建設ロボットではなく「ゼネコンそのもの」を作る:All3のフルスタック戦略をFoundXが読み解く
東京大学FoundXFoundXの番組「FoundX Review Startup IdeaCast」は、海外スタートアップのアイデアをAIで整理・分析し、起業を考える人向けに紹介している。今回取り上げたのは建設テックのAll3だ。番組の冒頭では、AIで整理した情報のため一部が古かったり誤っていたりする可能性があり、事実を重視する場合は各自で一次情報を確認してほしいと断っている。
中心となる問いは、ロボットを使う建設スタートアップが、単体のロボットを売るのではなく、設計・製造・施工という建設のバリューチェーン全体を置き換えることは可能なのか、というものだ。解説役のホストは、All3の面白さを「ロボットを作っている会社ではなく、自分がゼネコンになろうとしている」点にあるとして選んだと説明する。もう一人のホストは、実現性、資金繰り、規制、日本への応用といった観点から質問を重ねた。
前置き:スタートアップで働いた経験がイメージを変える
本題の前に、ある企業が実施したスタートアップへの意識調査が紹介された。18〜59歳の男女約5,000人を対象としたインターネット調査である。スタートアップでの勤務経験の有無によって、経営の安定性、福利厚生の充実度、給与水準のイメージに差があり、いずれも勤務経験のある人のほうが肯定的だった。スタートアップの情報を見聞きする機会が増えたと答えた割合も、勤務経験のある人のほうが約30%高かったという。
解説役のホストはこの結果を、中に入らないと分からない情報が多いことの表れと受け止めた。採用の分野には、入社前に厳しい面も伝えて入社後のギャップを減らす「RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)」という考え方がある。これと同じように、実際に触れてみないと分からない情報があるのだろうと述べた。友人や知人がスタートアップで働くようになり、給与などの話を直接聞く機会が増えれば、イメージは少しずつ良くなっていくのではないかという見方も示した。もう一人のホストも、官僚や政治家の働き方は近くにいないと分からず、自分も40歳近くになってようやく分かったと振り返り、スタートアップに限らず触れてみないと分からないことは多いと応じた。
All3の全体像:建設を「フィジカルAI」で置き換える
All3は、AIで設計し、部材を現場以外の工場で製造し、現場ではロボットが施工する。この工程全体をフルスタックでまとめて再設計しようとしている企業だと紹介された。同社が掲げるのは「建設のバリューチェーン全体をフィジカルAIで完全に置き換える」ことである。ここでいうフィジカルAIとは、AIが設計するだけでなく、ロボットや工場を通じて物理世界の建設作業まで実行することを指す。
背景にある構造変化として、番組は3点を挙げた。1つ目は労働力不足で、欧州だけで建設労働者が約420万人不足するといわれている。2つ目はESG規制の強化と脱炭素の圧力である。3つ目は、建設業の労働生産性が1950年代からほとんど変わっていないことだ。住宅不足や建設コストの上昇も重なり、変わらざるを得ない圧力が強い一方で、AIやロボティクスを適用する余地も大きい。解説役はこの点で、建設は面白い領域になっていると見ている。
ただし、全体の置き換えはあくまで長期的なビジョンであり、現時点では「これから」の段階にある。過去にも建設の垂直統合を試みた例はあったのではないか、本当にできるのか、という問いに対し、解説役は次のように答えた。過去の失敗例があり、All3もそれを踏まえて改良しているようだが、完全な置き換えは段階的に進めていくことになるだろう。
既存ゼネコンのDXでは足りないのか、という問いもあった。All3の仮説では、既存プロセスをデジタル化しても会社ごとの分断は残るため、コストや工期の根本的な削減には限界がある。
顧客の課題:ROIが合わない土地をどう事業化するか
初期の顧客は、都市部で住宅開発を行う不動産デベロッパーである。対象となるのは、形状が複雑な土地、汚染のために開発が進まない土地、狭小地、不整形地などだ。番組によれば、こうした顧客が求めているのは「ロボット」ではない。ROIが合わない土地をどう事業化するかという課題の解決である。
既存のプレハブ工法は、標準化された土地や建物には向いている。しかし都市部の複雑な敷地や狭い敷地では合わないことが多く、設計の自由度も収益性も下がる。土地に合わせて一から建てれば工期が長くなり、資本コストや金利負担が増え、販売開始も遅れるというリスクを抱える。
建設業界は長期的に生産性の改善が遅く、技術開発がまだ十分に進んでいないという指摘もあった。もう一人のホストが示したデータでは、建設業のR&D投資は売上の1%以下で、自動車の約4.5%と比べて小さい。このホストは、かつてR&D投資が少なかった電力分野に今は大きな投資が集まっていることを挙げ、建設も同じように変わる可能性があると述べた。
顧客が重視する指標として挙げられたのは、建設コスト、工期、そして販売できる面積の3つである。
解決策:AI設計、ロボット工場、四足歩行ロボット「Mantis」
All3の仕組みは、AIが設計し、工場で部品を作り、現場でロボットが組み立てるという3層で構成される。
設計を担うAIは、敷地条件、規制、高さ制限、コスト、製造への適合性を考慮する。そのうえで、ロボットが製造・施工しやすい設計を生成する。製造は小規模な分散型ロボット工場で行い、木材の部材を0.2mmの精度で製造できるとAll3は説明している。
施工を担うのが、四足歩行ロボット「Mantis」だ。現場での設置、仕上げ、検査を行う。可搬重量は100、リーチは4mと紹介された。All3はYouTubeに動画を公開しており、解説役はその見た目を「ちょっと蜘蛛っぽい」「かわいい感じのロボット」と表現した。一方で動きは虫や海の生き物のようで、「ちょっと気持ち悪くて面白い」とも述べている。Mantis(カマキリ)という名前ほどカマキリには似ていないという感想も出た。
なぜ四足なのかという質問に、解説役はすぐには答えられなかった。その後の説明によれば、建設現場には段差や凹凸、階段、不整地、狭い空間が多く、車輪型よりも四足のほうが適応しやすいからだという。
All3は、この一体設計によって工期を最大50%、建設コストを最大30%、ライフサイクル全体の温室効果ガス排出を最大25%削減できるとうたっている。もう一人のホストは、ロボット単体の性能で勝負するのではなく、ロボットに合わせて施工モジュールを作り、それをAIが設計するという発想だとまとめた。解説役も、重要なのはロボットが施工しやすいように建物側も設計する点だと同意した。
