「AIを追うより人間関係を」――ひろゆきが語る、若手・ミドル・経営層それぞれのAI時代の努力論

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概要

「DX総合EXPO 2026 春」で行われた対談で、ひろゆき氏と新R25編集長の渡辺氏は「AI時代の努力論」をテーマに話した。渡辺氏が聞き手となり、働く人を若手、ミドル層(中間管理職)、経営層の3つに分け、それぞれがこれから何を頑張るべきかを尋ねた。ひろゆき氏の答えは、AIの最新動向を追うことや活用スキルを磨くことよりも、判断の根拠を自分で理解すること、社内外の信頼関係を築くこと、固定費を下げて身軽になることを重視するものだった。本人も最後に認めるように、全体としてAIにはかなり懐疑的な内容になっている。

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会場の構成と3つのレイヤー

冒頭、渡辺氏はこのテーマを自分で考えたと説明し、会場に挙手を求めた。自分を若手だと思う人は少なく、ミドル層が最も多く、次に経営層が続いた。そのため渡辺氏は、若手の話については「自分がどうするか」よりも「若手をどう教育するか」に悩んでいる人が多いのではないかと見立てたうえで議論に入った。

AIに仕事を奪われているのはどこか

最初の論点は、AIで雇用環境が実際どれだけ変わったかである。ひろゆき氏の見立てでは、仕事が大きく奪われているのはエンジニア系と、絵や音楽などネット上に公開される制作物を作るクリエイターだという。渡辺氏はここにライターも加えた。一方で、通常の営業職や、工場で機械部品を作ってB2Bで売るような事業では、人事などの社内システムや営業ツールの開発にAIが使われる程度で、事業フロー自体に影響が出ているという話はあまり聞かない、とひろゆき氏は述べた。2〜3年前には「ホワイトカラーがどんどんなくなる」と言われたが、思ったほどの影響はなく、今後もそれほど影響はないのではないか、というのがひろゆき氏の見方である。

その理由としてひろゆき氏が挙げたのは、AIの得意分野の偏りだ。AIはインターネット上にあるものを模倣するのが得意で、プログラムなら似たコードがネット上に転がっており、画像ならそれらしいものがネットにある。お手本がネット上にあるものをコピーする能力は高いが、ネットにないものを生み出す能力はまだ低い。だから、ネット上のやり取りで完結する仕事をしている人ほど影響が大きい、とひろゆき氏は説明した。

渡辺氏が「今後はフィジカルAI、つまりロボットの方に来そうでは」と尋ねると、ひろゆき氏は「来ると言われて全然来ない」と答えた。テスラの自動運転は今後も進むだろうとしつつ、その水準が高いのは、世界中を走るテスラ車の動画データをテスラ自身が集めて使っているからだという。つまり、情報を作る作業を自社でやっているからAIが使えるのであって、その作業をしない業界ではAIを入れてもそれほど最適化は起きない、とひろゆき氏は論じた。渡辺氏はこれを「ネット上に情報があれば」という先ほどの話と同じ構図だと整理した。

仕事が増えたのは50代エンジニア

2年ほど前には、コードを最初から最後まで自分で書く人がほぼいなくなり、給料の高い高齢エンジニアは役に立たなくなると予想されていた、とひろゆき氏は振り返る。しかし最近、ひろゆき氏の周囲では、むしろ50代のエンジニアの仕事が異常に増えて稼いでいるという。

ひろゆき氏によれば、若いエンジニアにはクライアントと話して業務システムを設計する経験がない。対して40代後半から50代の世代は、サーバーを自分で組み立て、ハードウェアを作り、ソースコードを書くところまで全部自分でやってきた。そうした人が細部をAIに任せて全体を設計し、「御社ならこの形がいい」「この部分はいらない」と判断できるため、仕事が増えているのだという。逆に若手エンジニアには成長の余地が少なく、AI時代の努力論という観点では若手が厳しいとひろゆき氏は見る。渡辺氏はこれを受け、上流工程やクライアントとの折衝を担う人はAIに代替されにくく、「おじさん世代は逃げ切れる」とまとめ、会場の多くを占めるミドル層に向けて冗談交じりに語りかけた。

