ホンダCR-VのPCUを分解し、前世代フィットとの設計の違いを見る
イチケン / ICHIKENこの動画では、北米版6代目ホンダCR-Vから取り外したパワーコントロールユニット(PCU)を分解し、使われている技術と、以前に分解したフィットのPCUからの変化を調べている。CR-Vは日本でも2026年2月から販売されるという情報があり、話者は、パワートレインの仕様が大きく変わっていなければ日本版にも同じPCUが載る可能性が高いと見ている。このPCUはフィットのものより新しい世代にあたる。話者の結論は、全体としてかなり最適化されている一方、この形式のパワーモジュールでは改良の余地がほとんど残っていないのではないか、というものである。
ハイブリッド方式のおさらい
分解の前に、話者は各社のハイブリッド方式を簡単に整理している。トヨタのTHSⅡはシリーズ・パラレル方式で、動力分割機構を通してエンジン、発電機、モータの動力を分配し、駆動輪を回す。日産のe-POWERはシリーズ方式で、エンジンは発電機を回すだけで、駆動輪は基本的にモータだけで回す。話者はこれを、3つの中で最も電気自動車に近い方式としている。
ホンダのe:HEVはトヨタと同じくシリーズ・パラレル方式に分類されるが、動作はシリーズ方式に近い。特徴は、速度域が高いときにエンジンと駆動輪を直結して走るモードを持つ点である。話者は、実態としては「シリーズ・パラレル切り替え方式」と呼ぶ方が適切かもしれないと述べている。
外観、端子、フィットとの寸法比較
PCUはケーヒン製で、見た目はよくあるインバータである。北米版CR-Vの電動機出力は133kW、発電機出力は約120kWで、PCUはその電力を変換できる大きさになっている。
端子は次のように配置されている。まず駆動用バッテリーの入力端子があり、バッテリー電圧はハイブリッドで262.8V、プラグインハイブリッドで347.5Vである。次に車内電装品用の12V出力端子がある。PCU内部には、約260Vの駆動用バッテリー電圧を12Vまで降圧する回路が入っている。その横に冷却水の出入口がある。底面には、駆動用と発電用の三相モータにつながる端子が2つある。底面をよく見ると、PCU自体を制御する信号をやり取りするためのコネクタも付いている。
フィットのインバータと並べると、幅はCR-Vの方が広く、高さはCR-Vの方が薄い。フィットは上面からコネクタを出す構造のため、高さ方向の寸法がどうしても大きくなる。CR-Vは下からコネクタを出す構造なので、その分薄くなっていると話者は見ている。モータへの端子もどちらも底面から出ているため、話者は、コネクタ類を底面にまとめる方がスマートで、PCU上部のスペースも有効に使えると評価する。実際に北米版や国内販売予定のCR-Vでは、PCUの上部スペースをインテークが通る配置になっている。これは上からコネクタが出ていないからこそできる配置だという。
3層構造の内部
天板を外すと、2階建てのプリント基板が現れる。基板を外すとパワーモジュールがあり、その横にフィルムキャパシタが並ぶ。パワーモジュールは、以前分解した世代のものよりかなり小さい。フィルムキャパシタとパワーモジュールを外すと、冷却水の流路が見える。
底面側の蓋を外すと、駆動用バッテリーの端子から入った電力がラミネートバスバーを通り、フィルムキャパシタやパワーモジュールを含む各部品へ分配されている。ここにはインダクタとDC/DCコンバータもある。インダクタはバッテリー電圧を昇圧する双方向コンバータの一部で、入力1つに対して巻線が2つある。そのため話者は、昇圧コンバータがインターリーブ制御をしているかもしれないと推測する。前の世代のDC/DCコンバータはごちゃついた印象だったが、今回はすっきりしているという。インダクタとDC/DCコンバータの下にも冷却水の経路がある。
全体を整理すると、PCUは3層構造になっている。上層には、フィルムキャパシタ、パワーモジュール、その上のゲートドライブ回路と制御基板がある。中央には冷却水が通るアルミブロックがある。下層にはDC/DCコンバータとインダクタがある。
6代目CR-Vのe:HEV構成と2段階のエンジン直結
話者は6代目CR-Vのe:HEV構成を調べ、電気系は従来から大きく変わっていないと説明する。バッテリー、DC/DC、双方向コンバータがあり、2つの三相インバータがモータと発電機をそれぞれ動かす。大きく変わったのは機械系で、これまで1段だったエンジン直結を、北米版CR-Vでは2段階に変速できるようになった。
e:HEVは基本的にバッテリーの電力でモータを回して走る。電力が足りないときはエンジンで発電機を回し、その電力でモータを回す。速度が高い領域ではエンジンを駆動輪に直結して燃費よく走る。従来は直結モードが高速域に限られていたが、CR-Vではクラッチの開閉でハイギアとローギアを選べる。低速で直結するときは一方のクラッチを、高速で直結するときはもう一方のクラッチを閉じる。これにより、幅広い速度域でエンジン直結による効率のよい走行ができるという。