では、工期50%短縮やコスト30%削減は本当にできるのか。解説役によれば、これは現時点ではAll3の試算や目標にすぎない。実際に完成した建物はまだなく、今年着工する予定の段階だという。
市場:欧州の住宅不足とドイツ都市部
市場規模について、TAMは世界の建設市場で6.7兆ドルとされた。SAMは欧州の住宅不足に対応する市場で、最初に参入するのはドイツ都市部の集合住宅開発である。ドイツでは住宅供給の年間目標40万戸に対し、実績は22.5万戸にとどまっており、需給ギャップが大きい。
市場成長のドライバーとしては3点が挙げられた。グリーンビルディング認証やESG投資の圧力、AIやロボティクスの技術進歩、そして都市への人口集中である。もう一人のホストは、日本とよく似ていると反応した。
ESG投資の圧力がスタートアップにどう効くのかという質問には、解説役が自分も知らなかったと前置きしたうえで答えた。デベロッパーが資金を調達する際、環境負荷の低いプロジェクトは有利な条件で資金を集められる。そのため、低炭素な工法への需要が高まるという。
ビジネスモデル:ロボットを売るのではなくプロジェクトを受注する
All3はシステムもロボットも作っているが、それらを売る会社ではなく、建設プロジェクトごと受注する会社である。顧客は不動産デベロッパーで、契約はプロジェクト単位に近い。同社は「フライホイール」を掲げている。案件をこなすほど設計データ、製造ノウハウ、現場ロボットの運用データが蓄積し、次の案件のコストと精度が改善していくという狙いだ。
コスト構造は従来の建設と大きく異なる。従来の建設は人件費、工期、外注費といった変動費の比重が高い。All3はロボット、工場、AIプラットフォームといった固定費が大きくなる。稼働率が上がれば限界費用を下げられる可能性があるが、稼働率が低ければ固定費の負担が重い。スケールすれば強いが、スケールするまでは非常に重いモデルだと解説役は説明した。
こうしたモデルでキャッシュフローをどう回すのか。解説役はまず、創業者がかなりの自己資金を初期に投じていることを挙げた。加えて、過去の失敗例では工場が重荷になったことが大きかったという教訓から、部材工場を小規模・分散型にして設備投資を抑える工夫をしているという。
実績のないスタートアップにデベロッパーが本当に発注するのか、という疑問も出た。解説役は、そこは苦労し工夫している部分だろうとしたうえで、All3が示すメリットが魅力になっていると見る。大幅な工期短縮とそれによるIRRの向上、そして建設が難しい土地でも事業化できることである。
戦略:分断されたバリューチェーンの垂直統合
従来の建設では、設計士が設計し、構造エンジニアが計算し、構造部材の工場が製造し、ゼネコンを経て専門工事の下請けへと仕事が流れる。設計の意図、製造上の制約、施工現場の制約が別々に管理されるため、手戻りが発生しやすく、責任の所在も分けにくい。
All3は、AIで設計し、部材を内製し、Mantisで組み立てる完全垂直統合型のモデルを取る。ただし、コンクリート基礎や一部の工事は外部を活用するという。同社が描く理想像は、建築物がソフトウェアのように「コンパイル」され、工場とロボットを通じて自動で出力される世界だ。ここでいうコンパイルとは、設計データが製造指示、部材の接合手順、ロボットの動作に変換されることを指す。
垂直統合する以上、既存のゼネコンや設計事務所とは完全に競合する。そのうえでAll3は、ロボットやAIを売るのではなく、土地と資金を持つデベロッパーに直接アプローチしている。
リスクとロードマップ
ロードマップどおりに進まない最大のリスクは何か。解説役は、実際に建った建物がまだない以上、それはこれから明らかになっていくと前置きした。そのうえで、現時点で考えられる大きなリスクとして2つを挙げた。ロボットが現場で想定どおりに動かないという技術リスクと、国や自治体ごとに異なる認証がきちんと下りるかという規制リスクである。
ロードマップは3段階で示された。フェーズ1は技術検証で、ドイツ市場でMantisとAIプラットフォームを実証する。最初の商業ビルは今年後半に着工予定とされた。ドイツを選んだのは、住宅不足が深刻で、環境規制や建築規制も厳しいためだ。ここで解決できれば、他の地域でも通用する証明になるという考えである。
フェーズ2では、建設コストを最適化し、住宅プロジェクトの処理量を増やし、部材・モジュール・ロボットの運用を改善していく。All3はすでに10万平方メートルを超える住宅プロジェクトをパイプラインとして抱えているという。フェーズ3では、コンクリート基礎を除く地上部分すべての完全ロボット化を目指す。
もう一人のホストが、なぜ住宅ではなく商業ビルから始めるのかと尋ねると、解説役はそこは調べきれていないと認めた。ドイツで成功すれば他国にも展開できるという狙いはあるものの、いきなり欧州全体に広げられるわけではない。国ごとに規制、認証、保険、商習慣が異なるため、1か国ずつ対応していく必要があるという。
競合とモート:「カスタム×エンドツーエンド」
競合を整理する軸は2つ示された。単一タスクか汎用か、そして標準化された対象かカスタムかである。All3が狙うのは「カスタム×エンドツーエンド」の位置で、解説役は「欲張りないいとこ取り」のようだと表現した。Monumental(モニュメンタル)やDusty Roboticsといった建設ロボティクス企業は特定工程の自動化に強い。これに対しMantisは、より幅広い作業に対応できるとされる。建設プロセスの統合や3Dプリントで近い領域にいる企業もあるが、All3は部材製造、ロボット施工、設計のすべてを統合する点で異なるという。
モートについて、AIの整理では技術的要素が多く挙がった。Mantisの汎用性の高さや、ソフトウェアとロボットを直結するデータ層の完全統合などである。ただし、それが実際にモートとして機能するかはこれから検証される段階だと解説役は留保した。
技術的な独自性の例として、独自のコネクターが紹介された。建設現場で組み立てると部材が数mmずれることがよくあるという。All3はこれをロボットの力覚センサーだけに頼らず、コネクターのハードウェア形状で物理的に吸収する仕組みにしており、ロボットによる組み立ての成功率を上げている。
最終的なモートは何になるのか。解説役は、単一の技術や特許、切り出した運用ノウハウではないと見る。AI設計データ、コネクター、ロボット運用、規制対応、施工実績といった要素すべての組み合わせがモートにつながるだろう、というのが解説役の見立てである。
初期ターゲットとPMFの検証
