大企業のデザイナーからソロプレナーへ、そしてAX企業の代表へ:ジョシュが語る一人起業とAI転換の現場

翻訳元 한국어

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概要

『私はソロプレナーだ』の著者ジョシュは、SKグループでデザイナーとして働いた後に退職した。ニュースレターで一人起業を始め、現在はジョシュア・アンド・カンパニーという法人を経営している。番組収録の時点で、彼は自らを5人の会社の代表であり、YouTuber「ビルダー・ジョシュ」だと紹介し、企業向けのエンタープライズAX(AI転換)研修とソリューション構築プロジェクトを主に手がけていると語った。

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EOのビジネス書編集者キム・ジユンが進行したこの対話の出発点は、緊張関係にある二つの視線だった。一方には、AIのおかげで一人起業が容易になったという期待がある。もう一方には、AIはバブルでハイプが行き過ぎているという批判がある。その間でどうバランスを取るべきか。ジョシュはソロプレナーとして働きながら経験した試行錯誤と、企業のAX現場で目にした混乱とチャンスを順に語っていった。

フリーランサーとソロプレナーは何が違うのか

ジョシュは二つの概念を分ける基準として「自分の時間を先に投入するかどうか」を挙げる。フリーランサーはデザインのような専門性を持って企業と下請け契約を結ぶ。時間を売るか、成果物を納品する形だ。一方、彼の言うソロプレナーは「構造的なビジネス」である。

彼が最もわかりやすい例として挙げるのはクリエイターだ。Instagram、Threads、YouTubeでトラフィックを生み出し、そのトラフィックをもとにオンラインで商品を販売する。肝心なのは、本人が直接働かなくても販売がある程度自動的に起きる仕組みをつくることだ。ジョシュはこれをソロプレナーの定義としていると語った。

彼自身も最初からソロプレナーだったわけではない。SKに勤めていた頃は、スタートアップなどのデザイン作業を副業で請け負う、時間投入型の仕事をしていた。計画を立ててソロプレナーになったというより「できたからやった」ケースだったという点で、二人の意見は一致した。

15時間かけたニュースレターと「有料級のコンテンツを無料で提供する」戦略

転機は2023年6月に始めたニュースレターだった。当時すでに多くのニュースレター運営者がおり、彼はIT関連の記事を「自分も一度書いてみよう」という気持ちで始めた。最も参考にしたのはレニーのニュースレター(Lenny's Newsletter)だった。ジョシュによれば、当時購読者が50万人に達していたレニーは、ニュースレターを長く書き続ける人はほとんどおらず、肝に銘じるべきは一貫性とクオリティだけだと語っていた。レニーは、映画『インディ・ジョーンズ』で巨大な岩から逃げるシーンを投稿し、毎週月曜の締め切りは自分にとってこういうものだと表現したこともあった。

ジョシュも毎週そうした締め切りに耐えながら記事を書いた。2023年はAIの助けをほとんど得られず、1本の記事に15時間ずつかかったという。記事がEOプラネットに掲載されるとトラフィックが生まれ、講演、広告、研修、コンサルティングの依頼が舞い込み始めた。進行役は、PMは消えるだろうというあるCEOの発言を取り上げた彼の初期の記事をきっかけに、多くの人がニュースレターを読むようになったと振り返った。

進行役は、これほどのクオリティなら有料にする戦略もあったはずなのに、なぜ無料で出したのかと尋ねた。ジョシュの答えは、有料級のコンテンツを無料で受け取ると、人は「借りができた」と感じるというものだった。これをタダで見ていいのだろうかという感情が生まれると信頼が積み重なり、この人が何かを売るなら買ってもいいという気持ちになる。彼はこれをニュースレタービジネスを通じて知ったという。レニーもまた、毎週1時間半のポッドキャストと充実したニュースレターを出している。ジョシュは、レニーの場合は完全に無料ではなく有料化も視野に入れていただろうが、まず有料級のものを惜しみなく与え続けるという姿勢が自分に大きな影響を与え、実際に雪だるま式にチャンスとなって返ってきたと語った。

最初の悩みは「続けられるか」、その次は「何を売るか」

最初の3か月間、ジョシュが向き合っていた問いは収益ではなかった。コンテンツを一貫して出し続けられるかを確かめる、一種の仮説検証だった。人々が好意的に見てくれることを確認してから、ようやくビジネスモデルを考え始めた。彼は、この土台がまず整っていてこそ何でも売れると考えていた。