エンジン直結中もモータや発電機は止まっているわけではなく、エンジンを最も効率のよい動作点で動かすための協調制御をしている。エンジンの負荷が重すぎればモータを力行させてアシストする。負荷が軽すぎれば回生動作にして、エンジンのエネルギーと車体の運動エネルギーをバッテリーに回収し、エンジンに適切な負荷をかける。この制御をモータ側と発電機側のどちらで行うかについて、話者は調べても分からなかったとしている。そのうえで、最も効率の高い方法を取っているはずで、おそらくモータ側だろうと推測している。
制御基板とゲートドライブ基板
パワーモジュールの上の基板は2枚構成である。上が制御基板、下がパワー半導体を駆動するゲートドライブ基板で、下の基板にはセンサも載っている。
制御基板のマイコンはルネサスのR7F701275で、デュアルコアのハイエンド車載マイコンである。モータの回転角を検出するレゾルバ用の変換回路もこのマイコンに内蔵されている。
ゲートドライブ回路は1枚の基板にまとまっている。基板上に並ぶ大きめの部品は、ゲートドライブ回路に電源を供給するための変圧器で、絶縁距離もしっかり確保されている。話者によると、上側アームのパワー半導体はスイッチング状態によってエミッタの基準電圧が変わるため、個別の絶縁電源が必要になる。そのため素子の数だけ変圧器が要る。下側アームはエミッタの基準電圧が共通なので、例えばインバータの下側アーム3つ分のIGBTは1つの絶縁電源で賄える。ただしその変圧器は3素子分の電力を供給するため、サイズが大きくなる。
裏面のゲートドライブICはロームのBM60059である。話者によると、ロームのゲートドライバICはよく使われている。データシート上の絶縁方式は磁気結合で、IC内部に変圧器を駆動する回路を持っている。外付けFETは必要だが、このIC1つでゲートドライブ用電源も作れる便利なICだと話者は説明する。
基板にはホールセンサ用ICも載っている。このICはパワーモジュールの中に挟み込まれ、バスバーのすぐ近くに位置する。バスバーを流れる電流が作る磁束を読み取り、電流値に変換する仕組みだ。外からは見えにくいが、パワーモジュール内にはバスバーを一周囲む鉄系のコア材が入っている。
上下の基板をつなぐ可動コネクタ
話者が「かなり面白い」と注目したのが、制御基板とゲートドライブ基板をつなぐコネクタである。このコネクタは手で動かすと大きく動く。基板を外して確かめると、動くのはゲートドライブ基板側のコネクタだった。調べると、イリソ電子工業のZ-Moveという独自技術を使った製品だと分かった。
コネクタはX方向とY方向に動く。話者はこれを、嵌め合い時の位置ずれを吸収するための機構と見ている。この機構があれば、基板同士を接続するときにこじる力が生じにくく、はんだ付け部や端子接触部へのストレスも減らせる。
コネクタはZ方向にも動く。話者はこちらについて、位置ずれの吸収よりも、基板の振動や共振の影響を抑えることが目的だと推測している。車体から振動が伝わると基板全体が揺れる。基板はしっかり固定されているので影響は小さいが、条件によってはコネクタの接点が摺動する。摺動が続くと接点が摩耗し、信号がうまく伝わらなくなることがある。このコネクタは本体が動いても接点は固定されたままなので、長期的な信頼性が保たれるようだと話者は説明する。
話者は機械的な共振にも触れている。基板の一部だけが激しく振動する現象で、板の振動が作るクラドニ図形を思い浮かべると分かりやすいという。突然現れた共振モードで接点が摺動し、すぐに摩耗してしまう事態も、この構造なら避けられるという見立てである。
フィットの制御基板との比較
前世代のフィットと比べると、話者は全体にかなり最適化された印象を受けている。フィットは基板1枚構成で、モータ制御用にルネサスのマイコンを2個使っていた。CR-Vは低電圧の制御基板と高電圧のゲートドライブ基板に分かれている。そのため絶縁距離を過度に気にする必要がなくなり、レイアウトがすっきりした。マイコンは2個から1個に減り、パッケージはQFPからBGAに変わった。こうした最適化の結果、プリント基板の面積は約20%減っている。
外部通信用コネクタの扱いも変わった。前世代ではコネクタが基板に直接実装されていた。新世代では小型のコネクタを基板の横から出し、PCU内をケーブルで引き回して底面のコネクタにつないでいる。話者は、このコネクタの高さ分だけPCUを低くできたのではないかと推測している。
パワーモジュールとフィルムキャパシタ
パワーモジュールはフィルムキャパシタのすぐ近くに置かれている。フィルムキャパシタから出たバスバーが最短距離でパワーモジュールにつながっている。キャパシタから半導体までの距離が短いので、ループインダクタンスもかなり小さくできているだろうと話者は見ている。
パワー半導体は2in1構成で、仕切られた部屋ごとに配置されている。中央の2つが双方向コンバータ用、その両隣の3つずつが2つのインバータ用である。パワー半導体とバスバーははんだ付けでつながっている。
チップの大きさは用途によって異なり、一方のインバータのチップはもう一方の約1.8倍の大きさがある。車体から取り外したわけではないので、どちらがモータ用でどちらが発電機用かは分からないと話者は断っている。そのうえで、モータの方が出力もトルクも大きいので、大電流に対応するために大きいチップを使っている可能性を挙げている。
