日経平均6万円目前、ナフサ不足と金利上昇をどう見るか ― テスタ・馬渕磨理子・四季報読破者が語った相場観と「ガチホ」銘柄

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概要

4月19日の生配信では、日経平均が過去最高値を更新した局面を受けて、中東情勢、ナフサ不足、アメリカ中間選挙、金利上昇、会社四季報の読み方が議論された。出演者は、番組の「会長」で個人投資家のテスタ氏、経済アナリストの馬渕磨理子氏、そして2000ページを超える会社四季報を29年間読破し続けているという渡辺氏である。番組の後半では、出演者が長く保有している、あるいは保有したいと考えている銘柄も明かされた。

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中心にあったのは、中東情勢が落ち着いていない状況で、なぜ株価だけが上がっているのかという問いである。馬渕氏は金融関係者の見通しの変化を根拠に説明し、テスタ氏は値動きの変化から判断したと語った。渡辺氏は四季報の取材時期と実際の出来事のずれに注目し、慎重な見方も示した。

最高値の転換点は「4月3日」だった

4月16日、日経平均の終値は5万9518円となり、史上最高値を記録した。馬渕氏は、その予兆が4月3日にすでにあったと見ている。この日は金曜日で、アメリカの雇用統計の発表日だった。原油価格が上がっていたにもかかわらず日経平均は下がらず、株高になった。馬渕氏によれば、この頃から金融関係者の間で「中東情勢はそれほど長引かないのではないか」というコメントが急に増えた。トランプ大統領のさまざまなアクションに株価が反応し続けることに、市場が疲れてきたという見立てである。報道やイランの状況だけを見ればそうは見えないが、金融の情報を追っていると楽観的な声が多くなっていたという。チャートを見ると株価はそこから一直線に上がり、6万円目前まで来ている。馬渕氏自身も当日のマーケットに違和感を覚えたため、転換点は4月3日だったと振り返った。

馬渕氏は2つ目の材料として、4月14日に公表されたIMFの世界経済見通しを挙げた。アメリカやヨーロッパの見通しは下方修正されたが、日本は据え置きだった。IMFのデータは世界の機関投資家が大きな資金の配分先を決める際に参考にするため、日本が「ステイ」なら日本株に投資しやすくなる。実際に一部の機関投資家が日本株を買い増していた。こうした要素が重なり、金融業界では4月上旬ごろには日本株が強くなると見通していたという。

さらに馬渕氏は、配信当日の夕方に出たブルームバーグのニュースにも触れた。債券市場でも、アメリカのトリプルB格の社債を買い増す動きが出ているという。リスクのある資産が買われ始めている点も転換点に見えると述べた。ただし、トランプ大統領のアクションは長引かないと見る面と、まだ懸念している面の両方が市場にはある、というのが馬渕氏のまとめである。

ホルムズ海峡をめぐる「駆け引き」と、トランプ氏の手法

配信当日の昼ごろ、ホルムズ海峡が再び封鎖されたというニュースが出た。司会が「そもそも開放していたのか」と尋ねると、出演者は、開放すると言っていたものがまた締まった状態だと整理し、「何回それをやるのか」という雰囲気になった。

テスタ氏は、トランプ大統領やイラン側の発言が二転三転すること自体は当然だと考えている。裏で進めている交渉の手の内を、表で交渉する前に明かすはずがないからだ。「もうすぐ終わると言っていたのに終わらない」という状況が続くのも自然で、何日に攻撃すると言って本当に攻撃するのであれば、先に言わないだろうとも指摘した。この1か月は、交渉の駆け引きに一喜一憂した期間だったというのがテスタ氏の見方である。

馬渕氏は、市場にそうした話への疲れが出てきたことに加え、アメリカの報道ではトランプ大統領が意図的に動きを起こして株価の上下幅を作っているのではないかと考える人も出てきていると紹介した。そのうえで、トランプ氏が大統領である限り、イラン情勢が終わっても年に1、2回はこうしたことが起きると思っておいたほうがよいと述べた。一方で、トランプ氏は世界を壊滅させたいわけではない。コントロールできる範囲で波乱を起こしたいのだろうという狙いが、今回の件と関税の件の両方から透けて見えたという。

渡辺氏はもともと日本株に強気だが、イラン情勢が続くなかで最高値を更新したのは正直意外だったと語った。金融は非常に楽観的だと感じたという。報道ベースではあるが、プログラム売買が一斉に買い上がり、他の参加者もついていくしかなかったのではないか、運用業界の事情を考えればそういう面もあったと推測した。