何を売るかについて、彼は独立した個人が売れる手段は思ったほど多くないと整理する。誰かに教えるか、他人の仕事を手伝うか、デジタル商品を売るか、といった範囲を大きく出ないというのだ。最初は参入しやすい講座事業から始め、オンラインに「ソロプレナー・クラブ」をつくった。最も早く効果が出たのは、Slackベースのコミュニティと有料サブスクリプションのメンバーシップだった。コミュニティを生き生きと保つには水をやり続ける努力が必要だったが、メンバーをロックインして増やしていくことで、月単位で意味のある収益を上げたという。

コンテンツの悩みが解消されてからは、ビジネスの悩みだけが残った。彼は「ビジネスは本当に難しい」と言い、今も4〜5つのビジネスを同時に運営しながら、どう軌道に乗せるかを考え続けていると語った。それでも毎回成長を実感できるので楽しいと付け加えた。

15を超えるビジネスモデルを体当たりで実験する

ジョシュはこれまでに15以上のビジネスモデルを自ら試してきたと語った。いくつかの事例を紹介した。

一つ目は約400人規模の開発者カンファレンスだ。少人数で運営する中で、彼は人々が集まりや現場で得られるインサイトを高く評価していることに気づいた。特に、決済のコンバージョン率がオンラインのウェビナーよりオフラインの現場のほうがはるかに高いことを、このとき実感した。

二つ目は2024年頃にサムスンから来た映像制作の外注だ。昼休みごとにAI関連のコンテンツを流したいので、10分ほどの映像を収録してもらえないかという依頼だった。こうした仕事で月々のキャッシュフローを生み出した記憶もあるという。

三つ目は個人指導だ。AIクリエイターとして知られるようになると、組織の上層部から、時給はいくらでも払うという申し出を受けた。一度だけやってみて、彼は時間の投入があまりに大きいという短所と、関係性を通じて追加のビジネスにつながりうるという長所の両方を把握した。

彼は、こうして自ら飛び込んで長所と短所を確かめたうえで、続けるかどうかを決めることにためらいがないという。会社を経営する今も、予想外の提案が来ればまずやってみる。進行役は、こうした柔軟さと機敏さが小規模な組織、特にソロプレナーの強みだと指摘し、ジョシュは身軽で、意思決定に絡む人がいないという自律性が本当にいいと同意した。

ソロプレナーの長所と短所、そして自動化への誤解

ジョシュが挙げる最大の長所は、時間とスケジュールを柔軟に調整できることだ。コンテンツをつくる固定の時間以外は自由に使えるので、望めば突然海へ行ってデジタルノマドのように過ごすこともできるし、やりたくないときは休むこともできる。短所は給料がないことだ。固定収入をどうつくるかが最大の課題だと彼は言う。

本を書いた当時、彼は外注、コホート講座、メンバーシップの三つを並行していた。いずれも今でも有効で、売れている。問題は、運営の手間がかかり続けることだ。

自動化について彼は、多くの人が最初から手作業なしで実現できると期待していることが大きな問題だと見ている。初期は文字通り「地獄のような苦労」をしながらあらゆる過程を経験しなければならず、その過程で繰り返されるパターンとループが見えてくる。彼は、事業も結局は「大きなループエンジニアリング」のようなものだと表現した。繰り返されるパターンの中から自動化すべきものを見つけ、人にしかできない仕事、AIにできる仕事、自分にしかできない仕事を区別することが重要だったという。

具体的な事例もある。ソロプレナーになって1年ほど経った頃、1週間に行うすべてのタスクを書き出してみると約60個あり、そのうち40個ほどは自分がいなくてもよい仕事だった。当時はAIが今ほど発達していなかったため、アシスタントライターを採用した。ニュースレターの補助作業は当時よく機能していたClaude 3で埋め、画像リサーチなどを任せる方式だった。ジョシュは、これは自動化というより外注化に近い試みだったと説明した。

