ハードの性能を引き出すソフト最適化:フィックスターズ浅原氏が語る経歴と新製品「Fixstars Vega」
ものづくり太郎チャンネルものづくり太郎が、ソフトウェア最適化を専門とするフィックスターズのCMO、浅原氏に話を聞いた対談である。撮影はアメリカで行われた。ものづくり太郎は前日にTenstorrentのジム・ケラー氏と対談しており、その流れでフィックスターズからの動画依頼も同じ渡米中に撮ることになったという。
ものづくり太郎は冒頭で、同社について「マーケティングは下手だが技術は最強」と評する。ソフトウェアを高速化できれば処理の負荷が下がり、サーバー費用が半分になるようなことが現実に起こる、というのが彼の紹介である。対談では、宇宙物理学の研究者だった浅原氏がなぜ組み込みソフトの最適化に行き着いたのか、フィックスターズが何を得意としてきたのか、そしてAI時代に向けて開発中の製品「Fixstars Vega」が何を狙うのかが語られた。
パフォーマンスエンジニアリングとは何か
浅原氏によれば、フィックスターズは組み込み向けソフトウェアの最適化を行う会社で、社内ではこれを「パフォーマンスエンジニアリング」と呼んでいる。日本では耳慣れない言葉だが、アメリカでは比較的一般的だと浅原氏は言う。中身はソフトウェアのチューニングで、処理を速くしたり消費電力を抑えたりすることを指す。
チューニングされていない世の中のソフトウェアはもっと速くなるのかと問われると、浅原氏は「少なくとも倍」と答え、それを目指して頑張るという言い方をした。ChatGPTやGeminiのような大規模モデルの推論でも、利用者は待たされることが多い。そこを速くする能力を持っているのが同社の強みだと浅原氏は説明する。こうしたことができる会社は日本では他にあまり知らない、とも付け加えた。
浅原氏自身は現在CMO(チーフマーケティングオフィサー)だが、キャリアはずっとエンジニアである。ものづくり太郎が「こんなに良いソリューションを持っているのに誰も知らないのはマーケティングが悪い」と冗談めかして言うと、浅原氏は「CMOが悪いです」と笑って応じた。
出発点は宇宙物理学と望遠鏡の検出器
浅原氏はもともと宇宙物理学の研究者で、コンピューターサイエンスの出身ではない。研究テーマは天文学の観測装置を作ることだった。ハワイのマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡では、鏡で光を反射させた先に観測対象に応じた検出器を置く。浅原氏が携わっていた当時は検出器が7種類あり、そのうち1つは浅原氏が作ったものだという。
専門は高エネルギー宇宙物理学で、研究対象はかに星雲、つまり中性子星のパルサーと超新星残骸だった。超新星爆発の後に広がり続けるガスから、ガンマ線やX線が大量に届く。浅原氏の検出器は、ガンマ線が生むチェレンコフ光をすばるの鏡で集めて検出器で観測する方式で、光の量が元のガンマ線のエネルギーに比例するためエネルギーを測ることができ、到来方向もある程度分かる。浅原氏自身は「かなり特殊で、かに星雲しか見られない」と笑う。
この研究が後のキャリアにつながる。天文学の装置には市販のソフトがないため、すべて自分で作らなければならない。画像処理も、検出器自体の制御もそうだ。そもそも装置の仕様を決める段階でシミュレーションが必要になり、そのシミュレーション用ソフトも自分で書くことになる。浅原氏によれば、物理、特に装置を扱う天文の研究者にはソフトを書ける人が多く、先輩に聞きながら学んで書いていったという。学部と修士は別の大学で過ごし、博士課程から京都大学に移った。
日本企業は全滅、拾ったのはIBMだった
京都大学の博士課程は卒業の基準が高く、浅原氏の場合は一定の評価のあるジャーナルに論文が掲載されなければ学位が出なかった。データ処理やレフェリーとのやり取りに時間がかかり、このままでは卒業できないと分かったため、バックアッププランとして就職活動を始めた。
ところが、受けた日本企業にはほぼ全部落ちた。浅原氏の説明では、日本の就職活動は学部生と修士生がエントリーシートを書く仕組みになっており、博士の学生がそこに入ろうとすると「博士は枠が違う」と言われる。別ルートを尋ねると研究論文を送るよう求められるが、送る論文はかに星雲についてのものである。唯一拾ってくれたのが外資系のIBMだった。ものづくり太郎はここで、決められたルートから外れた人材の能力を見極められない点が日本の弱さだとコメントしている。
IBMでCellと出会う
IBMでの最初の仕事は、液晶パネル工場のパラメーターチューニングや生産ラインの最適化だった。浅原氏によれば、液晶ディスプレイがまだ珍しかった頃にAppleが出した綺麗なディスプレイは、実はIBMのものだったという。その事業が閉じられることになり、新人に近かった浅原氏は当時大和にあった研究所に配属が変わる。そこで出会ったのが、Cell Broadband Engineという「かなりマニアックなチップ」だった。
CellはPlayStation 3のメインプロセッサーとして知られる。ものづくり太郎は、PS3に高性能なCellを載せて世界中にばらまき、それらをつないで演算する構想があったこと、その結果PS3が6万円ほどと高価になり、2万〜3万円で出たWiiに押されてソニーが大赤字を出したことを振り返る。一方で浅原氏は、Cellはソニー、東芝、IBMの3社で開発したプロセッサーで、ソニーはPS3、東芝はレグザの画像処理、IBMはスーパーコンピューターや医療画像機器に使うという棲み分けがあったと補足した。
米国防総省がPS3を大量に購入した話にものづくり太郎が触れると、浅原氏は、2200台を買ったその案件はフィックスターズの米国法人が受注したものだと明かした。
Cellの特徴について、浅原氏は2004年の時点で10コアを持ち、しかも同じコアが並ぶホモジニアスではなく、性質の異なるコアを組み合わせたヘテロジニアス構成だった点を挙げる。汎用演算用のコアが2つと、画像処理などに特化した、今でいえばGPUやDSPに近いコアが8つ。これを使いこなすのはソフトウェア的に相当難しく、書ける人がほとんどいなかった。浅原氏によれば、PS3の初期タイトルは8つのコアを誰も使えなかったため汎用の2コアだけで動いており、グラフィックもそれほど良くなかった。後期になって使いこなしが分かり、綺麗なグラフィックが出るようになったという。
「10倍速くする」会社への合流
このCellのソフトに特化していたのがフィックスターズだった。Web全盛で組み込みが主流ではなかった2000年代に、Cellのソフトしか書かない会社があったわけで、浅原氏は当時から「尖っていた」と言う。
フィックスターズはIBMの医療画像処理ボードに関心を持ち、そのソフトウェアを作って提供したいと申し出た。IBMはこれを受けてコラボレーションが始まり、浅原氏はIBMのエンジニアとしてフィックスターズに出向き、一緒に開発をするようになる。対象はMRIやCTといった機器の画像処理部分で、チップ上でどう処理させるかという周辺ソフトだった。
