ひろゆきが語る生成AI時代の稼ぎ方:企業が来ない小さな市場を狙い、早く失敗する

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概要

新R25の生成AI活用インタビューシリーズ第4弾で、ひろゆき氏は「生成AI時代のゴールドラッシュ」をテーマに話した。聞き手は編集部と、DMM 生成AI CAMPのコース監修者であるおざけん氏である。ひろゆき氏の立場は一貫している。生成AIは確かに開発を速くするが、恩恵を最も受けるのは全体設計ができる人だ。そのうえで個人が狙うべきは、大企業が参入しない小さな市場であり、速く作れるようになった分だけ多く失敗して経験を積むべきだという。

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受託開発では「3ヶ月の仕事が2週間」

最初にひろゆき氏が挙げたのはコーディングの仕事だ。AIを使えば間違いなく速いので、表向きは人間がこなしているように見せながら、実際はAIで大量に生成して稼いでいる人は今もたくさんいるはずだと述べた。

具体的な進め方も説明している。Web上に情報が多いタイプのアプリであれば、まず仕様書をAIに作らせる。次に、その仕様書どおりにコードを書かせる。最後に自分でチェックして手直しする。この手順を踏めば、通常3ヶ月かかる仕事が2週間ほどで終わる感覚だという。

プロトタイプが速くなると、打率が上がり「遊び」ができる

自分でサービスを作る場合については、ひろゆき氏は「プロトタイプを走らせるまではかなり早くなった」と評価する。仕様を決め、それに合わせてデータベース構造を変えるといった面倒な作業も、AIに言えばすぐやってくれるからだ。

ひろゆき氏はこの変化を二つの効果に整理している。一つは打率の向上である。プロトタイプを作ってユーザーに使ってもらうまで、従来は3ヶ月ほどかかっていた。実際に使ってみると「使い物にならない」と分かるケースはかなり多い。その判断が1〜2週間でできれば、人件費をかけずに見切りをつけられる。

もう一つは「当たらなそうでもやってみる」という遊びができるようになることだ。エンジニアが3ヶ月かかりきりになれば、人月で2,000〜3,000万円の投資になる。それなりに儲からないと割に合わない。2週間で済むなら「手が空いているならやってみたら」という判断ができ、儲からなそうな案でもアプリまで持っていける。触ってみたら意外と面白かった、ということも起こりうる。司会はこれを受けて、エンジニアだけでなく「こういうプロダクトを作りたい」という発想を持つ人の重要性が高まるのではないかと述べた。

リプレイスしやすいのは「スペックで比較されるツール」

AIを使ってどんなビジネスにチャンスがあるかを問われ、ひろゆき氏はジャンルによる違いを挙げた。ブランドやユーザーのロイヤリティがあるもの、コミュニケーション系のサービスは置き換えが難しい。一方でツール系は「同じ値段で機能が多い」「こちらの方が安い」とスペックで比較されるので、置き換えやすい。ツール系は裏側が変わっても使い方はあまり変わらず、同じものを使い続ける理由も薄いからだ。そのためツールをひたすら大量生産し続ける方法は「まだいけるんじゃないか」という。

月30万円の市場を5つ

ひろゆき氏がより強調したのは市場の大きさだ。大企業やブランドを持つ人が「攻め込めば儲かりそうだ」と思わない程度の小さなマーケットを狙う方が安全だという。

例として挙げたのが登山アプリである。登山をする人はみんな使うが、登山をしない人は絶対にインストールしない。市場の上限が見えているので、一般企業が参入しても登山者にしか売れない。毎月300万円ほど売上が立ちそうな市場には企業がやって来る。しかし月30万円程度が限界の市場なら、誰かがそこで稼いでいても企業は来ない。個人で月30万円のものを5つ作れば月150万円になり、十分おいしいというのがひろゆき氏の計算だ。

おざけん氏はこれに関連してフラダンスの事例を紹介した。日本にはフラダンスをする人が約200万人いるが、良い学習アプリがなく、教室に通うしかない。DX(デジタル化)が進んでいない領域だという。そこで、スマートフォンを立てて踊ると動画を解析し、「ここの姿勢はこう」と助言してくれるアプリを作りたいと考えたフラダンサーがいた。その人はエンジニアではない。それでも自分の課題に合わせたアプリを作り、あるハッカソンで上位に入ったという。

