ブライアン・ジョンソンの90日間高気圧酸素実験:プロトコル、挫折、そして報告されたバイオマーカーの結果

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概要

ブライアン・ジョンソンは、「私たちは死なない最初の世代なのか」を問うため、数年にわたって長寿療法を試してきたと語る。まだ試していなかった療法のひとつが高気圧酸素療法(HBOT)で、スキューバダイバーや脳卒中患者、トップアスリートにも利用されていると本人は指摘する。ジョンソン氏は、これが「重要な療法」なのか、それとも「結果の伴わない、誇張された長寿療法のひとつ」なのかを確かめようとした。90日間で60回のセッションを行い、その前後でバイオマーカーを測定した。最終的に、HBOTはこれまで行った中で最も効果的な長寿療法だと評価した。一方で、今後どのように継続すべきかは、まだ誰にもわからないことも認めている。

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プロトコルと測定計画

ジョンソン氏の計画は、1回90分のセッションを90日以内に60回行うというものだった。チャンバー内で過ごす時間は合計5,400分になる。開始前には、ベースラインとして幅広いバイオマーカーを測定した。終了時に同じ測定を繰り返し、各マーカーが改善したか、悪化したか、変わらなかったかを確認する計画だった。この前後比較を、療法に価値があるかどうかを判断するための根拠と位置づけていた。

HBOTは特殊なものに思えるかもしれないが、サウナやクライオセラピーと同じように多くの都市で利用できる、とジョンソン氏は指摘する。その利用しやすさこそが、良い結果が出た場合に期待が高まる理由の一つだと考えている。

クリニックに通う代わりにチャンバーを設置

最初のステップはチャンバーの設置だった。15分離れた地元のクリニックにあったのでは、そこで5,400分を過ごすことなど到底できないとジョンソン氏は考えた。時間的コストが大きすぎるからだ。仕事を続けながらも日々のルーティンに療法を組み込む必要があったため、自身のクリニックにチャンバーを設置し、毎日使用した。

起動手順はカメラの前で説明されている。

  1. 電力変換器の電源を入れる。
  2. 加圧をオンにする。
  3. 酸素をオンにする。
  4. システムをオンにする。

操作部はチャンバーの内側にあるため、セッションの開始も終了も自分で行える。マスクを100%酸素の供給源につなぎ、扉を閉めて加圧を開始する。チャンバーは2 ATAに達し、これは水深約10メートル(33フィート)に相当すると説明している。

セッションの流れと期待していた効果

ジョンソン氏によると、圧力を高めることで体を純酸素で飽和させることができる。酸素が増えれば治癒が速まり、ミトコンドリアの機能が向上し、老化が遅くなる可能性もあるという。目標は長寿とパフォーマンス、そして可能であればテロメアを伸ばすことだった。

テロメアについては、靴ひもの先端のように染色体の末端を保護するキャップだと説明している。テロメアは加齢とともに徐々に短くなり、ほつれていく。この短縮は細胞の老化や多くの加齢関連疾患と関連しており、ジョンソン氏はそれを「生物学的時計の針が進む音」と呼ぶ。

各セッションは2つのフェーズを交互に繰り返す。20分間純酸素を吸った後、5分間の休憩を取り、このサイクルを繰り返す。チャンバー内の空気自体は通常の空気と同じ酸素濃度21%に保たれ、マスクを通じて100%酸素を吸う。このサイクルを、高酸素と低酸素の間を行き来するものだと説明している。

実験のきっかけとなった研究

ジョンソン氏は、チームが検討したいくつかの研究を挙げている。

テロメアと老化細胞。 高齢者を対象としたある研究では、HBOTによってテロメアの長さが最大38%増加し、老化細胞が最大37%減少した。老化細胞については、炎症性サイトカインを放出する細胞であり、「要するに体内にあってほしくない悪いもの」だと説明している。これらの数値は長寿分野の基準からすれば驚異的だという。

