技術の外側までをプロダクトとして設計する:許認可・資金・施工をどこまで引き受けるか

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概要

FoundX Review Startup IdeaCastは、海外を中心としたスタートアップの事例をAIで整理・分析し、事業の組み立て方を紹介する番組である。今回は、50回記念の分析編で見えた傾向の一つ「技術の外側までがプロダクト」を取り上げた。問いは二つある。優れた技術はなぜ導入・普及されないのか。スタートアップは許認可、資金調達、施工といった非技術的な導入リスクを、どうやって反復可能なプロダクトにしてきたのか。

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解説役の話者は、すべてを自社で抱え込めという話ではないと断っている。顧客が求める成果から逆算し、自社が担う工程とパートナーに委ねる工程を選ぶ。そのうえで、必要な情報と意思決定の権限を確保する。これが話者の立場である。なお番組は冒頭で、AIで情報を整理しているため古い情報や誤りを含む可能性があり、個別企業の評価や投資判断を目的としないと断っている。

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顧客成果ではなく、供給側の導入条件に焦点を当てる

これまでの回でも顧客の成果に注目した分析はあった。今回はそれとは逆に、供給側に焦点を当てると話者は説明する。技術が使える段階に達していても、審査、設置、資金といったプロセスで顧客がつまずき、導入が止まることがある。技術開発だけにとどまっていてはうまくいかないビジネスも多い、というのが話者の問題意識である。

顧客の困りごとを広く引き受ければ、こうした壁を越えられるかもしれない。ただしその分、自社の負担は増える。何を自社で引き受け、何をパートナーに残すのか。その選び方を考える材料として、この戦略を紹介したいと話者は述べた。

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技術検証から導入までの「空白」

話者が最初に挙げたポイントは、顧客側の担当者を分けて考えることだ。技術担当者が検証を終えても、それだけでは導入に至らない。購入には調達部門との調整が必要になる。そこでスタートアップは、プロダクトの境界線を広げる。評価、契約、資金調達、施工といった「カオスな中間工程」を、自社が制御でき、しかも計測できるものに変えていく。話者はこれを今回の戦略の全体像として示した。

テクノロジーの成熟度が上がってから、顧客が実際に購入し、自社内で運用を始めるまでには大きな空白がある。話者はこれを「死の谷」とも呼び、この谷をどう越えるかが今回の整理の中心だと述べた。

聞き手が「技術が良くても手続きが大変なら導入されないということか」と確認すると、話者は理由を三つ挙げた。技術担当者と購入担当者の視点が違うこと。購入担当者が買いたいと思っても、判断に必要な情報を集められずに止まる場合があること。そして、顧客側で追加の人材や手順の変更といったコストが発生すると、技術が優れていても導入に至りにくいことである。

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責任の分断と、資金・時間のずれ

話者は導入を阻む問題として、まずインセンティブの分断を挙げる。顧客が最終的に購入したいと考えても、実際に機能させるには多くの関係者が要る。施工業者、担保をつけて融資する金融機関、規制当局などである。その全員の条件を満たさなければ導入は進まない。この調整コストが技術の便益を上回ると、顧客は判断しにくくなる。

メーカーは機器を売り、銀行は信用を供与し、施工業者は工事だけを担う。このように責任が分かれた状況で、それらをまとめて導入を成立させること自体がプロダクトとして必要ではないか、と話者は提起した。

もう一つの問題が資金と時間のずれである。機器の仕入れには先行投資、つまり設備投資(CAPEX)が必要になる。その資金を顧客がどう手当てするかでつまずけば、導入は止まる。また、技術的な性能について銀行や保険会社がまだリスクを取れない場合、将来お金が入る見込みがあっても資金がつかない。話者はこれを「バンカビリティ(融資可能性)」がない状態と表現した。大型案件でなくても、施工日や工期が読めない、融資が使えない、許認可が進まない、といった理由で契約は止まる。こうした問題をまとめて解決してあげる必要があるかもしれない、と話者は述べた。