モジュールの裏側には冷却フィンが密なピッチで並んでいる。フィンは均等ではなく、ところどころに大きなフィンがある。話者は、この配置の理由は分からないとしている。基本的にはチップの直下にフィンがあるので、空いた広いスペースも活用して大きめのフィンを置き、冷却水へより多くの熱を逃がそうとした設計ではないかと推測している。
前世代パワーモジュールとの比較
前世代品と並べると、まず配置が違う。新しいものはパワーモジュールとフィルムキャパシタが横に並ぶ。前世代はパワーモジュールが上、フィルムキャパシタが下の縦積みだった。この違いが薄型化に効いていると話者は説明する。
パワーモジュール自体も大幅に小型化した。前世代は各部屋に半導体チップが1つだったが、新しいものは各部屋に2チップ入っている。
キャパシタからチップまでをつなぐ銅バスバーの配置も大きく変わった。前世代では、キャパシタから伸びたバスバーがモジュールの両端に接続され、そこからさらにモジュール内部のバスバーを通ってチップに至っていた。話者は、これでは経路が長く、ループインダクタンスが大きくなると指摘する。配線1cmあたりの自己インダクタンスは10nHと言われるので、長い経路は不利になる。新しいものでもモジュール内をバスバーが通るが、その距離は前世代より圧倒的に短く、この点は大きく改善されたと評価している。
冷却構造も違う。前世代はパワーモジュールにウォータージャケットが付いていた。新世代はアルミブロックに冷却水路を設け、パワーモジュールでその水路に蓋をする設計になっている。話者はどちらが優れているかの判断は保留しつつ、部品点数が少ない新世代の方がコストは安く済みそうだと述べている。
モータへの接続端子も変わった。以前は銅線に圧着した端子に、モータ側のコネクタをねじ込む構成だった。新世代は圧力による接続で、分解すると中にバネが入っていて、端子を押し付ける構造になっている。この部分は動く必要があるため、すべてをバスバーで作らず、逃げの動きができるように編み込みの線材を使っている。話者はその接合部について、超音波接合が使われているのではないかと推測している。
昇圧コンバータのインダクタ
下層のインダクタは、1つのコアに2つの巻線を巻いた構成である。バッテリーからの入力端子は2つの巻線で共通で、出口側の2つの端子は別々にパワー半導体へつながっている。巻線には、密に巻いて体積を減らすため平角線が使われている。2つの巻線は互いの磁束を打ち消す向きに巻かれている。話者はこの構成と接続から、昇圧コンバータが走行状況に応じてインターリーブ制御をしていそうだと改めて推測している。インダクタの裏側は冷却水路になっていて、冷却フィンは円柱形状である。
CR-Vのインダクタはフィットのものの約2倍の大きさがある。話者は、CR-VのPCUの方が電力容量が大きいのは当然で、コンパクトカーとSUVの容量差が明確に表れる部分だとしている。
余談として、話者はフィットのDC/DCとインダクタの載せ方を「結構変」だと振り返っている。フィットではDC/DCとインダクタが一体になっていて、しかもインダクタがさらに別に外せる構造で、ゴムパッキンを4つ使っていた。部品の搭載効率や組み立て性はあまりよくなさそうだったという。CR-VではDC/DCとインダクタが別々のコンポーネントになり、ゴムパッキンもそれぞれ1個ずつ、合計2個に減っている。
12V DC/DCコンバータ
DC/DCコンバータは、駆動用バッテリーの高電圧を12V系機器向けに変換する回路である。取り外せるプリント基板にほとんどの部品が載っていて、背の高いスルーホール部品が多い。話者は、シリコーンを充填して、振動による部品脱落やはんだクラックを防いでいるのだろうと推測している。トヨタ5代目プリウスのDC/DCコンバータと比べるとスルーホール部品が多く、特にフィルムキャパシタを多用している分、回路の体積が大きい。5代目プリウスではコンデンサのほとんどがMLCCに置き換えられているという。
基板の下の層には、プリント基板に実装できない大型の磁気部品と半導体部品が並ぶ。話者は入力側から出力側へ順にたどっていく。中継基板を外すと、新電元のMG051Dが現れる。話者はこれをMOSFETモジュールではないかと見ている。DC/DCコンバータの回路構成自体は前世代から大きく変わっていない。ただし前世代ではこの部分にディスクリートのパワー半導体を使っていたのに対し、今回はモジュール化によって実装面積を大幅に減らしている。モジュールの裏面には熱伝導グリスが塗られ、アルミへ熱を逃がしている。
その先の変圧器は、1次側巻線が平角線、2次側巻線がバスバーで、巻線とフェライトコアの熱を逃がすために熱伝導シートが挟まれている。変圧器の後には出力チョークコイルと整流用パワーモジュールがあり、チョークコイルとフィルムキャパシタのアレイでフィルター回路を構成している。
整流用モジュールは新電元のダイオードモジュールで、3並列のダイオードが2セット入っている。話者はこれをショットキーバリアダイオードだろうと見ており、スナバ回路も同じパッケージに入っている。前世代は、サンケン電気のショットキーバリアダイオードをアルミ基板に実装する形だった。話者は、モジュール化によっていろいろな点が改善されたと評価している。