浅原氏によれば、普通の人が書くと1フレームの処理に何十秒もかかって売り物にならないものを、フィックスターズのエンジニアが書くと平気で10倍速くし、1秒で終わるようにしてしまう。浅原氏はそこに惹かれてサポートしているうちに「取り込まれた」形になり、2008年ごろフィックスターズに入社した。
CUDAの普及とジェンスン・フアンの即断
Cellの仕事を続けていた2008〜2009年ごろ、NVIDIAがCUDAを出した。浅原氏の説明では、それまでGPUはゲーム用のグラフィックスチップにすぎず、画像処理やシミュレーションなど汎用の計算に使う場合は特殊なグラフィックス用言語を無理やり使っていた。CUDAはこれをC++に近い言語で書けるようにして一般に公開したものである。ものづくり太郎はこれを今のAI時代の発端だと位置づけた。
CUDAがまだ広まっていなかった最初期、浅原氏は毎月NVIDIAの日本法人に出向き、エバンジェリストのような立場でCUDAセミナーを開いていた。日本でのCUDA普及にはだいぶ貢献したと思う、と浅原氏は振り返る。フィックスターズ自身もCUDAを使い、Cell以外の画像処理などのアプリケーション開発を重ねて事例を発信していた。
その事例がNVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏の目に留まり、同氏がフィックスターズを2回訪ねてきたという。フィックスターズがCUDAのデモをすると、最後にフアン氏は、NVIDIAとしてサポートできることはないかと尋ねた。当時のCUDAはまだバージョン1.2の頃で機能に制約があり、浅原氏は「こういう顧客がこういうことをやりたいが、この機能がないと使いづらい」という話をいくつか伝えた。
浅原氏が今でもよく覚えているのはその後の出来事だ。まだiPhoneがない時代で、フアン氏はその場でBlackBerryを取り出して何かを打ち込んだ。見送った後に自分のパソコンを開くと、NVIDIAの幹部から大量のメールが届いており、フアン氏からフィックスターズをサポートするよう指示が来たと書かれていた。浅原氏は「すごいなと思いました」と語り、ものづくり太郎は、技術を理解しているエンジニア出身の経営者だからこその即断即決だと評した。
難しいプロセッサーほど歓迎する理由
Cell、GPUの後も、フィックスターズはFPGAやDSPなどに取り組んできた。浅原氏によれば、同社にとっては難しいプロセッサーが出てきてくれた方が嬉しい。使いこなしが難しい特殊なプロセッサーが登場するたびに採用し、その上で動くソフトを書いてきた。量子コンピューターもその一つで、2017年にはD-Waveと契約している。日本企業では一番早かったと思うが、富士通の方が早かったかもしれない、と浅原氏は留保をつけた。
なぜハードウェアの能力を最大限に引き出せるのか。浅原氏の答えは、ハードウェアのアーキテクチャーを深く知っているから、というものだ。同社のエンジニアには、たとえばインテルから新しいプロセッサーが出ると、その仕様書を読み込むのが好きな人が多い。命令セットのレベルで理解し、「新しい命令が追加されたから、この処理はこちらを使えば速くなるのでは」と常に考えている。かつてはアセンブラレベルでチューニングすることもあり、さすがに最近は減ってきたという。
浅原氏は行列の掛け算を例に挙げる。同じ行列の掛け算にもいろいろな書き方があり、アーキテクチャーによって速い書き方が異なる。逆に言えば、あるプロセッサーで速い行列演算のコードが、別のプロセッサーでは遅い可能性がある。
さらに浅原氏は、高速化はコスト削減と表裏一体だと強調した。10倍速くできるということは、同じ速度でよければプロセッサーの能力を10分の1にできるということだ。組み込みではこれが製造原価に直結し、より安いチップで同じことができれば大幅にコストが下がる。エネルギーコスト、つまりランニングコストも下がる。
顧客事例:キオクシアと車載
上場企業として公開している情報として、浅原氏は最大の顧客がキオクシアだと明かした。メモリー会社とソフト最適化は関係なさそうに見えるが、浅原氏によれば、フラッシュメモリーそのものの品質と同じくらい、それを制御するコントローラーの性能が重要だという。どんなに良いNANDを作っても、制御側が遅ければ最大性能は出ず、非常に遅いSSDになってしまう。フィックスターズはこのコントローラーのソフトウェアを担っている。
もう一つの領域が車載で、ADAS(先進運転支援システム)のようなレーンキープやブレーキ支援も、限られた計算能力と電力の中で画像処理をこなさなければならない。ものづくり太郎はここで、自動車は人命を預かるため、最先端プロセッサーのBGA実装ではなく、ヒートサイクルでも壊れにくいQFPのような旧来のパッケージを使う思想があり、そのために処理能力が「プア」になりがちだと解説した。浅原氏は、そのプアなプロセッサーの中で、安全要件のスペックを満たすソフトを書く手伝いをしていると応じた。
AIの登場で「ニッチ」ではなくなった
浅原氏によれば、これまでの同社の仕事はある意味でニッチだった。遅いものが速くなれば誰でも嬉しいが、普通の処理は十分速いので「これで良い」とされることが多く、医療画像機器や車のような特殊な分野での仕事が中心だった。
そこにAIが来た。AIの推論は膨大な処理を必要とし、たとえば処理が10%速くなれば電力を10%削減できるのと同じことになる。NVIDIAのチップは高価で、同じ処理にH200が16枚必要だったものを8枚で済ませられる、という効果も出る。浅原氏は、最近はAIをなんとか速くしたいという相談が本当に増えていると語った。
Fixstars Vega:組み込みエンジニア向けのローカルLLM環境
こうした流れで開発しているのが「Fixstars Vega」である。ちなみにフィックスターズという社名は「恒星(fixed stars)」、常に光り輝く星に由来し、製品名のベガもそこから来ている。浅原氏の天文学の経歴とのつながりは「たまたま」だという。
浅原氏の説明では、Vegaは組み込みエンジニア向けのローカルLLM環境だ。組み込みエンジニアはAIの利用が制限されていることが多い。ChatGPTやClaude Codeのようなサービスはネットワークの先に情報を送るため、機密情報やチップの詳細情報を外に出すことになる。特に製造業ではこれに抵抗のある顧客が多く、社員にはAIを使うなという話になりがちだ。ものづくり太郎は、リスクがあるから使うなと判断する日本企業の姿勢を強く批判し、オンプレミスで動くソリューションがあるはずだと考えるのが普通のエンジニアだと述べた。
Vegaはこのニーズに応えるアプライアンスで、ローカル環境でセキュアにAIを使えるようにする。提供形態は顧客次第で、ワークステーション、ハイパフォーマンスPC、ラックマウントサーバーのいずれでも届けられ、同時に使うエンジニアの数で構成がほぼ決まる。料金はハードウェア込みのサブスクリプションである。
