏は、エネルギー量をかければヒット作が出るという法則に落とし込んでおり、これを見て「AIでヒットは作れる」と思ったと語った。

その結果、小中学生の間での堀江氏の認知度が大きく上がったという。道端で写真を撮ってくれと頼まれるより、AIで動画を作ってもらう方が自分の稼働はゼロで楽だ、というのが堀江氏の言い分である。

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人間は機能を「外部化」してきた

AI時代に人類に何が残るかを問われると、堀江氏はそう考えること自体をやめるべきだと答えた。参考にすべき先行事例がある、というのだ。

堀江氏は、チームラボの猪子寿之さんを招いた自身の動画企画「ホリエキッチン」での話を紹介した。猪子さんは「なぜ人間は料理をするのか」を考えたという。美味しいものを食べたいだけなら木の実を食べればいい。それなのに、なぜ料理をするようになったのか。

猪子さんの結論はこうだ。アフリカのサバンナで生まれた人類は相対的に弱い生き物で、肉食獣の食べ残しをハイエナが食べ、その残りを人間が食べていたと言われている。それは腐っていたはずだが、腐敗とは別に発酵という考え方もある。発酵によってでんぷんは糖に、タンパク質はアミノ酸に変わる。人間が美味しく感じるのは、アミノ酸の状態にならないと腸から栄養を吸収できないからだという。

本来は腸内細菌が担っている分解を、人間はまず自然発酵で、次に調理によって、腐敗を防ぎながらコントロールして体の外で行うようになった。つまり腸内細菌の仕事を外部化したのである。その結果、腸で使われるエネルギーが野生動物より少なくなり、その分が脳に回って脳が大きくなり、相乗効果で賢くなっていった。堀江氏はこの話を通じて、人間は機能を外部化できる柔軟なシステムだと説明した。

外部化の歴史はその後も続く。文字の発明は記憶の外部化である。堀江氏はここで、「アストラ」がARC-AGI-3というコンペで外部記憶装置を使い、99.9%のスコアを出したという話にも触れた。ルールが決まっていないパズルを、ルールを見つけるところから解く問題だという。人間も外部のツールを使うのだから、これも外部化だというのが堀江氏の見方だ。

26:51

運動の外部化がスポーツを生み、思考の外部化は「脳トレ」を生む

続いて起きたのが、産業革命による運動機能の外部化である。機関車などの登場で、歩いたり走ったりしなくても移動できるようになった。人間は飛躍的に豊かになったが、生活習慣病や運動不足も生まれた。その運動不足を解消するために、見るスポーツとやるスポーツが生まれた。堀江氏によれば、近代オリンピックもそのために作られた。150年前の人は日常的に走ったり畑仕事をしたりしていたので、スポーツをする必要がなかったという。

その後、クラウドによって知識が外部化され、Googleで何でも検索できるようになった。そして今、脳の前頭前野が担う「統合」の機能がAIによって外部化されつつあると堀江氏は言う。AIはエネルギーを与えればいくらでも動く。だから次に流行るのは「脳トレ」、つまり文化的なスポーツのような、頭を使ってボケないためのものだという。その兆しとして、麻雀のMリーグの誕生や、違法とされてきたものを合法化しようとする動きを例に挙げ、こうしたものが山のように出てくると予想した。

28:59

AIで株式分析をする:MBO期待株のスクリーニング

堀江氏は「AIはこんなものではない」と考えており、ちょる子さんも同意した。投資への応用について堀江氏は、多くの人がデイトレードの自動化を考えがちだが、自分は最近MBOされそうな銘柄をAIに探させていると話した。MBO期待株の分析や割安株のスクリーニングに「アストラ」は非常に優秀で、株式分析ならアナリストいらずだと言う。田端信太郎さんがチャージスポット(インフォリッチ)で当てた件にも触れた。

「人間のアナリストはいらない」という堀江氏の発言に、ちょる子さんは「私が言ったら大変なことになる」と笑った。堀江氏の説明では、これまで多くの人に広く薄くサービスを提供して成り立っていた仕事が、AIによって民主化され、「1人1アナリスト」の状態になる。10ほどの異なるAIモデルに同じ分析をさせて競わせることもでき、非常に贅沢な使い方だという。

30:52

計算資源とエネルギーの不足、イーロン・マスクの「パワープレイ」

みんなが本格的にAIを使うようになれば、計算需要がさらに爆発的に伸び、半導体も電力も足りなくなる、と堀江氏は見ている。原発の新設は中国以外では10年ほどかかって間に合わない。そこでイーロン・マスク氏は、宇宙に太陽光発電パネルを打ち上げる案と、ガスタービン発電機を大量に使う案を進めているという。

堀江氏によれば、三菱重工やGEの株が上がっているのは軍事需要もあるが、それ以上に火力発電用ガスタービンを作れる会社が3社ほどしかないからだという。三菱重工などは2030年ごろまでバックオーダーを抱えているはずで、それでも間に合わないため、マスク氏はタービンブレードの合金開発から自前でやろうとしていると堀江氏は語った。