ただし彼は、人々が結局は手で書いた文章、苦労の跡が見えるコンテンツを好むというのは今も事実だと考えている。記事を読んで気持ちが通じたと長いレビューを残す読者は温度が上がっていて、どんな提案でも受け入れそうな状態になる。ジョシュはこれを「顧客の温度を上げる」と表現した。以前は対面でなければできなかったことを、今はYouTubeやInstagramのようなコンテンツで本人がいなくても実現できる点が、今のソロプレナーの強みだと語った。

何を続け、何をやめるか:時間、お金、そして次のチャンス

多くの実験の中から何を続け、何をやめるかをどう決めたのかと進行役が尋ねると、ジョシュはすべての問題は時間とお金に収束すると答えた。判断基準は、インパクトが大きいか、そして次のチャンスにつながるかだった。

個人指導は、現場まで出向いて1〜2時間ずつニーズを解決し、さらには開発までしなければならず、ROIが低いと判断した。ただ、関係が積み重なればその後の構築ビジネスにつながりうるという長所は認めた。

企業研修も役員向けと実務者向けに分かれるが、彼は役員向けに集中することにした。役員には権限があるため、研修の後にはるかに多くのビジネスチャンスが生まれるからだ。彼は、LG U+関連のコンテンツ制作を手がけることになった件を例に挙げた。また、最上層部が彼のYouTubeを見て指示を出し、構築プロジェクトが突然生まれたケースもあったという。実務者の立場からすれば、上から降りてきた指示なので仕事をしなければならない状況になるわけだ。

全体的な方向性は、本人が直接働かなくても構造的に拡張できる側であり、その意味でデジタルベースのビジネスが最もよいと彼は言う。同時に、若いならできるだけ多く失敗してみるよう勧めた。自分のように安定したビジネスに一つずつ上乗せしていくやり方でないのなら、の話だが。

「週4時間だけ働く」実験とピボットのきっかけ

進行役は、構造的なインパクトと自分がやりたいことが衝突したときの悩みについて尋ねた。ジョシュは実際にそういう時期があったと打ち明けた。コンテンツとビジネスがうまく回り時間が余り始めると、海外のソロプレナーのように週4時間だけ働く生活を送ってみたくなった。のんびりヨガをしたり家族と時間を過ごしたりする生活が好きだと思っていた。配当株投資など、ほとんど働かなくても収益が出る仕組みもある程度整っていた。

そうして極端な形で約3か月を過ごしてみると、結果は違った。空いた時間に自分がしていたことを振り返ると、結局また仕事だった。時間が余ると別の仕事を探しに行く自分に気づいたのだ。彼は、自分は働き続けなければならない人間、自ら苦労を買って出るタイプだとわかり、どうせやるならインパクトを出してより大きな組織をつくってみようという方向へ考えを変えた。

時期は昨年の1月から5月の間だった。ゆっくり休んでいたその時期に、Cursorが急浮上した。非開発者の彼がバックエンド開発までできるようになったのだ。IT分野に15年以上いながら一度も手が届かなかったバックエンドとインフラの領域が一気に開けると、彼は「文明級の変化」だという戦慄を覚えたという。その後2か月ほど引きこもり、何の助けもなしに決済機能付きのソフトウェアを出せるかを実験した。そうして生まれた最初のプロダクトが、配当株管理のSaaSアプリだ。CursorとClaudeだけで決済、インフラ、バックエンドを構築してリリースした。

この経験は、ソロプレナーに対する彼の考えも変えた。それまで彼が思い描いていたソロプレナーは、クリエイターを基盤とし、ソーシャルメディアのアルゴリズムを活用する一人起業家だった。AIがその限界を完全に取り払ってしまうと感じたのだ。この経験をニュースレターに書くと、ファストキャンパスやスパルタコーディングクラブといった講座プラットフォーム、そして多くの個人事業主から連絡が来た。彼は、小規模チームと個人の影響力の勢力図が完全に変わるだろうと考えた。

ニッチ市場の限界、そして予想外の顧客:企業

ジョシュは、従来のソロプレナー向けコンテンツには市場のキャップ(上限)があったと言う。彼が捉えていた需要は、IT分野で一人でアプリをつくり、月500万〜1,000万ウォン、多ければ3,000万ウォン程度を安定して稼ぎながら自由に暮らしたい人たちだった。ニッチ市場であり、成長が停滞し始めていた。少ないリソースでもある程度収益が出ていたため、マンネリに陥っていたとも語った。そんな折にCursorとClaude Codeが登場し、新しい領域を開拓しなければと考えた。少人数のチームが莫大なインパクトを生み出せる時代だという確信は、今も変わらないという。