特徴は、フィックスターズの最適化ノウハウが「スキル」として組み込まれている点だ。特定の半導体向けに最適な組み込みコードを書いてほしいと依頼すれば、それに応えるスキルを内蔵しているという。浅原氏は「もちろん完全に全部ではない」と留保しつつ、フィックスターズのエンジニアを呼び出すイメージだと表現した。前日にジム・ケラー氏が話していたような、CUDAで動いているコードをTenstorrentで動かしたいといった移植にも使えるという。前述の行列演算の例のとおり、ある環境で速いコードが別の環境で速いとは限らないため、そこでの最適化が効いてくる。
「半年で1行もコードを書いていない」という社内の衝撃
Vegaの背景として、浅原氏は社内で起きた出来事を紹介した。フィックスターズではエンジニアとビジネス側のキャリアラダーが別になっており、エンジニア側の最上位にエグゼクティブエンジニアという職位がある。その最高峰のエンジニアの一人、仮にUさんと呼ぶ人物が、2か月に1回ほど開かれている社内勉強会「エージェンティックナイト」で、ここ半年は1行もコードを書いていないと話した。
フィックスターズはバリバリとコードを書く文化の会社なので、社内には大きな衝撃が走り、自分もやらなければという空気になったという。Uさんは当時まだVegaがなかったためClaudeを使っていたが、今はVegaも使っている。やり方はバイブコーディングというより、AIへの指示と使いこなしであり、最後は人が確認する必要があると浅原氏は言う。
浅原氏は、ソフトをあまり分かっていない人がAIを使ってもうまく使いこなせない面はあると認める。そのうえで、Vegaを使えばUさんが培った最適化ノウハウがスキルとして入っているので、それを利用できるという位置づけだ。Uさんは今もスキルを育てており、翌月にはまた別のスキルが加わる見込みだという。
リリース時期と今後の課題
撮影時点でVegaはまだ正式リリースされておらず、7月のリリースを予定していた。現状は限られた顧客に使ってもらい、フィードバックを得ている段階である。つまり、この製品として大手企業に使われた実績があるわけではない。浅原氏の整理では、これまでフィックスターズのエンジニアがキオクシアや東芝などにサービスとして提供してきたことをAIにしたもの、という位置づけになる。
普及の見通しについて、浅原氏は楽観一辺倒ではない。AIに取り組む企業にとっては、社内の最適化エンジニアとの比較になり、「自分たちでやる」と判断する会社の方が多いだろうと見ている。ただし最適化はAI研究の本質ではないので、そこはフィックスターズに任せて上流の研究に集中する、という会社が出てきてもおかしくない。そう考えてもらえると嬉しい、というのが浅原氏の立場だ。
フィジカルAIにも効く「高速化以外」の最適化
対談の終盤、ものづくり太郎がファクトリーオートメーションやフィジカルAIに話を向けると、浅原氏はVegaがそこでも使えると答えた。フィジカルAIは消費電力などの制約が厳しく、最適化はその制約を下げる方向にも使える。浅原氏は、目的は必ずしも高速化だけではなく、消費電力を下げたい、チップのグレードを下げてハードのコストを下げたいといった要求にも応えられると強調した。組み込みはまさにそういう世界であり、特にフィジカルAIでは、より性能の低いチップで同じことができればそれだけ安くなる、というのが浅原氏の締めくくりだった。
どうもこんにちは。ものづくり太郎チャンネルのものづくり太郎でございます。本日は後ろにあるように、あのNVIDIAも頼った超日本企業ということで、この企業すごいマーケティング下手くそなんですけど、持ってる技術は最強なんですよ。簡単に言うと、御社のソフトウェアの効率を倍速にできますとか、高速化できますっていう。ソフトウェアの負荷が半分になるわけですよ。圧縮できたりできるので、サーバー費用が半分になりますとかっていうことが現実として起こるわけですよね。ということで最強企業にですね、インタビューしてきましたので皆さん見ていただきたい。
そんなですね、NVIDIAも頼る最強日本企業が登場する回にスポンサードいただいたのがヨコタエンタープライズさんです。ヨコタエンタープライズはですね、トラックドライバーの派遣事業から始まり、現在ではなんとトラック260台保有し、運送事業、製造業人材サービス、ICT機電、建築分野でのエンジニアリングサービスまで展開する、日本のものづくりをトータルで支える複合型企業に成長しました。単なる運送会社でも派遣会社でもなく、それぞれの事業が連結し、上流から下流まで一気通貫で任せられるのが最大の強みです。また人材の育成にも注力しており、独自の研修制度で高スキル人材を育て、キャリアアップを行うことで、全ての働く人の価値を高める環境を整えていらっしゃるそうです。各分野で着実に成長を続けている企業であり、物流DX、システム開発、工程改善、人材不足、人材育成など様々な課題解決に、ものづくりのトータルサポートを行っているヨコタエンタープライズに是非相談をしてみてください。ありがとうございました。
それでは皆さん、昨日はね、ジム・ケラーですよ。テンストレントの事務所にやってきて、もうなんで俺たちが負けると思ってんだって、NVIDIAなんてもう終わっただろみたいなさ、自信に満ちあふれてましたね。なんだよと。もうCUDAの壁はAIでもうなくなるんだから、俺たちがオープン化だから、決まってんだろみたいな。これがエンジニアとして最適なんだ、だからこのチップが最強なんだみたいなね。すごいですよ。知ってます皆さん?ジム・ケラー。僕はね、なんとこれです。これ皆さん見てください。
ジム・ケラーのサインです。見えますかね?ジム・ケラーのサインをなんと頂いちゃって。ごめんなさい、これはプレゼントできません。ジム・ケラーと会ってね、本当に楽しい1日でしてね。元々僕がアメリカに来たのはジム・ケラーと対談するのがメインだったんですけども、フィックスターズさんから動画の依頼もいただきまして、じゃあ一緒にアメリカで撮ろうぜっていうことで、浅原さんと動画撮影させていただきました。浅原さんもエンジニアで。
はい。そうです。
まずはフィックスターズが何やってるか知らないですよね?
フィックスターズはですね、組み込み向けのソフトウェアの最適化、我々パフォーマンスエンジニアリングって呼んでるんですけど、それをする会社ですね。
パフォーマンスエンジニアリングっていうんですか?
ちょっと耳慣れない言葉だと思うんですけど、アメリカでは割と一般的だと思うんですけど、ソフトウェアのチューニング、最適化。
ソフトウェアをチューニングするってことですか?
はい。そうですね。速くしたりとか消費電力を抑えたりとか、そういうことです。
おお。ということは、世の中のソフトウェアでチューニングされてないものは、まだまだめちゃくちゃ速くなるってことですか?
そうですね。倍とか。少なくとも倍、頑張りますっていう感じです。
例えば今のチャッピーちゃんとかGeminiもインファレンスしてるじゃないですか。あそこら辺も最適化できるんですか?
