個別案件を「反復単位」に変える:モジュール化・データ・資本戦略の関係
東京大学FoundX建設、エネルギー、ロボティクス、データセンターのように、現場ごとに条件が変わる事業は、需要があっても規模を拡大しにくい。FoundX Review Startup IdeaCastの今回の回では、こうした事業の案件を「反復可能な単位」に作り変える戦略を取り上げた。解説役は、AIでまとめた分析資料をもとに説明した。解説役の考えでは、設備を小型化したりコンテナに収めたりするだけでは足りない。顧客の選び方から施工、検査、契約、データ取得までを一つの反復工程として設計して初めて、学習曲線が働き、低コストの資金にもアクセスできるようになる。番組では、聞き手が問いを挟みながら、成功例と失敗例、実行の順序、資本構成の移り変わりを順に検討した。
なぜこのテーマを取り上げるのか
番組はこれまでハードウェア系のスタートアップを多く紹介してきた。解説役はそのうえで、建設やエネルギーのような事業に共通する問題を指摘する。需要があっても案件を実行するオペレーション体制を組むのが難しく、資金も不足して成長が止まりやすい。売上を増やすたびに人を増やす必要がある事業や、一品物の案件が続く事業では、規模の優位性が生まれにくい。
そのため解説役は、プロジェクトを反復単位にすること、つまりモジュール化しないとスケールしないと考える。さらに、スケールしたときにモジュール化ができていれば、使える資金調達の手段も変わってくる。今回の回は、これまで個別に扱ってきたモジュール化の話を、事業設計と資本戦略の観点から整理し直すものになっている。
全体像:運用の標準化から資本の拡張へ
解説役は全体像を「運用の制約から資本拡張への因果連鎖」と表現した。モジュール化によってオペレーションが楽になる。すると、プロジェクトファイナンスや証券化といった低コストの資本を使いやすくなり、さらに成長できる。ここで大事なのは、簡単に作れることではなく、再現性を持てることだと解説役は強調する。
ただし、単にモジュール化すればよいわけではない。まず顧客の要望を聞き、どの条件とどのモジュールなら成果を保証できるかを考える。そのうえで、案件が変わっても変えない「接続面(インターフェース)」を確立する。例として解説役は、配管の大きさ、電圧、通信規格などを挙げた。こうした接続面を固定すると、案件ごとのばらつきが小さくなり、手戻りなく同じ単位を繰り返せるようになる。
この仕組みはデータの蓄積にもつながる。条件の異なる案件でデータを集めても比較が難しい。条件をそろえておけば、データを学習に使えるし、次の資金調達の材料にもできる。こうした流れを作るために反復可能性が重要だ、というのがこのアプローチの全体像である。
小型化・コンテナ化だけでは足りない理由
聞き手は、なぜ設備の小型化やコンテナ化だけでは不十分なのかを尋ねた。解説役の答えはこうだ。設備が同じでも、現地調査、基礎工事、電源、系統接続、許認可、保証などが毎回違えば、見積もりや工期は大きくぶれる。特にエネルギー分野では現地調査の比重が大きい。さらに、顧客側の制約や受注条件を一定にしておかないと、顧客との調整作業が残り、時間がかかる。
したがって標準化には複数の意味がある。認証のような外部の標準もあるが、解説役が重視するのは内部工程の標準化だ。案件の選定、接続面、施工、契約、検査までを含めて標準化することが、設備を小さくすることとは別の重要なポイントになる。
Redaptive、Enpal:標準化が資金調達の方法を変えた例
運用の標準化が資金調達の方法を変えた例として、解説役はまずRedaptiveを紹介した。Redaptiveはエネルギー関連のサービスを提供するスタートアップで、企業施設の診断、設備導入、資金提供、保守を手がける。効果は独自のメーターで計測する。顧客は初期投資なしで設備を導入でき、契約はエネルギー削減や発電の成果に連動する性能契約になっている。
Redaptiveは、診断から施工契約、継続契約までを一つの反復工程にまとめ、その資産群をクレジットファシリティに接続している。Sunrunが住宅用太陽光を中心とするのに対し、Redaptiveは大規模な企業施設のポートフォリオを対象にする。成果を計測する標準的な手段を持っているため、顧客への請求と金融機関への説明を同じデータで行える。解説役はここに、計測からファイナンスまでがつながった構造を見ている。
似た例として挙げたのが、ドイツのEnpalだ。Enpalは住宅用の太陽光、蓄電池、ヒートポンプを手がける。住宅用設備でも運用実績をもとにリースやローンを用意し、複数の住宅のローン債権やリース債権をまとめて資本市場に接続し、証券化まで進めているという。
参考資料として解説役は、気候テック向けにプロジェクトファイナンスの利用可能性(バンカビリティ)に至るまでをまとめた創業者向けガイドを紹介した。その資料は、新技術の大規模導入では技術だけでなく、開発、保険、契約、金融の関係者を組み合わせてリスクを下げ、プロジェクトファイナンスにたどり着く道筋を説明しているという。
問題の構造:個別対応が生む悪循環
次に解説役は、このアプローチがどんな問題に効くのかを説明した。出発点は悪循環だ。個別の要求に合わせて注文住宅のように対応すると、反復しない設計や調整のコストがかさむ。毎回設計が違えば、見積もりの誤差や手戻りも出やすい。金融機関から見ると、毎回違うことをしている事業は反復可能なビジネスになっておらず、リスクが高い。審査は厳しくなり、資金がつきにくくなる。その結果、さらに労働集約的な対応に頼り、また個別要求に応える。
売上が増えても、設計者やプロジェクトマネージャーなどが比例して増え、利益が出ず生産性も停滞する。解説役によれば、スケールを阻むのは需要不足ではなく、案件ごとの複雑さによる供給能力の限界と、金融面で求められる確実性を満たせないことだ。人員を増やせば短期的には受注を処理できるが、それは資金調達にはつながらない。
顧客の選択肢と内部工程の共通化を分ける
聞き手は、個別対応を減らしても顧客から見える価値は保つように設計するのか、と尋ねた。解説役は「外部の多様性」と「内部の対応性」を分けることだと答えた。顧客にはある程度の選択肢を残し、社内では共通のモジュールとルールで処理する。
例として挙げたのが、以前番組で紹介したRobCoである。RobCoはロボットのモジュールを組み合わせて顧客の要望に応える。すべての選択肢を用意するわけではないが、モジュールの組み合わせで提供できる範囲の選択肢は残し、社内には組み合わせのルールを持っている。顧客の要望をすべてではなく大部分を解決できる反復可能な設計にしておくことが、設計上とても大事だと解説役は言う。
そのうえで、どこまで要望に応えるかを見極める必要がある。これはSaaSで機能追加をどこまでやるかという判断に似ているかもしれない、と解説役は述べる。ハードウェア系であれば、基礎技術や施工方法まで変えるような要望が来たときには、断ることも必要になる。
反復単位化が成り立ちやすい市場、成り立ちにくい市場
解説役は、このアプローチが成り立ちにくい条件と成り立ちやすい条件を整理した。
成り立ちにくいのは、要求がばらばらな市場、現場の物理条件や地質が大きく変わる現場、コア技術が頻繁に更新される分野、そして案件ごとに特殊なデザインや意匠が求められる領域である。
成り立ちやすいのは、似た問題が高い頻度で起きる市場だ。加えて、接続インターフェースが安定しているか標準化できること、技術要素がある程度枯れていて課題が統合と実行に移っていること、稼働率やコストなど成果が予測できること、が条件として挙がった。要するに、同じ設計を何回使い回せるかが、適用できるかどうかの分かれ目になる。