初期ターゲットはドイツ都市部の不動産デベロッパーで、不規則な土地、アクセスの悪い土地、狭小地ではプレハブを入れにくくROIが合わないという課題を抱えている。All3はMVPとして中層の木質ハイブリッド集合住宅を建て、狭小地でもロボットを展開しやすくすることでB2Bのパートナーシップを得ようとしている。PMFを確認する指標は、実際の商業案件で工期50%短縮・コスト30%削減という目標を達成し、引き渡しまで完了することだ。これもまだこれからの取り組みである。
中層の木質ハイブリッド住宅は、火災や遮音といった規制をクリアできるのか、という質問が出た。解説役は、実際にそこが壁の一つだったと答えた。欧州では木造中層建築の規制緩和が進んでいるものの、国ごとに認証が異なり、それをどう突破するかが難しい点だという。
デベロッパー相手ではセールスサイクルが長くなりそうだという指摘には、解説役も同意した。そのうえで、All3はシリアルアントレプレナーが始めた企業であり、創業者のネットワークと自己資金を活かして、開発段階から初期のパイロット顧客と連携していると説明した。
創業チーム:Samokatの経験を建設へ
創業者はロディオン・シシコフ氏とスラヴァ・ボチャロフ氏の2人だ。ロシア発の宅配サービスSamokatの共同創業者として知られ、Samokatは5年間で15億ドル規模のエグジットを果たしたという。その後、別の宅配サービスも起業したが廃業し、その経験を経てAll3の創業に至った。創業の狙いは、クイックコマースや物流の領域で培った「システム全体の最適化」という考え方を、50年間生産性が変わっていない建設業界に持ち込むことにある。チームは建設業界の常識に縛られないよう、ソフトウェア、ハードウェア、ロボティクス、システムエンジニアリングなど多様な領域の人材で構成されている。
もう一人のホストは、宅配や物流の経験が建設のどこに活きるのかすぐには思いつかないと率直に述べた。解説役も一見まったく違う領域だと認めつつ、AIの整理を紹介した。需要予測、在庫の最適配置、小型拠点の分散運用といったサプライチェーンのマネジメントや効率化の経験が、分散型工場の運用につながっているという。もう一人のホストはこれを受けて、個別の技術そのものより、技術を持ち込んでインテグレーションすることに強い会社だとまとめ、解説役も同意した。
創業者自身には建設業界の知識がなかったため、チームに専門家を引き入れている。約100名の建設業界の専門家がおり、構造エンジニア、建築士、各国の法律に精通した人材も含まれるという。
初期の学び:単一タスクロボットからフルスタックへ
All3の当初の仮説は、現場に単一タスクのロボットを導入すれば効率化できるというものだった。しかし検証を進めるなかで、1つのタスクを自動化しても、その前後にある人間依存の工程がボトルネックになることに気づいた。そこでバリューチェーン全体を統合しなければ意味がないと判断し、フルスタックのモデルへ大きく転換したという。
同社には約2年のステルス期間があり、自己資金でコンセプトからMantisの開発までを進めた。フルスタックへの転換はリスクが大きいのではないかという問いに、解説役は「普通できない」と答え、シシコフ氏らのエグジットで得た自己資金があったからこそ可能だった部分があると述べた。最初からどうすればこれができたのかは自分でも考えてしまう、とも付け加えている。
資金調達:自己資金と2,500万ドルのシード
創業者による初期投資は約45億円(約3,000万ドル)と報じられている。そのうえで2026年4月に、シードラウンドで約2,500万ドルを調達した。ハードウェア、ソフトウェア、工場、現場での実証まで手がけるため、SaaSより重く、調達規模も大きい。現在の従業員は100名以上で、フィジカルAIの商業展開の直前にいる状態だという。
創業者資金を持たない起業家には参考にならないのか、という問いに、解説役は金額そのものは真似しにくいと認めた。一方で、ステルス期間にロボットやAIプラットフォームを実際に作り、10万平方メートル超の住宅案件をパイプラインとして確保していた点は学べるとする。外部から資金を調達する前にプロダクトを作り、顧客候補を得ておくという進め方である。
自己資金でまだ進められたのではないかという見方に対しては、今回の調達の目的を次のように推測した。商業案件の着工に必要な運転資金に加え、VCが後ろ盾につくことでデベロッパーからの信頼や採用面でのプラスを得るためだったと考えられる、というものだ。
日本に応用するなら
日本への応用はAIに考えさせた内容として紹介された。日本の前提として挙げられたのは、ドイツと同様の建設人材不足、地震が多いことによる高い耐震基準、そして狭小地の多い都市構造である。そのうえで3つの案が示された。
- A案:大手ゼネコンとのジョイントベンチャー。耐震や許認可のハードルを越えやすく、顧客基盤も得やすいが、スタートアップらしい速度は出ないとされる。
- B案:木造中層に特化し、自由度はやや下がるものの自動化したプレハブを建てる。ただし耐震や防火への対応が重くなる。
- C案:ソフトウェアとロボットに特化する。既存のサプライチェーンには入りやすいが、フルスタックだからこそ生まれる価値は取りにくい。
日本のスタートアップが同じことをした場合に勝てるポイントはあるのか。解説役は、耐震設計、申請、狭小地の多様さ、防火・防災といった規制やローカルな知識が挙げられるかもしれないとした。ただし欧州でも事情は同様なので、それがどこまで参入障壁になるかは分からないと述べている。
日本のゼネコンもIT化に熱心に取り組んでいるなかで、All3のような企業が入り込む余地はあるのかという質問もあった。解説役の見立てでは、既存ゼネコンは現場の効率化に注力している。しかし、設計から部材製造、ロボットによる組み立てまでを前提として一貫して行うことは、バリューチェーンが会社ごとに分かれている組織構造上難しい。そこに隙があるのではないかという。
まとめと残された問い
番組のまとめは3点だった。1つ目は、大きな産業を変えるには、一部を改善するのではなく既存のプロセスごと書き換えるフルスタックのアプローチが鍵になりうること。2つ目は、物流やクイックコマースのモデルを建設に持ち込むといった、異業種の思考を転用すること。3つ目は、ソフトウェアだけでなく物理世界で動くAIとハードウェアの融合、つまりフィジカルAIが大きな事業機会になりうることである。すぐに実践できるアクションとしては、自分が属する業界のバリューチェーンを書き出し、隣り合う2〜3の工程を統合すると何ができるかを考えてみることが提案された。
