5年で1億円を20億円に:流れ星☆たきうえの目標に投資のプロ2人が出した株式プランと、たきうえの「どちらも採用しない」という判断

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概要

マネー番組「どっちで増やしまショー」の後編では、お笑いコンビ流れ星☆のたきうえが「5年以内に20億円」という目標を掲げた。元手1億円を5年で20倍にする方法を、馬渕磨理子(番組内の呼び名は「うまちゃん」)と、もう一人の投資家(呼び名は「うめちゃん」、番組内で「梅木さん」とも呼ばれている)がそれぞれ提案した。AI・半導体の周辺に広がる投資テーマ、キオクシアの急騰、データセンター向け蓄電池に事業を移しつつあるパナソニックなどが話題に上った。結論として、たきうえは2つのプランのどちらも選ばず、不動産で勝負すると決めた。

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「20億円の男」を目指す理由

たきうえはこの目標を本気だと言う。当初はメガ大家を目指しており、AIに「メガ大家の資産はどれくらいか」と尋ねたところ、10億円程度という答えが返ってきた。すでに資産は5億円に達しており、10億円なら数年で届いてしまうので面白くない。そこで倍の20億円にしたという。欲しい物があるわけではなく、相方のちゅうえいからは「20億の男という看板をぶら下げたいだけだろう」とからかわれた。

不動産70%、現金5%のポートフォリオ

たきうえの資産構成は、不動産が70%、投資信託が20%、現金が5%だった。出演者は現金の比率が極端に低い点を「勝てる人のポートフォリオ」と評価した。投資信託はS&P500などで、不動産から得た収入を毎月ドルコスト平均法で積み立てている。

自宅は賃貸である。離婚を機に持ち家を売ったという。たきうえは、持ち家は負債だと考えている。アパートなら入居者の家賃でローンが減っていくが、持ち家は自分で払い続けるしかない。さらに、銀行はアパートへの次の融資を審査するときに住宅ローンを負債として扱う。たとえば6,000万円の住宅ローンがあれば、その分だけアパート向けの融資枠が減り、次の物件を買いにくくなる。

それでも、資産が10億〜15億円に達して「もういいかな」と思える段階になれば、賃貸併用住宅を建てるつもりだという。最上階を大家の住居にし、住居部分と賃貸部分の割合が半々程度であれば住宅ローンで借りられ、金利も安くなるとたきうえは説明した。

一方、ちゅうえいのポートフォリオは現金50%、積立NISA20%で、残りの30%は「スロット・ゴルフ・飲み会」だった。本人はこれを人との出会いへの投資だと主張する。ゴルフで一緒に回った人から仕事に呼ばれることがあり、スロットでは一つの台を好きすぎたせいで、その台に関連する仕事が来たこともあるという。

投資元本1億円の出どころ

たきうえが用意する投資元本は1億円である。保有物件のうち2棟を売った場合を想定している。1億9,000万円の物件が2億5,000万円で、9,000万円の物件が1億3,000万円で売れれば、手元に残るのはおよそ1億円になる。そのため、この1億円はかなりの勝負資金になる。たきうえは、これを株式投資に回して20倍を達成できるのかを知りたいと語った。

うまちゃんプラン:年率82%の壁と、資金を3つに分ける守りの設計

馬渕のプラン名は「流れ星の願い事は3回で 戦略は3段」である。最初に、株式投資と不動産投資の違いを整理した。株式投資は、働いて貯めたお金から投資するのが基本になる。不動産投資は、本人の社会的な信用に対して銀行が貸してくれるお金、つまり「2つ目のお財布」を使う投資だ。馬渕は、たきうえがこの2つ目の財布を最大限に活用し、そこで得た収入をS&P500のような堅い投資に回している点を高く評価した。そのうえで、個人的には不動産の道を進んだほうがよいと述べた。

株式だけで20倍を目指すのが難しい理由として、馬渕は数字を示した。5年で20倍にするには、年率82%のリターンを5年続ける必要がある。馬渕によれば、バフェットのファンドは年率20%程度で、現在は投資できない優秀なファンドとして知られるメダリオン・ファンドでも年率39%程度だった。S&P500は年率10%程度、預金はほぼ0%である。他人の資金を運用するプロでもこの水準なので、年率82%を5年続けるのは並大抵のことではないというのが馬渕の結論だった。

そこで馬渕は、資金を減らさないことを優先した守りのプランとして、1億円を3つに分ける案を示した。1つ目はS&P500などに3,000万円程度を置くもので、5年でおよそ1.5倍に緩やかに増える見込みだという。2つ目は、20倍もあり得る個別銘柄を狙う枠である。3つ目は、不動産でレバレッジをかける枠だ。ただし馬渕自身、この配分で20倍に届くかは難しく、時間がかかるかもしれないと認めている。狙いは、老後も安心できる堅いポートフォリオを作ることにある。

