電解コンデンサ4社は何を強みとしているか:テクノフロンティア2025「イチケンラウンジ」対談

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概要

2025年7月23日から25日に開かれたテクノフロンティア2025で、電子工作系YouTuberのイチケンが「イチケンラウンジ」という企画を行った。昨年に続く企画で、同じ部品を扱うメーカーを集め、各社の特徴と違いを来場者がまとめて比較できるようにすることが狙いである。今回の題材は電解コンデンサで、日本ケミコン、ルビコン、エーアイシーテック、ニチコンの4社の担当者がそれぞれイチケンと1対1で対談した。

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イチケンは各社のスライドに沿って製品や技術を聞き、最後に全社に同じ質問をした。「自社製品の一番の特徴は何か」である。以下、登壇順に内容をまとめる。

日本ケミコン:ハイブリッド専用工場とAIサーバー向けの展開

最初の登壇者は日本ケミコン製品開発部の千才氏である。イチケンは以前、同社の神奈川の研究所で電解コンデンサを手巻きで作る体験をしており、その様子を動画で公開している。

千才氏の説明では、日本ケミコンは1931年創業で、アルミ電解コンデンサの開発・製造・販売を中心に世界で事業を展開している。製品は非常に小さいものから大きいものまで揃う。電解コンデンサ以外にも、コイル、大型のセラミックコンデンサ、バリスタ、電気二重層キャパシタを生産している。

同氏はアルミ電解コンデンサを3種類に分けて説明した。電解液を使う従来型、導電性高分子を使うタイプ、そして電解液と導電性高分子の両方を使うハイブリッドタイプである。ハイブリッドは特性が良いため、現在は特に車載とAIサーバー向けに売れているという。これを受けて同社は宮城県大崎市にハイブリッド専用棟を建てた。完成すれば生産数は現在の約2倍の月1億個になると千才氏は説明した。

ハイブリッドの特性について、千才氏は温度とESR(等価直列抵抗)の関係を示すグラフを使った。低抵抗をうたう一般的なアルミ電解コンデンサでも、−40℃や−60℃の低温域では導電性高分子タイプやハイブリッドタイプより抵抗がかなり高くなる。新工場の製品の売り先について、同氏は同社の長い市場実績と高信頼性を挙げ、サーバーや車載のように「絶対に壊れてほしくない」用途に売っていきたいと答えた。

液浸冷却への対応では封口ゴムが鍵になる

日本ケミコンのスライドには液浸冷却の展示も載っていた。コンデンサを実装した基板ごと容器の液体に浸けて冷やす方式である。千才氏によれば、サーバーの出力が上がるとファンだけでは冷却が足りなくなり、基板ごと冷やす方式が出てきた。冷却に使う電力量が約半分になると言われており、同社はこれを環境への取り組みと位置づけている。

液浸対応の鍵について、千才氏は封口ゴムを挙げた。コンデンサの外装はアルミ缶で、開口部はゴムで封止されている。このゴムは内部の電解液の蒸散を防ぎ、外部の不純物の侵入も防ぐ。ところが冷却液に浸けると、レントゲン写真のようにゴムが膨らんで「グミのような形」になる。そうなると冷却液が内部に入り、コンデンサが故障する。同社は封口ゴムも社内で一貫して開発しているため、液浸対応品をいち早く市場に出せたという。

AIサーバー電源での使い分けと、陽極箔・陰極箔の技術

千才氏はAIサーバー電源の簡略回路図を示し、商用電源側からGPU側までのすべての段に同社の電解コンデンサを提案できると述べた。商用電源に近い高電圧部には大型の基板自立形アルミ電解、中間にはハイブリッド、GPUに近い部分には導電性高分子を使う。

使い分けの基準は次のように説明された。サーバーでは瞬時停電や瞬時電圧低下の際にしばらく電力を保持する必要があり、とにかく高容量が求められる部分には大型のアルミ電解を使う。低電圧側では高周波の電力が求められるため、抵抗の低い導電性高分子やハイブリッドを使う。耐圧については、導電性高分子は16V程度までしか上げにくいのに対し、ハイブリッドは100V程度まで対応できる。中間段は48V程度までのラインが多いので、そこにはハイブリッドを勧めているという。