運動パフォーマンス。 トレーニングや食事を一切変えずにパフォーマンスが向上したことが文献で示されているという。

  • VO2 maxと無酸素性作業閾値が10〜15%向上
  • 握力が7〜10%増加
  • オリンピック・ディスタンスのトライアスロンのタイムが9.2%改善(本人は「タイムの……増加」と述べている)

その他の分野。 組織の健康、肌の健康、マイクロバイオームについても有望な知見があると述べている。HBOTについては「全身の若返りの可能性」を秘めているとまとめている。

初期の迷いと酸素供給の問題

5日目の時点で、ジョンソン氏は不安を感じていた。まだ何千分も残っているのに効果はまったく見られず、最後までやり遂げられるのか疑問に思った。研究では効果は最初から現れるのではなく、時間をかけて積み上がっていくことが示されていると、自分に言い聞かせた。

初期には技術的な問題もあった。当初の酸素濃縮器では酸素濃度が約92%までしか上がらず、プロトコルでは100%が求められていた。チャンバー自体は2気圧に達することができたが、純酸素はまだ用意できていなかった。チームは医療用の100%酸素ボンベを調達し、チャンバーに接続することでこの問題を解決した。

実際に体験してみると

ジョンソン氏は最初のセッションを「独特な体験」と呼び、いくつかの難しさを挙げている。

  • 安全面の不安。 高圧のチャンバーの中にいると、何か問題が起きたらどうなるのかと考えてしまった。カリフォルニアに住んでいるため、地震のことや、どれだけ早く外に出られるかを考えた。2気圧からの減圧は最速でも約2分かかるという。
  • 閉所恐怖症。 友人の多くは、チャンバーの中に入ることすらできなかった。
  • 呼吸。 マスクは窮屈に感じられることがあり、息を吸うときに多少の抵抗がある。
  • 長さと退屈。 セッションは長く、何もすることがないと「自分の考えと向き合うしかない」。

本人の言葉を借りれば、HBOTはこうしたあらゆる面で「本当に試される」ものだという。

30日目:チャンバーを作業スペースに

30日目ごろ、ジョンソン氏は再び最後までやり遂げられるか疑問を抱いた。4つの会社を経営し、毎日複数の療法を行い、その結果についてのコンテンツも制作しているという。

転機となったのは、チャンバー内に電子機器を安全に持ち込めると気づいたことだった。チャンバー内の空気は酸素濃度21%に保たれ、純酸素を供給するのはマスクだけなので、電子機器を中に持ち込んでも安全だ。セッション中に仕事ができるようになると、この療法は楽しみな日課になった。治療を受けている間、最も重要な仕事に集中できる時間が得られたのだ。

肌に特に関心を持った理由

ジョンソン氏は特に肌への効果に興味を持っていた。ある研究では次のような結果が報告されているという。

  • コラーゲン線維密度が12.8%増加
  • 弾性線維の長さが144%増加
  • 線維の断片化が90%から10%に低下
  • 血管数が40.9%増加

これをもとに、HBOTは「世界最高の全身の肌若返り療法」になりうると述べ、こうした結果は他の方法ではなかなか得られないとしている。個人的な理由もあった。チームは子どものころに受けた日焼けによるダメージを改善しようとしてきたが、ほとんど成果が出ていなかったのだ。

報告された結果

90日間にわたって生活をこの療法中心に組み替えたのに、すべてが無駄に終わる可能性もあったとジョンソン氏は認める。結論としては、やる価値があったという。60回のセッションの後、全身にわたってバイオマーカーが改善したと報告している。HBOTはこれまで行った中で最も効果的な長寿療法だと「言ってもよいだろう」と述べる。要約するのではなく、改善したマーカーを一つずつ紹介することにした。

炎症。 全身の炎症の指標である高感度CRPは検出限界以下だった。これを「驚異的な結果」と呼んでいる。炎症はしばしば病気や機能障害の最大の要因であり、そのプロセスは「インフラメイジング(炎症性老化)」と呼ばれると説明する。本人の言葉では、HBOTは「私の体の炎症をゼロにした」。

VEGF。 血管の成長を促すシグナルであるVEGFが300%増加したと報告している。人体には6万マイルを超える血管があると指摘する。新たな血管がどれだけ増えたのか気になったが、その数値は持ち合わせていないという。