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すべてを自社で所有すれば解決するのか

聞き手は「一社が全部引き受ければ分断自体がなくなるということか。そんな乱暴な話でもない気がする」と問いかけた。話者の答えは、引き受けることは所有することと同じではない、というものだった。所有すれば自社がコストとして持つ範囲が広がる。それで解決に一歩近づくかもしれないが、大事なのは別の点だという。責任範囲とインセンティブをどう揃えるか。関係者全員がOKを出すタイミングをどう一致させるか。

例として話者が挙げたのが、住宅用太陽光などの導入を手がけるPalmetto(パルメット)である。話者によれば、Palmettoは地域の販売会社や施工会社を使い、自社では施工能力を持たない。そのかわり、自社の仕組みで複数の工程をつなぎ、一度に揃うようにしている。外部の施工能力と自社の進行管理を結ぶことで、分断されたインセンティブを揃えているという。許認可に関わる領域では、PermitFlowも同じように工程を揃える例として触れられた。

もう一つの例は、住宅向けの地中熱ヒートポンプを手がけるDandelion Energy(ダンデライオンエナジー)である。狭い住宅地でも工事できるように、小型の掘削機を使い、土を回収して輸送する。さらに許認可も必要になる。話者の説明では、同社はこれらを自社で揃えつつ、建設側の事業者とも作業を分担して進めている。所有しなくても工程を揃えられる方法の例として紹介された。

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この戦略に向く事業・向かない事業

話者の見立てでは、このアプローチが合う条件は次のようなものだ。高額な初期投資が必要で、融資条件を引き出す工夫が要る。許認可の壁が厚い。産業が細分化されていて、インセンティブと責任を同時に揃える状況が自然には生まれない。加えて、工程に反復性がある。許認可などの噛み合わない部分を反復可能にしていくアプローチだ、と話者は位置づける。

反対に、次のような場合は成立しにくいという。技術自体がまだ未成熟である。案件ごとの個別性が高すぎて反復できない。スタートアップ側に資本負担に耐える体力がない。採算不足や技術の未成熟という問題が残る領域には使いにくい。技術は揃っているのに、関係者のタイミングが一度に合わない。そういう状況にこそ比較的合う、というのが話者の整理である。

提供範囲は途中で変えてよい

聞き手は、どこまでやるかは最初に決めるだけでなく、途中で変えていくプランもあるのかと尋ねた。話者は、あり得ると答えている。支払者や費用構造を確かめた結果、提供範囲を絞ったり広げたりする必要が出てくるかもしれない。たとえば融資以外に補助金を使う場合、補助金の手続きを新たに自社の範囲にすることがある。逆に、その部分を任せられる提携先が見つかれば委ねることもある。

事例として挙げられたのが、住宅の省エネと施工会社向けのリベート支援を手がけるスタートアップ(字幕では「シールド」)である。話者によれば、同社は当初、住宅所有者に直接サービスを提供していた。その後、施工会社向けのリベート業務支援へ転換したという。自社の担当範囲を変えた事例として紹介された。

12:30

どこまで引き受けるかを設計する

話者は、自社の関与には段階があると整理した。低リスク・低コントロールの側には、情報の獲得がある。そこから先に進み、意思決定権を握ることや契約を標準化することになると、コントロールが強まる一方でコストとリスクも上がる。ただし、真ん中あたりが最適というわけではない。事業内容と事業環境に合わせて、自社のリスクと提供範囲を決めるべきだという。

その判断で話者が重視するのは、顧客が求める成果(アウトカム)が何かを定めることだ。たとえば成果が「図面通りの部品が必要な日までに届くこと」なら、工場を所有する選択肢もある。一方で、供給者を選定し品質を確認したうえで他社に製造してもらう選択肢もある。成果に大きく効く部分を、どこまで自社で担うか。取引先の再選定、仕様変更、不良品の扱いまで自社でやるのか。それを決めていく。契約を共通化する際には、完成条件と例外時の対応を把握しておくことも大事で、案件が増えればある程度見えてくるだろうと話者は述べた。