おざけん氏は、自分が本当に好きなことやマニアックな趣味を起点にアプリを作ってみることを追求すべきだと述べた。自分と同じ生活スタイルの人は一定数いるはずだからだ。主要な2割の課題にはすでに多くのサービスがある。重要なのは、金にもならず投資も集まらなさそうなロングテールの課題にどう適用するかだという。司会も、以前は「こういうのを作ったら絶対いい」と口で言うだけだった非エンジニアが、試しに作って出せる時代になったと応じた。

ひろゆき氏自身がものを作るとき

では、ひろゆき氏自身はどんなときにものを作るのか。答えは「ゲームにも映画にも漫画にも飽きて、すごく暇なとき」だった。そうしたタイミングが数年おき、あるいは1年おきにあり、作っては飽きてやめるのだという。

ひろゆき氏は、ここ半年の流行を追う競争には乗らない。誰がやっても結果は変わらず、すぐ廃れると考えているからだ。代わりに、日常生活の中で「3年、5年単位で、うまくいけばこれくらい伸びる」というアイデアを思いつく。多くは消えていくが、ときどき消えないものがある。「誰もやらないな、でも何年後も使うよな」と思えるものについては、頭の中で仕様設計を進める。「この形ならお金もかからず作れる」という像が固まり、他にやることがなくなったときに作り始める。

流行に乗らない例として挙げたのは、コロナ禍で流行したClubhouseだ。似たアプリを作る人は多かったが、ひろゆき氏はすぐ廃れると見ていた。観察は続け、実際に長続きしなかったのを見て次へ移ったという。

OpenAIは利益を出せないのではないか

話は大手AI企業に及んだ。ひろゆき氏は、毎年1兆円規模を投資するOpenAIなども、最終的には利益を出さないのではないかと考えている。1兆、2兆円を毎年投じても、それを回収できるほどの差は生まれないという見立てだ。

根拠として挙げたのはGPT-5である。性能が上がっても、4と5の差にお金を払おうと思う人はほとんどいないとひろゆき氏は見ている。大学の研究など高度な用途では違いがあるだろう。しかし多くの人は、検索エンジンで調べれば済むようなことをChatGPTに聞いているだけだ。実際、GPT-5で何が変わったかという話題は「寄り添わなくなった」「口調を合わせなくなった」といったインターフェースの話に終始していた。人間はその性能差を理解できず、人類はそこまでのスペックを必要としていない、というのがひろゆき氏の主張だ。

おざけん氏は、過剰な持ち上げ表現やハルシネーションが減るといった改善は起きていると補足した。そのうえで、そこに1兆、2兆円をかけるのかがひろゆき氏の問いなのだろうと整理した。ひろゆき氏は、ユーザー側はむしろ得をしていると述べる。世界中の資金がアメリカに集まり、LLMがどんどん開発される。オープンソースで安く、パソコンでも動くモデルも次々に出てきている。一般ユーザーはほぼタダ同然で使えるので、人類としてはありがたいという見方だ。

スキルがない人はAIとの「ピンポン」から抜け出せない

一方でひろゆき氏は、「スキルがない人でもアプリが作れる、Webデザインができる」という段階にはまだ至っていないと断言した。できあがったものは、コードやCSSが分かる人が微調整しなければ思いどおりにならないからだ。

例に挙げたのは角丸の修正である。角が丸いところを四角にしたい、あるいはその逆にしたい。コーダーならさっと直せる。しかし全く分からない人は、AIに同じ指示をもう一度出し、全然違うものが返ってくる。このAIとのピンポンを延々と続けることになり、かえって時間がかかる。結局、デザインやプログラムがそれなりにできる人が使えば生産性は上がるが、できない人がやると最終的に思いどおりのものにならない、とひろゆき氏は述べた。

40〜50代のエンジニアに仕事が集まるという予測

ここからひろゆき氏は世代の話に進んだ。今の20〜30代は、AIありきでエンジニアリングを始めることになるだろう。それに対して今の40〜50代は、サーバーを含めて一から全部やるのが当然だった世代である。そのため全体設計が見えている。コードを書いたとして、どんな仕様のサーバーがよいか。どういう構成ならサーバーリソースが少なくて済むか。この処理はデータベースにやらせずCPUを回した方がよいか。こうした曖昧な判断と全体設計を、なんとなくこなせる。