もう一人のホストは、フルスタックは好きだが、なかなかできないとも感想を述べた。それでも、大きな産業のどこか1か所を改善するのではなく、AIやソフトウェアの時代に合わせてワークフロー自体を変えていくという考え方は、他の業界にも応用できそうだと締めくくった。
一方で、All3が掲げる工期50%短縮やコスト30%削減は、まだ1棟も建物が完成していない段階での目標にすぎない。Mantisが現場で想定どおりに動くのか、国ごとに異なる認証を越えられるのかは、今年後半とされる最初の商業ビルの着工以降に検証されていくことになる。
皆さん、こんにちは。FoundXです。
同じくFoundXの富田です。雑談というところでニュースですが、最近フスターアップさんが出したスタートアップ企業に対する意識調査の結果をちょっとご紹介できたらと思います。
彼らがやってたこととして、1都3県の18歳から59歳までの男女合わせて5000人くらいにインターネット調査をして、スタートアップ企業に対してどういう意識がありますかっていうのをアンケートしたということだったそうです。
結果として、本当に一部だと思うんですけど、スタートアップの勤務経験の有無で結構スタートアップに対するイメージで差が出てたっていうのが調査の結果で、勤務経験の有無で違いの出た項目としては、スタートアップの経営の安定性のイメージ、経営安定してるよね、してないよねっていう安定性のイメージと、福利厚生の充実、それから給与の水準っていうところが違いが出たようで、全部、勤務経験があると経営も安定してるし、福利厚生も充実してるし、給与水準も高いよねっていう方になっていたそうです。
あとはスタートアップ企業の情報を見聞きする機会が増えたっていうのも、勤務経験ありの方が勤務経験なしよりも30%ぐらい高くなっていたようです。
なので、思ったこととしては、働いていると、やっぱり知る情報が違ってくる。中に入らないと分からない情報が多いっていう話だなとも思います。採用のところにもRJP、リアリスティック・ジョブ・プレビューみたいな考え方があって、入る前にちょっと悪い話とか大変なとこも聞いとくと、実際働いた時のショック減るよねみたいな話もあるんですけど、そういった感じで、ちょっと働いてみないとわかんない情報とか、ちょっと触れてみないとわかんない情報っていうのもあるんだろうなというのを思いました。
一方で、友達が働いてたりすると、実際の給与の話とかもするだろうと思うので、だんだんスタートアップで働く人とか、そのお友達というか知り合いの方が増えていくと、スタートアップへのイメージっていうところでは良くなっていくのかなというのを思ったので、そういういい企業を増やしていけるといいなと思いました。
そうですね。意外と普通というか、どうですか?スタートアップへの印象みたいなとこで言うと。スタートアップにも限らず、やっぱり触れてみないとわかんないことって多いなと思います。
私も官僚の皆さんがどう働いてるかとか、政治家の方がどう働いてるかとか、近くにいないと全くわかんないんで、40ちょっと前になってようやくわかったみたいな感じだったんで。
確かにそうですね。確かにそういう意味だと、個人としてはどうなるんですかね。色々な立場の人と喋ろうみたいになりますけど。そうですね。いいスタートアップが増えて、結果としてスタートアップの認識も変わっていくといいなというのを思いました。というところで、アイデアキャストのコーナーに移っていけたらと思います。
FoundX Review Startup IdeaCastですが、海外のスタートアップのアイデアをAIを使って分析して紹介する番組です。これからアイデアを考える方のご参考になればという風に思います。最初にディスクレーマーですが、AIを活用して情報を整理しているので、一部の情報は古かったり間違ったりしている場合もあります。ファクトを重視される場合は必ずご自身で調べていただくようお願いいたします。このポッドキャストはあくまでそこからアイデアの参考情報とか考え方を引き出すことを主な目的としています。
そしてですね、今日紹介するのがAll3です。なぜこのAll3を選んだんでしょうか?
これは、建設のテックスタートアップなんですけど、ロボットも使ってはいるんですけど、ロボットを作ってるっていうのではなくて、建設のバリューチェーン全体を全部置き換えるみたいな、自分がゼネコンになるみたいな、かなり野心的なことをしているなというのが面白いなと思って選びました。
このまま、All3の簡単なご紹介に移れたらと思うんですが、All3ですが、建設ロボット企業ではなくて、建設に関わるバリューチェーン全体を統合したような会社になります。AIで設計して、部材とかはオフサイトで製造して、それを現場のロボットで施工するっていうように、フルスタックでまとめて再設計するようなテック企業になっています。
建設領域自体は、労働力不足とか住宅も足りないとか、脱炭素の圧力もある、建設のコストも上がってるっていうようなところで、かなり変わらなきゃいけない圧力が強い。そこに加えて、技術が50年ぐらい前からあまり変わっていなくて、AIとかロボティクスの適用余地も大きいっていうところから、面白い領域になっているなと思います。
彼らとしては、建設の一工程を改善するだけではなくて、設計とか製造、施工まで一体で変える必要があるというところから、設計から製造まで全部自分たちでやるってようなところに取り組んだそうです。
そしてですね、まず彼らの課題ですね…あ、全体像ですね、についてお話しできたらと思います。ごめんなさい。彼らがやってることとしては、建設のバリューチェーン全体をフィジカルAIで完全に置き換えるというところになります。ここでフィジカルAIって言っているのが、AIが設計するだけではなくて、ロボットとか工場を通じて物理世界の建設作業までを実行するっていうようなところを意図しています。
背景にある構造変化ですが、3点挙げられます。1点目が労働者不足ですね。建設労働者が欧州だけでも420万人ほど不足するっていうところも言われています。また2点目として、ESG規制の強化と脱炭素の圧力があります。3点目として、技術的なところで、1950年代から変わっていない建設業の労働生産性といったところがあります。
ここでAll3ですが、既存のバリューチェーンに部分的に入るのではなくて、全体を再設計するっていうような発想で取り組んでいる会社です。ただ、今の段階はまだこれからという段階なので、長期的にこの全体を置き換えるところを狙っているところになります。
昔もこうした全体の垂直統合をしていくみたいな建設とかあったと思うんですけれど、今回この完全に置き換えるっていうのは本当にできるんですかね?