そう、そうです。皆さん多分お使いになられてて結構待たされると思うんですよね。大規模なモデルになってきて、そこをうちは速くするケイパビリティを持ってるってとこですね。
日本だといないですよね。
こういう人たちあんまり知らないですね。いないって言っときゃいい。
日本はフィックスターズだけ、我々しかできない。ジム・ケラーばりの自信が必要で。何言ってんの、うち使えよみたいな、こんな感じだったの。NVIDIA終わったやろみたいな。で、太郎はNVIDIAの株を売ることが決まりました。全部売却です。皆さん、NVIDIAは売った方がいいと思います。僕は責任取りませんけども、アナリストでも何でもないんで。自己判断でお願いします。
フィックスターズの今回魅力に迫っていきたいんですけども。
はい。
コミュニケーションがアメリカ長いので、エンジニア同士の会話っていう気がして。元々エンジニアですよね。
そうです。ずっとエンジニアでやってます。今はCMOなんですけど。
CMOって。
チーフマーケティングオフィサーなので、一応マーケなんですけど。
そう。フィックスターズのマーケティングクソだ。こんないいソリューションを持ってんのにみんな知らないわけ。
そうですね。
ということはマーケティングがクソなんです。
まあ、CMOが悪いです。
そう、CMOが悪い。よく弊社に発注いただいたんですけども、浅原さんのバックボーンから、この強さ、フィックスターズの可能性を紐解いていきたいんですけども、元々どういう方ですか?
そうですね、実は元々は研究者で、宇宙物理学の研究を。
宇宙物理学。
はい。なのでコンピューターサイエンスでもない。
コンピューターサイエンスじゃなくて、なんでそんな。
ちょっと話すと長くなっちゃうんですけど、元々その天文学の装置を作るのが研究だったんです。
え、天文学の装置、エンジニアリングでしょ、あれ?
そうですね。皆さん結構ご存知だと思うんですけど、ハワイのマウナケア山の山頂にあるすばる望遠鏡の検出器の1つは僕が作ったもので。
なんすか?検出器。
鏡がこうあって、こう光を跳ね返して、ここでいわゆる検出器っていうのを置くんですけど。
じゃあ今あれだ、1兆円かかったやつあるじゃない?
ああ、えっとジェームズ・ウェッブかな?
ジェームズ・ウェッブもそういう方式ですもんね。
そうですね。鏡に跳ね返してここで見るか、あるいはここに鏡置いてもう1回跳ね返して下で見るっていうのもあるんですけど、なんせ何か置くんです。それは見たい対象、天文対象によって変えられるんですけど、当時僕のやってた時は7種類あって、そのうちの1個は僕が作ったやつです。
どういうものを見る?
それはかなり特殊なんですけど、僕の専門が高エネルギー宇宙物理学っていう分野で。
ブラックホールとかって感じですか?
ああ、えっと、そう、近いですね。
中性子星とか。
そう、中性子星。まさによくご存知で。
僕は宇宙に1回憧れたことがあって、宇宙学部に入りたかった。東にしかなく、これ俺無理だなと思って諦めて。綺麗じゃないですか。当時まだ僕が高校とか中学の時に、すばる望遠鏡の本があって、すげえってなって。JCの午後。
僕知らなかったです。
多分ね、知ってる人いると思うんです。すげえいい番組なんですよ。中性子星がぶつかって金ができるとか、ロマンじゃないですか。で、皆さんXでバトってますけど、宇宙の広さからしたらそんなことはどうでもいいと。それを学問でやられた。
そうですね。私の研究対象がまさにかに星雲ってやつです。
かに星雲。
中性子星、パルサーってやつです。あと超新星残骸ってやつです。爆発した後の残骸が今も広がってるんですけど、こういうガスになってだんだん広がってくやつで、そこからガンマ線とかX線がバンバン来てるんですよ。で、それをなんで地上の鏡でっていうところがあるんですけど、チェレンコフ光をすばるの鏡で集めてディテクターで見てあげると、その光量はオリジナルのガンマ線のエネルギーに比例してるので。
なるほど。エネルギー量を測ることができるわけですね。
そう。で、到来方向もある程度分かるっていう。そういう検出器、かなり特殊。
もう本当にピーキーで、もうかに星雲しか見れない。天才です。皆さん、今日のゲストは。
それ作るって言っても、鏡とか作るわけじゃなくて何を作ったんですか?
そうですね、そこが繋がってくるとこなんですけど、結局天文ってどっかで売ってるソフトもないわけですし、全部自分で作んなきゃいけないんですね。
そうか。それを検出するソフトウェアを。
もう全部作んなきゃいけないです。
作るってことですか?
画像処理とか、あと検出器自体を制御しなきゃいけないですよね。
メカ、エレキ、ソフトみたいなところを、ハードから設計して。
自分でやらなきゃいけないですよ。これを検出するためにはこういう装置が必要で、こういう制御をして。そもそもその仕様を決める時にシミュレーションしなきゃいけないので、どういう仕様で作るかっていうところをシミュレーションするためのソフトウェアもないので、自分で書かなきゃいけないですよね。
そんなの大学時代にできるんですか?
頑張りました。でも結構天文の人とか物理の人は、特に装置をやってる人は、かなりソフトを書ける人が多くてですね。
へえ。
先輩に聞いたりとか学びながら、自分で書いてったって感じですね。
京都大学でしたっけ?
京都大学ですね。学部と修士までは東工大で、博士から京大です。
京大に行ってそれやりましたと。でも今組み込みのエンジニアやってるじゃないですか。どう繋がるんですか?
1つは、京都大学のですね、博士課程の卒業の基準が結構高くてですね、ある程度の有名なジャーナルに論文が載らないと博士が出ないと、僕の場合ですね。データの処理とかですね、あとレフリーですね。ジャッジする方に色々コメントもらうわけです。そのやり取りしてるうちに時間経っちゃうんですよね。このまま行ったら卒業できないっていうことが分かりましたと。バックアッププランで就職活動してました。
就職活動してたんですね。
はい。残念ながら日本企業は全部落ちちゃったんですけど。
え、全部落ちちゃった。
ほとんど全部受けて全部落ちました。
なんで落ちたんすか?
やっぱり日本の就職活動っていうのは、学部と修士はエントリーシートを書いてみたいな。で、それを博士の人がやろうとすると、いやいや、博士はちょっと枠が違うのでって言われるんです。
そうですよね。研究室から推薦とかもらって。
そうとか。はい。別口から。じゃあどうしたらいいんですかっていう話をすると、研究論文を送ってくださいって言われるわけです。僕の送る論文がかに星雲なんですよ。
だから理解できないでしょ。
唯一外資系だったIBMが拾ってくれたんですよね。
ここなんすよ、日本の弱さって。そういう決められたルートから外れた能力を見定める能力はないんですよ。そうじゃなかったら、もっと日本の電機大手は株価上がってます。
それで、IBMに行くことにしまして。IBMは当時ですね、Appleのですね、最初の方、液晶ディスプレイがまだ珍しかったぐらいの時にすごい綺麗なディスプレイを出して、実はそれがIBMの製品だったっていうとこです。
あ、へえ。
で、僕は最初、液晶パネルの工場のパラメーターチューニングであるとか、そのラインの最適化とか、そういうのをやってたんですね。
へえ。それはソフトウェアの?