聞き手は、その「似た問題の頻度」をどう測るのかを尋ねた。解説役は次のような指標を挙げた。
- 案件のうち標準的な条件を満たすものの割合
- 標準的な部材表(BOM)を一定割合以上再利用できた案件の数
- 例外や設計変更の件数
- 同じ地域で連続して施工できる案件の数
このように案件の類似度を分解して見ていく。要件の分布が限定的で、評価軸がある程度決まっていることが大事だという。技術がさらに成熟していれば、標準化による効果を出しやすく、課題を統合、施工、金融に移していける。それがファイナンスのしやすさにもつながるかもしれない、と解説役は見る。
この関連で紹介したのがDandelion Energyだ。住宅用の地中熱システムを手がける企業で、地中のループ設計から掘削、施工、金融までをまとめて提供し、顧客の調整負担を減らしている。ヒートポンプ単体では販売しない。解説役の印象では、技術要素はそれほど深くないため、住宅側の要件と地質条件をどこまで標準化できるかが事業の成否を左右するかもしれない。屋根置き太陽光と比べると地質の違いがあるぶん標準化しにくい。一方で顧客にとっては、一つ一つ業者と調整しなくても一括で任せられる便利さがある。
何をどう設計するか:適合判定から施工、データまで
設計の具体像について、解説役は事業ごとに違うと断ったうえで、一般的な構成を示した。
出発点は顧客側の条件と既存の資産だ。そこに対して接続条件を定義し、適合判定のアルゴリズムや自動見積もりをAIなども使って回す。その結果に、自社の標準設計、BOM、標準の施工手順を当てはめる。さらにデータ収集、品質管理、遠隔管理を自社でコントロールする。これを実現するハードウェアは自社で作る場合も外注する場合もある。最後にそれらを現地で統合し、施工する。
解説役は、汎用・標準のハードウェアで済ませるために、現場ごとの違いをソフトウェアで判定して吸収するパターンが比較的多いと見ている。現場の写真や設備データ、測定を自社で行い、それをいかに標準に落とし込むかが大事になる。
施工を外部化しても品質を保証できるか
聞き手は、施工の手前を自社で持つなら、施工自体を外部に出しても品質は保てるのかと尋ねた。解説役の答えは、努力すれば可能だというものだった。施工の手順や作業の順序を決め、検査、写真、センサーデータを標準化しておけば、品質を保証できる可能性は高まる。
ただし施工会社にはばらつきがある。そこで施工会社の認証、教育、監査、再施工のルールなどを契約で定め、自社の手順どおりに作業させる。単純な外注ではなく、管理まで含めて設計することがポイントだという。
ハードウェアについても同じ判断がある。汎用ハードウェアは外部から安く調達でき、工場への投資も抑えられる。一方で、供給側の品質や供給停止のリスクを抱えることになる。特殊な部品が重要なら、製造を自社に取り込む選択もある。解説役は、物理資産を持つか持たないかではなく、顧客の成果をどう保証するか、そのために自社がバリューチェーンのどこまでを持つかで考えるべきだと述べた。適合判定の段階で自社の仕組みに合わない案件を断ることも、自社でコントロールできる範囲として重要になる。
Formic と RobCo:何を内製し、何を外部調達するか
内製と外部調達の分け方の例として、解説役はFormicとRobCoを対比した。米国のFormicは、FANUCなどのロボットを利用しながら、用途の選定、設計、設置、監視、保守、SLA、資金提供までをまとめて提供している。汎用ハードウェアは外部から調達し、成果を左右する運用、契約、データを自社のバリューチェーンとして持つ。
RobCoはモジュール型ロボットのハードウェアを自社で製造する。Formicは複数メーカーのロボットを柔軟に使う。解説役の見立てでは、技術の発明よりも顧客が使える状態にするまでの工程に障壁があると考えるならFormic型が向き、ハードウェアこそが重要だと考えるならRobCo型が向く。攻め方がかなり違ってくるという。
参考として、解説役はAndreessen Horowitzのフルスタック・スタートアップに関する記事を挙げた。2015年の元の記事と、2023年のアメリカン・ダイナミズムに関する記事である。これらを読むと、既存企業に技術を売る代わりに、技術を組み込んだ最終製品や成果を提供する考え方がわかりやすいという。
学習曲線と運用データがバンカビリティを高める
反復可能性がなぜ競争優位(モート)につながるのかについて、解説役は次の連鎖を説明した。
第一に、標準化されたインターフェースやモジュールがあれば、個別設計や見積もりを大きく改善できる。ソフトウェアと同じで、「この機能しかないが、この機能で合う顧客には使ってもらう」という形でスケールする。
第二に、歩留まりと学習曲線をたどれる。例えば、手直しなしで基準を満たした施工や製造の割合を上げていける。解説役はライトの法則(累積生産量が増えるとコストが経験的に下がる)に触れ、反復によって失敗率と労務費が下がると述べた。
第三に、運用データを蓄積できる。案件ごとに状況が違えば、データを集めても比較できない。反復可能な状況にしておけばデータを比較・活用でき、稼働率、故障率、残存価値を統計的に予測できるようになる。予測可能になれば資本コストが下がり、バンカビリティが上がる。プロジェクトファイナンスや証券化を使えるようになれば、次のスケーリングの手を打てる。規模の経済が効けば学習曲線がさらに進み、データもたまり、バンカビリティがまた上がる。この正のループを回すことが大事だと解説役は言う。
金融機関に示すべきデータと契約条件
聞き手は、金融機関には具体的に何を説明するのかを尋ねた。解説役が挙げたのは、建設費と完成時期の予測誤差、稼働率、故障率、修理時間、性能劣化の程度、顧客の契約期間や解約率、延滞率、支払者の信用、保守費用などである。悪い条件を想定したときのDSCR(デットサービス・カバレッジ・レシオ)も含め、銀行が気にする点をきちんと見せることが大事だという。プロジェクトファイナンスでは、資産、契約、保険、口座、キャッシュフローの管理の仕組みも見られる可能性が高い。
ただし解説役は、データの量が多ければよいわけではないと念を押した。問うべきは次の点だ。そのデータで競合より正確な適合判定、見積もり、保証判断ができているか。次の案件の粗利、工期、成功率が改善しているか。データの取得が自社の運用工程に組み込まれていて、競合が同じデータを得にくいか。ソフトウェアに反映されて、担当者が変わっても再利用できるか。こうしたモートにつながるデータを蓄積する仕組みがあるかどうかが最終的な判断材料になる、というのが解説役の見方である。
Terabase Energy:大規模太陽光の施工を反復可能にする
比較的バンカビリティの高い太陽光分野の例として、解説役はTerabase Energyを紹介した。米国で大規模太陽光の施工を手がけるスタートアップで、発電所の設計、物流、ロボットによる施工支援、現場データ、運用ソフトウェアを統合している。パネル設置を現場ごとの人力作業にせず、「Terafab」という移動型の施工システムとデジタル工程で同じ施工単位を繰り返し、設置速度、品質、作業人数を改善しようとしている。住宅ごとの小口設置であるSunrunと違い、大規模な現場なので、ロボットを大量に投入して設置を進められるかもしれない、と解説役は位置づけた。
関連資料として、解説役はEclipseが書いた記事にも触れた。物理産業の企業では、ハードウェア、ソフトウェア、インフラ、サプライ、データを組み合わせた多面的な会社を築く必要がある、という内容だという。複雑さは参入障壁になり得るが、それは正しく統合できることが前提だ、とその記事は説明しているという。