AIから広がる連鎖と、キオクシアの30倍

個別銘柄の枠について、馬渕はいまの株式市場ではAIと半導体の関連銘柄が非常に強く、この流れにうまく乗らなければ値幅を取りにくいと述べた。一方で、1日で20%下がることもある激しい相場だとも注意した。

馬渕は、AIを起点にした需要の連鎖を次のように説明した。AIが広がると半導体が必要になり、電力が足りなくなる。データセンターを作れば電線が必要になる。多くの人がAIを使えば、データを記憶するメモリも必要になる。この流れで大きく伸びた日本企業がキオクシアで、株価は1年半で約30倍になったという。

MCが「1年半前に1億円を入れていれば簡単に達成できた」と言うと、プロの2人は、上場のタイミングでここまで上がると見通すのは難しく、こうした値動きはめったにないと答えた。たとえば3か月で5倍になれば、普通は「もうこれ以上は上がらない」と考えて売ってしまうという。馬渕はキオクシアの上昇を「完全にNVIDIAの恩恵」と説明した。データセンター向けのメモリが大きく不足しており、キオクシアはNVIDIAと共同で開発を進めていく。こうしてNVIDIAの経済圏にしっかり組み込まれたことが、今の株価の動きにつながっているという見方である。

防衛関連:防衛費の拡大と装備品輸出

馬渕が次に挙げたテーマは防衛関連である。国がお金を投じている分野はAI、半導体、そして防衛で、GDPに対する防衛費を2倍にしていく方針のもと、三菱重工やIHIに資金が流れていると説明した。さらに馬渕は、今年から日本が防衛装備品を輸出できるようになったと述べた。そのため、大型の防衛関連企業以外でも、ドローンなどを手がける企業が防衛装備品として欧州などに製品を売れるようになり、売上が立ちそうだという。馬渕はこのテーマも長く続く話だと見ている。

蓄電池とパナソニック:EV向けからデータセンター向けへ

馬渕が最近特に注目しているのが蓄電池である。電力がまったく足りておらず、これまで地味だった蓄電池を国としても後押しする流れがあるという。馬渕はその背景に、イラン情勢でエネルギーや電力が不足しかねない状況を挙げた。たきうえも、太陽光発電所を運営していた頃から「蓄電池がもっと発達すればとんでもないことになる」と考えていたと応じた。馬渕の考えるシナリオは、値動きの激しいAI・半導体の本体から、関連分野へ徐々に投資の裾野を広げていくことである。

その具体例として馬渕が挙げたのがパナソニックだ。パナソニックにはテスラのEV向け電池のイメージがあるが、EV市場が振るわないため、その事業はあまり芳しくない。家電もぱっとしない。しかし馬渕によれば、GoogleやMetaなど米国企業が建設するデータセンターでは蓄電池を併設する動きが進んでおり、そこにパナソニックの技術が納入されている。テスラ向けで得意とする電池とほぼ同じものを少し組み替えるだけでNVIDIA関連の用途に使えるため、その恩恵で株価が右肩上がりになっているという。馬渕は、パナソニックがいつの間にか蓄電池の会社へと姿を変えていたと表現し、AI・半導体の周辺を探していけば値幅を取れる銘柄が見つかる可能性があると述べた。

テスタも、自分もパナソニックを買っていると明かした。大きなニュースがなくても買われ続け、きれいな右肩上がりになっている。一瞬で何倍にもなる銘柄は「さすがに高すぎるのでは」と不安になるが、じりじり上がり続ける銘柄は持ちっぱなしにしやすいという。馬渕は押し目で買いたいと考えていた。5月13日ごろに一時的に下がったが翌日にはまた上がり、25日移動平均線まで下げては反発する動きを繰り返していた。75日移動平均線まで下がるのを待っていたら、結局まったく買えなかったという。蓄電池関連ではほかにGSユアサの名前も挙げ、AIを使って調べれば多くの銘柄が出てくるだろうと付け加えた。

馬渕のまとめは次のとおりだ。本人に強みがある不動産で勝負するのが最善である。株式にも興味があるなら、不動産を土台に置き、テーマ銘柄で数十倍の夢を見て、資産を守る役割としてS&P500を増やす。この3段構えで臨むという内容である。

これに対してたきうえは、自分で調べて納得しなければ大きな金額は投じられないと答えた。モナコインで経験したことだという。出演者は、専門家やSNSの情報を鵜呑みにせず、あくまで参考の一つとして自分で深掘りしてから投資する姿勢はとても大事だと評価した。