そういう意味では組み込みなんですよね。本当に制御したりとか、液晶パネルのソフトウェアの最適化とかをやってたんですけど、その工場を閉めるということで、割と人が辞めたんですけど、僕は新入社員だったこともあって、当時中央林間に大和ラボっていう研究所があったんですけど、そっちに配属変更になりまして、Cell Broadband Engineっていう、かなりマニアックなチップと出会うんです。
PlayStation 3の。
そうです。メインプロセッサーとして有名な。
ソニーを地獄に突き落とした、あのCell構想。昔はソニーも鼻息が荒くて、今みたいなサラリーマン企業じゃなかったんですよ。このPlayStation 3にそのCellチップっていうものを内蔵して、このPlayStation 3をグローバルでばらまいて。今のGPUってそのGPU同士を繋げて演算をするんですけども、PlayStation 3を使って分散演算をするようなことを構想して、このPlayStation 3の超オーバースペックのCellチップを開発して実装したんですよね。それでPlayStation 3がもうすっごい高くなっちゃって、6万とかですよ。そう、で、任天堂のWiiが2万円とか3万円で出してきて、もうみんなWiiとか言って、PlayStation 3が売れなくなっちゃって、ソニーが大赤字をこくと。
そのCellなんですが、Cellチップ自体はソニー、東芝、IBMの3社で作ったプロセッサーだった。
実はそうですね。各社それぞれ、ソニーはプレステに使うし、東芝さんは家電、レグザの画像処理とかに使う。でIBMはスパコンに使うとか、あと医療画像機器に使う。
あ、結構プロフェッショナルに。そうか。だってプレステ3をアメリカの国防総省が何百台か購入して。
あ、よくご存知。2200台買って。
で、大規模スパコンにしたんでしょ、これ。
そう。あれ受注したのうちです。
ええ。
あれフィックスターズのUSが受注してるんですよ。
ちょっと待ってください。それは何をやったんですか?
IBMにいる頃はCellプロジェクトに入りまして、主には医療画像処理ボードを作る。
制御ボード。
制御ボード、画像処理ボードですね、のソフトウェアとか。
ここでも動くんですか?Cellチップ。
Cellチップ動くんですよ。
へえ。じゃあ汎用的で、コアもなんか多かったですよね。
当時まだ2004年の時に10コアっていう。
すごいよ。IntelのCore Duoがもう最高だみたいな時にね。
10コアです。
10コア出てきた。
しかもホモジニアスって、同じコアが10個ではなくて、ヘテロジニアスって言って、異なる性質を持ったコアが10個っていう。
え、じゃあIntelがEコアとか言ってるようなものを当時から作ってたってことですか?
そうですね。一般的な演算をするコアが2つと、もう画像処理に特化したかなり特殊な、そうですね、今でいうGPUとかDSPみたいなコアが8個と。これを使いこなさなきゃいけないっていう、相当ソフトウェア的には難しいプロセッサーだったんですよ。このCell上で動くソフトを書ける人が、まあいないと。
あ、いないんです。
ソニーよくそんなもんやりますね。
実はよく知られた話なんですけど、プレステの初期のタイトルって、この8コアが誰も使えなかったんで、こっちの2コアで動いてる。
2コアで動いてる。
そう、そう。だから実はパフォーマンス良くないんですけど。
あ、そうなんですか。じゃあ後半になってくると。
こちらの使いこなしもだんだん分かってきて、綺麗なグラフィックが出るようになるんですけど、初期のタイトルはね、この2コアで動いてるので、グラフィック実はそんなに良くないんです。
作ったのに誰も理解できないっていう。
プログラムが本当に大変で。ちょっとそこに目をつけたフィックスターズっていう会社が、私その時IBMだったんですけど、何やらもうそこに特化して、とにかくCellのソフトを書くと言えばこの会社だみたいなとこで、ぐっと来てたんですね。
当時からちょっと尖ってたわけですね。
割ともうその時から。その10個のプロセッサーをまず使いこなせることがすごいし、そこしかやらないソフト会社なんておかしいじゃないですか。
尖ってますよね。
当時まだね、Webとかね、やってたら。
そうだよね。Webの時代だったし。
はい。組み込みじゃないですよ、その2000年とかね。
そんなCell信仰みたいなさ。
そう、かなりとんがった会社があって。ただとんがってるだけあってですね、IBMにも話が来てですね、なんか面白い会社っていう話で。その時は僕フィックスターズじゃなかったんで。フィックスターズさんがその医療画像処理ボードにちょっと興味持っていて、自分たちもやりたい。
何をやりたいの?
ソフトウェアを作って提供するっていうことをやりたいということで、IBMとして分かりましたと。じゃあコラボレーションしましょうということで。
IBMのエンジニアとして。
そうですね。フィックスターズさんにちょっとお邪魔して、一緒に開発とかをやっていたんですね。
なるほど。その開発っていうのはソフトの開発だから、例えば医療機器、MRIとかの。
そうですね。とか、CTとかですね。
CTをどう動かすかとか。
そうですね。画像処理の部分。そのチップでどう制御をかけてくかっていうことの周りのソフトを作ってくっていう。まさに組み込みソフト屋なんですけど、そこを普通の人が書くと、例えば1フレーム処理するのに何十秒とかかっちゃって売り物になんないと。それをフィックスターズのエンジニアが書くと、平気で本当に10倍とかにして、1秒で終わるとかですね。そういうのはすごい得意な会社で、そこに興味持って僕はエンジニアとしてサポートしてたんですけど、いつの間にかですね、取り込まれたというか。
吸収された。
ジョインすることになりましたって感じです。
なるほど。それ入ったのが何年頃なんですか?
フィックスターズは2008年ぐらいですね。
2008年頃で。今資料見るとなんかNVIDIAのロゴとかあるじゃないですか。これNVIDIAともコラボレーションしてくんですか?