成功例と失敗例:Katerra、Fervo Energy、RobCo、Sunrun
事例の検証では、解説役はまず失敗例としてKaterraを挙げた。約20億ドルを調達したのち、2020年に破綻したとされるフルスタックの建設スタートアップだ。設計から供給、工場までを広く自社に統合しようとしたが、多くを自社で保有しすぎた。さらに、標準設計が固まる前に工場設備に投資したため、需要の同質性が足りず、スケールしなかった、と解説役は整理した。
成功例として挙げたのはFervo Energyである。地熱のスタートアップで、掘削を同じ作業の繰り返しにしている。解説役によれば、Fervoは2024年に掘削の学習率35%を発表し、掘削費用が半減したとされる。50MW級の単位を複数並べることで反復可能にしており、初期の商用井に比べて掘削時間を大きく削減できたという。
RobCoについては、標準モジュールを用意し、顧客の現場に合わせて組み合わせ、共通ソフトウェアも提供している点を改めて挙げた。
Sunrunは、住宅用太陽光を反復可能にし、金融と契約を標準化することで証券化につなげた例として紹介された。当初は金融に特化していたが、現在は施工能力も自社で持つ。解説役の説明では、3.8万戸を超えるシステムを束ねた約5.8億ドルの証券化を行って資本コストを下げ、さらに規模を広げようとしている。
実行の順序:用途を絞り、仕様が安定してから資産を持つ
聞き手は、成功と失敗の分かれ目は順番ではないかと指摘し、どの順序で進めるべきかを尋ねた。解説役の答えは次の流れだった。まず用途を狭く、再現しやすいところに絞る。次に、変えない接続面を定める。手作業を含めてよいので何度か実行し、失敗や学びを標準設計や手順に戻す。標準仕様が安定してから、製造設備や資産の保有に進む。解説役はこれを、コンシェルジュ型に近いと表現した。特定の用途で学習を回せるところから入るのがポイントだという。
Veev と BlocPower:外部環境と資本負担のリスク
聞き手はさらに、標準化の成否だけでなく市場環境などの外部要因もあるのではないかと尋ねた。解説役はこれを認め、金利や資本市場は重要な要因であり、標準化が進んでいれば失敗しなかったとは言えないと述べた。ただし、設計、費用、工期の変動が大きい企業ほど、外部環境の悪化に弱いとも付け加えた。
住宅分野のもう一つの失敗例がVeevだ。住宅設計、パネル製造、現場施工を統合し、住宅を反復可能な製品として提供しようとした。需要地の近くにファブを置き、パネル化した住宅を設計・製造・施工する構想だった。Katerraより対象を絞っていたが、必要な資金を継続して確保できなかった。解説役の説明では、累計で約6億ドルを調達したが、2023年に次の資金調達に失敗して事業を停止した。
BlocPowerは、建物の電化改修を手がける。金融、施工管理、自治体との地域プログラムを組み合わせる事業で、もともとNPOから始まった。低所得地域の建物に対し、設備導入費を金融で分散し、複数の建物案件をまとめて回収しようとしていた。解説役は比較的うまくいっていると思っていたが、2026年8月に一部資産の売却と再編を検討しており、すべての債権者に返済できない可能性があると報じられた。解説役はこれを、金融を組み合わせても案件の反復性が不足すると難しい例かもしれないと見る。Sunrunの住宅用太陽光や蓄電池と比べ、建物の種類、改修内容、自治体プログラムが多様で、一定の反復可能性に届かなかった可能性がある、という見立てである。
実践ロードマップ:手作業の反復から設計凍結まで
解説役は、AIがまとめた実践のヒントを3つのフェーズとして紹介した。
- 受付プロセスの標準化。 既製品や外部業者を使ってよいので、写真による判定、見積もり、対象外条件をルール化する。顧客が標準仕様や成果に料金を払うかどうかをここで検証する。
- 接続面の発見と手作業での反復。 創業者自身が数件から数十件の現場に出て、変わらないインターフェースを見つける。それを変えずに複数の案件をこなせるかを判断し、記録する。
- 設計の凍結とパッケージ化。 標準的な作業手順に落とし込み、標準BOM、施工マニュアル、デジタルツインを構築する。繰り返す中で粗利や設置スピードが改善しているか、再現性を確認する。
聞き手は、フェーズ2までの手作業の期間がかなり長いことに注目し、受託事業のままにならないためには何に気をつけるべきかを尋ねた。解説役は、まず目的を決めることを挙げた。手作業で何を学びたいのか、どのデータを取りたいのか、何をもって手作業を終えるのかを事前に定める。同じ判断を何回か行ったらテンプレート化してソフトウェアに移す、という基準も持っておく。手作業は共通パターンを抽出するために行うのであり、成果は案件の売上ではなく、パターンを抽出できたかどうかで評価すべきだという。
設計を凍結するタイミングについても、聞き手は判断が難しいと問いかけた。解説役が挙げた目安は次のとおりである。複数の案件で主要顧客が求める成果やインターフェースが共通し始めた。コア部分を変えず、構成の変数だけで案件を処理できるようになった。主な失敗原因が技術ではなく、施工や運用の改善に移ってきた。こうした段階なら凍結してよいかもしれない、とした。
1KOMMA5°:施工組織を買収して共通基盤に載せる
施工能力の獲得方法の別パターンとして、解説役はドイツの1KOMMA5°を紹介した。太陽光のソフトウェアから始め、各地の太陽光やヒートポンプの施工会社を買収するなどして、その上に共通ブランドを載せていった。施工能力を最初から自社で作るのではなく、M&Aで取得する方法もある、という例である。Sunrunが金融と契約を中心に標準化したのに対し、1KOMMA5°は買収した地域の施工組織を共通のソフトウェアに載せて広げている、と解説役は対比した。
資本戦略:エクイティからデット、証券化へ
最後の大きな論点は、事業を大きくする過程での資本構成の変化である。解説役はこれも3つのフェーズに分けた。
- フェーズ1(技術リスクと初期学習、R&D段階)。 バンカビリティは高くないため、最も柔軟なVCのエクイティや補助金を使う。
- フェーズ2(オペレーションの成熟)。 エクイティも一部使いつつ、運転資金のギャップをデットで埋める。標準データが蓄積し、機器の稼働率や歩留まりが安定していく段階では、この手が取れるかもしれない。
- フェーズ3。 複数の案件を束ね、予測可能な契約収入やキャッシュフローをもとに、低コストのプロジェクトファイナンスや証券化を行う。
解説役は、プロジェクトファイナンスは企業が大きくなれば使えるものではなく、案件単位のリスクとキャッシュフローが見えるかどうかがポイントだと強調した。金融機関は建設遅延、性能、保険、解約などを審査するので、それらに契約で対応できているかを確認しておく必要があるという。
聞き手は、どんな実績があればエクイティからデットに移れるのかを尋ねた。解説役が挙げた目安は次のとおりだ。標準仕様で複数の案件が完成している。建設費、工期、稼働率、保守費などの基本KPIの予測誤差が小さい。信用を確認できる顧客との長期契約がある。技術保証や稼働実績があり、保険、許認可、供給契約がそろっている。新しい技術には銀行がなかなか融資しないためだ。一つの指標で決まるのではなく、案件全体でリスクを分担・分散できているかがポイントだという。