聞き手は、成果を自社でコントロールしたいなら、顧客との窓口があるだけでは不十分だろうと指摘し、顧客との接点をどう設計すればよいかを尋ねた。話者の答えは、アウトカム次第だというものだった。不具合を受け付けるカスタマーサポートだけでは足りない例として、部品調達・製造支援のFictiv(フィクティブ)を挙げた。話者の説明では、Fictivは外部の製造パートナーを監査・認定し、顧客の発注品について品質管理を担う。供給者の登録審査や検査確認も行い、判断に必要な情報を自社で持って責任を負う。場合によっては代替品の手配まで行う。顧客がとにかく早く欲しいだけで、代替品で済むなら、そこまでやらなくてもよい。しかし、きちんとしたものを短期間で欲しいのであれば、代替品の手配まで責任を持つ必要があるだろう、と話者は述べた。

16:07

バンカビリティを高めるループ

なぜこの戦略が成功につながるのか。話者はバンカビリティの観点から説明した。導入プロセスを標準化して自社で担えば、非技術的なリスクを取り除ける。毎回違う業者に発注していては学習が回らないが、自社でやれば回る。するとプロジェクトは金融機関から見て融資可能になる。資本がボトルネックなら、銀行から資金を引き出してより多く展開できる。現実のオペレーションでは、失敗や例外も含めてデータが蓄積され、学習が進む。粗利が向上し、顧客獲得コストが下がり、次の契約の標準化が進む。その結果、非技術的リスクがさらに下がり、さらにバンカブルになる。

技術だけでこのループを回せる場合もあるかもしれない。しかし、非技術的リスクを自社で囲い込み、反復可能にすることでバンカブルになれる点が成功につながる理由の一つだ、と話者は述べた。モジュールをテーマにした過去の回とも共通する話だという。

17:36

現場の経験を製品と業務の改善に戻す

聞き手は、単に現場で数をこなすだけでなく、そこから改善につなげなければいけないということかと確認した。話者は同意し、経験が蓄積されるだけでは一部のリスクしか下げられないと述べた。技術的な製品や自社の業務プロセスに改善をかけなければ、リスクは下がっていかない。製品そのものも変えていく必要があるという。

例として挙げられたのが、製造現場へのロボット導入を手がけるRapid Robotics(ラピッドロボティクス)である。話者の説明では、同社は事前設定した作業と月額利用を組み合わせ、外部メーカーのロボットアームに自社の導入サービスを加えていた。しかし販売期間が想定より長くなり、既存の工場に作業スペースを置けないという問題が出た。そこで人1人分の面積を意識した設計に変え、導入しやすくしたという。現場の経験から製品自体を変えたことが、バンカブルになる一つのポイントだと話者は見ている。

資本面の例として、気候変動分野に投資するElemental Impact(エレメンタルインパクト)も紹介された。話者によれば、同団体は投資会社でありながら慈善団体にも近い性格を持つ。ナイトリシティというスタートアップに、初の商用規模(first-of-a-kind)の案件に向けた初期開発資本として200万ドルを提供したという。ナイトリシティがプロジェクト資本の組成にきちんと取り組んでいたため追加資金を投じ、それが他のプロジェクト資本を呼び込んだ。話者は、資本を使ってループを回せた例として位置づけた。

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監査・許認可・エネルギー・ロボットの事例

続いて話者は、ボトルネックと解決の型をカテゴリーごとに示した。

一つ目はセキュリティ分野のVanta(バンタ)である。話者の説明では、元々のボトルネックは監査対応の属人化と優先度の低さだった。VantaはSOC 2というコンプライアンス要件への対応を自動化して製品にした。顧客にとって「コンプライアンス要件を満たす」という部分を事業として提供した形である。

二つ目はPermitFlow(パーミットフロー)である。複雑な建築許可の手続きと手戻りがボトルネックだった。同社は主にソフトウェアで、規制要件の調査、申請、進捗の追跡、場合によっては指摘への対応まで担う。その結果、顧客は最終判断と設計の適合性を見るだけでよくなったという。行政判断そのものは第三者に残るが、そこまでたどり着きやすくなった点を話者は強調した。