若手:翻訳ツールで満足する人と、英語を学ぶ人

渡辺氏は、マネージャー以上が若手に頼んでいた仕事をAIに頼むようになり、若手の下積みの機会が奪われるという問題を提起した。AI以外のことを頑張るべきだと何となく分かりつつ、AIにまったく触れないのも違う、という距離感に若手は悩んでいるのではないか、という問いである。

ひろゆき氏は英語を例に答えた。アメリカ人とのやり取りは、翻訳ツールを使えばネイティブが問題ないと感じる文章をほぼ作れる。しかし、それができるからといってアメリカで事業を立ち上げて成功させる力があるかといえば、多分ない。メールベースで翻訳ツールを使えばここまでできる、と満足する人と、文法や単語から学び、バーでそのへんのアメリカ人と話せるようになった方がいいと考える人とでは、表面上のやり取りは同じでも基礎能力に差が開く。仕事の成果はツールを使えば同じでも、ツールなしでもできる状態に自分を持っていこうとするかどうかで、30代半ばあたりから分かれていく、とひろゆき氏は述べた。

若手:AIに「なぜ」を問い続ける

では具体的に何をすればいいのか。ひろゆき氏はエンジニアリングの例を出した。どんなシステムを作り、インフラをどうすべきかをChatGPTやGeminiに聞くと、かなり最適解に近い答えが出てくる。そこで「なぜこのクラウドなのか」「なぜこちらではダメなのか」を自分で調べ、各インフラのメリットとデメリットを把握しておく。リージョンを日本とアメリカの両方に置くよう勧められたときに、その理由を分かっている人と、ChatGPTが言ったから置いている人とでは差が出る、とひろゆき氏は言う。

AIは判断の理由を聞けば答えてくれるので、アウトプットが出たらその理由をAIに聞く、という一手間を挟めばいい。ひろゆき氏自身もそれをひたすらやっているが、追及すると根拠がまったくないこともあるという。比較表を出すよう求めると「見つかりません」と返ってくることがある、という体験も語った。こうして問い詰めていくと、自分の中に判断基準ができる。若手はそこを育てるべきだ、というのがひろゆき氏の主張である。

AIの使い方のノウハウとして、いきなりコードを書かせず、まず作りたいシステムの仕様書をAIに書かせる方法も紹介された。仕様書で言語化してから「この仕様書に沿ってコードを書いて」と頼むと、こちらの意図と実装がずれにくい。こうした使いこなしの度合いで差が出るとひろゆき氏は述べた。そして、データベースの選定やスケールの仕方について自分の中に基準があれば、今の50代エンジニアのように「この会社の予算規模でこの処理をしたいなら、これを選び、ここは捨てましょう」と言えるようになるという。

「若手を育てるのはやめた方がいい」

若手を育てる立場の人はどうすべきか、という渡辺氏の問いに、ひろゆき氏は「若手を育てるのはやめた方がいい」と答えた。世間ではあまり理解されないと前置きしたうえで、その理由を次のように語った。雇用環境がそれなりに豊かで辞めても他社に移りやすく、きつい状況に慣れていない人も多い。一生懸命教えて能力がついても他社に行ってしまうし、厳しく当たればパワハラ、セクハラだと言われる。

ひろゆき氏は、育てられた方が若手本人にとって良いという点には同意する。ただ、若手自身が育てられたいと思っていない。そこにコストをかけ、夜遅くまで残業させて教えた結果、ネットに「この会社はむかつく」と書かれるようではデメリットが多すぎる。だから、給料の範囲でやってくれる人を使い、正社員でなくてもクラウドワークスのようなサービスに業務を丸投げすればいい。人を育てる発想を持たない方が会社は安定するのではないか、とひろゆき氏は述べた。

渡辺氏が「それでは若い人は自分で何とかしないといけない時代になる」と返すと、ひろゆき氏はそうだと認めつつ、優秀な若手は引く手あまたで、少子化もあるため、フランスのように若年失業率が高い状態にはならないだろうと見立てた。若手の育成は、育てたい、若手も行きたいという大企業に任せればよい、という。ただし渡辺氏が大企業なら育成を頑張ればいいのかと聞くと、ひろゆき氏は大企業でも最近の人は3〜4年で辞めると述べ、人が長くいるのが当然という考え方自体が間違いではないかと語った。