逆にデットを早く使いすぎるリスクについて、解説役はこう説明した。標準化の前にデットを使うと、案件で損失が出たときに返済義務も同時に抱えることになる。特に設置中の設備、在庫、保証の費用が先に出ていくため、成長すればするほど現金が減るのに返済しなければならない状況になりかねない。そうしたフェーズではエクイティのほうがよい。標準化やデータ蓄積が終わる前に運転資金を拡大すると資本構造が破綻することもあるので、どういうファイナンスを意図的に組むかは重要な判断だという。
Crusoe:AIデータセンターを容量単位で増設する
大型インフラの例として、解説役はCrusoeを挙げた。電力、データセンター、計算設備、クラウドを垂直統合したデータセンター系のスタートアップで、プレハブ部品や「Spark」と呼ばれるモジュール型のAIファクトリーを使っている。電力供給済みの外枠を用意し、モジュール型のAI計算設備を段階的に追加できる構造だ。最終規模を一度に建設するのではなく、需要に合わせて容量を足す反復単位を作ろうとしている例だと解説役は評価する。大型インフラでも、変電設備などを含めて増設を共通の単位に分けておけば、建設期間と需要のリスクを段階的に処理できる、というのが解説役の見方である。
4つの原則と、反復できているかを見定める指標
まとめとして、解説役はAIが整理した4つの原則を紹介した。
- 物理設備より先に案件の選び方を標準化する。 対象顧客、現場条件、インターフェースを定義し、何を固定するかを決め、標準外の要求は断る。
- 次の案件が安く・早くなっているかを指標にする。 単なる売上や受注ではなく、見積もり期間、工期、エラー率が下がっているかで、学習曲線が働いているかを確かめる。
- すべての資産を持つのではなく、制御点を所有する。 データ、適合判定、契約、保証といった要所を握って顧客の成果を保証する。ハードウェアを自社で作るかどうかも、それが成果にどれだけ重要かで判断する。ソフトウェアだけで成果を調整できるなら、ソフトウェアだけでもよいかもしれない。
- カスタム案件にはノーと言う。 スケールできるシステムを守るため、非標準の特注案件は短期的な売上を捨ててでも断る規律を保つ。
フルスタックに近くなる場合もあり得るが、すべてを内製するのではなく、制御点を特定し、そこに資本と経営の時間を集中させることが中心的な考え方だ、と解説役は締めくくった。
聞き手は感想として、設備の小型化やモジュール化に目が行きがちだが、最初に何を標準化するかを定義することが大事であり、そのためには現場に出て手を動かし、どこまで標準化するかを自分たちで決める必要があると理解した、と述べた。解説役もこれに同意した。仮説を持って1件ずつ見ていくことが大事であり、仮説がうまくいったときに次の案件のコストや粗利が改善しているかどうかが、本当に反復できているかを見定める一つのポイントになるだろう、と話して回を終えた。
皆さん、こんにちは。FoundXの馬田です。
同じくFoundXの富田です。
今朝Fable 5.1が出てて、早速色々使ってます。
ああ、そうなんですね。どう違いますか、やっぱり。
いや、ちょっとまだわかんないですね。ちょっと安くなってるみたいですけど。
私も使ってみようと思います。
是非。なんかリセットもされてて、だったらもっと早く今週使っておけばよかったなと思いました。
え、あ、そうなんですか。リセットもされてるのは結構いいですね、それは。
はい。ということで、これを使いながらですね、また色々と調査していければと思います。
そんなAIを使ってIdeaCastをやっておりますが、FoundX Review Startup IdeaCastは海外のスタートアップをAIを使って分析しながら、今回はスタートアップの戦略とか事業の組み立て方というところを解説していく形になっております。これからアイデアや事業を考える人たちの参考になればと思います。
最初にディスクレーマーですが、こちらもAIを活用して情報整理しているので、一部情報が古かったり間違っている場合もあります。ファクトを重視される場合は必ずご自身で調べるようお願いいたします。本ポッドキャストは企業の評価とか投資判断を目的とするものではなく、事例から参考情報とか考え方を引き出すことを目的としています。
ということで、今日はプロジェクトの反復単位化ですね、モジュール化みたいな、そういうタイトルで、前回分析したものの1ページ、分析編の中の1ページのこの反復単位化というところを取り上げていきたいと思っています。
確かにモジュール化の話は結構これまで取り上げてきたなと思うので、それのまとめになるのかなと思うんですが、今回この戦略を取り上げる理由ってどういうところでしょうか?
そうですね。これまで私たちはハードウェアとか、そういう系のスタートアップを色々と紹介してきたんですが、こうしたスタートアップとか、建設とかエネルギーとかもそうですけれど、需要があってもその案件を実行できるようなオペレーション体制を組むのが難しかったりとか、資金が不足して成長は止まりやすいというところがあって、売上を増やすたびに人が必要になるような、あるいは一品物が続いていくようなものはなかなか規模の優位性につながりづらいので、このプロジェクトの反復単位化、モジュール化みたいなところをやっていかないとなかなかスケールしないんじゃないかと。で、スケールした時にもこのモジュール化ができているとファイナンスの利用可能性も変わってくるという、結構重要な考え方かなと思うので、ご紹介させていただこうかなと思っているところです。
では早速全体像のお話をさせていただきたいと思います。運用の制約から資本拡張への因果連鎖という形で、スライドが見えている方はスライドをご覧いただければと思いますが、結局、モジュール化とかをしていくといろんな形でオペレーションが楽になって、さらにそのオペレーションが楽になって可能になると、そこに対して低コストの資本が、うまくプロジェクトファイナンスとか証券化とか、そういうところを使ってファイナンスもしやすくなって、さらに成長していけるというようなことを説明しています。やはり簡単に作れるということだけではなく、その再現性を持っていけるということがファイナンス上非常に大事で、ここをやっぱり非常に重視していく必要があるのかなと思っています。
一方で、簡単にモジュール化すればいいというわけではなくて、顧客の要望をちゃんと聞いて、どういった条件とどういった成果であれば、どういったモジュールで成果を保証できるかというところをきちんと考えながら、それでオペレーションを回せるようにして、接続面と言いますか、インターフェース、案件間で変わらないようなインターフェースをちゃんと確立して反復可能にしていく。例えば配管の大きさであるとか電圧とか通信規格とか、そうしたものを案件間では変えないようなインターフェースをちゃんと用意して、そして分散を局所化した上で、手戻りもなくどんどんとモジュールを反復していけるようにする、そうしたことをやっていく。
で、これが実はデータの蓄積にもつながっていくと。異なる要件と言いますか、異なる案件で異なる状況でデータを集めてもなかなか比較できなかったりするので、なるべく同じ条件を揃えてデータもうまく蓄積して、それを学習とか、あるいは次のファイナンスにつなげつつ、ファイナンスをうまく使って大きくしていく。この流れを作っていくために、モジュールのような、反復可能にしていくということが非常に大事だというのが、このアプローチの全体像なのかなと思っています。
物理的な設備の小型化とかコンテナ化だけでは不十分で、この提供する工程全体の不確実性というものをうまく排除して初めて、このファイナンスまでたどり着けるというのがここのポイントではないかなと思います。
今、コンテナ化したり小型化したりするだけだと不十分ということだったんですけど、それはどうしてそれだけだと足りないということになるんでしょうか?