三つ目は、以前の回で紹介したエネルギー企業(字幕では「クルーバー」)である。施工業者の資金繰りや販売プロセスがうまくつながらないことがボトルネックだった。同社は販売と施工を自ら担い、見積もりから融資、調達までを統合した。資本面ではかなり重くなったものの、一気通貫で進められるようにしたという。

四つ目はロボティクス分野のFormic(フォーミック)である。第三者メーカーのロボットを使うスタートアップだ。顧客側には、工場の高額な設備投資負担と専門知識の不足というボトルネックがあった。Formicはサービス型のモデルで運用、保守、性能保証まで担い、継続サービスとして提供している。自社がロボットを購入するため設備投資は大きくなったが、導入はされやすくなったという。ロボットの更新タイミングや、減価していく資産をどう扱うかは大きなリスクとして残っている、と話者は付け加えた。

聞き手は、スタートアップとしては資本負担の軽いところから始めたくなるが、そこから発想するのではなく、顧客の成果を出せるかどうかを起点にするのか、と尋ねた。資本負担はそれに従って変わるということか、という問いである。話者はFormicを例に答えた。第三者のロボットをどこでも動かせるソフトウェアだけを提供しても、顧客にはどのロボットを買うか、どこに置くか、どう運用するかが残る。それなら導入はやめておこう、となりかねない。だからロボットをサービスとして提供することが、顧客にとっての本当の成果になっている可能性がある。一方で、社内に技術者がいてソフトウェアさえあればよいという顧客もいるだろう。顧客によって、実行にどこまで関与してほしいかは異なる、と話者は述べた。

23:57

手作業の伴走から標準化・自動化へ

最初に何から試すべきか。話者は、AIがまとめたヒントとして三つのフェーズを紹介した。

フェーズ1は、コンサルティング的な手作業から始める段階で、期間は3か月程度を想定する。コードを書く前に、少数の案件を最後まで手作業で伴走する。どの段階で取引が詰まるのかを特定するのが目的である。Vantaも当初はスプレッドシートを使った手作業で分析していたという。ボトルネックを解消できるか、解消したら顧客が支払ってくれるかを確かめてから次に進む。

フェーズ2はプロセスの標準化で、4〜12か月程度を想定する。同じ条件で案件を繰り返せるか、例外処理を減らせるかを検証する。見積もり、責任分担、検収条件などを標準パッケージにまとめられるかも確認する。あわせて、自社の原価が顧客の支払う価格に見合うかを確かめ、自動化できるかどうかを見極める。

フェーズ3がソフトウェアによる自動化である。頻出する判断プロセスをソフトウェアで自動化し、創業者以外でも再現できる事業単位を構築する。これを繰り返すことで標準化と自動化が進む、というのがAIのまとめだと話者は紹介した。

受注数だけでは測れない検証のポイント

聞き手は、この流れは王道的だとしたうえで、受注数が増えること以外に成功とみなす基準はあるかと尋ねた。話者はまず、受注が増えても1件あたりのコストが下がっていなければ検証は成功と言えないと答えた。標準化ができていないからだ。カスタム要望を受けたうえでの受注が多ければ、追加作業が発生する。返金やキャンセルが多ければ、顧客の求める成果に合っていない。どちらも、一定の品質で成果を提供できていない兆候だという。

話者は、完了率、実作業時間、手戻り費用、回収日数といった継続の条件を事前に決め、満たしているかを見るとよいと提案した。例として挙げたのが、太陽光の見積もりを手がけるAurora Solar(オーロラソーラー)である。話者によれば、同社は提案や契約の先まで追っている。現場で実際に変更が必要になったか、現場の負担が増えていないか、案件が完了したか。つまり見積もりが本当に正しかったかを確認しているという。ここまで見なければ、受注数だけでは見えない部分がある、と話者は述べた。

27:25

導入支援を業界のインフラへ育てる

事業をどう大きくするか。話者は、最初はコンサルティングや導入代行のような形で始まるかもしれないが、それを業界全体のインフラやプラットフォームにしていく必要があると述べた。この形のスタートアップの競争優位は、ソフトウェアのUIや機能の多さからは生まれない。多数の案件をこなす中で蓄積した例外ケース、エッジケース、失敗データをもとにプロセスを良くすること。地域ごとに異なる規制の違いを取り込むこと。そうしたデータを製品に反映することが、インフラへ進化するポイントだという。

