AI研修に使える「人材開発支援助成金」とは何か:ホリエモンAI学校・荒木健治郎氏が語る仕組みと注意点

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概要

堀江貴文氏のYouTubeチャンネルに、ホリエモンAI学校代表の荒木健治郎氏が出演し、厚生労働省の「人材開発支援助成金」をAI研修に使う方法を解説した。荒木氏は、ネット上で助成金詐欺が横行していることもあり、これまで動画でこの話題を扱ってこなかったという。それでも便利な制度なので、自社以外の研修にも使える助成金として紹介したいというのが今回の出演の趣旨である。

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補助金と助成金の違い

荒木氏はまず、補助金と助成金の違いを整理した。補助金には採択率があり、申請して審査に通った事業者だけが予算の範囲内で使える。これに対して助成金は、ハローワーク関連や教育など「人」に関わるものが基本だ。例えば非正規の人を正社員にしたら何万円がもらえる、といった制度はすべて助成金にあたる。条件を満たせば受け取れるのが助成金の基本的な性格だと荒木氏は説明した。

今回取り上げたのは、厚生労働省の人材開発支援助成金である。名前の通り、社員教育にかかる費用の一部を国が負担する制度で、その中に「事業展開等リスキリング支援コース」がある。社員がDXや新規事業に取り組むためにスキルを変える必要があるとき、その研修費用を助成するもので、「リスキリング補助金」とも呼ばれている。

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助成率と上限額

荒木氏によると、雇用保険に加入している社員が勤務時間中に受講すれば、中小企業は最大75%、大企業は最大60%が助成される。荒木氏が「面白い」と強調したのは、消費税も助成対象に含まれる点だ。100万円の研修なら税込110万円の75%、つまり82万5000円が出るため、実質82.5%の助成になる。堀江氏も、普通は消費税別なので珍しいと反応した。

上限は1社あたり年間1億円である。ホリエモンAI学校の「キャンプ」という研修が約100万円だとすると、年間100回受けられる計算になり、荒木氏は「上限はほぼない」と表現した。

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「プロンプト教室」は対象外になった経緯

ただし、この助成金はAIスクールが乱発的に使っていた時期があり、その結果、厚労省が「AIのプロンプトを教えるために助成金を出しているのではない」と問題視したという。あくまで目的は業務効率化やDXであり、プロンプト教室はダメだが、ChatGPTの使い方を教えて業務が効率化したなら認められる、という線引きがされた。荒木氏はこれを「DX助成金」のようなイメージだとまとめている。

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厳しい受給要件

対象は雇用保険に加入している社員に限られる。社長や役員は雇用保険に入れないため対象外で、荒木氏自身も経営者なので使えない。

さらに、研修は会社が法人として契約する必要があり、個人契約では使えない。受講は給料が出ている時間帯でなければならず、タイムカードを押して10時から12時に受けるのは問題ないが、12時から13時の昼休みに視聴するのは認められない。18時までの勤務の人が残業して19時に見るのも、土日に見るのもダメだという。自宅で受講する場合は、テレワーク用の就業規則などをすべて提出するよう求められる。荒木氏はこれを「結構厳しい要件」としつつ、社労士をつけてきちんと進めれば受給できるだろうと話した。

助成金の相談は社労士の仕事

荒木氏は、自社は制度に詳しくても、助成金について具体的に話すことはほとんどできないと説明した。弁護士以外が法律業務をしてはいけないのと同じで、どの助成金を使うか、いくら出るかを判断するのは社労士の業務だからだ。荒木氏は非弁行為になぞらえて説明している。

そのためホリエモンAI学校では、社員17人のうち荒木氏以外は助成金を扱えないようにしており、営業担当にも詳しいことは言わせず、顧問社労士を紹介する形をとっている。社労士が30分の無料面談を行う。社労士への手数料は助成された金額の10%程度が目安だが、プランによってはホリエモンAI学校が負担したり、顧問契約の範囲で無料にしたりするケースもあるという。

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対象外となる企業:キャバクラの例

受給できない条件もある。性風俗店が対象外なのは何となく理解できるが、キャバクラの運営企業も対象外だったと荒木氏は語った。知人から紹介された会社で助成金を使おうと社労士に面談したところ、キャバクラでは助成金は下りないと断られたという。

ほかにも反社会的勢力、過去一定年数以内に助成金関連の問題を起こした会社、雇用保険に加入していない・保険料を払っていない会社は対象外になる。ただ、普通の会社であればおおむね大丈夫ではないかと荒木氏は見ている。

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研修時間に「時給」が出る仕組み

荒木氏が特に「面白い」と紹介したのが、賃金助成である。ホリエモンAI学校には、約300本の講義動画が見放題になるコースと、ZoomやGoogle Meetでリアルタイムに指導するコースの2種類がある。後者のリアルタイム指導では、受講者1人あたり時給1000円が助成されるという。

荒木氏自身も最初は意味が分からなかったというが、給料を払っている時間に仕事をさせず研修を受けさせる以上、会社は損をしている、という考え方らしい。例えば16時間程度の「2日キャンプ」を勤務時間中に受講すれば、1人1万6000円になる。