うめちゃんプラン:IPOの一撃と「2倍を5回」

もう一人の提案者のプラン名は「探せ1番プラン」で、馬渕とは対照的な内容だった。1億円を20倍にするには、まずキオクシアのように一撃で大きく上がる株を見つけることを考えるべきだという。

うめちゃんは、キオクシアが大きく伸びた要因の一つに、上場して間もないIPO銘柄だった点を挙げた。上場直後の銘柄は投資家の目に触れる機会が少なく、適正な株価がわかりにくい。そこに、爆発的に伸びているAI向けの半導体メモリという要素が重なり、株価が一気に上がったという分析である。

AI市場の見通しについては、市場規模の成長率から見て、2035年までにさらに10倍近くまで伸びるのではないかと予想した。ただし、成長率はしだいに鈍っていくとも述べている。分野別に見ると、新しいテーマであるロボット向けの「フィジカルAI」には導入のハードルがあるという。個人に普及するには安全に使えるかという問題があり、機体が大きく高価なので個人ではなかなか買い替えられない。そのため、生成などに使う「頭脳」のAIのほうが市場規模の伸びしろがあると判断した。

ただし、1銘柄で20倍を達成するのは非常に難しい。株価が上がって過熱するほど値動きが荒くなるからだ。そこでうめちゃんは、よく言われるように2倍を5回取れば20倍を超えるという考え方を示した。同じAI関連でも、メモリや部品を作る企業の間で株価が上がるタイミングはずれる。キオクシアはNAND型フラッシュメモリを作っており、半導体に大量に必要なため今後も伸びると言われている。これに加えて最近上がってきたのが太陽誘電と村田製作所で、両社は積層セラミックコンデンサという別の部品を作っている。メモリが大量に必要になり、一つひとつのメモリでより大きなデータを処理する能力が求められるという市場テーマの中で、新たに注目されるようになった。うめちゃんによれば、投資家がそれに気づき始めたことで株価が急に上がっているという。

具体的なプランは次のとおりである。出遅れている半導体銘柄で2倍を狙い、資金の5分の1ほどを夢のあるIPO銘柄に入れる。半導体はさらに大容量のものが開発されなければ需要に追いつかないというストーリーは、AIで調べればある程度たどり着けるという。うめちゃんは、難しいことを認めたうえで、この方法なら5年で20倍を達成できるのではないかと述べた。

「全振り」のリスクと売り時の難しさ

たきうえは「3割くらい何を言っているのかわからなかった」と正直に話した。個別株の経験がないからだという。そこで補足の説明があった。1銘柄で20倍は難しくても、3倍を3回取れば27倍になる。実際、今年上場したIPO銘柄の中には数か月で10倍になったものもあるという。IPO株は上場前には買えないが、上場後は誰でも買えるという点も確認された。

ただし、3倍を3回で27倍にするには毎回資金を全額投じる必要がある。2勝した後に負ければ大きく失う。この指摘に対しては、株がゼロになることはなかなかないという反論があった。たとえば3億円が9億円になり、次の銘柄が伸び悩んでも引き分けで済めば、また次の銘柄で増やせばよいという考え方である。

たきうえは、仮想通貨をやっていたときに売るタイミングが非常に難しいと感じたと話した。増えていても、いつ売ればいいのかわからない。天井に見えた後にさらに上がることも何度もあり、暴落したときは吐きそうになりながら「いつ売ればいいのか、また戻るかもしれない」と迷ったという。うめちゃんは、これは不動産価格が上がったときの売り時の難しさにも近いと応じた。株であれば決算が四半期ごとに出るので、それをざっと確認し、成長が鈍ってきた、利益の伸び率がこれまでと違うといった変化が見えたときに売るという判断ができる。こうした指標は少しずつ自分の中で身につけていく必要があるとも述べた。一方で、出演者からは「行けるという確信があるなら不動産に全振りがいい」という声も上がった。

結論:どちらも採用せず、不動産で勝負

最後にどちらのプランで増やすかを問われたたきうえは、「どっちも却下」と答え、不動産で行くと宣言した。番組では初めてのパターンだという。たきうえの理由は、いま自分が一番よく知っている戦い方で勝負するのが一番よいというものだった。

うめちゃんも、自分のプランなら20倍に届くのではないかと考えてはいるが、確信と言えるほどではなく、わからない部分もあったと認めた。馬渕のほうも、プレゼンの中で不動産を勧めていた。スタジオでは、株について長い説明をさせておいてどちらも採用しないことに笑いが起きた。

テスタは、2人もプランを作りながら不動産で行くべきではないかと話していたので、正しい決断だったのではないかと評価した。そのうえで、不動産の仕事の中で「この業界でこれが流行っている」「これはどこの会社が作っているのだろう」と興味が湧いたら、その会社の株を買ってみるという入り方もあると付け加え、番組を締めくくった。