そうですね。仮に設備が同じであったとしても、現地調査とかがエネルギー系だと大事だったりしますし、基礎工事とか電源とか、系統への接続とか許認可とか保証とか、そうしたものが毎回異なると、見積もりとか工期の変動にかなり影響してきてしまうというところがあります。そこも含めてモジュール化していくと言いますか、反復可能にしていくというのがポイントだったりします。
あとは顧客側のインターフェースと言いますか、制約とか受注条件というのをちゃんと一定にしておくということもしておかないと、顧客との調整作業が残っちゃうとなかなかそこも時間がかかっちゃうとかなので、本当にいろんな意味の標準化、認証とかの標準もあるかもしれませんし、内部的な工程の標準化というもので、機器とか案件の選定とか接続面とか施工とか契約、検査まで含んで標準化をしていくというのが、実は設備をコンテナ化したり小型化するだけではない重要なポイントなのかなと思います。
で、ここで例えばですね、Redaptiveというスタートアップ、こちらはエネルギー・アズ・ア・サービスのスタートアップになるんですけれども、これは運用の標準化が実際に資金の調達方法を変えた例として、このRedaptiveというところは、企業施設の診断とか設備導入、資金提供とか保守とか、独自メーターによる効果計測で提供していくというところで、まさにこの顧客に対しては初期投資なしで導入して、エネルギー削減または発電成果にも結びついた性能契約というのを用いているというところです。彼らは診断から施工契約、継続契約というのを1つの反復工程にして、この資産群をクレジットファシリティに接続していくというところです。
いわゆるSunrunとかが住宅用の太陽光の展開を中心にするのに対して、このRedaptiveというところは大規模な企業施設のポートフォリオを対象としているというところで、成果を計測するような標準手段まで持つことによって、顧客への請求と金融機関への説明というのを同じデータで行っていく、ファイナンスまでつながっていく、そうしたものをやっているところがあったりはします。
似たようなところだとEnpalみたいな感じですね。Enpalはドイツのスタートアップですけども、住宅用太陽光とか蓄電、ヒートポンプをやっているところですが、住宅用設備でもですね、同じように運用実績から証券化まで進んでいく、リースとかローンとかまで用意していくみたいなことまで彼らがやって、複数の住宅のローンとかリース債権をまとめて資本市場に接続してファイナンスをやっていくというところもやっているスタートアップがあったりはします。
この辺、ミヘリベンジャーズというところがですね、Unlocking Project Finance for Climateみたいなことで、Funder's Guide to Bankability、いわゆるバンカビリティにたどり着くまでのクライメートテックのガイドみたいなところを用意していて、新技術の大規模導入においてはこの技術だけではなく、開発とか保険とか契約とか金融の関係者を組み合わせてリスクを低減していって、プロジェクトファイナンスまでたどり着くという、そうしたことを記事でまとめているところがあったりするので、こういうところもちょっと見ていただくといいのかなと思いました。
では、このモジュール化、あるいは反復化というところ、どんな問題構造に対して有効なのかというところのお話をしたいと思います。まずは悪循環のケースからお話しすると、個別要求に適用していく、いわゆる受託的に近いところにやっていくと、非反復的な設計とか調整費用がどんどんかかってきて、ここでコストが発生しますと。さらに毎回違う設計とかになると見積もりの誤差とか手戻りが発生しやすくなって、それによって金融機関は、毎回違うことをやっていたらそれって反復可能なビジネスになってないよねという形になって、金融機関からリスクを指摘されて審査が不利になって、ファイナンスもつきづらくなって、その結果さらに労働集約的な対応をせざるを得なくなって、また個別要求への対応をしていくという、そうした悪循環が起こりうるのが、いわゆる一般的な問題と言いますか、状況ですと。
つまり売上が増えてもですね、設計する人とかPMとか、あるいはそこに関わる人が比例的に増えてしまって、結局儲からない、生産性が停滞してしまう。いわゆる需要不足ではなくて、その案件ごとの複雑性による供給能力の限界と金融的制約がなかなか満たせないというところがスケールを阻むところがあります。
もちろん人員を増やして短期的に受注処理はできるんですが、それはファイナンスになかなか紐づかないということで、ここをなんとかしていかなければいけないというのが、まず問題の構造としてあるのかなと思います。
個別対応を減らしていくということにはなってくると思うんですけど、そうした時に顧客から見える価値というのは変わらないように設計していくということでしょうか?
そうですね。まさに外部の多様性と内部の対応性を分けていく必要があって、外部に関して顧客、お客様から見える選択肢というものはある程度残しつつ、自社内では共通モジュールとルールで処理する。多分、昔紹介したRobCoみたいなところで、ロボットのモジュールをうまくつなげて処理していくみたいなスタートアップがあったと思いますが、まさにお客様からは、選択肢を全て提供するわけではないんですが、このモジュールをうまく組み合わせて提供できる範囲の選択肢というのは残しつつ、中ではそれをうまく組み合わせるような仕組みを作っておく、ルールを作っておく、そうしたことが1つあるかなと思います。
そうした意味で、ある意味お客様の全ては解決できないけど大部分を解決できるような、反復可能な設計とかモジュールにしておくというのは非常に大事な設計の部分なのかなという風に思います。どこまで必要なのかというのを本当に見極めておくとか、とはいえお客様からいろんな要望があった時にどこまで対応するのかというのは、ここはSaaSと同じかもしれませんけれど、どこまで機能追加していくのかとか、あるいはハードウェア系でいけば基礎技術とか施工方法まで変える要望があった時には、場合によったら断るということも必要なのかなと思います。
では続いて、どこでこのアプローチが使えるのかというところのお話をしたいと思います。このアプローチですが、成立しやすい条件、しにくい条件があるのかなと思っていて、まずしにくい条件から行きますと、要求がバラバラな市場に関しては基本的にはあまり適さないですと。あと現場の物理とか地質差というものが極めて激しく変わるようなところもなかなか難しかったりしますと。あとコア技術が頻繁にアップデートされるようなところに関しても、ちょっとなかなか難しいのかなと。あと案件ごとの特殊デザインとか意匠性が求められるところは、やっぱりこのモジュール系とか反復化のものは難しいです。
一方で成立しやすい条件としては、やはりこの高頻度で似たような問題が発生しやすい市場においてはうまくはまりやすいのかなと思います。あとは接続インターフェースが安定していたりとか標準化可能だったりするというところに関してもうまくいきやすい、接続面という感じですね。あと技術の成熟度に関しても、技術要素がある程度枯れていて、統合と実行が課題ですというところに関して、このモジュール系は割とはまりやすい。そして最後、価値の源泉というところですが、予測可能な成果、稼働率とかコストとか、そうしたところが予測可能であれば割とはまりやすいところなのかなと思います。重要なのは本当にこの同じ設計を何回使い回せるか、そこが適用できるかどうかというのが、割とこのアプローチの有効なところなのかなと思います。
同じ設計を何回使い回せるかというところで、高頻度で似たような問題が発生するということなんですけど、どうやって測るというか、どういうところに着目するとその構造って見えてくるんでしょうか?
例えば何件かの案件の中で標準的な条件を満たす割合がどれぐらいなのかとか、売上案件のうち標準的なBOM、ビル・オブ・マテリアルズで一定割合以上再利用できる件数がどれぐらいなのかとか、あとその例外とか設計変更の件数、あるいは同一地域で連続して施工できるような案件数とか、そうした、どれぐらいその案件の類似度が高いのかどうかというところを割と分解しながら見ていくというのが1つポイントなのかなと思います。
その要件の分布がある程度限定的かで、その要件というものの評価軸というものがある程度決まっているというところが1つ大事なところかなと思うんです。で、そうした技術要素がさらに成熟しているところに関しては、そこにプラスして標準化による可能性というところを割と出していけるというところがあるし、統合とか施工とか金融というところに課題を移していくことができるので、こうしたところもファイナンスしやすさというところにつながっていくのかもしれないなと思います。
そうですね。この辺りスタートアップとしては、例えばDandelion Energy、これは住宅用地熱ですけれども、地質差が大きければちょっと難しいかもしれませんが、Dandelion自体はこの住宅の近くに地熱を使う設備を作るという感じですが、設計とか掘削、施工、金融を1つにまとめて、顧客の調整負担を減らして、ヒートポンプ単体では販売せずに、地中のループ設計から施工の一体的な提供をしていくということをやっているスタートアップでした。
ここは割と反復可能な形にしていると。技術要素もそこまで深くは変わらないので、住宅の要件と地質の要件というのをどこまで標準化できるか、おそらくこのビジネスの成否というものを左右してくるのかもしれないなと。多分屋根置き太陽光とかよりは地質条件がちょっと違うので、標準化しづらいところではあるのかなという印象はあります。ただ一方で、顧客が1個1個調整していかなくても、Dandelion Energyに頼めばある程度工程統合して一括で受けてくれるので、そこは楽というところはあるかもしれないなと思います。
では何をどう設計するのかというところの説明をしたいと思います。ここはですね、いろんなビジネスによっても違うとは思いますけれども、まず顧客側の条件というのがありますと。既存アセットとかがあって、そこに対して接続条件を定義していく。例えば適合判定アルゴリズムとか自動見積もりとかを、AIとかうまく使って自動的にやって、それに対して自分たちの標準設計とかBOMとか施工手順、標準的な施工オペレーションのプロシージャーを当てはめていって、その上にデータ収集とか品質とか遠隔管理とか、そうしたことをやって、そこを自分たちでコントロールしながら、それを実現するためのハードウェアとかを自分たちで作る場合もあれば外注して作って、そしてそれを組み合わせて現地で統合していく、施工していくという、そんな感じになっていくのかなと。
標準的なハードウェア、汎用ハードウェアとか標準的なハードウェアまで至るための柔軟性と言いますか、1個1個の現場の違いをどこまで吸収できるのかというところを、ソフトウェアをうまく使って判定してやっていくというパターンが比較的多いのかなと思います。
現場の写真とか設備のデータとか測定とかをちゃんと自分たちでやって、標準にいかに落とし込んでいくのかというところが大事なのかなという風にも思います。
なるほど。結構施工の手前を自社でやるということなんですけど、施工を逆に外部化しても品質を保証することというのは可能なんでしょうか?