全体設計ができない世代が増えれば、全体の仕事は任せられない。その結果、AI以前の世代である40〜50代のエンジニアにばかり仕事が増えるのではないか、とひろゆき氏は予測する。そうした世代が知識と経験をもとにAIでコードを書かせれば、一人で完結できてしまうからだ。

おざけん氏も、エンジニアにはセキュリティ要件や想定アクセスへの耐性など、コードを書く以外の知識が必要だと述べた。そのうえで持論として「ミドルキャリアの可能性が伸びる」と語る。20代で何も持たない状態でAIだけを使っても、掛け算にならないという考えだ。

分割して任せる人と、丸投げする人

ひろゆき氏は、ちゃんとコードを書ける人はAIの使い方もうまいと言う。仕様を書かせ、その仕様どおりにコードを書かせ、テストコードもAIに書かせる。本来は自分の手でやる作業をAIにやらせてパーツを作り、それらを整合するようにつないで動かす。一方、何も分かっていない人は最初からAIに丸投げする。そのためどこにバグがあるか分からず、直したら何に影響するかも分からなくなる。

おざけん氏は、知識のある人は全体を把握しているので、AIへの修正指示や対話の仕方が「綺麗」だと述べた。そういう人はおそらく部下への接し方も綺麗で、マネジメントもうまいのではないかという。

優秀な人はより稼ぎ、若手は育ちにくくなる

優秀な人のイメージは変わるのか、という問いに対し、ひろゆき氏は変わらないと答えた。優秀な人の生産性がさらに上がって大きく稼ぎ、良いプログラムが世に出回り、中途半端な人が苦しむという。

深刻なのは若手の育成だ。以前なら20人で作っていたものが、AIを使う優秀な人を中心に5人程度のチームで完成まで持っていけるようになる。すると残りの15人は訓練や教育の機会を得られず、そもそも仕事に就けない。ひろゆき氏は「シビアな時代になる」と見ている。

ただし環境によって状況は違うという。小さな会社で担当が自分しかおらず、「AIでも何でも使っていいから、こういうシステムを作って」と任される人がいる。その人は試行錯誤しながら全体設計をAIと一緒に経験できるので、問題ない。厳しいのは、大きな会社で優秀なSEと仕様書が用意され、「コードを書いてください」と言われるだけの人だ。全体を見る訓練の機会がなく、コード生成能力ではAIが上回るので「そんな給料は払えない」となる可能性がある、とひろゆき氏は指摘した。

スクールの話題で出た論点:基礎から学ぶ辛抱強さ

後半はスポンサーであるDMM 生成AI CAMPのコース紹介になった。おざけん氏が監修する「生成AIエンジニアコース」は、Pythonの基礎から始まる。そのうえでGitHub Copilotなどのコーディング支援ツール、LangChainといった生成AI系フレームワークを学び、最終的に生成AIアプリを作る構成だとおざけん氏は説明した。コーディングAIのツールだけを学んでも意味がなく、プロジェクトを実際に回すことを重視しているという。

Pythonについて問われると、ひろゆき氏は流行っている点が大きいと答えた。ミドルウェアがそこそこ安定してきたこと、複雑な処理もこなせること、どんな環境でも動くことも理由に挙げている。

ひろゆき氏はコースの構成に懸念も示した。AIをやりたい人に基礎からPythonを教える辛抱強さを求めるのは難しいのではないか。AIでさっさとやりたい人は「ノーコードでいい」と流れそうで、脱落者も出るだろう。基礎から学ぶのは長期的には正しいが、それを理解してもらうのは難しそうだという。おざけん氏も同意した。そのうえで、基礎ができないとプロダクトを作る成功体験にはつながらないこと、あとは本人がどれだけキャリアへの危機感を持つかだと答えている。

人間のメンターに質問できる点について、ひろゆき氏の意見は条件付きだった。本当に詰まったときは最後は人間に頼る。ただし、人に聞かずに自分で調べて覚えられるかどうかはエンジニアの資質の一つだという。一方で「今どのツールが便利か」「どれが一番安いか」といった情報は人間に聞く方が早いので、そうした相手がいるのは便利だと述べた。司会によれば、メンターは外資系ITやメガベンチャーの現役エンジニアが副業で務めており、合格率は10%ほどだという。ひろゆき氏は、それだけのスペックならそれなりの報酬を払わないと来ないだろうと応じた。司会はまた、生成AI関連の開発案件は単価が3倍ほど高いというデータがあると紹介した。