そうですね。Cellをずっとやってたんですけど、2008年、9年ぐらいに、NVIDIAがCUDAと言われるものを出した。今をときめくソフト。
はい。
それまではもう単なるグラフィックスボード、ゲーム用途のチップだったんですけど、これを汎用、例えば画像処理とか、あとコンピューターシミュレーションとか、それに使えるんじゃないかっていう思想がありまして。当時はCUDAがなかったんで、特殊なグラフィックス用の言語を無理やり使って演算してたんですけど、それをNVIDIAがCUDAっていう割とC++に近い言語で書けるようにして、一般に公開したんですね。
そうです。これが今のAI時代の発信だ。
もう本当に最初ですね。
だからディープラーニングのトレンドが始まる前ですよ。
もうずっと前ですね。はい。だから汎用に使ってて、フィックスターズとしてはですね。
何をやったんですか?それNVIDIAと。
NVIDIAとはですね、本当の本当に最初はCUDA自体がまだ全然広まってなかったので、実は私がですね、毎月NVIDIAの日本支社に行ってですね、CUDAセミナーを毎月僕がやってました。
え。
NVIDIAに代わって、なんかちょっとエバンジェリストみたいな感じでCUDAセミナーをやってました。割とその黎明期のCUDAの日本での普及には、だいぶ貢献したかなと思って。
で、TSUBAMEとか。
TSUBAMEはあんまりインタラクションなかったんですけど、もちろんよく存じ上げてます。
なるほど。知らないと思うんだけど、顔うざいから。最初にね、このGPUで大規模にスーパーコンピューターで処理したの日本だったんですよ。確か東工大のTSUBAMEっていうスパコンにCUDAで組み込んだんですよね。
はい。そうですね。CUDAでは、はい。
それを見た、NVIDIAの事業部長だった林先生いるじゃないですか。
お会いしたことはない。
ちょうど今週会ってきたんですよ。
あ、そうなんですね。はい。
で、それを見て、今ここはNVIDIAの時代だっつって、その林さんはNVIDIAに転職してくんですよ。
なるほど。
CUDAを作った。
そうですね。僕らはCUDAを使った。やっぱり組み込みソフトウェアをやっていて、CUDAを使って、Cell以外の画像処理とかをCUDAでやったりとか、そのアプリケーション開発をずっとしてて、事例も溜まってきたので、ある時急にですね、NVIDIAのCEOのジェンスン。
ジェンスンが。
ジェンスン・フアンが来た。
ジェンスン・フアンがうちに訪ねてきました。ありがとうと。
ええ、あのジェンスンが。
貢献してくれてありがとうって感じです。
ジェンスンとも親交があるし、テンストレントのジム・ケラーとも親交を持ってる、日本で数少ないエンジニアですよ。
でももうジェンスンも今神様なんで、多分もう忘れてると思います。
確かありがとうっていうのは、このCUDAを育ててくれてありがとう。
そうですね。事例もいっぱい紹介してたので彼の目に止まって、2回来てくれてですね。で、うちからはCUDAのデモをしたりとかで。今でもよく覚えてるんですけど、そのデモとか終わった後に、最後にアキ、とか言って、NVIDIAとしてサポートできることないかみたいなことを言ってきて。当時はやっぱりCUDAがですね、制限されていたのか、まだバージョン1.2の話なんで、こういうお客さんがいてこういうことやりたいんだけど、こういう機能がないとなかなか使いづらいみたいな話を何個か言ったんですよ。で、今もよく覚えてるんですが、当時まだiPhoneがない時代で、BlackBerryっていうのがあったんです。知ってます?
知ってる。
パチパチパチって。
iPhoneの前に一世を風靡した。
言ったその場でジェンスンがなんかこう、カーって書いてオン、つって。
はい。
何やってんだろうと思って。僕はじゃあバイって言った後に帰って自分のパソコン開いたら、NVIDIAの偉い方からめっちゃメール来てるんですよ。
ああ。
ジェンスンからアキをサポートしろって来たんだけど、と。いやすごいなと思いました。
即決断。
即決、即速だもん。やっぱり技術をよく分かってるっていう。
そうね。自分もエンジニアですからね。ジム・ケラーもそうですけど。
自らエンジニアっていうのは1つ大きいですよね。
そうです。
で、このNVIDIAのCUDAの組み込みを育てていくって。
えっと、Cellをやって、CUDAが来たんでGPUやって、で、その後はFPGAだとか、DSPもやりましたし。いろんなコンピューターが出てきたら、フィックスターズにとっては難しいプロセッサーが出てきてくれた方が嬉しいんですよ。
あ。
そう、難しいプロセッサーを使いこなすのが得意なので。そういう特殊なプロセッサーが出てくるたびに採用してですね、その上のソフトを書いて。あるものは量子コンピューターですよね。量子コンピューターも多分日本企業では1番早いと思うんですけど、ひょっとしたら富士通さんの方が早いかもしれないんですが、もう2017年にD-Waveと契約してるんです、うち。
D-Waveっていうのは、世界で1番最初に量子コンピューターを商用化した、カナダの上場企業です。
当時はまだスタートアップだったんですよ。
ということは、その半導体とかが出てきてソフトを構築してるんだけど、もっと速く動かしたいとか、ゴリゴリの処理を10倍にしたいとか、そういった時にチューニングをするっていうのがフィックスターズの仕事ってこと。
そうですね。そのハードウェアの能力を最大限に引き出すっていうところです。
これなんでそんなことができるんですか?
これはですね、ハードウェアのアーキテクチャーを深く知っているので。
半導体から知ってるってことですか?
そう。結構うちのエンジニアって、例えばですね、Intelさんから新しいプロセッサーが出ましたって言うと、そのスペックをゴリゴリ読むのが好きな人が多くて。
スペックを読むってことですか?
わ、すごい新しい命令が追加されているみたいなね、盛り上がる。
あ、半導体の中の。
命令セット。
命令セットレベルで理解して。
理解して。で、あ、こんな新しい命令セットが入ってるから、ひょっとしたらこの処理はこっちでやったら速くなるじゃんみたいな、そういうのを常に考えてるような会社なんですよね。
じゃあその半導体の処理を鑑みてソフトを作るみたいな。で、そのソフトも半導体の命令セットだから、トランジスタまではいかないけど、回路レベルまではいかないけども、かなり深いとこまで。
かなり深いとこ、その上ぐらいに。こういう処理ができるようになったから、ソフトをこういう風に構築するともうちょっとうまく動く、速く動く。
そうですね。言うと、いわゆるアセンブラレベルでチューニングしてくることもある。さすがに今は少なくなってきたんですけど。
2026年でまだそのレベルまでやってるって。1つの命令セットを鑑みてソフトも構築してく。
そうです。このプロセッサーだったら、例えば同じ行列の掛け算するって言っても、いろんなやり方で行列の掛け算できると思うんですけど、このアーキテクチャーだったらこういう風にプログラム書いたら速いはずだ。同じのは使わないんですよね。そういうチューニングをしていく。逆に言うと、あるプロセッサーで速い行列の掛け算のコードは、他のプロセッサーだと遅い可能性があるんですよ。
そういうことか。
そうです。で、これもっと面白いのは、今ずっと速くするって話してきたんですけど、例えば10倍速くするってことは、逆に言うと、同じスピードだったらプロセッサーの能力を1/10にできるんですよ。要はコストが安くなるんですよ。組み込みでコストが安くなるのすごい大事じゃないですか。もう製造原価に関わってくるんで。より安いチップで同じことできたらコストすごい下がるんです。
そうか。チップの能力は最大化できるわけですね。
そう、そうです。
エネルギーコストも低くなるわけです。
そうです。ランニングも。はい、そうです。
例えばどういう企業がお客さんにいるんですか?今は。
そうですね。これは弊社おかげ様で上場企業なので、公開されてる資料ですけれども、1番のお客様は実はキオクシアさんです。
キオクシア。
はい。
あの、東芝メモリの。キオクシアって、彼らメモリー屋さんでしょ?
メモリー屋さん。
関係ない気がするんですけど。
そう思われがちなんですけど、結構メモリの世界もですね。当然そのNANDフラッシュメモリーっていうのは品質って大事ですし、そこにキオクシアさん投資されてるんですけど、それも大事なんですけど、このフラッシュメモリーを制御する方のマイクロコントローラーの性能も同じぐらい重要なんですよ。こっちがいくら素晴らしい半導体を作っても、制御の方が遅いと。
うん。
最大性能出ないんですよね。
ということは、NANDにどういう風に記憶を書いていくか。
そうです。そうです。
アルゴリズムをどうするかとか、それを制御してる制御半導体があるわけですね。NANDと一緒に載ってて。
はい。そうですね。コントローラーがあって。
それのソフトウェアを。
ソフトウェアをチューニングすることによって、NANDの能力を最大化するわけですか?