主要なパワー半導体には新電元のモジュールが多く使われている。話者は余談として、新電元にはTWシリーズというDC/DCコンバータモジュールがあり、この基板にもTW109と書かれていること、そして新電元の筆頭株主がホンダであることを挙げる。そのうえで「予測の域を出ない」と断ったうえで、このDC/DCコンバータを新電元が設計している可能性を指摘している。
基板裏側の冷却フィンの設計手法は不明だが、パワー半導体が載る部分だけ溝が深くなっていて、より多くの熱を逃がせるようになっている。
この形式のパワーモジュールの行き着く先
話者は、北米版6代目CR-VのPCUはフィットなど前世代と比べて全体的に最適化されており、小型化と高パワー密度化に貢献していると評価する。そのうえで、ここからさらに良くするには、そもそもこのタイプのパワーモジュールを使うのが正解なのかを考える必要があると述べる。今回のような形式のモジュールを使い続けるのか、トヨタのように両面冷却できるパワーカードを積層する方式にするのか、という問いである。話者は、今回のようなパワーモジュールを使う方式はかなり行き着くところまで来ていて、ここからさらに改良するのは難しいのではないかと、分解しながら感じたと語っている。
この動画はイリソ電子工業の提供でお送りします。
こんにちは。今日はこちら、ホンダCR-Vのパワーコントロールユニット、PCUを分解します。これは北米版6代目CR-Vから取り外したPCUです。
CR-Vは日本でもいよいよ2026年2月から販売が開始されるという情報があります。パワートレインの仕様が大幅に変わっていなければ、日本版にもこれと同じPCUが搭載される可能性が高いです。
PCUの世代としても、以前分解したフィットのものより新しい世代となっています。今日はこれを分解して、どのような技術が使われているのか、そして前の世代のPCUから何が変わったのかをじっくりと見ていきます。
その前に今日のスポンサーの紹介です。どうぞ。
皆さんイリソ電子工業を知っていますでしょうか。コネクタを作っている会社ですが、その中でも車載コネクタが非常に強い会社です。実は今日分解するインバータの重要な部分にも、イリソ電子工業のコネクタが使われています。
イリソ電子工業のコネクタの強みとして、まずロボットの生産工程で使いやすいです。フローティングコネクタといって、嵌め合い(はめあい)時の位置ズレを吸収出来る機構があります。またフレキ基板用コネクタでは、自動ロック構造によって自動組み立てで楽が出来ます。
そして次に信頼性という意味では、車載特有の振動・共振を吸収出来るイリソ電子工業独自のZ-Moveという技術で、接点の長期的な信頼性が上がっています。接触を確保するという意味では、2点接点構造のコネクタを使うと異物除去・接触不良防止が出来ます。
それ以外に、今後自動運転などによる信号の高速伝送が必要になるので、25Gbpsに対応したコネクタなど着々と準備を進めています。
車載コネクタを使う設計者の方は、このような強みを持ったイリソ電子工業のコネクタを検討してみてください。
分解を始める前に、自動車各社が出しているハイブリッドの方式について簡単に見ていきます。詳しい解説については以前の動画で取り上げていますので、そちらを参照してください。概要欄にリンクがあります。
まずトヨタはTHSⅡ、トヨタ・ハイブリッド・システムⅡを採用しています。これはシリーズ・パラレル方式のハイブリッド方式です。こちらにある動力分割機構を通して、エンジン、発電機、モータの動力を適切に分配して駆動輪を回すという事をしています。
次は日産のe-POWERです。これはシリーズ方式のハイブリッドです。エンジンで発電機を回して発電し、その電力でモータを回して駆動輪を回すというものです。これは基本モータでしか駆動輪を回しません。この中では一番電気自動車っぽい方式です。
そしてこちらがホンダのe:HEVです。こちらもトヨタと同様、シリーズ・パラレル方式のハイブリッドとなっています。ですが動作としてはシリーズ方式に近いです。
e:HEVは面白いモードがありまして、速度域が高いときはエンジンと駆動輪を直結して、こちらの駆動輪を回します。実体としては、シリーズ・パラレル切り替え方式と呼んだ方が良いかもしれません。
では実際にパワーコントロールユニットを見ていきます。こちらが北米版CR-Vから取り外したPCUです。見た目的にはよくある普通のインバータです。ケーヒン製です。
北米版のCR-Vの電動機出力は133kW、発電機の出力は約120kWなので、その電力の変換が出来るくらいの大きさとなっています。
まずは出ている端子類などを見ていきます。まずこちらは駆動用バッテリーの入力端子です。バッテリー電圧はハイブリッドの場合は262.8V、プラグインハイブリッドの場合は347.5Vです。
次はこちらです。こちらは車内用の電装で使うための12V出力端子です。こちらのPCUの中で、駆動用バッテリーの260Vから12Vまで降圧する回路が入っています。これも後で分解して確認します。
そのすぐ横には冷却水の出入口があります。
底面部分も見てみます。こちらは駆動用と発電用につながる三相モータへの端子が2つ出ています。
こちらの底面部分をよく見てみると、実はここにコネクタがあります。これはパワーコントロールユニット自体を制御するための信号をやり取りするためのコネクタです。