トランプ氏の発言が裏の交渉を先取りしたものなのか、それとも思ったことを言っているだけなのかという質問に、テスタ氏は、裏で話していることは表とまったく違い、表の発言はパフォーマンスだろうと答えた。関税のときも、最初に示した数字と最終的に落ち着いた数字はまったく違った。最初に吹っかけて落としどころを探る交渉術に長けているのではないかという。日本の首相が同じことをすれば激しく叩かれるが、トランプ氏はそれをやってしまう。しかも世界のリーダーであるアメリカがやるので、世界が驚いて相場が大きく上下するのではないか、とテスタ氏は見ている。

過去のオイルショックとの違い

司会から1970年代のオイルショックとの比較を問われると、馬渕氏は2度のオイルショックの違いから説明した。第1次オイルショックは、トイレットペーパーの買い占め騒動で知られ、消費者物価指数(CPI)が20%ほどまで上がる「狂乱物価」になった。現在の2〜3%とは桁が違う。当時は国内でインフレが進むなかでも金融緩和をしていたため、物価が上がりやすい状況だったという。

第2次オイルショックでは、その教訓から、石油危機のタイミングで利上げ、つまり金融引き締めを行った。その結果、CPIの上昇は5%程度にとどまった。馬渕氏は今回をこれに当てはめ、日本は金融緩和をしておらず、むしろ利上げ局面にあると指摘する。今回は利上げを見送る見通しだが、基本的には引き締めのなかで起きた供給ショックなので、第1次のようにはならない。これが金融業界の見通しであり、パニック買いに走る必要はないと分析した。

トイレットペーパーについては、基本的に国内で製造されているため、一部の値上がりはありうるという。ガソリン価格の上昇で物流コストが増え、その影響は全産業にじわじわ及ぶ可能性がある。ただ、パニックを起こさないことが結果的にものの値段を上げないことにつながるので、ゆっくりした消費が大事だと馬渕氏は述べた。

視聴者からは、日経平均が高いのに防衛株などが大きく下がっている理由を問う質問が寄せられた。テスタ氏は、単純に戦争が落ち着いてきたからだと答えた。馬渕氏も同じ見方で、戦争が起きると海運や防衛などが上がるが、戦闘が早期に終結するかもしれないとなれば、防衛株は反落しやすいと説明した。こうした値動きからも、金融市場が早期終結を先読みしていることが読み取れるという。テスタ氏は、一度停戦したことが大きく、そこから再び拳を振り上げて本格的な戦闘に戻ることは起きにくいのではないかと話した。

ナフサとは何か ― 「石油化学業界の小麦粉」

次の話題はナフサ不足である。テスタ氏は1週間ほど前に初めて「ナフサとは何か」を調べたと明かし、ほとんどの国民がこの1〜2週間で知って、知っていたような顔をしているのではないかと冗談交じりに語った。最初は植物の名前かと思ったという。一方で馬渕氏は、小学校の教科書で見た覚えがあると話し、出演者の間で世代の違いが話題になった。

渡辺氏はナフサを食料業界に例えて説明した。ナフサは小麦粉のようなもので、小麦粉がラーメンやうどん、パン、お好み焼きになるように、ナフサも加工によってさまざまな製品になる。合成ゴムならタイヤに、ポリエチレンならコンビニの袋に、ポリプロピレンなら車のバンパーになる。ほかにも、アクリル繊維としてユニクロの洋服などの衣料品に、さらにペットボトルにもなる。ナフサはこうした石油化学製品の大元にあたる。

ナフサは原油を上流で温度別に分けていく過程で得られる。熱するとガソリン、燃料、重油などが分かれて出てくるが、ナフサはその1つであり、ナフサだけを取り出すことはできない、と渡辺氏は説明した。

不足の原因について馬渕氏は、ホルムズ海峡の封鎖で原油が入りにくくなったことが原点だと述べた。その影響が多岐にわたる製品や素材に及んでいる。特にナフサは得られる量が少ないこと、備蓄が難しいこと、あらゆるものに使われることが重なっている。もともと輸入に大きく頼っているので、そこがネックになったという。

対策として、高市政権はナフサの輸入量を増やし、製造過程で余っているナフサをうまく融通して国内の供給を分散させる策を取っている。馬渕氏によれば、ナフサは一応半年ほど持ちそうな見通しで、原油についても年明けまでは持つように供給を整えているとされる。