意外にも、AIコンテンツに最も反応したのは企業だった。一人起業や小さなスタートアップの話を書いていた頃は、企業からの連絡はあまりなかった。ところが、トレンディなAIニュースよりもその背後にある意味を探ろうとしたコンテンツを見て、企業が連絡してきた。現場の研修で会ってみると、組織にAIをどう導入するかが彼らの最大の悩みであり、ペインポイントだった。

彼は今、市場が活況だと感じている。かつて勤めていた300人規模のデザインエージェンシーでの経験を思い出し、既視感について語った。2000年代初頭のインターネットブームの頃、全国の企業がウェブエージェンシーを求め、エージェンシーが大きく稼いで上場まで果たした時期があった。スマートフォンの登場以降は次第に落ち着いていったが、ジョシュは今がその頃に似ていると見ている。実際に今エージェンシー型の仕事をしているが、リードが多すぎて手に負えないほどだとし、別の次元へ飛躍する重要なタイミングだと語った。

感度はどこから来るのか:社外の人々と「恥ずかしくない成果物」

進行役は、ジョシュが「ソロプレナー」というキーワードを国内でほぼ最初に打ち出し、AI起業やAXにも遅れずに参入したとして、それは感度なのかと尋ねた。ジョシュは、自分ももともとは新しい分野に飛び込むことを恐れていた、会社員生活の長い人間だったと答えた。変わったきっかけはクリエイターとしての生活だった。社内で交流していた人たちと社外の人たちとでは、会話の感度がまったく違っていた。

彼は「シヒョンの冒険」チャンネルのキム・シヒョン、「イルジャルロ・チャンPM」チャンネルの運営者とともに、一人起業家を取材するポッドキャストを約1年運営した。そのとき、社外の一人起業家たちが意外なほど上手に変身することを知った。たとえばイルジャルロ・チャンPMはノーコードのトレンドで成長したが、今ではノーコードという言葉をほとんど使わない。AIが入ってきてからは「エージェント」をキーワードにコンテンツを投稿して反響を得て、コンサルティング、講座、企業研修を中心に事業を転換した。ジョシュは、コンテンツクリエイターは生まれつき社会の変化に敏感に参加せざるをえず、自分もそうした環境の変化に適応したのだと語った。

感度をどう定義するかという質問に、ジョシュは「他の人に紹介したときに恥ずかしくないか」という程度だと答えた。サムネイル一つにしても、ChatGPTの画像モデルで太いフォントを載せて効率的につくることもできるし、最初から最後まで手作業でつくることもできる。彼は、人は今でも他人が苦労した成果物を好むと考えている。この程度の感度を満たしているなら、自分の大切な時間を使う価値があると感じるというのだ。ただ、毎週その基準を保つのは大変なので、ある程度は手放すことも必要だと付け加えた。

韓国型ソロプレナー:市場の大きさが違う

海外と国内のソロプレナーは性質が違うという見方に対し、ジョシュは性質ではなく市場が違うのだと答えた。市場規模、つまり母数が小さいため、海外のモデルをそのまま複製するのは難しく、客単価が高くなければ生き残れない。

彼の見立てでは、海外のソロプレナーはトラフィックが少し跳ねるだけで月500万〜1,000万ウォンの売上は難しくない。英語圏から流入が絶えず入ってくるので、VODやテンプレートのようなデジタル商品を売るだけでも持続可能だ。一方、国内でそのモデルをそのまま真似すると、月50万ウォンも稼げずに終わるケースがざらにあると彼は言う。そのため、ソロプレナーと呼ぶには微妙でも、外注をこなさざるをえない状況が生じる。

ジョシュ自身も最初はこれを知らず、当然うまくいくと思っていたら生活が成り立たないという経験をした。そこで多様なビジネスモデルを探り続け、一つが崩れても他が支えるよう3〜4つを並行するようになった。彼はこれを「韓国型ソロプレナー」と呼んだ。