いや、そうですね。過去の失敗の例とかもあって、彼らもそれは踏まえたようでして、なのでそこで良くしているっていうようなところもあるみたいではあります。ただ、その完全に置き換えるっていうのは今の長期的なビジョンとして言っているものになるので、これから段階的に実現していくってことになるかなと思います。
あとは、これも後で出てくるかもしれませんが、既存のゼネコンさんがDXを進めるだけだとダメなんでしょうか?
あ、そうですね。そこで言うと、彼らの仮説として、既存のプロセスをデジタル化するだけだと、結局その会社ごとの分断っていうのは残っていくので、根本的なコストとか工期の削減には限界があるんじゃないかという風に捉えているようです。
では、彼らの相対している課題について、顧客についてお話しできたらと思います。最初の初期の顧客ですが、都市部の複雑な土地とか、汚染によって開発がなかなか進まない土地とか狭小地、そして不整形地で住宅の開発を行うような不動産のデベロッパーになります。
顧客の課題ですが、ロボットが欲しいではなくて、ROIが合わないような土地をどう事業化するかといったところになります。既存のプレハブっていうのもあるんですが、そこだと標準化されたような土地とか建物には向くんですけれども、都市部の複雑だったり、狭小の狭いような敷地とかだと、なかなか合わない、自由度も低くなりますし、収益性も下がったりしますってところです。じゃあ、建物をその土地に合わせて作ればいいじゃないと言っても、なかなか工期が長期化してしまうと、そうすると資本コストとか金利の負担とか販売が遅れるとかっていったところのリスクにもなってきます。
また、建設の業界だと、長期的に生産性の改善が遅いような業界で、まだまだ技術的な発展がそこまで進んでいないというか、まだこれから望まれているってところになっているそうです。
なるほど。データを見ると確かに、売上に対して1%以下のR&D投資みたいになってるんですね。
そうですね。自動車が4.5%ってことなので、R&Dの投資っていうのが小さくて、それもあって生産性をどんどん高くしていくってところがまだまだこれからのところなのかなと思います。
なるほど。電力系も昔はそうしたR&D投資が少なくて、今すごい投資が来てるので、もしかしたらそういうのに建設系もなってくのかもしれないですね。
そうですね。変わる可能性もあると思います。
一方で、顧客が気にする指標ってのはどういうところがあるんでしょうか?
そうですね、いくつかあるようなんですが、1点目がまず建設のコストですね。そして工期っていったところが大きいみたいです。あと、工期と関連はすると思うんですけど、どれだけたくさん売れるか、販売できる面積っていうのがどれぐらいかってところになるかなと思います。
彼らが提供しているような解決策についてです。先ほどもお伝えしてるように、全体を変えますっていうところをAll3はやっていますが、やってることとしてはAIが設計して、工場で部品を作って、ロボットが現場で組み立てるといったところになります。なので構成としては、まず設計の部分ですね、ここがAIの設計になる。2点目の部品を工場が作るってところでは、ロボティクス、ロボット工場ってところになって、そして3点目の組み立てというところについては、現場のロボット、Mantisと呼ばれるようなロボットを使って組み立てるところになっています。
まずAIの設計っていうところについては、敷地の条件とか規制とか高さの制限、それからコスト、そして製造の適合性っていうのを考慮して、ロボットで製造施工していくっていうところにつなぎやすいような、ロボットが製造しやすいような設計をAIがやっていくってところになっているそうです。
そしてロボット工場のところでは、小さな工場がありまして、そこで木材の部材を0.2mm精度で、彼らが言ってるところでは0.2mmの精度で製造ができるそうです。3点目の施工というところではMantisといった四つ足のロボットがありまして、YouTubeとかでもAll3が動画出してるので見ていただいたら分かるんですけど、ちょっと蜘蛛っぽいような、ちょっと可愛い感じのロボットになっています。このロボットが現場で設置とか仕上げとか検査を行うようなロボットになっています。持てる重量が100で、リーチが4mあるという風に言っているそうです。
こういった全体の設計を通じて、工期も最大50%、建設のコストも最大30%削減、そしてライフサイクル全体で排出されるような温室効果ガスも最大25%削減ができるという風に彼らとしては謳っているところになります。
なるほど。ロボット単体の性能で勝負するというよりは、ロボットに合わせて施工モジュールとかを作り、それをAIが開発するみたいな、そんな感じなんですね。
そうですね。おっしゃるように、重要なのがロボット単体ではなくて、ロボットが施工しやすいように建物側も設計するっていうところになっているようです。
なるほど。とはいえ、工期50%短縮とかコスト30%削減っていうのはできるんですかね?
いやあ、一応、今の時点ではAll3の試算とか目標っていうような状況になっていて、まだ建物を作っているっていうところではなくて、これから作る。今年確か着工とかだったと思うので、これから作るっていうところになっているそうです。
あとMantis、四つ足のロボット、Mantisなので多分カマキリかなと思うんですけれども、なんで4脚のロボットなんでしょうね。
あ、そうですね。おそらく簡単なところだと…パッと出てこない。やばい。4つ足の理由としては、建設の現場が段差とかでこぼことか階段とか不整地とか狭い空間が多いっていうところで、車輪タイプよりは四つ足の方がそういった場所に適用しやすいってところがあるみたいです。でもあんまりカマキリっぽくもない感じなんですけどね。見てた感じ。でも動きがすごい虫とか海の生物っぽくて、ちょっと気持ち悪くて面白いなと思います。
では彼らが相対している市場についてです。先ほどもお伝えしているように、彼らが向き合ってる市場としては建設市場になるので、TAMとしては大きくなっているところになります。世界の建設市場だと6.7兆ドルっていったところになっています。SAMとしては欧州の住宅不足の市場になります。最初に入っていく市場としては、ドイツの都市部の集合住宅開発っていったところを初期の市場としています。ここだと、ドイツだと住宅の供給目標と実績のギャップっていうのがあるようでして、年間目標40万戸に対して、提供できたのが22.5万戸ってところで、すごくギャップが大きくなっているような市場だそうです。
この市場が成長するドライバーとして3点挙げられていて、1点目が規制ですね。グリーンビルディング、環境配慮型建築の認証とかESG投資の圧力っていうのが1点目、2点目として、AIとかロボティクスの実用化、技術の進歩が2点目、3点目のドライバーとして重要ですね、都市への人口集中っていったところが挙げられています。
日本とよく似てる感じしますね。そうですね。本当にそうですね。
一方でこのESG投資の圧力みたいなところもありましたけれど、これはどういう風にスタートアップに影響していくんでしょう?