そうです。そうです。逆に言うと、ここが遅いと、もうすごい遅いSSDになっちゃうんですよね。なので、まさに組み込みですよね。そういったとか、あはさんとか。
ああ。
車載の自動運転する時にどういう処理をしてくか。あれも本当に画像処理で、かつ電力とかも計算能力も限られた中で。例えば皆さん、ADASって分かります?先進運転支援システム。
支援システム。レーントレーシングとか、あとブレーキアシストとか。
あれも全部その車載のプアなプロセッサーでやんなきゃいけないんで。
そう。なんでプアかって言うと、テスラはね、ボールグリッドアレイにして7nmとか載せてるわけですけど、やっぱり人の命を預かるから全然思想が違ってて。自動車は旧来のプロセッサーで、QFPとかね、絶対にヒートサイクルしても壊れないような構造になってるんですよ、実は。だからテスラって車のエンジニアからすると許せない部分があるんだろうなって思いますね。
ああ、なるほどね。
だって人乗せてんのに、BGAで基板に接合して、ヒートサイクル10年して、本当に自動運転できなくなるんじゃないのみたいな。要するにBGAのところに亀裂が入ったら、もういきなり自動運転が急に終わって事故るわけですよ。だからなかなか先端プロセスを使えないっていうのが普通の自動車メーカーの事情なので、要するに最先端の半導体を使えないがゆえに処理能力がプアなんですよね。
そう、そう、そう。
で、そのプアの中でソフトをどう構築してくかっていうこともお手伝いして。
その命令セットを読んで、最適な処理を流すことができると。
そう、そう。プアな中でも安全のスペックはあるわけで、それをちゃんと満たすソフトを書くってことです。
そういうこと。新しいお客さんってどういったお客様かと言うと、処理はしたいけども半導体のスペックがへぼいとか。だけどフィックスターズさんに頼むとできちゃったりするわけですね。
そうですね。なので、それがちょっと最近の話に繋がってくるんですけど、それまではそういう意味ではすごいニッチだったんですよ。プアなやつを速く。まあ速くしたら誰でも嬉しいんですけど、別に十分速いと、普通の処理は。まあ、これでいいですっていう感じが多かったんですけど。なので特殊な医療画像機器であるとか車とか、特殊なところでお手伝いさせていただくことが多かったんですけど、ご存知の通りAIが来たと。
AI来た。
もうAIも処理が。
もう処理が大変ですから。
確かにインファレンスで膨大に処理してるから。
あれは例えば10%でも処理が速くなったら、電力10%削減できるのと一緒なんで。
GPU半導体の石を10%買わなくていいから。
そうです。そうです。NVIDIAのチップも高いので。同じ処理するのに、NVIDIAのチップ、例えばH200を16枚とか必要なのを、8枚で済みますとか。
なるほど。
なのでAIのことが来たので、最近はもう本当にAIのこれなんとか速くしたいとかですね。
じゃあ会社で使う専用LLMみたいなものも、最適化しチューニングして、少ない石で処理できるようになるっていうことです。
そうです。まさにそういう製品を今作ってまして。
へえ。
Fixstars Vegaっていう製品を今作ってまして。
ベガ。ベガって星からつけてんですか?アルタイル、ベガ。
そう、そうです。弊社の名前に星が入っているので。
え、フィックスターズってどういう意味?
フィックスドスターズっていう意味で、恒星ですね。常に光り輝く星っていう意味でフィックスターズっていうんです。
へえ。あ、そういう意味なんですか。じゃあ天文学が。
それはたまたま。
あ、たまたまか。
たまたまなんです。
それでベガは何ができるんですか?
ベガはですね、組み込みエンジニア向けのローカルLLM環境なんですね。
おお。
で、組み込みのエンジニアって、結構AIの使用が制限されてることが多いんですよ。
え、どういうことですか?
つまりですね、例えば皆さんご存知のチャッピーとか、ソフトエンジニアだとClaude Code。
Claude Code。
あれ全部クローズドシステムで、ネットワークに行って帰ってくる。ということは、その機密情報とかチップの詳細情報とかを上げなきゃいけない。
そういうことか。それ上げにくいのか。
抵抗があるお客様が、特に製造業は多くてですね。そうすると社員には、AIは使うなっていう話がある。
ですけど、もうね、極端。もうね、俺許せねえのが、日本企業はこういうさ、てこの原理があるのに、リスクがちょっとあるから使うなっていう判断をするわけですよ。いや、できる方法、おそらくだけど、普通のエンジニアだったら、こういうソリューション出てきてるから、オンプレで動くシステムとかあるんだろうなって、普通そこだけ思うはずなんだよね。なんでかって言うと、この世の中、自分が考えることは絶対誰か考えるから、そのソリューションがあってしかるべきって、僕は考えるんですよ。
で、それを作ったわけです。
そう、そう。まさにそれをお望みのお客様が増えているので、うちで作って、ローカルLLM環境でセキュアにバンバンAIを使っていただけるような、アプライアンスシステムを作ったんですね。
ということは、サーバーラックとかでポーンって提供するんですか?
そうですね。お客様次第なんですけど、こういういわゆるワークステーションタイプに入れてお届けすることもできますし。
あ、ハイパフォーマンスPCとしてお届けすることもできる。
できるし、ラックマウントサーバーでもいいですし。同時に使うエンジニアの数で大体決まります。
でもそのハイパフォーマンスPCが来たとして、組み込むために最適化して欲しいですみたいなことをやると、その半導体用に最適な組み込みを書いてくれるってことです。
そうですよ。そういうスキルを内蔵してます。
すご。
もちろん完全に全部ではないんですけど。
これすごいじゃん。絶対使いたいと思うんですよ、これ。なのに、分かってないクソ役員がリスクがあるから使うなとか言ってきて、はあ、何こいつみたいに思ってるはずだよ。だけど転職するのめんどくさいしみたいな。だけどこのサーバーラックを買っちゃえば。サブスクなんですか、これ。
はい。サブスクですね。
なるほどね。
はい。ハードも込みでサブスクです。
全部自分でコード書くより、絶対こっちでやった方がいいじゃん。セキュアでオンプレで。
そう。弊社内でも衝撃が起きた出来事がありまして。うちはエンジニアのランクが、エンジニアとかシニアエンジニアとかリードエンジニアとかランクがあって、エグゼクティブエンジニアっていうのが1番上にいるんですね。エンジニアのラダーとビジネス側のラダーが別枠でうちはあって、エンジニアの方も昇進できるようなシステムになってるんですけど。うちの最高峰のエンジニアの1人がですね、エージェンティックナイトっていう勉強会をですね、2ヶ月に1回ぐらいやってるんですけど。
うん。内々のですか?
内々のやつで。そこでそのうちの最高峰のエンジニアの人が、僕は最近もうここ半年、1行もコード書いてません、と。みんながどよめいて。
え、これでやってるってこと?
Claudeも使うんですけど。その時はまだベガがなかったので。ただ、彼もベガも今使ってますけど。仮にUさんと言うんですけど、え、マジ、Uさん1行もコード書いてないの?みたいな。フィックスターズはバリバリコード書く文化なので、みんなすごい衝撃が走って、これやんなきゃ俺もみたいな。
じゃあ、バイブコーディングしてるんですか?