以前分解したフィットのインバータとサイズ感を比較してみます。フィットのインバータの方が世代的には古いものとなっています。
こうして見ると、幅の部分についてはCR-Vの方が広いですが、一方で高さ方向についてはCR-Vの方が薄く、フィットの方が高くなっています。特にフィットについては、この上の部分からコネクタを生やすような構造となっており、どうしても高さ方向の寸法が出てしまうようになっています。
CR-Vは下からコネクタを出すような構造となっているためか、その分薄くなっています。両者とも底面部分からはモータに接続する端子も出していますので、コネクタ類は底面にまとめる方がスマートなやり方で、かつPCUの上部スペースを有効活用出来ます。
実際、北米版や国内で販売予定のCR-Vでは、PCUの上部スペースにインテークが通るような配置となっています。上部からコネクタが出ていないからこそ出来る配置です。
ここからは内部構造を確認していきます。まずは天板を取り外してしまいましょう。そうしますと、まずはプリント基板が見えます。2階建て構造となっています。
この基板を取り外すと、このようにパワーモジュールがあります。その横にはフィルムキャパシタです。こちらのパワーモジュールは、以前分解した世代のものと比べるとかなり小さくなっています。
フィルムキャパシタを取り外して、さらにパワーモジュールを取り外すと、このように流水経路があります。これについては後で詳しく見ていきます。
次は底面部分からアクセスします。
蓋を取り外すと、このようになっています。駆動用バッテリーの端子から入ってきて、ラミネートバスバーがあると。そのラミネートバスバーは回路の各コンポーネントにつながっていきます。もちろん先ほど見てきたこちらのフィルムキャパシタやパワーモジュールにもつながっていきます。
またインダクタとDC/DCコンバータの回路はこちらに見えます。こちらのインダクタは、バッテリー電圧を昇圧するための昇圧コンバータ、今回の場合は双方向コンバータの回路の一部です。これを見てみると、入力が1個に対して巻線が2つあります。そのため昇圧コンバータはインターリーブ制御をしているかもしれません。
DC/DCコンバータは、バッテリー電圧から車内の電装品などで使う12Vを出力するための回路です。前の世代のDC/DCコンバータは結構ごちゃついていた印象があったのですが、こちらは割とすっきりしている印象があります。後で分解して確認します。
インダクタの下側を見てみると、このように流水経路があります。そしてさらにDC/DCの下側も見てみると、このように水が通る経路があります。
CR-Vに使われているPCUを見てきたところ、ざっとこのような構造になっています。3層構造です。フィルムキャパシタがあって、パワーモジュール、パワーモジュールの上にはゲートドライブ回路と制御基板が載っています。冷却水が通るアルミブロックが真ん中にあり、その下にはDC/DCコンバータとインダクタがあるという構造です。
この動画を作成するにあたって、6代目CR-Vが採用しているe:HEVについて調べました。このような構成を採用しています。左側が主に電気系の部分、右側が主に機械系の部分です。
電気系部分の構成は、これまでから大きく変わっていません。バッテリーがあって、DC/DCがあって、双方向コンバータがあって、三相インバータでモータ、発電機をそれぞれ回すというものです。
基本これまでエンジンは直結だったのですが、北米版CR-Vではエンジン直結を2段階に変速できるようになっています。そこが大きな違いです。
皆さんご存知の通り、e:HEVは基本的にはバッテリーの電力を使ってモータを回して走行するという事をしています。バッテリーの電力で足りないときは、エンジンで発電機を回して、その発電した電気を使ってモータを回すという事をしています。
e:HEVの一番の特徴として、速度が高い領域ではエンジンを駆動輪に直結して燃費よく走行するモードがあります。
これまでエンジン直結モードは速度が高い領域に限定していたのですが、CR-Vではハイギアとローギアの直結の切り替えが出来るようになっています。
この部分がエンジン直結のハイギアとローギアの切り替えの部分です。このクラッチの開閉で、ギア比を2段階で選べるようになっています。例えば速度が低いときにエンジンを直結するのであれば、この部分のクラッチを閉じて直結します。速度が高いときにエンジンを直結するのであれば、こちらのクラッチを閉じるといった選び方です。
これによってCR-Vでは、幅広い速度域でエンジンを直結して燃費よく走行できるようになっています。
エンジン直結時にモータや発電機は何もしていないかというと、そんな事はなくて、実はしっかりと制御しています。どのようにしているかというと、エンジンを一番効率良い動作点で動かす協調制御をしています。例えばエンジンの負荷が重すぎたら、モータを力行動作にしてエンジンをアシストします。逆にエンジンの負荷が軽すぎる場合は、モータを回生動作にして、エンジンからのエネルギーと車体が動いているときの運動エネルギーをバッテリーに回収する。そしてエンジンに適切な負荷をかけるという事をします。