そうですね。私も知らなかったんですけれども、デベロッパーが建てる際に資金調達をしていくっていう時に、環境負荷の低いプロジェクトは有利な条件で資金が集められるそうで、なのでそういったことがあると、より低炭素の工法でやるっていうところの需要が高まるそうです。
そして彼らのビジネスモデルについてお話しできたらと思います。All3はシステムを作ってるし、ロボットも作っているんですが、そういった会社ではなくて、建設プロジェクトごと取るような会社になります。なので顧客としては不動産デベロッパーで、支払いはプロジェクト単位の契約に近くなっています。彼らが謳っているところとしては、フライホイールというのを謳っていて、案件を処理するほど設計データとか製造ノウハウ、現場のロボットの運用データが蓄積して、次の案件のコストと精度が改善するところを狙っているそうです。
そしてこのコストの構造なんですが、従来の建設だと人件費とか工期、それから外注費っていったように変動費が高くなってしまっています。一方でAll3はロボットとか工場とかAIのプラットフォームっていったような固定費っていうのは大きくなっていくんですが、稼働率が上がるとその限界費用を下げられる可能性があります。一方で逆に稼働率が低いと固定費の負担が重くなってしまうところもありますが、なのでスケールすると強いんですけれども、スケールする前はとても重たいようなモデルになっているそうです。
そういう固定費が重いモデルでキャッシュフローをどうやって回してんでしょうね。
いや、そうなんですよね。資金調達ももちろんなんですけど、最初に自己資金もかなり投下していて、40億ぐらいだったかな、投下していて、初期に巨額の資金を入れていますっていうのと、それから過去の失敗から学んだみたいなお話したと思うんですけど、それで言うと、工場がとっても失敗したところだと大きかったっていうところを、彼らとしてはそれを改善しようっていうのがあったそうで、なので部材を製造するような工場っていうのは分散型で小さいので、設備投資が少なくて済むっていう工夫をしているそうです。
そのデベロッパーから見ても、実績のないスタートアップに発注するのかみたいなところが結構あるなと思うんですが、その辺どうしてるんでしょう?
いやあ、そこはおそらく苦労、工夫されているところだとは思うんですが、彼らが謳っているメリットですね、大幅な工期の短縮、それによるIRRの向上、それから建設が難しいような土地でも事業化ができますっていったようなリターンが魅力になっているかなと思います。
そして、彼らの取っているような戦略ですね。ここについてお話できたらと思います。まず、従来型の建設のバリューチェーンですが、設計士が設計して、構造エンジニアがまた計算して、それが構造部材の工場に、そしてそれがゼネコンに伝わって、そして専門下請けに伝わるっていったように分断しています。そうすると、設計の意図とか製造の制約、そして施工現場の制約っていうのが別々に管理されるので、手戻りとか責任の所在を分けるのが難しいっていうような問題が発生します。
All3はですね、完全垂直統合型モデルを取っています。AIで設計して、Mantisが組み立てる、そして部材も自社で内製するってところになっています。なので全部統合します。一方で一部外部も活用するようでして、コンクリートの基礎とか一部の工事とかは外部のものを利用するってことのようです。彼らの理想像としては、建築物がソフトウェアのようにコンパイルされて、現場とロボットを通じて自動で出力される世界っていうのを狙っているそうです。ここでコンパイルっていうのの意図としては、設計データが製造の指示とか部材接合手順、ロボット動作に変換されるといったところになります。
もう垂直統合をすることで、いわゆる既存のゼネコンとか設計事務所とはもう完全にコンペになるって感じですかね。
そうですね。競合になります。なので、すごい戦い方だなと思うんですけど、彼らにロボットとかAIを売りますというのではなくて、土地と資金を持ってるデベロッパーに直接アプローチするっていうような形になっているようです。
あとはロードマップ、これすごい大きなものだと思うんで、ロードマップがあると思うんですが、ロードマップ通りに進まない最大のリスクっていうのは一体何なんでしょうか?