だからといって、最初から英語でグローバル市場を狙うことが不可能だという意味ではない。英語に慣れていて基盤があれば難しいことは何一つなく、表に出ていないだけで静かにうまくやっている人が多いという。彼らを見ていると、自分は初心者の事業家だと思うとも語った。

ソロプレナーのトレンドは続く:二つの根拠

ジョシュは、ソロプレナーのトレンドが続くと「ほぼ100%確信している」と語った。中国でソロプレナーが急増しているというニュースを見たし、アメリカではWebflowを創業した起業家がソロファウンダーに転身し、Y Combinatorが関連するポッドキャストを収録したという事例も挙げた。根拠を尋ねられると、二つを示した。

一つ目はAIがもたらした変化だ。彼はその変化を二層で捉えている。もともとできていたことを増幅すること、そしてできなかったことをできるようにすることだ。レベル10だった人を100にできるというのが今のAIの意味だという説明である。たとえばMeta MCPで広告出稿を自動化してトラフィックをつくることができ、販売商品をアプリやテンプレートのように100%デジタルに変えれば、理論上は一人でも持続可能なビジネスをつくれる。実際に韓国にもそうした人はかなり多いという。

二つ目は組織と採用の変化だ。人々が組織生活をつらく感じる流れはもともとあったが、今では逆に組織の最上層部が「これだけの人員が必要なのか」と問い始めた。100倍の成果を出すエースは会社が引き止めるだろうが、そうでない約80%は生きる道を探さなければならない状況になったと彼は見る。この二つの条件が噛み合ってソロプレナーの台頭が加速し、「大自営業者の時代」が来るというのが彼の展望だ。

就活生と会社員へ:AIリテラシーより難しいのはセールス

就職活動中の学生や会社員にとって、こうした話は漠然と不安でありながら遠くにも感じられるかもしれない。ジョシュは、就職も起業も結局はサバイバルであり、生存スキルが最も重要だと語った。彼の見立てでは、AIリテラシーはすでに公共財のように情報があふれていて、すぐに追いつける。しかしセールスの力を身につけるのは本当に難しい。面接も自分をセールスすることであり、起業も結局は商品を売る技術だ。この力があれば、どんな現場でも生き残れると彼は考えている。

事例として、彼はある企業の話を紹介した。約2年前にAIラボをつくって全社的なAXを遂行し、ある程度完了するとその組織を解体した。その次に新たにつくったのが「セールスラボ」だ。開発者、デザイナー、PMが自ら顧客に会い、売り方を別途学んでいるという。ジョシュは、これはセールスがAIに簡単には代替できない領域と見なされていることを示していると解釈した。誰かがセールスを教えてくれるなら、お金と時間をかけてでもぜひ学ぶよう勧めた。やみくもに挑戦するのではなく、挑戦して打ちのめされながら何が効果的だったかを学んでいくことが、この時代にふさわしい姿勢だという。

「世界は思ったより脆い」

ジョシュが好きな言葉として紹介した一文だ。世界はいつも石垣のように頑丈なわけではなく、ぶつかってみると思ったより簡単に崩れるという意味である。少しお願いしたり、もう一度連絡したりすれば、人は思ったより話を聞いてくれるし、チャンスをくれる。

彼はビジネスをしながら多くのミーティングをこなす。断られることが圧倒的に多いが、受け入れられることもかなりある。そのたびに、やはり世界は思ったほど頑丈ではなく脆い、だからこそ世界は回っているのだと最近は考えていると語った。

企業AXの現場:役員と実務者の時差

話題は企業のAX現場へと移った。ジョシュは、自分がAXの専門家を自称してこの仕事をしているのではなく、市場から問われるので自分なりの解決策を見つけて手助けしているのだと見てほしい、と前置きした。

彼の見るところ、大企業の最上層部はこの変化を大きく認識し、関心を注いでいる。たとえばSKグループでは、全社員に「1人1エージェントをつくれ」という指示が出たという。しかし、バイブコーディングもAIも知らない実務者たちには、すぐにできることがない。そこで研修、コンサルティング、構築の需要が生まれた。

ジョシュは、自分が見ているAIを結局はITと開発、つまり効率化の問題だと定義する。自分の視野はフィジカルAIよりも、ウェブやアプリ中心のデジタルビジネスに限られていると明かした。この領域で、人々はバックエンド、フロントエンド、開発環境のセットアップといった基礎知識が思ったより乏しい。そうした状態でAIをやれと言われるので迷走するのだという。彼が強調するのは、AIがどこまでできるかについての感覚、つまり「センシング」だ。