木からプラスチックを作るという発想

ナフサに代わるものはないのかという問いに、渡辺氏は1冊の本を紹介した。日本は原油から始まる石油化学産業全体の原料を持っていない。そこで中村教授という著者は、日本で最も豊富な資源である森林を使って化学産業を作ろうと提案している。ナフサの代わりに木粉を使うという大きなアイデアである。

これはすぐに代わりになるものではない。ただ、今から移行しておかないと今後危ないという話を、2年前に出た本の中ですでにしていた。それが現実になってしまった、と渡辺氏は語った。プラスチックは「樹脂」と書き、たとえば漆もプラスチックの一種である。構造的には木から作ることもできるが、大量に安く作るなら原油が有利だという時代が続いてきたということだ。

渡辺氏はこれを日本の弱みと位置づける。下流の石油化学製品では、日本は世界シェアの高いものを数多く持っている。しかし一番の大元がないので、そこを日本国内でなんとか賄えるようにしておかなければならない、というのがこの本の問題提起だと紹介した。

アジアへの1.6兆円支援は何を守るためか

馬渕氏は、アジアの企業も日本と同様に困っていると説明した。アジアでは石油備蓄が10日から50日程度しかない国が多い。これに対して日本は約250日分を備蓄しており、この点では相当な備えをしてきたという。

問題は、日本向けの医療製品の一部がアジア諸国で作られていることだ。医療用の手袋や点滴のチューブ、パックなどにはナフサ由来の素材が使われている。それが供給できなくなると日本の医療分野に影響が出る。そのため高市政権は、アジア諸国に1兆6000億円の金融支援を決めたという。

馬渕氏は、このニュースが誤解されやすいと指摘する。国内の混乱だけを見れば、そのお金を日本国内の補助に回せという意見になる。しかしサプライチェーン全体で考えると、医療分野はアジアで生産しているので、日本のサプライチェーンを守るにはまずアジアを支援することが必須になる。もう1つの理由として馬渕氏は、アジアが困っているときに中国やロシアが支援に入る余地を残すことは地政学上のリスクだと述べた。日本が先にアジアを支援すれば、そうした進出をあらかじめ防ぐ側面もあるという。

ただし馬渕氏は後から、中国・ロシアに関する部分は国の見解ではなく、専門家として解説を加えた自身の見解だと補足した。テスタ氏は、ここまで説明してくれれば納得できるのに、「決定しました」とだけ言われると反発が出やすいと感想を述べた。それに対して、公式には言えないこともあるのではないかというやり取りがあった。

テスタ氏はニュースではなく値動きで動く

司会から、こうしたニュースを受けてポジションを見直すのかと問われ、テスタ氏は、ニュースよりも値動きを見て考えると答えた。今回、日経平均は原油に連動し、原油が上がると日経平均が下がる状態が続いていた。ところがある日から連動しなくなった。それが馬渕氏の挙げた4月3日である。原油が高止まりしているのに株価が構わず上がった日があり、テスタ氏は材料を織り込んだと判断して株を大きく買いに行った。それまでは非常に弱気だったが、その日から強気に切り替えたという。

テスタ氏は、ずっと連動していたものが連動しなくなっただけで、みんな原油価格は見ていたはずだから、それほど難しい判断ではなかったと述べた。

アメリカ中間選挙と建国250年

アメリカでは11月に中間選挙がある。馬渕氏によれば、現状のままなら共和党がやや議席を減らすと見られている。中間選挙は歴史的に政権側が負けることが多く、市場もある程度それを織り込んでいる。トランプ大統領は11月に向けて手柄を残したいはずだ。イラン情勢は自らアクションを起こしたものなので、収めたとしても戦争を終えたことにはならない。それでも、自分が中東を抑えた、自分の行動で原油価格が下がったというパフォーマンスを11月に向けて行うだろうと見られている。混乱を起こしたうえで11月にピークを持っていく戦略ではないか、という見方があると馬渕氏は紹介した。

負けた場合の問題として、馬渕氏は政権後半にかけて力を失う「レームダック」化のきっかけになりうる点を挙げた。トランプ氏に3期目はないが、2年後の大統領選で例えばバンス副大統領に引き継げるかどうかにも関わる。「最後の1年だけ頑張ればよいのではないか」という司会の問いには、中間選挙は国民による通信簿であり、そこから2年間の流れが始まる可能性があるので重要だと答えた。

