アンレーベルラボ「超高圧浸透型エッセンス」大幅リニューアルの成分分析と実用性

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概要

JPSLABが展開するスキンケアブランド「アンレーベルラボ(unlabel LAB)」の看板商品である「超高圧浸透型エッセンス」シリーズが、大規模なリニューアルを実施した。見た目のパッケージデザインには大きな変更がないものの、中身の処方は従来の構成から大幅に見直されている。同シリーズを初期から分析してきた美容化学者のかずのすけ氏は、今回の刷新によって全製品がプチプラ価格帯(50ml・税込1,980円)におけるトップクラスの高濃度設計へと引き上げられたと評価する一方、成分構成の変化に伴い使用シーンが夜間に制限されるといった実用上の留意点も生じていると指摘する。

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従来展開されていた4種類のうち、プラセンタ配合エッセンス(青)とセラミド配合エッセンス(緑)はラインナップから実質的に外れ、新たにナイアシンアミド配合型とアゼライン酸誘導体配合型へ置き換わった。ビタミンC誘導体とレチノール誘導体を含む2種は継続展開となるが、処方は別物レベルで変更されている。本稿では、新しくなった4製品の成分特性、配合濃度の実態、そして実際の使用感について詳しく解説する。


超高圧浸透型 ビタミンC誘導体配合 エッセンス:高濃度化の恩恵と使用タイミングの変化

黄色のボトルで知られる「超高圧浸透型 ビタミンC誘導体配合 エッセンス」は、検証企画などで毛穴ケア実績が取り上げられ、ブランドの知名度を押し上げた代表作である。従来作は保湿型ビタミンC誘導体である「3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸」を約15%配合しつつ、比較的シンプルな処方設計を採用していた。

リニューアル版においても、注釈表記から「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と「3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸」を合わせて15%配合していることが確認でき、主たる成分は従来同様に後者であると考えられる。大きな変更点として以下の要素が挙げられる。

  • ベース成分の変更:従来のグリセリンベースからDPG単独のベースへと変更され、グリセリンフリー処方となった。毛穴詰まりなどを懸念してグリセリンを避けたい層には適しているが、DPGは普通肌向けの保湿剤であり、超敏感肌に対しては従来のグリセリン混ざりの方が低刺激であった可能性がある。
  • グルタチオンの追加配合:還元作用を持つグルタチオンが100ppm(0.01%)追加された。ただし、グルタチオンが明確な還元効果を発揮するにはある程度の高濃度が必要であり、高配合すると特有の強い臭気が発生する。本品は臭いがほとんどないことから、0.01%という数値も含めて訴求成分寄りの配合量と見られる。
  • パルミチン酸レチノールの高配合:レチノール誘導体であるパルミチン酸レチノールが15万IU追加された。これは濃度換算で約0.08%(純粋レチノール換算で約0.04%相当)に達する。かつて化粧品基準においてレチノール類の配合上限の目安とされていた25万IUの3/5に相当する量であり、化粧品としては十分な高濃度である。

朝使用から「夜専用」への変化

従来作は純粋なビタミンC誘導体メインの設計であったため、朝に使用して日中の紫外線ダメージをケアする用途にも適していた。しかし今作では、紫外線照射によって変質しやすいパルミチン酸レチノールが実効値レベル(15万IU)で組み込まれた。ビタミンCとレチノールを同時に取り入れられる「ビタレチ美容液」として進化した半面、朝の使用は紫外線リスクを考慮して避けるべきであり、事実上「夜専用」の処方に用途が狭まった点は留意すべき変化である。

使用感はグリセリンフリーらしく非常にサラサラとしており、ベタつきは少ない。肌に塗布した際のしっとり感は3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸自体の保湿特性に由来している。


超高圧浸透型 レチノール誘導体配合 エッセンス:25万IU配合と多角的なペプチド・整肌成分

赤いボトルの「超高圧浸透型 レチノール誘導体配合 エッセンス」は、従来作では水添レチノールを主軸とし、グリセリンフリーかつBGベースで低刺激性を重視した設計が特徴だった。水添レチノールは紫外線に対して比較的安定しているため朝夜兼用が可能だったが、新処方では高機能化に舵を切っている。