そうですね。ここも頑張れば可能かなとは思います。例えば施工の工法とか作業の順序というのを決めておくとか、検査とか写真とかセンサーデータみたいなところを標準化していれば可能性は高まります。一方で、もちろん施工会社のばらつきとかがあるので、例えば施工会社に関しては認証をするとか、教育をするとか、監査、あるいは再施工のルールとかみたいなものを契約で縛っておいて、ちゃんと自分たちの通りやってくださいというところをやっておく感じかもしれません。単純な外注ではなくて、管理にその辺りもしていくというところがポイントかもしれないなと思います。
場合によってはハードウェアとかも自分たちでやる場合はあるとは思いますけどね。汎用ハードウェアは安く外部調達できるし、工場投資を抑えられるというメリットもあるんですが、一方でそこは供給側の外部の品質とか供給停止リスクみたいなところが乗っかってくるので、特殊な部品とかがもし非常に大事であれば、そのハードウェア製造も自分たちが巻き取っていくというところもあると思います。その辺もやっぱりフルスタックに近くするのか、それともどうしていくのかというところは判断なのかなと思います。
いずれにせよ物理アセットとかを所有するか所有しないかではなく、どちらかというと顧客成果、アウトカムをどう保証していくのか、そのために自分たちが持っておくバリューチェーンというものはどこまでなのかというところを考えておくのが大事だろうと思いますし、場合によってはこの1番下の適合判定アルゴリズムみたいなところで、自分たちのものが合うかどうかで、合わないと思ったらそれに対してやっぱり断っていくという、そうした割り切りというのも大事、ある意味自分たちがコントロールできる範囲なので、ここも考えておくのが大事かなと思います。
例えばこの辺、先ほどRobCoみたいな話をしましたが、他にも例えばFormicという米国のスタートアップですが、彼らは既製のロボットを利用しながら、用途の選定から設計、設置、監視保守、SLA、そして資金提供をまとめてやってますと。汎用ハードウェアを使いながら、自分たちのお客様に対してその柔軟性をある程度このコントロールポイントとして自分たちが持って、汎用ハードウェアは扱い、そして成果を左右する、例えば運用とか契約とかデータに関しては自分たちがバリューチェーンとして持つという、そんな感じなのかなと思います。
RobCoが自分たちでモジュール型ロボットのハードウェアを製造していくのに対して、Formicはどちらかというと複数メーカーのロボットを柔軟に使っていくという違いがあると。技術の発明よりも顧客が使える状態にする工程的な障壁があるというところを見せるとFormicの方がいいかもしれませんし、いや、むしろハードウェアの方が実は重要なんだと言うのであればRobCoの方がいいかもしれないとか、この辺は割と攻め方が違ってくるのかなと思いますね。
この辺はもしかしたらAndreessen Horowitzのフルスタックスタートアップ系の記事、Full-Stack Startups for American Dynamismとか2023年にも出てましたけども、とか、フルスタックスタートアップの2015年の元々の記事とかを見ておくと、既存企業に技術を販売する代わりに、技術を組み込んだ最終成果、製品みたいなところを提供していくポイントが分かりやすくなっている文章なのかなと思います。
では、なぜこうした、フルスタックと言いますか、反復可能なものがモートにつながっていくのかというところのお話をしたいと思います。ここはですね、やっぱり標準化されたインターフェースとかモジュールとか、あるいは繰り返し可能な状態にしておくことによって、個別設計とか見積もりというところを劇的に改善することが可能ですというのが1つあります。これはソフトウェアとかもそうだとは思いますが、こういう機能でスケールしていきます、こういう機能しかありません、ただこういう機能であればはまるので使ってください、というところは1個あるのかなと思いますと。
で、さらに標準化されたインターフェースとか標準があると、歩留まりと学習曲線を辿っていけると言いますか。例えば最初の施工とか製造で手直しせずに基準を満たした割合を上げていくことができますと。ライトの法則、学習曲線ですけども、に関しては、累積生産量の増加と費用低下が経験的に関係していくということがあったりするので、このライトの法則というところをちゃんとやっていく。反復していくと失敗率が低下していく、労働コストも低下していくというのがポイントとしてあります。
で、かつ運用データの蓄積もしていけるというのがポイントで、やはり毎回違う状況の案件だと、データが集まったとしても比較可能ではないというところですが、一方でこのモジュール化、あるいは反復可能な状況にしておくと、データ同士を比較可能にして、活用可能にして、稼働率とか故障率とか残存価値とかが統計的に予測可能になったりとか、より学習が可能になっていく。その結果、最終的に予測可能になってくると資本コストの低下、バンカビリティが上がっていくということで、プロジェクトファイナンスとか証券化とか、そうしたファイナンスの仕組みというところもうまく使えるようになってくる。そうなると、どんどんとまたスケールの法則が効いて、ファイナンスが手に入ると、スケーリングの次の手を打てるようになって、さらにそのスケーリング、規模の経済が効いてくると、さらに学習曲線も下がってデータも蓄積してさらにバンカビリティが上がっていく。
この正のループみたいなところをちゃんと回していくことが非常に大事なのかなという風に思います。
運用データを蓄積してそれがバンカビリティにつながるということなんですけど、金融機関には具体的にはどういうことを説明するようなものなんでしょうか?