イラン攻撃で支持率が下がっている点について、馬渕氏は、トランプ氏はイスラエルの呼びかけに乗ってしまったと言われていると述べた。イスラエルは選挙を控えており、イランを弱体化させれば政権が強化されると考えていた。トランプ氏がそれに便乗した形だという。トランプ氏の本心はわからないが、早期に手じまいしたいように見えると語った。

渡辺氏は、政治が混乱するのは日本株にとってもあまり良くないと述べたうえで、中間選挙より前に大きなイベントがあると指摘した。今年7月のアメリカ建国250年である。それを華々しく祝い、中間選挙に勝ち、12月のG20ではトランプ氏の自宅に各国首脳を招く。本来はこうした一連の流れで早めに力を見せておくはずだったのに、それが「あれ?」という状況になっているのが現在ではないか、と渡辺氏は見ている。

金利上昇 ― 日銀の4月利上げは見送りの見方

長期金利(10年)は2.4%まで上がっている。馬渕氏によれば、原油高で世界的に物価が上がりやすくなり、日銀が利上げするのではないかと市場が織り込み始めた。しかし、原油の供給が制約されているなかで国内で利上げしても、短期的には供給制約に効かない。そのため日銀内には様子見がよいという考え方がある。もし原油100ドル超えの状態が3〜4か月続けば二次的な物価上昇になるので利上げが必要になるが、4月は様子見という見方が多かったという。

金利が2.4%まで上がる局面では市場は利上げを想定して動いていた。そこへ、片山財務大臣がG7終了後に、各国とも日銀の利上げは今回様子見がよいと言っていたという趣旨のコメントを出した。これで4月利上げの見通しが急に下がり、日銀ウォッチャーを擁する国内のリサーチ会社が示す4月利上げの織り込みも18%まで低下した。馬渕氏は、現時点では4月の利上げは見送りの雰囲気だと述べた。

金利は住宅ローンに直結する。不動産購入を考えているテスタ氏は、一括ではなく銀行から借りるつもりだと明かし、金利が上がれば返済額が増えることに初めて気づいた様子で、「ついに問題を抱えた」と笑った。馬渕氏は、長期金利のゴールは1.5%、高くても2%程度と言われており、アメリカのように5%になることは今のところないと見られていると説明した。そのうえで、最大2%程度になった場合に負債がどれだけ増えるかを試算しておくとよいと助言した。

金利上昇は悪いことだけではない

渡辺氏は、教科書的には金利が上がると株は下がると言われるが、見方はいろいろあると述べた。金利は経済の体温であり、これまでは低すぎて、いわば低体温で死にかけていた。それが元気な体に戻りつつあると見れば、むしろ買いだという考え方もある。

渡辺氏はもう1つの論点として預金利息を挙げた。日本では銀行にざっくり1000兆円が預金されている。これまでは金利がほぼゼロだったが、仮に2.5%つけば年間25兆円の利息が生まれる。仮にこれを全部使えば、GDPを4%ほど押し上げるインパクトがあるという。金利がある世界には良い面と悪い面の両方があるというのが渡辺氏の見方である。

銀行株については、基本的に金利が上がれば上がるが、すでに株価はかなり織り込んでいると渡辺氏は指摘した。以前はPBR1倍割れの銀行がごろごろあったが、今は数えるほどしかない。株価の面では結構いいところまで来た感じがするという。不動産は、教科書的には金融引き締め時にマイナスに働くとされる。ただ、インフレの力のほうが強く、金利が上がっても資産価格がさらに上がると判断されるなら「良いインフレ」になる。日本はその境目のギリギリのところにいるのではないか、と渡辺氏は述べた。

四季報春号は「イランがほぼ入っていない」

渡辺氏は最新の会社四季報春号を読んで気づいた点として、まず「あまりいい話ではない」ことを挙げた。今号の取材はおそらく2月末までで、イランをめぐる事態は2月28日から始まった。そのため、イランについて書かれているのは3件しかない。その意味で、今号はある意味参考にならないという。