最上層部は可能性の範囲をあまりに広く見積もっていることが多い。実務者たちは、役員向け研修で無理なものは無理だとはっきり言ってほしいとジョシュに頼むほど、苦労を訴えている。しかしジョシュは、100%そう言うことはできないと語った。経営者の視線は今ではなく3年後にあり、その観点から焦って「早くついて来い」と言っているからだ。社内エージェントで効率化し、オントロジーを構成して自前の基盤を構築すべきだという経営陣と、基礎知識が不足している実務者との間の溝を埋めることが、今自分の会社がしている仕事だと説明した。

デザイナー出身であることには長所と短所がある。大企業やPMの経験があるので組織の内情がわかり、指示が下りたときにロードマップやアクションプランをどう組むべきかが見える。一方、オントロジーやバックエンドのインフラ構成について彼自身が話すと信頼が落ちかねないため、その部分は社内の開発者と一緒に補っている。1年ほど開発をしてみた経験と、開発をまったく知らなかった頃への理解、そしてユーザーへの共感を重視するデザイナーの特性を活かし、非開発者の目線でコミュニケーションすることが、彼の語る自身の強みだ。

AXの三つの層と、次の段階であるAIガバナンス

ジョシュは、AXには複数の層が必要だと考えている。一つ目は、今ほとんどの企業が注力している研修だ。まずは学んでついて来いという、最も基礎的な層である。二つ目は、AIとうまく働くための組織文化とルールを整え、エージェントを組織に組み込んでどう働くかを考える層だ。三つ目が最上位のAIガバナンスである。彼はこれを、AIが会社の中核システムに入ったときに政策的にどう管理するか、社員がトークンを過度に浪費しないようどう管理するかの問題として説明した。

実例もある。ある大企業で「トークンマキシング」、つまりとにかくたくさん使えという方針を出したところ、1億ウォン分のトークンを一度に使ってしまう開発者が現れたという。そうした中で監査の需要が浮上している。

エージェントに情報へのアクセス範囲をどこまで開放するかも争点だ。外部セキュリティと内部セキュリティの両方の問題がある。誰かが「うちの代表の年収はいくら?」と尋ねたとき、社内データがあればAIが答えてしまいかねない。隣の席の同僚の年収や成果給を尋ねた場合も同じだ。ジョシュは、こうした監視体制、セキュリティ体制、データ管理体制はまだ非常に初期段階にあると見ており、これを政策として確立するのは人間がすべき仕事だと語った。

人事評価も難しい問題だ。AIをたくさん使えば、必ず報酬を多く与えるべきなのか。そうなら、ただたくさん使えばいいことになる。不公平な評価制度が生まれかねないというのだ。彼は、こうした問題を一緒に整理してガバナンスをつくっていく仕事の需要が広がっていると語った。

一方で彼は、人間固有の感度が必要だった領域も、さらに多く代替されていくと見ている。身近なあるPDは編集作業を減らすツールを自らつくっているが、使ってみて、自分がやっていたカット編集の粗編集の80%はツールに任せてもいいと判断し始めたという。

ジョシュは、ガバナンス、セキュリティ、社内データの統制を担う人材が各組織に配置されるとほぼ確信していると語った。最近のAIサミットなど多くの企業フォーラムで共通して出てくるテーマがあり、中でもこうした領域はまだグレーゾーンだが、需要が爆発的に増えると見ている。なぜチームごとに必要なのかという質問には、「監査が必要だ」と答えた。人は完璧ではないので、悪意を持てば他人のコンテンツを大量に複製したり、セキュリティシステムを突破して機密を持ち出したりしかねない。彼は、企業はまだこれに備えられていないと見ている。

自身の経験も紹介した。APIキーを公開したことはないのに、何者かが環境変数ファイルにアクセスしてキーを盗み、約270万ウォンのAPI利用料が請求された。YouTuberなので、どこかで露出していたのだろうと推測した。以前はAIを無限の可能性を持つ翼のような存在だと考えていたが、仕事をする中で、監視し統制しなければならない領域だとわかったと語った。そして、この問題を企業が先に経験しつつあると見ていた。