この動作をモータ側でやるのか、それとも発電機側でやるのかは、調べたのですが分かりませんでした。ですが一番効率が高い方法でするかと思います。多分モータ側でやっているのではないかと思います。
ここからはそれぞれの部品について詳しく見ていきます。まずはパワーモジュールの上に乗っている制御基板からです。
こちらの制御基板ですが、2枚構成となっています。上の基板が制御基板、下の基板はパワー半導体を駆動するためのゲートドライブ基板、そしてセンサが載っている基板となっています。
上下の基板の接続は、この部分のコネクタで接続されています。
このコネクタが結構面白くて、このようにコネクタが動きます。わかりますか。このようにかなりダイナミックに動くコネクタって珍しいですよね。
コネクタ部分をさらによく観察してみます。基板を取り外しましょうか。こちらの制御基板側のコネクタが可動するという事ではなくて、ゲートドライブ側の基板ですね。このように可動します。なかなかすごい量が動きますね、これは。
調べてみると、実はこちらのコネクタ、イリソ電子工業の製品です。Z-Moveという独自技術を使っているようです。
まずこのコネクタを動かしてみると、このようにX方向と、そしてY方向に動きます。これはコネクタを接続するときに、嵌め合いのズレを吸収するためのものかと思います。これがあると、基板同士を接続するときにこじったりする力やはんだ付け部分へのストレス、端子接触部分へのストレスも軽減出来ます。
XY方向以外にも、Z方向にも可動します。これについては、嵌め合いのズレを吸収するというよりは、どちらかというと基板の振動や共振の影響を少なくする目的のものかと推測しています。
この基板に車体から振動が伝わってきて、基板全体がこのように動きます。この基板自体はもともとしっかりと固定されているので、振動による影響は少ないのですが、振動の状況によってはコネクタ部分の接点が摺動します。接点が摺動し続けると摩耗して、信号の伝達がうまくいかなくなる事もあります。
このZ-Moveを使ったコネクタでは、コネクタ自体はこのように動くのですが、接点は固定されたままなので、長期的な信頼性が保たれるようです。
あとは機械的な共振ですね。これについては、基板の一部だけがものすごく振動してしまうみたいな現象です。板の振動のクラドニ図形を思い浮かべるとわかりやすいです。突如現れた共振モードが原因で接点が摺動して、すぐに摩耗してしまうみたいな状況も回避出来るわけです。
搭載されている他の部品についても見ていきます。搭載されているマイコンは、ルネサスのR7F701275でした。これはデュアルコアのハイエンド車載マイコンです。モータの回転角を検出するレゾルバ用の変換回路も、この中に内蔵されています。
そしてこちらはゲートドライブ基板です。1枚の基板にまとまっています。基板を見てみると、結構大きめの部品が並んでいます。これはゲートドライブ回路への電源供給用の変圧器です。絶縁距離もしっかりと確保されています。
パワー半導体を駆動するときに、上側アームのパワー半導体はエミッタ電圧の基準がスイッチングの状態によってバラバラなので、個別の絶縁電源が必要です。そのためパワー半導体の個数分の変圧器が必要となっています。
下側アームについては、エミッタの基準電圧が共通なので、例えばインバータであれば、下側アーム3つ分のIGBTの絶縁電源は1つだけで済みます。ただこの場合では、3つ分のIGBTの電力を供給するので、変圧器自体のサイズは大きめです。
裏面も見てみます。ゲートドライブICは、ロームのBM60059です。ロームのゲートドライバーICは結構よく使われています。
絶縁方式はデータシートによると、磁気結合による絶縁となっています。このICの中に、実は変圧器をドライブするための回路が入っています。外付けのFETは必要となりますが、これ一つでゲートドライブ用の電源も作れてしまう便利なICです。
あとはホールセンサ用のICなどが付いています。これはパワーモジュールの中に挟み込んで使うような構造となっています。
このホールセンサは、パワーモジュールのバスバーのすぐ近くに配置されるような構造となっていて、バスバーに流れる電流が作る磁束を読み取って、それを電流値に変換しています。外からは見えにくいのですが、バスバーを一周覆うように鉄系のコア材がパワーモジュールの中に入っています。
一応前の世代といいますか、フィットの制御基板と比べてみます。全体的にかなり最適化されたような印象があります。
フィットの方は基板は1枚構成です。モータ制御用のマイコンは、ルネサスのものが2つ使われていました。
新しい世代というか、CR-Vの基板は2枚構成となっています。それぞれが低電圧の制御回路、そして高電圧のゲートドライブ基板という使い分けです。
低電圧と高電圧で基板が分かれたので、フィットのときと比べると絶縁距離などをものすごく気にする必要はなくなったので、CR-Vの方が全体的にすっきりとしたレイアウトになっています。
さらにマイコンの個数も2つから1個に半減、さらにパッケージはQFPからBGAになりました。いろいろ最適化された結果、プリント基板の面積は20%程度低減できています。
