訓練経験ゼロの人が737を着陸させられるのか? ミシェル・カーレがフルモーション・シミュレーターで挑戦

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概要

世論調査によれば、緊急時に旅客機を着陸させられると考えている人は少なくないようです。ミシェル・カーレによると、アメリカ人の約3分の1が、航空管制の助けがあれば着陸できると考えているといいます。彼女が自身のInstagramのフォロワーにアンケートを取ったところ、48%が訓練経験なしでも着陸させられると答え、84%が彼女なら着陸させられると答えました。彼女はこの最後の数字を「まったくどうかしている」と評しました。この疑問を検証するため、彼女は航空の訓練をまったく受けていない状態で、Las Vegas Flight Academyの協力のもと運用されている高精度のボーイング737 NGシミュレーターの席に着きました。シナリオは典型的な悪夢そのものです。パイロット2人がともに操縦不能に陥り、客室乗務員が機内に操縦できる人はいないかと尋ね、乗客の1人が操縦桿を握らなければならない、というものです。

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彼女の航空に関する経験といえば、2年前に航空管制官と同じ訓練を1日受けたことだけでした。彼女は、管制官は安全な地上から仕事をすると指摘しました。今回のシミュレーターでは、わずかな操作にもいちいち反応するモーション・コックピットの中にいたのです。

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準備:本物のモーション・シミュレーターと、あえて難しくしたシナリオ

セッションを担当した教官は「ジミー」(後に「ジム」)と紹介され、航空管制の役を務めました。ジムは、737 NGシミュレーターは本格的なモーション・プラットフォームなので、中にいる全員がシートベルトを締めなければならないと説明しました。「彼女が地面に激しく突っ込めば、私たちも激しく地面に突っ込むことになる。冗談ではありません」

ミシェルが入る前に、ジムはコックピットを彼女にとってのジグソーパズルだと表現しました。まず正しい座席、理想的には機長席である左側の席を選ぶ必要があります。次にヘッドセットを見つけて装着し、ジムと話すためのボタンを探し出さなければなりません。交信を確立するのに時間がかかりすぎると、機体はラスベガスを大きく通り過ぎ、燃料切れになるおそれもあると警告しました。

さらにジムは、このシナリオは「相当な難関」になると述べました。エンジン火災やエンジン故障が予定されていたのです。ジムはこれらを、経験豊富なパイロットの大半なら立て直せる問題だと位置づけました。この演習は、訓練を受けたパイロットが日常的に対処していることと、訓練を受けていない人が同じ事態にどう対処するかの両方を示すためのものでした。

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最初の障害:マイクを見つける

最初の問題は無線でした。ミシェルは「もしもし? 航空管制の方はいますか?」と呼びかけましたが、送信できていませんでした。彼女は「脱出ゲームのような心構え」で、「mic」「microphone」「ATC」と書かれたものがないかパネルを見回したと語りました。その一方で、「3,000個のボタン」にも思える中で、たった1つの簡単なボタンを見落としているのだと確信していました。彼女はラベルを声に出して推測し、あるときは「nose wheel steering(前輪ステアリング)」と読み上げ、ある操作部を釣りのリールにたとえました。そして、自分はこうやって失敗するのだ、通信機器が使えないせいで、と口にする場面もありました。

ようやくジムにつながると、ジムは保安周波数の管制官として応答し、名乗るよう求めました。彼女は全員が操縦不能になっていて、自分が「これを運転」しなければならないと説明しました。位置、高度、機首方位を尋ねられても、彼女にわかっていたのはこの便がラスベガス行きだということだけでした。ジムは、レーダーで彼女の機体らしきものが見えるがコースを外れていると述べ、彼女に飛行経験がないことを確認しました。

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状況把握:シートベルト、燃料、搭乗者数

ジムの最初の指示は、とにかくシートベルトを締めることでした。ミシェルはハーネスに手こずり、ジムは落ち着いて、1つずつ終わったら知らせるよう伝えました。ジムは自己紹介をし、すべてうまくいくと言い、状況を説明しました。彼女が乗っているのはベガスに向かう737であること。機体が安定しているなら、おそらくオートパイロットが作動していること。周辺の他の航空機はすべて識別済みなので、この周波数にいるのは彼女だけであること。