そうですね。まず建設費と完成時期の予測の誤差みたいなところが1つあるのかなと思いますと。あとは稼働率とか故障率とか修理時間、あるいは性能の劣化がどれぐらいなのかとか、あと顧客の契約期間とか解約率とか延滞率とか、支払い者の信用であるとか、あと保守費用とかですかね。そうした、悪い条件を想定した時のデットサービスカバレッジレシオみたいなところとかも含めて、金融機関が気になるところ、特に銀行が気になるところをちゃんと見せていくというのが大事かなと。あとプロジェクトファイナンスにおいては、資産とか契約とか保険とか口座とかキャッシュフローの辺りも見られる可能性が高いんじゃないかなと思います。
データと言ってますが、単なるデータ量があればいいというわけではなく、このデータによって競合よりも正確な適合性の判定とか見積もりとか保証判断ができているかとか、次の案件の粗利とか工期とか成功率が改善しているかどうかとか、そのデータの取得というものが自社の運用工程に組み込まれていて、競合がなかなか同じデータを得られないとか、そしてデータがソフトウェアとかに反映されて学習にうまく使われて、担当者が変わっても再利用できるとか。データが多ければ多いほどいいというわけではなく、このモートにつながっていくデータをちゃんと蓄積できている仕組みを整えられているかどうかというところが、おそらく最終的にモートにつながっていくところなのかなと思いますね。
この辺だと、例えば太陽光は割とバンカビリティが高いようなところだったりしますが、Terabase Energyという米国の大規模太陽光施工のスタートアップなんかは、発電所の設計、物流、そしてロボットの支援施工とか現場データ、そして運用ソフトを統合して、太陽光パネルの設置というものを現場ごとの人力の作業にはせずに、テラファブという移動型の施工システムとデジタル工程をうまく使って、本当に同じ施工単位で反復可能にして、設置速度とか品質とか作業人数を改善していくという、そうした構造を作ろうとしているスタートアップがあったりします。
先ほど少し紹介したSunrunなんかは住宅ごとの小口の設置であるのに対して、Terabaseはちょっと大規模なところなので、大量にロボットを使ってどんどん置いていくということができるかもしれないということをやっている、そうしたスタートアップがあったりはします。ここもですね、反復可能にすることによってファイナンスがつきやすくなるというメリットはあるのかなということがあったりはしますね。
この辺、Eclipseというところがですね、エンプティハウスインミシガンtoシリコンバレーみたいな、そうした記事を書いていて、ここでは物理産業の企業においては、ハードウェアとかソフトウェアとかインフラ、そして供給網、データなどを組み合わせる多面的な会社の構築が必要になるというような、そうした記事を書かれてたりします。複雑性というのは参入障壁になり得るものですが、それは正しく統合できるかどうかが前提であって、というようなところを説明しているので、この辺りも少し見てみるといいのかなと思いました。
では事例の検証ということで、成功例、失敗例を見ていければと思います。まずですね、失敗例から行くと、有名なのはおそらくKaterraですね。このKaterraというところは20億ドルぐらいを調達した後に2020年に破綻した、いわゆるフルスタックの建設系スタートアップだったりします。ここはですね、もう本当に建設から設計、供給、工場まで自分たちで広く統合して組織化していこうというところだったりしますが、残念ながら過剰に自分たちが保有してしまってなかなかうまくいかなかったとか、標準設計が凍結する前に工場設備に投資してしまったせいで、需要の同質性というものが不足してしまって、なかなかスケールしなかったというようなことがあったりはしました。
一方で成功例としては、最近だとFervoとかですかね。Fervoなんかは紹介でもしたかと思いますが、同じ採掘作業みたいなところにしていく。その掘削に関しても2024年に35%の掘削学習率みたいなところを発表していたりとか、掘削費用が半減したみたいな感じで、自分たちも50MW級のやつを何個か並べて、モジュールで並べていくことによって反復可能にしていくという、そうしたことをやっている地熱系のスタートアップだったりします。で、実際に初期の商用の井戸に比べてかなり掘削時間の削減とかもできているというのが1つだったりしましたと。
あとはRobCoを先ほどから挙げてますが、その辺もやっぱりこの標準モジュールを用意して、お客様の現場に合わせてそのモジュールを組み合わせていく、共通ソフトウェアも提供しながら、モジュールの適合性というものを提供前に確認していくというようなことをやっていたりします。
あとはそうですね、Sunrunなんかは、先ほどから何度もお話ししますが、住宅太陽光を反復可能にしていくことによって証券化、金融とか契約の標準化をしていくことによってやっていったというところがあったりはしますと。初期は金融のみでしたが、今は施工能力を自分たちでも持つことになって、3.8万戸を超えるシステムを束ねた約5.8億ドルの証券化みたいなところをやって資本コストを圧縮したという、そうしたこともやって、さらに大きくしようとしているスタートアップだったりします。
成功と失敗で順番が結構鍵になってくるのかなと思うんですけれども、どういう順でやっていくといいんでしょうか?
そうですね。まずはやっぱりこの対象を狭く、再現可能なところに絞っていくというところが1つと、変えないインターフェース、接続面というのを定めていくこと。あと手作業を含めてもいいので複数回実行していって、そこの失敗とか学習を標準設計とか手順とかに戻していく。そして標準仕様が安定してから、自分たちで製造を持つのか、資産保有をやっていくのかという、いわゆるコンシェルジュ型に近いかもしれませんが、特定の用途から学習していって、その学習を回せるようなところから入っていくというのが1つポイントかなと思いますね。
ああ、そうですね。標準化できなかったことだけじゃなくて、結構市場環境とか外部の影響もあるかと思うんですけど、それはどれぐらい見積もるというか影響を見ればいいんでしょうか?
そうですね。もちろん金利とか資本市場とか、そうしたところも結構重要な要因ではあります。標準化が進んでいれば失敗しなかったということは言えないかなと。ただ一方で、設計とか費用とか工期の変動が大きいほど、外部環境の悪化に対して脆弱になるというところはあるのかなと思います。
例えば住宅系だとKaterra以外にもですね、Veevというところが割とうまくいかなかった失敗事例なのかなと思っていますが、こちらもですね、住宅設計からパネル製造、現場施工を統合して、住宅を反復可能な製品として提供しようとしていましたと。需要地の近くにファブを置いて、パネル化した住宅を設計、製造、施工しようとしていたんですけれども、ここもですね、Katerraよりも対象品を絞った形でやっていたんですが、必要な資金というものをなかなか継続的に確保できなくて、累計6億ドルぐらいを調達したんですが、2023年に次の資金調達が失敗して事業停止をしたという、そうしたこともあったりはしました。
一方で、BlocPowerなんかは、建設をやっているわけではないんですが、建物の電化をやっているところで、こちらは建物の電化の改修に金融とか施工管理、自治体との地域プログラムというのを組み合わせてやっていました。こちらは比較的うまくいってたのかなと思ったんですが、元々NPOから始まったスタートアップだったので、低所得者地域の建物に対して設備導入費とかを金融で分散して、複数の建物をまとめて回収しようとしていましたが、2026年8月にですね、一部の資産売却と再編というのを検討して、全ての債権者に返済できない可能性が報じられているという状況で、金融をうまく組み合わせてもですね、案件の反復性というものがなかなかうまくいかないと難しいという例なのかもしれないなと。Sunrunとかの住宅用太陽光とか蓄電よりは、建物の種別とか改修内容とか自治体プログラムが結構やっぱり多様で、なかなか一定の反復可能にはならなかったというような事例なのかもしれないなと思います。
では、こちらですね。最初に何をやっていけばいいのかというヒントです。このAIがまとめてくれたヒントなんですけれども、まずフェーズ1から行くと、既製品とか外部業者を使ってもいいので、まずは写真判定とか見積もりとか対象外条件のルール化、判定プロセスの標準化をしていきましょうというのが1つありますと。お客様が標準仕様とか成果に料金を払うかどうかをここで検証していくというのがフェーズ1と。
で、フェーズ2が、接続面、インターフェースの発見と手作業での反復ということで、創業者自らが数件とか数十件現場に出て、変わらない、ステイブルなインターフェースというのを見つけていく。そしてそこを変更せずに複数の案件が本当にこなせるかどうかというところをきちんと判断して記録しておくというのが大事ではないかなと。
フェーズ3が、設計をある程度フリーズ、凍結してパッケージ化していく、スタンダードなオペレーションのプロシージャーにしていくというところで、そこのフェーズ3に入って標準的なBOMであるとか施工マニュアルとかデジタルツインというのを構築していって、そしてそれを繰り返していくことによって本当に粗利の改善ができているのかとか、設置スピードの向上ができているのか、その再現性を確認できているのかというところを確認していく。こうした段階で進んでいくことによって、ある程度進んでいけるんじゃないかなという、そうした整理がなされているというところです。
結構フェーズ2までは手作業で反復するというところでかなり長いんだなと思ったんですけれども、受託のままにならないためには、どういうところに気をつけるというか、どういうことをするべきなんでしょうか?