小型化技術の説明では、合成容量の式が示された。製品容量は陽極箔と陰極箔の直列合成で決まり、陰極箔の容量が十分に大きければ、製品容量はほぼ陽極箔の容量に等しくなる。同社は独自技術で高容量の陽極箔を開発している。

千才氏は過去と現行の陽極箔の断面写真を並べ、違いをイチケンに尋ねた。イチケンが指摘したとおり、中央の黒い部分は過去品ではガタガタしており、現行品では一直線になっている。黒い部分はエッチングで掘り残したアルミの芯である。掘りすぎると芯がなくなり、芯がガタガタになっても箔の強度が落ちる。そうなると高容量の箔ができても製品にできない。同社は芯をきれいに残したまま高容量化することを目指して開発を続けているという。

陰極箔についても、同社は薄くて高容量のものを独自に製造している。陰極が薄ければ同じ缶に陽極箔を多く収められるので、小型化につながる。スライドには、1980年製のコンデンサと比べて同じ定格の体積が1/10になったと記載されていた。千才氏は実物も持参し、当時の大きさの製品と同定格の現行品の大きさを比べて見せた。

今後の注力製品はAI向けハイブリッドのKHUシリーズである。「一番の特徴」を問われた千才氏は、材料や設備を社内で一貫生産しているため新しいものをいち早く市場に届けられる点を挙げた。それによって電源の小型化・高出力化や環境対応製品に貢献したいと述べた。

ルビコン:事業構成と「ルビコントライアングル」

2社目はルビコン技術本部電解設計部の向山氏である。向山氏によれば、同社は長野県伊那市にあり、年間売上は約600億〜700億円で、その80%がアルミ電解コンデンサである。残る約20%はカスタム電源、フィルムコンデンサ、PMLCAP、高分子コンデンサが占める。市場別の構成は車載23%、電源30%、コンシューマー15%、産業機器20%である。

向山氏が特徴として挙げたのが「ルビコントライアングル」という体制である。伊那市の本社で製品開発と研究開発を行い、車で10分ほどの場所には同社とJCCの合弁会社である信英蓄電器箔がある。さらに車で10分ほどの場所に、製造設備を外販もしている会社がある。外販するほどの設備会社をグループ内に持つことが大きな特徴だと向山氏は述べた。

イチケンが「装置を自社で作れるから製品や製造へのフィードバックが速いのか」と聞くと、向山氏はそうだと答え、日本ケミコンの話と同じ課題を挙げた。陽極箔は拡面倍率を上げるほど脆くなり、それをきれいに巻き取るのは難しい技術になる。同社はそこを自社で開発してきた結果、小型品で昔からシェアが高いという。過去の例として、使い捨てカメラのストロボ用コンデンサでは約80%を同社が納めていたと紹介した。

さらに向山氏は、水系の電解液を使うコンデンサを世界で初めて開発したのが同社だと述べた。現在はフライバック電源の二次側に使われている。リプル電流の大きい平滑用途で、ZLシリーズ(最新はZLR)として展開しており、水系コンデンサでは最も信頼性の高い製品を出していると同社は考えている。

ルビコンのハイブリッド:電解液の代わりに「機能性液体」を使う

ルビコンのハイブリッドタイプは、通常の電解液ではなく「機能性液体」と呼ぶ高分子の液体を使う点が違いだという。電解液は封止材から溶媒が少しずつ抜けていく「ドライアップ」を起こし、低分子のものほど早く抜ける。高分子の液体は抜けにくいため、長寿命で耐熱性が高いと向山氏は説明した。

示された実験では、コンデンサをPCBに実装して頭にヒートシンクを載せ、14Aを流して4,000時間試験した。故障の仕方はオープンモードだったという。向山氏は、ここまでの耐熱性は電解コンデンサのレベルではなかなか考えられないと述べ、この製品は現在車載で使われていると紹介した。イチケンが「機能性液体が鍵か」と聞くと、向山氏は肯定したうえで、電解コンデンサメーカーは電気系の人からは部品メーカーに見えるが、実は化学系の人が非常に多く、化学に強いのではないかと話した。