渡辺氏によれば、過去にも同じことが2回あった。1回目は2001年の9・11テロで、ニューヨーク市場が4日間閉鎖された同じ週の14日に四季報が発売された。2回目は2011年の東日本大震災で、3月11日の金曜日の後、土日を挟んだ月曜日に四季報が出た。どちらも出来事がまったく反映されていなかった。そして共通していたのは、1年後の業績が四季報の予想を大きく下回り、減益に落ち込んだことだった。当時は株価も20〜25%ほど下がった。今の四季報は今期を増益と予想しているが、同じパターンなら減益に着地する可能性がある。これを日経平均に当てはめると、4万5000円程度まで下がってもおかしくないと渡辺氏は述べた。

中東については記述が非常に楽観的で、現地のテーマパークに投資するといった内容も書かれているが、今ではまずありえない。こうした部分は見直されるだろうという。テスタ氏は、取材時期と出来事のタイミングがずれていれば内容が変わっていたはずだと想定して読む、という姿勢を「すごくいい話」と評価した。

四季報のキーワードから見える「利上げ」「配当」「フィジカルAI」

渡辺氏は、四季報のコメント欄に出てくる言葉の増減も紹介した。最も増えたのは「利上げ」で、約4倍になった。金利の引き上げは企業にとっても大きなテーマだということである。安定配当を示す「DOE」もほぼ倍増しており、配当があらためて見直される可能性があるという。国策として進められている「スタートアップ」も70%増えていた。

ヒット件数が多く、しかも3か月前から増えているテーマとしてはAIがある。約600件ヒットし、それでも3か月前から12%増えているので、太いテーマとして生きていると見るべきだと渡辺氏は述べた。そのなかで注目しているのがフィジカルAIである。前号で初めて1件登場し、今号では13件に増えた。とはいえまだ十数件程度で、全体から見れば潜在テーマにすぎない。1件しかなかった段階で新しい言葉の意味を調べ、広がると判断して投資していれば、実際の広がりを取れるかもしれない。渡辺氏は、今のうちにフィジカルAIが何なのかを理解しておくと大きなテーマになると語った。

馬渕氏の「ポエム」投稿とポートフォリオ

番組の名物コーナーでは、馬渕氏の4月3日の投稿が取り上げられた。毎日の株価変動にもう意味はない、とチャートを眺める心境をつづった「ポエム」調の前半に続き、4月に入り個別投資が自由にできる立場になったこと、5年以上持ちたい高配当株と優待株を少しずつ買っていること、配当はまずリース系であることが書かれていた。投稿は「みんなのガチホ教えて」と締めくくられていた。

馬渕氏は、この投稿日が前半で話した4月3日だったことに触れた。原油が上がっているのに日経平均が上がり、気持ち悪さとともに、みんながトランプ氏の言うことに飽きたサインだろうと感じた。しかし立場上「ここが買いだ」とは書けないので、ポエムの形で「私は今日から買う」と伝えたのだという。

ポートフォリオの中心はインデックス投資で、ゴールドも組み入れている。個別株では、リース系を高配当目的でしっかり買った。優待株では、以前の回でよこりん氏が紹介した回転寿司ではない寿司チェーンの銘柄を検討しており、優待を得たら出演者みんなで行きたいと話した。優待株は業績の良さが前提だが、自分の行動を変えるきっかけとして、出かけるために持ちたいという。KDDIやJTといった高配当株については「ありですね」と答えたが、まだ買っていない。

自由に取引できるようになった背景として、馬渕氏は4月1日に金融商品取引業を営む会社を離れたことを明かした。所属中は取引のたびに事前報告が必要で、特に前職の会社は12月に上場したばかりだったため、上場直前は取引しないでくれというほど厳しかった。デイトレードのように「買う前に報告」していたら時間が足りない。自由に売買できるのは7年ぶりほどだという。数か月後には再び同種の会社に所属する予定で、規制に縛られるのが案外好きだと笑った。その合間に個別株を入れ、5年、10年持てば優待も配当も受け取れると考えたという。

テスタ氏の「永久保有」― 任天堂、米国株、吉野家

視聴者から任天堂株をまだ持っているかと問われたテスタ氏は、「永久」だと答えた。任天堂が滅びるか自分が滅びるかのどちらが先かという保有で、数を増やすことも減らすこともない。任天堂株を別に短期や中長期で売買することはありうるが、あのとき買った分は半永久目的の別枠だという。

米国株については、前日に当時のブログを調べ直した結果を投稿していた。これまでは最初に10銘柄を買ったと記憶していたが、実際は2019年5月にまず4銘柄を買い、同年8月に6銘柄を足して10銘柄になっていた。さらにコロナ禍で1銘柄を加え、11銘柄をずっと持ち続けている。米国株を持つ理由は、日頃の株取引でリスクを取っているので、そちらではリスクを取りたくないこと、そして円資産しか持っていないことへのヘッジである。そのため、絶対に潰れないであろう大型株を選んだ。