荒木氏の計算では、11人が16時間受講すれば時給分で約17万円になり、100万円の研修費に対する82万5000円と合わせると、受講料100万円に対して100万円を超える助成が出ることになる。堀江氏は、社員教育の時間分は会社が損をしているからだろうと解釈した。荒木氏も、月給50万円程度の人なら時給換算で3000円ほどになり、そのうち1000円を補助するということだと補足している。

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動画見放題型とリアルタイム型で異なる上限

ただし制度は複雑だと荒木氏は強調する。動画見放題のようなサブスクリプション型の研修では、1人あたり月2万円までしか助成されず、1年契約なら年間24万円が上限になる。一方、ZoomやGoogle Meetでつきっきりで指導する形式なら、1回30万円まで、年3回まで、1人最大90万円程度となる。

2日キャンプにはこの1人30万円の上限が適用される。そのため、100万円の75%である82万5000円と、人数×30万円のどちらかが制限として効いてくる。5人受講すれば計算上150万円になるが、もちろんそこまでは出ず、82万5000円の側に引っかかる。こうした計算が難しいからこそ、社内でも荒木氏以外は助成金を扱えないようにしているのだという。

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DXだけでなく新規事業にも使える

要件は大きく二つに分かれると荒木氏は説明した。一つは、AIを活用して業務効率化するDX目的。もう一つは、新規事業に必要なスキルの研修である。例えばAIが流行っているからAI研修会社を作りたいと考え、社員10人ほどに勉強させるケースも対象になる。ホリエモンAI学校では、代理店をやりたいと来た会社にこの使い方を勧めているという。

荒木氏によれば、新規事業の場合はAIと関係がなくてもよい。極論すれば、飲食店が不動産事業を始めるために100万円のノウハウ研修を受ける場合も「多分出る」と荒木氏は述べ、業種分類が変わるような新規事業なら使えると説明した。この点はあまり知られていないという。堀江氏の周辺でも新規事業は多いので、その社員が新規事業を始めるときにも使える、と荒木氏は付け加えた。ホリエモンAI学校でも最近、新規事業立ち上げコースを作り、AI検証やAI電話のようなツールを作りたい人に、まず助成金で勉強してはどうかと勧めることがあるという。

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期限と相次ぐ不正、ルール改定

この助成金は来年3月末が期限だと荒木氏は述べた。継続するかと堀江氏が尋ねると、荒木氏は「分からない」と答えた。政府にはAI関連で何十兆円もの予算があるが、この制度は詐欺にかなり使われているからだという。

荒木氏が挙げた不正の例は二つある。100万円の研修で100万円が出るような状況を悪用し、講義を実施せず架空で申請するケース。そして、上場企業がグループ内に研修会社を作り、グループ会社から1億円を発注するケースだ。グループ全体ではお金が財布から財布へ移っているだけなのに、75%が国から支給されることになる。堀江氏は、真面目にやっている人たちが迷惑するとして、こうした行為を批判した。

荒木氏によれば、制度は3か月に1回ほどのペースで改定されており、助成額が下がったり、禁止事項が追加されたりしているという。それでも年間700億円程度の予算が組まれているので、使った方がいいのではないかというのが荒木氏の見方だ。

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経験者がツールを作れるようになる意味

荒木氏は、助成金の話をすると「助成金を使いやがって」と炎上しかねないので、これまであまり話してこなかったと明かした。これに対して堀江氏は、別に悪い話ではないと応じた。国としては労働力が足りないので効率化してほしいという意図があるという認識で、二人は一致した。

堀江氏は、少子化で労働力が不足していく中、営業やマーケティングなどで経験を積んだベテランがバイブコーディングでツールを作れるようになれば、どんなツールが便利かをすぐに判断できるのではないかと述べた。荒木氏はこれに同意し、AnthropicがClaude Codeのハッカソンを開いた際、上位5位のうちエンジニアは1人だけで、ほかは医師や弁護士、営業職など、その道のプロだったという例を紹介した。自分たちが欲しいツールを作りたくなるのは自然で、若い人よりもその道10年の人の方が良いものを作るかもしれない、というのが荒木氏の考えだ。堀江氏は、それだけ普及し、レベルが上がって、誰でも作れるようになったということだろうと受け止めた。

一方で荒木氏は、YouTubeを見ながら自力でClaude Codeを使えるようになる人もいるが、会社としては社員の進捗をそろえたい、50人の社員全員に強制力を持って教えたい、といった事情があると指摘した。そうした場合は、家庭教師的な形か研修受講かを問わず、外部の手を借りるのも一つの手だという。

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最後の確認:来年3月に向けた駆け込み

終盤で堀江氏が要点を確認した。助成金は補助金と違い、要件を満たせば審査を経て支給される。雇用保険加入者のみが対象で、過去の不正受給や保険料の未払いがあると難しい。法人契約で勤務時間内に受講させる必要があり、リアルタイム形式の研修では1時間1000円の賃金助成が出る。上限は1社年間1億円、助成率は中小企業が最大75%、大企業が最大60%で、うまく使えば100万円のコースに対して101万円ほど出る。社労士の助言が必要で、ホリエモンAI学校が紹介する。そして制度は来年3月で一旦終わる可能性がある。

年末・年度末にかけて駆け込みが予想されるため、早めに動いた方がよいという点で二人は一致した。荒木氏は、3月に入ると対応できる余裕がなくなるとして、早めの相談を呼びかけている。制度が延長されるかどうかは、この時点では分からないままだ。