続いてジムは2つのことを尋ねました。燃料の量と搭乗者数です。センタースクリーンの右下隅を見るよう指示され、彼女は燃料が3,180ポンドだと読み上げました。乗客数を示すデータは見当たらず、彼女は数えに行くべきかと尋ねました。ジムが客室はどのくらい埋まっていたかと聞くと、彼女は満席だったと答えました。

ミシェルは、搭乗している全員のことを考えると、自分にとっての重みが増したと語りました。シミュレーションだとわかっていても、彼女はこうした事態に備えて訓練し、乗客を無事に家に帰すことに職業人生を捧げている人々に対して「計り知れない感謝と敬意」を表しました。ジムは世論調査の数字について自身の見方を示しました。アメリカ人の3分の1が飛行機を着陸させられると思っているなら、それは大歓迎だというのです。むしろ80%の人がそう思ってくれればいいとさえ言いました。もし自分の家族が乗っていたら、コックピットに自信を持った人がいてほしいし、そこにいる誰であれ最高の自分でいてほしいからだ、と。動画では、パイロットが操縦不能になり乗客が操縦を担った事例が現実にも起きていることにも触れていました。

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遅れの代償:オートパイロットによる360度旋回

ミシェルが通信機器を見つけるのに時間がかかりすぎたため、機体は安全な降下率で降りるには空港に近づきすぎていました。ジムは、本来ならすでに降下しているはずだったので、右に360度旋回して高度を下げ、本来いるべき位置に戻ると伝えました。

そのためには、オートパイロットに特定の数値を入力する必要がありました。ジムは計器盤に「268」が見えるかと尋ねました。ミシェルは、数字が多すぎて円周率の桁と変わらないくらいだと答えました。ジムは、上部のパネルはMCP、つまりオートパイロットの操作パネルで、そこにいくつかの数字が表示されているはずだと説明しました。対気速度が310、機首方位が268、高度が24,000です。そして、機首方位のノブを時計回りに回して268から020にするよう指示しました。

後に収録したナレーションで、ミシェルは当時理解していなかったことを説明しています。彼女によれば、その頃には次回のエピソードに向けてパイロット免許の訓練を始めていたといいます。機首方位とは、360度のコンパス上で機体がどの方向に飛ぶかを示すもので、ダイヤルを時計回りに回すと右旋回の指示になります。機体が傾き始め、彼女がなぜかと尋ねると、ジムは旋回はどのフライトでも行われるものだと言って安心させました。

彼女は、オートパイロットはAIに操縦を任せてすべてを飛ばしてもらうボタンではないと強調しました。パイロットは依然として、どれくらいの速度で飛ぶか、どの高度まで降下するか、どれくらいの速さで降下するかを指示しなければなりません。ジムの指示に従い、彼女は対気速度を下げ、高度を22,000フィートに設定し、昇降率を設定しました。ジムはその結果を、きれいで制御された降下だと評しました。機体が空港に向かい、速度と高度も制御できるようになったところで、ミシェルは落ち着いて対応してくれたことにジムへ感謝しました。ジムは、深呼吸をして、とてもよくやっていると伝えました。

8:16

着陸に向けた設定

最終区間で、ジムはミシェルに着陸の設定を順に指示していきました。彼女はハンドルを手前に引いて下ろし、ランディングギアを下げました。さらに速度を落とし、高度を8,000フィートに設定し、フラップを15にし、オートブレーキを最大に回しました。ジムが指示を出し、彼女がノブを見つけて数字を変えるという流れに乗ってきた、今ではフラップが何かもわかった、コツをつかんできたと思う、と彼女は語りました。そして滑走路が見えてきました。

8:58

オートパイロットを失う

そこでシナリオが急転しました。ジムは、周囲に他の機がいるかもしれないこと、そして少しコースを外れていることを伝えました。オートパイロットが「ちょっとおかしくなったのかもしれない」と言い、手動で操縦しなければならないかもしれないと告げました。ジムは彼女に左手の親指でボタンを押させ、オートパイロットを解除させました。ほぼ直後に、ミシェルは機体がものすごい速さで降下していると言い、どうすればいいかと尋ねました。ジムの答えはこうでした。「飛行機を着陸させて、みんなを救ってくれ」