会社に残すべきは「裏切らない人」

ひろゆき氏によれば、本来会社に残すべきなのは、そう優秀ではなくても絶対に裏切らない人だ。事業を始める場合でも、ソフトウェア会社に発注して作ってもらうなど外部に頼むことが当然になっていく。だからスキルではなく、頼んだことをきちんとやり、逃げない根性のある人をいかに押さえるかが大事になる。ひろゆき氏はその結果、体育会系で、それほど偏差値の高くない大学出身の人が重宝されるのではないかと予想した。

社内に残さなければならない仕事として、ひろゆき氏は法務部や人事部を挙げた。会社の情報を扱うため外に出しにくいが、法律の専門知識は弁護士に頼めばよい。必要なのは信頼できるチームに入れる若手であり、頭が良い人は転職してしまうので、中堅大学でスポーツをやっていたような人が重宝されるという。

これに関連して渡辺氏は、自身のチャンネルでキングコングの西野さんに聞いた話を紹介した。AIは気持ちのいい相手なので、それに慣れすぎると人間にも同じものを求め、そうでない人へのストレスが大きくなる、という内容だ。ひろゆき氏は、働く環境はお金を持つ人や経営層にとって快適であるほどよく、不快な人は弾かれる傾向があると応じた。渡辺氏はAIがそれを加速させている面があるのではないかと述べ、癖が強いが優秀な若手社員が「別にこいつを使わなくてもいける」となっている、と表現した。ひろゆき氏も、能力で重宝されていた人は、その仕事を外注できるようになると立場が危うくなると同意した。

若手は飲み会に行くべきか

渡辺氏は「AIっぽくない領域」の典型として、リモートワークではなく出社すること、会社の飲み会に行くことを挙げ、若い人にどう言うかを尋ねた。ひろゆき氏は、能力がある人は会社に雇われなくても色々な仕事ができるとしたうえで、飲み会には行った方がいいと答えた。根拠として挙げたのは単純接触効果で、同じ時間を過ごすほど相手を信頼してしまう機能が人間にはあるという。上司との飲み会に参加して酒を飲む方が信頼度が上がり、この「信頼度スキル」は外注先の人には手に入らない。若手としては、信頼度を高めることで、会社で成果を上げなくても残れるようになる、という理屈である。

渡辺氏が「能力に圧倒的な自信があるタイプでなければ、やっておいた方がいい」ということかと確認すると、ひろゆき氏は肯定した。いつ辞めるか分からず上司とそりが合わない人よりも、あまり役に立たないが「こいついいやつなんだよ」と言われる人が残り続ける、という。渡辺氏は、会社にとっては外注できる仕事と中に人を抱えなければできない仕事がはっきり分かれ、それぞれで採用戦略が変わると整理した。ひろゆき氏は、経理担当が通帳を持ち逃げしたら困るとして、そうした仕事では能力値ではなく「まともな人」をいかに雇うかだと付け加えた。

ミドル層:最新のAI情報を追うな

ミドル層について、ひろゆき氏はまず、最新のAI情報に追いつこうとするのはやめた方がいいと述べた。時間が足りないうえ、変化が速すぎる。3か月前に学んで正しいと思っていたことが3か月後にはずれていて、それでも「3か月前に学んだから正しいはず」と言い張れば、若手と話が合わない老害ポジションになる。むしろ下手に最新情報を追わず、若手に任せて、成果が上がっていればよしとする、というように成果で判断すべきだという。ClaudeがいいとかGeminiがいいといった話は「結構どうでもいい」とし、自分から率先して触らない方が判断を誤らないのではないかとひろゆき氏は述べた。

例として挙げたのは有料契約である。ChatGPTを個人で有料契約すると大体ChatGPTばかり使うようになる。Geminiの方が得意な分野もあるが、有料の方が使い勝手がいいのでそちらを使い続け、結果として「ChatGPTすごい」と言い続けるおじさんになる可能性がある。渡辺氏は、下手に使うことで考えが偏るということかとまとめた。ひろゆき氏は、ミドル層はどのAIを使ってもいいから成果を出せと若手に丸投げする方が効率が高いと述べた。