ルビコンのPMLCAP:蒸着で積層するフィルム系コンデンサ

向山氏は電解コンデンサではない製品としてPMLCAPも紹介した。フィルムコンデンサの一種だが、製法が大きく違う。通常のフィルムコンデンサは加熱したフィルムを引き伸ばして作り、現在の最小厚みは2μm程度である。PMLCAPは真空チャンバー内で液体のプラスチックモノマーを蒸着し、電子線を当てて硬化させ、パターニングしてアルミを蒸着する。これを大きなドラムを回転させながら「バームクーヘンを作るように」連続で積み重ねて素子を作る。特性はフィルムキャパシタに近いという。

チップ形(SMD)は17年以上量産しており、生産数は約4億個である。主な用途は音響・映像機器のローパスフィルターで、フィルター性能が良いため音質が上がり、現在の高級アンプにはだいたい入っていると向山氏は述べた。蒸着工程は特殊な技術だが、後工程は全て自社で行う形になるという。宇宙分野では、NASAの火星探査機InSightの地震計に搭載され、「火震」の検知に貢献して表彰されたことも紹介された。

性能面では、材料が熱硬化性樹脂で融点がない点が挙げられた。PMLCAPは最高125℃、自己温度上昇40℃まで使える。一般的なフィルムは100℃、上昇30℃までだという。比誘電率は一般的なポリプロピレンの2.0程度に対して3.0〜3.2程度あり、誘電率だけで約33%小型化できると向山氏は述べた。

構造の違いも示された。PMLではサブミクロンの層を作れるため、0.4μmの層を内部で5直列にして合計2μmとし、通常の2μmフィルムと同じ耐圧・ほぼ同じ容量にできる。この構造では金属電極層が5つ入るので抵抗値は1/5になり、熱伝導は同社の試算でおおよそ2倍になるという。

PMLCAPをパワーエレクトロニクスへ広げる計画と課題

向山氏は会場に500V/10μFのPMLCAPを持参し、高圧品を作ってパワーエレクトロニクス市場へ広げたいと語った。例に挙げたのは車載の電動コンプレッサーの平滑コンデンサである。そこでは10A程度のリプル電流が必要で、持参品も同程度の10Aに対応するため、置き換えを目指して製品開発をしているという。

イチケンが「インバータに入っている大きな弁当箱のようなフィルムキャパシタをPMLCAPに置き換えれば小型化できるのか」と聞いた。向山氏の答えは次のとおりである。比誘電率だけで30%、直並列化などの技術を加えるとおよそ40%小型化できる。さらに500V以下では、フィルムコンデンサの2μmという厚みの限界を下回れるので、400V以下なら1/4程度の大きさになる。

課題を問われた向山氏は、耐湿性を挙げた。材料はアクリル樹脂で水を吸いやすく、同社は自社でモノマーを開発しながら耐湿性を高めることを喫緊の課題としている。車載では湿気をかなり気にするのかというイチケンの問いには、同社が作っているポリプロピレンのフィルムコンデンサと同じパッケージにすると差が出るのが実際のところで、そのブレイクスルーが課題だと認めた。一方で、素子のまま供給してSiCと一体化するような取り組みも社内で進めていると述べた。

「一番の特徴」について向山氏は、巻き取りなどの製造設備技術を社内に持つことによる小型化技術は業界でも際立っていると答えた。目玉商品には耐熱性の高いポリマーハイブリッドを挙げ、今後はPMLCAPを柱として育てたいと述べた。

エーアイシーテック:日立の系譜と大型品・産業機器向けの主力

3社目はエーアイシーテックである。イチケンは同社とも何度か仕事をしており、最初は栃木県真岡市の工場を見学して電解コンデンサの巻き取りや電解液の含浸を体験した動画を公開している。

登壇者の説明では、同社は創業5年目の新しい会社である。それ以前は日立グループの一員で、前身は日立エーアイシー、さらにその前は日立コンデンサだった。日立製作所でアルミ電解コンデンサの研究が始まってから80年が経ち、蓄積した技術と経験から技術力には自信があるという。