そうですね。それを多分今から通じていくところであると思うんですが、まだ実際に建てられた建物があるっていうわけではないそうです。なので、今考えられるものとしては、ロボットが現場で想定通りに動かないっていう技術リスク、それから国とか自治体ごとに認証とかがまた変わってくるので、そこがきちっと降りるかっていうような規制のリスクっていうのが大きいものとして考えられているようです。
彼らの取っているというか、取ろうとしているロードマップについてです。まずフェーズ1では、技術検証のところで、ドイツの市場でMantisとAIのプラットフォームの実証を行っています。今年の後半に最初の商業ビルが着工されるそうです。ドイツで実証している意味としては、住宅不足が深刻、そして環境規制とか建築の規制も厳しいっていったところで、ここで解決できれば他のところでも証明になるっていったところで実証しているようです。
フェーズ2では、建設のコストを最適化する。そして住宅プロジェクトの扱う量を増やしていく。また、部材とかモジュールとかロボットの運用を改善していくところになります。ここでは、もうすでに10万平米を超えるような住宅プロジェクトをパイプラインとして持っているようでして、そこに対して建物を作っていくところをやっていくそうです。次のフェーズ3としては、コンクリート基礎を除く地上部分の全てを完全ロボット化していくところを狙っているそうです。
これは商業ビルから始めるんですね。
そうですね。ごめんなさい。ここがどうして商業ビルからっていうところは調べきれてないんですけれども。
とはいえ、その後住宅に行って、ドイツという厳しいところで成功させれば他のとこにも行けると。
そうですね。そこを狙っているようですね。ただ、いきなり欧州全体に行けるかっていうと、そこはやっぱり徐々に段階的に適用していくことが必要みたいですね。国ごとの規制とか認証とか保険とか、あとは慣行、商慣行っていうのもあるみたいなので、そこはだんだん国を変えて対応していくってことは必要になってくるようです。
彼らの競合とモートについてです。競合の軸としては、単一のタスクか、もしくは汎用的なものかっていうところと、適用できるのが標準化なのか、カスタムしたところかってところですが、カスタム×エンドツーエンドっていうところになっているようで、もうなんか欲張りないいとこ取りじゃんみたいな感じではあります。多くの建設ロボティクスだと、例えばMonumentalとかDusty Roboticsっていったところだと特定の工程の自動化に強いんですけど、Mantisはより一般的とか広い幅で対応できるところになっているようです。また、他の01とかだと、建設のプロセスの統合とか3Dプリントっていったところで近いような領域にもいるんですが、All3だと部材も作るし、ロボットで組み立てるし、設計も統合するよっていうような、全部やるよみたいなところが違ってくるっていうことのようです。
モートについては、細かいのは置いといて、結構技術的な要素が多いという風にAIは整理しています。Mantisが汎用性が高いとかですね、ソフトウェアとロボットを直結するようなデータ層の完全統合とかっていったところを挙げていますが、ただここだとまだこれから、それがモートとして機能するかっていうところは検証していくっていうようなところになっているようです。
その独自のコネクターっていうところがあると思うんですけど、その技術的な優位性っていうのはどういうところなんでしょう?
そうですね、彼らも独自のコネクターを持っているようなんですが、その優位性としては、建設現場で組み立てた時にあるあるだと思うんですが、ちょっと数mmずれるっていうところがあるそうで、それをロボットの力のセンサーだけに頼らずに、ハードの形状、コネクターで物理的に吸収するような仕組みになっているそうです。なのでロボットの率が上がるっていったところになっているようですね。
色々技術的なところもありそうですが、モートは最終的にこういうのを全部自分たちで運用していくところになるんですかね。
おっしゃる通りですね。なので、1つの技術とか特許っていうわけではなくて、運用ノウハウとかそういうの切り出しではなくて、全体のものですね。AIの設計のデータとか、コネクターであるとか、ロボットの運用とか規制の対応とか施工の実績っていったところを全て組み合わせたようなところがモートに繋がってくるだろうと思います。
彼らの初期ターゲットなどについてお話できたらと思います。初期のターゲットはですね、ドイツの都市部における不動産デベロッパーでした。このターゲット顧客のミクロな課題としては、不規則な土地、アクセスの悪い土地、狭小地だとプレハブは導入しにくくて、ROIが合わないってところになっていたようです。それに対して、MVPとして木質ハイブリッド集合住宅っていうところを建てるということによって、これから建っていくのかなと思うんですが、そこによって狭小地でもロボットを展開しやすくするってところで、B2Bのパートナーシップを得ていくようですね。PMFの確認の指標として、これから建てるような実際の商業サイトにおいて、従来の工期から50%短縮、コスト30%削減っていったように彼らが目標として言っているところを実際に達成して、引き渡しを完了するところを、これからやっていくことのようです。
中層木質ハイブリッド集合住宅って、そうした建築物って火災とか遮音性とか、割とそうした規制をクリアできる材質なんですかね。
ここはかなり気になるポイントですよね。実際に壁の1つだったそうです。欧州だと、木造中層階の規制の緩和っていうのは進んでいるそうなんですが、国ごとにやっぱり認証が変わってくるようで、それをどう突破するかっていうのは難しいポイントのようですね。
あと、初期のターゲットが不動産デベロッパーということでしたが、結構セールスサイクルみたいなところが長くなりそうだなって感じはしたんですが、どうでしょう?
おっしゃる通り長くなるようです。なのでAll3ですが、実はシリアルアントレプレナーの方が始めたような企業になっておりまして、創業者のネットワークとか自己資金を活用して、初期のパイロット顧客と開発段階から連携するような形を取っているようです。今ちょっと創業者のお話になったので、続けて創業者のお話できたらと思います。
創業者ですが、ロディオン・シシコフさんと、スロバ・ボチャロフさんっていったお2人になります。お2人ですが、ロシア発で、宅配サービスのSamokatの共同創業者として知られるそうです。このSamokatですが、15億ドルの規模のエグジットをされたそうです。5年間でですね、そういったところを達成したそうです。その後にですね、別のところでも宅配サービスを起業して、廃業したっていうところもあったようなんですが、その経験を経てAll3を起業するに至ったってことのようです。
創業の経緯としては、小売とか物流領域で培ったシステム全体の最適化っていったような考え方をですね、50年間生産性が変わっていないような建設業界に持ち込むっていうところになっているそうです。チーム構成としては、建設業界の常識に縛られないようにというのもあるみたいで、ソフトウェアとかハードウェア、ロボティクス、システムエンジニア、色々な領域の人で構成していることのようですね。
その配達の物流のスタートアップみたいなところって、建設業にどういったところが生きるのかパッと思いつかないんですけど、どういうところでしょう?