いや、もう指示ですね。使いこなしの方。もちろん最後は見なきゃいけないんですけど、Uさんはその辺も技術的には素晴らしいので。やっぱり使う人の能力によって、AIの使い方、使いこなしのノウハウとか、やっぱり制限あって、あんまりソフト分かってない人がAIを使っても、なかなかうまく使いこなせないっていうのはあるとは思うんですけど。ただうちのベガを使っていただければ、そのフィックスターズのUさんが培った最適化ノウハウが、スキルっていう形であるんですよね。
もう相談しなくても。
もうだからUさんを呼び出すイメージです。
じゃあ最適になるし、処理も速くなるし、電力も使わなくなるし、チップを買わなくて良くなるわけですよね。
はい。そうですね。あとは昨日のジム・ケラーさんも言ってましたけど、例えばCUDAで動いてるコードをテンストレントに動かしたいとか。さっき僕、行列の掛け算の話したんですけど、こっちで速く動いているアプリケーションが、必ずしもこっちでは速くない可能性があって、そこの最適化も。
なるほど。転換もAIがやってくれる。
絶対売れるじゃん。
そうですね。
今伸びてるんですか?このベガは。
いや、今もう出したばっかりなんすよ。
いつ頃リリースしたんですか?
この動画を撮ってる時はまだリリースされてないです。
あ、じゃあ今後リリースされる。
そうですね。7月リリースだ。今はプレリリースっていうか、限られたお客様にちょっと使ってもらってフィードバックもらったりしてるみたいな感じです。
ベガ、組み込みのエンジニアからしたら超セキュアだから安全性が担保されて、しかも半導体チップの命令セットを鑑みて。
そうです。そうです。
作ってくれる。しかも自分のノウハウじゃなくて、今までのフィックスターズのノウハウが詰まってます。
詰まってると。しかもこれ一流企業に使われてるわけですね。
まだリリースされてない。
あ、だけどフィックスターズの。
そういう意味では、フィックスターズのエンジニアがキオクシアさんとか東芝にサービスとしてやってたのをAIにしたっていう。
そういうことですよね。だからもうお墨付きですと。
はい。
ということで今後がサブスク。
そうですね。うちとしては一押しの製品で、かつUさんは今もそのスキルを育てているので、もう来月にはまた違うスキルがつく。
すげえ。
はい。
どんどんどんどん他の企業からも引き合いが来るんじゃないですか?
いや、そういう意味では、いわゆるAIをやってる人は、その企業内の最適化エンジニアとの戦いになるので、どう判断されるかですね。いや俺らは自分たちでやるよっていう方が多いとは思うんですけど。でもなんていうか、最適化ってAIの研究の本質ではないんですよね。
あ。
なので、そこはじゃあフィックスターズにお任せしようよっていう会社が出てきても全然おかしくないと。もっとその上流の研究にフォーカスするから、最適化はベガでって採用していただけると弊社としては嬉しいですね。
なるほど。
はい。
ではこんなくらいで。
はい。
ということで本日は、パフォーマンスエンジニアリングのフィックスターズの浅原さんと対談をさせていただいて。半導体のトピックだと思うんですよね。最近は半導体の動画が多いんですけども、工作機械、ファクトリーオートメーション、フィジカルAIとか。
フィジカルAIにもばっちり使っていただけます。
あ、そうなんですか。
もうやっぱり制限されてますから、消費電力とか。
ああ、そういうことか。
それ下げられますんで。
だから消費電力を下げたいアプローチとかでもいいわけですね。
そうですね。必ずしも高速化だけじゃないんですよ。消費電力下げたいっていうのも。
そういうことか。限られた能力だけを使って最適化することによって、消費電力も下がります。
下がって。
で、チップをもうちょっとグレードの低いやつにして。
全体の単価を下げ。
ハードのコスト下げたいとかはできるのか?
できます。できます。組み込みはまさにそれですね。特にフィジカルAI。
確かに。
もっとプアなチップでいけるんで、もっと安くなります。
これもいけるらしいです。OTのことやってるんで、製造業で働いてる方は是非チャンネル登録いただいて応援いただきたいと思いますし、今日ためになったという方はいいね押していただければ幸いでございます。ということでまた次の動画で会いましょう。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
じゃあね、バイバイ。
皆様お疲れ様でございました。2026年残り少しでございますが、ちょっと案件動画やりすぎて、PR動画が減っておりますので、PR動画を募集させていただきたいと思います。皆さんですね、ホームページからでも結構です。Xはなかなか連絡が届かないからダメです。メールでご連絡いただいても結構です。この動画見ましたといった方はですね、なんと15%オフでございます。
皆様、弊社のチャンネルですね、こうなっております。性別は男性が95%、女性はほぼ0です。わずか5%です。非常に男臭いです。さらに年齢層は45歳から55歳。ちょっと加齢臭がするあたり。いや、違います。決裁権者の男性が素晴らしく見てるチャンネルということでご理解いただきたいと思います。
皆様、展示会いつものように出してるんじゃありませんか?もう古いです。展示会なんとなく出してるけど、名刺500枚集まりました。これどうなるんですか?マーケティングしてるんですか?してませんね。空中線で電話かけてますか?してませんね。そこから実際の引き合いになりますか?なりません。ほとんどなりません。なのに場所代だけで数百万。上物は数百万。さらに人が20人いるとすれば、1人当たり1日チャージ5万円でござい
ますから1人当たり3日いると15万円プラスですね、宿泊費合わせて20万円です。それが20人もいたらそれだけで400万円でございます。車のPR動画約400万円ぐらいになっておりますが、3日間とは違います。永続的にPRが可能でございます。
こちらプランでございまして、プレゼン形式は300万から500万円でございます。もちろんスーパーはもうちょっと高いんですけども、対談動画だと250から400万円ですね。ショート動画もこのような格安プランで承っております。
過去の実績でございますが、9割のお客様からは良かったねというポジティブな評価いただいておりまして、例えば大手電子部品メーカー、わずか1ヶ月で30リード獲得。恥ずかしい話ですが、ものづくり太郎のPRが1番効果があったとかですね。
台湾協働ロボットメーカー、得られた総リード数は50件以上と、なんとこの動画きっかけで3社とコラボレーションしてですね、そこからの受注も20台以上ということで、この2、3年でですね、4億から5億売上と私は聞いております。
大手CADベンダーですね。どこか分かりそうですね。クラウド型CADソリューションの速を行い、独自のプラグメントと比較し50倍から100倍の効果がありましたと。50倍から100倍ですよ。誰が展示会出すんですかと。
総合電気メーカーからのご依頼でございますが、なんと5回もやりました。効果ありありでっていうことで、是非ご依頼お待ちしております。概要欄からチェックお願いします。
展示会に出すのであればものづくり太郎チャンネルに出す。いいじゃないですか。失敗するか失敗しないか皆様の熱量にかかっております。ということで是非よろしくお願いします。お待ちしてます。お願いします。案件ちょうだい。ちょうだい。
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