9:37

バードストライク、エンジン火災、エンジン故障

機体が揺れ始めました。ジムは、この空域で鳥が報告されていると言い、ぶつかったのかと尋ねました。ミシェルはディスプレイの警告「fire warn」を読み上げ、それが何を意味するのかと尋ねました。ジムは右下にある点灯したハンドルを指し示し、操縦桿から手を離し、ハンドルを引いて回すよう指示しました。動画の説明によれば、これによってパイロットは該当するエンジンへの燃料を遮断し、そのエンジンに消火剤を放出できます。

続いてジムは、右エンジンを失ったと告げました。ジムは彼女にスラストレバーを最大出力まで押し込ませ、プライマリ・フライト・ディスプレイ(PFD)を示して、水平飛行に戻し、小さな四角をマゼンタ色のガイダンスラインの内側に保つよう伝えました。

ここで事態は崩れていきました。ミシェルは、何をしても機体が左に曲がらないと言いました。ジムが左のラダーペダルを踏むよう伝えると、彼女は力いっぱい踏んでいると答えました。機体は修正しすぎを繰り返しました。ジムが操縦桿(ヨーク)への力を抜くよう伝えると、彼女は「ヨークって何?」と聞き返しました。別の場面では、ジムは右に戻して空港の方へ回り込むよう指示し、その後、機首を上げるよう指示しました。彼女は、これ以上強く引き上げられないし、引こうとするたびに機体が揺れると答えました。

ミシェルは、コックピットに入るために手を挙げる必要はなかったけれど、自分は挙げたのだから、最後までやり遂げなければならなかったと振り返りました。いちばん難しかったのは、ジムの指示を操作に置き換えながら、ディスプレイ上の「極小の箱」の中にガイダンスラインを保つことだったと彼女は語りました。

12:02

言葉の問題:「パワーを戻す」が、実際の操作と正反対だった

あるミスは用語が原因でした。ジムがスロットルのパワーを戻すよう伝えたとき、ミシェルは「pull the power back(パワーを戻す)」をパワーを上げることだと解釈しました。これはジムの意図と正反対で、機体は上昇し始めました。ジムは「引いて。前じゃない。後ろ。ゆっくり」と繰り返さなければなりませんでした。ミシェルはこのミスを、航空の基本用語を知らなかったせいだとしました。

彼女は、片方のエンジンが止まった状態での飛行を、ハイドロプレーニング中の車を制御することにたとえました。何度か挑戦する中で、自分は致命的なミスを繰り返したと彼女は語りました。挑戦するたびに物理的には滑走路に近づいていきましたが、それでも毎回墜落に終わりました。着陸するには、それらのミスを一つ残らず修正しなければならないと彼女は結論づけました。

13:06

最後の挑戦

最後の挑戦で、ジムはセンターコンソール中央にある大きな灰色のノブを示し、ミシェルはそれをラダーだと特定しました。ジムはそれを左に回すよう指示しました。彼女はその結果を「役に立つけど怖い」と表現しました。ジムは、パワーを戻して減速し、四角をマゼンタのラインの中に保ち、安定する「スイートスポット」を見つけるよう伝えました。彼女が前に押し込み、ラインに戻り始めると、ジムは「何をしているにせよ、そのまま続けて」と言いました。高度が落ちると修正を指示し、左のラダーペダルを踏むよう伝えました。ミシェルはその瞬間、ペダルが車のブレーキのように機能することに気づきました。続いてジムは右のペダルを踏むよう指示しました。

機体は地上に降りました。ジムは「よくやった」と言い、同じ流れで、救難消防隊が向かっていると告げました。ミシェルが墜落したのかと尋ねると、ジムの答えは、機体は「整備点検が必要かもしれない」というものでした。ジムは、全員を救ったと彼女を称えました。ミシェルは、その功績をジム、そして航空管制官全般に捧げました。

14:14

結論

動画の結論は留保付きのものでした。ジムの言葉を借りれば、「普通のエアラインパイロットのやり方ではなかったが、地上に降ろすことはできた」。機体が地上に降りたのは、何度も墜落を繰り返し、管制官から絶えず一つひとつ指示を受けた末のことであり、その後も救急隊が出動しています。ミシェルの経験は、世論調査の数字に表れた自信が、訓練を受けていない人が実際にできることをはるかに上回っていることを示唆しています。無線越しの訓練を受けた声こそが、墜落の繰り返しと荒っぽい到着とを分けたのです。彼女が発表した次のステップは、パイロット免許の取得に向けて正式な訓練を始めることでした。