AXがうまくいっている組織の二つの事例

AXがうまくいっている現場の事例を進行役が尋ねると、ジョシュは二つを紹介した。

一つ目は、海外進出のためのあるマーケティングTFだ。このTFは過去のツールをすべて捨てることに決めた。SlackとCursor(今ならClaude Code)など少数のツールに絞り、あらゆる業務環境を一からセットアップし直した。既存のツールを使わないので必要なものを自分たちでつくるようになり、チームの意図が込められたツールなので、他人がつくったツールよりはるかに使用頻度が高くなった。パフォーマンスマーケティングや顧客向けのセールスメールといった業務を、より最適化された形で行えるようになったという。ジョシュはこの事例から、AI時代にはツールが多いことより、必要な数個に絞ることが重要だと学んだと語った。

二つ目は、ある大企業の組織だ。グループ会社全体から1人ずつ選抜され、1年ごとに新たに編成される組織なので、レガシーがない。この組織は全メンバーにClaude Codeの研修を受けさせ、ジョシュの会社がメイン講師を務めた。初期は何かをつくってほしいという案件が多かったが、6か月が過ぎると案件が減り始めた。調べてみると、メンバーが自分たちでつくっていたのだ。ジョシュはここで危機感を覚え、自分の生業そのものも長期的にはなくなりうると悟ったと語った。だからこそ現状にとどまらず、別のレベルへと変身し続けなければならないという思いで最近は過ごしているという。彼は、この組織が事実上AIネイティブな組織をつくり上げたと評価した。

AI時代に誰を採用するのか

5人の会社の代表として、ジョシュは1人採用するたびに固定費のことで大いに悩むという。彼の第一の採用基準は感度だ。彼の言う感度には、好み、こだわりのある選択基準、他人が認めうる成果物をつくる能力が重なっている。こうした基準で採用するということは、それだけAIがそれを代替できないという意味だと彼は説明した。

具体的な事例も共有した。開発者2人を同時にフリーランスとして雇い、2か月間一緒にプロジェクトを進めた。1人は日本語をネイティブ並みに話し、海外経験が豊富で、開発者としては珍しくコミュニケーション能力が優れていた。もう1人は技術的に優れていて、難しい仕事やインフラのセットアップを見事にこなした。最終的に採用されたのは、コミュニケーション能力に優れたほうだった。複数のプロジェクトを同時に進めるジョシュの会社には外部とのコミュニケーションが重要で、顧客が彼の姿勢と能力に満足していることを直接確認したからだ。年収1億ウォンをかけてでも迎え入れるべきだと判断し、小さな組織には負担だったが、「代表が責任を取ろう」という気持ちでリスクを引き受けたという。

それでも、AIへの理解度は決して手放してはならないと強調した。重要なのは、AIとどのように一緒に働いてきたかの証明だ。ChatGPTでPPTをつくったとか、Gensparkで画像をうまくつくれるといったレベルでは説得力が弱い。自分の知識体系をAIに蓄積して業務を効率化し、それがチームに広がって生産性の向上に役立った、というような証明のほうがはるかに説得力があるというのだ。そのためには、Claude CodeやCodexといったAIコーディングツールが必要だと彼は考えている。企業研修では、まだClaude CodeやCodexを使っていないのは正直「基準以下」だと容赦なく言うという。彼にとってこれは、スマートフォンを使わないのと同じ、基本的なリテラシーなのだ。

入門の方法については、すでにYouTubeや講座プラットフォームに安価で公共財のように多くの資料があるという。まず多くのリファレンスを見て何が可能かの感覚をつかみ、実際に質問して成果物を受け取るというフィードバックループを繰り返すよう勧めた。インストールの段階でつまずいて諦める人が多いが、インストールの動画もすべて出回っているので、もはや参入障壁ではないというのが彼の考えだ。

速い変化の中で軸を保つ:波に乗る姿勢

進行役は、目まぐるしく変わる技術の流れと、ハイプだという悲観論の間で、ジョシュがどう軸を保っているのかを尋ねた。ジョシュは、自分もAIのトレンドが速すぎて手に余ると認めた。周囲には、あえて今ついていく必要があるのか、1〜2年後についていけばいいのではないかと、手放してしまう人も多い。それでも彼は、AIはスマートフォン級、あるいはそれ以上の「文明級の変化」であり、基本的な素養として、幼い頃からいつもそばにいる友人のように捉えるべき領域だと確信している。