結果として、今も含み損の銘柄が2つほどある一方、最も上がったゴールドマン・サックスは円安効果込みで7倍ほど、グーグルは3〜4倍ほどになっているという。すでに超大企業だった銘柄が、7年でさらに何倍にもなったことにテスタ氏自身も驚いていた。これらも一生売る気はないそうだ。

吉野家は株を始めてすぐに優待目的で買い、20年以上持ち続けている。優待は2000円分ほどで、牛丼自体が値上がりしたため、セットで頼むとすぐなくなる。100億円も稼いだのに優待かとネットで言われることもあるが、優待が廃止されたわけではなく、吉野家もよく食べるので売るタイミングがないという。Uber Eatsでは優待券が使えないが、半年に1〜2回は店に行くので使い切れないことはないそうだ。

2年前の配当ポートフォリオは2銘柄しか残っていない

番組では、2年前にテスタ氏が公開した日本株の配当ポートフォリオも振り返った。利回り5.13%、年間配当はおよそ1億4800万円というものだったが、テスタ氏が現在も持っているのはそのうち2銘柄だけだという。SNSでは今も「テスタの保有銘柄」として引用されているが、すでに過去の話である。

テスタ氏の作戦は次のとおりだ。株価が上がらなければ配当をもらい続ける。何年分もの配当に相当するほど上がれば利益確定して、次の大きな下げを待つ。残る2銘柄は上がっておらず含み損なので、配当をもらうために持っているだけだという。ほかは値上がりして売ったか、減配などの理由で売ったかのどちらかである。

今回の下落局面でも、テスタ氏は日経平均4万9000円から配当銘柄を徐々に買い下がり、4万円を割れるあたりで2年前と同じ規模のポートフォリオになる計画を立てていた。実際は5万円ちょっとで反発したため、配当銘柄は増えなかった。同時に、下落が途中で止まって反発するなら半導体株を買うという計画も持っており、こちらは実行した。

半導体を選んだ理由について、テスタ氏は半導体がグロース性の強い銘柄で、上にも下にも大きく動くからだと説明した。アメリカが下がり日経平均がボロボロになれば、グロース株は最も売られる可能性がある。一方で、途中で止まって上がるなら最も上がるのもグロース株だ。PBRが低い株や配当がしっかりした株は下げに強いが、大きくは動かない。一定の水準より下に行けば配当株が優位になり、一定の水準より上にとどまるなら半導体のような銘柄が伸びやすい。そう考えて、どちらに動いても対応できる体制を整えていた。日経平均4万円まではどちらでもよいくらいの想定だったという。

それぞれの「ガチホ」候補

最後に、長期保有(ガチホ)銘柄を1つずつ挙げる流れになった。テスタ氏は任天堂のほかに、オリエンタルランドを買おうと考えている。現在はピークから半値ほどになっているが、そこからさらに何十%か下がれば買いたい。一度買えば一生持つ種類の銘柄だという。サンリオについては、今は高いので、相当下がれば検討するという程度だった。

渡辺氏はPerfumeのファンで、所属事務所のアミューズを挙げた。株主優待に限定ライブのようなものがあると書かれていたからだという。Perfumeは解散したのではないかという問いには、解散ではなく活動休止だと訂正した。もう1つはJリートである。渡辺氏は、自分が借りているオフィスの家賃がとんでもなく上がったという。長年上がっていなかった家賃が上がり始めたのはまだ第一歩で、これから連鎖的に上がっていくのではないか。これまでJリートにはあまり興味がなかったが、生活のなかでその動きを肌で感じ、初めて興味を持ったと語った。出演者からは、Jリートを2年半ほど前から持ち続けているという声や、ヤマダ電機を10年近く持っているという声も出た。

テスタ氏は、ガチホは実際にはとても難しいと述べた。買うときはガチホのつもりでも、状況は常に変わる。また、「今買わないということは、まだ下がると思っているのか」とよく言われるが、そうではないという。この値段まで下がればさすがに割安だから買いたい、という条件を複数持っているだけで、実際にそこまで下がると考えているかどうかは別問題だ。日経平均についても、4万円になると思っているわけではないが、もしそうなれば多く買いたい、というのがテスタ氏の立場である。