このコースに向く人を問われ、ひろゆき氏は「ちゃんとやろうとする人」と答えた。「金さえ払えばエンジニアになれる」「AIでちょろっとやればいける」と考える人が行くと、途中で心が折れるだろうという。司会によれば、受講者はエンジニア志望の初心者と、生成AIのトレンドを追いたい現役エンジニアの二極に分かれている。自社業務に合わせたアプリを作りたい人も多いそうだ。

Difyとワークフロー自動化

もう一つのコースはノーコードツールDifyを扱う。おざけん氏は、ブロックをつなげてワークフローを作るツールだと説明した。自身の作例では、名刺を読み込むと画像認識ブロックが情報を取り出し、その人の会社を調べ、大企業なら大企業用の箱に振り分ける。ワークフローという考え方自体はRPAの時代からあるが、そこに生成AIが入ることで柔軟な処理が可能になったという。司会は、自社サイバーエージェントでもDifyの活用を推進する部署があり、業務時間を3,000時間削減した例があると紹介した。ただし多少癖があるので、まとめて教わった方がよいとも述べている。

ひろゆき氏は、似た概念は昔からあったと指摘した。以前は各社がAPIを公開しておらず、つないでもできることが少なかった。今は多くのサービスがAPIを出すようになった。だからこの変化はエンジニアリングの進歩というより、各社がAPIを出してつなぐのが当たり前になったことによる、という見方だ。その流れはSlackの影響ではないかとも述べた。おざけん氏はSlack連携の例を挙げている。AIがメールの返信案を作るとSlackに通知が届き、ボタンを押せば返信が送られる。Slackだけで仕事が終わる世界が来つつあるという。

ひろゆき氏は、プログラミングでつまずいた人がDifyのコースに移るケースについても肯定的だった。ワークフローはつなげばすぐ実感が持てるので楽しいからだ。ただ、使い方には留保をつけた。アイデアがある人ならいろいろ作れるが、多くの人はそこまでアイデアを持っていない。他人が作って使っているツールをコピーするのが無難だろうという。

さらにひろゆき氏は、Difyなどのノーコードツールを使えるようになって給料を上げよう、転職しようと考えると、2〜3年後には厳しくなるとの見方を示した。社内の課題を解決するレベルなら十分だという。ただし直近1〜2年については、国内で注目が高まっているので、Difyを使えるだけでも市場価値がつくだろうとも述べている。司会は、長いプロンプトをチームに共有しても面倒がられるが、シンプルなUIのアプリにすると使われるという実感を語った。ひろゆき氏は、ノーコード系は使う人に分かりやすいUIまで持ち込みやすいと応じている。

速く作れる時代ではなく、速く失敗できる時代

締めくくりに、司会は今回の対談を振り返った。自分のベースとなる力が大事だとあらためて感じ、AIだけに踊らされず、AIの時代だからこそ自分と向き合う必要があると再認識したという。おざけん氏も、自分のことを認められない人がAIを使っても平均的な人になってしまうのではないかと述べた。

ひろゆき氏は、自分は2〜3年に1回作れば十分だとしたうえで、そうでない人には違う勧め方をした。AIを使って1ヶ月に1本アプリを作るくらいが成長につながるという。AIの力をフルに使っても、アプリを完成まで持っていく。ユーザーや知人に使ってもらい、フィードバックを受ける。これを繰り返すと、仕様の作り方やプロモーションの仕方が洗練されていく。そのサイクルを速く回して数多く作っておく方が、長期的には良いというのがひろゆき氏の考えだ。

ひろゆき氏自身も、誰も知らない失敗したサービスを大量に作ってきたという。失敗したから誰も覚えていないだけで、その経験があるからいろいろできる面がある。そのサイクルが非常に速く回せる時代になったので、AIを使ってコードをたくさん書くべきだと語った。司会がこれを「速く作れる時代ではなく、速く失敗できる時代なのかもしれない」とまとめると、ひろゆき氏は失敗が多い方が成功率は上がると応じた。