彼が示した比喩はサーフィンだ。波が押し寄せればうまく乗ろうと努力するが、いつかは転んで水に落ち、また立ち上がって進んでいく。そうした姿勢が最も重要だというのだ。会社としても同じである。顧客がみなバイブコーディングをできるようになれば、ジョシュの会社は開発して提供するものがなくなる。だからこそ、新たにすべきことは何かを絶えず探して方向を変えていくことが自分たちの仕事だと語った。

ただし、過剰に摂取する必要はないと付け加えた。本当に胸に響く変化は年に数回しか来ないので、それくらいについていけば生き残れるだろうと見ている。彼が最近そうした変化を感じたのはClaude Designだった。最前線にいる人はセンシングし続けなければならないだろうが、ジョシュ自身はAIニュースそのものをYouTubeやThreadsなどで扱わないという。ニュースよりも、その中にある意味や本当に役立つ活用法があるときだけ話すというのが原則だ。

進行役は、韓国はインターネットバブルやモバイル転換を経て、流れに乗った会社と乗り遅れた会社の両方を見てきたので、役員たちは今回のAIを逃してはならないとまず考えるのだろうという解釈を加え、ジョシュも同意した。

本で伝えたかったメッセージ:「大したことない」

本と対話全体を通じて伝えたいメッセージを尋ねられると、ジョシュは世の中は怖くて難しいという話に対する自分の考えを語った。以前は権威があるすごい人の前で萎縮し、恐れも大きかった。ところが生きていく中で少しずつ気づいたのは、「大したことない」ということだった。あの人もやっているのに、自分にできないはずがあるか、というマインドだ。

彼が強調したのは、根拠がなくても自分を信じ続けることだ。そうしてこそ挑戦できるし、それがなければやる前から萎縮し、一度失敗すれば「やっぱり自分はこうだ」で終わってしまう。50回、100回と挑戦すれば、いつかは当たるものだ。起業であれソロプレナーであれ、続けられるという信念があってこそ持続できる。独立の道のりは大変だが、自分を少しずつ信じていく過程は思ったより楽しいものだというのが、本のエピローグにも込めたメッセージだと語った。進行役は、「自分が自分を信じていないのに、顧客がどうして自分を信じるだろうか」という言葉で応じた。

今後の計画:キャッシュフローから積み上がるビジネスへ

ジョシュは自分の会社を、変化するトレンドに何とか適応しようとする「生存型ビジネス」だと紹介した。今は企業研修、AXコンサルティングに加え、構築プロジェクトだけで11件ほどが同時に動くほど仕事が多い。

しかし、講座、研修、構築は素早いキャッシュフローを生む一方で、継続収益とはかけ離れている。毎回新しい企画と管理が必要で人が疲弊し、売上にも上限がある。そのため今後は、プロダクトのように積み上がるビジネスへと変わっていきたいと語った。

社名を「ジョシュア・アンド・カンパニー」にしたのも、この方向性とつながっている。彼はアンドリュー・ウィルキンソン(Andrew Wilkinson)が好きだ。ジョシュと同じデザイナー出身でバリスタだったウィルキンソンは、デザインエージェンシーから始めてキャッシュフローを積み上げ、インターネットビジネスに精通している強みを活かして小さな会社を買収して育て、売却しながら大きな持株会社をつくり上げたとジョシュは紹介した。関連する本のタイトルは『バリスタ・ミリオネア』だったと思うと語った。ジョシュは、今はキャッシュフロービジネスが正解だが、今後はより多くの会社と共に歩める仕組みをつくりたいと語った。

最後に彼は、7月にハンビットメディアから『Claudeエージェント協業の技術』を出版し、『The Product-Minded Engineer』を翻訳して出版すると告知した。2冊とも会社員と企業を対象にした本だと説明した。

対話は結局、一つの問いに戻ってくる。研修と構築で成長した彼の会社でさえ、顧客が自らつくり始めれば居場所を失いかねない。ジョシュが示した答えは、次の波を探し続けて乗ることだ。ただ、その波がどんな事業になるのかは、彼自身もまだ模索しているところである。