アッカーマンシア。 HBOTを始める前、腸内細菌のアッカーマンシアは検査で検出されなかった。2か月間アッカーマンシアのサプリメントを摂取していたが、それでも検出されないままだった。HBOT後には1,000%増加したと報告している。アッカーマンシアは腸管バリアの健全性や代謝の健康と関連しているという。この変化は、サプリメントとHBOTが組み合わさって体の吸収が改善したためだと考えている。

認知症のマーカー。 「pal 127」と呼ぶマーカーを挙げ、アルツハイマー病に特異的なものだと説明している。これが28.6%低下した。もともと基準範囲のリスク閾値を下回っていたが、それでもこの低下を「かなり劇的」と評している。

肌。 視覚的に最も劇的な変化は肌だったという。コラーゲン、エラスチン、断片化に関する知見は読んでいた。それを自分の肌で目の当たりにし、全身の肌の健康が一変したと語る。紫外線による肌ダメージのマルチスペクトル画像では、10%を超える改善が見られた。

テロメアの詳細

テロメアの結果は長寿コミュニティで注目を集めるため、ジョンソン氏は丁寧に説明している。

2024年3月のベースラインは11.4 kbだった。HBOT後は11.7 kbで、2.6%の増加となった。65歳以上の研究対象者では最大38%増加したことと比較している。自分はもともと非常に健康だったので、高齢の集団のほうがはるかに大きく改善するのは驚くことではないという。

参考までに、11.4 kbも11.7 kbも10歳児のテロメアの長さに相当するという。増加は約300塩基対だった。人は年間およそ20〜40塩基対を失うため、この増加はおよそ10年分の老化に相当すると説明している。こうした詳細を示すのは、研究で何が可能だと示されたのか、そして自分が何を経験したのかの両方を視聴者に知ってもらうためだという。

未解決の問題:どれくらいの量を、どれくらいの頻度で?

実験を終えたジョンソン氏は、続けるべきかどうかという問題に直面している。何人かの専門家と話したが、「最も正直な答えは、誰にも本当のところはわからないということだ」という。現在の考え方では、3か月ごとに20回のセッションが適切かもしれないとされている。

本人の説明によれば、維持の目的は、幹細胞、VEGF、血液細胞を作るよう体にシグナルを送り続けることだ。目標は体を「ちょうど十分に、しかし過剰にならない程度に」刺激することである。Blueprintでの取り組みから、「用量が毒であり、用量が長寿の効果でもある」ことを学んだという。チームで実験を行って適切な維持量を見つけ、その結果を共有すると述べている。

視聴者へのアドバイス

HBOTに関心のある人に対して、ジョンソン氏は構造化されたプロトコルに従うことの重要性を強調する。よくある間違いは、セッションの間隔を空けすぎることだという。効果を積み上げるには、限られた期間内にセッションを行う必要がある。

費用については、クリニックの料金は「1回あたり数百ドル程度かもしれない」と見積もっている。HBOTの人気が高まるにつれて施設が増え、価格が下がることを期待している。また、適切な方法は個人の状態によって異なる可能性があるため、まず医師に相談するよう勧めている。

クリニック認定の計画

ジョンソン氏は、必要な専門知識を持つ適格なHBOT提供者を見つけるのに人々が苦労するだろうと予想している。チームは、エビデンスに基づくアプローチをとるクリニックを認定する「Blueprint Quantified」と呼ぶ取り組みを進めている。

レベル1、2、3という段階的な認定の可能性について説明しており、詳細は変更される可能性があるという。認定クリニックは、ベースラインのマーカーを測定し、療法を行い、再び測定するというプロトコルに従う。そうすれば患者は、自分の具体的な悩みに対して療法が効果を上げたかどうか、検証可能な答えを得られる。

ジョンソン氏は、これが医療と治療成果の向上につながると考えている。自身の実験における中心的な未解決の問題、つまり最初の60回のセッション後にどの維持量を採用すべきかは、依然として答えが出ていない。チームで検証を続け、結果を報告するとしている。