あとは外部通信用のコネクタですね。前の世代はコネクタが基板に直接実装されていましたが、新しい世代では小型のコネクタを基板の横から出して、PCU内をケーブルで引き回して、底面部分からコネクタで出すという事をしています。このコネクタの高さ分、PCUの高さを低くできているという事でしょうか。
次はパワーモジュールとその隣にあるフィルムキャパシタを見ていきます。こちらのパワーモジュールは、フィルムキャパシタとかなり近い距離に設置されています。こちらのフィルムキャパシタからはバスバーが生えていて、最短距離でパワーモジュールへ接続できるようになっています。フィルムキャパシタのバスバーからパワー半導体までの距離は短くなっているので、ループインダクタンスもそこそこ小さくできているでしょうね。
パワー半導体部分については、2in1構成のものが各部屋に仕切られて配置するという構造です。こちらの中央の2つが双方向コンバータに使われているもの、そしてその両隣にある3つずつのものがインバータに使われているものです。
パワー半導体とバスバーの接続ははんだ付けです。そしてよく見てみると、使われる場所によってパワー半導体チップの大きさが違っています。
例えばインバータのチップの大きさを見てみます。一方のインバータのチップの大きさはこちら。そしてもう片方のインバータのチップの大きさは1.8倍近く大きいです。
どちらのインバータがモータで、どちらが発電機側かは、車体から取り外したわけではないのでわかりませんが、モータの方が出力やトルクが大きいので、その分大電流に対応出来るように大きめのチップを使っている可能性があります。
パワーモジュールの裏側を見てみると、このように冷却フィンが立っています。フィンのピッチはかなり密です。
冷却フィンは均等に配置されているわけではなくて、ところどころ大きな冷却フィンもあります。なぜこのような配置になっているのかはわかりません。ただ基本的にはチップの直下に冷却フィンが配置されています。そのため、この広い部分のスペースも有効活用して、少し大きめの冷却フィンを置いておこうという事かもしれません。ここの広いスペースにも冷却フィンを広げて、冷却水にもっと熱を逃がそうという設計かと思います。
ここからは前の世代のパワーモジュールとフィルムキャパシタと比べてみます。下にあるのが今回分解したもの、上にあるのが以前分解したものです。
まず全体的な配置から見ていくと、新しいものはパワーモジュールとフィルムキャパシタは横並びになっているのに対して、前の世代のものはパワーモジュールが上にあって、その下にフィルムキャパシタがあるといった構造をしています。このような構造の違いが薄型化に貢献しています。
パワーモジュールについては、今回大幅に小型化しています。前のものでは各部屋にパワー半導体が1チップだったのですが、新しいものでは各部屋に2チップの構成となっています。
またフィルムキャパシタから半導体チップまでを結ぶ銅のバスバーの配置も大幅に変わっています。前の世代では、フィルムキャパシタからバスバーが伸びてきて、この両端のところに接続されます。そこからさらにパワーモジュールの中にもバスバーが通っていて、パワー半導体チップにつながっていくという構造です。これでは距離が長くて、ループインダクタンスが多くなってしまいます。配線1cmの自己インダクタンスが10nHと言われています。やはり長くなる分不利です。
新しいものでは、フィルムキャパシタからバスバーが伸びてきて、モジュール内でもバスバーは通りますが、古いものと比べるとその距離は圧倒的に短いです。この部分については、新しいパワーモジュールはかなり良くなっています。
冷却部分についても見ていきます。前の世代ではパワーモジュールにウォータージャケットが付いていましたが、新しい世代ではアルミブロックに冷却水路を設けて、それをパワーモジュールで蓋をするといった設計になっています。どちらが良いかは置いておいて、新しい世代のものの方が使う部品は少なくなっているので、コストは安く上がりそうです。
またパワーモジュールからモータへ接続するための端子も変わっています。以前は銅線に端子を圧着していて、そこへモータから生えているコネクタをねじ込むような構成でした。
新しい世代では、モータへの接続は端子ねじ込みではなくて、圧力による接続となっています。バラしてみると、このようにバネが入っていて、押し付けられるような構造となっています。この部分にモータ側の線が何かしらの形で当たるわけですが、この部分については可動ですので、全てをバスバーでつくるという事はしていません。逃げの動きが出来るように、編み込みの線材が使われています。この部分は超音波接合が使われているのでしょうか。
次はPCUの下側からアクセスしたときの部品です。まずはインダクタから見ていきます。一応電気の流れ的には、こちらがバッテリーから入ってきたラミネートバスバーです。そのバスバーは、こちらのDC/DCコンバータとインダクタにつながるようになっています。
こちらのインダクタはよく見てみると、1つのコア材に2つの巻線が巻いてあります。こちらが巻線1、こちらが巻線2です。こちらの端子がバッテリーから入ってくる方、そして出口に2つ端子がありますが、これはパワー半導体側につながっています。それぞれの巻線は、バッテリー側については共通、パワー半導体側については分かれています。巻線は密に巻いて体積を減らすために平角線が使われています。