まずはやっぱりこの目的をちゃんと決めることかなとは思いますね。手作業でやっていくことによって何を学びたいのかとか、どういうデータを取得したいのかとか、何をもってこの手作業を終えるのかというところを事前に定めておくこととか、あとは同じような判断を何回か行ったらテンプレート化する、ソフトウェアに移すといった、そうした判断をしていくというところ。なので、本当に共通パターンを抽出するために
その手作業をやってるんですよと。で、作業案件の売上で成果を評価するんじゃなくて、そのパターンが抽出できているかどうかで、きちんと判断していくってのは大事なのかなと思います。
その次に設計のフリーズをしていくってことだったんですけれども、ちょうどいいタイミングってどんなところなんですかね。結構判断難しいポイントだなと思いまして。
そうですね。複数の案件で、主要な顧客が求めてる成果とか、インターフェースが共通していき始めたりとか、標準的なコア技術とか、コアの部分を変えずに、構成の変化しやすい変数だけで案件を処理できるようになっていったりとか、あと主要な失敗原因がその技術ではなくて、施工とか運用の改善に移っているような段階であれば、フリーズしてもいいかもしれないなと思います。
あとは何でしょうね。1KOMMA5°、ドイツのスタートアップなんかは太陽光とかをやっているところですけども、彼らはまずは太陽光のソフトから入ったんですが、そこから各地の太陽光とかヒートポンプの施工会社を買収、または自分たちで作って、その上に共通ブランドとして、自分たちの1KOMMA5°っていうのを付けていった。つまり施工の能力は自分たちで最初から作るんじゃなくって、M&Aとかを通して取得するというような方法もあるのかもしれないなと思います。これは、Sunrunが金融とか契約中心の標準化をしていましたが、こちらはどちらかというと買収ですね、買収した地域の施工組織というものを共通のソフトウェアに載せていくみたいな、そうした形で広げていくっていう風なパターンもあるかもしれませんねと思いますね。
では、どうやって大きな事業にしていくのか、特に資本の構成の変化というところのお話をしたいと思います。これもフェーズ3つに分けると、フェーズ1はまず技術ですね。技術リスクと初期の学習っていうところ。ここはおそらくなかなかバンカビリティが高いとは言えないので、おそらくこれはエクイティ、VCとか、最も柔軟なVCエクイティとか、あるいは補助金とかで、やっていくのがいいのかなと。R&Dのフェーズは。
で、その後はフェーズ2でオペレーションを成熟していくところ。ここに関してもエクイティとか一部使いつつ運転資金のギャップをデットで埋めていくみたいなことが必要かもしれませんと。標準データが蓄積して、機器の稼働率とか、歩留まりの安定をさせていくっていう風なフェーズにおいては、そうした手も取れるかもしれませんと。
そしてフェーズ3は、複数の案件を束ねて、契約収入に基づくプロジェクトファイナンスとか証券化とか、そういうことをやっていく、そのキャッシュフローを元にです、予見可能なキャッシュフローを元に低コストのプロジェクトファイナンスとか、証券化みたいなところをやっていくっていう風なところが、スケールのために必要な転移と言いますか、資本構成の変化なのかなと思います。
プロジェクトファイナンスは、企業が大きくなったら利用できるのではなく、やっぱりこの案件単位のリスクとキャッシュフローがきちんと見えてくるかどうかっていうところがポイントではあるので、そこをちゃんと考えておく。そして、金融機関がプロジェクトファイナンスで入ってくるので、そのタイミングで、どういうところを金融機関が気にするのか、建設遅延なのか、性能なのか、保険なのか、解約なのかとか、そうしたところも審査されるはずなので、その辺りにもきちんと契約としているかどうかという風なところを見ておく必要があるのかもしれないなと思いますね。
その、どういう実績を持ってですね、エクイティからデットに移っていけるっていうような、そういう区切りになるんでしょう?
そうですね。いくつかあるのかなと思いますが、一般的にはやっぱ標準仕様があって、それで複数の案件が完成しているみたいな、そうした状況とか、建設費とか工期とか稼働率、あるいは保守費といったような、そうしたベースのKPIの予測誤差が小さい状況であったりとか、あとは長期契約ですね、長期の顧客契約があったり、その顧客の信用が確認できるような場合であったりとか、あと、技術が揃っていて、技術が新しいものにはなかなかバンクはつけてくれないので、技術保証がすでにある。稼働実績があるとか、保険とか許認可、供給契約が揃っているというような、割と1つの指標で考えるものではなくて、案件全体でリスク分担とかリスクが分散できてるかどうかというところが1つポイントではないかなと思います。
デットを早く使いすぎると、何か危険もあるっていうことですかね。なんかデットに頼るのが早すぎるデメリットってありますか?
そうですね。標準化前にデットとかを使うと、案件の損失が発生したと同時に返済義務が同時に発生するみたいなこともあるのかなと思ってます。特に、設置中の設備とか在庫とか保証とかを先に払うことになるので、成長していけばいくほど現金が減るのに返済しなきゃいけないみたいな状況になってしまうかもしれないので、そこに関しては、デットを使うよりはエクイティでやった方がいいフェーズもあるのかなと。もちろん、標準化とかデータ蓄積が完了する前に運転資金を拡大しちゃうと、資本構造が破綻しちゃうこともあるので、意図的にどういうファイナンスを組み合わせていくのかっていうところは、結構ここは大事な判断になるのかもしれないなと思います。
最近だとAIデータセンターとかがあったりしますが、Crusoe、結構有名なデータセンター系のスタートアップなんかは、電力、データセンター、計算設備、クラウドを垂直的に統合して、プレハブ部品とか、Sparkというモジュラー型のAIファクトリーとかを利用しているというようなところです。電力供給済みの外枠というところを提供して、モジュール型のAI計算設備を段階的に追加できるような構造を取っていて、ここは、1度に最終的な規模のところを建設するのではなく、需要に合わせて容量を追加する反復単位を作ろうとしているっていうような、いい例なのかなと思います。
大型のインフラであったとしてもですね、容量の増設っていうのを共通した単位に分けていって、いくつか紹介した電力、データセンター系のスタートアップでもいくつかあったと思いますが、そうした容量増設というものをモジュール単位にしていって、建設期間と需要リスクを段階的に処理できるようにしておくっていうのも1つポイントとしてはあるのかもしれないなと思います。
では、まとめのスライドに入りたいと思います。まず、今回の分割化していくみたいな、反復化していくっていう風なところのアプローチに関して大きくまとめると、原則が4つあるかなとまとめてくれましたと。
1つが、物理設備よりも先に案件の選び方、こちらを標準化していきましょうと。対象とする顧客であるとか現場の条件、インターフェースといったようなものをきちんと定義して、要求外とか、標準外の要求をちゃんと断っていくみたいなところが1つ。何を固定化するのかっていうところをきちんと考えておくというところかなと思いますと。
そして、その学習が行われてるかどうかっていうところを見るために、次の案件が安く早くなっているかっていうところを指標にしていく。単なる売り上げとか受注量ではなくって、学習曲線が働いてるかどうか、見積もり期間とか工期とかエラー率の低下が起こってるかどうかを確認していきましょうと。
そして3つ目が、全てのアセットを持つのではなくて、コントロールポイントを所有していく。全てを内製する必要はなくて、データとか適合判定とか契約とか保証、これらの要所となる部分を握って顧客のアウトカムを保証していくというところが大事だったりしますと。自分たちでハードウェアを作るかどうかっていう観点もですね。で、それが本当にアウトカムにどこまで大事なのか、そのアウトカムというものを、ソフトウェアだけで調整できるんであれば、別にソフトウェアだけでもいいかもしれないというとこですと。
最後に、カスタムの案件に対してノーとちゃんと言っていく。スケールできるシステムを守るために、非標準的な特注案件に関しては、短期的な売上を捨ててもいいというような規律を保っていく、こうしたところをやっていくというのが、1つポイントになってくる考え方ではないかなと思います。
フルスタックに近い場合もあるかもしれませんが、全てを内製するのではなくて、本当にそのコントロールポイント、制御点っていうところをきちんと持って、特定して、そこに対して資本と経営時間を使っていくというのが非常にポイントになってくるのかなと思うようなアプローチでした。はい。
ということで、以上、今回は分割じゃなくて反復化というところをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
そうですね、設備を小さくするとかモジュール化するところだけに目が行きがちだったんですけども、そうではなくて何を標準化するといいのかっていうのを最初に定義すること、そのために実際に現場に出てみたりとか手を動かすっていうところで、きちっと、どこまでを標準化するかっていうのを自分たちで決めるっていうところが大事なんだなというのは思いました。
そうですね。そこの仮説を持って、やっぱり1個1個見ていくっていうのが大事なんだろうなと個人的にも思いますし、それが、仮説がうまくいった時にも、次の案件でコストとかリードタイムとかが改善してるかどうかっていうところが、まさにこの反復できてるかどうかっていうところの、1つの見定めるポイントになるんではないかなと思います。はい。それでは今日はこちらで終了です。
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