リニューアル版では、パルミチン酸レチノールがかつての安全性目安の上限値に匹敵する「25万IU」配合されていることが明記された。純粋レチノールに換算すると約0.075%相当となり、0.1%で非常に高濃度とされるレチノール化粧品市場において、医薬部外品ではない通常化粧品としてはトップクラスの濃度である。

さらに、以下の成分が追加配合され、レチノール機能の複線化が図られている。

  • レチノイン酸ヒドロキシピナコロン(グラナクティブレチノイド):低刺激ながらダイレクトに作用するレチノイド。
  • リノール酸レチノール:エステル型レチノール誘導体。
  • 水添レチノール・バクチオール:従来の安定型誘導体に加え、植物性レチノイド様成分を配合。
  • ポリヌクレオチド(DNA-Na)1000ppm(0.1%):PDRN様成分。分子量が極めて大きいため角層深部への浸透には課題があるが、配合量としてはしっかり入っている。
  • アスペルギルス培養物:189種類のペプチドを含むとされる培養原料。ナイアシンアミドやCICAエキス(ツボクサエキス、マデカッソシド、アシアチコシド)も併せて配合。

処方変更に伴う性質の変化

ベース成分はBGからプロパンジオールへと変更され、全成分表示の末尾近くに微量のグリセリンが記載されている(原料由来と推測されるため、使用感としてはほぼグリセリンフリーに近い)。また、従来の浸透促進成分(ウィルブライド)に代わり、乳化剤としてイソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油が採用されている。

パルミチン酸レチノールやリノール酸レチノールが高濃度に含まれるため、ビタミンC同様に朝の使用は推奨されず、夜専用の美容液へと移行した。実際に塗布すると原料由来のわずかな海藻のような特有の香りと、高濃度レチノール特有のピリッとした刺激感が確認できる。純粋レチノールよりは穏やかであるものの、敏感肌向けとは言えず、確固たるエイジングケア(※年齢に応じた手入れ)を求める層向けの本格設計となっている。


超高圧浸透型 ナイアシンアミド配合 エッセンス:ガラクトミセス60%と原料換算表記の構造

従来のプラセンタエキス配合タイプ(青)に代わって登場したのが、「超高圧浸透型 ナイアシンアミド配合 エッセンス」である。成分構成は旧作から刷新されており、主成分として「ガラクトミセス培養液」が水の前に配置され、全体の60%を占めている。

ガラクトミセス培養液は酵母の発酵によって得られる液体の上澄みであり、高級スキンケアの主要成分としても知られる。ただし、日本酒やワインと同様に、発酵させる原料や温度、製造工程によって得られる成分の質や価格は千差万別である。本品におけるガラクトミセス培養液が具体的に何を母体として発酵させたものかは非開示であるため、有名他社成分と同一視はできないものの、ベースに水ではなくアミノ酸や天然保湿成分を含む発酵液を60%充填した点は贅沢な設計と言える。

表記上の注意点と使用感

パッケージには「ナイアシンアミド26%」と強調されているが、注釈を確認すると「ナイアシンアミド(保湿成分)を含む原料として合わせて26%配合」と記載されている。これはナイアシンアミド原末そのものが26%入っているわけではなく、溶媒等を含む複合原料としての配合率である。実際のナイアシンアミド単体の濃度は10%前後またはそれ以下と推測されるが、化粧品への配合量としては依然として高濃度である。

その他、アスコルビルグルコシド(ビタミンC誘導体)が2%配合されており、これは医薬部外品で美白有効成分として認められる濃度に匹敵する。香料、着色料、パラベン、アルコール、グリセリンなど7つのフリー処方を実現している。