巻線1と2の巻き方を見ると、互いの磁束を打ち消すような方向に巻かれています。
先ほども少し話しましたが、このインダクタの構成とパワー半導体への接続を見る限りでは、昇圧コンバータは走行状況に応じてはインターリーブ制御をしていそうです。
裏側を見てみると、このように冷却水が通る水路になっています。冷却フィンは、このように円柱形状を採用しています。
フィットとCR-Vでインダクタの大きさを比べてみると、CR-Vの方が2倍くらい大きいです。当然CR-VのPCUの電力容量の方が大きくなりますので、インダクタ自体は大型化するようです。このあたりについては、コンパクトカーとSUVのPCUの容量の大きさが明確に出てくるところです。
少し余談になりますが、フィットのDC/DCとインダクタの載せ方は結構変なんですよね。DC/DCとインダクタがなぜか一体になっていて、しかもこのインダクタもさらに別で取れる構造。これを見てみると分かるのですが、ゴムパッキン4つ使っています。ものすごい変な載せ方をしてると分解したときに思いました。何か部品の乗せる効率とか組み立てとか、あまり良くなさそうな感じですよね。
CR-Vになってそれはだいぶ良くなって、DC/DCとインダクタは分かれています。このように、別のコンポーネントでそれぞれ出来るようになっています。当然ゴムパッキンの数も減って、それぞれ1個ずつ、合計2つになっています。
次はDC/DCコンバータを見ていきます。これは駆動用バッテリーの高電圧を、他の車載機器の12Vで使うための変換回路です。こちらの基板は取り外す事が出来ます。このプリント基板にほとんどの部品が載っています。
見てみると、背の高いスルーホール部品を多用しています。シリコンを充填して、振動による部品脱落やはんだクラックなどを防止しているのかと思います。
このあたりはトヨタ5代目プリウスのDC/DCコンバータと比べてみると、スルーホール部品は結構多めです。特にフィルムキャパシタを多用しているので、その分回路の体積は増えています。5代目プリウスのDC/DCコンバータは、実はほとんどMLCCに置き換えています。
こちらの基板の下の層を見ていきます。こちらにはプリント基板には実装出来ない大型の部品類があります。基本的には磁気関係の部品と半導体系の部品です。入力側から出力側に回路をたどっていくように見ていきます。
まずこちらのプリント基板、これは中継基板的な役割をしているものです。取り外します。そうしますと、その下にはパワー半導体が見えます。これは新電元のMG051Dです。これはMOSFETのモジュールでしょうか。
実はDC/DCコンバータ自体の構成は大きく変わっていません。前の世代のものでは、この部分にはディスクリートタイプのパワー半導体を使っていました。こちらではパワーモジュールにする事で、実装面積を大幅に減らしています。裏面には熱伝導グリスが塗られていて、アルミに熱を逃がすようになっています。
その後はこちらの変圧器につながっています。1次側巻線は平角線、2次側巻線はバスバーです。巻線とフェライトコアの熱を逃がすために、熱伝導シートが挟まっています。
その後は出力のチョークコイルと整流用パワーモジュールにつながっています。このチョークコイルとフィルムキャパシタのアレイを組み合わせて、フィルター回路を構成しています。こちらにあるパワーモジュールは、新電元のダイオードモジュールです。3並列のダイオードが2セット入っています。たぶんショットキーバリアダイオードですね。スナバ回路も一緒に入っているパッケージです。
前の世代のものは、サンケン電気のショットキーバリアダイオードをアルミ基板に実装する形でしたが、こちらのモジュール化によっていろいろ良くなっています。ここまで見てきた通り、主要なパワー半導体については新電元のパワーモジュールが多く使われています。
これは余談になりますが、新電元のDC/DCコンバータモジュールはTWシリーズというものがあります。こちらの基板にもTW109と書いてあります。また新電元の筆頭株主はホンダです。ここから話す事は予測の域を抜けてはいませんが、このDC/DCコンバータは新電元が設計している可能性はあります。
こちらの裏側にある冷却フィンについて、どのように設計したのかは不明ですが、パワー半導体が載っている部分だけ溝が深くなっていて、より熱を逃がせるような設計になっています。
というわけで、今日は北米版の6代目CR-Vに搭載されているパワーコントロールユニットを分解しました。前の世代のフィットなどと比べると、中身は全体的に最適化されていて、小型化・高パワー密度化に貢献出来ていると思います。
これよりさらに良くしようと思うと、そもそもこのようなタイプのパワーモジュールを使うのが良いのかというのも考える必要があります。この形のパワーモジュールを使うのが正解なのか、それともトヨタのように両面冷却出来るパワーカードをスタックしていくのが正解なのか。ただ今回のようなパワーモジュールを使うタイプでは、かなり行き着くところまで行き着いていて、ここからさらに良くしていくのは結構難しいのではないかと分解しながら思いました。
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