いや、そうですよね。パッと全然違うんじゃないかというのは思うんですけれども、AIが整理したところだと、需要の予測とか在庫の最適な配置、それから小型の拠点の分散運用っていったような、サプライチェーンをどうマネジメントするかとか効率化するかっていうところが、特に分散型の工場の運用につながっているようですね。
そうすると本当、技術じゃなくって、その技術を持ってきてインテグレーションするっていうところが強い会社って感じですね。
あ、おっしゃる通りですね。なので、建設業界の知識とかが彼ら自身にあるっていうところでもなかったので、チームには引き入れているようでして、100名ぐらいですね、建設業界の専門家の方を含めていらっしゃるようで、構造エンジニアとか建築士とか各国の法律に精通した人材っていうのも今のチームにはいらっしゃるようです。
彼らの初期の学びについてです。彼らの初期の仮説としてはですね、現場に単一タスクのロボットを導入すれば効率化ができるという風に思っていたそうです。ただですね、検証する中で、単一タスクを自動化しても前後の人間依存の工程がボトルネックになってしまうっていったところに気づいたようで、なのでバリューチェーン全体を統合しないと意味がないっていうところになって、フルスタックのモデルに大転換を遂げたっていうことのようですね。
あとはステルスの期間がかなり、2年ぐらいかな、あったようで、自己資金で頑張ったところになるんですが、その際にコンセプトからMantisの開発までを行ってたようですね。
フルスタックに転換するのは結構リスクですね。
いやあ、普通できないわなって思います、これは。なので、ロディオン・シシコフさんとかのエグジットから得たような自己資金があったからこその部分はあると思います。いや、これは最初からどうやったらできたんだろうっていうのはちょっと思うところではあります。
彼らの得たような資金調達とか資源についてです。まず、先ほどから創業者が初期に投資しているっていうところもお伝えしているんですが、これの規模が45億円ほど、30ミリオンドルぐらいっていう風に報じられています。そして、2026年の4月にですね、シードのラウンドとして2500万ドルほど調達したそうです。なのでハードウェアとかソフトウェアとか工場とか、それから現場の実証もやっていくところなので、SaaSより重たくなっていて、規模も大きいものになっていますね。現在ですが、従業員が100名ほど、100名以上かいらっしゃるみたいで、フィジカルAIの商業展開の本当に少し前、直前にいるっていうような状態になっているようです。
これは創業者資金がない起業家にはそんなに参考にならないんですかね?どうなんでしょう?
いやあ、本当にその金額はすごいので、それを真似するっていうのは難しいとは思うんですが、ただ彼らがですね、ステルス期間にやっていたこととしては、実際にロボットを作るとか、あとはAIのプラットフォームを作るっていったところをしていて、パイプラインとして10万平米を超えるような住宅っていうのを受注もしていたってことのようなので、そういった意味では外部から調達する前にものを作るとか顧客の候補を得るっていったところは学べるというか、取り入れることはできるかなと思います。
じゃあ、あと今回25ミリオンを調達したということですが、これはなんでなんでしょうか?
いや、そうですね。自己資金でまだ行けたんじゃないかみたいなのはあるかもしんないですけど、商業案件を着工するための運転資金っていうところと、それから信用ですね。VCの後ろ盾があるってことによるデベロッパーへの信頼感とか、採用へのプラスっていったところを得るためだったと考えられています。
では日本に応用するならというところで、AIにも考えてもらいました。3点挙げています。まず日本の背景としては、ドイツと近いところであるんですが、建設の人手不足、それから地震が多い土地なので耐震基準が高くなっていること、そして都市の構造としては狭小地がとても多くなっているところになります。
なので、案としてあげているA案は、大手のゼネコンとジョイントベンチャーモデルを唱えていて、ここだと耐震とか許認可のハードルを突破しやすいし、顧客の基盤も得やすいよっていうところを言っていますが、ただデメリットとして、スタートアップらしい速度は出ないんじゃないかと言っています。B案としては、木造中層特化に、ある程度自由度は下がっちゃうんですけど、自動化するようなプレハブを建てるっていうのがいいんじゃないかっていうのも唱えています。ただこうすると耐震とか防火とかへの対応が重たくなってしまうってところはデメリットとして挙げています。C案としてソフトウェアとロボットに特化するところも挙げています。ここだと既存のサプライチェーンにも入りやすいんですが、ただフルスタックだからこそ生まれる価値っていうのがちょっと取りにくいんじゃないかなっていうのも言っているところですね。
もし日本のスタートアップがこのAll3と同じようなことをしたとしたら、逆に勝てるポイントとかあるんですかね?
いやあ、そうですよね。その日本だからっていうところではなくなってしまうんですが、耐震設計とか申請とか狭小地の種類が違うとか、防火防災みたいな、そういった規制とかローカルの知識になってくるかなとは思うんですが、ただ欧州でもそれは同様だと思うので、どこまでそれが壁になるかは分からないなと思います。
あとは日本のゼネコンもIT化結構されて、熱心に取り組まれてますが、そうした時にこのAll3みたいな企業って入り込む隙があるんでしょうか?
そうですね。既存のゼネコンだと、現場を効率化することっていうところに注力しています。ただ、設計から部材を作る、そしてかつそれをロボットで組み立てる前提で行うのは組織の構造上難しい。どうしてもバリューチェーン的に会社が分かれてしまっているってところがあるので、そこに隙があるっていったところになるのかなと思います。
では最後にまとめになります。今回のまとめとして、1点目としては、フルスタックで全部破壊しようというか、ルールごと変えてしまうというか、既存のプロセスごと変えてしまうってところが、大きな産業を変える時には鍵になるかもしれないところになります。2点目としては、異業種の思考の転用ですね。物流とか小売のモデルを建築に持ち込むとどうなるかってところを考える点が、そうですね。3点目としてはフィジカルAIの証明というかになります。これからですね、ソフトウェアだけではなくて物理の世界で動くようなAIとハードウェアの融合っていうのも大きな事業機会になり得るというのが3点目のまとめになります。なので、今すぐ実践できるアクションとして挙げているものが、自身が属する業界のバリューチェーンを書いてみて、これを隣り合うような2、3の工程を統合するとどういったことができるかっていうのを考えてみるのは面白いポイントかなと思います。
では、All3の紹介は以上となりますが、どうでしたか?
そうですね、フルスタック好きですね。これでもなかなかできないよなと思いながら、我々は結構フルスタックを挙げることが多いなとは思います。でも、大きな産業でどこか1つ改善するんではなくて、AIとかソフトウェアの時代にそれに合わせてワークフロー自体を変えていくところは、他の業界にも学べそうなところがありそうだなと思いました。
そうですね。何か他の業界とか業種に適用できると、より大きな価値を生み出すこともできるかと思うので、何かご参考になればという風に思います。はい、では今日はこれで以上となります。FoundX Review Startup IdeaCastですが、今後も海外スタートアップのアイデアを起業のアイデアとして、ヒントとしてご紹介していきますんで、よければ高評価とチャンネル登録をお願いいたします。また、FoundXではですね、起業する方に向けたプログラムを各種提供しておりますので、周りにご興味のある方いらっしゃったらご紹介いただけたら大変ありがたいです。では今日はここで以上となります。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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