液自体は着色料(カラメル)による黄色みを帯びており、容器を通して見ると青色ガラスと合わさって緑色に見える。使用感の面では、高濃度ナイアシンアミド特有の浸透の遅さや肌表面で上滑りする感覚があり、摩擦によって白く泡立つような挙動が確認できる。メイク前に塗布するとベースメイクの仕上がりに干渉する懸念があるため、これも夜の使用が無難である。


超高圧浸透型 アゼライン酸誘導体配合 エッセンス:皮脂トラブル層に向けた今作の目玉

従来のセラミド配合タイプ(緑)から入れ替わる形で登場したのが、今回のかずのすけ氏の「一押し」である「超高圧浸透型 アゼライン酸誘導体配合 エッセンス」である。旧作の特徴であった5種のヒト型セラミド(EOP、NG、NP、AG、AP)はそのまま引き継ぎつつ、アゼライン酸誘導体を主軸に据えた。

本品の最大の特徴は、「アゼロイルジグリシンK(アゼライン酸誘導体)」を16%配合している点にある。ナイアシンアミド製品と異なり、注釈に複合原料の記載がなく、アゼロイルジグリシンK自体の配合量として16%を謳っている。

  • アゼライン酸誘導体(アゼロイルジグリシンK)16%:純粋アゼライン酸は難溶性で結晶化しやすく、高配合するとクリーム状にならざるを得ない特性がある。一方、誘導体化されたアゼロイルジグリシンKは水溶性であり、みずみずしいエッセンス形状を保てる。純粋アゼライン酸ほどのエビデンスの強さはないものの、皮脂抑制や毛穴ケアに関する報告があり、国内のウォーターベース美容液としては極限に近い配合濃度である。
  • グリシルグリシン 2%:すり鉢状毛穴のキメを整える研究がなされているペプチド成分であり、2%という配合量は高濃度である。
  • 低刺激化の工夫:ベース成分にはDPGよりも刺激性の低いイソペンチルジオールを採用し、グリセリンフリー、アルコールフリー、CICA成分(ツボクサエキス等)やアラントインを配合している。

使用感と刺激性の検証

通常、アゼロイルジグリシンKは高濃度で配合するとピリピリとした特有の刺激感が出やすく、敏感肌には塗布が困難なケースも少なくない。しかし実際に使用したところ、グリセリンフリー設計のサラッとしたテクスチャーでありながら、塗布直後の強烈な刺激や電撃感は抑えられており、比較的扱いやすいテクスチャーに仕上がっている。

皮脂の過剰分泌や毛穴の開きに悩む脂性肌・混合肌にとって、水溶性テクスチャーでここまでの濃度のアゼライン酸誘導体とグリシルグリシンを同時に補給できる市販品は極めて珍しく、今回のリニューアルラインアップの中で最も実用性と独自性が高い製品であると評価される。


リニューアルがもたらした全体像の総括

今回のアンレーベルラボのエッセンス刷新は、微小なマイナーチェンジではなく、配合成分とターゲット層を抜本的に再定義するものとなった。

  1. 昼夜兼用から「夜専用・本格ケア」への移行 全般的に成分濃度を極限まで高めた結果、紫外線下での安定性に課題があるレチノール誘導体の配合(ビタミンCエッセンス、レチノールエッセンス)や、高配合原料による上滑り・皮膜感(ナイアシンアミドエッセンス)が生じている。朝のメイク前よりも、夜の集中ケアとして取り入れる使い方が適している。

  2. 徹底したグリセリンフリー化 脂性肌や毛穴トラブルを気にする層から支持されるグリセリンフリー(または極めて微量の原料由来のみ)処方を全製品で徹底しており、ベタつきのない使用感を追求している。

  3. プチプラ価格帯の濃度基準の書き換え いずれも50mlで1,980円(税込)という低価格を維持しながら、パルミチン酸レチノール25万IU、アゼロイルジグリシンK16%、ビタミンC誘導体15%といった、通常は高価格帯や海外コスメでしか見られない配合量を実現している。

自身の肌質や肌悩みに応じて成分のメリットと留意点を理解した上で選択すれば、日常のスキンケアを一段引き上げる選択肢となる。