ミドル層:経営層に好かれる、秘密を握り合う

では、ミドル層は何を頑張ればいいのか。ひろゆき氏の答えは「経営層に好かれる」だった。若手の場合は飲み会のような表向きの関わりだが、経営層に食い込むには経営層の秘密を握る必要があるという。ひろゆき氏は一緒に風俗に行くといった例まで挙げ、互いに秘密を握り合えば経営層の側も「こいつは裏切らない」と思いがちだと述べた。

さらにひろゆき氏は、取引先をキャバクラやその後の風俗で接待する慣行は地方出張などで日本にはあるが、他の国にはほぼないと主張し、その理由を「共通の秘密を持った相手は裏切れない」関係を作るためだと解釈した。取引先が大企業で、どの会社に仕事を振っても同じという状況なら、秘密を握っている方が説得しやすい。人間関係の中で互いに秘密を握ることを意識した方が、人をコントロールしやすくなるという。コンプライアンス上やらない方がいいと考える人もいるが、そういうことが好きな人も実際にいて、世間がコンプライアンスを言う分、そちら側の人とは簡単に仲良くなれる、というのがひろゆき氏の見方である。

渡辺氏が、ミドル層は部下との関係構築にも時間を使うべきと考えがちだが配分としては上なのかと聞くと、ひろゆき氏は部下に時間を使わなくていいと答えた。中堅層が若手を切るように、経営層もコストである中堅層を切りたい。だから社内では「こいつを切ると損だ」と思わせ、取引先にも「この会社は切らない方がいい」と思わせる必要があり、そのための約束事として互いに秘密を作るのだという。ひろゆき氏は週刊誌記者の情報収集や保険営業の例も持ち出し、渡辺氏が「これ何の話でしたっけ」と笑いながら引き戻す場面もあった。

ひろゆき氏はこの話をAI時代の生き方として位置づけ直した。AIの分野では本当に優秀な人たちが切磋琢磨しており、そこに行けなかった人がAIの2番手、3番手を目指すよりも、別の方向に行った方が日本社会には仕事がある、という。渡辺氏は、誰に言われなくてもAIを触るタイプかどうかは自分で分かるはずで、そうでなければこちらの道だと受け取った。ひろゆき氏も、飲み会や人と話すのが好きなタイプなら人間関係の構築に力を入れた方がいいと述べた。

ITのトップも人間関係でのし上がった

ひろゆき氏は、人間関係構築力がIT分野のトップでも重要だとして実例を挙げた。イーロン・マスク氏はITの人でサイコパスだというイメージがあるが、資金が尽きそうなときにはPayPal時代の知り合いなどに多額の出資をしてもらっており、実は人懐っこいのではないかという説を紹介した。孫正義氏も昔から人懐っこいと表現され、トランプ大統領の就任時には一人でトランプタワーに行って仲良くなった、とひろゆき氏は語る。ITや理系の人は人間関係が不得意だと思われがちだが、成功している人は人間関係構築力が高い、というのがひろゆき氏の主張である。

さらにひろゆき氏は、昔から上司や経営者の家に行くことは重要だったと話した。目的は上司本人と話すことではなく、その妻や子どもと仲良くなることで、クビにしようとしたときに「関係性が面倒だ」と思わせるためだという。ひろゆき氏の知る限り、お金を持つ経営者の家では妻がインテリアや家にこだわり、それを見せたがるので、訪問して感心すると妻に好かれる。同じ能力の2人のどちらを残すか迷ったとき、妻と仲がいい方を残そうとするような、仕事と無関係な要素も人間は考慮してしまう、とひろゆき氏は述べた。

具体例として、ある大企業の知人が上司の妻の誕生日を聞き出してプレゼントを送っていた話も紹介された。若い頃のひろゆき氏にはなぜそんなことをするのか分からなかったが、誕生日や結婚記念日は聞けば大抵教えてもらえ、プレゼントは上司から妻に渡されるので、「家族を意識している人」という印象になる。大人になってから意味が分かった、とひろゆき氏は語り、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」だとまとめた。渡辺氏も、上の立場の人は自分が贈り物をもらうことには慣れていても、家族宛てはなかなかないので新鮮だろうと応じた。