もともとはモータースターティング用やカメラのストロボ用のコンデンサが中心だった。効率化の要求とともにインバータが普及し、現在はDCリンク用の基板自立形・ネジ端子形アルミ電解コンデンサが主力になっている。大型品を得意とし、風力や太陽光などの環境分野、汎用インバータ、電源といった産業機器で使われている。

パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサも手がけている。DCリンク用途でメンテナンスフリーの長寿命化や1,000V超の高耐圧化を求める声が増えてきたことが背景にある。同社はもともと電力用フィルムコンデンサを生産しており、その技術を一部応用して開発したという。

高リプル化:陰極箔からケースへ熱を逃がし、弁を側面へ

同社は顧客から強く求められる高リプル化と小型化の2つを中心に開発している。高リプル化の一般的な方法は内部抵抗を下げて発熱を抑えることだが、同社は放熱性を高める構造で実現しているという。

具体的には、陰極箔をアルミケースの底に押し付ける。リプルをかけたとき最も熱くなるのはコンデンサ中心部のホットスポットで、その熱を陰極箔からアルミケースへ伝えて外部に逃がす。イチケンは最初これを陽極箔と取り違えたが、登壇者は陰極箔だと訂正した。

熱の逃がし先について、登壇者は天面の構造を説明した。従来は天面に圧力弁があり、内部にガスが溜まったときに放出できるよう、上に空間を空けてもらう必要があった。この製品は天面をフラットにしてヒートシンクに直接接触できるようにした。そのため単体でもリプルを上げられるうえ、ヒートシンクでさらに放熱性を高められる。圧力弁は側面に移しており、これを横弁構造と呼ぶ。

イチケンが「日本ではあまり流行っていなさそう」と言うと、登壇者は海外ではよく使われるようになってきたと答えた。一方で国内の顧客からは、弁が作動したときにガスが横に噴き出して他の部品に当たるので使いにくい、という意見を受けているという。

小型化:貫通箔を使うマルチアノード技術と実演

小型化の説明では、容量は陽極箔の表面積に比例するので、限られた空間で表面積を広げることが基本になると登壇者は述べた。同社はこれに加え、陽極箔の収納量を高める「マルチアノード技術」を用いている。

陽極箔を2枚重ねると、各箔の中央にはアルミの芯が残っているため、重なった面では電荷が移動せず、単に厚い箔1枚と同じになってしまう。そこで同社のダブルアノード構造では、穴が箔を貫通した「貫通箔」を使い、電荷が移動できるようにしている。

会場では実物を使った実演が行われた。登壇者が従来の非貫通箔と貫通箔にそれぞれ赤いマジックで「AIC」と書くと、非貫通箔ではインクが裏に浸透しなかった。貫通箔では完全に抜けきってはいないものの、裏側に文字がほんのり浮かび上がり、貫通していることが確認できた。

強度についても実演があった。貫通箔を折ると、ポロポロと割れてしまった。非貫通箔は折れはするが、金属らしいしなやかさと芯が残っていた。イチケンが脆い箔を巻くのは難しいのではと尋ねると、登壇者は巻き取りの速度やテンションを箔に合わせて設定する必要があり、その条件出しが重要なポイントだと答えた。

同社はアルミ電解コンデンサについてまとめたガイドブックを今年作成し、ブースでアンケート回答者に無料で配布していた。イチケン自身も受け取っており、教科書には書かれていないが現場では当たり前の知識が充実していると評した。

「一番の特徴」について、登壇者はインパクトのある製品を開発していることだと答えた。例として挙げたのは、横弁品、貫通箔を使った超小型品、そして業界最大だというφ120の製品である。

ニチコン:一貫生産とBtoCの蓄電事業

最後はニチコンである。登壇者によると、同社は京都の会社で、1950年設立、今年で創業75年になる。事業はコンデンサ事業とNECST事業の2つで、前者はアルミ電解を中心に各種コンデンサを扱い、後者は蓄電システムなどの開発・生産・販売を行う。アルミ電解コンデンサでは主要材料の電極箔の生産・加工から製品の組立、販売まで一貫生産しており、そこに強みがあるという。

イチケンは、同社がBtoBだけでなくBtoCも手がけている点に注目した。登壇者は経緯を次のように説明した。同社はコンデンサを75年作ってきたが、主な顧客は企業やセットメーカーだった。東日本大震災の際にエネルギー需要が非常に高まり、もともと持っていた回路事業のノウハウを活かして蓄電システムを事業化したという。