案件から得た情報を次の案件や判断に使い、顧客の成果や採算を改善する。それがバンカビリティの向上にもつながる。そのため、完了した案件だけでなく、途中で止まった理由、見積もりと実績の差、保証対応の結果なども記録しておくべきだと話者は述べた。成功だけでなく、損失が起きる条件を学ぶことが大事だという。何を記録し、それをどう活かすかは最初にある程度考えてデータを取っておく。その活用は後からでもよいかもしれない、とも話者は補った。

蓄積したデータを次の判断につなげる

聞き手は、データを増やせばいいという話ではないはずだとして、何を見るべきかを尋ねた。話者の答えは二つだった。一つは、結果まで追跡し、次の案件のコストや失敗が実際に減っているかを確認すること。Aurora Solarのように見積もりだけでなく、施工が完了した割合まで追うことだという。もう一つは自社の内部プロセスである。多くの工程を引き受けるとプロセスは複雑になりがちだ。入力情報や業務手順が改善されてコストが下がっているか、規制や契約に対応できているかまで見る必要がある。

事例として、太陽光発電設備の点検・運用支援を手がけるRaptor Maps(ラプターマップス)が挙げられた。話者によれば、同社は常設ドローンを遠隔で運用し、必要なときに設備状態を確認・記録している。竜巻の後の点検結果を操業判断や後続の対応につなげた事例があるという。こうした突発的な事態を次につなげることで製品改良が進んでいる、と話者は聞いているという。

もう一つはSitetracker(サイトトラッカー)である。分散型インフラの建設と設備管理のソフトウェアを手がける。話者の説明では、同社は拠点が増えるたびに同じ判断をやり直さなくて済む仕組みになっているかを見ている。敷地開発、設備の共用、テナント申請などのテンプレート化した手順を提供し、国ごとのデータ保存要件に対応しながら共通の仕組みを使えるようにしている。案件を増やした効果がこうした形で出ているかどうかがポイントになる、と話者は述べた。

まとめ:プロダクトの境界線は自ら設計する

最後に話者は、AIがまとめた三つのポイントを紹介した。第一に、プロダクトの境界線は誰かから与えられるものではない。ソフトウェアかどうかできっぱり分かれるものでもなく、自社の事業判断として選び、設計するものだ。第二に、顧客がどんな成果を求めているかに応じて境界を考える。その成果を出すうえでのボトルネックを自社でコントロールできるかが要点になる。コントロールできない部分はパートナー企業に委ねることもできる。第三に、成長至上主義は戦略ではない。話者はこれを、ユニットエコノミクスや基礎的なファンダメンタルズを確認しながら、どこかでアクセルを踏めるよう準備しておけという意味だと解釈した。

起業家への確認事項として、話者は次の点を挙げた。顧客の導入を妨げているボトルネックがソフトウェア以外にある場合、どこまで解消するのか、解消可能な単位に分解できているか。ボトルネックを解消すれば、顧客はより多くの対価を確実に払ってくれるのか。自社がボトルネックに関わる情報や権限を取得できる契約構造になっているか。案件を重ねるごとに例外処理が減り、工程が改善される見込みがあるか。これらを確認できれば、このアプローチが機能するかもしれないと話者は述べた。

振り返り

聞き手は、成果に着目してそれを最大化するという点は前回と共通していると振り返った。そのうえで今回は、顧客の困りごとが生まれる構造まで分解し、原因が技術以外にあるならそこまで引き受けるという話だったとまとめた。目の前の顧客の困りごとだけでなく、その背景を分析し、どうマネジメントすれば良い形に持っていけるかを考えることが大事だと感じた、という。

解説役の話者は、収録前の雑談でも「プロダクトは技術だけではない」という話をしていたと応じた。技術はもちろん大事だが、顧客が欲しいのは成果である。技術だけに補助金や助成金を出すと、ビジネス全体が見えなくなる。そうした議論をしていたところだったので、今回の話ともつながると述べて回を締めくくった。