経営層:コストカットで身軽になる

最後は経営層である。渡辺氏は、顧客への価値創造を脇に置いたまま、トレンドに乗ってAIにフルベットし企業価値を上げようとする会社が多いと感じていると述べ、経営としてAIにどう向き合うべきかを尋ねた。

ひろゆき氏は、今の時代に経営者がやるべきはコストカットで、ランニングコストをいかに下げるかだと答えた。トランプ大統領がいきなり関税を上げたり、いきなり戦争が始まったりする時代で、2〜3年後がどうなっているか分からない。だから正社員をできるだけ減らす方が経営として安全ではないか、という考えだ。AIを使ってくれる外部の会社に丸投げしても成立する事業部なら、事業部ごと切り離せばいいとも述べた。AIを使うことで既存事業のどこを人間なしでできるかを洗い出し、固定費ではなく必要なときだけ払う形にする。一気にランニングコストを下げるとしたらどこまで下げられるか、その幅を把握しておくべきだという。

渡辺氏は、効率化をやり切ったら次はアップサイドの価値を作らなければならず、その観点がないとAI導入が効率化だけで終わるのではないかと問うた。これに対しひろゆき氏は、景気が良いときは何をしても儲かるので、景気が良くなるまで待つ方がいいと答えた。景気が良くなってから「これが儲かるから」と種をまいても大体外す、というのだ。エンゲル係数は上がり続け、日本は株価は上がっているが庶民の生活は悪くなっており、先進国全般で景気はあまりよくない。取引先がいきなりなくなるかもしれないという意味でも、今は縮小方向の戦略に振った方がいいのではないか、とひろゆき氏は述べた。キャッシュがあり、うまくいきそうなものがあればそこに張ればいいし、なければ余裕を持って状況を見るタイミングだという。

会社を売るなら「AI企業」の看板は役に立つ

ひろゆき氏はまた、今は会社を売りやすい時代のようなので、事業ごと売却することも意識した方がいいと述べた。ここでのAIの役割について、ひろゆき氏は「AI企業と名がつくとバリュエーションが高くなる幻想がまだある」ため、社内でAIを活用し「AI企業だから伸びる」と見せる、つまり「ごまかすため」にAIを入れることは結構重要だと語った。

渡辺氏が、LLMを作る企業ならともかく、AI銘柄っぽいだけで価値が上がるのはなぜかと尋ねると、ひろゆき氏はそれがバブルというものだと答えた。実態を把握しようとしても把握できないから「なんかすごい」となる。ただし、AIを使って少ない人数で何らかの成果物を上げること自体は実際にできており、「規模を100倍にしたらコストは安く売上は100倍、すごいのでは」という文脈に使いやすい面はある、とも付け加えた。

経営者はAIを知る必要があるか

AIをまったく知らないのも良くないのでは、と渡辺氏が経営者とAIの距離感を尋ねると、ひろゆき氏は、何も知らずに「AIはすごそう」と騙される側になるのはまずいとしつつ、経営者がAIを知っている必要はあまりないと答えた。経営者はプログラムを書けなくてもよく、書ける人を連れてくればいい。法律なら弁護士を雇うように、AIも使いこなせる人を金を払って連れてくればいい。お金で買える知識を経営者自身が持つ必要はない、というのがひろゆき氏の考えである。

結論とその受け止め

約束の40分に達したところで、渡辺氏は議論を次のようにまとめた。若手はAIを使いながらも、そのアウトプットの裏側を自分なりに解釈することを頑張る。ミドル層はAIをそれほど頑張らなくていいから上に好かれる。経営層は景気が悪い今、AIを使って固定費を下げ、身軽になってチャンスを待つ。ひろゆき氏はこのまとめを大体その通りだと認めたうえで、「すごくAIに否定的な話になったと思うが大丈夫か」と気にかけた。渡辺氏は、AIに詳しいひろゆき氏がAIの使い方ではなく「AI時代にどうすべきか」としてこう語っているのだから間違いないのだろう、と受け止めて講演を締めくくった。