さらに堀江氏は、SpaceXがテキサス州の隣、メキシコ湾に面したルイジアナ州にスターシップの発射台を10基ほど作る計画にも触れた。現地のガス田を開発し、パイプラインでLNGを運んで打ち上げに使うという。エネルギーや素材から自分で作るパワープレイになっており、お金のあるところにさらにお金が集まる二極化が進んでいる、というのが堀江氏の見立てだ。

AI銘柄は選別が必要だが、計算資源が全然足りていないことだけは分かる、と堀江氏は言う。エネルギーをかければ性能が上がることは分かっているので、業界はとりあえずその方向に進んでいる。メモリーアクセスの高速化などでボトルネックは解消されていくが、それ以上に計算資源のニーズが膨らむはずだ。AIを話し相手ではなく本当の意味で使うようになれば激変する、と堀江氏は述べた。

34:05

日本株とアクティビスト、フジテレビへの期待

堀江氏が日本株を強く信じていると話すと、ちょる子さんは、多くの人がオルカンやS&P500を挙げる中で嬉しいと応じた。堀江氏が日本株を評価するのは、バリュー株だからだ。JTC(伝統的な日本企業)の仕組みが非常に非効率なので、改善の余地が大きいと見ている。最近はアクティビストがあまり批判されなくなり、活発に動いていることも追い風だという。ちょる子さんはそのきっかけをフジテレビの件だと見ており、堀江氏も同意した。

堀江氏はフジテレビ株で倍以上の利益を得て売却したという。株価が下がってきたらまた買うつもりだと話した。その理由は、テレビ各社の中でフジテレビだけが背水の陣を敷かざるを得なくなっているからだ。不動産部門を切り離すことになり、売却で入るお金はコンテンツに投じるしかない。一方、TBSやテレビ朝日、日本テレビは不動産を持っているため中途半端になる。不動産事業は利益率に限界があるが、コンテンツIP事業は当たれば青天井だ、と堀江氏は言い、ポケモンの決算を例に挙げた。

35:58

コンテンツIPはAIで「薄めて」いくらでも使える

コンテンツIPの元があれば、AIでいくらでも薄めて展開できる、というのが堀江氏の主張である。堀江氏自身も昔の音楽著作権を持つ会社を買いに行っているという。ただし上場企業ではなく非上場企業だ。すでにヒットした曲は刺さる可能性が非常に高いので、リノベーションするだけで莫大な富を生む可能性がある。これは冒頭のヒットの法則からの帰結だと堀江氏は説明した。

この観点から堀江氏は、他のテレビ局よりフジ・メディア・ホールディングスの方が良いのではないかと考えている。ポニーキャニオンのように古くから子供向けの曲などのIPを多く持つ会社もあり、本気で開発すればポケモンのような会社になる可能性があるという。さらに、日本のメディア企業は免許事業だったため国内しか見ておらず、世界をほとんど相手にしていなかった。1億2000万人の市場でこれだけの利益が出ているのだから、分母が80億人になればとんでもない利益を出す可能性がある、と堀江氏は語った。

『ちいかわ』『たべっ子どうぶつ』とツインプラネット

予想外のヒットの例として、堀江氏は『ちいかわ』や『たべっ子どうぶつ』を挙げた。『たべっ子どうぶつ』は最近映画になったという。堀江氏は製造元のギンビスの社長と学生時代から親しいそうだ。この映画をプロデュースしたのは芸能事務所・企画会社のツインプラネットで、同社は新しい学校のリーダーズやI'm donut ?も手がけている。堀江氏はその社長を有能だと評した。

そのツインプラネットの株を、SBIグループが取得したという。堀江氏は比率を「34%かな」と記憶を頼りに述べた。SBIは金融からコンテンツ方面に張ろうとしており、ライブドアなどに加えてツインプラネットも加わったことで、メディアで大きく跳ねる可能性があると堀江氏は見ている。

39:40

「ちょる子IP」の可能性とAIアニメの作り方

最後に、ちょる子さんが自分のキャラクターにIPとしての可能性はあるかと尋ねた。このキャラクターは中学時代の友人が描いたもので、書籍は13万部売れたという。堀江氏は「いろいろ擦ってみるといい」と勧めた。『ちいかわ』も作り手はヒットさせるつもりで作ったのだろうが、想定以上にヒットしているはずだという。今はAIでアニメーションも簡単に作れる。

ただし、AIは人間に比べて粗が目立つ。そのため堀江氏は、キャラクターデザインや絵コンテの段階までは漫画家など人間に作り込んでもらい、その後をAIに渡すのがポイントだと助言した。そうすればAIは文句も言わず作業をこなしてくれる。キャラクターに仕事をさせると楽だ、というのが堀江氏の実感で、バスケットボール動画もまさにその例だという。

堀江氏は、キャラクター設定をきちんと考えた方がいいとも付け加えた。少し毒のあるキャラクターが良いという。『ちいかわ』も可愛らしいのに過酷な労働をしていて「闇バイト」とも言われる設定がある。まさか『たべっ子どうぶつ』が映画になるとは誰も思わなかったが、そういう時代なのだ、と堀江氏は語った。ちょる子さんの「面白い時代、コンテンツですね」という言葉で対談は締めくくられた。