製品ラインナップは、ハイブリッド、固体電解(ポリマー)、そしてアルミ電解のチップ形、リード線形、基板自立形まで幅広い。用途ごとに入力電圧帯が異なり、低電圧から高電圧まで揃えることで対応しているという。最も強い分野を聞かれると、長年手がけてきたアルミ電解はシェアも大きく強みがあると答えた。そのうえで、現在はハイブリッドや固体電解が市場で強く求められており、設備投資をして注力していると述べた。

成長分野として挙げたのは自動車と情報通信機器である。自動車は電気自動車や自動運転へ移るなかで電装化が進み、機能が多様化して大出力化している。そのためコンデンサには高容量、高リプル、従来からの小型化が強く求められている。大電力を扱うとリプル電流で発熱するので、登壇者はエーアイシーテックの説明に触れながら、その発熱に耐えられることが求められていると述べた。AIも同様で、生成AIで膨大なデータを高速処理するために大出力化が進んでいるという。

ニチコンのポリマーコンデンサ:PEDOTと業界にない高耐圧品

ニチコンはまず導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、いわゆるポリマーコンデンサを紹介した。通常のアルミ電解は陽極箔と陰極箔の間に電解紙を挟んで巻き、電解液を含浸させることで大きな容量を得る。この電解液を、電気を流す固体である導電性高分子に置き換えたのがポリマーコンデンサである。同社はPEDOTという導電性高分子を使う。電解液のイオン伝導に対してPEDOTは電子伝導で、導電率はおよそ1万倍になり、コンデンサとして良好な特性が得られるという。PEDOTに独自の添加剤を組み合わせて長期的な安定性を高めていることが、高信頼性を実現するノウハウだと説明した。

次に示されたのは、業界各社のポリマーコンデンサの定格電圧範囲を温度帯・寿命時間ごとにマッピングした表である。同社の最高耐圧品は125Vで、125℃・135℃の高温領域でも63V・80V品を揃えており、登壇者はこれを「業界オンリーワン」の高耐圧品だと述べた。

他社が高耐圧ポリマーをやらない理由を聞かれると、登壇者はポリマーの主戦場は従来2.5Vや6.3Vの低電圧領域だったと答えた。高出力化で要求が高耐圧側へ移り、高電圧帯でも液タイプではないコンデンサを使いたいという要望に応えるためにラインナップを広げてきたという。高耐圧になるとハイブリッドと競合するのかという問いには、顧客が使用方法、コスト、特性を見て選んでいると答えた。

寿命については、実使用温度での推定寿命の例が示された。ポリマーコンデンサはアルミ電解やハイブリッドより大幅に長い寿命を担保できる。基本寿命がもともと長いことに加え、寿命の考え方が少し違うためだという。アルミ電解は電解液がドライアップして特性が劣化するが、ポリマーは固体なのでその点に利点があると登壇者は説明した。

ニチコンのハイブリッドコンデンサと使い分けの考え方

ニチコンはハイブリッドコンデンサも紹介した。液タイプのアルミ電解と固体のポリマーを組み合わせることで、アルミ電解の高容量・低漏れ電流と、ポリマーの低ESR・高リプル電流を両立できる。そのため要求が強まっている品種だと登壇者は述べた。

ハイブリッドと固体の使い分けについては、どちらにも要求があるので両方を提供できるようにラインナップを広げてきたと答えた。両方を扱うことで互いの良い面を取り入れ、技術ノウハウを共有して開発・生産に活かしているという。

「一番の特徴」としては、ポリマーコンデンサで他社にない高耐圧品を持っていること、ハイブリッドでは業界最高のスペックの製品を揃え、さらに高リプル・高容量の要求に応える開発を続けてきたことを挙げた。

イチケンのまとめ:車載・AI向けの大容量・高リプル化

最後にイチケンは4社の話を振り返った。用途では車載とAIが多く挙がり、コンデンサへの要求では大容量と高リプルがトレンドになっており、各社がそこに注力して開発し製品を提供しているという印象を持ったと述べて、対談を締めくくった。